JP2022080330A - 消耗電極アーク溶接電源 - Google Patents

消耗電極アーク溶接電源 Download PDF

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Abstract

【課題】溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きい場合でも、アークスタートのときの溶接状態を安定にすること。【解決手段】溶接開始に際して、ホットスタート期間Th中は定電流制御によって溶接電流Iwを通電し、続く高電圧設定期間Tv及び定常期間中は定電圧制御によって溶接電流Iwを通電する電力制御部を備えた消耗電極アーク溶接電源において、消耗電極アーク溶接電源の出力端子の電圧から溶接ワイヤと母材との短絡状態を判別して短絡判別信号Sdを出力する短絡判別部と、高電圧設定期間Tv中に短絡判別信号Sdによって短絡発生頻度を検出し、短絡発生頻度が基準値以上のときは短絡発生頻度検出信号Shを出力する短絡発生頻度検出部と、を備え、電力制御部は、短絡発生頻度検出信号Shが入力(Highレベル)されると高電圧設定期間Tvを定電圧制御から定電流制御へと切り換える。【選択図】 図2

Description

本発明は、良好なアークスタート性を得ることができる消耗電極アーク溶接電源に関するものである。
特許文献1の発明には、溶接開始に際して、溶接電流が通電を開始すると、ホットスタート期間中は定電流制御によって溶接電流を通電し、続く第1期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値よりも大きな値のスタート電圧設定値に設定し、続く定常期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値に設定して定電圧制御によって溶接電流を通電する消耗電極アーク溶接のアークスタート制御方法が記載されている。
特許第5943460号公報
消耗電極アーク溶接では、溶接ワイヤと母材との間でアーク期間と短絡期間とを繰り返す溶接状態になることが多い。良好な溶接状態にするために、アーク期間と短絡期間とのそれぞれに適合した溶接電流の制御を行っている。そのために、溶接状態がアーク期間であるか短絡期間であるかを正確に判別(短絡判別)する必要がある。短絡判別は、溶接電源の出力端子の電圧値が閾値以上であるときはアーク期間であると判別し、閾値未満のときは短絡期間であると判別する。溶接トーチと出力端子及び母材と出力端子とを接続する溶接ケーブルが数十mと長くなる場合がある。このような場合には、溶接ケーブルによるインダクタンス値Lが大きくなる。インダクタンス値Lが大きくなると、溶接電流の変化に伴い逆起電圧Ldi/dtが出力端子電圧に重畳する。この結果、短絡判別に誤判別が生じることになる。すなわち、アーク期間を短絡期間と誤判別し、短絡期間をアーク期間と誤判別する。特に、アークスタートのときに誤判別が生じると、スパッタが多く発生し、ビード外観も悪くなり、溶接品質が悪くなるという問題がある。
そこで、本発明では、溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きい場合でも、アークスタートのときの溶接状態を安定にして、良好な溶接品質を得ることができる消耗電極アーク溶接電源を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、溶接開始に際して、溶接電流が通電を開始すると、第1期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値よりも大きな値のスタート電圧設定値に設定し、続く定常期間中は前記電圧設定信号を前記定常電圧設定値に設定して定電圧制御によって溶接電流を通電する消耗電極アーク溶接のアークスタート制御方法
溶接開始に際して、溶接電流が通電を開始すると、ホットスタート期間中は定電流制御によって溶接電流を通電し、続く高電圧設定期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値よりも大きな値のスタート電圧設定値に設定し、続く定常期間中は前記電圧設定信号を前記定常電圧設定値に設定して定電圧制御によって溶接電流を通電する電力制御部を備えた消耗電極アーク溶接電源において、
前記消耗電極アーク溶接電源の出力端子の電圧から溶接ワイヤと母材との短絡状態を判別して短絡判別信号を出力する短絡判別部と、
前記高電圧設定期間中に前記短絡判別信号によって短絡発生頻度を検出し、前記短絡発生頻度が基準値以上のときは短絡発生頻度検出信号を出力する短絡発生頻度検出部と、を備え、
前記電力制御部は、前記短絡発生頻度検出信号が入力されると前記高電圧設定期間を前記定電圧制御から前記定電流制御へと切り換える、
ことを特徴とする消耗電極アーク溶接電源である。
請求項2の発明は、
前記高電圧設定期間を前記定電流制御するときは、前記ホットスタート期間中よりも小さな値の溶接電流を通電する、
ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接電源である。
請求項3の発明は、
前記電力制御部は、前記高電圧設定期間を前記定電圧制御から前記定電流制御へと切り換えたときは、次回の溶接開始に際しては、前記高電圧設定期間の開始時点から前記定電流制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消耗電極アーク溶接電源である。
本発明によれば、溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きい場合でも、アークスタートのときの溶接状態を安定にして、良好な溶接品質を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接電源のブロック図である。 図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る消耗電極アーク溶接電源のブロック図である。以下、同図を参照して各ブロックについて説明する。
電源主回路PMは、3相200V等の商用電源(図示は省略)を入力として、後述する駆動信号Dvに従ってインバータ制御等による出力制御を行い、溶接電流Iw及び溶接電圧Vwを出力する。この電源主回路PMは、図示は省略するが、商用電源を整流する1次整流器、整流された直流を平滑するコンデンサ、平滑された直流を上記の駆動信号Dvに従って高周波交流に変換するインバータ回路、高周波交流をアーク溶接に適した電圧値に降圧する高周波変圧器、降圧された高周波交流を整流する2次整流器、整流された直流を平滑するリアクトルを備えている。
溶接ワイヤ1は、送給モータWMに結合された送給ロール5の回転によって溶接トーチ4内を送給されて、母材2との間にアーク3が発生して溶接が行われる。溶接トーチ4は、ロボット(図示は省略)に搭載されている。
電圧検出回路VDは、溶接電源の出力端子間の電圧を検出して電圧検出信号Vdを出力する。
溶接電流検出回路IDは、上記の溶接電流Iwを検出して、溶接電流検出信号Idを出力する。通電判別回路CDは、この溶接電流検出信号Idを入力として、この値が閾値以上のときはHighレベルとなる通電判別信号Cdを出力する。この通電判別信号Cdは、溶接電流Iwが通電するとHighレベルとなる信号である。したがって、閾値は、5A程度に設定される。
ロボット制御装置RCは、予め教示された作業プログラムを記憶しており、この作業プログラムに従ってロボット(図示は省略)の動作を制御すると共に、溶接電源に対して溶接開始信号Stを出力する。
ホットスタート期間設定回路THRは、予め定めたホットスタート期間設定信号Thrを出力する。
高電圧設定期間設定回路TVRは、予め定めた高電圧設定期間設定信号Tvrを出力する。
定常電圧設定回路VCRは、予め定めた定常電圧設定信号Vcrを出力する。
スタート電圧設定回路VSRは、この定常電圧設定信号Vcrを入力として、予め定めた関数によって算出されるスタート電圧設定信号Vsrを出力する。この関数は、例えばVsr=Vcr+(正の所定値)である。必ず、Vsr>Vcrとなるように設定される。
期間設定回路MSは、上記の溶接開始信号St、上記の通電判別信号Cd、上記のホットスタート期間設定信号Thr及び上記の高電圧設定期間設定信号Tvrを入力として、以下の処理を行い期間設定信号Msを出力する。
1)溶接開始信号StがHighレベル(開始)に変化すると、その値が0から1となる期間設定信号Msを出力する。Ms=1の期間は、図2のスローダウン送給期間となる。
2)その後に、通電判別信号CdがHighレベル(通電)に変化すると、その値が2となる期間設定信号Msを出力する。Ms=2の期間は、図2のホットスタート期間Thとなる。
3)その後に、ホットスタート期間設定信号Thrによって定まる期間が経過すると、その値が3となる期間設定信号Msを出力する。Ms=3の期間は、図2の高電圧設定期間Tvとなる。
4)その後に、高電圧設定期間設定信号Tvによって定まる期間が経過すると、その値が4となる期間設定信号Msを出力する。Ms=4の期間は、図2の定常期間となる。
電圧設定回路VRは、上記の定常電圧設定信号Vcr、上記のスタート電圧設定信号Vsr及び上記の期間設定信号Msを入力として、Ms≦3のときはスタート電圧設定信号Vsrを電圧設定信号Vrとして出力し、Ms=4のときは定常電圧設定信号Vcrを電圧設定信号Vrとして出力する。
電圧誤差増幅回路EVは、上記の電圧設定信号Vrと上記の電圧検出信号Vdとの誤差を増幅して、電圧誤差増幅信号Evを出力する。
ホットスタート電流設定回路IHRは、予め定めたホットスタート電流設定信号Ihrを出力する。
スタート電流設定回路ISRは、予め定めたスタート電流設定信号Isrを出力する。ここで、Isr<Ihrに設定される。Isrを経時的に小さくなる信号としても良い。
電流設定回路IRは、上記のホットスタート電流設定信号Ihr、上記のスタート電流設定信号Isr及び上記の期間設定信号Msを入力として、Ms≦2のときはホットスタート電流設定信号Ihrを電流設定信号Irとして出力し、Ms>2のときはスタート電流設定信号Isrを電流設定信号Irとして出力する。
電流誤差増幅回路EIは、上記の電流設定信号Irと上記の溶接電流検出信号Idとの誤差を増幅して、電流誤差増幅信号Eiを出力する。
短絡判別回路SDは、上記の電圧検出信号Vdを入力として、この値が閾値(10V程度)未満のときは短絡期間であると判別してHighレベルとなり、以上のときはアーク期間であると判別してLowレベルとなる短絡判別信号Sdを出力する。
短絡発生頻度検出回路SHは、上記の短絡判別信号Sd及び上記の期間信号Msを入力として、期間信号Ms=3(高電圧設定期間Tv)であるときに、短絡判別信号Sdによって短絡発生頻度を検出し、短絡発生頻度が基準値以上であるときはHighレベルにセットされ、母材2が異なる種類に変更されるとLowレベルにリセットされる短絡頻度検出信号Shを出力する。したがって、同一種類の母材2を繰り返して溶接しているときは、短絡発生頻度検出信号Shは、一度セットされると、リセットされない、母材2の種類が変更されたときにリセットされる。短絡発生頻度の基準値は、例えば10msの期間中に3回以上の短絡が発生した場合である。
制御方式切換信号生成回路CSは、上記の期間設定信号Ms及び上記の短絡発生頻度検出信号Shを入力として、以下の処理を行い、制御方式切換信号Csを出力する。
1)期間信号Ms=1及び2のときは、Lowレベル(定電流制御)の制御方式切換信号Csを出力する。
2)期間信号Ms=3かつ短絡発生頻度検出信号ShがLowレベルのときは、Highレベル(定電圧制御)の制御方式切換信号Csを出力する。
3)期間信号Ms=3かつ短絡発生頻度検出信号ShがHighレベルのときは、Lowレベル(定電流制御)の制御方式切換信号Csを出力する。
4)期間信号Ms=4のときは、Highレベル(定電圧制御)の制御方式切換信号Csを出力する。
制御切換回路SWは、上記の電圧誤差増幅信号Ev、上記の電流誤差増幅信号Ei及び上記の制御方式切換信号Csを入力として、Cs=Lowレベル(定電流制御)のときは電流誤差増幅信号Eiを誤差増幅信号Eaとして出力し、Cs=Highレベル(定電圧制御)のときは電圧誤差増幅信号Evを誤差増幅信号Eaとして出力する。
駆動回路DVは、上記の誤差増幅信号Ea及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルのときは誤差増幅信号Eaに基づいてPWM変調制御を行い、上記の電源主回路PM内のインバータ回路を駆動するための駆動信号Dvを出力し、溶接開始信号StがLowレベルのときは駆動信号Dvの出力を停止する。
電力制御回路PCは、上記の電源主回路PM、上記の制御方式切換信号生成回路CS、上記の制御切換回路SW及び上記の駆動回路DVを備えている。
送給速度設定回路FRは、上記の期間設定信号Msを入力として、Ms=1のときは予め定めたスローダウン送給速度を送給速度設定信号Frとして出力し、Ms≧2のときは予め定めた定常送給速度を送給速度設定信号Frとして出力する。送給制御回路FCは、この送給速度設定信号Fr及び上記の溶接開始信号Stを入力として、溶接開始信号StがHighレベルのときは溶接ワイヤ1を送給速度設定信号Frによって定まる速度で送給するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力し、溶接開始信号StがLowレベルのときは送給を停止するための送給制御信号Fcを上記の送給モータWMに出力する。
図2は、図1の溶接電源における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は溶接開始信号Stの時間変化を示し、同図(B)は制御方式切換信号Csの時間変化を示し、同図(C)は溶接ワイヤの送給速度Fwの時間変化を示し、同図(D)は短絡判別信号Sdの時間変化を示し、同図(E)は短絡発生頻度検出信号Shの時間変化を示し、同図(F)は溶接電流Iwの時間変化を示し、同図(G)は溶接電圧Vwの時間変化を示す。同図は、ロボットを使用した溶接の場合を例示している。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、ロボットが移動して溶接トーチが溶接開始位置に到達すると、ロボット制御装置から溶接電源に対して溶接開始信号Stが出力される。
(1)時刻t1~t2のスローダウン送給期間
同図(A)に示すように、時刻t1において、ロボット制御装置からの溶接開始信号StがHighレベルになると、溶接電源の出力が開始されるので、同図(G)に示すように、無負荷電圧が溶接ワイヤと母材との間に印加する。同時に、同図(C)に示すように、送給速度Fwは1~2m/min程度の遅いスローダウン送給速度となり、溶接ワイヤは母材へと次第に接近する。同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsはLowレベルであるので、溶接電源は定電流制御となる。
(2)時刻t2~t3のホットスタート期間Th
時刻t2において、溶接ワイヤと母材とが接触して導通すると、同図(G)に示すように、溶接電圧Vwは、数V程度の短絡電圧値に急減する。同時に、同図(F)に示すように、溶接電流Iwの通電が開始されて、時刻t2~t3の予め定めたホットスタート期間Th中は、予め定めたホットスタート電流Ihが通電する。このホットスタート期間Th中は、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsがLowレベルであるので、定電流制御となる。ホットスタート期間Thは5~15ms程度に設定され、ホットスタート電流Ihは450~600A程度に設定される。両値ともに、溶接ワイヤの種類、定常送給速度等に応じて適正値に設定される。時刻t2において、溶接電流Iwの通電が開始すると、同図(C)に示すように、送給速度Fwは予め定めた定常送給速度に切り換えられる。このホットスタート電流Ihは、溶接ワイヤの先端を早急に溶融してアークを発生させるために通電する。したがって、時刻t2から1ms程度の短時間経過後の時刻t21において、アークが発生する。アークが発生すると、同図(G)に示すように、溶接電圧Vwは数十Vのアーク電圧値に急増する。
(3)時刻t3~t4の高電圧設定期間Tv
時刻t3においてホットスタート期間Thが終了すると、高電圧設定期間Tvに入り、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsがHighレベルに変化するので、溶接電源は定電圧制御に切り換えられる。この期間における図1の電圧設定信号Vrの値はスタート電圧設定信号Vsrの値であるので、この設定値によって定電圧制御が行われる。
同図(F)に示すように、溶接電流Iwは、定電圧制御であるために、時刻t3から急減する。出力端子の電圧である図1の電圧検出信号VdはVd=Vw+Ldi/dtとなる。Vwはアーク発生個所の溶接電圧であり、Lは溶接ケーブルによるインダクタンス値であり、di/dtは溶接電流の変化率である。ここで、溶接ケーブルが長い場合であるのでLは大きな値となる。溶接電流Iwが急減しているのでdi/dtは負の大きな値となる。この結果、Ldi/dtは大きな負の値となり、電圧検出信号Vdは溶接電圧Vwよりも大幅に小さな値となる。このために、アーク発生状態であり、溶接電圧Vwが数十Vのアーク電圧値であっても、電圧検出信号Vdは閾値未満となり、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはHighレベルとなり、短絡期間であると誤判別することになる。
短絡判別信号SdがHighレベルになると、溶接電源は短絡期間の制御を行い、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは増加する。この結果、Ldi/dtは正の値となり、電圧検出信号Vdは溶接電圧Vwよりも大きな値となる。このために、同図(D)に示すように、短絡判別信号SdはLowレベルになる。短絡判別信号SdがLowレベルになると、溶接電源はアーク期間の制御を行うので、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは再び急減する。
上記のような動作を繰り返すことになるので、時刻t3~t31の期間中に、短絡判別信号Sdは3回HighレベルとLowレベルとを繰り返すことになる。時刻t3~t31の期間中は、溶接状態はアーク発生状態であり、溶接電圧Vwはアーク電圧値のままである。時刻t31において、高電圧設定期間Tv中の短絡発生頻度が基準値以上になったために、同図(E)に示すように、短絡発生頻度検出信号ShがHighレベルに変化する。
時刻t31において、同図(E)に示すように、短絡発生頻度検出信号ShがHighレベルになると、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsがLowレベルになり、溶接電源は定電流制御に切り換えられる。このために、同図(F)に示すように、予め定めたスタート電流Isが通電する。このスタート電流Isは、ホットスタート電流Ihよりも小さな値である。定電流制御になると、短絡判別信号Sdの状態に関わりなく溶接電流Iwが制御されるので、時刻t3~t31のような増加、減少を繰り返す状態にはならない。時刻t3~t31のように、溶接電流Iwが増加、減少を繰り返す状態になると、スパッタが多く発生し、溶接状態も悪くなる。このような状態から抜け出すために定電流制御に切り換えている。時刻t31からのスタート電流Isは、定常送給速度よりも溶融速度が小さくなる値に設定されるので、アーク長は次第に短くなる。スタート電流Isを経時的に減少するようにしても良い。このようにすると、アーク長が円滑に短くなり、定常期間への移行がより安定になる。
高電圧設定期間Tvは、例えば50~100ms程度に設定される。
(4)時刻t4以降の定常期間
時刻t4において、高電圧設定期間Tvが終了すると、定常期間に移行し、同図(B)に示すように、制御方式切換信号CsはHighレベルになり、溶接電源は定電圧制御に切り換えられる。そして、溶接電圧Vwは、図1の定常電圧設定信号Vcrの値によって定電圧制御される。定常期間中は、短絡期間とアーク期間とが繰り返される状態になる。このために、同図(F)に示すように、溶接電流Iwは短絡期間中は緩やかに増加し、アーク期間中は緩やかに減少する。同図(G)に示すように、溶接電圧Vwは、短絡期間中は数Vの短絡電圧値となり、アーク期間中は数十Vのアーク電圧値となる。同図(D)に示すように、短絡判別信号Sdは、短絡期間中はHighレベルとなり、アーク期間中はLowレベルとなる。
同図(E)に示すように、短絡発生頻度検出信号Shは、時刻t31以降はHighレベルのままである。これは、溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きな値である状態が維持されているためである。短絡発生頻度検出信号ShがHighレベルであるときは、高電圧設定期間Tvは期間の開始時点から定電流制御される。また、短絡発生頻度検出信号ShがHighレベルを維持するために、高電圧設定期間Tvを定電圧制御から定電流制御へと切り換えたときは、次回の溶接開始に際しては、高電圧設定期間Tvの開始時点から定電流制御されることになる。短絡発生頻度検出信号Shは、母材の種類が変更されたときにLowレベルにリセットされる。
上述した実施の形態によれば、消耗電極アーク溶接電源の出力端子の電圧から溶接ワイヤと母材との短絡状態を判別して短絡判別信号を出力する短絡判別部と、高電圧設定期間中に短絡判別信号によって短絡発生頻度を検出し、短絡発生頻度が基準値以上のときは短絡発生頻度検出信号を出力する短絡発生頻度検出部と、を備え、電力制御部は、短絡発生頻度検出信号が入力されると高電圧設定期間を定電圧制御から定電流制御へと切り換える。短絡判別の頻度が実際に短絡が発生する頻度の上限値を超えているときは、短絡判別が誤判別していると判断することができる。これにより、溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きな場合においても、アークスタート時の短絡判別信号の誤判別によって溶接電流が増加、減少を繰り返す状態に陥ることを抑制することができる。この結果、本実施の形態では、溶接ケーブルによるインダクタンス値が大きい場合でも、アークスタートのときの溶接状態を安定にして、良好な溶接品質を得ることができる。
さらに、本実施の形態によれば、高電圧設定期間を定電流制御するときは、ホットスタート期間中よりも小さな値の溶接電流を通電することが好ましい。このようにすると、アークスタート時の高電圧設定期間から定常期間へと溶接状態を円滑に移行させることができる。このために、溶接品質をより向上させることができる。
さらに、本実施の形態によれば、電力制御部は、高電圧設定期間を定電圧制御から定電流制御へと切り換えたときは、次回の溶接開始に際しては、高電圧設定期間の開始時点から定電流制御することが好ましい。このようにすると、高電圧設定期間の開始時点からスパッタの発生を抑制し、溶接状態を安定に維持することができるので、溶接品質をより向上させることができる。
1 溶接ワイヤ
2 母材
3 アーク
4 溶接トーチ
5 送給ロール
CD 通電判別回路
Cd 通電判別信号
CS 制御方式切換信号生成回路
Cs 制御方式切換信号
DV 駆動回路
Dv 駆動信号
Ea 誤差増幅信号
EI 電流誤差増幅回路
Ei 電流誤差増幅信号
EV 電圧誤差増幅回路
Ev 電圧誤差増幅信号
FC 送給制御回路
Fc 送給制御信号
FR 送給速度設定回路
Fr 送給速度設定信号
Fw 送給速度
ID 溶接電流検出回路
Id 溶接電流検出信号
Ih ホットスタート電流
IHR ホットスタート電流設定回路
Ihr ホットスタート電流設定信号
IR 電流設定回路
Ir 電流設定信号
Is スタート電流
ISR スタート電流設定回路
Isr スタート電流設定信号
Iw 溶接電流
MS 期間設定回路
Ms 期間設定信号
PC 電力制御回路
PM 電源主回路
RC ロボット制御装置
SD 短絡判別回路
Sd 短絡判別信号
SH 短絡発生頻度検出回路
Sh 短絡発生頻度検出信号
St 溶接開始信号
SW 制御切換回路
Th ホットスタート期間
THR ホットスタート期間設定回路
Thr ホットスタート期間設定信号
Tv 高電圧設定期間
TVR 高電圧設定期間設定回路
Tvr 高電圧設定期間設定信号
VCR 定常電圧設定回路
Vcr 定常電圧設定信号
VD 電圧検出回路
Vd 電圧検出信号
VR 電圧設定回路
Vr 電圧設定信号
VSR スタート電圧設定回路
Vsr スタート電圧設定信号
Vw 溶接電圧
WM 送給モータ

Claims (3)

  1. 溶接開始に際して、溶接電流が通電を開始すると、ホットスタート期間中は定電流制御によって溶接電流を通電し、続く高電圧設定期間中は電圧設定信号を定常電圧設定値よりも大きな値のスタート電圧設定値に設定し、続く定常期間中は前記電圧設定信号を前記定常電圧設定値に設定して定電圧制御によって溶接電流を通電する電力制御部を備えた消耗電極アーク溶接電源において、
    前記消耗電極アーク溶接電源の出力端子の電圧から溶接ワイヤと母材との短絡状態を判別して短絡判別信号を出力する短絡判別部と、
    前記高電圧設定期間中に前記短絡判別信号によって短絡発生頻度を検出し、前記短絡発生頻度が基準値以上のときは短絡発生頻度検出信号を出力する短絡発生頻度検出部と、を備え、
    前記電力制御部は、前記短絡発生頻度検出信号が入力されると前記高電圧設定期間を前記定電圧制御から前記定電流制御へと切り換える、
    ことを特徴とする消耗電極アーク溶接電源。
  2. 前記高電圧設定期間を前記定電流制御するときは、前記ホットスタート期間中よりも小さな値の溶接電流を通電する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の消耗電極アーク溶接電源。
  3. 前記電力制御部は、前記高電圧設定期間を前記定電圧制御から前記定電流制御へと切り換えたときは、次回の溶接開始に際しては、前記高電圧設定期間の開始時点から前記定電流制御する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の消耗電極アーク溶接電源。
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