JPH0889564A - 有害物質除去剤、除去方法および除去装置 - Google Patents

有害物質除去剤、除去方法および除去装置

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JPH0889564A
JPH0889564A JP6256197A JP25619794A JPH0889564A JP H0889564 A JPH0889564 A JP H0889564A JP 6256197 A JP6256197 A JP 6256197A JP 25619794 A JP25619794 A JP 25619794A JP H0889564 A JPH0889564 A JP H0889564A
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JP
Japan
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harmful substance
harmful
removing agent
catalyst layer
semiconductor
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Application number
JP6256197A
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English (en)
Inventor
Koichi Yanai
康一 柳井
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Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない使用量で、迅速に、効率よく有害物質
を除去することができ、かつ機械的強度の高い有害物質
の除去剤、除去方法及び除去装置の提供。 【構成】 (a)水硬性化合物の水和凝集物に、(b)
0.5〜5eVの禁止帯幅を有する半導体および(c)
繊維状物および粒状物よりなる群から選ばれた補強材が
分散してなることを特徴とする有害物質除去剤または
(a′)水硬性化合物と(b)0.5〜5eVの禁止帯
幅を有する半導体とを含有するスラリーにより網目構造
体を被覆し、前記水硬性化合物を凝固させて得られた有
害物質除去剤ならびに前記有害物質除去剤に有害物質を
含有する気体を接触させ、光を照射することを特徴とす
る有害物質の除去方法とその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有害物質の除去剤、除
去方法及び除去装置に関する。更に詳しくは、メルカプ
タン、アンモニア等の悪臭物質、青果物や花卉類などの
鮮度を低下させるエチレン等の成長促進物質などのごと
き有害物質を効率的に除去できる有害物質除去剤、除去
方法及び除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年生活レベルの向上に伴って、工場な
どから発生する悪臭、家庭や飲食店から発生する悪臭を
除去することが要望されている。一方、青果物などの商
品価値の低下を防ぎ、鮮度を保持するために、エチレン
などの成長促進物質を除去することが要望されている。
これらの悪臭物質、成長促進物質などの除去剤として
は、二酸化チタンを、石膏、セメント等の支持体にバイ
ンダーを用いて担持して得られる除去剤が知られてい
る。この除去剤は、担持の際に、バインダーなどが二酸
化チタンを覆ってしまうので、除去性能が低い。別の除
去剤として、二酸化チタン等の半導体と粘土を練り合わ
せ、乾燥して得られる除去剤が提案されている(特開平
2−273514号公報)。この除去剤は、確かに、二
酸化チタンの除去性能が低下せず、効率よく有害物質を
除去できるのであるが、除去速度が低いため、除去剤を
多量に使用しなければならない問題があることがわかっ
た。
【0003】そこで、本発明者は先に特願平5−341
505号として、水硬性化合物の水和凝集物に、0.5
〜5eVの禁止帯幅を有する半導体が分散してなること
を特徴とする有害物質除去剤を提案した。しかし、この
ものは実際に使用してみると予想以上に機械的強度が低
いことが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、少な
い使用量で、迅速に、効率よく有害物質を除去すること
ができ、かつ機械的強度の高い有害物質の除去剤、除去
方法及び除去装置を提供する点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、(a)
水硬性化合物の水和凝集物に、(b)0.5〜5eVの
禁止帯幅を有する半導体および(c)繊維状物および粒
状物よりなる群から選ばれた補強材が分散してなること
を特徴とする有害物質除去剤に関する。
【0006】本発明の第二は、(a′)水硬性化合物と
(b)0.5〜5eVの禁止帯幅を有する半導体とを含
有するスラリーにより網目構造体を被覆し、前記水硬性
化合物を凝固させて得られた有害物質除去剤に関する。
【0007】本発明の第三は、前記記載の有害物質除去
剤に、有害物質を含有する気体を接触させ、光を照射す
ることを特徴とする有害物質の除去方法に関する。
【0008】本発明の第四は、紫外線照射灯と、その周
りに形成される前記記載の有害物質除去剤からなる触媒
層と、該灯と該触媒層との間隙に有害物質を含有する気
体を流通させるための手段とからなる有害物質除去装置
に関する。
【0009】本発明に用いられる半導体は、その禁止帯
幅が0.5〜5eVのもの、好ましくは1〜3eVのも
のである。この半導体は、禁止帯幅以上のエネルギーを
有する光を照射することにより、価電子帯から伝導帯へ
電子励起が生じて、価電子帯に正孔が、伝導帯に電子が
生成し、この正孔および電子が半導体表面に拡散等によ
り現れて、気相または液相において光触媒として反応を
促進するものである。この半導体の具体例としては、二
酸化スズ、酸化亜鉛、三酸化タングステン、酸化セリウ
ム、二酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化第二鉄など
の金属酸化物;硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化鉛、セ
レン化亜鉛、セレン化カドミウムなどの金属カルコゲナ
イド;シリコン、ゲルマニウム等の第IV属元素;ガリウ
ムリン、ガリウムヒ素、インジウムリンなどの第III族
元素と第V族元素との化合物;ポリアセチレン、ポリピ
ロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリビニルカ
ルバゾールなどの有機半導体が挙げられる。本発明にお
いては、特に酸化亜鉛、三酸化タングステン、二酸化チ
タン、酸化セリウムなどの金属酸化物が好適に用いられ
る。また、半導体に白金などの貴金属を担持させたもの
は有害物質除去剤の除去性能が向上するので好ましく用
いられる。半導体は、通常粉末で使用する。粉末でない
ものは、水硬性化合物の水和凝集物の中に均一に分散で
きなくなるので、有害物質除去剤の除去性能にばらつき
を生じることがある。
【0010】本発明に用いられる水硬性化合物とは、水
と反応して水和物を生成し凝集する性質を有する無機化
合物をいう。この水硬性化合物は、土木建設分野などに
おいて無機質接着剤として一般に用いられているもので
ある。具体的には、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、アルミン酸カルシウム、鉄酸カルシウム、セリッ
ト、シーライト、ゲーレナイト、灰長石、ドロマイトな
どが挙げられる。さらに水硬性化合物としては、これら
の化合物を原料として得られる、焼石膏、ポルトランド
セメント、ドロマイトプラスター、石灰火山灰セメン
ト、アルミナセメント、マグネシアセメントなどが含ま
れる。本発明においては、特に硫酸カルシウム及びこれ
を主原料として得られる焼石膏が好適である。水硬性化
合物は通常粉末で使用する。粉末でないものは、半導体
を均一に分散できなくなるので、有害物質除去剤の除去
性能にばらつきを生じることがある。
【0011】前記繊維状物としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリエステル、
ポリアミド、芳香族ポリアミドなどの合成繊維:ガラス
繊維、アルミコーティングガラス繊維、その他の鉱物繊
維、炭素繊維、ボロン繊維、シリコンカーバイト繊維、
アルミナ繊維などの無機繊維:鋼、ステンレスなどの金
属繊維:絹、綿、麻、麦わらなどの天然繊維:あるいは
前記合成樹脂の帯状物よりなる編物、ネットなどを挙げ
ることができる。
【0012】前記粒状物としては、おが屑、パーライ
ト、バーミキュライト、粘土、クレー、ベンナイトなど
がある。
【0013】前記網目構造物としては、ハニカム成形体
あるいは焼結金属、連続気泡体(ポリウレタンフォーム
など)のような多孔質成形体あるいは素焼物などを挙げ
ることができる。
【0014】本発明の有害物質除去剤は、水硬性化合
物、半導体、補強材および水とを練りあわせることによ
り得られる。練り合わせることによって、水硬性化合物
と水とが反応(水和反応)して水和凝集物を生成させる
ことができ、同時に半導体と補強材を水和凝集物の中に
分散させることができる。
【0015】練り合わせる方法は特に限定されず、例え
ば、混練機、乳鉢などを用いて練り合わせる。水硬性化
合物、半導体、補強材と水とを練り合わせる手順は、限
定されず、半導体の粉末と水硬性化合物の粉末とを混合
し撹拌して混合物を得た後、補強材と水のスラリーを添
加して練り合わせてもよいし、半導体の粉末と補強材の
混合物に水を添加して混練した後、水硬性化合物を添加
して練り合わせてもよい。また、半導体の粉末、補強
材、水硬性化合物の粉末とを混合し撹拌して混合物を得
た後、水を添加して練り合わせる手順で行なうこともで
きる。
【0016】半導体と水硬性化合物との重量比率は、1
0:1〜1:10、好ましくは6:1〜1:6である。
この範囲外では有害物質除去剤の除去性能が低くなるこ
とがある。
【0017】補強材の使用量は、半導体及び水硬性化合
物に対して、重量比率で1%以上、好ましくは5〜50
0%、さらに好ましくは10〜200%である。補強材
の量が少ないと強度が充分でなく、逆に多すぎると除去
性能が低くなることがある。但し、光を照射する部分に
半導体及び水硬性化合物が除去性能を発揮するに充分な
比率で存在すればその限りでない。
【0018】また、水の量は、半導体、補強材および水
硬性化合物との合計量100重量部に対して、通常、2
5〜200重量部である。少なすぎると練り合わせるこ
とができないことがある。多すぎると乾燥に時間を要し
経済的でないことがある。
【0019】練り合わせた後、通常8分以上経過する
と、水硬性化合物は凝集しはじめる。半導体と水硬性化
合物と水との混練物を加熱する必要はないが、水硬性化
合物の水和反応を促進させるために加熱することができ
る。加熱温度は、通常、300℃以下、好ましくは15
0℃以下である。300℃を越えると、水和反応の反応
速度よりも逆反応(脱水反応)の反応速度が早くなっ
て、水和凝集物が得られないことがある。練り合わせた
あと、水硬性化合物が凝集する前に、該混練物を型など
に流し込み、任意の形状に適宜成形することができる。
また、必要に応じて、補強材を含有していてもよいスラ
リーにより網目構造体を被覆する手段としては、スラリ
ー中に網目構造体を含浸してもよいし、網目構造体にス
ラリーを塗布することもできる。なお、本発明の有害物
質除去剤は、水硬性化合物が凝集した後、粉砕して使用
してもよい。
【0020】本発明の有害物質の除去方法は、前記有害
物質除去剤に、有害物質を含有する気体を接触させ、光
を照射するものである。
【0021】本発明に用いる光は、紫外線を含む光であ
る。特に波長400nm〜200nmの近紫外線を含む
光は、除去効率が高くなるので好適である。光には、紫
外線以外の可視光線、赤外線を含んでいてもよい。
【0022】光を照射する方法は、超高圧水銀灯、キセ
ノン灯、低圧水銀灯等の紫外線照射灯によって光を発生
させ、本発明の有害物質除去剤の表面に照射すればよ
い。光を照射する際、紫外線照射灯を有害物質除去剤に
可能な限り近づけて照射することが除去効率を向上させ
るので好ましい。
【0023】本発明の有害物質除去方法は、通常、−2
0〜150℃の温度範囲で行なうことができる。−20
℃未満では紫外線照射灯の光度が低下するので除去効率
が低下傾向になり、150℃を越えると紫外線照射灯の
電気効率が低下するので、実用的でなくなる傾向にあ
る。圧力その他の条件は紫外線照射灯が使用可能な環境
であればよい。
【0024】本発明を適用できる有害物質は、メルカプ
タン類、アンモニア、硫化水素、アミン類などの悪臭物
質およびエチレンなどの成長促進物質である。有害物質
を含有する気体において、その有害物質の濃度は、通
常、0.01ppm〜10重量%である。0.01pp
m未満では、有害物質除去剤と有害物質とが接触する確
率が低くなるので除去効率が低下傾向になる。10重量
%を越えると有害物質の除去効率が低下傾向になる。有
害物質を含有する気体には、有害物質の除去効率が高く
なるので、酸素が共存することが好ましい。
【0025】有害物質を含有する気体を有害物質除去剤
に接触させる方法は、特に限定されない。たとえば、有
害物質除去剤を設置した反応器に、ファンなどを用いて
有害物質を含有する気体を導入する方法が挙げられる。
【0026】本発明の除去方法において、前記有害物質
除去剤の使用量は、有害物質の種類、光の照度などによ
り異なる。しかし、同一操作条件においては、半導体を
単独で使用して除去する方法や、半導体と粘土とを練り
合わせて得られる除去剤を使用して除去する方法に比較
して、本発明の除去方法では、有害物質除去剤の除去性
能が高いので、有害物質除去剤の使用量は少なくてす
む。
【0027】本発明の有害物質除去装置は、紫外線照射
灯と、その周りに形成される前記有害物質除去剤からな
る触媒層と、該灯と該触媒層との間隙に、有害物質を含
有する気体を流通させるための手段とからなるものであ
る。
【0028】紫外線照射灯としては、前記光を照射する
方法において挙げたものが挙げられる。紫外線照射灯の
大きさ及び形状は、通常、長さ1〜200cm、直径
0.2〜10cmの棒状のものであるが、照射面積を増
やしたり、触媒層との距離を短くするために折り曲げた
り、湾曲させたものでも良い。紫外線照射灯は、通常、
0℃以下の温度条件下では、光度が低下傾向になるの
で、紫外線照射灯に送電するためのソケットおよびバラ
ストを保温することが好ましい。保温の方法は、通常、
ソケットおよびバラストの周りを保温材で包む方法が採
られる。逆に、40℃を越える温度条件下でも光度が低
下傾向になるので、放熱板を取り付けるか、水冷または
空冷装置を取り付けることが好ましい。
【0029】触媒層は、前記有害物質除去剤からなるも
のである。この触媒層は、紫外線照射灯から照射される
光を受ける範囲で、紫外線照射灯を囲むように設置さ
れ、有害物質を含有する気体の吸い込み口と吐き出し口
とを有する筒状のものである。触媒層は、有害物質除去
剤自体を円筒状、三角筒状、四角筒状などの筒状に形成
したもの、有害物質除去剤の粉粒体を筒状の触媒層保持
部内面に保持させたもの(図6)などいずれでもよい。
また、図3のごとく紫外線照射灯の取り外しが容易にで
きるように筒の一部を取り除いた形状のものでもよい。
該筒の両端には開口部があり、それぞれ有害物質を含有
する気体の吸い込み口または吐き出し口となる。触媒層
の長さは、紫外線照射灯の長さと同じであり、通常、1
〜200cmである。触媒層の厚みは、通常、30mm
以下、好ましくは1〜10mmである。30mmを越え
ると有害物質除去剤の使用量に対する除去効率が低下傾
向になる。触媒層の内直径は、紫外線照射灯の直径より
大きいものであり、通常、0.3〜60cmである。
【0030】紫外線照射灯に対向する触媒層の内面は、
通常、平らな面、好ましくは波状または凹凸状の面(図
4および図5)である。波状または凹凸状の面であると
触媒層の表面積が大きくなり、また有害物質を含有する
気体の流れを乱すので、有害物質が触媒層に接触しやす
くなり除去効率が高くなる。
【0031】触媒層は、通常、半導体と水硬性化合物と
を水で練り合わせた後、筒状の型に流し込み凝集させて
得るか又は任意形状の型あるいは容器に流し込み凝集さ
せた後破壊し、その破壊物を接着剤などを用いて筒状の
触媒層保持部に付着させて得る。なお、触媒層保持部
は、触媒層が移動しないように保持できる筒状のもので
ある。
【0032】紫外線照射灯と、触媒層との間隙は、その
間隙長が、通常、1〜500mm、好ましくは5〜10
0mmである。1mm未満では、有害物質を含有する気
体を送り込むことが難しくなる傾向になり、逆に500
mmを越えると有害物質の除去性能が低下傾向になる。
紫外線照射灯と触媒層との間隙には、有害物質を含有す
る気体の流れを乱し、有害物質が触媒層に接触しやすく
するために、整流板、邪魔板などを設置することができ
る(図6)。
【0033】有害物質を含有する気体を流通させるため
の手段は、紫外線照射灯と触媒層との間隙に有害物質を
含有する気体を流通させるものである。気体を流通させ
るための手段としては、通常、遠心ファン、軸流ファ
ン、差圧送風機などが挙げられる。この気体を流通させ
るための手段は、触媒層の気体吸い込み口又は吐き出し
口のいずれかの部分に取り付ける。
【0034】有害物質除去装置に流通させる有害物質を
含有する気体の量は、空塔速度で通常、10〜600,
000kg/cm2・hr、好ましくは20〜3,00
0kg/cm2・hr、さらに好ましくは20〜250
kg/cm2・hrである。10kg/cm2・hr未満
では、有害物質を含有する気体の処理量が少なくなる傾
向にあり、600,000kg/cm2・hrを越える
と有害物質の除去効率が低下傾向になる。
【0035】本発明の有害物質除去装置は、紫外線照射
灯を点灯し光を照射させた状態で、有害物質を含有する
気体を流通させるための手段を作動させて有害物質を含
有する気体と触媒層と紫外線照射灯の間隙に流通させて
使用する。本発明の有害物質除去装置の設置場所として
は、通常、有害物質を含有する気体が充満した容器ある
いは部屋の中に、又は該容器あるいは部屋から気体を取
り出す穴と本発明装置の気体吸い込み口とを接続し、且
つ本発明装置の気体吐き出し口と容器あるいは部屋に気
体を送り込む穴とを接続して、該容器あるいは部屋の外
側に設置する。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により、さらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部は、特に断わりのない限
り、重量基準である。
【0037】本実施例で行った評価方法は以下のごとく
である。 (有害物質除去剤のエチレン除去性能)有害物質除去剤
10gを1.2リットルの無色透明なアクリル容器内に
投入し、濃度6ppmのエチレンを含有する空気でアク
リル容器内を置換した後、密栓した。次に、有害物質除
去剤から25mmの距離に設置された超高圧水銀灯(7
0W、主波長365nm)を用いて光を照射した。光照
射中、容器内は常圧で温度20〜25℃であった。容器
内のエチレンの濃度をガスクロマトグラフィーで測定
し、その経時変化を追跡し、エチレンの除去性能を評価
した。
【0038】実施例1 二酸化チタン(アナターゼ型)10部、焼石膏(吉野石
膏製、B級)10部およびガラス繊維6部とを混合し、
これに水20部を徐々に添加しながら、ヘンシェルミキ
サーまたはボールミルなどのミキサーを用いて練り合わ
せて混練物を得た。つぎに、直径50mmの円筒状アル
ミ皿に該混練物20部を流し込み、20℃の雰囲気中に
12時間放置し、型から取り出して乾燥させた。さらに
これを120℃のオーブン内に5時間放置して、有害物
質除去剤を得た。
【0039】実施例2 実施例1において、焼石膏の量を30部に、水の量を4
0部に、それぞれ変えた他は実施例1と同じ方法で有害
物質除去剤を得た。
【0040】実施例3 実施例1において、二酸化チタンの量を20部に、水の
量を30部に、それぞれ変えた他は実施例1と同じ方法
で有害物質除去剤を得た。
【0041】実施例4 実施例1において、焼石膏の代わりに硫酸カルシウム半
水和物を用いた他は実施例1と同じ方法で有害物質除去
剤を得た。
【0042】実施例5 二酸化チタン(アナターゼ型)10部と焼石膏(吉野石
膏製、B級)10部とを混合し、これに水20部を徐々
に添加しながら、ミキサーを用いて練り合わせて混練物
を得た。このスラリー中にハニカム成形体〔新日本コア
(株)製ハニコームP(コアサイズ5mm)〕を浸漬
後、引き上げ、空気を吹きつけて余分のスラリーをとば
し、20℃の雰囲気中に12時間放置し、さらに120
℃のオーブン内に5時間放置して、有害物質除去剤を得
た。
【0043】実施例6 二酸化チタンに対してパラジウムが0.5重量%になる
ように硝酸パラジウムPd(NO32を含浸担持した二
酸化チタンを用いる以外は実施例1と同様にして有害物
質除去剤を得た。
【0044】比較例1 二酸化チタン(アナターゼ型)10部と焼石膏(吉野石
膏製、B級)10部とを混合し、これに水20部を徐々
に添加しながら、ミキサーを用いて練り合わせて混練物
を得た。つぎに直径50mmの円筒状アルミ皿に該混練
物20部を流し込み、20℃の雰囲気中に12時間放置
し、型から取り出して乾燥させた。さらにこれを120
℃のオーブン内に5時間放置して、有害物質除去剤を得
た。
【0045】比較例2 二酸化チタン10部を粉体圧縮成形機を用いて、直径5
0mm、厚さ5mmの円筒状に成形した後、120℃の
オーブン内に5時間放置して有害物質除去剤を得た。
【0046】
【表1】 ◎:非常に良い ○:良い △:余り良くない ×:悪い
【0047】表1から、二酸化チタンと焼石膏との混練
物からなる有害物質除去剤(比較例1)は、除去性能は
よいが、機械的強度は余り良くないことがわかる。二酸
化チタンの成形物からなる除去剤(比較例2)では除去
性能が低く、機械的強度も低いことがわかる。これに対
して、本発明によれば、除去性能が高く、機械的強度も
高いことがわかる。
【0048】実施例7 図1は、本発明の有害物質除去装置の一例である。紫外
線照射灯1、ソケット2、触媒層3、触媒層保持部4及
びファン5からなるものである。触媒層は、長さ550
mm、筒外面の一辺の長さ55mmの四角形中筒を、長
さ550mm、筒内面の一辺の長さ65mmの四角形外
筒に差し込み、その間隙に実施例1と同じ方法で得られ
た混練物を流し込み、水和凝集させた後、中筒を取り除
き、厚さ5mmの触媒層を四角形外筒の内面に形成した
ものである。触媒層保持部は塩化ビニル樹脂製の前記四
角形外筒からなる。紫外線照射灯は長さ580mm、直
径32mmの20W蛍光灯である。紫外線照射灯は、触
媒層が固定された前記筒に挿入されている。紫外線照射
灯と触媒層との最小間隙長は11.5mmである。ファ
ンは触媒層の気体吸い込み口に取付けてある。この有害
物質除去装置に、エチレンを5ppm含有する、温度2
3℃の空気を、空塔速度22.8kg/cm2・hrで
送り込んだ。装置出口におけるエチレン濃度は1.3p
pmであった。
【0049】実施例8 図2は、有害物質除去装置の触媒層の一例を示す図であ
る。この触媒層は、長さ550mm、外直径48mmの
塩化ビニル樹脂製の内管を長さ550mm、内直径67
mmの塩化ビニル樹脂製の外管に差込み、その間隙に実
施例1と同じ方法で得られた混練物を流し込み、水和凝
集させた後、内管を取り除き、厚さ9.5mmの層を外
管の内面に形成したものである。紫外線照射灯、ファン
は実施例7と同じである。この装置を、エチレンを1.
5ppm含有する空気が充満した、温度5℃、4.5m
3の部屋に設置し、空塔速度228kg/cm2・hrで
3時間運転した。部屋のエチレン濃度は0.1ppmに
なつた。なお、図3は、図2の有害物質除去装置におい
て、紫外線照射灯を取り外した状態を示す図である。触
媒層の形状を図3のごとくすることにより紫外線照射灯
の交換が容易にできる。
【0050】実施例9 図7は、有害物質除去装置の触媒層の一例を示す図であ
る。この触媒層は、長さ550mm、内直径67mmの
塩化ビニル樹脂製の管の内面に、ウレタン樹脂エマルジ
ョン型バインダー(スーパーフレックス、第一工業製薬
社製)を乾燥膜厚0.5mmとなるように塗布した後、
その塗布面に実施例1で得られた有害物質除去剤を平均
粒子径5mmに破壊したものを散布し、接着したもので
ある。実施例8と同様にして運転した。部屋のエチレン
濃度は0.08ppmになつた。
【0051】本発明の好適な態様を以下に示す。 (1) (a)水硬性化合物の水和凝集物に、(b)
0.5〜5eVの禁止帯幅を有する半導体および(c)
繊維状物および粒状物よりなる群から選ばれた補強材が
分散してなることを特徴とする有害物質除去剤。 (2) (a′)水硬性化合物と(b)0.5〜5eV
の禁止帯幅を有する半導体とを含有するスラリーにより
網目構造体を被覆し、前記水硬性化合物を凝固させて得
られた有害物質除去剤。 (3) 水硬性化合物が硫酸カルシウム又はこれを主原
料として得られる焼石膏である前項(1)または(2)
記載の有害物質除去剤。 (4) 半導体に貴金属を担持させたものを、水硬性化
合物の水和凝集物に分散してなる前項(1)、(2)ま
たは(3)記載の有害物質除去剤。 (5) 半導体が酸化チタンである前項(1)、
(2)、(3)または(4)記載の有害物質除去剤。 (6) 半導体と水硬性化合物との重量比が10:1〜
1:10である前項(1)、(2)、(3)、(4)ま
たは(5)記載の有害物質除去剤。 (7) 補強剤と半導体+水硬性化合物との重量比率で
5〜500%がである前項(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)または(6)記載の有害物質除去剤。 (8) 表面が波状または凹凸状になっている前項
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)また
は(7)記載の有害物質除去剤。 (9) 前項(1)、(2)、(3)、(4)、
(5)、(6)、(7)または(8)記載の有害物質除
去剤に、有害物質を含有する気体を接触させ、光を照射
することを特徴とする有害物質の除去方法。 (10) 有害物質を含有する気体が、酸素を共存する
ものである前項(9)記載の有害物質の除去方法。 (11) 光が、波長400〜200nmの近紫外線を
含む光である前項(9)または(10)記載の有害物質
の除去方法。 (12) 紫外線照射灯と、その周りに形成される前項
(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、
(7)または(8)記載の有害物質除去剤からなる触媒
層と、該灯と該触媒層との間に有害物質を含有する気体
を流通させるための手段からなる有害物質除去装置。 (13) 触媒層と紫外線照射灯との間隙に邪魔板また
は整流板が設置されている前項(12)記載の有害物質
除去装置。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、少ない使用量で、迅速
に、効率よく有害物質を除去することができ、しかも、
機械的強度が高い有害物質除去剤、除去方法およびその
装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有害物質除去装置の一例を示すもので
あって、(a)は断側面図、(b)は、(a)における
A−A′線断面図である。
【図2】触媒層を円筒状にした場合の一例を示す。
【図3】図2の有害物質除去装置において、紫外線照射
灯を取り外した状態を表した図である。
【図4】触媒層内面を波状面にした場合の一例を示すも
のであって、(a)は断側面図、(b)は、(a)にお
けるB−B′線断面図である。
【図5】触媒層内面を波状面にした場合の他の一例を示
す。
【図6】紫外線照射灯と触媒層との間隙に邪魔板を取り
付けた場合の一例を示す。
【図7】触媒層として、破壊した有害物質除去剤を付着
せたものを用いた場合の一例を示す。
【符号の説明】
1 紫外線照射灯 2 ソケット 3 触媒層 4 触媒層保持部 5 ファン 6 邪魔板 7 紫外線照射灯台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 21/06 ZAB M 35/02 ZAB J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)水硬性化合物の水和凝集物に、
    (b)0.5〜5eVの禁止帯幅を有する半導体および
    (c)繊維状物および粒状物よりなる群から選ばれた補
    強材が分散してなることを特徴とする有害物質除去剤。
  2. 【請求項2】 (a′)水硬性化合物と(b)0.5〜
    5eVの禁止帯幅を有する半導体とを含有するスラリー
    により網目構造体を被覆し、前記水硬性化合物を凝固さ
    せて得られた有害物質除去剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の有害物質除去剤
    に、有害物質を含有する気体を接触させ、光を照射する
    ことを特徴とする有害物質の除去方法。
  4. 【請求項4】 紫外線照射灯と、その周りに形成される
    請求項1または2記載の有害物質除去剤からなる触媒層
    と、該灯と該触媒層との間隙に有害物質を含有する気体
    を流通させるための手段とからなる有害物質除去装置。
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