JP2021521791A - 抗hla−g抗体及びその使用 - Google Patents
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Abstract
【選択図】図3A
Description
ヒト白血球抗原G(HLA−G)としても知られるヒト主要組織適合複合体、クラスI、6は、ヒトにおいてHLA−G遺伝子によってコードされるタンパク質である。HLA−Gは、HLAの非古典的なクラスI重鎖パラログに属する。このクラスI分子は、重鎖及び軽鎖(ベータ−2ミクログロブリン)からなるヘテロ二量体である。重鎖は、膜内に固定されるが、脱落/分泌されることがある。
・ 重鎖は3つのドメイン、すなわちアルファ1、アルファ2及びアルファ3からなる。アルファ1及びアルファ2ドメインは、2つのアルファヘリックスが隣接するペプチド結合溝を形成する。小さなペプチド(およそ9−mers)は、他のMHC Iタンパク質と同様にこの溝に結合することができる。
・ 第2の鎖は、他のMHC Iタンパク質と同様に重鎖に結合するベータ2ミクログロブリンである。
一態様では、本発明は、ヒトHLA−Gに結合する(及びJEG−3細胞(ATCC HTB36)上のHLAGに対するILT2の結合を阻害し)、JEG−3細胞と共培養された単球によるHLA−G特異的に抑制されたTNFアルファ放出を回復する抗体を提供する。
A)(a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
B)(a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
C)(a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
D)(a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと
を含む。
A)
i) 配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
B)
i) 配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
C)
i) 配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
D)
i) 配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含む。
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
d)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
f)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
g)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害する(例えば実施例4cを参照)。
本明細書で使用される場合、用語「HLA−G」、「ヒトHLA−G」は、ヒト白血球抗原G(HLA−G)としても知られるHLA−Gヒト主要組織適合複合体、クラスI、Gを指す(例示的な配列番号35)。典型的には、HLA−Gは、β2ミクログロブリン(B2M又はβ2m)と共にMHCクラスI複合体を形成する。一実施態様では、HLA−Gは、HLA−Gとβ2ミクログロブリンのMHCクラスI複合体を指す。
(a)アミノ酸残基26〜32(L1)、50〜52(L2)、91〜96(L3)、26〜32(H1)、53〜55(H2)、及び96〜101(H3)に生じる超可変ループ(Chothia and Lesk, J. Mol. Biol.196:901-917 (1987));
(b)アミノ酸残基24〜34(L1)、50〜56(L2)、89〜97(L3)、31〜35b(H1)、50〜65(H2)、及び95〜102(H3)に生じるCDR(Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991));
(c)アミノ酸残基27c〜36(L1)、46〜55(L2)、89〜96(L3)、30〜35b(H1)、47〜58(H2)、及び93−101(H3)に生じる抗原コンタクト(MacCallum et al. J. Mol. Biol. 262: 732-745 (1996));及び
(d)HVRアミノ酸残基24−34(L1)、50−56(L2)、89−97(L3)、31−35(H1)、50−63(H2)、及び95−102(H3)を含む、(a)、(b)、及び/又は(c)の組み合わせ
を含む。
100×分率X/Y
ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN−2により、AとBのそのプログラムのアラインメントにおいて同一の一致としてスコア化されるアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての%アミノ酸配列同一性値は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して、前段落で説明したように得られる。
一態様では、本発明は、本発明の選択された抗HLA−G抗体は、HLA−Gの特定のエピトープに高い特異性で結合し(他の種及びヒトHLA−Aコンセンサス配列との交差反応性はない)、かつ、ILT2及び/又はILT4のHLA−Gに対する結合を特異的に阻害する能力を有するという知見に一部基づいている。それらは、例えば、ILT2のHLA−Gへの結合を阻害し、適切な刺激でTNFアルファなどの免疫調節性サイトカインの放出を増加させることにより、HLA−G媒介性の免疫抑制を特異的に元に戻し、HLAGノックアウト細胞に対する影響を示さない。
一態様では、本発明は、ヒトHLA−Gに結合し(抗HLA−G抗体)、JEG−3細胞(ATCC HTB36)上のHLAGに対するILT2の結合を阻害し、JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する(単離された)抗体を提供する。したがって、本発明の抗体は、未処理の共培養されたJEG−3細胞と比較して、HLA−G発現JEG−3細胞(ATCC HTB36)及び単球のリポ多糖(LPS)刺激共培養物におけるTNFアルファのHLAG特異的放出を回復する(未処理の共培養物を0%陰性基準とし、単球のみの培養物を100%陽性基準とし、TNFアルファセクションがいかなるHLA−G/IL−T2特異的効果によっても抑制されていないものとする(実施例7を参照のこと))。対照的に、本発明の抗体は、HLA−Gノックアウトを伴うJEG3細胞と共培養された単球による免疫応答を回復することができない。
A)(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3;又は
B)(a)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3;又は
C)(a)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3;又は
D)(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
A)(a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
B)(a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
C)(a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
D)(a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと
を含む。
A)
i) 配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
iii) 配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含むか;あるいは
B)
i) 配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含むか;あるいは
C)
ii) 配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含むか;あるいは
D)
i) 配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む。
(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
(a)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
(a)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
(a)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1;(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2;(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−H3;(d)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(e)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2;及び(f)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3
を含む。
i) 配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含む。
i)配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含む。
配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含む。
配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含む。
配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む。
A)(a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン;又は
B)(a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン;又は
C)(a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン;又は
D)(a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン
を含む。
a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインと、(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメイン
を含み;かつ
ここで、抗体は、配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合する(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された)。
a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号33のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン
を含み;
ここで、抗体は、配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合し(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された);かつ/又は
該抗体は以下の特性によって独立して特徴づけられる:
抗HLA−G抗体は、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
d)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
f)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
g)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害し(例えば実施例4cを参照);かつ/あるいは
k)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する。
a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインと、(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメイン
を含み;かつ
ここで、抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合する(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された)。
a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号15のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号16のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン
を含み;
ここで、抗体は、配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合し(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された);かつ/又は
該抗体は以下の特性によって独立して特徴づけられる:
抗HLA−G抗体は、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
d)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
f)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
g)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害し(例えば実施例4cを参照);かつ/あるいは
k)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する。
a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインと、(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメイン
を含み;かつ
ここで、抗体は、配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合する(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された)。
a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号23のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号24のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン
を含み;
ここで、抗体は、配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合し(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された);かつ/又は
該抗体は以下の特性によって独立して特徴づけられる:
抗HLA−G抗体は、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
f)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
g)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
k)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害し(例えば実施例4cを参照);かつ/あるいは
l)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する。
a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインと、(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメイン
を含み;かつ
ここで、抗体は、配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合する(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された)。
a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含むVHドメインであって;ここで、VHドメインは、配列番号31のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VHドメイン;及び(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含むVLドメインであって;ここで、VLドメインは、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%、99%又は100%(1つの好ましい実施態様では、98%又は99%又は100%)の配列同一性のアミノ酸配列を含む、VLドメイン
を含み;
ここで、抗体は、配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む抗体と実質的に同じ結合親和性で(一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で10分の1に減少し、一実施態様では、結合親和性のKD値は、該抗体と比較して最大で5分の1に減少する)、配列番号43を含むHLA−G β2M MHC I複合体に結合し(表面プラズモン共鳴アッセイで決定された);かつ/又は
該抗体は以下の特性によって独立して特徴づけられる:
抗HLA−G抗体は、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
d)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
f)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
g)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害し(例えば実施例4cを参照);かつ/あるいは
k)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する。
特定の実施態様では、本明細書で提供される抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8Mから10−13M、例えば10−9Mから10−13M)の解離定数KDを有する。
特定の実施態様では、本明細書に提供される抗体は、抗体断片である。抗体断片には、限定されないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2、Fv、及びscFv断片、並びに以下に記載される他の断片が含まれる。特定の抗体断片の総説については、Hudson et al., Nat Med 9, 1299 (2003)を参照のこと。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthun, in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies, vol. 113, Rosenburg and Moore eds., (Springer-Verlag, New York), pp. 269-315 (1994)を参照のこと;また、国際公開第93/16185号;及び米国特許第5571894号及び第5587458号も参照のこと。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、in vivoでの半減期を増加させたFab及びF(ab’)2断片の議論については、米国特許第5869046号を参照のこと。
特定の実施態様では、本明細書に提供される抗体はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号、及びMorrison, S.L. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81 (1984) 6851-6855に記載されている。一例において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ又は非ヒト霊長類(サルなど)由来の可変領域)とヒト定常領域とを含む。さらなる例において、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体には、その抗原結合断片も含まれる。
特定の実施態様では、本明細書に提供される抗体は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で知られている様々な技術を用いて生成することができる。ヒト抗体は、van Dijk, M.A. and van de Winkel, J.G., Curr. Opin. Pharmacol. 5 (2001) 368-374及びLonberg, N., Curr. Opin. Immunol. 20 (2008) 450-459に概説がある。
本発明の抗体は、所望の活性(複数可)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成し、所望の結合特性を有する抗体についてそのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が当技術分野で知られている。そのような方法は、例えば、Hoogenboom, H.R. et al., Methods in Molecular Biology 178 (2001) 1-37に総説され、さらに例えば、McCafferty, J. et al., Nature 348 (1990) 552-554; Clackson, T. et al., Nature 352 (1991) 624-628; Marks, J.D. et al., J. Mol. Biol. 222 (1992) 581-597; Marks, J.D. and Bradbury, A., Methods in Molecular Biology 248 (2003) 161-175; Sidhu, S.S. et al., J. Mol. Biol. 338 (2004) 299-310; Lee, C.V. et al., J. Mol. Biol. 340 (2004) 1073-1093; Fellouse, F.A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 101 (2004) 12467-12472;及びLee, C.V. et al., J. Immunol. Methods 284 (2004) 119-132に記載される。
特定の実施態様では、本明細書で提供される抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に結合特異性を有するモノクローナル抗体である。特定の実施態様では、結合特異性の1つはHLA−Gに対してであり、他方はその他の抗原に対するものである。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
特定の実施態様では、本明細書に提供される抗体のアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適切な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって調製することができる。そのような修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又は挿入、及び/又は置換が含まれる。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを、最終構築物が所望の特性、例えば、抗原結合を有することを条件として、最終構築物に到達させるために行うことができる。
特定の実施態様では、1つ又は複数アミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発の対象となる部位には、HVR及びFRが含まれる。例示的な変更を「例示的置換」と題して表1に示し、アミノ酸側鎖のクラスを参照して下記にさらに説明する。保存的置換は、表1の「好ましい置換」の見出しの下に示されている。アミノ酸置換を目的の抗体に導入することができ、その生成物を、所望の活性、例えば抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下、又はADCC若しくはCDCの改善についてスクリーニングすることができる。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe.
特定の実施態様では、1つ又は複数のアミノ酸修飾を、本明細書で提供される抗体のFc領域に導入し、それによりFc領域変異体を生成することができる。Fc領域変異体は、1つ又は複数のアミノ酸位置でアミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域配列(例えばヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含み得る。
特定の実施態様では、システイン操作抗体、例えば、抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基で置換された「thioMAb」を作成することが望ましい場合がある。特定の実施態様では、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。それらの残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書中でさらに記載されるように、イムノコンジュゲートを生成するために、例えば薬物部分又はリンカー−薬物部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートさせるために使用される。特定の実施態様では、次の残基のうちのいずれか1つ又は複数がシステインと置換され得る:軽鎖のV205(Kabat番号付け)、重鎖のA118(EU番号付け)、及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載のように生成され得る。
特定の実施態様では、本明細書で提供される抗体は、当技術分野で知られ、容易に入手可能な追加の非タンパク質部分を含むようにさらに修飾することができる。抗体の誘導体化に適した部分は、限定しないが、水溶性ポリマーを含む。水溶性ポリマーの非限定的な例は、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマー)及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレン(prolypropylene)オキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール並びにこれらの混合物が挙げられる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、その水中での安定性のために製造上の利点を有し得る。ポリマーは任意の分子量のものであってよく、分枝鎖又は非分枝鎖であってよい。抗体に結合しているポリマーの数は変化してよく、1つを超えるポリマーが結合している場合、それらは同じ分子でも又は異なる分子でもよい。一般的に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/又は種類は、改善されるべき抗体の特定の特性又は機能、その抗体誘導体が限定条件下での治療に使用されるかどうかを含めた(ただしこれらに限定されない)考慮事項に基づいて決定することができる。
抗体は、例えば米国特許第4816567号に記載されているような組換え方法及び組成物を用いて生成することができる。一実施態様では、本明細書に記載される抗HLA−G抗体をコードする単離された核酸が提供される。このような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列、及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。さらなる実施態様では、そのような核酸を含む1つ又は複数のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。さらなる実施態様では、そのような核酸を含む宿主細胞が提供される。1つのそのような実施態様では、宿主細胞は:(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1ベクター及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2ベクターを含む(例えば、同ベクターで形質転換されている)。一実施態様では、宿主細胞は、真核生物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HEK293細胞又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様では、上述のように、抗体の発現に適した条件下で、抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を培養することと、任意選択的に宿主細胞(又は宿主細胞培地)から抗体を回収することとを含む、抗HLA−G抗体を作製する方法が提供される。
本明細書で提供される抗HLA−G抗体が同定されて、当技術分野で知られている様々なアッセイによって、それらの物理的/化学的特性及び/又は生物学的活性についてスクリーニング、又は特徴づけることができる。
一態様では、本発明の抗体は、例えばELISA、ウエスタンブロットなどの既知の方法により、その抗原結合活性について試験される。
一態様では、生物活性を有するその抗HLA−G抗体を同定するためのアッセイが提供される。生物活性は、例えば、T細胞を含む様々な免疫細胞の活性化及び/又は増殖を亢進させる能力を含み得る。例えばそれは、免疫調節性サイトカイン(例えばインターフェロンガンマ(IFN−ガンマ)及び/又は腫瘍壊死因子アルファ(TNFアルファ))の放出を高める。亢進される又は亢進され得る他の免疫調節性サイトカインは、例えば様々な細胞型に結合するIL1s、IL6、IL12、グランザイムBなどである。また、in vivo及び/又はin vitroでこのような生物活性を有する抗体が提供される。
本発明はまた、化学療法剤又は薬物、成長阻害剤、毒素(例えば、タンパク毒素、細菌、真菌、植物、又は動物起源の酵素的に活性の毒素、若しくはその断片)、又は放射性同位体といった1つ又は複数の細胞傷害性剤にコンジュゲートする本明細書の抗HLA−G抗体を含むイムノコンジュゲートを提供する。
特定の実施態様では、本明細書において提供される抗HLA−G抗体のいずれもが、生物学的試料中のHLA−Gの存在を検出するために有用である。本明細書において使用される「検出」という用語は、定量的又は定性的検出を包含する。特定の実施態様では、生物学的試料は、免疫細胞又はT細胞浸潤物及び/又は腫瘍細胞といった細胞又は組織を含む。
本明細書に記載される抗HLA−G抗体の薬学的製剤は、所望の度合いの純度を有するこのような抗体を、1つ又は複数の任意選択的な薬学的に許容される担体と混合することによって(Remington’s Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. (ed.) (1980))、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態に調製される。通常、薬学的に許容される担体は、用いられる用量及び濃度で受容者に対して非毒性であり、限定されるものではないが、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む酸化防止剤;防腐剤(例えばオクタデシルジメチオルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、ブチル又はベンジルアルコール、メチル又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール、及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン又はリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース又はデキストリンを含む単糖類、二糖類、及びその他の糖質;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えばZn−タンパク質錯体);及び/又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含む。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体は、可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)などの介在性薬物分散剤、例えばrhuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質をさらに含む。rhuPH20を含む特定の例示的なsHASEGP及び使用法については、米国特許出願公開第2005/0260186号及び同第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1種以上のさらなるグリコサミノグリカナーゼと組み合わせられる。
本明細書において提供される抗HLA−G抗体(又は抗原結合タンパク質)はいずれも、治療法に使用することができる。
本発明の別の態様では、上述した障害の治療、予防、及び/又は診断に有用な材料を含む製造品が提供される。製造品は、容器と、容器に貼られているか又は付随しているラベル又は添付文書とを備える。好適な容器は、例としてボトル、バイアル、シリンジ、IV輸液バッグなどを含む。容器はガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成され得る。容器は、病状の治療、予防及び/又は診断に効果的である、単独の又は別の組成物と併用の組成物を収容し、滅菌のアクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針で貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、本発明の抗体である。ラベル又は添付文書は、組成物が選択された状態を治療するために使用されることを示している。さらに、製造品は、(a)本発明の抗体を含む組成物が中に収容されている第1の容器;及び(b)さらなる細胞傷害性剤又はその他の治療剤を含む組成物が中に収容されている第2の容器を備え得る。本発明の本実施態様における製造品は、組成物が特定の状態を治療するために使用できることを示す添付文書をさらに備えてもよい。代替的に又は追加的に、製造品は、薬学的に許容されるバッファー(例えば注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液、及びデキストロース溶液)を収容する第2(又は第3)の容器をさらに備えてもよい。製造品は、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針及びシリンジを含む、商業的及びユーザーの観点から望ましい他の材料をさらに備えてもよい。
抗HLAG抗体(可変領域及び超可変領域(HVR)):
配列番号1 重鎖HVR−H1、HLA−G−0031
配列番号2 重鎖HVR−H2、HLA−G−0031
配列番号3 重鎖HVR−H3、HLA−G−0031
配列番号4 軽鎖HVR−L1、HLA−G−0031
配列番号5 軽鎖HVR−L2、HLA−G−0031
配列番号6 軽鎖HVR−L3、HLA−G−0031
配列番号7 重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0031
配列番号8 軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0031
配列番号9 重鎖HVR−H1、HLA−G−0039
配列番号10 重鎖HVR−H2、HLA−G−0039
配列番号11 重鎖HVR−H3、HLA−G−0039
配列番号12 軽鎖HVR−L1、HLA−G−0039
配列番号13 軽鎖HVR−L2、HLA−G−0039
配列番号14 軽鎖HVR−L3、HLA−G−0039
配列番号15 重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0039
配列番号16 軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0039
配列番号17 重鎖HVR−H1、HLA−G−0041
配列番号18 重鎖HVR−H2、HLA−G−0041
配列番号19 重鎖HVR−H3、HLA−G−0041
配列番号20 軽鎖HVR−L1、HLA−G−0041
配列番号21 軽鎖HVR−L2、HLA−G−0041
配列番号22 軽鎖HVR−L3、HLA−G−0041
配列番号23 重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0041
配列番号24 軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0041
配列番号25 重鎖HVR−H1、HLA−G−0090
配列番号26 重鎖HVR−H2、HLA−G−0090
配列番号27 重鎖HVR−H3、HLA−G−0090
配列番号28 軽鎖HVR−L1、HLA−G−0090
配列番号29 軽鎖HVR−L2、HLA−G−0090
配列番号30 軽鎖HVR−L3、HLA−G−0090
配列番号31 重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0090
配列番号32 軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0090
配列番号33 ヒト化変異体重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0031−0104(HLA−G−0104)
配列番号34 ヒト化変異体軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0031−0104(HLA−G−0104)
さらなる配列
配列番号35:例示的なヒトHLA−G
配列番号36:例示的なヒトHLA−G細胞外ドメイン(ECD)
配列番号37:例示的なヒトβ2M
配列番号38:修飾ヒトHLA−G(HLA−G特異的アミノ酸がHLA−Aコンセンサスアミノ酸によって置き換えられている(=デグラフトHLA−G、図1も参照)のECD)
配列番号39:例示的なヒトHLA−A2
配列番号40:例示的なヒトHLA−A2のECD
配列番号41:例示的なマウスH2KdのECD
配列番号42:例示的なラットRT1AのECD
配列番号43:例示的なヒトHLA−G β2M MHCクラスI複合体
配列番号44:例示的な修飾ヒトHLA−G β2M MHCクラスI複合体(HLA−G特異的アミノ酸がHLA−Aコンセンサスアミノ酸によって置き換えられている(=デグラフトHLA−G)図1も参照)
配列番号45:例示的なマウスH2Kd β2M MHCクラスI複合体
配列番号46:例示的なヒトHLA−G/マウスH2Kd β2M MHCクラスI複合体(ヒトHLA−Gに特異的な位置がマウスH2Kdフレームワーク上に移植されている)
配列番号47:例示的なラットRT1A β2M MHCクラスI複合体
配列番号48:例示的なヒトHLA−G/ラットRT1A β2M MHCクラスI複合体(ヒトHLA−Gに特異的な位置がラットRT1Aフレームワーク上に移植されている)
配列番号49 リンカー及びhisタグ
配列番号50 ペプチド
配列番号51 ヒトカッパ軽鎖定常領域
配列番号52 ヒトラムダ軽鎖定常領域
配列番号53 IgG1由来のヒト重鎖定常領域
配列番号54 変異L234A、L235A 及びP329Gを有する、IgG1由来のヒト重鎖定常領域
配列番号55 IgG4由来のヒト重鎖定常領域
配列番号7:重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0031:
配列番号8:軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0031:
配列番号33:ヒト化変異体重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0031−0104(HLA−G−0104):
配列番号34:ヒト化変異体軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0031−0104(HLA−G−0104):
配列番号15:重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0039:
配列番号16:軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0039
配列番号23:重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0041:
配列番号24:軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0041
配列番号31:重鎖可変ドメインVH、HLA−G−0090:
配列番号32:軽鎖可変ドメインVL、HLA−G−0090
1.抗体が、
A)(a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
B)(a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
C)(a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
D)(a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと
を含む、ヒトHLAに特異的に結合する単離された抗体。
2.抗体が、
A)
i) 配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列;
ii) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
i) 配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含むか;あるいは
B)
配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含むか;あるいは
C)
配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含むか;あるいは
D)
配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む
実施態様1に記載の抗体。
3.抗体が、
a)配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含む抗体と同じエピトープに結合する;
あるいはb)配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む抗体と同じエピトープに結合する
ヒトHLA−Gに結合する単離された抗体。
4.抗体が、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
f)単量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
g)三量体HLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では60%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
h)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体(配列番号43を含む)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害し(実施例4bを参照);かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
j)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し(実施例5を参照)、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)(50%を超えて(一実施態様では80%を超えて))阻害し(実施例6を参照);かつ/あるいは
k)HLAGに対するCD8aの結合を(抗体なしでの結合と比較したとき)80%を超えて阻害し(例えば実施例4cを参照);かつ/あるいは
l)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する
実施態様1から4のいずれか一項に記載の抗HLA−G抗体。
5.抗体がIgG1アイソタイプのものである、先行する実施態様のいずれか一項に記載の抗体。
6.抗体が、変異L234A、L235A及びP329G(KabatのEUインデックスによる番号付け)を含むIgG1アイソタイプのものである、実施態様5に記載の抗体。
7.先行する実施態様のいずれか一項に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
8.実施態様7に記載の核酸を含む宿主細胞。
9.抗体が産生されるように実施態様7に記載の宿主細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法。
10.宿主細胞から抗体を回収することをさらに含む、実施態様9に記載の方法。
11.実施態様1から6のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的製剤。
12.医薬としての使用のための、実施態様1から6のいずれか一項に記載の抗体。
13.がんの治療における使用のための、実施態様1から6のいずれか一項に記載の抗体。
14.医薬の製造における、実施態様1から6のいずれか一項に記載の抗体の使用。
15.医薬が、がんの治療のためのものである、実施態様14の使用。
16.がんを有する個体を治療する方法であって、実施態様1から6のいずれか一項に記載の抗体の有効量を個体に投与することを含む方法。
17.抗HLAG抗体(例えば実施態様1から6による)を選択するための方法であって:
a)表面プラズモン共鳴アッセイにより、配列番号43を含むヒトHLA−G β2M MHC I複合体に対する抗HLAG抗体の結合を決定する工程;
b)それぞれの抗HLAG抗体による、単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合の阻害を決定する工程;及び
c)単量体HLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合を、(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害する抗HLAG抗体を選択する工程、又は単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合を、(抗体なしでの結合と比較したとき)50%を超えて(一実施態様では70%を超えて)阻害する抗HLAG抗体を選択する工程
d)JEG−3細胞(ATCC HTB36)と共培養された単球によるHLA−G特異的抑制免疫応答(例えば、抑制された腫瘍壊死因子(TNF)アルファ放出)を回復する工程
を含む方法。
18.抗HLAG抗体(例えば実施態様6による)を選択するための方法であって:
a)(蛍光標識細胞分取を使用する)フローサイトメトリーアッセイ(FACSアッセイ)において、JEG3細胞(ATCC No.HTB36)に対する抗HLAG抗体の結合を決定する工程
b)(蛍光標識細胞分取を使用する)フローサイトメトリーアッセイ(FACSアッセイ)において、それぞれの抗HLAG抗体によるJEG3細胞(ATCC No.HTB36)に対するILT2の結合の阻害を決定する工程;及び
c)JEG3(ATCC No.HTB36)細胞に結合し、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)に対するILT2の結合を、抗体なしでの結合と比較したとき、50%を超えて(一実施態様では80%を超えて)阻害する抗HLAG抗体を選択する工程
を含む方法。
標準的な方法を使用して、Sambrook, J. et al., Molecular cloning: A laboratory manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York, 1989に記載されているようにDNAを操作した。分子生物学的試薬を、製造者の指示に従って使用した。
所望の遺伝子セグメントを、Geneart GmbH(Regensburg、Germany)において化学合成により調製した。合成された遺伝子断片を、伝播/増幅のために大腸菌プラスミド中にクローニングした。サブクローニングされた遺伝子断片のDNA配列を、DNA配列決定によって確認した。代替的に、短い合成DNA断片を、化学的に合成されたオリゴヌクレオチドをアニーリングすることにより、又はPCRを介して構築した。それぞれのオリゴヌクレオチドは、metabionGmbH(Planegg−Martinsried、Germany)によって調製された。
所望の遺伝子/タンパク質(例えば完全長抗体重鎖、完全長抗体軽鎖、又はMHCクラスI分子、例えばHLA−G、又はペプチド及びベータ−2ミクログロブリンに融合したMHCクラスI分子、例えばHLA−G結合ペプチド及び/又はベータ−2ミクログロブリンに融合したHLA−G)の発現のために、以下の機能的要素を含む転写ユニットが使用される:
− イントロンAを含むヒトサイトメガロウイルス(P−CMV)からの最初期エンハンサー及びプロモーター、
− ヒト重鎖免疫グロブリン 5’−非翻訳領域(5’UTR)、
− マウス免疫グロブリン重鎖シグナル配列、
− 発現される遺伝子/タンパク質(例えば完全長抗体重鎖又はMHCクラスI分子)、及び
− ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列(BGH pA)。
− 大腸菌においてこのプラスミドの複製を可能にするベクターpUC18由来の複製開始点、及び
− 大腸菌にアンピシリン耐性を付与するベータラクタマーゼ遺伝子
を含む。
精製されたポリペプチドのタンパク質濃度を、ポリペプチドのアミノ酸配列に基づいて計算されたモル吸光係数を用いて、280nmにおける光学濃度(OD)を測定することにより決定した。
スクリーニング及びカウンタースクリーニングのためのHLA−Gキメラ分子の生成
他のMHC I分子との高い相同性(>98%)に起因して、HLA−G分子による免疫化の結果、MHC−I交差反応性抗体と真のHLA−G特異的抗体の混合物から構成されるポリクローナル血清が生成される。
− 配列番号43を含むヒトHLA−G β2M MHC複合体として発現されたrec.HLA−G
− ラットRT−1及びマウスH2kd上に移植されたHLA−G特異性配列(配列番号46:ヒトHLA−Gに特異的な位置がマウスH2Kdフレームワーク上に移植されている、ヒトHLA−G/マウスH2Kd β2M MHCクラスI複合体、及び配列番号48:ヒトHLA−Gに特異的な位置がラットRT1Aフレームワーク上に移植されている、ヒトHLA−G/ラットRT1A β2M MHCクラスI複合体)
− 天然HLA−G MHCクラスI複合体発現細胞(例えばJeg3細胞)、又はヒトHLA−Gトランスフェクト細胞株SKOV3 HLA−G+及びPA−TU−8902 HLA−G+
− 異なるペプチドと組み合わされた他のHLA−A配列(HLA−A2及びHLA−GHlA−Aコンセンサス配列によるデグラフト)を含むカウンター抗原(MHCクラスI複合体)(例えばHLA−Gフレームワーク上の配列番号40(HLA−A2)及び配列番号44のHLA−Aコンセンサス配列を参照)
− ラットRT−1及びマウスH2kd(配列番号45及び配列番号47)といった他の種由来のカウンター抗原(MHCクラスI複合体)
− HLA−G発現が存在しないことを特徴とする、非修飾腫瘍細胞株であるSKOV3及びPA−TU−8902。
野生型(wt)及びトランスジェニックラット、又はウサギ及びマウスなどの免疫化における使用のため、及び/又はスクリーニングアッセイにおける使用のためのHLA−G特有の位置を有するキメララットMHC I分子(RT1−A)(配列番号48)の設計:
多重配列アライメントに由来する特有の位置を、ヒトHLA−Gの結晶構造(PDBコード:1YDP)において分析した。まず、HLA−G表面上に露出しておらず、したがって抗体がアクセスできない位置を、エンジニアリングのために除外した。次に、表面に露出した残基を、アミノ酸交換の実現可能性について分析した(すなわち、関連する位置が変異した時に分子構造に起こり得る局所的乱れの排除)。合計で、14の位置を交換について検証した。検証された位置におけるアミノ酸を、IMGT(2014年2月6日に入手可能であったもの)からダウンロードされた、2579個のHLA−A配列の多重配列アライメントから導かれるHLA−Aコンセンサス配列へと変異させた。
組換えMHCクラスI遺伝子は、それぞれのMHCクラスI分子、ベータ−2ミクログロブリン、及びそれぞれのMHCクラスI分子が結合することが知られているペプチドからなるN末端伸長融合分子をコードする。
− イントロンAを含むヒトサイトメガロウイルス(P−CMV)からの最初期エンハンサー及びプロモーター、
− ヒト重鎖免疫グロブリン 5’−非翻訳領域(5’UTR)、
− マウス免疫グロブリン重鎖シグナル配列、
− N末端切断型黄色ブドウ球菌ソルターゼAコード化核酸、及び
− ウシ成長ホルモンポリアデニル化配列(BGH pA)。
配列番号43:例示的なヒトHLA−G β2M MHCクラスI複合体
配列番号44:例示的な修飾ヒトHLA−G β2M MHCクラスI複合体(HLA−G特異的アミノ酸がHLAコンセンサスアミノ酸によって置き換えられている(=デグラフトHLA−G、図1も参照))
配列番号45:例示的なマウスH2Kd β2M MHCクラスI複合体
配列番号46:例示的なヒトHLA−G/マウスH2Kd β2M MHC複合体(ヒトHLA−Gに特異的な位置がマウスH2Kdフレームワーク上に移植されている)
配列番号47:例示的なラットRT1A β2M MHCクラスI複合体
配列番号48:例示的なヒトHLA−G/ラットRT1A β2M MHC複合体(ヒトHLA−Gに特異的な位置がラットRT1Aフレームワーク上に移植されている)
免疫化キャンペーン
A)マウス及びラットの免疫化
a.キメラタンパク質(非特異的MHC−I/HLAに対する耐性及び特有のHLA−G位置への方向性のため)
免疫化には、Charles River Laboratories International,Inc.から取得されたBalb/Cマウスを使用した。動物は、AAALACi(国際実験動物ケア評価認証協会)の付録A「Guidelines for accommodation and care of animals」に従って収容した。すべての動物免疫化プロトコール及び実験は、Government of Upper Bavariaによって承認され(許可番号55.2−1−54−2531−19−10及び55.2−1−54−2532−51−11)、ドイツ動物保護法及び欧州議会及び理事会の指示2010/63に従って実施された。
免疫化には、Charles River Laboratories International,Inc.から取得されたCDラットを使用した。動物は、AAALACi(国際実験動物ケア評価認証協会)の付録A「Guidelines for accommodation and care of animals」に従って収容した。すべての動物免疫化プロトコール及び実験は、Government of Upper Bavariaによって承認され(許可番号55.2−1−54−2532−51−11)、ドイツ動物保護法及び欧州議会及び理事会の指示2010/63に従って実施された。
免疫化には、Charles River Laboratories International,Inc.から取得されたCDラットを使用した。動物は、AAALACi(国際実験動物ケア評価認証協会)の付録A「Guidelines for accommodation and care of animals」に従って収容した。すべての動物免疫化プロトコール及び実験は、Government of Upper Bavariaによって承認され(許可番号AZ.55.2−1−542531−83−13)、ドイツ動物保護法及び欧州議会及び理事会の指示2010/63に従って実施された。
免疫化には、Charles River Laboratories International,Inc.から取得されたCDラットを使用した。動物は、AAALACi(国際実験動物ケア評価認証協会)の付録A「Guidelines for accommodation and care of animals」に従って収容した。すべての動物免疫化プロトコール及び実験は、Government of Upper Bavariaによって承認され(許可番号AZ.55.2−1−542531−83−13)、ドイツ動物保護法及び欧州議会及び理事会の指示2010/63に従って実施された。
OmniRat Line 7ラットは、Open Monoclonal Technology,Inc.(2747 Ross Road、Palo Alto、CA 94303、USA)と提携し、Charles River Laboratories International,Inc.で飼育され、入手した。動物は、AAALACi(国際実験動物ケア評価認証協会)の付録A「Guidelines for accommodation and care of animals」に従って収容した。すべての動物免疫化プロトコール及び実験は、Government of Upper Bavariaによって承認され(許可番号55.2−1−54−2532−51−11及び55.2−1−54−2531−83−13)、ドイツ動物保護法及び欧州議会及び理事会の指示2010/63に従って実施された。
上記の方法を使用して、ヒト抗HLA−Gに特異的に結合する以下の抗体が得られた:CDラットからのラットHLA−G 0031、ヒト化ラットからのヒトHLAG 0039、HLA−G 0041及びHLA−G 0090。
A)可溶性ヒトHLA−G、HLA−A特異的配列を有する可溶性デグラフトヒトHLA−G、ヒトHLA−A2、及びラット/マウスH2−Kdに対する抗HLA−G抗体の結合
免疫化から得られた抗体を、ヒト、HLA−G、キメラ、デグラフトHLA−G、HLA−A2及びラット/マウスH2−Kdに対するそれらの結合特性についてスクリーニングした。それぞれのアッセイを以下に説明する。ヒトHLA−Gの試験のために、単量体、二量体、三量体のいずれかの形態を使用した(以下の調製を参照)。
単量体のHisタグ付き可溶性ヒトHLA−G MHCクラスIタンパク質(配列番号23)を含む上清を、AKTA−FPLCを使用して、5mlのNi−セファロースを含むHisTrap HPカラム(GE Healthcare #17−5248−02)に0.2ml/分の流速で一晩室温でロードした。次いでカラムを0.5Mのイミダゾールを含む2%のDPBS(Merck #8.14223.025)で、ベースラインに到達するまで洗浄した。次いでカラムを、0.5Mのイミダゾールを含む2%のDPBS中10mMのDTTで平衡化し、室温で30分間インキュベートした。PBS/10mMのイミダゾールを用いてカラムからDTTを洗い流し、0.5mMのイミダゾールを含む2〜100%の勾配のDPBSでタンパク質を溶出した。Amicon−Ultra 15 M/Ultracel 10Kを使用して溶出液を濃縮した後、タンパク質を室温で24時間、続いて4℃で48時間インキュベートして、二量体化/多量体化させた。次いで、二量体と三量体の分離をSuperdex 200 HiLoad 16/60(GE Healthcare #17−5175−01)で実施し、0.5MのNaOHで一晩洗浄した。カラムをPBSで平衡化した後、10mg/mlのBSAで飽和させた。次に、二量体(画分A9)及び三量体(画分A8)を収集し、等分して、さらに使用するまで−80℃で保存した。
ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Nunc、MicroCoat #11974998001)を、25μl/ウェルの、濃度250ng/mlのビオチン化ヒト野生型HLA−Gでコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μlの抗HLA−G試料(OSEPバッファー中で1:3に希釈)又は参照抗体(G233、Thermo/Pierce #MA1−19449、500ng/ml)を加え、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのヤギ−抗マウスH+L−POD(Biorad #170−6561、OSEP中1:2000)又はロバ−抗ウサギIgG POD(GE #NA9340V、OSE中1:5000)を加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。ラットIgGの検出のために、ヤギ−抗ラットIgG1−POD(Bethyl #A110−106P)、ヤギ−抗ラットIgG2a−POD(Bethyl #A110−109P)及びヤギ−抗ラットIgG2b−POD(Bethyl #A110−111P)をOSEP中1:10000で加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(6x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Nunc、MicroCoat #11974998001)を、25μl/ウェルの、濃度250ng/mlのビオチン化ヒトデグラフトHLA−Gでコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μlの抗HLA−G試料(OSEPバッファー中で1:3に希釈)又はラット血清(OSEP中で1:600に希釈)を加え、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、ヤギ−抗ラットIgG1−POD(Bethyl #A110−106P)、ヤギ−抗ラットIgG2a−POD(Bethyl #A110−109P)及びヤギ−抗ラットIgG2b−POD(Bethyl #A110−111P)の混合物25μl/ウェルを、OSEP中1:10000で加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(6x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Nunc、MicroCoat #11974998001)を、25μl/ウェルの、濃度250ng/mlのビオチン化ラットMHC I(RT1−A)でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μlの抗HLA−G試料(OSEPバッファー中で1:3に希釈)又はラット血清(OSEP中で1:600に希釈)を加え、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、ヤギ−抗ラットIgG1−POD(Bethyl #A110−106P)、ヤギ−抗ラットIgG2a−POD(Bethyl #A110−109P)及びヤギ−抗ラットIgG2b−POD(Bethyl #A110−111P)の混合物25μl/ウェルを、OSEP中1:10000で加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(6x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Nunc、MicroCoat #11974998001)を、25μl/ウェルの、濃度250ng/mlのビオチン化ヒトHLA−A2でコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μlの抗HLA−G試料(OSEPバッファー中で1:3に希釈)又はラット血清(OSEP中で1:600に希釈)を加え、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、ヤギ−抗ラットIgG1−POD(Bethyl #A110−106P)、ヤギ−抗ラットIgG2a−POD(Bethyl #A110−109P)及びヤギ−抗ラットIgG2b−POD(Bethyl #A110−111P)の混合物25μl/ウェルを、OSEP中1:10000で加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(6x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
ヒトHLA−G、ヒトHLA−Gデグラフト及びヒトHLA−A2に対する抗HLA−G抗体の結合キネティクスを、BIACORE T200機器(GE Healthcare)を使用する表面プラズモン共鳴によって調査した。すべての実験は、ランニングバッファーとしてPBSバッファー(pH7.4+0.05%のTween20)を使用し、希釈バッファーとしてPBSバッファー(+0.1%のBSA)を使用して、25℃で実施した。抗ヒトFc(JIR009−005−098、Jackson)又は抗ラットFc(JIR112−005−071、Jackson)又は抗マウスFc(JIR115−005−071、Jackson)抗体を、GE Healthcareによって供給されるアミンカップリングキットを使用することにより、Series S CM5 Sensor Chip(GE Healthcare)上にpH5.0で固定化した。抗HLA−G抗体は表面上に捕捉され、50〜200RUの捕捉応答をもたらした。HLA−G分子を、2.5から800nMの濃度で(2x1:2及び4x1:3の希釈系列)表面上に180秒間にわたって30μl/分で注入した(会合相)。ランニングバッファーで洗浄することにより、解離相を300〜600秒間監視した。表面を、抗ヒトFc捕捉抗体についてはH3PO4(0.85%)を60+30秒間にわたって注入することにより、抗ラットFc捕捉抗体についてはグリシン(pH1.5)を60秒間にわたって及びグリシン(pH2.0)を60秒間にわたって注入することにより、抗マウスFc捕捉抗体についてはH3PO4(0.85%)を80+60秒間にわたって注入することにより、再生した。バルク屈折率の差異は、モック面から得られた応答を差し引くことにより補正された。ブランク注入が差し引かれた(二重参照)。得られた曲線を、BIAevaluationソフトウェアを用いて1:1ラングミュア結合モデルにフィッティングした。
ヒトHLA−Gに対する抗HLA−G抗体の結合のクロスブロッキング実験を、BIACORE T200又はB4000機器(GE Healthcare)を使用する表面プラズモン共鳴により調査した。すべての実験を、PBSバッファー(pH7.4+0.05% Tween20)をランニングバッファーとして使用して、25℃で実施した。
HLA−G抗体の、組換えHLA−G(配列番号43)及びコントロール修飾ヒトHLA−G β2M MHCクラスI複合体(HLA−G特異的アミノ酸がHLA−Aコンセンサスアミノ酸によって置き換えられている(=デグラフトHLA−G、配列番号44))に対する結合親和性。(「−」は検出可能な結合が存在しないことを示す)
ヒトHLA−G、及びヒトHLA−Gデグラフトに対する抗HLA−G抗体の結合キネティクスを、BIACORE T200機器(GE Healthcare)を使用する表面プラズモン共鳴によって調査した。すべての実験は、ランニングバッファーとしてPBSバッファー(pH7.4+0.05%のTween20)を使用し、希釈バッファーとしてPBSバッファー(+0.1%のBSA)を使用して、25℃で実施した。抗ヒトFc(JIR009−005−098、Jackson)又は抗ラットFc(JIR112−005−071、Jackson)又は抗マウスFc(JIR115−005−071、Jackson)抗体を、GE Healthcareによって供給されるアミンカップリングキットを使用することにより、Series S CM5 Sensor Chip(GE Healthcare)上にpH5.0で固定化した。抗HLA−G抗体は表面上に捕捉され、50〜200RUの捕捉応答をもたらした。非ビオチン化HLA−G分子を、2.5から800nMの濃度で(2x1:2及び4x1:3の希釈系列)表面上に180秒間にわたって30μl/分で注入した(会合相)。ランニングバッファーで洗浄することにより、解離相を300〜600秒間監視した。表面を、抗ヒトFc捕捉抗体についてはH3PO4(0.85%)を60+30秒間にわたって注入することにより、抗ラットFc捕捉抗体についてはグリシン(pH1.5)を60秒間にわたって及びグリシン(pH2.0)を60秒間にわたって注入することにより、抗マウスFc捕捉抗体についてはH3PO4(0.85%)を80+60秒間にわたって注入することにより、再生した。バルク屈折率の差異は、モック面から得られた応答を差し引くことにより補正された。ブランク注入が差し引かれた(二重参照)。得られた曲線を、BIAevaluationソフトウェアを用いて1:1ラングミュア結合モデルにフィッティングした(−上の表は、検出可能な結合が存在しなかったことを示している)。
MEM/G9、87G、G233、2A12、4H84、5A6G7、6D463、9−1F10、MEM−G/1、MEM−G/11、MEM−G/2及びMEM−G/4(「−」は検出可能な結合が存在しないことを示す)。
a)受容体結合阻害(単量体、二量体、及び三量体のHLA−Gによる):ILT−2及びILT−4ブロッキングELISA
ストレプトアビジンでコーティングしたプレート(Nunc、MicroCoat #11974998001)を、25μl/ウェルの、濃度500−1000ng/mlのビオチン化ヒト野生型HLA−Gでコーティングし、4℃で一晩インキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μlの抗HLA−G試料を10又は3μg/mlから濃度を徐々に低下させながら加え、次いで1:3又は1:2に段階希釈し、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのc−myc−タグ付き組換えILT−2受容体を200ng/mlの濃度で加え、1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのヤギ−抗c−myc−POD(Bethyl #A190−104P、PBST+0.5%BSA中で1:7000)又は抗ヒトFcgPOD(JIR、109−036−098、PBST+0.5%BSA中で1:8000)を加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
Maxisorpマイクロタイタープレートに対してFcタグ付きILT2及びILT4をそれぞれコーティングすることにより、ELISAを設定した。インキュベーション及び洗浄工程の後、それぞれの抗体を100nMの濃度で加えた。可溶性Hisタグ付き単量体、二量体又は三量体のHLA−Gをウェルに加えた。インキュベーション及び洗浄工程の後、結合した受容体の検出を、抗His−抗体−PODコンジュゲートにより実施した。阻害率(%)は、ILT2/4+HLA−G(単量体、二量体、又は三量体)を含み、抗HLA−G又はILT2/4抗体を含まないウェルから得られた値との比較において計算された(100%結合=0%阻害)。
ストレプトアビジンでコーティングされた384ウェルプレートは、30μl/ウェルのブロッキング溶液でブロックされた。ブロッキング溶液を、Starting Block T20(Thermo Scientific #37543)中で、5%ポリビニルアルコール(PVA、Sigma #P8136)及び8%ポリビニルピロリドン(PVP、Sigma #PVP360)を、3.5mlのPVA+3.5mlのPVPを35mlのStarting Block T20に加えることによって、1:10に希釈して調製した。ブロッキング溶液で希釈した30μlのビオチン化HLAG(3μg/ml)を各ウェルに加え、シェーカー上で室温で1時間インキュベートした。ウェルを、0.1%のTween−20(Merck#8.22184.500)を含む100μlのPBS(PAN Biotech#P04−36500)で3回洗浄した。次に、ウェルを、三連でブロッキングバッファーで希釈した30μlの抗HLAG抗体とともに、シェーカー上で室温で1時間インキュベートし、0.1%のTween−20を含む100μlのPBSで3回洗浄した。組換えCD8a(Sino Biological#10980−H08H、4℃で1週間保存して再構成)をブロッキング溶液(1.25μg/ml)で希釈し、30μlをすべてのウェルに加え、シェーカー上で室温で2時間インキュベートした。ウェルを0.1%のTween−20を含む100μlのPBSで3回洗浄した。HRP結合ポリクローナル抗CD8aラットIgG抗体(USBiological #033547−HRP)を3%ウシ血清アルブミン画分V(Roche #10735086001)/PBS 0.2%のTween20で希釈し、この希釈液の30μlを各ウェルに加えた。次に、プレートをシェーカー上で室温で1時間インキュベートし、0.1%のTween−20を含む100μlのPBSで3回洗浄した。次に、30μlのTMB基質(BM−Blue、可溶性HRP基質、Roche #11484281001)を各ウェルに加え、続いてシェーカー上で室温で25分間インキュベートした。次いで、25μlの硫酸を各ウェルに加え、プレートリーダーで450nMで吸光度を測定することにより反応を停止させた。CD8aのHLAGへの特異的結合は、結合値の平均からバックグラウンド値の平均を差し引くことによって計算された。抗体の非存在下でのCD8のHLAGへの全結合は、100%結合又は0%阻害と見なされた。
抗HLA−G抗体の細胞への結合
25μl/ウェルのJEG3細胞(HLA−Gを天然に発現、20000細胞/ウェル)、Skov−3細胞、又は細胞表面上に組換えHLA−Gを発現するSkov−3細胞(共に10000個の細胞/ウェル)を、組織培養処理した384ウェルプレート(Corning、3701)に播種し、37℃で一晩インキュベートした。翌日、12.5μlの抗HLA−G試料(最終希釈1:3)を加え、2時間にわたり4℃でインキュベートした。50μl/ウェルのグルタルアルデヒドを最終濃度0.05%(Sigma Cat.No:G5882;Lot No.:056K5318)になるように加えることにより細胞を固定した。洗浄(3x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのヤギ−抗マウスH+L−POD(Biorad #170−6561、OSEP中1:2000)又はロバ−抗ウサギIgG POD(GE #NA9340V、OSE中1:5000)を加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。ラットIgGの検出のために、ヤギ−抗ラットIgG1−POD(Bethyl #A110−106P)、ヤギ−抗ラットIgG2a−POD(Bethyl #A110−109P)及びヤギ−抗ラットIgG2b−POD(Bethyl #A110−111P)をOSEP中1:10000で加え、シェーカーで1時間室温でインキュベートした。洗浄(4x90μl/ウェルのPBSTバッファー)の後、25μl/ウェルのTMB基質(Roche、11835033001)を加え、OD2〜3までインキュベートした。測定は、Tecan Safire 2機器において370/492nmで行った。
フローサイトメトリー分析のために、細胞を、4℃において抗HLA−G mAbsで染色した。簡潔には、25μl/ウェルの各細胞懸濁液(5x104細胞/ウェル)を、ポリプロピレンの96ウェルV底プレートに移し、冷蔵庫内において5℃で10分間事前冷却した。抗HLA−G試料を染色バッファーで2倍の開始濃度80μg/mlに希釈した。抗体の4倍の段階希釈を実施し、25μl/ウェルの抗体溶液を調製された細胞に加え、1時間にわたり5℃でインキュベートした。細胞を200μl/ウェルの染色バッファーで2回洗浄し、300gで3分間遠心分離した。検出のために、蛍光標識抗種抗体(Alexa 488にコンジュゲートしたヤギ抗ラットIgG(H+L)、Life technologies #A11006;又はヤギ抗マウスIgG(H+L)、Life technologies #A11001)又はAlexa 488にコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIgG(H+L)(Life Technologies #A11013)を染色バッファーで20μg/mlに希釈し、細胞ペレットを50μl/ウェルの検出抗体に再懸濁した。5℃で1時間のインキュベーションの後、細胞を再び染色バッファーで2回洗浄し、70μlの染色バッファーに再懸濁し、FACS Canto IIで測定した。
抗HLA−G抗体は、JEG3細胞で発現するHLA−Gに対するILT2の結合を阻害/調節する
分析のために、JEG3細胞(ATCC HTB36)を、異なる抗HLA−G抗体とのプレインキュベーションの有無にかかわらず、ILT2−Fc融合タンパク質(コントロール=阻害なし)で染色した。抗HLA−G抗体とのプレインキュベーションのために、25μl/ウェルの細胞懸濁液をポリプロピレンの96ウェルV底プレートに移し、4℃で10分間事前冷却した。抗HLA−G抗体又は参照抗体(G233、MEM−G/9又は87G)を、染色バッファーで2倍の濃度80μg/mlに希釈し、25μl/ウェルの抗体溶液を調製された細胞に加え、1時間5℃でインキュベートした。細胞を200μl/ウェルの染色バッファーで2回洗浄し、300gで3分間遠心分離して、最後に25μl/ウェルの染色バッファーに再懸濁した。
単球サイトカイン回復アッセイ(HLA−G媒介性抑制後)
異なるラット抗ヒトHLA−Gモノクローナル抗体の機能的特徴づけのために、単球を用いたHLA−G発現細胞の以下の共培養アッセイを使用した。末梢ヒト単球を、健常なドナーの血液から単離した。簡潔には、血液を、抗凝固剤を含むチューブに収集し、PBSで1:2に希釈した。末梢血単核細胞(PBMC)を単離するために、30mlの混合物を、分離培地を事前充填した各Leucosepチューブに移した。PBMC特異的バンドを12分間の遠心分離(ブレーキなしで1200xg)後に収集し、PBSで3回洗浄し、300xgで10分間遠心分離した。最後に、細胞ペレットを、MiltenyiからのMACSバッファーに再懸濁し、製造者の指示に従ってMiltenyiのヒトMonocyte Isolation Kit II(#130−091−153)による磁気選別を介してヒト単球をPBMCから単離した(負の選択)。単離された単球を初代細胞培養培地(RPMI 1640、10%のFCSを補充したPAN #P04−17500、Gibco #10500;2mMのL−グルタミン、Sigma #G7513;1mMのピルビン酸ナトリウム、Gibco #11360;MEM非必須アミノ酸、Gibco #11140;0,1mMの2−メルカプトエタノール、Gibco #31350;MEMビタミン、Gibco #11120;ペニシリンストレプトマイシン、Gibco #15140)に5x10e5個の細胞/mlの密度で再懸濁した。CD14+ CD16+細胞の濃縮を、フローサイトメトリーにより監視し、細胞のILT2及びILT4の発現を分析した。濃縮された単球とHLA−G発現細胞との共培養アッセイでは、JEG−3細胞を、アッセイの前日に、JEG−3培養培地(EBSS及びL−グルタミンを含むMEM Eagle、10%のFCSを補充したPAN #P04−00509、Gibco #10500;1mMのピルビン酸ナトリウム、Gibco #11360;MEM非必須アミノ酸 Gibco #11140)において100μl中8x10e3個の細胞/ウェルで、96ウェル平底組織培養プレートに播種し、アッセイ当日に培養密度層を形成させた。いくつかの実験では、JEG−3 HLAGノックアウト細胞株を使用し、上記のようにJEG−3野生型細胞として播種した。接着性JEG−3細胞を、初代細胞培養培地で4倍に段階希釈した抗HLA−G抗体と共にプレインキュベートした。したがって、接着性JEG−3細胞由来の上清を除去し、50μl/ウェルの調製済み抗体溶液を添加し、加湿雰囲気下で37℃及び5%CO2で1時間インキュベートした。ヒト単球を、50μlの初代細胞培養培地中において、2,5x10e4個のヒト単球/ウェルで、抗HLA−G抗体と共にプレインキュベートしたJEG−3細胞に加え、共培養物を、加湿雰囲気中で一晩(およそ18〜20時間)37℃及び5%CO2でインキュベートした。翌日、50ng/mlのLPSによるLPS刺激を7時間にわたって実施し、その後共培養物の上清を回収した。共培養物上清のTNFアルファの濃度を、eBioscience(#88−7346−88)のヒトTNFアルファELISA Ready−SET−Go!(登録商標)を使用して決定した。
機能的抗HLA−G抗体のTNF放出(回復)のパーセンテージ%
機能的抗HLA−G抗体は、免疫応答を誘導する(抑制された免疫応答を回復する)ことができ、すなわち、HLA−G発現細胞との共培養における単球によるLPS誘導性TNFa産生を回復することができる(抗体がTNF誘導を示さないか(真にHLA−G特異的抗体)、ノックアウト細胞株でTNF誘導を示すか(HLAG特異的とすることができない)を区別するために、HLAG特異的TNF誘導のネガティブコントロールには、HLAGノックアウト細胞株を使用した)。
Claims (15)
- ヒトHLA−Gに結合し;かつJEG−3細胞(ATCC HTB36)上のHLAGに対するILT2の結合を阻害し、JEG−3細胞と共培養された単球によるHLA−G特異的に抑制されたTNFアルファ放出を回復する、単離された抗体。
- 抗体が
A)(a)(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号2のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号3から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
B)(a)(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号11から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号12のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号14のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
C)(a)(i)配列番号17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号19から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと;又は
D)(a)(i)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号27から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む、VHドメインと、(b)(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L1;(ii)配列番号29のアミノ酸配列を含むHVR−L2及び(iii)配列番号30のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む、VLドメインと
を含む、ヒトHLA−Gに結合する単離された抗体。 - 抗体が、
A)
iv) 配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列;
v) 又はi)の抗体のVH及びVLのヒト化変異体
を含むか;あるいは
vi) 配列番号33のVH配列及び配列番号34のVL配列を含むか;あるいは
B)
配列番号15のVH配列及び配列番号16のVL配列を含むか;あるいは
C)
配列番号23のVH配列及び配列番号24のVL配列を含むか;あるいは
D)
配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む、
請求項2に記載の抗体。 - 抗体が、
a)配列番号7のVH配列及び配列番号8のVL配列を含む抗体と同じエピトープに結合する;
あるいはb)配列番号31のVH配列及び配列番号32のVL配列を含む抗体と同じエピトープに結合する
ヒトHLA−Gに結合する単離された抗体。 - 抗体が、
a)配列番号44を含む修飾ヒトHLA−G β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
b)配列番号39及び配列番号37を含むヒトHLA−A2 β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
c)配列番号45を含むマウスH2Kd β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
d)配列番号47を含むラットRT1A β2M MHC I複合体と交差反応せず;かつ/あるいは
e)単量体HLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
f)三量体HLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
g)単量体及び/又は二量体及び/又は三量体のHLA−G β2M MHC I複合体に対するILT2の結合を50%を超えて阻害し;かつ/あるいは
h)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
i)JEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に結合し、かつJEG3細胞(ATCC No.HTB36)(上のHLA−G)に対するILT2の結合を阻害し;かつ/あるいは
j)HLAGに対するCD8aの結合を80%を超えて阻害する
請求項1から4のいずれかに記載の抗HLA−G抗体。 - 抗体がIgG1アイソタイプのものである、請求項1から5のいずれか一項に記載の抗体。
- 抗体が、変異L234A、L235A及びP329G(KabatのEUインデックスによる番号付け)を含むIgG1アイソタイプのものである、請求項6に記載の抗体。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体をコードする、単離された核酸。
- 請求項8に記載の核酸を含む宿主細胞。
- 抗体が産生されるように請求項8に記載の宿主細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法。
- 宿主細胞から抗体を回収することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的製剤。
- 医薬としての使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体。
- がんの治療における使用のための、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体。
- 医薬の製造における、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体の使用。
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