JP2021518875A - ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021518875A
JP2021518875A JP2020557917A JP2020557917A JP2021518875A JP 2021518875 A JP2021518875 A JP 2021518875A JP 2020557917 A JP2020557917 A JP 2020557917A JP 2020557917 A JP2020557917 A JP 2020557917A JP 2021518875 A JP2021518875 A JP 2021518875A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyarylene sulfide
alkali metal
particles
sulfide
separating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020557917A
Other languages
English (en)
Inventor
ハンソル・キム
ジュン・ジン・ハン
サンファン・ジョ
Original Assignee
エルジー・ケム・リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エルジー・ケム・リミテッド filed Critical エルジー・ケム・リミテッド
Priority claimed from PCT/KR2019/013772 external-priority patent/WO2020080899A1/ko
Publication of JP2021518875A publication Critical patent/JP2021518875A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/0209Polyarylenethioethers derived from monomers containing one aromatic ring
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/025Preparatory processes
    • C08G75/0254Preparatory processes using metal sulfides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G75/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing sulfur with or without nitrogen, oxygen, or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G75/02Polythioethers
    • C08G75/0204Polyarylenethioethers
    • C08G75/0277Post-polymerisation treatment
    • C08G75/0281Recovery or purification

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

本発明は成形品への加工時に優れた強度、耐熱性、難燃性、および加工性を有するポリアリーレンスルフィドを重合後より効率的に分離回収する方法を提供する。

Description

[関連出願との相互引用]
本出願は、2018年10月19日付韓国特許出願第10−2018−0125504号および2019年10月17日付韓国特許出願第10−2019−0129386号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
本発明は、成形品への加工時に優れた強度、耐熱性、難燃性、および加工性を有するポリアリーレンスルフィドを重合後より効率的に分離回収する方法に関する。
ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide;PPS)に代表されるポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide,PAS)は、優れた強度、耐熱性、難燃性および加工性により自動車、電気・電子製品、機械類などで金属、特にアルミニウムや亜鉛のようなダイカスト(die casting)金属を代替する素材として幅が広く使われている。特に、PPS樹脂の場合、流動性が良いためガラス繊維などのフィラーや補強剤と混練してコンパウンドとして使用するのに有利である。
一般にPASは、N−メチルピロリドン(NMP)などのアミド系化合物存在下の重合条件で硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物を重合反応させて製造する方法が広く知られている。この製造方法の重合反応は、脱塩重縮合機構であるため、塩化ナトリウムなどの副生成物が多量に生成される。したがって、重合反応後には副生成物の除去工程が必要であるが、通常の処理では副生成物の完全な除去が難しく、市販の汎用的なPPS製品中にはアルカリ金属含有量で数千ppm程度が含有されている。このように生成ポリマー中にアルカリ金属塩が残存していると、電気特性などの物性低下を招くなどの問題が発生する。したがって、このようなPASを原料として用いた成形品を電気電子部品分野に適用しようとすると、PAS中のアルカリ金属による電気特性低下が大きな障害となる。
そのため、PAS成分で塩化ナトリウムなどの副生成物を除去する方法としては現在でも様々な方法が知られている。例えば、特開昭61−220446号公報には水硫化ナトリウム、水酸化ナトリウムおよびp−ジクロロベンゼンをN−メチル−2−ピロリドンの中で反応させて得られたPPSを含む反応物を水および温水で繰り返して洗浄した後、また酸性水溶液で洗浄後にイオン交換数での洗浄を繰り返す方法が記載されている。
しかし、このようにPASの反応生成段階で発生した金属化合物(副生成物)の除去のために、固形状のPASおよび金属化合物を含有する混合物を水と接触させて金属化合物を水に溶かしてPASから除去する方法では、金属不純物を除去するために多量の水を利用した数段階の長時間の水洗が必要であり、したがって極めて大規模でかつ複雑なプロセスが必要である短所がある。また、この水洗過程で発生する多量の水性廃水の処理も必要であり、プロセスコストや環境負荷が大きい問題がある。一方、このようなPAS成分で塩化ナトリウムなどの副生成物を除去する方法としては、最近では振動メッシュ(vibrating mesh)を用いてPAS成分を濾過し分離して塩化ナトリウムを廃スラリーとともに通過させる方法が知られているが、この場合、塩化ナトリウム微粉がメッシュ(mesh)穴を塞いで数回の濾過工程(filtration)を行った後には分離効率が落ちる短所がある。
そのため、全体工程の規模を最小化しながらも使われるエネルギー消費および水洗コストを最小化し、かつ分離効率が低下することなくポリアリーレンスルフィドを重合後より効率的に分離回収する工程に対する開発が持続的に求められている。
特開昭61−220446号公報
本発明は、成形品への加工時に優れた強度、耐熱性、難燃性、および加工性を有するポリアリーレンスルフィドを重合後より効率的に分離回収する方法を提供する。
本発明はまた、上述したような回収工程を含むポリアリーレンスルフィドの製造方法を提供する。
発明の一実施形態によれば、ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いて前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後に前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階を含む、ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法が提供される。
また、発明の他の一実施形態によれば、アルカリ金属の水硫化物およびアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒の中で脱水反応(dehydration)を行い、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を製造する段階;前記硫黄供給源を含む反応器にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させてアルカリ金属ハロゲン化物粒子とともにポリアリーレンスルフィド粒子を合成する段階;および前記ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いて前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後に前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階;を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。
前述したように、本発明によれば、アルカリ金属ハロゲン化物粒子による分離効率の低下なしに、粒子の大きさの差によりポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後にアルカリ金属ハロゲン化物粒子を廃液と共に除去することができ、連続して数回分離しても高い分離効率でポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に分離回収できる優れた効果がある。
本発明の一実施形態により実施例1でポリアリーレンスルフィドを回収する工程図を簡略に示す図である。 実施例1によるデカンタ型遠心分離機でポリアリーレンスルフィド粒子を沈降分離した後に、アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する工程を例示的に示す模式図である。 従来技術により比較例1のポリアリーレンスルフィドを回収する工程図を簡略に示す図である。 比較例1による振動(vibrating mesh)でポリアリーレンスルフィド粒子を濾過して上部で分離回収し、アルカリ金属ハロゲン化物粒子を下部に通過させて除去する工程を例示的に示す模式図である。
本発明で、第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使われ、前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使われる。
また、本明細書において使われる用語は、単に例示的な実施例を説明するために使われ、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものとして理解されなければならない。
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるため、特定の実施例を例示して下記で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものとして理解しなければならない。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子を含む混合液からポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に回収する方法が提供される。
特に、本発明は、ポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide,PAS)の製造工程から生成されるポリアリーレンスルフィド粒子と、副生成物であるアルカリ金属ハロゲン化物粒子をアミド系化合物と共に含む廃液からポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に分離することができるように、デカンタ型遠心分離機(decanter centrifugal seperator)を用いて粒子の大きさの差によってポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後にアルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降分離してアルカリ金属ハロゲン化物粒子を廃液と共に除去することができ、連続して数回分離しても分離効率の低下なしにポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に分離回収できるようにすることを特徴とする。
発明の一実施形態によれば、前記ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法は、ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いて前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後に前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階を含む。
前記ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法は、従来の振動(vibrating mesh)でないデカンタ型遠心分離機を用いることによって、ポリアリーレンスルフィド粒子を濾過して分離回収する時アルカリ金属ハロゲン化物粒子によってメッシュ(mesh)穴が塞がれて数回の濾過工程(filtration)を行った後には分離効率が落ちる問題を解決し、連続して数回分離しても分離効率が減少しない特徴がある。
特に、前記デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いることによって、通常知られている粒子の比重差による沈降で分離を行うのではなく、塩化ナトリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物粒子が比重が高いにも関わらず粒子の大きさの差による沈降速度差によりポリアリーレンスルフィド粒子が最も先に沈降して分離回収することを特徴とする。
このように粒子の大きさの差による沈降速度差が現れるように、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いることができる。前記デカンタ型遠心分離機を2500rpmより高い分当たり回転数(rpm)で用いる場合には、アルカリ金属ハロゲン化物の沈降が速やかになりポリアリーレンスルフィド(PAS)とともに出て分離効率が低下する。また、前記デカンタ型遠心分離機を1000rpm未満の条件下で用いる場合には、沈降に時間が長くかかってポリアリーレンスルフィド(PAS)内の廃液量が増える問題がある。
この時、前記デカンタ型遠心分離機は、常温〜摂氏180℃の温度条件下で用い得、常圧〜5barの圧力条件下で用い得る。ここで、常温とは、大気圧条件下での温度(normal pressure,ambient temperature)または室温(room temperature)をいい、約20℃〜約28℃、または約22℃〜約26℃程度であり得る。また、常圧とは、別途の減圧や加圧がない大気圧(normal pressure,atmospheric pressure)をいい、約0.95atm〜約1.1atm、または約0.95bar〜約1.1bar程度であり得る。
本発明によるポリアリーレンスルフィドの分離回収工程で使用できるデカンタ型遠心分離機の具体的な種類は特に制限されない。例えば、デカンタ型遠心分離機は一般的に市販されており、本発明ではこれら市販のものを使用することができる。
このようなデカンタ型遠心分離機(decanter centrifugal seperator)は、遠心力を利用して液液系、液固系の混合物を沈降分離、脱水、濃縮などに分離できる装置である。ただし、一般的にデカンタ型遠心分離機は、粒子の比重、すなわち、密度差によって比重が大きい粒子を沈降させて分離すると知られている。しかし、本発明はこのようなデカンタ型遠心分離機を最適化条件で駆動して比重差による沈降分離でなく、粒子の大きさの差によってポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後に前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去することを特徴とする。
本発明は特に、ポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide,PAS)の製造工程から生成されるポリアリーレンスルフィド粒子と多様な無機塩と不純物が含まれている廃液から、ポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に分離しようとするものである。そのため、前記デカンタ型遠心分離機に投入される混合液は、ポリアリーレンスルフィドの合成工程や洗浄工程で生成される廃液やその混合液であり得、ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物と共に水や水酸化ナトリウム(sodium hydroxide,NaOH)、酢酸ナトリウム(sodium acetate,NaOAc)、硫化ナトリウム(sodium sulfide,NaS)、硫化水素ナトリウム(sodium hydrosulfide,NaSH)、およびp−ジクロロベンゼンなどからなる群より選択される1種以上をさらに含むこともできる。
ここで、前記ポリアリーレンスルフィド粒子の具体的な例としてはポリフェニレンスルフィド(PPS)が挙げられる。
前記ポリアリーレンスルフィド粒子は、粒子の大きさが100マイクロメートル(μm)〜2000マイクロメートル(μm)、あるいは150μm〜1800μmであり得る。
一例として、前記ポリアリーレンスルフィド粒子の大きさは、100μm、40μm、あるいは10μmなどの多様なふるい孔の大きさを有する工程規格の標準メッシュシーブ(mesh seive)を用いて測定することができる。前記ポリアリーレンスルフィド粒子の大きさを測定する具体的な条件は特に限定されるものではないが、例えば、前記ポリアリーレンスルフィド粒子を約22℃〜26℃で60%〜78%の相対湿度下で約3時間以上後に、好ましくは約6時間以上、または約9時間以上、より好ましくは15時間以上、さらにより好ましくは24時間以上保管した後に粒子の大きさを測定することができる。
また、前記ポリアリーレンスルフィド粒子は、密度が1g/cm〜1.5g/cm、あるいは1.1g/cm〜1.45g/cmであり得る。
一例として、前記密度は米国材料試験学会ASTM D 1505の方法により測定することができる。
一方、ポリアリーレンスルフィド(Polyarylene sulfide,PAS)の製造工程でポリアリーレンスルフィド粒子とともに副生成物として生成される前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子の具体的な例としては、塩化ナトリウム(NaCl)およびヨウ化ナトリウム(NaI)などが挙げられ、このうち一つ以上であり得る。
前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子は、粒子の大きさが5μm〜30μm、あるいは6μm〜28μmであり得る。
また、前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子は、密度が1.9g/cm〜3g/cm、あるいは2g/cm〜2.8g/cmであり得る。
ここで、前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子の大きさと密度は、ポリアリーレンスルフィド粒子と同様の方法により測定することができる。
また、ポリアリーレンスルフィド(polyarylene sulfide,PAS)の製造工程から生成されるポリアリーレンスルフィド粒子と副生成物であるアルカリ金属ハロゲン化物粒子とともに含まれる前記アミド系化合物は、重合後に出るスラリーを遠心分離することにより、重合工程に使用可能な溶媒が含まれ得る。このようなアミド系化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド化合物;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはN−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物;N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素などの尿素化合物;またはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド化合物などが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。この中でも前記アミド系化合物は、重合工程で多く使われるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)であり得る。
上述したようなポリアリーレンスルフィドの分離回収方法によりデカンタ型遠心分離機を用いて粒子大きさの差によりポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離してアルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて廃液と共に除去することができ、連続して数回分離しても分離効率の低下なしにポリアリーレンスルフィド粒子を効率的に分離回収することができる。
特に、本発明により濾過工程を終えて別途の乾燥工程なしに分離回収されたポリアリーレンスルフィドのウエットケーキ(wet cake)の含水率は、約45重量%以下、約40重量%以下、または約35重量%以下であり得、前記ポリアリーレンスルフィドのウエットケーキでポリアリーレンスルフィド重量に対するアルカリ金属ハロゲン化物の含有量は約50重量%以下、約40重量%以下、あるいは約30重量%以下であり得る。
一方、発明の他の一実施形態によれば、上述したような回収工程を含むポリアリーレンスルフィドの製造方法が提供される。
前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法は、アルカリ金属の水硫化物およびアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒の中で脱水反応(dehydration)を行い、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を製造する段階(1段階);前記硫黄供給源を含む反応器にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させてアルカリ金属ハロゲン化物粒子とともにポリアリーレンスルフィド粒子を合成する段階(2段階);および前記ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いてポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後にアルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階(3段階);を含むことを特徴とする。
本発明の他の一実施形態による前記ポリアリーレンスルフィドの製造方法において、各段階別に説明する。
上述した第1段階は硫黄供給源を準備する段階である。
前記硫黄供給源は、アルカリ金属の水硫化物、アルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒の中で脱水反応(dehydration)を行って製造されたものである。したがって、前記硫黄供給源は、アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応によって生成されたアルカリ金属の硫化物と共に、脱水反応後残留する水、アミド系化合物の混合溶媒を含み得る。
前記アルカリ金属の硫化物は、反応時使用されるアルカリ金属の水硫化物の種類によって決定され得、具体的な例としては硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウムまたは硫化セシウムなどが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が含まれ得る。
前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応による硫黄供給源の製造時、使用可能なアルカリ金属の水硫化物の具体的な例としては硫化水素リチウム、硫化水素ナトリウム、硫化水素カリウム、硫化水素ルビジウムまたは硫化水素セシウムなどが挙げられる。これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得、これらの無水物または水和物も使用可能である。
また、前記アルカリ金属の水酸化物の具体的な例としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、または水酸化セシウムなどが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。前記アルカリ金属の水酸化物は、アルカリ金属の水硫化物1当量に対して0.90〜2.0の当量比、より具体的には1.0〜1.5の当量比、より具体的には1.0〜1.2の当量比で使用され得る。
一方、本発明において、当量はモル当量(eq/mol)を意味する。
また、前記アルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応による硫黄供給源の製造時、重合助剤として重合反応を促進させて短時間内にポリアリーレンスルフィドの重合度を高めることができるアルカリ金属の有機酸塩が投入され得る。前記アルカリ金属の有機酸塩は、具体的には、酢酸リチウム、または酢酸ナトリウムなどであり得、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。前記アルカリ金属の有機酸塩は、アルカリ金属の水硫化物1当量に対して0.01〜1.0、より具体的には0.01〜0.8、より具体的には0.05〜0.5の当量比で使用され得る。
上記したアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応は、水とアミド系化合物の混合溶媒の中で行われるが、この時、前記アミド系化合物の具体的な例としては、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド化合物;N−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはN−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物;N−メチル−ε−カプロラクタムなどのカプロラクタム化合物;1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノンなどのイミダゾリジノン化合物;テトラメチル尿素などの尿素化合物;またはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのリン酸アミド化合物などが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。この中でも反応効率およびポリアリーレンスルフィド製造のための重合時重合溶媒への共溶媒効果を考慮すると前記アミド系化合物はより具体的にはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)であり得る。
また、前記水は、アミド系化合物1当量に対して約1〜8の当量比で使用され得、より具体的には約1.5〜5、より具体的には約2.5〜5の当量比で使用され得る。
一方、前記第1段階で、アルカリ金属の水硫化物およびアルカリ金属の水酸化物などを含む反応物は脱水反応(dehydration)によりアルカリ金属の硫化物を生成させ得る。この時、前記脱水反応は、約130℃〜205℃の温度範囲で、約100rpm〜約500rpmの速度で攪拌して行われ得る。より具体的には約175℃〜200℃の温度範囲で約100rpm〜約300rpmの速度で攪拌して行われ得る。この時、前記脱水反応の時間は約30分から約6時間以内、または約1時間から約3時間以内で行われ得る。
このような脱水工程の間に反応物のうち水などの溶媒が蒸留等により除去され得、水と共にアミド系化合物の一部が排出され、また、硫黄供給源内に含まれた一部硫黄が脱水工程の間の熱によって水と反応して硫化水素気体として揮散し得る。
一方、前記のようなアルカリ金属の水硫化物、アルカリ金属の水酸化物およびアルカリ金属塩の反応結果として、アルカリ金属の硫化物が水とアミド系化合物の混合溶媒中に固相で析出される。そのため本発明によるポリアリーレンスルフィド製造時の硫黄供給源として、上記したアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物を反応させて製造した硫黄供給源が使用される場合、硫黄供給源のモル比は反応時投入したアルカリ金属の水硫化物のモル比とする。
引き続き、上記した反応結果として生成されたアルカリ金属の硫化物を含む反応生成物中の水などの溶媒を除去するために、脱水工程が行われる。前記脱水工程はこの分野に良く知られた方法により行われ得るため、その条件が大きく制限されず、具体的な工程条件は前述したとおりである。
また、前記脱水工程の間に硫黄供給源内に含まれた硫黄が水と反応して硫化水素とアルカリ金属水酸化物が生成され、生成された硫化水素は揮散するので、脱水工程の間に系外に揮散する硫化水素によって脱水工程後系内に残存する硫黄供給源中の硫黄の量は減少し得る。一例として、アルカリ金属水硫化物を主成分とする硫黄供給源を使用する場合、脱水工程後に系内に残存する硫黄の量は投入した硫黄供給源内の硫黄のモル量から系外に揮散した硫化水素のモル量を引いた値と同一である。そのため系外に揮散した硫化水素の量から脱水工程後の系内に残存する硫黄供給源中に含まれた有効硫黄の量を定量することが必要である。具体的には、前記脱水工程は有効硫黄1モルに対して水が1〜5のモル比、より具体的には1.5〜4、さらにより具体的には1.75〜3.5のモル比になるまで行われ得る。前記脱水工程によって硫黄供給源内の水分量が過度に減少する場合には重合工程に先立ち水を添加して水分量を調節することができる。
したがって、上記したようなアルカリ金属の水硫化物とアルカリ金属の水酸化物の反応および脱水によって製造された硫黄供給源は、アルカリ金属の硫化物と共に、水およびアミド系化合物の混合溶媒を含み得、前記水は硫黄供給源内に含まれた硫黄1モルに対して具体的に1.75〜3.5のモル比で含まれ得る。また、前記硫黄供給源は硫黄と水の反応によって生成されたアルカリ金属の水酸化物をさらに含み得る。
一方、本発明の一実施形態により、第2段階は前記硫黄供給源をジハロゲン化芳香族化合物と重合反応させポリアリーレンスルフィドを製造する段階である。
前記ポリアリーレンスルフィドの製造のために使用可能なジハロゲン化芳香族化合物は、芳香族環での二つの水素がハロゲン原子に置換された化合物として、具体的な例としては、o−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、p−ジハロベンゼン、ジハロトルエン、ジハロナフタレン、ジハロビフェニル、ジハロ安息香酸、ジハロジフェニルエーテル、ジハロジフェニルスルホン、ジハロジフェニルスルホキシドまたはジハロジフェニルケトンなどが挙げられ、これらのうちいずれか一つまたは二つ以上の混合物が使用され得る。前記ジハロゲン化芳香族化合物において、ハロゲン原子はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得る。この中でもポリアリーレンスルフィドの製造時反応性および副反応生成の減少効果などを考慮すると、p−ジクロロベンゼン(p−DCB)が使用され得る。
前記ジハロゲン化芳香族化合物は、硫黄供給源1当量を基準として約0.8〜1.2の当量で投入され得る。上記した含有量の範囲内で投入される場合、製造されるポリアリーレンスルフィドの溶融粘度の低下およびポリアリーレンスルフィド内に存在するクロリン含有量の増加に対する恐れはなく、優れた物性的特徴を有するポリアリーレンスルフィドを製造することができる。硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の添加量制御による優れた改善効果を考慮すると、より具体的にはジハロゲン化芳香族化合物は、約0.9〜1.1の当量で投入され得る。
また、前記第2段階を行う前に、ジハロゲン化芳香族化合物の気化を防ぐために前記硫黄供給源を含む反応器の温度を約150℃〜約200℃の温度で下降させる段階をさらに含み得る。
また、上記した硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応は、非プロトン性極性有機溶媒として、高温でアルカリに対して安定したアミド系化合物の溶媒の中で行われ得る。
前記アミド系化合物の具体的な例は、先立って説明した内容と同様であり、例示した化合物の中でも反応効率などを考慮すると、より具体的には前記アミド系化合物はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)またはN−シクロヘキシル−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物であり得る。
前記第1段階での硫黄供給源中に含まれたアミド系化合物が共溶媒として作用し得るので、第2段階で添加されるアミド系化合物は重合反応系内に存在するアミド系化合物に対する水(HO)のモル比(水/アミド系化合物のモル比)が約0.85以上になるようにする量で添加され得る。
また、前記重合反応時の分子量調節剤、架橋剤など重合反応や分子量を調節するためのその他添加剤が最終的に製造されるポリアリーレンスルフィドの物性および製造収率を低下させない範囲内の含有量でさらに添加され得る。
前記硫黄供給源とジハロゲン化芳香族化合物の重合反応は、約200℃〜約300℃で行われ得る。または上記した温度範囲内で温度を変化させて多段階で行われることもできる。具体的には約200℃以上〜約250℃未満での1次重合反応後、連続して1次重合反応時の温度より高い温度で、具体的には約250℃〜約300℃で2次重合反応が行われ得る。
上記した重合反応の結果として生成されたポリアリーレンスルフィドは、粒子形態で生成され、前記ポリアリーレンスルフィド粒子とともに副生成物としてアルカリ金属ハロゲン化物粒子が生成される。
このように生成されたポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子に関連する特徴は前述したとおりであり、具体的な説明は省略する。
一方、本発明の一実施形態により、第3段階は前記重合反応の結果として生成された反応生成物からポリアリーレンスルフィド粒子を分離回収する段階である。
前記ポリアリーレンスルフィド粒子の分離回収のために、前記ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液をデカンタ型遠心分離機に投入し、前記デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で稼動することによって、前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後にアルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する。
本発明の他の一実施形態で、前記ポリアリーレンスルフィド粒子を分離回収する工程に関連する特徴は前述したとおりであり、具体的な説明は省略する。
その後分離回収されたポリアリーレンスルフィド粒子に対しては通常の方法により、洗浄や濾過、乾燥工程が選択的にさらに行われ得る。
前記ポリアリーレンスルフィドの具体的な製造方法は、後述する実施例を参照することができる。しかし、ポリアリーレンスルフィドの製造方法が本明細書に記述した内容に限定されるものではなく、前記製造方法は本発明が属する技術分野で通常採用する段階を追加で採用し得、前記製造方法の段階(ら)は通常変更可能な段階(ら)によって変更されることができる。
以下、本発明の理解を深めるために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は本発明の理解をより容易にするために提供されるものであり、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
実施例1
1−1.ポリフェニレンスルフィドの製造
PPSポリマーを作るために70%硫化水素ナトリウム(NaSH)と水酸化ナトリウム(NaOH)を1:1.05の当量割合で混合して硫化ナトリウムを製造する。この時、0.4当量の酢酸ナトリウム(CHCOONa)粉末および1.65当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、4.72当量の脱イオン水(DI water)を反応器に添加した。ここで、当量はモル当量(eq/mol)を意味する。この時、固体試薬を先に入れてNMP、DI waterの順に投入した。それから、反応器を約150rpmで攪拌し、摂氏約195℃まで1時間40分間加熱して脱水させた。その後、反応器の温度を摂氏約175℃まで下降させ、硫化水素ナトリウムの1.02当量のパラ−ジクロロベンゼン(p−DCB)と1.35当量のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を反応器に添加した。その後反応混合物は、前段反応としては約230℃まで加熱して約2時間の間反応させ、再び後段反応として約255℃まで加熱して約2時間反応させた後約3当量の蒸留水を添加して約5分間攪拌した。そして、その結果物であるPPSポリマー粒子を含むスラリー500gを得た。前記スラリーにはポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物が含まれている。
1−2.ポリフェニレンスルフィドの分離回収
前記1−1段階で生成されたスラリーのうち100gを分取し、図1に示すようにデカンタ型遠心分離機を用いてフィルタリング(filtration)してPPSウエットケーキ(wet cake)にポリアリーレンスルフィドを分離回収した。この時、前記デカンタ型遠心分離機は常温、常圧条件下で1000rpmで用いた。
以上の過程を繰り返して生成されたPPSスラリー100gを濾過するのにかかる時間は投入などの追加時間を含んで合計0.3時間であり、分離回収したPPSウエットケーキ(wet cake)の総量は24.5g(含水率31%)であった。PPSに対するNaCl含有量は約20%であった。
比較例1
前記実施例1の1−1段階で生成されたスラリーのうち100gに対する分離回収工程を行うことにおいて、図3に示すようにデカンタ型遠心分離機の代わりに振動メッシュ(vibrating mesh、図4参照)を用いて常温、常圧条件下で濾過工程(filtration)を行ってPPSウエットケーキ(wet cake)を得たことを除いては実施例1と同様の方法でポリアリーレンスルフィドを分離回収工程を行った。
以上の過程を繰り返して生成されたPPSスラリー100gを濾過するのにかかる時間は合計0.3時間であり、分離回収したPPSウエットケーキ(wet cake)の総量は41.4g(含水率104%)であった。PPSに対するNaCl含有量は約80%で分離効率が大きく低下したことがわかる。
比較例2
前記実施例1の1−1段階で生成されたスラリーのうち100gに対する分離回収工程を行うことにおいて、デカンタ型遠心分離機を4000rpmで行ったことを除いては、実施例1と同様にポリアリーレンスルフィドを分離回収した。
以上の過程を繰り返して生成されたPPSスラリー100gを濾過するのにかかる時間は投入などの追加時間を含んで合計0.3時間であり、分離回収したPPSウエットケーキ(wet cake)の総量は40.5g(含水率33%)であった。PPSに対するNaCl含有量は約52%で分離効率が低下したことがわかる。

Claims (10)

  1. ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いて前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後に前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階を含む、ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  2. 前記混合液は、ポリアリーレンスルフィドの合成工程や洗浄工程で生成される廃液である、請求項1に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  3. 前記ポリアリーレンスルフィド粒子は、粒子の大きさが100マイクロメートル〜2000マイクロメートルである、請求項1または2に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  4. 前記ポリアリーレンスルフィド粒子は、密度が1g/cm〜1.5g/cmである、請求項1から3のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  5. 前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子は、塩化ナトリウムおよびヨウ化ナトリウムからなる群より選択される1種以上である、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  6. 前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子は、粒子の大きさが5マイクロメートル〜30マイクロメートルである、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  7. 前記アルカリ金属ハロゲン化物粒子は、密度が1.9g/cm〜3g/cmである、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  8. 前記アミド系化合物は、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−メチル−ε−カプロラクタム、1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン、テトラメチル尿素、およびヘキサメチルリン酸トリアミドからなる群より選ばれる1種以上を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  9. 前記混合液は、水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、およびp−ジクロロベンゼンからなる群より選択される1種以上をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリアリーレンスルフィドの分離回収方法。
  10. アルカリ金属の水硫化物およびアルカリ金属の水酸化物を、水およびアミド系化合物の混合溶媒の中で脱水反応を行い、アルカリ金属の硫化物、および水とアミド系化合物の混合溶媒を含む硫黄供給源を製造する段階;
    前記硫黄供給源を含む反応器にジハロゲン化芳香族化合物およびアミド系化合物を添加し、重合反応させてアルカリ金属ハロゲン化物粒子とともにポリアリーレンスルフィド粒子を合成する段階;および
    前記ポリアリーレンスルフィド粒子とアルカリ金属ハロゲン化物粒子、アミド系化合物を含む混合液から、デカンタ型遠心分離機を1000rpm〜2500rpm条件下で用いて前記ポリアリーレンスルフィド粒子を先に沈降分離した後にアルカリ金属ハロゲン化物粒子を沈降させて除去する段階;
    を含む、ポリアリーレンスルフィドの製造方法。
JP2020557917A 2018-10-19 2019-10-18 ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法 Pending JP2021518875A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR20180125504 2018-10-19
KR10-2018-0125504 2018-10-19
KR10-2019-0129386 2019-10-17
KR1020190129386A KR102251792B1 (ko) 2018-10-19 2019-10-17 폴리아릴렌 설파이드의 분리 회수 방법
PCT/KR2019/013772 WO2020080899A1 (ko) 2018-10-19 2019-10-18 폴리아릴렌 설파이드의 분리 회수 방법

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021518875A true JP2021518875A (ja) 2021-08-05

Family

ID=70466761

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020557917A Pending JP2021518875A (ja) 2018-10-19 2019-10-18 ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11597800B2 (ja)
JP (1) JP2021518875A (ja)
KR (1) KR102251792B1 (ja)
CN (1) CN112041374B (ja)
TW (1) TWI797389B (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114196017A (zh) * 2022-01-14 2022-03-18 珠海长先新材料科技股份有限公司 一种聚苯硫醚纯化处理的方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6286022A (ja) * 1985-10-04 1987-04-20 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ポリアリ−レンスルフイドの分離法
JPS63132941A (ja) * 1986-11-25 1988-06-04 Tosoh Corp ポリアリ−レンサルフアイドの回収方法
JPH0593068A (ja) * 1991-09-05 1993-04-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリアリーレンスルフイドオリゴマーの分離方法
JP2011111548A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Toray Ind Inc アルカリ金属ハロゲン化物の連続回収方法
CN103965476A (zh) * 2014-05-22 2014-08-06 四川宝利丰科技有限公司 聚苯硫醚制备中的锂盐和溶剂回收利用方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61220446A (ja) 1985-03-27 1986-09-30 Toray Ind Inc 樹脂封止電子部品
JP2953080B2 (ja) 1991-03-14 1999-09-27 東レ株式会社 ポリアリーレンスルフィドの清澄化法
JP2889999B2 (ja) * 1991-09-05 1999-05-10 富士写真フイルム株式会社 写真用処理組成物及び処理方法
JP3207605B2 (ja) 1993-04-01 2001-09-10 中田エンヂニアリング株式会社 ビードコア形成装置
JP2002293937A (ja) 2001-03-30 2002-10-09 Petroleum Energy Center ポリアリーレンスルフィド副生塩の処理方法
JP2002293935A (ja) * 2001-03-30 2002-10-09 Petroleum Energy Center ポリアリーレンスルフィド副生塩の焼成方法
JP3882562B2 (ja) 2001-10-02 2007-02-21 東ソー株式会社 ポリアリーレンスルフィドの回収方法
WO2006027985A1 (ja) 2004-09-06 2006-03-16 Kureha Corporation ポリアリーレンスルフィドの製造方法
US8609790B2 (en) * 2008-07-31 2013-12-17 Kureha Corporation Production process of granular poly(arylene sulfide)
WO2015047717A1 (en) * 2013-09-25 2015-04-02 Ticona Llc Method and system for separation of a polymer from multiple compounds
KR102118356B1 (ko) * 2016-08-09 2020-06-03 조승원 폴리 페닐렌 설파이드(Poly Phenylene Sulfide) 혼합폐기물로부터 폴리 페니렌 설파이드(Poly Phenylene Sulfide)와 N-메틸-2-피롤리돈(N-Methyl-2-pyrrolidone) 회수 방법
CN106633062B (zh) * 2016-12-30 2018-12-28 浙江新和成特种材料有限公司 一种低氯含量的聚苯硫醚及其制备方法、树脂组合物和成形体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6286022A (ja) * 1985-10-04 1987-04-20 バイエル・アクチエンゲゼルシヤフト ポリアリ−レンスルフイドの分離法
JPS63132941A (ja) * 1986-11-25 1988-06-04 Tosoh Corp ポリアリ−レンサルフアイドの回収方法
JPH0593068A (ja) * 1991-09-05 1993-04-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd ポリアリーレンスルフイドオリゴマーの分離方法
JP2011111548A (ja) * 2009-11-27 2011-06-09 Toray Ind Inc アルカリ金属ハロゲン化物の連続回収方法
CN103965476A (zh) * 2014-05-22 2014-08-06 四川宝利丰科技有限公司 聚苯硫醚制备中的锂盐和溶剂回收利用方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20200044696A (ko) 2020-04-29
CN112041374A (zh) 2020-12-04
US20210238354A1 (en) 2021-08-05
TWI797389B (zh) 2023-04-01
US11597800B2 (en) 2023-03-07
KR102251792B1 (ko) 2021-05-13
TW202028306A (zh) 2020-08-01
CN112041374B (zh) 2023-09-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5221877B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP3989785B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6517337B2 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィドを製造する方法、及び粒状ポリアリーレンスルフィド
CN107207743B (zh) 制造微粉聚亚芳基硫醚的方法以及微粉聚亚芳基硫醚
JP6751580B2 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィドの製造方法、粒状ポリアリーレンスルフィドの平均粒子径増大方法、粒状ポリアリーレンスルフィドの粒子強度向上方法、及び粒状ポリアリーレンスルフィド
JP6297763B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
WO2004060973A1 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び洗浄方法、並びに洗浄に使用した有機溶媒の精製方法
WO2016199869A1 (ja) ポリアリーレンスルフィドを製造する方法及びポリアリーレンスルフィド
CN110072917B (zh) 用于制备聚芳硫醚的方法
JP7150385B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの分離精製方法
JP2021518875A (ja) ポリアリーレンスルフィドの分離回収方法
WO2018147233A1 (ja) 粒状ポリアリーレンスルフィドの製造方法及び粒状ポリアリーレンスルフィド
WO2015147090A1 (ja) 熱処理微粉ポリアリーレンスルフィド、及び該熱処理微粉ポリアリーレンスルフィドを製造する製造方法
JP6999269B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP6794000B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
JP7394987B2 (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法
KR20210147326A (ko) 폴리아릴렌 설파이드의 제조 방법
WO2020080899A1 (ko) 폴리아릴렌 설파이드의 분리 회수 방법
JP2020050845A (ja) ポリアリーレンスルフィドの回収方法
JP2021095539A (ja) ポリアリーレンスルフィドの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211220