JP2022002749A - 気体処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オゾン(O3)によって分解しづらい成分も効率的に分解することが可能な、気体処理装置を提供することを目的とする。【解決手段】気体処理装置は、筒状の筐体と、酸素及び水分を含む被処理気体を筐体の内側に導入する吸気口と、筐体の内側に収容され、放電用ガスが充填されてなり、第一方向に延伸する管体を含むエキシマランプと、エキシマランプから出射された紫外線が照射された被処理気体を筐体の外側に導出する排気口と、第一方向から見たときに、管体を取り囲むように、又は管体を挟み込むように配置された遮風部材とを備える。遮風部材は、少なくとも、管体の前記第一方向に係る端部のうちの吸気口に近い側の端部と、管体の第一方向の中央部との間の位置に配置されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、気体処理装置に関し、特にエキシマランプを用いて被処理気体を処理する装置に関する。
光を用いた脱臭・殺菌する技術が近年開発されている。例えば、下記特許文献1には、エキシマランプの構成が開示されている。このエキシマランプは、紫外線を透過するシリカガラスよりなる管体(放電容器)と、この管体の外壁に設けられた電極を備える。管体内には、放電用ガスとしてのキセノン(Xe)ガスが封入されている。このエキシマランプによれば、波長200nm以下、より詳細には波長172nmの真空紫外光が照射される。
よって、例えば、この真空紫外光を空気に照射させて、オゾン(O3)を含むガスを生成することで、このオゾン(O3)を含むガスを用いた脱臭・殺菌の効果を得ることができる。
特開2007−335350号公報
ところで、空気中には、オゾン(O3)によって分解しづらい悪臭成分が含まれている場合がある。このような悪臭成分の一つにホルムアルデヒドが挙げられる。本発明は、オゾン(O3)によって分解しづらい上記の成分も効率的に分解することが可能な、気体処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る気体処理装置は、
筒状の筐体と、
酸素及び水分を含む被処理気体を前記筐体の内側に導入する吸気口と、
前記筐体の内側に収容され、放電用ガスが充填されてなり、第一方向に延伸する管体を含むエキシマランプと、
前記エキシマランプから出射された紫外線が照射された前記被処理気体を、前記筐体の外側に導出する排気口と、
前記第一方向から見たときに、前記管体を取り囲むように、又は前記管体を挟み込むように配置された遮風部材とを備え、
前記エキシマランプは、160nm以上180nm未満の範囲内に含まれる第一波長帯の成分を含む前記紫外線を出射する構成であり、
前記遮風部材は、少なくとも、前記管体の前記第一方向に係る端部のうちの前記吸気口に近い側の端部と、前記管体の前記第一方向の中央部との間の位置に配置されており、
前記遮風部材は、前記第一方向から見て前記管体を覆うように開口された第一開口部と、前記第一開口部よりも外側の領域であって、開口が設けられていない遮蔽部とを有し、
前記被処理気体は、前記第一開口部の内側に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁との間に設けられた離間領域を通じて、前記排気口に向かって通流することを特徴とする。
上記構成によれば、吸気口から筐体内に取り込まれて排気口側に向かう被処理気体の一部は、遮風部材に衝突することで、気流が変化する。上述したように、遮風部材は、エキシマランプの管体を取り囲むように、又は管体を挟み込むように配置されている。すなわち、エキシマランプの管体と遮風部材との間には離間領域が形成されている。このため、被処理気体は、管体と遮風部材との離間領域に向かって流れ込む。遮風部材が設けられることで、吸気口から取り込まれた被処理気体は、遮風部材の配置箇所において、同気体を流すことのできる空間が急激に狭くなる。この結果、管体と遮風部材との離間領域に向かう気流が発生する。
かかる構成により、吸気口から取り込まれた被処理気体の多くが、遮風部材の配置箇所において、エキシマランプの管体の近傍を通流することとなる。
ところで、被処理気体は、脱臭・殺菌する対象となる気体が想定されており、より詳細な具体例としては、自動車や工場などにおける排ガスや、実験設備や医療現場といった特定の薬剤を利用する可能性のある空間内の雰囲気が挙げられる。これらの気体は、酸素と水分を含む。
エキシマランプから放射される紫外線は、その波長が短いほどエネルギーが高い一方で、短い波長の成分は酸素に吸収されてしまう。波長120nm〜250nm程度の光については、酸素によって吸収されることが知られており、特に、図5又は図13を参照して後述されるように、波長150nm〜180nmの光については、酸素に対する吸収係数が高い。このため、被処理気体を脱臭・殺菌すべく、このような波長帯の光をエキシマランプから放射させたとしても、被処理気体に含まれる酸素に吸収される結果、被処理気体に対して十分に光を届かせることができない。
上記の構成によれば、遮風部材が設けられることにより、吸気口から取り込まれた被処理気体を、意図的にエキシマランプの管体の近傍に通流させることができる。よって、上記のように短い波長帯の紫外線をエキシマランプから出射させた場合であっても、吸気口から取り込まれた被処理気体の多くに紫外線を照射させることができる。これにより、被処理気体に含まれる悪臭・有害物質の分解性能を高めることができる。
また、被処理気体は、遮風部材と管体の間の位置を通流した後、通流可能領域が広がることから、圧力差に起因した乱流を生じやすい。この乱流により、被処理気体は、含有していた悪臭・有害物質が完全に分解された気流と、含有していた悪臭・有害物質の一部が分解されずに残存していた気流とが混合された後、排気口に向かって流れる。このため、遮風部材の後段の位置においても、エキシマランプの近傍には悪臭・有害物質を含む気流が通流しやすくなるため、エキシマランプから出射される紫外線が照射されることで、この悪臭・有害物質を更に分解することができる。
エキシマランプから放射される紫外線は、160nm以上180nm未満の範囲内に含まれる波長帯(以下、「第一波長帯λ1」という。)の光を含むのが好ましい。
エキシマランプの近傍を通流する被処理気体に対して、エキシマランプからの第一波長帯λ1の出射光が照射されることで、高い反応性を示す励起状態の酸素原子O(1D)やヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。これにより、オゾン(O3)で分解しづらい物質(例えばホルムアルデヒド)に対しても高い分解性能を示す。
筐体は、中空の筒形状である限りにおいて、形状は任意である。例えば、円筒管形状や、角管形状など、種々の形状を採用することができる。
前記遮風部材は、
前記第一方向から見て前記管体を覆うように開口された第一開口部と、前記第一開口部よりも外側の領域であって、開口が設けられていない遮蔽部とを有し、
前記第一開口部の内側に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁との離間距離が1mm以上10mm以下であるものとしても構わない。
上記構成において、遮風部材は、遮蔽部の中央に開口(第一開口部)が設けられた形状を呈し、この第一開口部を貫通するようにエキシマランプの管体が配置されている。遮蔽部に衝突した被処理気体は、第一開口部を通じて管体の近傍を第一方向に沿って通流する。
ここで、上記のように、第一開口部の内側に位置する管体と、遮蔽部の第一開口部側の内縁との離間距離を、1mm以上10mm以下の極めて狭い距離としておくことで、エキシマランプから放射される紫外線が、上記第一波長帯λ1の光を含む場合であっても、かかる光を被処理気体に対して十分に照射させることができる。
上記構成において、
前記遮風部材は、前記第一方向に離間して2つ以上が配置され、
前記第一方向に隣接する2つの前記遮風部材のうちの前記吸気口に近い側に位置する第一遮風部材が備える前記第一開口部の少なくとも一部と、前記2つの前記遮風部材のうちの前記排気口に近い側に位置する第二遮風部材が備える前記遮蔽部とが、前記第一方向から見たときに、互いに重なり合うものとしても構わない。
遮風部材を設けることで、被処理気体は第一開口部内を通流する。これによって被処理気体がエキシマランプの管体の近傍を通流するため、エキシマランプから短波長(例えば、上記第一波長帯λ1)の紫外線が照射される場合であっても、被処理気体に対して十分に照射させることができる。ただし、被処理気体が第一方向に沿って第一開口部内を通流する長さは、遮風部材の第一方向に係る長さ(以下、「厚み」という。)に依存する。すなわち、遮風部材の厚みが薄い場合には、短波長の紫外線が被処理気体に照射される時間が短くなるため、筐体内に導入される被処理気体の流量によっては、被処理気体に含まれる悪臭・有害物質が分解仕切れずに残存する場合も想定される。
しかし、上記の構成によれば、第一方向に沿って、遮風部材が複数枚設けられているため、被処理気体が前段の遮風部材の第一開口部内を通流した後、仮に悪臭・有害物質が残存していたとしても、この被処理気体は、後段の遮風部材の第一開口部内を通流することで、再びエキシマランプの管体の近傍を通流することができる。これにより、悪臭・有害物質の分解性能が向上する。
更に、上記の構成によれば、第一遮風部材が備える第一開口部の少なくとも一部と、第二遮風部材が備える遮蔽部とが、第一方向から見たときに、互いに重なり合うように配置されている。かかる構成によれば、第一遮風部材の第一開口部を第一方向に通流した被処理気体の一部が、第二遮風部材の遮蔽部に衝突しやすくなる。この結果、第二遮風部材の前段の位置において乱流が発生しやすくなる。これにより、被処理気体内において悪臭・有害物質が残存している気流と、悪臭・有害物質が分解されている気流が混合した後、第二遮風部材の第一開口部を通じてエキシマランプの管体の近傍を通流するため、悪臭・有害物質の分解性能が更に向上する。
上記構成において、
前記第一開口部は、回転非対称な形状を有し、
前記第一遮風部材を所定の角度だけ回転すると、前記第一遮風部材が備える前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁と、前記第二遮風部材が備える前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁とが、前記第一方向から見たときに重なり合うものとしても構わない。
具体的な例としては、第一開口部は、楕円形状、卵型形状、長方形状などの形状を呈することができる。一例として、第一開口部が楕円形状である場合に、第一遮風部材の長径方向と、第二遮風部材の短径方向とを平行にして配置するものとしても構わない。
前記遮風部材は、
前記第一方向から見たときに、前記管体を挟んで離間した2箇所以上の位置に配置された、開口が設けられていない遮蔽部と、
2箇所以上の前記遮蔽部に挟まれた空間領域である第一開口部とを有してなり、
前記第一開口部内に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の外縁との離間距離が1mm以上10mm以下であるものとしても構わない。
上記構成において、遮風部材は、2箇所以上の位置に配置された遮蔽部を有し、これらの遮蔽部に挟まれた空間領域(第一開口部)内にエキシマランプの管体が配置されている。かかる構成においても、遮蔽部に衝突した被処理気体は、第一開口部を通じて管体の近傍を第一方向に沿って通流する。そして、第一開口部内に位置する管体と、遮蔽部の第一開口部側の外縁との離間距離を、1mm以上10mm以下の極めて狭い距離としておくことで、エキシマランプから放射される紫外線が、上記第一波長帯λ1の光を含む場合であっても、かかる光を被処理気体に対して十分に照射させることができる。
前記遮風部材は、前記第一方向に離間した2箇所以上の位置に配置され、
前記第一方向に隣接する2つの前記遮風部材のうちの前記吸気口に近い側に位置する第一遮風部材が備える前記第一開口部の少なくとも一部と、前記2つの前記遮風部材のうちの前記排気口に近い側に位置する第二遮風部材が備える前記遮蔽部とが、前記第一方向から見たときに、互いに重なり合うものとしても構わない。
上記の構成によれば、第一方向に沿って、遮風部材が複数箇所に設けられているため、被処理気体が前段の遮風部材の第一開口部内を通流した後、仮に悪臭・有害物質が残存していたとしても、この被処理気体は、後段の遮風部材の第一開口部内を通流することで、再びエキシマランプの管体の近傍を通流することができる。これにより、悪臭・有害物質の分解性能が向上する。
前記遮風部材が備える前記遮蔽部は、半円形状又は長方形状であるものとしても構わない。
前記遮風部材は、
前記第一方向に離間して2つ以上が配置されており、
前記第一方向から見て前記管体を覆うように開口された第一開口部と、
前記第一開口部よりも外側の領域であって、開口が設けられていない遮蔽部と、
前記遮蔽部の領域内において、部分的に複数の開口が分散して設けられた第二開口部とを備え、
前記吸気口に最も近い位置に配置された前記遮風部材に設けられた前記第二開口部は、前記第一方向に関して、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部と、少なくとも一部分が重なり合う位置に配置されているものとしても構わない。
上記の構成によれば、エキシマランプから離れた位置に意図的に被処理気体を一時的に滞留させることができる。
ところで、エキシマランプから放射される紫外線の波長は、管体に充填される放電用ガスの種類に依存する。例えば、放電用ガスとしてXeを含むガスを用いる場合、エキシマランプから放射される紫外線は、160nm以上180nm未満の範囲内(第一波長帯λ1)の成分と、180nm以上200nm未満の範囲内(以下、「第二波長帯λ2」という)の成分とを含む。
上述したように、エキシマランプの近傍を通流する被処理気体に対して、エキシマランプからの第一波長帯λ1の出射光が照射されると、励起状態の酸素原子O(1D)及びオゾン(O3)が生成される。O(1D)は、水分(H2O)と反応することで、高い反応性を示すヒドロキシラジカル(・OH)を生成する。
また、更に、エキシマランプから離れた位置に滞留する、オゾン(O3)を含む被処理気体に対して、エキシマランプからの出射光(特に第二波長帯λ2の光)が照射されることで、励起状態の酸素原子O(1D)が生成される。上記の構成によれば、エキシマランプから離れた位置において被処理気体を滞留させることができるため、反応性の高いO(1D)や・OHを多く生成することができる。
前記吸気口に最も近い位置に配置された前記遮風部材に設けられた複数の前記第二開口部のうち、半数以上の前記第二開口部が、前記第一方向に関して、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部と、少なくとも一部分が重なり合う位置に配置されているのが好ましく、全ての前記第二開口部が、前記第一方向に関して、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部と、少なくとも一部分が重なり合う位置に配置されているのがより好ましい。
更に、前記吸気口に最も近い位置に配置された前記遮風部材に設けられた前記第二開口部は、前記第一方向に関して、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部と、50%以上の面積が重なり合うように配置されるのが好ましく、90%以上の面積が重なり合うように配置されるのがより好ましく、100%の面積が重なり合うように配置されるのが更により好ましい。
全ての前記遮風部材に設けられた前記第二開口部のそれぞれは、前記第一方向に関して、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部と、少なくとも一部が重なり合う位置に配置されているものとしても構わない。この場合においても、前記第一方向に関して、前記第二開口部のそれぞれと、少なくともいずれか一つの前記遮風部材に設けられた前記遮蔽部とは、50%以上の面積が重なり合うように配置されるのが好ましく、90%以上の面積が重なり合うように配置されるのがより好ましく、100%の面積が重なり合うように配置されるのが更により好ましい。
上記構成によれば、エキシマランプから離れた位置において、吸気口から排気口に向かって通流する被処理気体の速度を低下させる効果が高められるため、更に多くのO(1D)及び・OHを生成することが可能となる。
前記エキシマランプは、前記第一方向を長手方向とする長尺形状を示し、複数の前記遮風部材に設けられた前記第一開口部を貫通するように配置されているものとしても構わない。この場合において、気体処理装置内に、前記第一方向を長手方向とする長尺形状を示す、複数本のエキシマランプが、第一方向とは異なる方向に離間して、実質的に平行に配置されるものとしても構わない。
前記遮風部材は、前記第一方向に交差する面を有し、
複数の前記第二開口部は、前記遮風部材の前記面上において同心円状に配置されているものとしても構わない。この場合、遮風部材を単に回転させることで、複数の遮風部材に設けられた第二開口部同士の相対的な位置関係を調整することができる。
エキシマランプは、その長手方向を、第一方向(被処理気体の流路方向と平行な方向)に交差する方向とする態様で配置されるものとしても構わない。
すなわち、前記気体処理装置は、
前記第一方向と交差する方向を長手方向とする長尺形状を示し、前記第一方向に離間して配置された複数の前記エキシマランプを備え、
複数の前記エキシマランプのうち、少なくとも2本の前記エキシマランプは、前記長手方向に係る部分が、異なる前記遮風部材に設けられた前記長手方向に平行な方向に延伸する形状を示す前記第一開口部内に位置するように配置されることができる。
この場合において、少なくとも2枚の前記遮風部材は、前記長手方向に平行な方向に関して、前記第一開口部の形成位置がずれているものとしても構わない。この構成によっても、エキシマランプから離れた位置において被処理気体を一時的に滞留させる機能を高めることができる。
前記エキシマランプは、前記第一方向に関して、前記遮風部材から一部分が突出して配置されているものとしても構わない。
前記第一開口部内に位置する前記エキシマランプと、前記第一開口部の外側に位置する前記遮蔽部との間に、1mm以上10mm以下の間隙が設けられているものとしても構わない。この構成により、エキシマランプから射出された光のうち、第一波長帯λ1の成分を示す光を、十分な流量で通流する被処理気体に対して照射させて、O(1D)及び・OHを生成することができる。
前記気体処理装置は、複数の前記エキシマランプを備え、
前記遮風部材が、複数の前記エキシマランプのそれぞれが備える前記管体を取り囲むように、又は前記管体を挟み込むように配置されているものとしても構わない。
本発明の気体処理装置によれば、従来の装置と比べて、反応性の高い物質(例えばO(1D)や・OHなど)と、被処理気体に含まれる悪臭・有害物質との接触確率を増加させることができるため、オゾン(O3)のみでは分解しづらい悪臭成分についても分解性能を向上させることができる。
第一実施形態の気体処理装置をXY平面で切断したときの模式的な断面図である。 図1の領域A1部分を拡大した模式的な斜視図である。 エキシマランプをXY平面で切断したときの模式的な断面図の一例である。 第一実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20aをX方向から見たときの模式的な平面図である。 第一実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20bをX方向から見たときの模式的な平面図である。 第一実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20aと遮風部材20bとの位置関係を説明するための図面である。 Xeを含む放電用ガスが充填されたエキシマランプの発光スペクトルと、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収スペクトルとを重ねて表示したグラフである。 遮風部材がない場合において、エキシマランプの表面からの距離と、被処理気体に含まれるヒドロキシラジカル(・OH)の濃度との関係を示すグラフである。 第一実施形態の気体処理装置の別の構造を模式的に示す部分斜視図である。 第一実施形態の気体処理装置の別の構造を模式的に示す部分斜視図である。 第二実施形態の気体処理装置をXY平面で切断したときの模式的な断面図である。 図8の領域A2部分を拡大した模式的な斜視図である。 第二実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20aをX方向から見たときの模式的な平面図である。 第二実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20bをX方向から見たときの模式的な平面図である。 第二実施形態の気体処理装置が備える遮風部材20aと遮風部材20bとの位置関係を説明するための図面である。 第三実施形態の気体処理装置をXY平面で切断したときの模式的な断面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える、一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える、別の一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える遮風部材に設けられた第二開口部の位置を説明するための模式的な図面である。 Xeを含む放電用ガスが充填されたエキシマランプの発光スペクトルと、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収スペクトルとを重ねて表示したグラフである。 第三実施形態の気体処理装置の別の構造を模式的に示す断面図である。 第三実施形態の気体処理装置の別の構造を模式的に示す断面図である。 図15に示す気体処理装置が備える、一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 図15に示す気体処理装置が備える、別の一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える、一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える、別の一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第三実施形態の気体処理装置が備える遮風部材に設けられた第二開口部の位置を説明するための模式的な図面である。 第三実施形態の気体処理装置が備える遮風部材に設けられた第二開口部の位置を説明するための模式的な図面である。 第四実施形態の気体処理装置をXY平面で切断したときの模式的な断面図である。 第四実施形態の気体処理装置をXZ平面で切断したときの模式的な断面図である。 第四実施形態の気体処理装置が備える、一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第四実施形態の気体処理装置が備える、別の一つの遮風部材を、X方向から見たときの模式的な平面図である。 第四実施形態の気体処理装置の構造を模式的に示す断面図である。 図21に示す気体処理装置が備える遮風部材20aを、X方向から見たときの模式的な平面図である。 図21に示す気体処理装置が備える遮風部材20bを、X方向から見たときの模式的な平面図である。 実施例2−1〜2−2、比較例2−1〜2−3、及び参考例における、ホルムアルデヒド(HCHO)の分解態様を比較したグラフである。 一重管構造のエキシマランプをYZ平面で切断したときの模式的な断面図の一例である。 二重管構造のエキシマランプをYZ平面で切断したときの模式的な断面図の一例である。 扁平管構造のエキシマランプをYZ平面で切断したときの模式的な断面図の一例である。
本発明の気体処理装置の各実施形態に係る構成について、適宜図面を参照して説明する。なお、以下の図面において、図面上の寸法比と実際の寸法比は必ずしも一致しておらず、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
[第一実施形態]
本発明の気体処理装置の第一実施形態について、説明する。
(構造)
図1は、本実施形態の気体処理装置の構造を模式的に示す断面図である。図2は、図1内の領域A1部分を拡大した模式的な斜視図である。
本実施形態の気体処理装置1は、筐体3と、吸気口5と、排気口7と、エキシマランプ10と、遮風部材20とを備える。なお、以下では、吸気口5から排気口7に向かう方向をX方向とし、このX方向に直交する平面をYZ平面として規定する。図1には、X、Y、及びZの3方向が、気体処理装置1と共に図示されている。ここでは、X、Y、及びZの3方向が、右手系の座標系であるものとして示されている。
上記座標系を用いて説明すると、図1は、気体処理装置1をXY平面で切断したときの断面図に対応する。
図1において、気体の流れが模式的に矢印付の二点鎖線で示され、光の流れが模式的に矢印付の破線で示されている。本実施形態において、流路方向は+X方向に対応する。また、「第一方向」は、+X方向及び−X方向に対応する。以下では、方向の正負を区別する必要がない場合には、正負の表記を行わない。
筐体3は、中空の筒形状を有しており、その内側にエキシマランプ10が収容されている。吸気口5は、気体処理装置1の外側から、中空状の筐体3の内側(内部)に被処理気体G1を導入するための開口部である。被処理気体G1は、酸素及び水分を含む気体であり、例えば空気や排ガスなどである。
なお、筐体3の形状に関し、図1には、エキシマランプ10が収容されている領域の開口部の大きさが、吸気口5及び排気口7が位置する領域の開口部の大きさよりも小さい場合が図示されているが、この形状はあくまで一例である。つまり、本発明の気体処理装置1が備える筐体3の形状に関し、吸気口5が位置する領域の開口部の大きさと、エキシマランプ10が収容されている領域の開口部の大きさと、排気口7が位置する領域の開口部の大きさの大小関係は任意である。例えば、これら3箇所の開口部の大きさは、全てほぼ同じであっても構わない。また、筐体3は、円筒管形状や角管形状などの、種々の形状を採用することができる。第二実施形態以後においても同様である。
図2に示すように、本実施形態の気体処理装置1は、X方向に離間して配置された2枚の遮風部材20(20a,20b)を備えている。以下では、遮風部材(20a,20b)を総称して「遮風部材20」という記載が用いられる。遮風部材20aが「第一遮風部材」に対応し、遮風部材20bが「第二遮風部材」に対応する。遮風部材20は、例えばネジ留めなどの方法で筐体3に対して固定されている。遮風部材20は、筐体3との間に、実質的に隙間が形成されないように固定されている。
図2に示すように、本実施形態の気体処理装置1は、X方向から見たときに、遮風部材20がエキシマランプ10を取り囲むように配置されている。より詳細には、遮風部材20が、エキシマランプ10の管体14(発光管13)(図3参照)を取り囲むように配置されている。遮風部材20とエキシマランプ10との位置関係については、図4A〜図4Cを参照して更に後述される。
図3は、エキシマランプ10の構造の一例を模式的に示す断面図である。エキシマランプ10は、第一電極(外部電極)11と第二電極(内部電極)12との間に電圧(例えば、交流の高電圧)を印加するための電源(不図示)を備える。
発光管13は、両端に、管体14の内部を気密にする第一封止部15及び第二封止部16を備える。管体14は、合成石英ガラスなどの誘電体からなり、内側には放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスが封入されている。この放電用ガスは、キセノン(Xe)を含んで構成されている。放電用ガスのより詳細な一例としては、キセノン(Xe)とネオン(Ne)を所定の比率(例えば3:7)で混在させたガスで構成される。また、管体14に含まれる放電用ガスとして、キセノン(Xe)とネオン(Ne)以外に、酸素や水素を微量に含むものとしても構わない。
第一封止部15及び第二封止部16は、それぞれベース部35(35a,35b)(図1参照)によって固定されている。ベース部35は、ステアタイト、フォルステライト、サイアロン、アルミナなどのセラミックス材料(無機材料)からなり、管体14の端部を固定する機能を有している。
発光管13は、第一封止部15に埋設される金属箔17と、第一封止部15に一部が埋設される外部リード18とを備える。金属箔17は、内部電極12及び外部リード18に連結されている。これによって、内部電極12、金属箔17、及び外部リード18は、相互に電気的に接続されている。
本実施形態において、外部電極11は筒状に形成されており、管体14は外部電極11の内部に挿入されている。外部電極11は、管体14の内部から出射された光(紫外線)L1を、通過又は透過させる光路部19を備えている。例えば、光路部19は貫通孔で構成されている。
外部電極11は、板状の部材に複数の貫通孔を有するように形成されていてもよく、複数の棒状の部材を格子形状や網目形状に配置して形成されていてもよく、棒状の部材を螺旋状に配置して形成されていてもよい。光路部19は、透光性を有する部材で構成されていてもよい。
本実施形態において、内部電極12は、棒状に形成され、管体14の内部に配置されている。内部電極12の端部が、それぞれ発光管13の封止部(15,16)に埋設されているため、内部電極12は発光管13に固定されている。
エキシマランプ10からの出射光(紫外線)L1が、筐体3内のエキシマランプ10の外側を通流する被処理気体G1に照射されることで、被処理気体G1が分解され、処理後の気体G2が排気口7から排出される。
図4A及び図4Bは、遮風部材20の形状を説明するための図面である。より詳細には、図4Aは、吸気口5に近い側に位置する遮風部材20aを、X方向から見たときの模式的な平面図である。図4Bは、遮風部材20aよりも後段(排気口7側)に位置する遮風部材20bを、X方向から見たときの模式的な平面図である。なお、説明の都合上、図4A及び図4Bには、エキシマランプ10も図示されている。
図4A及び図4Bに示すように、遮風部材20は、X方向から見て、エキシマランプ10(管体14)を覆うように開口された第一開口部21と、第一開口部21よりも外側の領域において開口が設けられていない遮蔽部23とを有する。第一開口部21の内径は、エキシマランプ10の外径よりも大きい。つまり、エキシマランプ10と遮蔽部23との間には、依然として開口領域(第一開口部21)が形成されている。遮蔽部23は、例えば、オゾン(O3)や紫外線に対して劣化しにくい、ステンレスやチタンで構成されている。すなわち、遮風部材20は、中央付近に第一開口部21が開口された、遮蔽部23を備えて構成されている。
そして、本実施形態において、X方向から見たときに、遮風部材20aの第一開口部21の一部と、遮風部材20bの遮蔽部23とが重なり合うように配置されている。この点につき、図4Cを参照して説明する。
図4Cは、本実施形態の気体処理装置1が備える遮風部材20aと遮風部材20bとの位置関係を説明するための図面である。より詳細には、図4Cは、吸気口5側から遮風部材20aを見たときの図面に、遮風部材20bを重ね合わせて図示した図面である。
図4Cにおいて、右上がりのハッチングで示されている、遮風部材20aの第一開口部21の一部の領域21aは、X方向に関して、遮風部材20bの遮蔽部23と重なり合っている。また、右下がりのハッチングで示されている、遮風部材の20bの第一開口部21の一部の領域21bは、X方向に関して、遮風部材20aの遮蔽部23と重なり合っている。
つまり、本実施形態の気体処理装置1において、吸気口5から導入された被処理気体G1の一部は、遮風部材20aの遮蔽部23に衝突した後、第一開口部21の方向に気流の方向を変換させる。被処理気体G1は、その後、第一開口部21内を通流して排気口7側に向かう。ただし、遮風部材20aの第一開口部21内を通過して、そのままX方向に進行した被処理気体G1の一部は、遮風部材20aの後段に配置された遮風部材20bの遮蔽部23に衝突する。そして、被処理気体G1は、遮風部材20bの第一開口部21の方向に気流の方向を変換させた後、第一開口部21内を通流して排気口7側に向かう。
遮風部材20の第一開口部21の外縁(すなわち、遮蔽部23の第一開口部21側の内縁)と、その内側に配置されたエキシマランプ10の管体14との離間距離は、好ましくは、1mm以上10mm以下である。本実施形態では、第一開口部21の形状を楕円形状としているため、前記離間距離が場所に応じて変化する。一例として、前記離間距離の最大値が5mmであり、前記離間距離の最小値が3mmである。
本実施形態のように、遮風部材20の第一開口部21の形状を楕円形状とした場合には、遮風部材20は回転非対称な形状となる。この場合、遮風部材20bは、遮風部材20aに対して、X方向を軸として所定の角度(例えば90°)だけ回転させた状態で配置するものとしても構わない。図4Bに示す遮風部材20bの形状は、図4Aに示す遮風部材20aを90°回転させた形状に対応する。
なお、遮風部材20の厚み、すなわちX方向に係る長さは任意であり、例えば、2mmである。また、筐体3の形状も任意である。一例として、XY方向に係る断面を矩形状とすることができ、YZ方向に係る断面を矩形状又は円形状とすることができる。筐体3のX方向に係る長さの一例は150mmであり、YZ方向に係る断面積の一例は3600mm2である。
(作用)
本実施形態の気体処理装置1によれば、従来の装置と比べて悪臭成分の分解性能が向上する点につき、以下において説明する。
図5は、Xeを含む放電用ガスが充填されたエキシマランプの発光スペクトルと、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収スペクトルとを重ねて表示したグラフである。図5において、横軸は波長を示し、左縦軸はエキシマランプの光強度の相対値を示し、右縦軸は、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収係数を示す。
エキシマランプ10の放電用ガスとして、Xeを含むガスを用いる場合、図5に示されるように、エキシマランプ10の出射光L1は、160nm以上180nm未満の範囲内(以下、「第一波長帯λ1」と呼ぶ)の成分を含む。図5に示すように、この第一波長帯λ1の光は、酸素(O2)による吸収量が大きい。なお、以下では、出射光L1を、適宜「紫外線L1」と表記することがある。
被処理気体G1に対して、エキシマランプ10からの紫外線L1(ここでは、第一波長帯λ1の光とする。)が照射され、酸素(O2)に吸収されると、以下の(1)式の反応が進行する。(1)式において、O(1D)は、励起状態のO原子であり、高い反応性を示す。O(3P)は基底状態のO原子である。また、(1)式において、hν(λ1)は、第一波長帯λ1の光が吸収されていることを示す。
2 + hν(λ1) → O(1D) + O(3P) ‥‥(1)
(1)式で生成されたO(3P)は、被処理気体G1に含まれる酸素(O2)と反応して、(2)式に従ってオゾン(O3)を生成する。
O(3P) + O2 → O3 ‥‥(2)
また、高い反応性を示すO(1D)の一部は、被処理気体G1に含まれる水分(H2O)と反応して、(3)式に従ってヒドロキシラジカル(・OH)を生成する。
O(1D) + H2O → ・OH + ・OH ‥‥(3)
上記反応により、高い反応性を示すO(1D)やヒドロキシラジカル(・OH)が生成されることで、被処理気体G1内に、オゾンによって分解しづらい物質(例えばホルムアルデヒドなど)が含まれている場合であっても、効率的に分解することが可能となる。
一方で、図5を参照して上述したように、第一波長帯λ1の光は、酸素(O2)による吸収量が大きい。このため、仮に、筐体3の内側に遮風部材20が設けられていない場合、吸気口5から被処理気体G1を導入したとしても、エキシマランプ10の近傍を通流する被処理気体G1に含まれる酸素によって紫外線L1が吸収される。この結果、エキシマランプ10から離れた位置を通流する被処理気体G1に対しては高い光量を維持したまま紫外線L1を照射することができない。
図6は、遮風部材20を設けない筐体3内にエキシマランプ10を配置して、エキシマランプ10を発光させながら被処理気体G1を通流させた場合において、エキシマランプ10の表面からの距離と、エキシマランプ10から照射される紫外線L1の相対照度との関係をグラフ化したものである。詳細には、図6は、紫外線L1が透過する距離に関して指数関数的に減弱することを前提に、図5に示すエキシマランプ10のスペクトルデータと酸素(O2)の吸収係数、及び紫外線L1の透過する距離に基づいて、シミュレーションによって算定された結果に対応する。図6では、透過する距離が0の位置、すなわち、エキシマランプ10の表面における紫外線L1の照度を100%とし、各位置における相対照度がグラフ化されている。
式(1)及び式(3)から、ヒドロキシラジカル(・OH)の生成量は、O(1D)の量に比例し、そして、O(1D)の量は、照射される光の量に比例することわかる。つまり、図6は、エキシマランプ10の表面からの距離と、ヒドロキシラジカル(・OH)の生成量との関係を示していることになる。すなわち、図6によれば、エキシマランプ10の表面からの距離が遠ざかるに連れて、ヒドロキシラジカル(・OH)の濃度が低下していることが確認される。そして、エキシマランプ10の表面から10mmを超える程度に離れた場合には、ヒドロキシラジカル(・OH)の濃度が極めて低くなることが確認される。
これに対し、本実施形態の気体処理装置1によれば、筐体3の内側に遮風部材20が設けられているため、この遮風部材20によって被処理気体G1の通流領域が限定される。より詳細には、図4A及び図4Bに示したように、遮風部材20は、エキシマランプ10の周囲を取り囲むように設けられた第一開口部21と、その外側に配置された遮蔽部23とを有している。つまり、X方向に通流した被処理気体G1は、遮蔽部23に衝突すると、エキシマランプ10の近傍に設けられた第一開口部21側へと通流方向を変更する。これにより、吸気口5から導入された被処理気体G1を、エキシマランプ10の近傍に導くことができる。
特に、遮風部材20の第一開口部21の外縁(すなわち、遮蔽部23の第一開口部21側の内縁)と、その内側に配置されたエキシマランプ10の管体14との離間距離を10mm以下とすることで、第一開口部21内を通流する前後において、被処理気体G1はエキシマランプ10の近傍に位置することとなる。これにより、かかる領域に位置する被処理気体G1に対して高い割合でエキシマランプ10の紫外線L1が照射されるため、高い反応性を示すO(1D)や・OHの生成確率が高められる。
一方で、遮蔽部23の第一開口部21側の内縁と、その内側に配置されたエキシマランプ10の管体14との離間距離があまりに小さい場合には、当該離間箇所を通流する被処理気体G1の流速が極めて速くなってしまう。この結果、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質が、O(1D)や・OHによって分解される前に、排気口7から排気されるおそれがある。かかる観点から、前記離間距離は1mm以上とするのが好ましい。
前記離間距離が1mm以上10mm以下である場合においても、遮風部材20の厚み(X方向に係る長さ)によっては、遮風部材20の第一開口部21の内側を通流する前後の時間内だけでは、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質が、O(1D)や・OHによって分解されないまま残存することが想定される。すなわち、被処理気体G1が生成する気流には、悪臭・有害物質が分解された領域と、それらが分解されずに残存する領域とが混在することが想定される。
被処理気体G1が遮風部材20(20a)の第一開口部21内を通流した後は、被処理気体G1の通流可能領域が広がる。これに伴い、図1に二点鎖線によって図示したように、被処理気体G1は圧力差に起因した乱流を生じやすい。この乱流により、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質が完全に分解された気流と、悪臭・有害物質の一部が分解されずに残存していた気流とが混合され、この混合が生じた後、排気口7側に向かって通流される。これにより、遮風部材20の後段の位置においても、エキシマランプ10の近傍には悪臭・有害物質を含む被処理気体G1が通流しやすくなる。よって、遮風部材20(20a)の後段の位置においても、この被処理気体G1に対して、エキシマランプ10から出射される紫外線L1が照射されることで、この悪臭・有害物質を更に分解することができる。
更に、本実施形態の気体処理装置1のように、X方向に離間して複数枚(図1に開示された構造では2枚)の遮風部材20を備えることで、後段の位置(遮風部材20bの位置)においても、被処理気体G1をエキシマランプ10の近傍に導くことができる。これにより、エキシマランプ10から出射される紫外線L1が被処理気体G1に照射されることで、O(1D)や・OHが生成され、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質を更に分解することができる。
ただし、本実施形態において、遮風部材20の枚数は2枚に限定されず、1枚でも構わないし、3枚以上でも構わない。エキシマランプ10のX方向に係る長さに応じて、遮風部材20の枚数は適宜調整可能である。
なお、吸気口5に最も近い位置に配置される遮風部材20(ここでは遮風部材20a)は、エキシマランプ10(管体14)の吸気口5側の端部(ベース部35a)と、エキシマランプ10(管体14)のX方向に係る中央部との間に配置されるのが好ましい。これにより、被処理気体G1が遮風部材20に衝突した後、管体14の近傍をX方向に沿って通流することのできる長さが確保でき、より多くの被処理気体G1に対してエキシマランプ10から出射される紫外線L1を照射することができる。第二実施形態以後においても同様である。
(変形例)
気体処理装置1は、複数本のエキシマランプ10を備えていても構わない(図7A、図7B参照)。図7Aは、気体処理装置1が、2本のエキシマランプ10を備える場合において、遮風部材20aの近傍のみを抽出して模式的に図示した斜視図である。また、図7Bは、気体処理装置1が、4本のエキシマランプ10を備える場合において、遮風部材20aの近傍のみを抽出して模式的に図示した斜視図である。いずれの場合においても、遮風部材20aは、エキシマランプ10の本数に応じた数の第一開口部21を備え、各エキシマランプ10が各第一開口部21を貫通するように配置されるものとして構わない。
図7A及び図7Bに示す構成によれば、気体処理装置1が備えるエキシマランプ10の本数が複数本となるため、エキシマランプ10の近傍を通流する被処理気体G1の流量を増加することができる。これにより、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質の処理能力を更に高めることができる。
なお、図7A及び図7Bにおいては、一つの遮風部材20aのみが図示されているが、遮風部材20aよりも排気口7側に、更に別の遮風部材20(例えば遮風部材20b)を備えていても構わない。この場合も、遮風部材20aと同様に、各遮風部材20はエキシマランプ10の本数に応じた第一開口部21を備えるものとして構わない。
[第二実施形態]
本発明の気体処理装置の第二実施形態について、第一実施形態と異なる箇所を中心に説明する。
図8は、本実施形態の気体処理装置の構造を模式的に示す断面図である。図9は、図8内の領域A2部分を拡大した模式的な斜視図である。なお、本実施形態、及び第三実施形態以後においても、第一実施形態と同様に、吸気口5から排気口7に向かう方向をX方向とし、このX方向に直交する平面をYZ平面として説明する。
なお、図8では、図面の煩雑さを回避する観点から、図1とは異なり、被処理気体G1が流れる向きについては図示を省略している。
本実施形態の気体処理装置1は、第一実施形態の気体処理装置1と同様に、筐体3と、吸気口5と、排気口7と、エキシマランプ10と、遮風部材20とを備える。ただし、本実施形態では、遮風部材20の構造が、第一実施形態と異なっている。
図9に示すように、本実施形態の気体処理装置1は、X方向に離間した4箇所の位置に配置された遮風部材20(20a,20b,20c,20d)を備えている。以下では、遮風部材(20a,20b,20c,20d)を総称して「遮風部材20」という記載が用いられる。
図10A及び図10Bは、遮風部材20の形状を説明するための図面である。より詳細には、図10Aは、吸気口5に近い側に位置する遮風部材20aを、X方向から見たときの模式的な平面図である。図10Bは、遮風部材20aよりも後段(排気口7側)に位置する遮風部材20bを、X方向から見たときの模式的な平面図である。なお、説明の都合上、図10A及び図10Bには、エキシマランプ10も図示されている。
なお、図9に示す例の場合、遮風部材20cは図10Aと同様の形状を示し、遮風部材20dは図10Bと同様の形状を示す。
図9、図10A及び図10Bに示すように、遮風部材20は、X方向から見たときに、エキシマランプ10(管体14)を挟んで離間した2箇所の位置に配置された遮蔽部23と、この2箇所の遮蔽部23に挟まれた空間領域である第一開口部21とを有して構成される。図10Aに示すように、遮風部材20aは、2箇所の遮蔽部23が実質的にY方向に離間して配置されており、これらの間に第一開口部21が形成されている。また、図10Bに示すように、遮風部材20bは、2箇所の遮蔽部23が実質的にZ方向に離間して配置されており、これらの間に第一開口部21が形成されている。
図9、図10A及び図10Bに示す例では、遮蔽部23は、半円形状を呈している。なお、遮蔽部23の形状は任意であり、三日月形状、長方形状、三角形状、などの種々の形状が採用され得る。
本実施形態において、X方向から見たときに、遮風部材20a(「第一遮風部材」に対応する。)の第一開口部21の一部と、遮風部材20b(「第二遮風部材」に対応する。)の遮蔽部23とが重なり合うように配置されている。この点につき、図10Cを参照して説明する。
図10Cは、本実施形態の気体処理装置1が備える遮風部材20aと遮風部材20bとの位置関係を説明するための図面である。より詳細には、図10Cは、吸気口5側から遮風部材20aを見たときの図面に、遮風部材20bを重ね合わせて図示した図面である。
図10Cにおいて、右上がりのハッチングで示されている、遮風部材20aの第一開口部21の一部の領域21aは、X方向に関して、遮風部材20bの遮蔽部23と重なり合っている。また、右下がりのハッチングで示されている、遮風部材の20bの第一開口部21の一部の領域21bは、X方向に関して、遮風部材20aの遮蔽部23と重なり合っている。
本実施形態の気体処理装置1においても、第一実施形態の気体処理装置1と同様に、吸気口5から導入された被処理気体G1の一部は、遮風部材20aの遮蔽部23に衝突した後、第一開口部21の方向に気流の方向を変換させる。被処理気体G1は、その後、第一開口部21内を通流して排気口7側に向かう。ただし、遮風部材20aの第一開口部21内を通過して、そのままX方向に進行した被処理気体G1の一部は、遮風部材20aの後段に配置された遮風部材20bの遮蔽部23に衝突する。そして、被処理気体G1は、遮風部材20bの第一開口部21の方向に気流の方向を変換させた後、第一開口部21内を通流して排気口7側に向かう。
すなわち、被処理気体G1は、第一開口部21内を通流する前後において、エキシマランプ10の近傍に位置することとなるため、高い割合でエキシマランプ10の紫外線L1が照射されるため、高い反応性を示すO(1D)や・OHの生成確率が高められる。また、本実施形態の気体処理装置1においても、被処理気体G1が遮風部材20(20a)の第一開口部21内を通流した後は、被処理気体G1の通流可能領域が広がり、被処理気体G1は圧力差に起因した乱流を生じやすい。この乱流により、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質が完全に分解された気流と、悪臭・有害物質の一部が分解されずに残存していた気流とが混合された後、排気口7側に向かって通流される。これにより、遮風部材20(20a)の後段の位置においても、エキシマランプ10の近傍には悪臭・有害物質を含む被処理気体G1が通流しやすくなるため、この被処理気体G1に対して、エキシマランプ10から出射される紫外線L1が照射されることで、この悪臭・有害物質を更に分解することができる。
(変形例)
本実施形態の気体処理装置1の変形例について説明する。
〈1〉図9の例では、気体処理装置1は、X方向に離間した4箇所の位置に配置された遮風部材20を備えるものとして説明した。しかし、遮風部材20が配置されるX方向の位置(X座標)の数は、4に限定されない。例えば、X座標の特定の1箇所に遮風部材20が配置されていても構わないし、離間した2箇所以上に遮風部材20が配置されていても構わない。
〈2〉図9、図10A、及び図10Bの例では、X方向から見たときに、各遮風部材20が、エキシマランプ10(管体14)を挟んで離間した2箇所の位置に配置された遮蔽部23を備えるものとして説明した。しかし、各遮風部材20が有する遮蔽部23の数は、2に限定されず、3以上であっても構わない。また、各遮蔽部23が離間する方向についても、Y方向やZ方向には限定されず、各遮蔽部23がエキシマランプ10を挟んで配置されている限りにおいて任意である。
〈3〉図9、図10A、及び図10Bを参照して上述したように、X方向に離間した複数の箇所に遮風部材20が配置される場合においては、X方向から見たときに、遮風部材20aの第一開口部21の一部と、遮風部材20bの遮蔽部23とが重なり合うように配置されているのが好ましい。ただし、本発明は、各遮風部材20の第一開口部21同士がX方向に関して完全に重なり合う態様で配置される構成を排除する趣旨ではない。
[第三実施形態]
本発明の気体処理装置の第三実施形態について、説明する。
(構造)
図11は、本実施形態の気体処理装置の構造を模式的に示す断面図である。気体処理装置1は、筐体3と、吸気口5と、エキシマランプ10と、排気口7と、複数枚の遮風部材20(20a,20b,20c,20d,20e)とを備える。なお、以下では、吸気口5から排気口7に向かう方向をX方向とし、このX方向に直交する平面をYZ平面として規定する。図11には、X、Y、及びZの3方向が、気体処理装置1と共に図示されている。ここでは、X、Y、及びZの3方向が、右手系の座標系であるとして示されている。
上記座標系を用いて説明すると、図11は、気体処理装置1をXY平面で切断したときの断面図に対応する。
図11において、気体の流れが模式的に二点鎖線で示され、光の流れが模式的に破線で示されている。本実施形態において、流路方向は+X方向に対応する。また、「第一方向」は、+X方向及び−X方向に対応する。以下では、方向の正負を区別する必要がない場合には、正負の表記を行わない。
なお、筐体3の形状に関し、図11では、図1及び図8に図示された筐体3の形状と異なるように図示されている。しかし、本実施形態においても、図1及び図8に図示された形状の筐体3を採用しても構わない。逆に、第一実施形態及び第二実施形態において、図11に図示された形状の筐体3を採用しても構わない。
吸気口5は、気体処理装置1の外側から筐体3の内部に被処理気体G1を導入するための開口部である。被処理気体G1は、酸素及び水分を含む気体であり、例えば空気や排ガスなどである。
図11に示す気体処理装置1では、吸気口5に送風機構としてのファン6を備えている。送風機構は、ファン6とは異なる装置で構成されていても構わないし、排気口7側に配置されていても構わないし、吸気口5と排気口7との間の流路上に配置されていても構わない。更に、気体処理装置1の外側から吸気口5を介して筐体3の内部に向けて、十分な流量の被処理気体G1を導入できる環境下においては、送風機構(ファン6)が備えられなくても構わない。
なお、上述した第一実施形態及び第二実施形態においても、吸気口5側又は排気口7側に送風機構(ファン6)を備えるものとしても構わない。
本実施形態において、気体処理装置1は、X方向に離間して配置された複数枚の遮風部材20を備える。図11に示される例では、気体処理装置1は、5枚の遮風部材(20a,20b,20c,20d,20e)を備えている。以下では、遮風部材(20a,20b,20c,20d,20e)を総称して「遮風部材20」という記載が用いられる。
図12A及び図12Bは、遮風部材20をX方向から見たときの模式的な平面図である。図12Aは、遮風部材(20a,20c,20e)の模式的な平面図に対応し、図12Bは、遮風部材(20b,20d)の模式的な平面図に対応する。なお、図12A及び図12Bには、筐体3の一部分も図示されている。
図12A及び図12Bに示されるように、遮風部材20は、第一開口部21、第二開口部22、及び遮蔽部23を備える。遮蔽部23は、例えば、オゾン(O3)や紫外線に対して劣化しにくい、ステンレスやチタンで構成されている。すなわち、遮風部材20は、中央付近に第一開口部21が開口された、遮蔽部23を備えて構成されている。
遮蔽部23上において、第一開口部21よりも外側の位置に、複数個の第二開口部22が分散して設けられている。本実施形態では、第二開口部22は、同心円状に等間隔で分散して配置されている。
第一開口部21及び第二開口部22は、遮風部材20の奥行き方向(図12A及び図12BにおけるX方向)に、遮風部材20を貫通するように開口されている。
遮風部材20は、例えばネジ留めなどの方法で筐体3に対して固定されている。遮風部材20は、筐体3との間に、実質的に隙間が形成されないように固定されている。
本実施形態では、エキシマランプ10は、X方向を長手方向とする長尺形状を示す。エキシマランプ10は、第一開口部21をX方向に貫通するように配置されている。エキシマランプ10は、X方向に離間して配置された複数枚の遮風部材20の第一開口部21を貫通するように配置されている。
第一開口部21の内径は、エキシマランプ10の外径よりも大きい。つまり、エキシマランプ10と遮蔽部23との間には、依然として開口領域(第一開口部21)が形成されている。
図12A及び図12Bに示すように、本実施形態において、遮風部材(20a,20c,20e)と遮風部材(20b,20d)とでは、遮風部材20の面上における第二開口部22の形成位置が異なっている。なお、ここでいう「遮風部材20の面」とは、図12A及び図12Bに示すように、YZ平面を指す。
具体的に、図12A及び図12Bに示される例では、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22は、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22よりも、エキシマランプ10に近い位置に配置されている。つまり、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22と第一開口部21との離間距離d1は、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22と第一開口部21との離間距離d2よりも短い。
つまり、吸気口5の側からX方向から見たとき、複数枚の遮風部材20が備える第一開口部21のそれぞれは重なり合っている一方で、複数枚の遮風部材20が備える第二開口部22は、その一部がずれた位置に形成されている。図11の例によれば、吸気口5に最も近い位置に配置された遮風部材20aに設けられた第二開口部22は、X方向に関して、隣接する遮風部材20bに設けられた遮蔽部23と重なり合っている。同様に、遮風部材20bに設けられた第二開口部22は、X方向に関して、隣接する遮風部材20cに設けられた遮蔽部23と重なり合っている。
図12Cは、各遮風部材20に設けられた第二開口部22の位置を説明するための模式的な図面である。第一開口部21に近い位置(離間距離d1)に配置されている第二開口部22は、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられているものであり、第一開口部21から離れた位置(離間距離d2)に配置されている第二開口部22は、遮風部材(20b,20d)に設けられているものである。
吸気口5から筐体3内に導入された被処理気体G1は、排気口7に向かって流れる。この被処理気体G1は、吸気口5に最も近い位置に配置されている遮風部材20aの位置に達すると、遮蔽部23に衝突しながら、第一開口部21及び第二開口部22を介して排気口7の方向へと流れる。
上述したように、複数枚の遮風部材20が備える第一開口部21のそれぞれは、X方向に重なり合っている。このため、第一開口部21を通じて遮風部材20aを通過した被処理気体G1は、エキシマランプ10の長手方向であるX方向に沿ってエキシマランプ10の近傍を進行しながら、各遮風部材(20b,20c,20d,20e)の第一開口部21を通じて排気口7へと導かれる。
一方で、第二開口部22を通じて遮風部材20aを通過し、X方向に進行する被処理気体G1は、隣接する遮風部材20bの遮蔽部23に衝突する。遮風部材20bの遮蔽部23に衝突した被処理気体G1は、その多くは、遮風部材20bの第二開口部22が形成されている側へと流れが変更される。また、第一開口部21を通じて遮風部材20aを通過した被処理気体G1についても、その一部は第二開口部22側へと進行方向が変更される。この結果、遮風部材20aと遮風部材20bとの間で挟まれた領域内において、被処理気体G1が一時的に滞留する。
図11に示す構成においては、隣接する遮風部材20同士が、第二開口部22の配置位置を異ならせているため、同様の原理により、隣接する2つの遮風部材20に挟まれる領域内において、被処理気体G1が一時的に滞留する。この効果については、後述される。
一例として、エキシマランプ10のX方向(長手方向)に係る長さ(発光長)は80mmであり、YZ平面上の外径に係る長さ(直径)は16mmである。また、エキシマランプ10の外縁部と遮風部材20との間隔は、1mm以上20mm以下であるのが好ましく、1mm以上15mm以下であるのがより好ましく、1mm以上10mm以下であるのが更により好ましい。
遮風部材20に設けられている第二開口部22の一つの面積は、3mm2以上であるのが好ましく、13mm2以上であるのがより好ましい。第二開口部22の一つの面積が小さすぎると、気体(G1,G2)が十分に通流しにくくなる。エキシマランプ10の外縁部と遮風部材20との間隔の断面積(S1)と、第二開口部の総面積(ΣS2)の関係は、S1≧ΣS2であることが好ましく、S1≧2×ΣS2であることがより好ましい。また、遮風部材20の厚み、すなわちX方向に係る長さは任意であり、例えば、2mmである。
筐体3の形状は任意である。一例として、XY方向に係る断面を矩形状とすることができ、YZ方向に係る断面を矩形状又は円形状とすることができる。筐体3のX方向に係る長さの一例は150mmであり、YZ方向に係る断面積の一例は3600mm2である。
(作用)
本実施形態の気体処理装置1によれば、従来の装置と比べて悪臭成分の分解性能が向上する点につき、以下において説明する。
図13は、Xeを含む放電用ガスが充填されたエキシマランプの発光スペクトルと、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収スペクトルとを重ねて表示したグラフである。図13において、横軸は波長を示し、左縦軸はエキシマランプの光強度の相対値を示し、右縦軸は、酸素(O2)及びオゾン(O3)の吸収係数を示す。
図13に示されるように、エキシマランプ10の出射光は、160nm以上180nm未満の範囲内(以下、「第一波長帯λ1」と呼ぶ)の成分を含む。図13に示すように、この第一波長帯λ1の光は、酸素(O2)による吸収量が大きい。このため、第一波長帯λ1の光の大部分は、第一開口部21を介してエキシマランプ10の近傍を通流する被処理気体G1によって吸収されてしまう。このとき、第一実施形態において上述した(1)〜(3)式により、反応性の高いO(1D)やヒドロキシラジカル(・OH)が生成される。念の為、再掲する。
2 + hν(λ1) → O(1D) + O(3P) ‥‥(1)
O(3P) + O2 → O3 ‥‥(2)
O(1D) + H2O → ・OH + ・OH ‥‥(3)
一方で、図13に示されるように、エキシマランプ10の出射光は、第一波長帯λ1の成分のみならず、180nm以上200nm未満の範囲内(以下、「第二波長帯λ2」と呼ぶ)の成分も含む。この第二波長帯λ2の光は、第一波長帯λ1の光よりは強度が低下するものの、主たるピーク波長に対応する強度(ピーク値)に対して、5%以上50%以下の強度を示す波長領域が存在する。積分強度で換算すると、第二波長帯λ2の光は、第一波長帯λ1の光に対して、10%以上30%以下の強度を有している。
第二波長帯λ2の光は、第一波長帯λ1の光と比較すると、酸素(O2)による吸収量が著しく低い(図13において右縦軸は対数目盛によって表記されている。)。すなわち、エキシマランプ10から射出された第二波長帯λ2の光の少なくとも一部は、第一開口部21内を通流する被処理気体G1を透過して、エキシマランプ10から離間した領域に対して進行する。
上述したように、本実施形態に係る気体処理装置1によれば、X方向に離間して複数枚の遮風部材20が設けられており、隣接する遮風部材20に備えられている第二開口部22のYZ平面上の配置位置がずれているため、隣接する遮風部材20同士に挟まれた領域内において被処理気体G1が一時的に滞留する。この滞留した被処理気体G1には、上記(1)〜(3)式に示す反応が実行された気体が含まれているため、オゾン(O3)が含まれる。この被処理気体G1に対して、第二波長帯λ2の光が吸収されると、以下の(4)式に示す反応が進行する。
3 + hν(λ2) → O2 + O(1D) ‥‥(4)
この結果、エキシマランプ10から離れた位置においても、反応性の高いO(1D)が生成される。このO(1D)の一部は、上述した(3)式に従って、反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)を生成する。
本実施形態の気体処理装置1によれば、エキシマランプ10の近傍において、上記(1)式に従って反応性の高いO(1D)が生成されると共に、エキシマランプ10から離れた位置においても、上記(4)式に従って反応性の高いO(1D)が生成される。そして、これらのO(1D)は、(3)式に従って、反応性の高いヒドロキシラジカル(・OH)を生成する。つまり、本実施形態の気体処理装置1によれば、被処理気体G1から、オゾン(O3)よりも反応性が高いO(1D)及び・OHを、効果的に生成することができる。これにより、被処理気体G1内に、オゾンによって分解しづらい物質(例えばホルムアルデヒドなど)が含まれている場合であっても、O(1D)及び・OHによって効率的に分解することが可能となる。
なお、低圧水銀ランプにおいては、185nm近傍と254nm近傍に、半値幅の極めて短いピーク波長を有する光が射出される。低圧水銀ランプからの185nm近傍の出射光が、酸素を含む被処理気体G1に照射されると、以下の(5)式に従って基底状態のO原子であるO(3P)が生成される。
2 + hν (185nm) → O(3P) + O(3P) ‥‥(5)
このO(3P)は、被処理気体G1に含まれる酸素(O2)と反応して、上述した(2)式によりオゾン(O3)を生成する。
ところで、低圧水銀ランプからの254nm近傍の出射光が、オゾン(O3)を含む被処理気体G1に照射されると、以下の(6)式(これは上記(4)式と同旨である。)に従って、励起状態のO原子であるO(1D)を生成する。
3 + hν (254nm) → O2 + O(1D)・・・(6)
従来の低圧水銀ランプを用いた気体処理装置は、上記(5)式及び(2)式の反応を生じさせてオゾン(O3)を生成し、このオゾン(O3)によって被処理気体G1に含まれる悪臭成分を分解させることを意図している。このため、被処理気体G1は、上記(5)式及び(2)式の反応を経て、オゾン(O3)を含む気体に変換された後、排気口へと導かれる構成である。このため、O(1D)を生成するための(6)式の反応が十分に生じない。この結果、本実施形態の気体処理装置1と比較して、反応性の高いO(1D)及び・OHの生成速度が低下する。
更に、従来の低圧水銀ランプを用いた気体処理装置において、仮に(6)式の反応がある程度進行したとしても、低圧水銀ランプからの出射光を被処理気体G1に照射した場合には、上記(1)式に示す反応が形成されない。このことは、やはり、本実施形態の気体処理装置1と比較して、反応性の高いO(1D)及び・OHの生成速度が低下することを意味する。つまり、低圧水銀ランプを用いた気体処理装置によれば、本実施形態の気体処理装置1よりも分解性能が低いことが分かる。
(変形例)
本実施形態の気体処理装置1の変形例について、図面を参照して説明する。なお、各変形例同士を組み合わせることで気体処理装置1を実現することも可能である。
〈1〉図14に示すように、気体処理装置1は、吸気口5と排気口7との間に、X方向に離間した複数本のエキシマランプ10を備える構成としても構わない。
〈2〉図15に示すように、気体処理装置1は、吸気口5と排気口7との間に、X方向に交差する方向に離間した複数本のエキシマランプ10を備える構成としても構わない。この構造の気体処理装置1が備える遮風部材20の模式的な平面図を、図12A及び図12Bにならって、図16A及び図16Bに示す。
この例では、気体処理装置1は、長尺状の3本のエキシマランプ10を備えている。各エキシマランプ10は、いずれも、各遮風部材20に設けられた第一開口部21内を貫通するように配置されている。すなわち、各遮風部材20には、3箇所の第一開口部21が設けられている。
図16A及び図16Bに示される例では、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22は、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22よりも、エキシマランプ10に近い位置に配置されている。
〈3〉上記実施形態では、遮風部材20をX方向から見て、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22の位置と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22の位置とを異ならせる方法として、エキシマランプ10から第二開口部22までの離間距離を異ならせるものとして説明した。しかし、エキシマランプ10から第二開口部22の位置までの距離は共通にしながらも、遮風部材20をX方向から見て、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22の位置と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22の位置とを異ならせるものとしても構わない。この構造の気体処理装置1が備える遮風部材20の模式的な平面図を、図12A及び図12Bにならって、図17A及び図17Bに示す。
図17A及び図17Bに示される例では、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22とは、エキシマランプ10からの離間距離は共通であるものの、第二開口部22が形成されている位置における、YZ平面上の座標が異なっている。本実施形態のように、遮風部材20が円形で構成されており、各第二開口部22が同心円状に等間隔で分散して配置されている場合には、図17Aに示される遮風部材20(20a,20c,20e)をYZ平面上において回転させることで、図17Bに示される遮風部材(20b,20d)が形成される。
図17Cは、図17A及び図17Bに示される遮風部材20に設けられた第二開口部22の位置を説明するための模式的な図面である。遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22とは、いずれもエキシマランプ10からの離間距離は共通であるものの、遮風部材20上における形成位置が異なっていることが示されている。
なお、この場合において、図18に示すように、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22とが、X方向に関して一部分に重なりを有していても構わない。重なりを有している部分については、X方向に沿って被処理気体G1が比較的速い流速を有して通流するものの、直前の遮風部材20の第二開口部22を介して流入した被処理気体G1の一部は、隣接する遮風部材20の遮蔽部23に衝突する。このため、上述した実施形態と同様に、隣接する遮風部材20同士に挟まれた領域内に被処理気体G1を滞留させる機能が奏される。
なお、X方向から見て、隣接する遮風部材20の第二開口部22同士が重なり合う領域は、第二開口部22の面積の50%未満であることが好ましい。つまり、X方向から見て、一の遮風部材20の第二開口部22の50%以上の面積が、隣接する遮風部材20の遮蔽部23に重なり合うことが好ましい。
遮風部材20をX方向から見て、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22の位置と、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22の位置とを異ならせる場合においても、これらの遮風部材20に設けられている第二開口部22の形成位置が、X方向に関して一部分に重なりを有していても構わない。
〈4〉複数の第二開口部22は、遮風部材20の面上において分散して配置されていればよく、必ずしも同心円状に配置されていなくても構わない。また、各第二開口部22は、同一の遮風部材20上において、又は複数の遮風部材20間において、必ずしも同一の形状や大きさでなくても構わない。
[第四実施形態]
本発明の気体処理装置の第四実施形態について、上記各実施形態と異なる箇所のみを説明する。
図19Aは、本実施形態の気体処理装置1の構造を模式的に示す断面図であり、図11にならって図示されたものである。つまり、図19Aは、本実施形態の気体処理装置1をXY平面で切断したときの断面図に対応する。図19Bは、図19Aに示す気体処理装置1の一部を図19Aとは異なる方向(XZ平面)で切断したときの断面図を模式的に示したものである。
本実施形態における気体処理装置1は、第三実施形態と比較して、エキシマランプ10の長手方向の向きが異なっている。図19A及び図19Bに示される例では、気体処理装置1は、長手方向をZ方向とするエキシマランプ10を複数本備えると共に、各エキシマランプ10は、X方向に離間して配置されている。
第三実施形態と同様に、本実施形態においても、気体処理装置1は、X方向に離間して配置された複数枚の遮風部材20を備える。図19A及び図19Bに示される例では、気体処理装置1は、5枚の遮風部材(20a,20b,20c,20d,20e)を備えている。
図20A及び図20Bは、遮風部材20をX方向から見たときの模式的な平面図であり、図12A及び図12Bにならって図示されたものである。図20Aは、遮風部材(20a,20c,20e)の模式的な平面図に対応し、図20Bは、遮風部材(20b,20d)の模式的な平面図に対応する。
図20A及び図20Bに示されるように、遮風部材20は、第三実施形態の構成と同様に、中央付近に第一開口部21が開口された遮蔽部23を備え、この遮蔽部23上において、第一開口部21よりも外側の位置に、複数個の第二開口部22が分散して設けられている。なお、図20A及び図20Bに示される例では、遮風部材20は、YZ平面に平行な方向に関して、矩形状の平面を有する。
本実施形態において、エキシマランプ10は、X方向(すなわち、エキシマランプ10の非長手方向)から見て、第一開口部21を貫通するように配置されている(図19B、図20A、図20B参照)。そして、YZ平面上において、第一開口部21がエキシマランプ10を覆うように形成されている。すなわち、YZ平面上において、エキシマランプ10と遮蔽部23との間には、依然として開口領域(第一開口部21)が形成されている。
そして、本実施形態においても、遮風部材(20a,20c,20e)と遮風部材(20b,20d)とでは、第二開口部22の形成箇所が異なっている。すなわち、図20A及び図20Bに示される例では、遮風部材(20a,20c,20e)に設けられている第二開口部22は、遮風部材(20b,20d)に設けられている第二開口部22よりも、エキシマランプ10に近い位置に配置されている。つまり、吸気口5の側からX方向から見ると、複数枚の遮風部材20が備える第一開口部21のそれぞれは重なり合っている一方で、複数枚の遮風部材20が備える第二開口部22は、その一部がずれた位置に形成されている。
本実施形態に係る気体処理装置1においても、隣接する遮風部材20同士に挟まれた領域内において、被処理気体G1を一時的に滞留させることができるため、反応性が高いO(1D)及び・OHを、効果的に生成することができる。
本実施形態の場合、第三実施形態とは異なり、エキシマランプ10の長手方向が、被処理気体G1の流れる方向と交差する方向である。この場合、隣接する遮風部材20同士に挟まれた領域内に滞留する被処理気体G1に対して、十分な光量の紫外線L1を照射させるためには、遮風部材20によって囲まれていない領域にもエキシマランプ10を配置させる必要がある。このような事情により、図19A及び図19Bに示される例では、X方向に関して、遮風部材20が配置されていない位置にもエキシマランプ10が配置されている。
しかしながら、例えば、X方向に関してエキシマランプ10が遮風部材20から突出している部分の長さを十分に確保できるような場合などにおいては、X方向に関して、遮風部材20が配置されている位置にのみエキシマランプ10を配置するものとしても構わない。
(変形例)
本実施形態の気体処理装置1の変形例について、図面を参照して説明する。なお、各変形例同士を組み合わせることで気体処理装置1を実現することも可能である。
〈1〉図21に一例として示されるように、複数のエキシマランプ10のZ方向に係る配置位置を異ならせても構わない。このとき、遮風部材20に設けられる第一開口部21のZ方向に係る位置も、エキシマランプ10の位置に応じて異ならせるものとする。
図22Aは、遮風部材20aをX方向から見たときの模式的な平面図であり、図22Bは、同様に遮風部材20bをX方向から見たときの模式的な平面図である。複数のエキシマランプ10のZ方向に係る配置位置を異ならせることで、隣接する遮風部材20同士に挟まれる領域内に被処理気体G1を滞留させる効果を高めることができる。
同様に、複数のエキシマランプ10のY方向に係る配置位置を異ならせるものとしても構わない。このとき、遮風部材20に設けられる第一開口部21のY方向に係る位置も、エキシマランプ10の位置に応じて異ならせるものとする。
〈2〉上記実施形態では、エキシマランプ10の長手方向がZ方向である場合について説明したが、Z方向に限られず、被処理気体G1が流れる方向(X方向)に交差する方向であるものとしても構わない。
[実施例]
本発明に係る気体処理装置1によれば、従来構成よりも処理能力が向上する点につき、実施例を参照して説明する。
〈検証1〉
第一実施形態の気体処理装置1(実施例1−1)、第二実施形態の気体処理装置1(実施例1−2)、第三実施形態の気体処理装置1(実施例1−3)、及び、気体処理装置1から遮風部材20を取り外した装置(比較例1−1)による、処理対象物質の分解能力をシミュレーションによって評価した。
なお、実施例1−1、実施例1−2、実施例1−3、及び比較例1−1の各気体処理装置において、筐体3、エキシマランプ10の寸法は共通とした。詳細な条件は、以下の通りである。
(筐体3)
・筐体3の吸気口5側のYZ平面の断面積:7854mm2
・筐体3の排気口7側のYZ平面の断面積:7854mm2
・筐体3のX方向に係る長さ:485mm
(エキシマランプ10)
・エキシマランプ10のX方向に係る長さ:185mm(ベース部35を含む)、115mm(ベース部35を除く管体14)
・エキシマランプ10のYZ平面上の外径に係る長さ(直径):16mm
・エキシマランプ10の吸気口5側の端部と、筐体3の吸気口5との離間距離:500mm
・エキシマランプ10の排気口7側の端部と、筐体3の排気口7との離間距離:500mm
・エキシマランプ10の管体14内に充填された放電用ガス:Xe
また、各実施例の気体処理装置1が備える遮風部材20の条件は、以下の通りである。
(実施例1−1)
・X方向に離間して配置される遮風部材20の枚数:2枚(20a,20b)
・遮風部材20のYZ平面上の寸法:半径48mmの円形状
・遮風部材20のX方向に係る長さ(厚み):2mm
・遮風部材20の遮蔽部23とエキシマランプ10との離間距離:最大値5mm、最小値3mm
・X方向に関して、エキシマランプ10の吸気口5側の端部と、吸気口5側の遮風部材20aとの離間距離:50mm
・X方向に関して、吸気口5側の遮風部材20aと排気口7側の遮風部材20bとの離間距離:145mm
・X方向に関して、排気口7側の遮風部材20bと、エキシマランプ10の排気口7側の端部との離間距離:100mm
なお、遮風部材20aと遮風部材20bとは、YZ平面上において一方を90°回転すると他方と同一形状になるように配置された。
(実施例1−2)
・X方向に離間して配置される遮風部材20の枚数:4枚(20a,20b,20c,20d)
・各遮風部材20が有する遮蔽部23の数:2枚
・遮風部材20のYZ平面上の寸法:遮蔽部23と第一開口部21と合わせると、半径80mmの円形状(図10A参照)
・遮蔽部23のX方向に係る長さ(厚み):2mm
・各遮風部材20が有する遮蔽部23同士の離間距離(図10A参照):26mm
・各遮風部材20が有する遮蔽部23とエキシマランプ10との離間距離:5mm
・X方向に関して、エキシマランプ10の吸気口5側の端部と、吸気口5側の遮風部材20aとの離間距離:100mm
・X方向に関して、遮風部材20aと遮風部材20bとの離間距離:34mm
・X方向に関して、遮風部材20bと遮風部材20cとの離間距離:34mm
・X方向に関して、遮風部材20cと遮風部材20dとの離間距離:34mm
・X方向に関して、排気口7側の遮風部材20dと、エキシマランプ10の排気口7側の端部との離間距離:100mm
遮風部材20aと遮風部材20bとは、YZ平面上において一方を90°回転すると他方と同一形状になるように配置された。遮風部材20cと遮風部材20dとは、YZ平面上において一方を90°回転すると他方と同一形状になるように配置された。遮風部材20aと遮風部材20c、並びに、遮風部材20bと遮風部材20dは、それぞれX方向から見て同一形状とした。
(実施例1−3)
・X方向に離間して配置される遮風部材20の枚数:3枚(20a,20b,20c)
・遮風部材20のYZ平面上の寸法:半径70mmの円形状(図12A参照)
・遮風部材20のX方向に係る長さ(厚み):2mm
・遮風部材20の遮蔽部23とエキシマランプ10との離間距離:10mm
・遮風部材20が有する第二開口部22:面積50mm2で放射状に6箇所形成
・X方向に関して、エキシマランプ10の吸気口5側の端部と、吸気口5側の遮風部材20aとの離間距離:100mm
・X方向に関して、吸気口5側の遮風部材20aと排気口7側の遮風部材20bとの離間距離:35mm
・X方向に関して、遮風部材20bと遮風部材20cとの離間距離:35mm
・X方向に関して、排気口7側の遮風部材20cと、エキシマランプ10の排気口7側の端部との離間距離:150mm
遮風部材20aと遮風部材20bとは、YZ平面上において一方を30°回転すると他方と同一形状になるように配置された。遮風部材20bと遮風部材20cとは、YZ平面上において一方を30°回転すると他方と同一形状になるように配置された。
(比較例1−1)
遮風部材20を備えない点を除けば、各実施例1−1〜1−3の気体処理装置1と共通の条件とした。
(結果)
実施例1−1〜1−3、及び比較例1−1の各気体処理装置に対し、エキシマランプ10を同一の照度で点灯しながら、1ppmのHCHOを含む被処理気体G1を100LPM(L/分)の流量で吸気口5から筐体3内に導入した。そして、排気口7側から取り出された処理済の気体G2に含まれるHCHOの濃度を評価した。評価結果を下記表1に示す。
Figure 2022002749
表1によれば、全ての実施例において、比較例1−1よりもHCHOの処理能力が向上していることが確認される。この結果から、遮風部材20を設けた気体処理装置1によれば、エキシマランプ10の近傍を被処理気体G1が通流しやすくなるため、遮風部材20を有しない場合と比べて、より多くの被処理気体G1に対して紫外線L1が照射できたものと推察される。
なお、表1によれば、実施例1−2、1−3に比べて、実施例1−1が最も処理能力が高いことが示されている。これは、第二実施形態や第三実施形態の構造と比較して、第一実施形態の構造が、最も被処理気体G1の乱流が生じやすいことによるものと推察される。第一実施形態の項で上述したように、遮風部材20の後段の位置において多くの乱流が生じた結果、被処理気体G1に含まれる悪臭・有害物質(ここではHCHO)が完全に分解された気流と、悪臭・有害物質の一部が分解されずに残存していた気流とが混合される。これにより、遮風部材20の後段の位置においても、エキシマランプ10の近傍には悪臭・有害物質を含む被処理気体G1が通流しやすくなるため、エキシマランプ10から出射される紫外線L1が照射されることで、悪臭・有害物質の分解能力(処理能力)が更に向上したものと推察される。
〈検証2〉
下記の実験ユニットを用いて、実際に実験を行った。実験ユニットは、以下の表2の通りである。
Figure 2022002749
(実施例2−1)
《ステップS1》φ10の穴が開いた、容積110リットルの実験用容器に、気体処理装置1を模擬した実験ユニット#1、VOCモニタ(理研計器(株)製、商品名「Tiger」、11.7eVランプタイプ)、及び撹拌用のファンを設置した。実験ユニット#1の排気口7から排気される気体がVOCモニタによって検出できるように配置した。なお、実験ユニット#1は、第三実施形態の気体処理装置1が用いられた。
《ステップS2》φ30ガラスシャーレにホルムアルデヒド液(和光純薬工業(株)製、発売元コード064-00406、試薬特級)を100マイクロリットル滴下したものを、前記実験用容器に入れ、撹拌用のファンを回した。このとき、実験用容器に開いたφ10の穴はアルミテープでふさいだ状態とした。
《ステップS3》VOCモニタが4ppm程度になったところで、撹拌用のファンを止め、実験用容器からシャーレを取り出した。
《ステップS4》実験用容器を閉め、撹拌用のファンを起動し、φ10の穴をふさいでいるアルミテープを外して3ppmになるまで実験用容器の外の空気で実験用容器内の気体を希釈した。
《ステップS5》アルミテープで穴をふさぎ、撹拌用のファンを停止し、実験ユニットを起動した。
《ステップS6》実験ユニットを起動した時間を0秒とし、30秒ごとにVOCモニタの指示値を記録した。
(実施例2−2,比較例2−1〜2−3)
実験ユニット#1を実験ユニット#2〜#5に代えて、実施例1と同様に、上記各ステップS1〜S6を実行し、VOCモニタの指示値を記録した。なお、実施例2−2、比較例2−2、及び比較例2−3の各ユニットが備える遮風部材としては、いずれも、実施例2−1と同様に、第二開口部22を有する遮風部材20(図12A参照)が用いられた。
(参考例)
実験ユニットを実験用容器に入れないこと以外は、実施例1と同様にして、VOCモニタの指示値を記録した。ホルムアルデヒド(以下、「HCHO」と記載)が時間の経過と共に自然的に分解するため、この分解速度を検出することで比較基準を設定する意図で、この参考例に係るデータが取得されている。
(結果)
図23は、上記の方法で記録された指示値の比較結果を示すグラフである。図23において、横軸は運転時間を示し、縦軸はVOCモニタの指示値を示す。図23によれば、実施例2−1〜2−2、比較例2−1〜2−3共に、参考例と比べるとHCHOの分解速度が速く、分解効果を有していることが分かる。
光源としてXeエキシマランプを使用している実施例2−1、2−2、及び比較例2−1は、光源として低圧水銀ランプを用いている比較例2−2、2−3と比べて、HCHOの分解速度に大きな差が生じていることが分かる。この結果から、Xeエキシマランプを用いることで、HCHOの高い分解性能が実現できることが示される。
実施例2−2と比較例2−1とを比べると、遮風部材20を設けている実施例2−2の方が、HCHOの高い分解性能が実現できることが分かる。更に、実施例2−2と実施例2−1とを比較すると、実施例2−1では、実施例2−2よりも飛躍的にHCHOの分解性能が向上することが分かる。
なお、比較例2−2と比較例2−3とを比べると、両者は、遮風部材20の開口部(第二開口部22に対応)の位置ずらしの有無で異なるが、その違いがHCHOの分解性能にほとんど影響していない。一方で、実施例2−1と実施例2−2とを比べると、上述したように、実施例2−1では、実施例2−2よりも飛躍的にHCHOの分解性能が向上している。この結果からも、光源としてXeエキシマランプを用いた場合において、第二開口部22の位置をずらした状態で複数枚の遮風部材20を設けた実施例2−1の構成によれば、上述した原理に基づき、オゾン(O3)よりも反応性が高いO(1D)及び・OHを、効果的に生成できていることが結論付けられる。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉上述した実施形態では、エキシマランプ10において、発光管13がいわゆる「一重管構造」の管体14を備えた構成であるものとして説明した。このエキシマランプ10は、図24に示すように、管体14の内側に第二電極(内部電極)12が配設されると共に放電用ガス10G(例えばXe)が充填され、管体14の外側の壁面に第一電極(外部電極)11が配設されて構成されている。この場合、上述したように、内部電極12はX方向に沿って延伸する形状(筒形状)を呈し、外部電極11は、管体14内で発生した紫外線L1が管体14の外側に出射することへの妨げにならないよう、メッシュ形状(網目形状)又は線形状を呈する。
ただし、本発明の気体処理装置1が備えるエキシマランプ10は、上記の一重管構造の管体14を備える場合に限られず、いわゆる「二重管構造」や「扁平管構造」の管体14を備えるものとしても構わない。
図25は、いわゆる「二重管構造」を呈したエキシマランプ10の構造を、図24にならって模式的に図示した図面である。図25に示すエキシマランプ10は、2つの管体14(14a,14b)を有している。円筒状の外側の管体14aと、管体14aの内側において管体14aと同軸上に配置されており、管体14aよりも内径が小さい円筒状の管体14bとを有する。管体14aと管体14bとはX方向に係る端部において封止されており(不図示)、両者の間には円環状の発光空間が構成され、当該空間内には放電用ガス10Gが充填される。そして、内側の管体14bの内壁面に第二電極(内部電極)12が配設され、外側の管体14aの外壁面には第一電極(外部電極)11が配設される。内部電極12は膜形状を呈し、外部電極11は、管体14内で発生した紫外線L1が管体14の外側に出射することへの妨げにならないよう、メッシュ形状(網目形状)又は線形状を呈する。
図26は、いわゆる「扁平管構造」を呈したエキシマランプ10の構造を、図24にならって模式的に図示した図面である。図26に示すエキシマランプ10は、X方向から見たときに矩形状を呈した管体14を有する。そして、エキシマランプ10は、管体14の外表面に配置された第一電極11と、管体14の外表面であって第一電極11と対向する位置に配置された第二電極12とを有する。第一電極11及び第二電極12は、管体14内で発生した紫外線L1が管体14の外側に出射することへの妨げにならないよう、いずれもメッシュ形状(網目形状)又は線形状を呈している。
図24及び図25では、エキシマランプ10のYZ平面における断面の形状が円形である場合を示し、図26には前記断面の形状が長方形状である場合を示した。しかし、エキシマランプ10のYZ平面における断面の形状は、円形、長方形には限定されず、種々の形状が採用され得る。
〈3〉吸気口5と排気口7とは、X方向に関して離間していればよく、この限りにおいて、任意の位置に設けられることができる。
〈4〉上記の各実施形態において、遮風部材20は、流路方向(X方向)に直交する平面(YZ平面)に平行な面を有するものとして説明した。しかし、遮風部材20は、少なくともX方向に交差する面に平行な面を有して配置されていればよい。
〈5〉気体処理装置1が備えるエキシマランプ10の本数、及び遮風部材20の枚数は、上述した実施形態で挙げられた数には限定されない。
〈6〉上述した第三実施形態及び第四実施形態では、隣接する一対の遮風部材20の全てにおいて、第二開口部22の位置が、YZ平面上においてずれている場合について説明した。しかし、少なくとも、隣接するある特定の一対の遮風部材20が第二開口部22の位置が、YZ平面上において、ずれていればよい。つまり、吸気口5に最も近い位置に配置された遮風部材20aに設けられた第二開口部22は、X方向に関して、少なくともいずれか一つの遮風部材20に設けられた遮蔽部23と、少なくとも一部分が重なり合う位置に配置されていればよい。
1 : 気体処理装置
3 : 筐体
5 : 吸気口
6 : ファン
7 : 排気口
10 : エキシマランプ
10G : 放電用ガス
11 : 外部電極(第一電極)
12 : 内部電極(第二電極)
13 : 発光管
14 : 管体
14a,14b : 管体
15 : 第一封止部
16 : 第二封止部
17 : 金属箔
18 : 外部リード
19 : 光路部
20 : 遮風部材
20a,20b,20c,20d,20e : 遮風部材
21 : 第一開口部
22 : 第二開口部
23 : 遮蔽部
35(35a,35b) : ベース部
G1 : 被処理気体
G2 : 処理後の気体
L1 : エキシマランプからの出射光(紫外線)

Claims (6)

  1. 筒状の筐体と、
    酸素及び水分を含む被処理気体を前記筐体の内側に導入する吸気口と、
    前記筐体の内側に収容され、放電用ガスが充填されてなり、第一方向に延伸する管体を含むエキシマランプと、
    前記エキシマランプから出射された紫外線が照射された前記被処理気体を、前記筐体の外側に導出する排気口と、
    前記第一方向から見たときに、前記管体を取り囲むように、又は前記管体を挟み込むように配置された遮風部材とを備え、
    前記エキシマランプは、160nm以上180nm未満の範囲内に含まれる第一波長帯の成分を含む前記紫外線を出射する構成であり、
    前記遮風部材は、少なくとも、前記管体の前記第一方向に係る端部のうちの前記吸気口に近い側の端部と、前記管体の前記第一方向の中央部との間の位置に配置されており、
    前記遮風部材は、前記第一方向から見て前記管体を覆うように開口された第一開口部と、前記第一開口部よりも外側の領域であって、開口が設けられていない遮蔽部とを有し、
    前記被処理気体は、前記第一開口部の内側に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁との間に設けられた離間領域を通じて、前記排気口に向かって前記第一方向に通流することを特徴とする、気体処理装置。
  2. 前記遮風部材は、前記第一方向に離間して2つ以上が配置され、
    前記第一方向に隣接する2つの前記遮風部材のうちの前記吸気口に近い側に位置する第一遮風部材が備える前記第一開口部の少なくとも一部と、前記2つの前記遮風部材のうちの前記排気口に近い側に位置する第二遮風部材が備える前記遮蔽部とが、前記第一方向から見たときに、互いに重なり合うことを特徴とする、請求項1に記載の気体処理装置。
  3. 前記第一開口部の内側に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁との離間距離が1mm以上10mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の気体処理装置。
  4. 前記遮風部材は、前記筐体の内壁に固定されており、
    前記被処理気体は、前記遮風部材と前記筐体の内壁との間を通流せず、前記第一開口部の内側に位置する前記管体と、前記遮蔽部の前記第一開口部側の内縁との間に設けられた離間領域を介して前記排気口に向かって通流することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の気体処理装置。
  5. 前記放電用ガスは、Xeを含み、
    前記エキシマランプから出射される前記紫外線は、160nm以上180nm未満の範囲内に含まれる第一波長帯の成分と、180nm以上200nm未満の範囲内に含まれる第二波長帯の成分とを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の気体処理装置。
  6. 複数の前記エキシマランプを備え、
    前記遮風部材が、複数の前記エキシマランプのそれぞれが備える前記管体を取り囲むように、又は前記管体を挟み込むように配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の気体処理装置。
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