JP2021506809A - mTOR阻害剤としての6−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−2−イル−1H−ピロロ[3,2−B]ピリジン誘導体 - Google Patents

mTOR阻害剤としての6−(モルホリン−4−イル)−ピリジン−2−イル−1H−ピロロ[3,2−B]ピリジン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、mTORキナーゼ阻害剤活性を有する式(I)の化合物(式中、R1、R2、R3、R4、LおよびAは明細書および特許請求の範囲に定義される通りである)、またはそれらの薬学的に許容可能な塩に関する。本発明はまた、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物、およびmTORキナーゼ阻害剤活性が適応となる疾患または病態の治療、特に、特発性肺線維症の治療を含む、療法における式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。[化1]

Description

本発明は、mTORキナーゼ阻害剤、それらを含有する医薬組成物、ならびに療法におけるそのような化合物および組成物の使用に関する。
ラパマイシン(mTOR)の哺乳動物標的は、進化的に保存されたセリン/トレオニンキナーゼであり、広範囲の細胞活性を機能的に調節する。ラパマイシンの標的(TOR)、哺乳動物TOR(mTOR)は、FKBP−12−ラパマイシン関連タンパク質(FRAP)またはラパマイシンおよびFKBP標的(RAFT)1およびラパマイシン標的(RAPT)としても知られ、アミノ酸または増殖因子に応答したタンパク質翻訳、自己貪食、代謝、炎症、脂質合成および細胞骨格再構成の範囲の細胞プロセスを制御する。細胞内で、mTORは、mTORC1(mTOR、RAPTOR、mLST8、PRAS40およびDEPTOR)ならびにmTORC2(mTOR、RICTOR、mLST8、mSIN1およびPROTOR)として知られる2つの異なるタンパク質複合体として存在し、各複合体は、タンパク質キナーゼドメイン、mTORおよび複合体特異的アクセサリータンパク質からなる。両複合体は、mLST8およびDeptorという2つの共通成分を有するが、他の成分は異なる。mTORC1は独特に、PRAS40およびRaptorからなるが、mTORC2はRictor、ProtorおよびSin1を必要とする。mLST8、Raptor、RictorおよびSin1は、複合体の集合に重要であり、および/またはmTORキナーゼをその基質に結合させる。
mTORC1の上流および下流エフェクターは、mTORC2よりもずっと詳細に特性決定されている。mTORC1は、インスリン、アミノ酸により活性化され、AMP活性化タンパク質キナーゼ(AMPK)により抑制される。mTORC1は、リボゾームタンパク質S6キナーゼ(S6K)および真核生物翻訳開始因子4E結合タンパク質(4E−BP)1という2つの基質を介してmRNA翻訳およびタンパク質合成を促進し得る。さらに、mTORC1は自己貪食を抑制し、グルコース代謝およびミトコンドリア機能を調節する。mTORC1は、アロステリックmTORC1阻害剤としての長命の中枢的レギュレーターとして確認されており、ラパマイシンは、酵母、線虫、ミバエおよびマウスにおいて寿命を延長することが示されている(Johnson et al., 2013参照)。
mTORC2の下流基質およびシグナル伝達経路は、完全には解明されていない。mTORC2は、S6K1およびAKTを介してFOXO3Aを阻害して、長命の増大をもたらし、アクチン細胞骨格の集合を調節する。RictorおよびSin1は、2つのユニークな必須mTORC2成分であり、Sin1のリン酸化はこの複合体からSin1を解離させ、mTORC2キナーゼの活性を抑制する(Liu et al., 2013)。
mTORは、加齢性病態に関連付けられており、栄養の合図に応答する細胞増殖および代謝のマスターレギュレーターであると考えられる。ラパマイシン(シロリムス)は、豊富な細胞内タンパク質FKBP12(FK506結合タンパク質)への結合によってmTORC1を阻害し、mTORとraptorの間の相互作用を妨げて活性を低下させる。ラパマイシンは、mTORC2を直接阻害しないが、ある状況下での長期曝露は、mTORC2からのmTORの隔離をもたらし、mTORC2複合体の集合を阻害する。ラパマイシンに加え、腎細胞癌および臓器移植拒絶に対するエベロリムスおよびテムシロリムスという、同じ作用機序を有する2つのmTOR化合物が臨床使用に関して承認されている。mTORC1およびmTORC2の低分子二重阻害剤が、広範な腫瘍学適応に関して臨床開発中である。
特発性肺線維症(IPF)は、細胞外マトリックス(ECM)の蓄積を特徴とし、肺構造の構造的破壊をもたらし、ガス交換の障害および呼吸不全による死に至る。細胞代謝の初期化が、蜂の巣状病巣における18フルオロデオキシグルコース(FDG)肺取り込みの再現性のある増大(Groves et al., 2009)、中枢的線維症促進媒介因子であるトランスフォーミング増殖因子(TGF)−βの活性化を促進する肺乳酸レベルの上昇(Kottmann et al., 2012)および線維芽細胞と筋線維芽細胞の分化転換に関連する代謝変化(Bernard et al., 2015)を含む、IPFの病因に寄与し得る証拠が浮上しつつある。エネルギー適応がmTORにより調節される可能性がある。さらに、クラスI PI3kおよびmTORの阻害が、線維芽細胞増殖ならびにIPF患者に由来する細胞および組織におけるコラーゲン沈着を停止させることが示されている(Mercer et al., 2015)。mTORは、線維芽細胞におけるTGF−βの重要なエフェクターであり(Rahimi et al., 2009)、TGF−βが肺、腎臓、皮膚および肝臓を侵す多様な線維性病態に関連付けられている(総説としては、Nanthakumar et al., 2015参照)。さらに最近では、TGF−βは心臓線維症を促すことが示されている(Khalil et al., 2017)。筋線維芽細胞は、線維増殖応答と続いての臓器線維症の発症の際の主要な病原細胞種と考えられる。対照および線維性筋線維芽細胞を用いた比較試験では、罹患細胞でmTOR活性の調節不全を伴った異常な翻訳調節が明らかになった(Larsson et al., 2009)。
現在、エスブリエット(ピルフェニドン)およびオフェブ(ニンテダニブ)という2つの薬物がIPFの治療のために承認されているが、肺機能の低下の重症度によって総ての患者がこれらの治療に適格であるわけではない。両薬剤とも著しい副作用および忍容性の問題を伴う。エスブリエットの作用機序は依然として未知であり、患者は漸増用量で用量調整がなされるが、多くの患者が推奨臨床用量を忍容できない。これまでの臨床データは、両薬剤とも疾病進行を緩徐化することを示唆する。
一側面において、本発明は、式(I)の化合物
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、N原子を介して結合され;
Xは、OまたはNHであり;
Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;かつ
nは、1、2または3である]
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
別の側面において、本発明は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含んでなる医薬組成物に関する。
さらなる側面において、本発明は、必要とする対象、特に、必要とするヒト対象においてmTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患を治療する方法であって、前記対象に治療的量の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含んでなる方法に関する。
さらなる側面において、本発明は、療法において使用するための式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
さらなる側面において、本発明は、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療において使用するための、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
さらなる側面において、本発明は、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療のための薬剤の製造において使用するための式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
さらなる側面において、本発明は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩および付加的治療薬を含んでなる医薬組成物に関する。
(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンのXRPD。
発明の詳細な説明
一側面において、本発明は、式(I)の化合物
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、N原子を介して結合され;
Xは、OまたはNHであり;
Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;かつ
nは、1、2または3である]
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一側面において、本発明は、式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
Xは、OまたはNHであり;
L’は、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3である]
に関する。
一側面において、本発明は、式(Ia)の化合物
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、OまたはNHであり;
Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C1−)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;かつ
nは、1、2または3である]
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、式(I’a)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
Xは、OまたはNHであり;
L’は、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)(C−C)アルキルNHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3である]
に関する。
一側面において、本発明は、式(Ib)の化合物
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、OまたはNHであり;
Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C1−)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;かつ
nは、1、2または3である]
またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、式(I’b)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
Xは、OまたはNHであり;
L’は、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)ヘテロシクロアルキルであり、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキルNHまたはOHであり;
は、(C−C)アルキルまたはHであり;
mは、1または2であり;
nは、1、2または3である]
に関する。
本発明の一実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
である。本発明の別の実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
である。本発明のさらなる実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
である。
本発明の一実施形態において、XはOである。本発明の一実施形態において、XはNHである。
本発明の一実施形態において、L’は、(C−C)アルキルである。本発明の別の実施形態において、L’は、(C−C)ハロアルキルである。本発明のさらなる実施形態において、L’は、(C−C)シクロアルキルである。本発明のなおさらなる実施形態において、L’は、(C−C)ヘテロシクロアルキルである。本発明のなおさらなる実施形態において、L’は、メチル、2,2−プロパニル、1,1−シクロプロピル、ジフルオロメチルまたはテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルである。本発明のさらなる実施形態において、L’は、2,2−プロパニルである。
本発明の一実施形態において、Lは、(C−C)アルキレンである。本発明の別の実施形態において、Lは、(C−C)ハロアルキレンである。本発明のさらなる実施形態において、Lは、(C−C)シクロアルキレンである。本発明のなおさらなる実施形態において、Lは、(C−C)ヘテロシクロアルキレンである。本発明のさらなる実施形態において、Lは、硫黄原子と同じ炭素原子からのピリジン環とを連結する。本発明のなおさらなる実施形態において、Lは、メタンジイル、プロパン−2,2−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、ジフルオロメタンジイル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルまたはピペリジン−4,4−ジイルである。本発明のさらなる実施形態において、Lは、プロパン−2,2−ジイルである。本発明のさらなる実施形態において、Lは、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルである。
本発明の一実施形態において、Rは、NRで場合により置換されていてもよい(C−C)アルキルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは、NRで場合により置換されていてもよい(C−C)シクロアルキルである。本発明のなおさらなる実施形態において、Rは、NRで場合により置換されていてもよい(C−C)アルコキシである。本発明のさらなる実施形態において、Rは、NRである。本発明の別の実施形態において、Rは、(C−C)アルキル、(C)シクロアルキル、またはNRである。本発明のさらなる実施形態において、Rは、メチル、エチル、シクロプロピルまたはN(CHである。本発明のさらなる実施形態において、Rは、NHまたはNHCHである。本発明のなおさらなる実施形態において、Rは、メチルである。
本発明の一実施形態において、Rは、NHCH、N(CH)(CH)、NHまたはOHである。本発明の別の実施形態において、Rは、NHCHまたはN(CH)(CH)である。本発明のさらなる実施形態において、Rは、NHCHである。本発明の別の実施形態において、Rは、N(CHCH)(CH)である。
本発明の一実施形態において、Rは、メチルである。本発明の別の実施形態において、Rは、エチルである。本発明のさらなる実施形態において、Rは、Hである。
本発明の一実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
であり、かつ、Rは、(C−C)アルキルである。
本発明の別の実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
であり、かつ、RはHである。
本発明の一実施形態において、mは1である。本発明の別の実施形態において、mは2である。
本発明の一実施形態において、nは1である。本発明の別の実施形態において。nは2である。本発明のさらなる実施形態において、nは3である。
本発明の一実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
であり、かつ、mは1である。
本発明の別の実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
であり、mは1であり、かつ、nは2または3である。
本発明の別の実施形態において、Aは、
Figure 2021506809
であり、かつ、nは2である。
一実施形態において、本発明は、式(I’a)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
Xは、Oであり;
L’は、(C−C)アルキルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(I’a)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり
Xは、Oであり;
L’は、2−プロパン−2−イルであり;
は、メチルであり;
は、NHCHであり;
は、エチルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、硫黄原子および同じ炭素原子からのピリジン環に連結された、1個の酸素原子または窒素原子を含有する(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、硫黄原子および同じ炭素原子からのピリジン環に連結された、1個の酸素原子または窒素原子を含有する(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、硫黄原子および同じ炭素原子からのピリジン環に連結されたテトラヒドロ−2H−ピランジイルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルであり;
は、メチルであり;
は、NHCHであり;
は、エチルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、硫黄原子および同じ炭素原子からのピリジン環に連結された、1個の酸素原子または窒素原子を含有する(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、硫黄原子および同じ炭素原子からのピリジン環に連結された、1個の酸素原子または窒素原子を含有する(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルであり;
は、(C−C)アルキルであり;
は、NHCHであり;
は、(C−C)アルキルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、式(Ib)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
Figure 2021506809
[式中、
Aは、
Figure 2021506809
であり、
環Aは、Nを介して結合され;
Xは、Oであり;
Lは、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルであり;
は、メチルであり;
は、NHCHであり;
は、エチルであり;かつ
mは、1である]
に関する。
一実施形態において、本発明は、
[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
(S)−N−メチル−1−(5−(6−(3−メチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタンアミン;
1−(5−(6−((1R、5S)−3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
1−(5−(6−(8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
1−(5−(6−(3−オキサ−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イル)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−N−メチル−1−(5−(6−(3−メチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタンアミン;
(S)−N−メチル−1−(5−(6−(3−(S)−1−(5−(4−(2−(エチルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(3−メチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(4−((シクロプロピルスルホニル)メチル)−6−(3−メチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(4−((シクロプロピルスルホニル)メチル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(4−(1−(シクロプロピルスルホニル)シクロプロピル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(4−(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)−6−(3−メチルモルホリノ)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−N−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)−メチル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−メチル)−N−メチルエタンアミン;
(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン;
(S)−N−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)−N−メチルエタンアミン;および
(S)−1−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−(2−((メチルアミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンスルホンアミド
からなる群から選択される式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、
[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(1−メタンスルホニルシクロプロピル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
({5−[4−(1−メタンスルホニルシクロプロピル)−6−[(3S)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
1−(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタンアミン;
1−(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタンアミン;
[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−{8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−[(3R)−3−メチルモルホリン−4−イル]ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
4−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}オキサン−4−スルホンアミド;
2−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}プロパン−2−スルホンアミド;
{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}メタンスルホンアミド;
1−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}−N−メチルメタンスルホンアミド;
4−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}−N,N−ジメチルオキサン−4−スルホンアミド;
(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(メタンスルホニルメチル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
1−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−[2−(ヒドロキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル]ピリジン−4−イル}−N,N−ジメチルメタンスルホンアミド;
(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;および
({5−[4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)−6−{8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−3−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン
からなる群から選択される式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、
(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(メタンスルホニルメチル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
1−(4−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}−4−メタンスルホニルピペリジン−1−イル)エタン−1−オン;
({5−[4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)−6−{3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
[(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(メタンスルホニルメチル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−{6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(1、4−オキサゼパン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−{3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(3−プロピルモルホリン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;および
{5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−[3−(プロパン−2−イル)モルホリン−4−イル]ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン
からなる群から選択される式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミンである式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンである、式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩に関する。
一実施形態において、本発明は、[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミンである、式(Ia)の化合物に関する。
一実施形態において、本発明は、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンである、式(Ia)の化合物に関する。
式(I)または式(I’)の化合物は、例えばXがNHである場合に、1以上のキラル中心を含む場合があり、したがって、光学異性体、例えば、ジアステレオ異性体が生じ得る。よって、本発明は、式(I)または式(I’)の化合物のこのような異性体を、他の異性体を実質的に含まないように単離された(すなわち、純粋な)個々の異性体としてであれ、または混合物としてであれ包含する。他の異性体を実質的に含まないような単離された(すなわち、純粋な)個々の異性体は、他の異性体の存在が10%未満、特に、約1%未満、例えば、約0.1%未満となるように単離され得る。
異性体の分離は、当業者に公知の従来技術、例えば、分別結晶、クロマトグラフィー、HPLCまたはこれらの技術の組合せによって達成され得る。
本明細書において式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩という場合には、遊離塩基としてのまたはその薬学的に許容可能な塩としての式(I)または式(I’)の化合物を含むと理解されるべきである。よって、一実施形態において、本発明は、式(I)の化合物を対象とする。一実施形態において、本発明は、式(I’)の化合物を対象とする。別の実施形態において、本発明は、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を対象とする。別の実施形態において、本発明は、式(I’)の化合物の薬学的に許容可能な塩を対象とする。
「薬学的に許容可能な」とは、健全な医学的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合って、過度の毒性、刺激作用、または他の問題もしくは合併症なく、ヒトおよび動物の組織と接触させるのに使用するために好適な化合物(塩を含む)、材料、組成物、および投与形を指す。
薬学的に許容可能な塩としては、とりわけ、Berge, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19に記載されているもの、またはP H Stahl and C G Wermuth, editors, Handbook of Pharmaceutical Salts; Properties, Selection and Use, Second Edition Stahl/Wermuth: Wiley- VCH/VHCA, 2011 (http://www.wiley.com/WileyCDA/WileyTitle/productCd-3906390519.html参照)に列挙されているものが含まれる。
薬学的に許容可能でない塩も、例えば、式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の製造における中間体として使用するために、本発明の範囲にある。
好適な薬学的に許容可能な塩は、酸付加塩を含み得る。
このような酸付加塩は、場合により有機溶媒などの好適な溶媒中で、式(I)または式(I’)の化合物(例えば、塩基性アミンまたは他の塩基性官能基を含有する)を適当な酸と反応させて塩を得ることによって形成させることができ、この塩は、結晶化および濾過を含む様々な方法によって単離することができる。
塩は、式(I)または式(I’)の化合物の最終的な単離および精製中にin situで製造することもできる。式(I)または式(I’)の塩基性化合物が塩として単離される場合、化合物の対応する遊離塩基は、塩の無機または有機塩基での処理を含む、当技術分野で公知のいずれかの好適な方法によって製造され得る。
式(I)または式(I’)の化合物が2以上の塩基性部分を含有する場合、塩形成の化学量論は、1、2当量またはそれを超える酸を含み得ると理解される。このような塩は、1、2またはそれを超える酸対イオンを含み、例えば、二塩酸塩である。
式(I)または式(I’)の化合物の、化学量論形態および非化学量論形態の薬学的に許容可能な塩が本発明の範囲内に含まれ、例えば対イオンが2個以上の酸性プロトンを含む場合には、準化学量論の塩も含まれる。
代表的な薬学的に許容可能な酸付加塩としては、限定されるものではないが、4−アセトアミド安息香酸塩、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、安息香酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、酪酸塩、エデト酸カルシウム、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩(カンシル酸塩)、カプリン酸塩(デカン酸塩)、カプロン酸塩(ヘキサン酸塩)、カプリル酸塩(オクタン酸塩)、桂皮酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、ジグルコン酸塩、2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩、ジコハク酸塩、ドデシル硫酸塩(エストール酸塩)、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エストール酸塩(ラウリル硫酸塩)、エタン−1,2−ジスルホン酸塩(エジシル酸塩)、エタンスルホン酸塩(エシル酸塩)、ギ酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸塩)、ゲンチジン酸塩(2,5−ジヒドロキシ安息香酸塩)、グルコヘプトン酸塩(グルセプト酸塩)、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、グルタミン酸塩、グルタル酸塩、グリセロホスホレート(glycerophosphorate)、グリコール酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、馬尿酸塩、ヒドラバミン(N,N’−ジ(デヒドロアビエチル)−エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩(メシル酸塩)、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩(ナパジシル酸塩)、ナフタレン−2−スルホン酸塩(ナプシル酸塩)、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、p−アミノベンゼンスルホン酸塩、p−アミノサリチル酸塩(p-aminosalicyclate)、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パントテン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルエチルバルビタール酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、プロピオン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩)、ピログルタミン酸塩、ピルビン酸塩、サリチル酸塩、セバシン酸塩、ステアリン酸塩、スバセチン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8−クロロテオフィリナート)、チオシアン酸塩、トリエチオジド、ウンデカン酸塩、ウンデシレン酸塩、および吉草酸塩が挙げられる。
式(I)または(I’)の化合物は、結晶形態もしくは非結晶形態で、またはそれらの混合物として存在し得る。薬学的に許容可能な溶媒和物は、結晶性または非結晶性化合物に対して形成可能である。結晶性溶媒和物では、結晶化の際に結晶格子に溶媒分子が組み込まれる。溶媒和物は、限定されるものではないが、エタノール、イソプロパノール、DMSO、酢酸、エタノールアミン、酢酸エチル、MeOH/TBME、MeCN/TBMEもしくはMeCN/ヘプタンなどの非水性溶媒を含んでもよく、または結晶格子に組み込まれる溶媒として水を含んでもよい。結晶格子に組み込まれる溶媒が水である溶媒和物は一般に「水和物」と呼ばれる。水和物としては、化学量論的水和物ならびに変動量の水を含有する組成物が含まれる。
その種々の溶媒和物を含め、結晶形態で存在する本発明の化合物は、多形(すなわち、異なる結晶構造で存在する能力)を示し得る。これらの異なる結晶形態(fors) は一般に、「多形体」として知られる。多形体は、同じ化学組成を有するが、充填、幾何学的配置、および結晶固体状態のその他の記述的特性が異なる。したがって、多形体は、形状、密度、硬度、変形性、安定性、および溶解特性など、異なる物理特性を有し得る。多形体は一般に、異なる融点、IRスペクトル、およびX線粉末回折パターンを示し、これらが同定に使用できる。例えば、化合物の製造に使用される反応条件または試薬を変更または調整することによって異なる多形体が製造され得る。例えば、温度、圧力、または溶媒の変化が多形体を生じ得る。さらに、ある多形体は、特定の条件下で別の多形体へ自発的に変換する場合がある。
本発明は、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンの特定の結晶形態をさらに対象とする。
一実施形態において、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンの結晶形態は、Cu Kα線を用いて測定した場合に、約8.7、10.0、13.5、14.0、14.4、15.4、15.7、19.7、21.3、23.0および26.6からなる群から選択される少なくとも9つの回折角を含んでなるX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。別の実施形態において、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンは、Cu Kα線を用いて測定した場合に、約8.7、10.0、13.5、14.0、14.4、15.4、15.7、19.7、21.3、23.0および26.6からなる群から選択される少なくとも8つの回折角、または少なくとも7つの回折角(differaction angles)または少なくとも6つの回折角または少なくとも5つの回折角または少なくとも4つの回折角を含んでなるX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。一実施形態において、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンの結晶形態は、Cu Kα線を用いて測定した場合に、約8.7、10.0、13.5、14.0、14.4、15.4、15.7、19.7、21.3、23.0および26.6からなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含んでなるX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
さらに別の実施形態において、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンの結晶形態は、Cu Kα線を用いて測定される、約8.7、10.0、13.5、14.0、14.4、15.4、15.7、19.7、21.3,23.0および26.6を含んでなるX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。さらなる実施形態において、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンの結晶形態は、実質的に図1に従うX線粉末回折(XRPD)を特徴とする。
定義
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」は、示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖状または分岐鎖状炭化水素部分を表す。用語「(C−C)アルキル」は、1、2または3個の炭素原子を含有する非置換アルキル部分を指し;例示的アルキルとしては、メチル、エチルおよびプロピルが挙げられる。架橋基として存在する場合(例えば、定義L’において)、この用語は、−CH−、−CH−CH−、−CH(CH)−、−CH−CH−CH−、−CH(C)−、または−C(CH−を表し得る。
本明細書で使用する場合、用語「アルキレン」は、2つの結合点を有する、示された数の炭素原子を有する飽和、直鎖状または分岐鎖状炭化水素部分を表す。この2つの結合点は、同じ炭素原子に由来しても異なる炭素原子に由来してもよい。好適には、両結合点は、同じ炭素原子に由来する。用語「(C−C)アルキレン」は、2つの結合点を有する、1、2または3個の炭素原子を含有する非置換アルキル部分を指し;例示的(C−C)アルキレン基としては、メチレン、エチレンおよびプロピレンが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「(C−C)ハロアルキル」は、炭素あたり1、2または3個のハロゲン原子で置換された上記のような(C−C)アルキルを指す。「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。好適には、そのハロゲンは、フルオロまたはクロロである。
本明細書で使用する場合、用語「(C−C)ハロアルキレン」は、炭素あたり1、2または3個のハロゲン原子で置換された上記のような(C−C)アルキレン部分を指す。ある実施形態において、(C−C)アルキレン部分は、炭素あたり1または2個のハロゲン原子で置換されている。「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。好適には、ハロゲン原子は、フルオロまたはクロロである。例示的(C−C)ハロアルキレン基としては、フルオロメチルジイルおよびジフルオロメチルジイルが挙げられる。本明細書で使用する場合、用語(C−C)シクロアルキルは、3、4または5個の炭素原子を含有する非置換シクロアルキル部分を指し;例示的シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチルまたはシクロペンチルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語(C−C)シクロアルキレンは、2つの結合点を有する、3、4または5個の炭素原子を含有する非置換シクロアルキレン部分を指す。この2つの結合点は、同じ炭素原子に由来しても異なる炭素原子に由来してもよい。好適には、両結合点は、同じ炭素原子に由来する。例示的シクロアルキレン基としては、シクロプロパン−1,1−ジイル、シクロブタン−1,1−ジイルまたはシクロペンタン−1,1−ジイルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語(C−C)ヘテロアルキルは、1または2個の酸素、硫黄または窒素原子に加えて2、3、4または5個の炭素原子を含有する環式部分を指し;例示的(C−C)ヘテロアルキル基としては、オキセタン、テトラヒドロフランまたはテトラヒドロピランが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語(C−C)ヘテロシクロアルキレンは、同じまたは異なる炭素原子に由来する2つの結合点を有し、1または2個の酸素、硫黄または窒素原子に加えて2、3、4または5個の炭素原子を含有する3〜7員の環式部分を指す。好適には、(C−C)ヘテロシクリアルキレン(heterocyclyalkylene)基は、1個の酸素原子または窒素原子を含有する。好適には、このような基は、アゼチジンジイルまたはオキセタンジイルなど、3個の炭素原子と1個の酸素原子または窒素原子を含有する。好適には、このような基は、テトラヒドロフランジイル、テトラヒドロピランジイル、ピロリジニルまたはピペリジンジイルなど、4または5個の炭素原子と1個の酸素原子または窒素原子を含有する。このような基に好適には、両結合点は、同じ炭素原子に由来する。例示的(C−C)ヘテロシクリルアルキル基としては、アゼチジン−3,3−ジイル、オキセタン−3,3−ジイル、テトラヒドロフラン−3,3−ジイル、テトラヒドロフラン−4,4−ジイル、ピペリジン−4,4−ジイルまたはテトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルが挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「場合により」は、続いて記載されている事象が起こっても起こらなくてもよく、事象が起こる場合と起こらない場合の両方を含むことを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「治療」は、従前に罹患したまたは診断された患者または対象における、特定の病態の緩和、その病態の1以上の症状の除去または軽減、その病態の進行の緩徐化または除去、およびその病態の再発の遅延を指す。
本明細書で使用する場合、用語「有効量」は、例えば研究者または臨床医によって求められる組織、系、動物、またはヒトの生物学的または医学的応答を惹起する薬物または医薬の量を意味する。
用語「治療上有効な量」は、そのような量を受容していない対応する対象と比べた場合に、疾患、障害、もしくは副作用の治療、治癒、もしくは改善の向上、または疾患または障害の進行速度の低下をもたらすいずれの量も意味する。この用語はまた、その範囲内に、正常な生理学的機能を増進するために有効な量も含む。
使用の説明
式(I)または式(I’)の化合物およびそれらの薬学的に許容可能な塩は、mTORキナーゼの阻害剤であると考えられ、したがって、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態の治療に潜在的有用性を有する。
よって、本発明の一側面において、療法に使用するための式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態の治療において使用するためのものであり得る。
本発明の一側面において、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態の治療のための薬剤の製造のための式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供される。
本発明の一側面において、必要とする対象において、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患を治療する方法であって、前記対象に治療的量の式(I)もしくは式(I’)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含んでなる方法が提供される。本発明の一実施形態において、必要とする対象は、ヒト対象である。
線維性疾患は、修復または反応過程での、器官または組織における過剰な線維性結合組織の形成を含む。mTORの阻害剤は、mTOR機能に依存するものを含む、様々なこのような疾患または病態の治療に有用であると考えられる。疾患は、限定されるものではないが、肺線維症、例えば、特発性肺線維症(IPF)、非特異性間質性肺炎(NSIP)、過敏性肺炎(HP)、通常型間質性肺炎(UIP)、間質性肺疾患(ILD)、進行性塊状線維症、炭鉱夫塵肺、鳥飼育者肺、家族性肺線維症、肺線維症、結合組織間質性肺疾患(RA−ILD、SSc−ILD)、ヘルマンスキー・パドラック症候群、喘息における気道線維症、COPDにおける気道線維症、ARDS関連線維症、急性肺障害、放射線誘発性線維症、薬剤性線維症および肺高血圧症を含み得る。mTORの阻害剤が有用であり得る他の肺適応症としては、COPD、リンパ脈管筋腫症(LAM)、閉塞性細気管支炎、喘息、および類肉腫症などの肉芽腫性疾患が含まれる。
mTORの阻害剤が有用であり得る非肺線維症病態としては、腎線維症(慢性腎疾患(CKD)、末期腎疾患(ESRD)、糖尿病性腎症、IgA腎症、狼瘡腎炎、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)、尿細管間質性線維症、移植腎症、自己免疫性腎症、薬剤性腎症、高血圧症関連腎症、腎性全身性線維症);肝線維症(ウイルス誘発性線維症(例えば、C型またはB型肝炎)、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝疾患、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)(非アルコール性脂肪性肝炎(NAS H)、先天性肝線維症、原発性硬化性胆管炎、薬剤性肝炎、肝硬変を含む);皮膚線維症(肥厚性瘢痕、硬皮症、ケロイド瘢痕、皮膚筋炎、好酸球性筋膜炎、デュピュイトラン拘縮、エーラス・ダンロス症候群、ペーロニー病、栄養障害性表皮水疱症、口腔粘膜下線維症);眼線維症(加齢黄斑変性(AMD)、糖尿病性黄斑浮腫、ドライアイ、緑内障) 角膜瘢痕化、角膜損傷および角膜創傷治癒、線維柱帯切除術後の濾過胞瘢痕化の予防;心臓線維症(鬱血性心不全、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、心内膜線維症、肥大型心筋症(HCM))および他の雑多な線維性病態(縦隔線維症、骨髄線維症、後腹膜線維症、クローン病、神経線維腫症、子宮平滑筋腫(筋腫)、慢性臓器移植拒絶が含まれる。
さらに、mTORの阻害剤が有用であり得る腫瘍学的適応としては、mTORに関連する前癌病変または癌(子宮内膜癌、基底細胞癌、肝臓癌、結腸癌、子宮頸癌、口腔癌、膵臓癌、乳癌および卵巣癌、カポジ肉腫、間質に関連する巨細胞腫瘍および癌);非小細胞肺癌;非ホジキンリンパ腫、再発性または難治性進行固形腫瘍、進行悪性固形新生物、局所進行または転移固形腫瘍および軟組織肉腫が含まれる。
さらに、PI3k/mTORにおける突然変異を特徴とする疾患としては、結節性硬化症、スミス−キングスモア症候群、限局性皮質異形成および腫瘍学的適応、シロリムスおよびエベロリムスなどのラパログの処置が許容される病態(移植レシピエント、救済免疫抑制(immunosupresssion)および慢性移植片対宿主病)ならびに肥満症(脂肪組織炎症)および代謝障害(糖尿病)に関連する疾患または加齢に関連する疾患が含まれる。
用語「mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態」は、上記の病状のあらゆるものを含むことを意図する。
一実施形態において、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態は、特発性肺線維症を含む肺線維症および皮膚、肝臓、腎臓または心臓に影響を及ぼす過度な組織瘢痕化を特徴とする任意の病態である。さらなる実施形態において、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態は、特発性肺線維症である。
バイオマーカー
臨床上、mTOR活性は、IPFまたはNSIPを有する患者コホートにおいて、疾患重症度と相関することが示されている。最近同定されたバイオマーカー(BGM、C1M、C3A、C3M、C6M、CRPM)と組み合わせて評価することができる(Jenkins et al., 2015)。
一実施形態において、特発性(idiopatic)肺線維症に罹患している対象を治療するための方法が提供され、この方法は、
a)対象のサンプルにおいて、BGM、C1M、C3A、C3M、C6M、またはCRPMからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのバイオマーカーの量を検出すること;
b)その1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのバイオマーカーの量を1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのバイオマーカーの参照量と比較すること;
c)サンプル中の1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのバイオマーカーの量が1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つのバイオマーカーの参照量よりも多ければ、その対象を疾患進行の高いリスクを有するとして特定すること;および
d)その対象が疾患進行の高いリスクを有すると特定される場合に、その対象を本発明の化合物またはその製薬上許容可能な塩で処置すること
を含んでなる。
コラーゲン合成のさらなるバイオマーカー(PRO−C3、PRO−C6、P1NP)もまた、患者においてmTOR調節への治療応答を評価するために使用可能である。PRO−C3およびPRO−C6の血清レベルは、IPF患者における疾患進行に相関する(会議ポスターICLAF 2018)。
よって、一実施形態において、特発性肺線維症と診断された対象の治療を経過観察するためのin vitro法であって、
a)患者の第1のベースライン生体サンプルにおいてPRO−C3、PRO−C6、およびP1NPからなる群から選択される1つ、2つまたは3つのバイオマーカーの量を決定すること、
b)その対象を本発明の化合物で処置すること、
c)別の機会に採取された患者の第2の生体サンプルにおいてPRO−C3、PRO−C6、およびP1NPからなる群から選択される1つ、2つまたは3つのバイオマーカーの量を決定すること、
d)工程aで得られたバイオマーカーのレベルと工程cで得られたバイオマーカーのレベルを比較し、それらのレベルが経時的にさらに上昇していなければ、または処置によって低下していれば、その処置を有効と分類すること
を含んでなる方法が提供される。
医薬組成物/投与経路/用量
療法において使用するために式(I)または式(I’)の化合物ならびにその薬学的に許容可能な塩が原料化学物質として投与され得る場合には、有効成分を医薬組成物として提供することが一般的である。
よって、本発明は、さらなる側面において、式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含んでなる医薬組成物を提供する。式(I)または式(I’)の化合物およびその薬学的に許容可能な塩は上記の通りである。担体、希釈剤または賦形剤は、組成物の他の成分と適合し、かつ、そのレシピエントに有害でないという意味で許容可能でなければならない。
本発明の別の側面によれば、式(I)もしくは式(I’)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤と混合することを含む医薬組成物の調製のための方法も提供される。医薬組成物は、本明細書に記載の病態のいずれかの治療に使用するためのものであり得る。
さらに、式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる、mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患または病態の治療のための医薬組成物が提供される。
さらに、0.05〜1000mgの式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその医薬的塩および0.1〜2gの薬学的に許容可能な担体、希釈剤または賦形剤を含んでなる医薬組成物が提供される。
式(I)または式(I’)の化合物は医薬組成物中での使用が意図されるので、それらはそれぞれ好ましくは、実質的に純粋な形態、例えば、少なくとも60%純度、より好適には少なくとも75%純度および好ましくは少なくとも85%純度、特に少なくとも98%純度(重量/重量%)で提供されることが容易に理解されるであろう。
医薬組成物は、単位用量当たりに所定の量の有効成分を含有する単位剤形で提供され得る。好ましい単位用量組成物は、一日用量または部分用量、またはその適当な分割量の有効成分を含有するものである。よって、このような単位用量は、1日2回以上投与してもよい。好ましい単位用量組成物は、本明細書の上記に列挙されたような一日用量もしくは部分用量(1日2回以上の投与のため)、またはその適当な分割量の有効成分を含有するものである。
医薬組成物は、例えば、経口(口内もしくは舌下を含む)、直腸、吸入、鼻腔内、局所(口内、舌下もしくは経皮を含む)、膣、眼内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を含む)経路などの適当ないずれの経路による投与にも適合可能である。このような組成物は、例えば、有効成分を担体または賦形剤と会合させることによるなど、製薬分野で公知のいずれの方法によって調製してもよい。
一実施形態において、医薬組成物は、経口投与に適合される。
経口投与に適合される医薬組成物は、カプセル剤もしくは錠剤などの個別の単位;散剤もしくは顆粒;水性もしくは非水性液中の溶液もしくは懸濁液;可食フォームまたはホイップ;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションとして提供され得る。
例えば、錠剤またはカプセル剤の形態での経口投与のためには、有効薬物成分をエタノール、グリセロール、水などの経口用の非毒性の薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせることができる。錠剤またはカプセル剤に配合するために好適な散剤は、化合物を好適な微細粒径に縮小し(例えば、微粉化による)、例えば、デンプンまたはマンニトールなどの可食炭水化物などの、同様に調製された医薬担体と混合することによって調製され得る。香味剤、保存剤、分散剤および着色剤も存在し得る。
カプセル剤は、上記のように粉末混合物を調製し、形成されたゼラチン剤皮に充填することによって作製され得る。充填操作前にこの粉末混合物にコロイドシリカ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体ポリエチレングリコールなどの流動促進剤および滑沢剤を加えることができる。また、カプセル剤が摂取された際に薬剤のアベイラビリティを改善するために、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどの崩壊剤または可溶化剤も加えることができる。
さらに、所望であればまたは必要であれば、好適な結合剤、流動促進剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、崩壊剤および着色剤もこの混合物に配合することができる。
溶液、シロップ剤およびエリキシル剤などの経口液は、所与の量が所定量の化合物を含有するように単位剤形で調製することができる。シロップ剤は、好適には香味を付けた水溶液に化合物を溶解させることによって調製することができ、エリキシル剤は、非毒性アルコール系ビヒクルの使用によって調製される。懸濁液は、非毒性ビヒクルに化合物を分散させることによって調剤することができる。可溶化剤および乳化剤(例えば、エトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、香味添加剤(例えば、ペパーミント油)または天然甘味剤もしくはサッカリンもしくは他の人工甘味剤なども添加することができる。
適当であれば、経口投与のための単位投与組成物は、マイクロカプセルに封入することができる。この製剤はまた、例えば、粒状材料をポリマー、ワックスなどでコーティングするか、またはポリマー、ワックスなどに包埋することにより、放出を延長または持続化するために調製することもできる。
本発明の化合物はまた、小単ラメラ小胞、大単ラメラ小胞および多重ラメラ小胞などのリポソーム送達系の形態で投与することもできる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から形成することができる。
本発明の化合物はまた、原体の安定性および溶解度を改善するために噴霧乾燥分散(SDD)法を用い、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのポリマーマトリックス中への非晶質分子分散物として調製してもよい。
本発明の化合物はまた、バイオアベイラビリティおよび安定性などの特性を改善するために、液体または半固体充填ゼラチン硬カプセルまたは軟カプセル形式のいずれかで、液体カプセル化技術を用いて送達してもよい。
経皮投与に適合した医薬組成物は、レシピエントの表皮に長期間、緊密に接触して留まることを意図した個別のパッチ剤として提供してもよい。
局所投与に適合した医薬組成物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、散剤、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして調剤してもよい。
別の側面において、本発明は、鼻腔投与または吸入投与によって患者に投与するのに適合した剤形、例えば、ドライパウダー、エアロゾル、懸濁液、または溶液処方物を対象とする。
一般に吸入による肺への送達のためのドライパウダー処方物は、微粉のとしての式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、微粉としての1種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる。ドライパウダーでの使用に特に適した薬学的に許容可能な賦形剤は当業者に既知であり、ラクトース、デンプン、マンニトール、および単糖類、二糖類、および多糖類が含まれる。微粉は、例えば、微粉化および摩砕によって調製することができる。一般に、縮小(例えば、微粉化)した化合物は、約1〜約10ミクロンのD50値(例えば、レーザー回折を用いて測定した場合)によって定義することができる。
ドライパウダーは、ドライパウダー形態の複数の薬剤(非定量用量)を収容するために好適なリザーバーを備えたリザーバー式ドライパウダー吸入器(RDPI)によって患者に投与してもよい。RDPIは一般に、リザーバーから送達位置までに各薬剤用量を定量するための手段を含む。例えば、定量手段は、カップがリザーバーからの薬剤が充填され得る第1の位置から、定量された薬剤用量が吸入のために患者に利用可能となる第2の位置へ移動可能な定量カップを含んでなり得る。
本発明において使用するためのドライパウダー処方物は、吸入装置を介して投与され得る。一例として、このような装置は、例えばゼラチンのカプセル剤およびカートリッジ、または例えば、ラミネートアルミ箔のブリスターを包含し得る。種々の実施形態において、各カプセル剤、カートリッジまたはブリスターは、本明細書に示される教示に従う用量の処方物を含有し得る。吸入装置の例としては、本明細書に示される総ての装置を含め、処方物の単位用量送達または多用量送達に意図されるものを含み得る。一例として、多用量送達の場合、処方物は前計量(例えば、Diskus(登録商標)、英国特許第2242134号、米国特許第6,032,666号、同第5,860,419号、同第5,873,360号、同第5,590,645号、同第6,378,519号および同第6,536,427号参照、もしくはDiskhaler、英国特許第2178965号、同第2129691号および同第2169265号、米国特許第4,778,054号、同第4,811,731号、同第5,035,237号参照)、または使用時計量が可能である(例えば、Turbuhaler、欧州特許第69715号参照、または米国特許第6,321,747号に記載の装置)。単位用量装置の一例はRotahaler(英国特許第2064336号参照)である。一実施形態において、Diskus(登録商標)吸入装置は、その長さに沿って間隔をおいて配置された複数の凹部を有するベースシートと、それに対して、各容器が中に所望により本明細書に教示される他の賦形剤および添加剤とともに化合物を含有する吸入可能な処方物を含む複数の容器を画定するように剥離可能に封止されたリッドシートとから形成される細長いストリップを含んでなる。剥離可能なシールは工作シールであり、一実施形態において、工作シールは、気密シールである。好ましくは、このストリップは、ロール状に巻かれるのに十分柔軟である。リッドシートおよびベースシートは、好ましくは、互いに封止されない先端部を有し、それらの先端部の少なくとも一つは巻き取り部材に接着されて構築される。また、好ましくは、ベースシートとリッドシートの間の工作シールは、それらの全幅に及ぶ。リッドシートは好ましくは、ベースシートの最初の末端から長手方向にベースシートから剥離し得る。
ドライパウダー処方物はまた、処方物の2つの異なる成分の個別収容を可能とする吸入装置で提供してもよい。したがって、例えば、これらの成分は同時に投与されるが、例えば、個別に、例えば国際公開第03/061743 A1号、同第2007/012871 A1号、同第2007/068896号、ならびに米国特許第8,113,199号、同第8,161,968号、同第8,511,304号、同第8,534,281号、同第8,746,242号および同第9,333,310号に記載されるような別個の医薬処方物として保存される。
一実施形態において、成分の個別収容を可能とする吸入装置は、2本の剥離可能なブリスターストリップを有する吸入装置であり、各ストリップは、長さに沿って配置されたブリスターポケット、例えば、ELLIPTA(登録商標)においてみられるように、各ブリスターストリップ内の複数の容器に前計量用量を含有する。前記装置は、装置が作動される度に、各ストリップのポケットを剥離開封し、各ストリップの新たに露出した各用量が、装置のマウスピースと連絡するマニフォールドに隣接するような位置にブリスターを置く内部インデックス機構を有する。患者がマウスピースで吸入すると、各用量は、同時に、その関連するポケットからマニフォールド中へ吸い出され、マウスピースを介して患者の気道へ飛沫同伴する。異なる成分の個別収容を可能とするさらなる装置は、InnovataのDUOHALER(商標)である。さらに、吸入装置の様々な構造が、同時送達の他、装置からの医薬製剤の逐次または個別送達を提供する。
あるいは、ドライパウダーは、多用量ドライパウダー吸入器(MDPI)で使用するためのカプセル(例えば、ゼラチンまたはプラスチック)、カートリッジ、またはブリスターパック中に提供してもよい。MDPIは、薬剤の複数の規定用量(またはその一部)を含有する(またはそうでなければ保有する)多用量パック内に薬剤が含まれる吸入器である。ドライパウダーブリスターパックとして提供される場合、それは薬剤をドライパウダー形態で収容するための複数のブリスターを含んでなる。これらのブリスターは一般に、それから薬剤が容易に放出するように規則的に配置される。例えば、ブリスターは、一般に、ディスク型ブリスターパック上に円形に配置されてよく、またはブリスターは、例えば、ストリップまたはテープを含んでなる形態で細長くてもよい。各カプセル、カートリッジ、またはブリスターは、例えば、200μg〜10mgの式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含み得る。
エアロゾルは、式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を液化噴射剤中に懸濁または溶解させることによって形成され得る。好適な噴射剤としては、ハロ炭素、炭化水素、および他の液化ガスが含まれる。代表的な噴射剤としては、トリクロロフルオロメタン(噴射剤11)、ジクロロフルオロメタン(噴射剤12)、ジクロロテトラフルオロエタン(噴射剤114)、テトラフルオロエタン(HFA−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFA−152a)、ジフルオロメタン(HFA−32)、ペンタフルオロエタン(HFA−12)、ヘプタフルオロプロパン(HFA−227a)、ペルフルオロプロパン、ペルフルオロブタン、ペルフルオロペンタン、ブタン、イソブタン、およびペンタンが含まれる。式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなるエアロゾルは一般に、定量噴霧式吸入器(MDI)を介して患者に投与され得る。このような装置は、当業者に公知である。
式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩(以下、本発明の化合物)の治療上有効な量は、例えば、対象の年齢および体重、治療を要する病態およびその重症度、処方物の性質、ならびに投与経路を含むいくつかの因子によって異なり、最終的には主治医または獣医の判断にある。
医薬組成物において、経口または非経口投与のための各用量単位は、親化合物として計算して0.01〜3000mg、または0.1〜2000mg、またはより一般には0.5〜1000mgの本発明の化合物を含有し得る。
鼻腔または吸入投与のための各用量単位は、好ましくは、0.001〜50mg、より好ましくは0.01〜5mg、さらにより好ましくは1〜50mgの本発明の化合物を含有する。
噴霧化溶液または懸濁液の投与については、用量単位は一般に1〜15mgを含有し、これは好適には1日1回、1日2回または1日3回以上送達され得る。本発明の化合物は、薬局でまたは患者によって再構成するためのドライパウダーまたは凍結乾燥粉末で提供されてもよいし、または例えば生理食塩水中に提供されてもよい。
本発明の化合物は、例えば、本発明の化合物0.01mg〜3000mg/日、もしくは0.5〜1000mg/日もしくは0.5〜300mg/日、もしくは2〜300mg/日の経口もしくは非経口用量、または0.001〜50mg/日もしくは0.01〜50mg/日、もしくは1〜50mg/日の鼻腔もしくは吸入用量の一日用量(成人患者の場合)で投与することができる。この量は、1日当たり単回用量またはより通常には、総一日用量が同じになるような1日当たり複数回(例えば、2回、3回、4回、5回または6回)の分割用量で与えてよい。有効量のその塩は、式(I)または式(I’)の化合物それ自体の有効量の割合として決定され得る。
本発明の化合物は、単独でまたは他の治療薬と組み合わせて使用され得る。よって、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の投与、および少なくとも1種類の他の薬学上有効な薬剤の使用を含んでなる。好ましくは、本発明による併用療法は、少なくとも1種類の式(I)もしくは式(I’)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および少なくとも1種類の他の薬学上有効な薬剤の投与を含んでなる。本発明の化合物と他の薬学上有効な薬剤は、単一の医薬組成物で一緒にまたは別個に投与してよく、別個に投与される場合、これは同時にまたは任意の順序で逐次に行ってよい。本発明の化合物と他の薬学上有効な薬剤の量および相対的な投与時機は、所望の組合せ治療効果を達成するように選択する。
よって、さらなる側面において、本発明の化合物と少なくとも1種類の他の薬学上有効な薬剤を含んでなる組合せが提供される。
よって、一側面において、本発明による化合物および医薬組成物は、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患に対する療法、抗線維化療法および閉塞性気道疾患に対する療法、糖尿病および関連疾患に対する療法、眼疾患、ならびに角膜瘢痕化、角膜損傷および角膜創傷治癒に対する療法を含む1種類以上の他の治療薬と併用され得る、または含み得る。
抗アレルギー療法としては、抗原免疫療法(例えば、蜂毒、花粉、ミルク、ラッカセイの成分およびフラグメント、CpGモチーフ、コラーゲン、経口または舌下抗原として投与され得る細胞外マトリックスの他の成分)、抗ヒスタミン薬(例えば、セチリジン、ロラチジン(loratidine)、アクリバスチン、フェキソフェニジン(fexofenadine)、クロルフェナミン)、およびコルチコステロイド(例えば、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、二プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フロ酸モメタゾン、トリアムシノロン、フルニソリド、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン)が含まれる。
抗炎症療法としては、NSAID(例えば、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン)、ロイコトリエン調整剤(例えば、モンテルカスト、ザフィルルカスト、プランルカスト)、および他の抗炎症療法(例えば、iNOS阻害剤、トリプターゼ阻害剤、IKK2阻害剤、p38阻害剤(ロスマピモド、ジルマピモド)、エラスターゼ阻害剤、β2作動剤、DP1拮抗剤、DP2拮抗剤、pI3Kδ阻害剤、ITK阻害剤、LP(リゾホスファチジン酸)阻害剤またはFLAP(5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質)阻害剤(例えば、3−(3−(tert−ブチルチオ)−1−(4−(6−エトキシピリジン−3−イル)ベンジル)−5−((5−メチルピリジン−2−イル)メトキシ)−1H−インドール−2−イル)−2,2−ジメチルプロパン酸ナトリウム);アデノシンa2a作動剤(例えば、アデノシンおよびレガデノソン)、ケモカイン拮抗剤(例えば、CCR3拮抗剤またはCCR4拮抗剤)、メディエーター放出阻害剤が含まれる。
自己免疫疾患に対する療法としては、DMARDS(例えば、メトトレキサート、レフルノミド、アザチオプリン)、生物薬剤学的療法(例えば、抗IgE、抗TNF、抗インターロイキン(例えば、抗IL−1、抗IL−6、抗IL−12、抗IL−17、抗IL−18)、受容体療法(例えば、エタネルセプトおよび類似の薬剤);抗原非特異的免疫療法(例えば、インターフェロンまたは他のサイトカイン/ケモカイン、サイトカイン/ケモカイン受容体調整剤、サイトカイン作動剤または拮抗剤、TLR作動剤および類似の薬剤)が含まれる。
他の抗線維化療法としては、TGFβ合成阻害剤(例えば、ピルフェニドン)、血管内皮増殖因子(VEGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)および線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体キナーゼを標的とするチロシンキナーゼ阻害剤(例えば、ニンテダニブ(BIBF−1120)およびメシル酸イマチニブ(グリベック))、エンドセリン受容体拮抗剤(例えば、アンブリセンタンまたはマシテンタン)、抗酸化薬(例えば、N−アセチルシステイン(NAC);広域抗生物質(例えば、コトリモキサゾール、テトラサイクリン(塩酸ミノサイクリン))、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤(例えば、シルデナフィル)、抗αvβx抗体および薬物(例えば、WO2003100033A2に記載されているものなどの抗αvβ6モノクローナル抗体、インテツムマブ、シレンジチドが併用可能である)が含まれ、併用可能である。
閉塞性気道疾患に対する療法としては、短時間作用型β2作動剤、例えば、サルブタモール)、長時間作用型β2作動剤(例えば、サルメテロール、ホルモテロールおよびビランテロール)、短時間作用型ムスカリン性拮抗剤(例えば、臭化イプラトロピウム)、長時間作用型ムスカリン性拮抗剤(例えば、チオトロピウム、ウメクリジニウム)などの気管支拡張薬が含まれる。
いくつかの実施形態において、治療はまた、本発明の化合物と他の既存の治療様式、例えば、抗VEGF療法、例えば、ルセンティス、アバスチン、およびアフリバーセプトならびにステロイド、例えば、トリアムシノロン、およびフルオシノロンアセトニドを含有するステロイドインプラントなどの糖尿病性眼疾患の治療のための既存の薬剤の組合せも含み得る。
いくつかの実施形態において、治療はまた、本発明の化合物と他の既存の治療様式、例えば、角膜瘢痕化、角膜損傷または角膜創傷治癒の治療のための既存の薬剤、例えば、ジェンタル、ウシ血液抽出物、レボフロキサシン、およびオフロキサシンの組合せも含み得る。
本発明の化合物および組成物は、単独でまたは化学療法、放射線療法、標的薬剤、免疫療法および細胞もしくは遺伝子療法を含む癌療法と組み合わせて癌を治療するために使用され得る。
ラパマイシン(シロリムス)およびラパマイシンの類似体(エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、ゾタロリムス)は、エベロリムスと汎PI3k/mTOR阻害剤の組合せに関して記載されているように(Nyfeler et al., 2012) mTOR調整を増強するためにmTORキナーゼ阻害剤と併用可能である。
よって、一実施形態において、
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)ラパマイシン(Rapaycin)またはラパマイシンの類似体
の組合せが提供される。
別の実施形態において、
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)シロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、ゾタロリムスからなる群から選択される化合物およびその薬学的に許容可能な塩
の組合せが提供される。
一実施形態において、
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)ラパマイシン(Rapaycin)またはラパマイシンの類似体
を含んでなる組成物が提供される。
別の実施形態において、
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)シロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、ゾタロリムスからなる群から選択される化合物およびその薬学的に許容可能な塩
を含んでなる組成物が提供される。
一実施形態において、必要とするヒトにおいて特発性肺線維症を治療するための方法であって、前記ヒトに治療上有効な量の
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)ラパマイシン(Rapaycin)またはラパマイシンの類似体
を投与することを含んでなる方法が提供される。
別の実施形態において、必要とするヒトにおいて特発性肺線維症を治療するための方法であって、前記ヒトに治療上有効な量の
a)本発明の化合物または薬学的に許容可能な塩、および
b)シロリムス、エベロリムス、リダフォロリムス、テムシロリムス、ゾタロリムスからなる群から選択される化合物およびその薬学的に許容可能な塩
を投与することを含んでなる方法が提供される。
上記に言及される組合せは、好都合には、医薬組成物の形態で使用するために提供することができ、よって、上記で定義されるような組合せを薬学的に許容可能な希釈剤または担体とともに含んでなる医薬組成物は、本発明のさらなる側面を表す。このような組合せの個々の化合物は、別個のまたは組み合わせられた医薬組成物で逐次にまたは同時に投与され得る。好ましくは、個々の化合物は、組み合わせられた医薬組成物で同時に投与される。既知の治療薬の適当な用量は、当業者には容易に認識されよう。
本発明の化合物が、通常、吸入、静脈内、経口、鼻腔内、眼内局所的または他の経路によって投与される1種類以上の他の治療活性薬剤と組み合わせて投与される場合、得られた医薬組成物も同じ経路によって投与され得ることが認識されるであろう。あるいは、組成物の個々の成分は異なる経路によって投与されてもよい。
一般合成経路
一般スキーム
Figure 2021506809
一般スキーム
パートa)適宜置換された2−ブロモピリジンとトリメチルシリルアセチレンの薗頭反応とその後の塩基による処理を用いて4−アザ−インドールが製造され得る。インダゾール窒素をベンゼンスルホンアミドで保護すると、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基によるオルトリチオ化およびR1を導入するために適切な求電子物質による処理に好適な中間体が得られる。次に、例えばヘキサメチルジスタンナンとの、金属により触媒されるクロスカップリングによってトリメチルスタンナン誘導体を製造することができる。
パートb)スルホン基は、トリクロロ中間体を適当なスルフィン酸で処理することによって導入することができる。脱プロトン化および適切なアルキルハリドとの反応とその後の適当な第二級アミンの導入により2−クロロピリジル(2-choloropyridyl)中間体が生成する。
パートc)2−クロロピリジンと5−トリメチルタンニルアザインドールはパラジウム触媒作用によって結合させることができる。化合物例は、標準的な条件下、例えば、酸性またはアルカリ条件の使用によって保護基を除去することによって製造され得る。
一般スキームII
Figure 2021506809
一般スキームII
パートa)適宜置換された2−ブロモピリジンとトリメチルシリルアセチレンの薗頭反応とその後の塩基による処理を用いて4−アザ−インドールが製造され得る。インダゾール窒素をベンゼンスルホンアミドで保護すると、リチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基によるオルトリチオ化とR1を導入するために適切な求電子物質による処理に好適な中間体が得られる。Y=SnMeまたはSO2Na。トリメチルスタンナン誘導体は、例えば、ヘキサメチルジスタンナンとの、金属により触媒されるクロスカップリングによって製造することができ、またはスルフィン酸ナトリウムは、金属により触媒されるカップリングとその後の塩基による処理時の脱保護によって製造することができる。
パートb)スルホン基は、トリハロ中間体を適当なスルフィン酸で処理することによって導入することができる。脱プロトン化および適切なアルキルハリドとの反応とその後の適当な第二級アミンの導入により2−ハロピリジル(2-haloropyridyl)中間体が生成する。
パートc)2−ハロピリジンと5−トリメチルタンニルアザインドールは、パラジウム触媒作用によって結合させることができる。化合物例は、標準的な条件下、例えば、酸性またはアルカリ条件の使用によって保護基を除去することによって製造され得る。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
略語
以下の一覧に本明細書で使用される特定の略語の定義を示す。この一覧は網羅的なものではなく、本明細書の以下で定義されない略語の意味は当業者に容易に明らかとなることが認識されるであろう。
Ac(アセチル)
Bu(ブチル)
Chiralcel OD−H(セルローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバマート)が5μmシリカゲルにコーティング)
Chiralpak AD−H(アミローストリス(3,5−ジメチルフェニルカルバマート)が5μmシリカゲルにコーティング)
Chiralpak ID(アミローストリス(3−クロロフェニルカルバマート)が5μmシリカゲルに固定化)
Chiralpak AS(アミローストリス((S)−α−メチルベンジルカルバマート)が5μmシリカゲルにコーティング)
CSH(Charged Surface Hybrid Technology)
CV(カラム体積)
DCM(ジクロロメタン)
DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)
DMSO(ジメチルスルホキシド)
Et(エチル)
EtOH(エタノール)
EtOAc(酢酸エチル)
hまたはhr(時間)
MDAP(質量分析自動分取HPLC)
Me(メチル)
MeOH(メタノール)
MgSO(硫酸マグネシウム)
min(分)
Pd(dppf)Cl(1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II))
Pet Ether(石油エーテル)
Ph(フェニル)
Pr(イソプロピル)
room temp(室温)
Si(シリカ)
SPE(固相抽出)
TBME(tert−ブチルメチルエーテル)
TEA(トリエチルアミン)
TFA(トリフルオロ酢酸)
THF(テトラヒドロフラン)
TLC(薄層クロマトグラフィー)
UPLC(超高速液体クロマトグラフィー)
ブラインという場合には、飽和塩化ナトリウム水溶液を指す。
実験詳細
分析的LCMS
分析的LCMSは、以下のシステムAまたはBのうち1つで行った。
総てのシステムに対するUV検出は、220nm〜350nmの波長からの平均シグナルであり、質量スペクトルは、質量分析計にて交互スキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化法を用いて記録した。
LCMS純度は、ダイオードアレイ検出から。
本明細書に言及されるLCMSシステムA〜Bの実験詳細は以下の通りである。
システムA
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18カラム
流速:1mL/分
温度:40℃
溶媒:A:アンモニア溶液でpH10に調整した、水中10mM重炭酸アンモニウム
B:アセトニトリル
勾配: 時間(分) A% B%
0 99 1
1.5 3 97
1.9 3 97
2.0 99 1
システムB
カラム:50mm×2.1mm ID、1.7μm Acquity UPLC BEH C18カラム
流速:1mL/分
温度:40℃
溶媒:A:水中0.1%v/vギ酸溶液
B:アセトニトリル中0.1%v/vギ酸溶液
勾配: 時間(分) A% B%
0 97 3
1.5 0 100
1.9 0 100
2.0 97 3
質量分析自動分取HPLC
粗生成物は、以下の方法のうち1つにより、MDAP HPLCによって精製した。特に断りのない限り、実施時間は15分であった。総ての方法に対するUV検出は、210nm〜350nmの波長からの平均シグナルであり、質量スペクトルは、質量分析計にて交互スキャンポジティブおよびネガティブモードエレクトロスプレーイオン化法を用いて記録した。
方法HPH_Meth_B:
方法HPH_Meth_Bは、周囲温度にてXBridge C18カラム(一般に、100mm×30mm i.d. 5μm充填径)で行った。溶媒として以下を使用した:
A=アンモニア溶液でpH10に調整した10mM重炭酸アンモニウム水溶液
B=アセトニトリル
勾配として以下を使用した。
Figure 2021506809
方法HPH_Meth_C:
方法HPH_Meth_Cは、周囲温度にてXBridge C18カラム(一般に、100mm×30mm i.d. 5μm充填径)で行った。溶媒として以下を使用した:A=アンモニア溶液でpH10に調整した10mM重炭酸アンモニウム水溶液
B=アセトニトリル.
勾配として以下を使用した。
Figure 2021506809
方法HPH_Meth_EXT_C:
方法EXT_Cは、周囲温度にてXBridge C18カラム(一般に、100mm×30mm i.d. 5μm充填径)で行った。溶媒として以下を使用した:
A=アンモニア溶液でpH10に調整した10mM重炭酸アンモニウム水溶液
B=アセトニトリル.
勾配として以下を使用した。
Figure 2021506809
中間体
中間体1:2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン
Figure 2021506809
アセトニトリル(25ml)中、2,6−ジクロロ−4−(クロロメチル)ピリジン(1.076g、5.48mmol、Apollo Scientific Limited)、メタンスルフィン酸ナトリウム(0.841g、8.24mmol、Aldrich)およびヨウ化カリウム(0.185g、1.114mmol、Sigma Aldrich)の溶液を1.5時間加熱還流した。この混合物を冷却し、水(30mL)に注いだ。得られた混合物をDCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥させ、次いで、疎水性フリットに通した。揮発性成分を減圧下で除去し、乾燥させ、生成物2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(1.236mg)をベージュの粉末として得た。
化合物を、DCM(RA 03)を用いてバイアルに移し、ブローダウン装置にて窒素流下で濃縮し、真空下で乾燥させ、2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(1.231g、4.87mmol、収率89%)をベージュの固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) d ppm 3.01(s, 3 H) 4.64(s, 2 H) 7.60(s, 2 H)。LCMS(System B, UV, ESI): Rt = 0.75分, [M+H]+ 240
中間体2:2,6−ジクロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(10mL)中、2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(中間体1の化合物、1.2g、5.00mmol)の撹拌溶液を窒素下に置き、0℃に冷却した。ナトリウムtert−ブトキシド(THF中2M)(6.25mL、12.49mmol、Aldrich)を滴下し、得られた溶液を0℃で2分間撹拌した。この溶液にヨードメタン(0.625mL、10.00mmol、Aldrich)を5分かけて滴下し、この反応混合物を0℃で2時間撹拌した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(7mL)をゆっくり添加することにより急冷し、生成物をEtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機液をブライン(40mL)で洗浄し、疎水性フリットを通して乾燥させ、真空濃縮し、2,6−ジクロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン(1.304g、4.86mmol、収率97%)を黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 1.84(s, 6 H) 2.70(s, 3 H) 7.52(s, 2 H)。LCMS(System B, UV, ESI): Rt = 0.86分, [M+H]+ 268
中間体3:(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
2,6−ジクロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン(中間体2の化合物、1.23g、4.27mmol)、塩酸(S)−3−エチルモルホリン(0.776g、5.12mmol、Ark Pharm)、およびDIPEA(2.2ml、12.60mmol、Fluorochem)に、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(3ml)を加えた。この密封バイアルを加熱し、反応混合物を160℃で19時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、水(2×50mL)、次いで、ブライン(50mL)で洗浄した。有機層を疎水性フリットに通し、真空濃縮した。残渣をFlorisilに予め吸収させ、16CVの、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製した。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(780mg、2.024mmol、収率47.4%)を橙色の油状物として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.95(t, J=7.46 Hz, 3 H) 1.28(t, J=7.21 Hz, 1 H) 1.58(br. s., 1 H) 1.67(dt, J=13.82, 6.79 Hz, 1 H) 1.79(s, 6 H) 1.83 - 1.98(m, 2 H) 2.06(s, 1 H) 3.23(td, J=12.72, 3.67 Hz, 1 H) 3.52 - 3.70(m, 2 H) 3.90 - 4.05(m, 4 H) 4.14(q, J=7.09 Hz, 1 H) 6.75(d, J=3.67 Hz, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.08分, [M+H]+ 347
中間体4:6−クロロ−2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−アミン
Figure 2021506809
窒素下、20℃で撹拌したN,Nジメチルホルムアミド(DMF)(100mL)中、2−ブロモ−6−クロロピリジン−3−アミン(10g、48.2mmol、Combi Blocks)、ヨウ化銅(I)(0.367g、1.928mmol、Loba Chem)およびトリエチルアミン(55.8mL、400mmol、RCP)の溶液を、30分間アルゴンで脱気した後、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.677g、0.964mmol、Alfa)、およびエチニルトリメチルシラン(14.20g、145mmol、Avra)を加えた。この反応混合物を80℃で1時間撹拌した。この混合物を水で希釈し、EtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。有機相を濾過し、真空濃縮して粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルに予め吸収させ、シリカゲルでの順相カラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を石油エーテル中20%の酢酸エチルで溶出させ、対応する純粋な画分を真空濃縮し、6−クロロ−2((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−アミン(5g、20.93mmol、収率43.4%)を黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 0.26(s, 9 H) 5.66(s, 2 H) 7.16(s, 2 H). Rt = 2.58分, [M+H]+ 225[取得法の条件:RND−FA−4−MIN
カラム:Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7um)
移動相:A:ACN中0.1%ギ酸
B:水中0.1%ギ酸;
時間(分)/%B:0/97、0.4/97、2.5/2、3.4/2、3.5/97、4.0/97
カラム温度:35℃、流速:0.6mL/分]
中間体5:5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
Figure 2021506809
室温で、N−メチルモルホリン(25mL、Aldrich) H)中、カリウムtert−ブトキシド(4.47g、39.8mmol、Avra)の撹拌溶液に、N−メチルモルホリン(25mL)中、6−クロロ−2−((トリメチルシリル)エチニル)ピリジン−3−アミン(中間体4の化合物、7g、31.1mmol)を加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。
この反応混合物を水(200mL)で希釈し、EtOAc(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。この反応混合物を濾過し、真空濃縮して粗生成物を得た。
粗生成物をシリカゲルに予め吸収させ、シリカゲルでの順相カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的生成物を石油エーテル中20%の酢酸エチルで溶出させ、対応する純粋な画分を真空濃縮し、5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(3.5g、17.94mmol、収率57.6%)を褐色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 6.71(br. s., 1 H) 7.14(d, J=8.55 Hz, 1 H) 7.46(t, J=2.96 Hz, 1 H) 7.64(d, J=8.55 Hz, 1 H). Rt = 1.74分, [M+H]+ 153[取得法の条件:RND−FA−4−MIN
カラム:Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7um)
移動相:A:ACN中0.1%ギ酸
B:水中0.1%ギ酸;
時間(分)/%B:0/97、0.4/97、2.5/2、3.4/2、3.5/97、4.0/97
カラム温度:35℃、流速:0.6mL/分]
中間体6:5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
Figure 2021506809
ジクロロメタン(DCM)(50mL)中、5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(中間体5の化合物、5g、28.1mmol)およびDMAP(0.343g、2.81mmol、Avra)の撹拌溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(4.71mL、36.5mmol、Avra)およびTEA(6.26mL、44.9mmol、Advent)を加えた。この反応混合物を窒素下、室温で3時間撹拌した。
完了後、反応混合物を水(200ml)で希釈し、DCM(250ml×2)で抽出した。合わせた有機層を濃縮して褐色のゴム状化合物を得た。この粗生成物をシリカゲルに予め吸収させ、シリカゲルでの順相カラムクロマトグラフィーにより精製した。目的生成物を石油エーテル中30%のEtOAcで溶出させ、回収した対応する純粋な画分を真空濃縮し、5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(5g、16.47mmol、収率58.6%)を黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 6.81(d, J=3.73 Hz, 1 H) 7.23 - 7.28(m, 1 H) 7.45 - 7.52(m, 2 H) 7.55 - 7.63(m, 1 H) 7.80(d, J=3.73 Hz, 1 H) 7.84 - 7.91(m, 2 H) 8.22(d, J=8.55 Hz, 1 H). Rt = 2.48分, [M+H]+ 293[取得法の条件:RND−FA−4−MIN
カラム:Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7um)
移動相:A:ACN中0.1%ギ酸
B:水中0.1%ギ酸;
時間(分)/%B:0/97、0.4/97、2.5/2、3.4/2、3.5/97、4.0/97
カラム温度:35℃、流速:0.6mL/分]
中間体7:5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルバルデヒド
Figure 2021506809
LDA(THF中2M)(13.17mL、26.3mmol、Hychem)の溶液を、−78℃で、テトラヒドロフラン(THF)(50mL)中、5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(中間体6の化合物、5g、16.47mmol)の溶液に滴下し、この反応混合物をアルゴン下で1時間撹拌した。この反応混合物に−78℃でN,N−ジメチルホルムアミド(2.55mL、32.9mmol、Chemlabs)を滴下し、反応混合物を−78℃で40分間撹拌した。
この反応混合物を温度−78℃に維持しながら飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)で急冷した。この反応混合物を室温とし、水(150mL)で希釈し、EtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン溶液(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して粗生成物を得た。
粗生成物をDCM(100mL)で希釈し、シリカゲルに予め吸収させ、順相クロマトグラフィーにより精製した。生成物を石油エーテル中30%のEtOAで溶出させた。回収した画分を真空濃縮し、5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルバルデヒド(4g、9.63mmol、収率58.5%)を淡黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 6.50(br. s., 1 H) 7.41(d, J=8.77 Hz, 1 H) 7.59 - 7.67(m, 2 H) 7.73 - 7.80(m, 1 H) 7.95(br. s., 2 H) 8.43(d, J=8.11 Hz, 1 H). Rt = 2.50分, [M+H]+ 321[取得法の条件:RND−FA−4−MIN
カラム:Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7um)
移動相:A:ACN中0.1%ギ酸
B:水中0.1%ギ酸;
時間(分)/%B:0/97、0.4/97、2.5/2、3.4/2、3.5/97、4.0/97
カラム温度:35℃、流速:0.6mL/分]
中間体8:((5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(40mL)中、5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルバルデヒド(中間体7の化合物、4g、9.63mmol)の溶液を、酢酸(1.103mL、19.27mmol、Chemtabs)中、メタンアミン(9.63mL、19.27mmol、Hychem)の溶液で処理し、この反応混合物を窒素下、室温で2.5時間撹拌した。さらなるメタンアミン(9.63mL、19.27mmol)を追加し、この反応混合物を室温でさらに2.5時間撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(4.08g、19.27mmol)を加え、この反応混合物を室温で15時間撹拌した。0.5M水酸化ナトリウム(60mL、30.0mmol)を加え、得られた混合物を室温で7時間撹拌した。Boc無水物(5.26mL、22.64mmol)を加え、この反応混合物を2時間撹拌した。
この混合物を水(150mL)で希釈し、DCM(2×200ml)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空濃縮して粗生成物を得た。
この粗物質を10〜15%EtOAc:ヘキサンで溶出する順相カラムクロマトグラフィーにより精製し、((5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.7g、3.24mmol、収率33.6%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 2.91(s, 3 H) 4.82(s, 2 H) 6.50(br. s., 1 H) 7.41(d, J=8.77 Hz, 1 H) 7.60 - 7.68(m, 2 H) 7.71 - 7.82(m, 1 H) 7.95(br. s., 2 H) 8.43(d, J=8.11 Hz, 1 H). Rt = 2.79分, [M+H]+ 436[取得法の条件:RND−FA−4−MIN
カラム:Acquity BEH C18(50mm×2.1mm、1.7um)
移動相:A:ACN中0.1%ギ酸
B:水中0.1%ギ酸;
時間(分)/%B:0/97、0.4/97、2.5/2、3.4/2、3.5/97、4.0/97
カラム温度:35℃、流速:0.6mL/分]
中間体9:メチル((1−(フェニルスルホニル)−5−(トリメチルスタンニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
((5−クロロ−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(中間体8の化合物、1g、2.294mmol)、PdCl2(dppf)(0.084g、0.115mmol、Manchester Organics)および1,1,1,2,2,2−ヘキサメチルジスタンナン(0.85mL、4.10mmol、Sigma Aldrich)をトルエン(8mL)に溶解させ、得られた混合物を窒素流下で脱気し、2時間110℃に加熱した。この反応混合物を放冷し、シクロヘキサン(200mL)、1:1 TBME:シクロヘキサン(500mL)および2:1 TBME:シクロヘキサン(200mL)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(KPNH、110g)により精製した。適当な画分を合わせ、窒素下で真空濃縮し、メチル((1−(フェニルスルホニル)−5−(トリメチルスタンニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.188g、1.832mmol、収率80%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.24 - 0.49(m, 9 H) 1.32 - 1.64(m, 9 H) 2.92 - 3.03(m, 3 H) 4.80 - 4.98(m, 2 H) 6.71(s, 1 H) 7.36(br. s., 1 H) 7.41 - 7.52(m, 2 H) 7.54 - 7.62(m, 1 H) 7.81(d, J=12.96 Hz, 2 H) 8.24(br. s., 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.00分, [M+H]+ 566
中間体10:(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(中間体3の化合物、630mg、1.635mmol)、塩化リチウム(71mg、1.675mmol、Aldrich)およびPdCl2(dppf)(123mg、0.168mmol、Manchester Organics)をトルエン(15mL)中で合わせた。メチル((1−(フェニルスルホニル)−5−(トリメチルスタンニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(中間体9、1110mg、1.711mmol)を加え、この混合物を窒素流下で脱気し、100℃で15時間加熱した。さらなるPdCl2(dppf)(123mg、0.168mmol)および塩化リチウム(71mg、1.675mmol)を追加し、この混合物を窒素流下で脱気し、100Cで4時間加熱した。
残渣をセライト(10g)で濾過し、酢酸エチル(2×30mL)で溶出させた。濾液を1M KF溶液(2×60mL)、ブライン(60mL)で洗浄し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素下で濃縮した。この混合物をFlorisilに予め吸収させ、16CVの、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチルで溶出し、次いで、1CVの、シクロヘキサン中70%の酢酸エチルで保持し、次いで、3CVの、シクロヘキサン中70〜100%の酢酸エチルで溶出し、次いで、3CVの100%酢酸エチルで保持する順相クロマトグラフィー(シリカ、120g)により精製した。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(790mg、0.910mmol、収率55.7%)を褐色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.00(t, J=7.46 Hz, 3 H) 1.36 - 1.62(m, 9 H) 1.63 - 1.76(m, 1 H) 1.85 - 2.02(m, 7 H) 2.65(s, 3 H) 2.93 - 3.07(m, 3 H) 3.33(td, J=12.59, 3.67 Hz, 1 H) 3.61 - 3.79(m, 2 H) 3.93 - 4.10(m, 3 H) 4.79 - 5.02(m, 2 H) 6.76(br. s., 1 H) 7.00(s, 1 H) 7.48(br. s., 3 H) 7.55 - 7.66(m, 1 H) 7.81(br. s., 2 H) 8.02(br. s., 1 H) 8.36(d, J=8.56 Hz, 1 H) 8.51(d, J=5.14 Hz, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.45分, [M+H]+ 712
中間体11:メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)中、プロパ−2−イン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(1g、6.44mmol、Sigma Aldrich)にNaH(鉱油中60%分散物)(0.387g、9.67mmol、Sigma Aldrich)を加え、この混合物を0℃で15分間撹拌した後、MeI(0.806mL、12.89mmol、Sigma Aldrich)を加え、得られた混合物を0Cで16時間撹拌した。この反応混合物を水[注意](40mL)、EtOAC(40mL)で希釈し、水性液を酢酸エチル(40mL)で抽出し、合わせた有機液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(40mL)で洗浄し、疎水性フリットで濾過し、真空濃縮し、メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(1.033g、5.49mmol、収率85%)を黄色油状物として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.46(s, 9 H), 2.14 - 2.28(m, 1 H), 2.90(d, J=1.5 Hz, 2 H), 4.03(br s, 2 H)。LCMS 発色団無し
中間体12:(3−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−イン−1−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
密封バイアルにて、メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(612mg、3.62mmol、中間体11)、2−ブロモ−6−クロロピリジン−3−アミン(500mg、2.410mmol、Fluorochem)、ヨウ化銅I(51mg、0.268mmol、Sigma)、PdCl2(dppf)(148mg、0.202mmol、Manchester Organics)およびTEA(0.504mL、3.62mmol、Sigma)の混合物を脱気し(パージし、窒素を充填×3)、その後、無水テトラヒドロフラン(THF)(10mL)を加えた。この懸濁液を、2分間、窒素をバブリングさせることにより脱気した。この反応混合物を17時間70℃に加熱した。この反応混合物を、酢酸エチル(30mL)および水(10mL)で溶出する2.5gセライトSPEで濾過した。この反応混合物を水(20mL)で希釈し、水性液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機液をブライン(20mL)で洗浄し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素下で真空濃縮し、(3−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−イン−1−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.074g、2.360mmol、収率98%)を褐色油状物として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.45 - 1.56(m, 12 H) 3.00(s, 3 H) 4.34(s, 2 H) 6.96 - 7.13(m, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI) Rt = 1.08分, [M+H]+ 240, 242
中間体13:((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
KOtBu(0.344g、3.07mmol、Sigma Aldrich)を、(3−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−イン−1−イル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.0741g、2.361mmol、中間体12の化合物)に加え、この混合物を脱気し(パージし/窒素を充填×3)、その後、4−メチルモルホリン(5.0ml、45.5mmol、Sigma Aldrich)を加えた。この混合物に音波処理を施した後、21℃で3時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(30mL)と水(30mL)とで分液し、水性液を酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、合わせた有機液をブライン(40mL)で洗浄し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素下で真空濃縮した。粗物質をfluorisilにドライロードし、シクロヘキサン中0〜100%の酢酸エチルで溶出するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(526mg、1.672mmol、収率70.8%)を褐色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.51(s, 9 H), 2.91(s, 3 H), 4.46(br s, 2 H), 6.51(d, J=1.5 Hz, 1 H), 7.09(d, J=8.3 Hz, 1 H), 7.57(dd, J=8.4, 0.9 Hz, 1 H), 9.30(br s, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.03分, [M+H]+ 296, 298。
中間体14:(S)−3−エチル−4−(4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(トリメチルスタンニル)ピリジン−2−イル)モルホリン
Figure 2021506809
(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(500mg、1.355mmol、中間体3の化合物)、PdCl2(dppf)(59mg、0.081mmol、Sigma Aldrich)および1,1,1,2,2,2−ヘキサメチルジスタンナン(0.506mL、2.439mmol、Sigma Aldrich)をトルエン(8mL)に溶解させ、得られた混合物を窒素流下で脱気し、4時間110℃に加熱した。
この反応混合物を放冷し、シクロヘキサン(200mL)、1:1 TBME:シクロヘキサン(500mL)および100%TBME:シクロヘキサン(300mL)で溶出するフラッシュクロマトグラフィー(KPNH、55g)により精製した。適当な画分を合わせ、窒素下で真空濃縮し、(S)−3−エチル−4−(4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(トリメチルスタンニル)ピリジン−2−イル)モルホリン(0.5004g、0.990mmol、収率73.0%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.32(s, 9 H) 0.95(t, J=7.46 Hz, 3 H) 1.52 - 1.67(m, 1 H) 1.81(s, 6 H) 1.84 - 1.97(m, 1 H) 2.60(s, 3 H) 3.21(td, J=12.53, 3.79 Hz, 1 H) 3.59 - 3.74(m, 3 H) 3.93 - 4.07(m, 3 H) 4.10 - 4.21(m, 1 H) 6.71(d, J=1.22 Hz, 1 H) 6.92(d, J=1.22 Hz, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.67分, [M+H+] 477。
中間体15:(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(100mg、0.318mmol、中間体13)、塩化リチウム(14.15mg、0.334mmol、Aldrich)およびPdCl2(dppf)(23.26mg、0.032mmol、Manchester Organics)をトルエン(3mL)中で合わせた。(S)−3−エチル−4−(4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(トリメチルスタンニル)ピリジン−2−イル)モルホリン(169mg、0.334mmol、中間体14の化合物)を加え、この混合物を窒素流下で脱気し、100℃で3時間加熱した。さらなるPdCl2(dppf)(23.26mg、0.032mmol、Manchester Organics)および塩化リチウム(14.15mg、0.334mmol、Aldrich)を加え、この反応混合物を、2分間、窒素をバブリングさせることにより脱気し、合計23時間、100℃に再加熱した。残渣を、酢酸エチル(30mL)で溶出するセライト(2.5g)で濾過した。濾液を1M KF溶液(2×40mL)、ブライン(40mL)で洗浄し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素下で濃縮した。この混合物をFlorisilに予め吸収させ、14CVの、シクロヘキサン中0〜100%の酢酸エチルで溶出する順相クロマトグラフィーにより精製したところ、分離は達成されなかった。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、DCM中でロードし、6CVの、シクロヘキサン中70〜100%の酢酸エチルで溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。この場合にも分離は達成されなかった。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、粗(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(114mg、0.158mmol、収率49.6%)を橙色の油状物として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.84分, [M+H]+ 572
中間体2から中間体3と同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
中間体1から中間体3と同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
中間体21:(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(エチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン
Figure 2021506809
無水テトラヒドロフラン(THF)(1mL)中、(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(中間体16の化合物、100mg、0.300mmol)の溶液を0℃に冷却し、窒素下に置いた。水素化ナトリウム(14.42mg、0.601mmol、Aldric H)を加え、この反応混合物を0℃で15分間撹拌した。ヨウ化メチル(0.038mL、0.601mmol、Aldrich)を加え、反応物を室温で2時間撹拌した。THF中1Mのカリウムtert−ブトキシド(0.601mL、0.601mmol、Aldrich)を加え、得られた溶液を室温で6時間撹拌した後、一晩静置した。ヨウ化メチル(0.038mL、0.601mmol、Aldrich)およびさらなるTHF中1Mのカリウムtert−ブトキシド(0.3mL、Aldrich)を追加し、この溶液を2時間撹拌した。さらなるヨウ化メチル(0.02mL、Aldrich)を追加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。さらなるTHF中1Mのカリウムtert−ブトキシド(0.3mL、Aldrich)およびヨウ化メチル(0.02mL、Aldrich)を追加し、この溶液を室温で一晩撹拌した。反応物を飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)の添加により急冷した。この混合物を酢酸エチル(15mL)で希釈し、水(2×15mL)、次いで、ブライン(15mL)で洗浄した。有機層を真空濃縮し、1:1 DMSO:MeOH(1mL)に溶解させ、高pH MDAPにより精製した。画分を濃縮し、(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(エチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(39.7mg、0.114mmol、収率38.1%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.23 - 1.36(m, 6 H) 1.80(s, 6 H) 2.68 - 2.83(m, 2 H) 3.24(td, J=12.72, 3.91 Hz, 1 H) 3.61(td, J=11.86, 3.18 Hz, 1 H) 3.71 - 3.85(m, 2 H) 3.90(dd, J=13.20, 2.69 Hz, 1 H) 4.03(dd, J=11.49, 3.91 Hz, 1 H) 4.23 - 4.32(m, 1 H) 6.77(dd, J=6.97, 1.10 Hz, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.08分, [M+H]+ 347
中間体22:2,6−ジクロロ−4−((シクロプロピルスルホニル)メチル)ピリジン
Figure 2021506809
無水アセトニトリル(5mL)中、2,6−ジクロロ−4−(クロロメチル)ピリジン(200mg、1.018mmol、Apollo Scientific)、シクロプロパンスルフィン酸ナトリウム(196mg、1.527mmol、Fluorochem)およびヨウ化カリウム(33.8mg、0.204mmol、Aldrich)の溶液を窒素下で2.5時間、還流撹拌した。この溶液を室温に冷却し、水(10mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。有機層を濃縮して残渣を得、これをFlorisilに予め吸収させ、シクロヘキサン中0〜75%の酢酸エチルで溶出する順相クロマトグラフィーにより精製した。画分を濃縮して白色固体2,6−ジクロロ4((シクロプロピルスルホニル)メチル)ピリジン(195mg、0.733mmol、収率72.0%)を得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 0.91(dd, J=4.52, 2.81 Hz, 2 H) 1.02(dd, J=7.95, 2.57 Hz, 2 H) 2.68 - 2.80(m, 1 H) 4.72(s, 2 H) 7.63(s, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.86分, [M+H]+ 266
中間体23:2,6−ジクロロ−4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン
Figure 2021506809
無水テトラヒドロフラン(THF)(1mL)中、2,6−ジクロロ−4−((シクロプロピルスルホニル)メチル)ピリジン(中間体22の化合物、195mg、0.733mmol)の撹拌溶液を窒素で3回パージし、0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(200mg、1.782mmol、Aldrich)を加え、この溶液を15分間撹拌した後、ヨードメタン(0.1mL、1.599mmol、Aldrich)を滴下した。この反応混合物を窒素下、0℃で1.5時間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)の添加により急冷した。
この混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2×20mL)、次いで、ブライン(20mL)で洗浄した。有機層を真空濃縮し、白色固体2,6−ジクロロ−4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン(197mg、0.670mmol、収率91%)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.93 - 1.05(m, 2 H) 1.05 - 1.16(m, 2 H) 1.87(s, 6 H) 2.08 - 2.21(m, 1 H) 7.54(s, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.99分, [M+H]+ 294
中間体24:(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン
Figure 2021506809
密封マイクロ波バイアルにて、2,6−ジクロロ−4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン、(中間体23の化合物、96mg、0.326mmol)、(S)−3−メチルモルホリン(0.044mL、0.392mmol)、およびDIPEA(0.171mL、0.979mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO)(0.3mL)中で合わせ、得られた混合物を135℃で40時間撹拌した。この溶液を室温に冷却し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2×15mL)、次いで、ブライン(20mL)で洗浄した。有機層をジエチルエーテル(10mL)中で摩砕した後、真空濃縮し、褐色ゴム質(S)−4−(6−クロロ−4−(2−(シクロプロピルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(116.6mg、0.260mmol、収率80%)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.94(dd, J=8.07, 2.45 Hz, 2 H) 1.09(td, J=4.71, 2.81 Hz, 2 H) 1.58(s, 3 H) 1.82(s, 6 H) 2.09 - 2.18(m, 1 H) 3.19 - 3.32(m, 1 H) 3.61(td, J=11.86, 3.18 Hz, 1 H) 3.71 - 3.83(m, 2 H) 3.89(dd, J=13.08, 2.81 Hz, 1 H) 4.02(dd, J=11.37, 3.79 Hz, 1 H) 4.23 - 4.35(m, 1 H) 6.73 - 6.85(m, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.09分, [M+H]+ 359
同様に製造されたものは以下の通りであった。
Figure 2021506809
中間体27:(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(シクロプロピルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン
Figure 2021506809
(S)−4−(6−クロロ−4−((シクロプロピルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(中間体22の化合物、100mg、0.290mmol)、1,2−ジブロモエタン(0.037mL、0.435mmol、Aldrich)、臭化テトラブチルアンモニウム(18.70mg、0.058mmol、Aldrich)および水酸化ナトリウム(116mg、2.90mmol、Alfa Aesar)を密封マイクロ波バイアルに入れ、トルエン(5.800mL)に溶解させた。この反応混合物を60℃で17時間、および110℃でさらに5時間撹拌した。この反応混合物を放冷し、揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これをEtOAc(40mL)と水(20mL)および飽和塩化アンモニウム溶液(12mL)の混合物とで分液した。層を分離し、有機相をブライン(20mL)で洗浄し、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮した。残渣を水に再溶解させ、pH14まで塩基性化し、EtOAcで再抽出した。有機層を疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮し、真空炉で乾燥させ、(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(シクロプロピルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(75.6mg、0.204mmol、収率70.3%)を得た。
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.89 - 1.03(m, 3 H) 1.04 - 1.14(m, 2 H) 1.22 - 1.31(m, 2 H) 1.59 - 1.75(m, 2 H) 1.76 - 1.82(m, 2 H) 1.82 - 1.96(m, 2 H) 2.31(tt, J=7.98, 4.86 Hz, 1 H) 3.24(td, J=12.65, 3.79 Hz, 1 H) 3.54 - 3.70(m, 2 H) 3.89 - 4.07(m, 4 H) 6.75(s, 2 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.19分, [M+H]+ 371
中間体28:2,6−ジクロロ−4−(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)ピリジン
Figure 2021506809
無水テトラヒドロフラン(THF)(15mL)中、2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(中間体1の化合物、295mg、1.229mmol)の溶液に、0℃でLHMDS(THF中1M、Aldrich)(2.457mL、2.457mmol)を加え、得られた混合物を5分間撹拌した。N−フルオロベンゼンスルホンイミド(852mg、2.70mmol、Apollo scientific)を加え、この溶液を0℃で1時間撹拌した。この混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、水(2×20mL)、次いで、ブライン(20mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、残渣を、ギ酸で改質した水中30〜70%のアセトニトリルで溶出する逆相C18を用いて精製した。目的の画分を真空濃縮し、2,6−ジクロロ−4−(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)ピリジン(166mg、0.601mmol、収率48.9%)を白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 3.21(t, J=0.98 Hz, 3 H) 7.57(s, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.02分, [M+H]+ 276
中間体29:(S)−4−(6−クロロ−4−(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン
Figure 2021506809
クリンプキャップ式マイクロ波バイアルにて、窒素下、無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(0.8mL)中、2,6−ジクロロ−4−(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)ピリジン(中間体28の化合物、80mg、0.290mmol)および(S)−3−メチルモルホリン(0.036mL、0.319mmol、Fluorochem)の撹拌溶液をDIPEA(0.152mL、0.869mmol)で処理した。得られた無色の溶液を130℃で4時間加熱した。得られた溶液を酢酸エチル(30mL)と水(50mL)とで分液した。有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、次いで、疎水性フリットに通し、真空濃縮した。この反応混合物をDMSO:メタノール(約1mL)に溶解させ、MDAPにより精製した。適当な画分を合わせ、真空濃縮し、(S)−4−(6−クロロ−4(ジフルオロ(メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(58.4mg、0.171mmol、収率59.1%)を灰白色の結晶性固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 1.31(d, J=6.85 Hz, 3 H) 3.28(td, J=12.72, 3.91 Hz, 1 H) 3.60(td, J=11.86, 3.18 Hz, 1 H) 3.71 - 3.87(m, 2 H) 3.93(dd, J=13.33, 2.81 Hz, 1 H) 4.03(dd, J=11.49, 3.91 Hz, 1 H) 4.24 - 4.35(m, 1 H) 6.65(s, 1 H) 6.84(s, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.13分, [M+H]+ 341
中間体30:(S)−4−(6−クロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
ジメチルスルホキシド(DMSO)(1.32mL)中、2,6−ジクロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(500mg、2.082mmol、中間体1の化合物)および(S)−3−エチルモルホリン塩酸塩(588mg、3.12mmol、Ark Pharm)の溶液に、DIPEA(1.091mL、6.25mmol、Aldrich)を加え、この反応混合物を130℃で24時間撹拌した後、室温で66時間静置した。この反応混合物にさらなる(S)−3−エチルモルホリン塩酸塩(250mg、1.33mmol)およびDIPEA(0.463mL、2.66mmol)を追加し、この反応混合物を130℃でさらに18時間撹拌した。この反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(2×40mL)で抽出した。合わせた有機液をブラインで洗浄し、次いで、疎水性フリットに通し、減圧下で濃縮した。残渣をDCMに再溶解させ、35分かけてシクロヘキサン中0〜65%のEtOAcで溶出するシリカゲルでの精製のためにFlorisilに吸収させた。目的生成物を含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮し、真空炉で乾燥させ、(S)−4−(6−クロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(209.9mg、0.658mmol、収率31.6%)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm: 0.87 - 1.00(m, 3 H) 1.63 - 1.75(m, 1 H) 1.82 - 1.97(m, 1 H) 2.86(s, 3 H) 3.25(td, J=12.78, 3.79 Hz, 1 H) 3.53 - 3.69(m, 2 H) 3.91 - 4.04(m, 4 H) 4.08 - 4.13(m, 2 H) 6.50(s, 1 H, ピリジン C H) 6.58(s, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.00分, [M+H]+ 319
中間体31:(S)−4−(6−クロロ−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
(S)−4−(6−クロロ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(208mg、0.652mmol、中間体30の化合物)、1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(0.123mL、0.979mmol、Aldrich)、臭化テトラブチルアンモニウム(42.1mg、0.130mmol、Aldrich)および水酸化ナトリウム(261mg、6.52mmol、Alfa Aesar)をマイクロ波バイアルに入れ、トルエン(13mL)に溶解させた。
このバイアルを密封し、この反応混合物を90℃で2時間、次いで、110℃で17時間撹拌した。この反応混合物を放冷した後、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(40mL)と水(40mL)とで分液した。有機相をブライン(40mL)で洗浄し、疎水性フリットに通した後、減圧下で濃縮し、窒素流下で乾燥させ、(S)−4−(6−クロロ−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(235.8mg、0.546mmol、収率84%)を褐色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm: 0.94(t, J=7.58 Hz, 3 H) 1.62 - 1.72(m, 1 H) 1.83 - 1.98(m, 1 H) 2.33(d, J=13.94 Hz, 2 H) 2.55 - 2.64(m, 5 H) 3.17 - 3.29(m, 1 H) 3.42(d, J=13.45 Hz, 2 H) 3.55 - 3.70(m, 2 H) 3.90 - 4.09(m, 6 H) 6.55 - 6.69(m, 2 H)。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.04分, [M+H]+ 389
中間体(Intemediate)32:1−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンスルホンアミド
Figure 2021506809
窒素下、−15℃で、テトラヒドロフラン(THF)(10mL)中、N,N−ジメチルメタンスルホンアミド(1013mg、8.22mmol、Flourochem)の溶液に、n−ブチルリチウム(3.5mL、8.75mmol、SigmaAldrich)を加えた。5mLのTHF中、2,4,6−トリクロロピリジン(500mg、2.74mmol、SigmaAldrich)を滴下し、この反応混合物を室温まで温め、2時間撹拌した。反応混合物を15mLの飽和塩化アンモニウム溶液で急冷し、16時間静置した。この混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)とEtOAc(100mL)とで分液した。有機層を分離し、疎水性フリットで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(3.5mL)に溶解させ、シクロヘキサン中、0〜60%EtOAの勾配を用いるシリカゲルカラムで溶出させた。目的の画分を減圧下で濃縮し、1−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンスルホンアミド(470mg、0.908mmol、収率33.1%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δppm: 7.34(s, 2 H), 4.11(s, 2 H), 2.89(s, 6 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.92分s, [M+H]+ 267.1
中間体33:(S)−1−(2−クロロ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタン−スルホンアミド
Figure 2021506809
1−(2,6−ジクロロピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタンスルホンアミド(400mg、0.773mmol、中間体32の化合物)、(S)−3−エチルモルホリン(188mg、1.632mmol、Activate Scientific)、およびDIPEA(0.33ml、1.889mmol、SigmaAldrich)に無水ジメチルスルホキシド(DMSO)(1.5ml)を加えた。この反応混合物を130℃で40時間加熱した。この反応混合物を1.5mLの水で希釈した後、ブライン(10mL)とEtOAc(10mL)とで分液した。有機層を分離し、水層をEtOAc(10mL)で逆抽出した。有機層を合わせ、疎水性フリットで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をDCM(1.5mL)に溶解させ、シクロヘキサン中、0〜70%EtOAcの勾配を用いるシリカゲルカラムで溶出させた。回収した画分をLCMSに付し、目的の画分を減圧下で濃縮した。残渣を3mLのDMSOに溶解させ、オープンアクセスMDAP(HPH法Cにより精製した。目的の画分を減圧下で濃縮し、(S)−1−(2−クロロ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ジメチルメタン−スルホンアミドを得た。
1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δppm 0.93(t, J=7.46 Hz, 3 H) 1.58 - 1.72(m, 1 H) 1.80 - 1.94(m, 1 H) 3.21(td, J=12.70, 3.42 Hz, 1 H) 3.56(td, J=12.20, 3.18 Hz, 1 H) 3.62(dd, J=11.49, 2.93 Hz, 1 H) 3.94(dd, J=15.89, 11.74 Hz, 4 H), 4.04(s, 2 H), 6.48(s, 1 H), 6.56(s, 1 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.12分s, [M+H]+ 348
中間体34:2,6−ジクロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン
Figure 2021506809
トルエン(15mL)中、中間体1(3g、12.49mmol)の撹拌溶液に、粉末の水酸化カリウム(3.51g、62.5mmol)および臭化テトラブチルアンモニウム(0.793g、2.461mmol)を加えた。上記の反応混合物に1,2−ジブロモエタン(1.623mL、18.74mmol)を0℃で加え、周囲温度で2時間撹拌した。DCM(50mL)、飽和塩化アンモニウム(10mL)および水(50mL)を加えた。水相をDCM(100mL)で抽出した。総ての有機層を濃縮し、逆相クロマトグラフィーにより精製し、2,6−ジクロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン(1.2g、4.46mmol、収率35.7%)を淡黄色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.93分, [M+H]+ 266
中間体35:(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
ジメチルスルホキシド(DMSO)(700μl)中、中間体34(250mg、0.939mmol)と(S)−3−エチルモルホリン塩酸塩(214mg、1.409mmol、Manchester Organics)の混合物に、DIPEA(450μl、2.58mmol)を加えた。この反応容器を密封し、130℃で64時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(40ml)と飽和塩化アンモニウム溶液(40ml)とで分液した。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×30ml)で抽出した。有機相を合わせ、水(20ml)で洗浄し、ブライン(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。固相(Florisil)に吸収させた粗生成物を、シクロヘキサン中0〜70%の酢酸エチルの溶出勾配を用いるシリカ(80g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(125.2mg、0.363mmol、収率38.6%)を得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.08分, [M+H]+ 345
中間体36:(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン
Figure 2021506809
ジメチルスルホキシド(DMSO)(3500μl)中、中間体34(202mg、0.759mmol)および(S)−3−メチルモルホリン(130μl、1.321mmol、Manchester Organics)に、DIPEA(250μl、1.431mmol)を加えた。この反応混合物を130℃で20.75時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(50ml)と飽和塩化アンモニウム(50ml)とで分液した。水相を酢酸エチル(2×40ml)でさらに抽出した。有機相を合わせ、水(40ml)およびブライン(40ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物をFlorisilに吸収させ、シクロヘキサン中0〜100%の酢酸エチルの溶出勾配を用いるシリカ(40g)でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(6−クロロ−4−(1−(メチルスルホニル)シクロプロピル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(83.5mg、0.252mmol、収率33.3%)を得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.99分, [M+H]+ 331
中間体37:(3−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(20mL)中、2−ブロモ−6−クロロピリジン−3−アミン(1g、4.82mmol、Fluorochem)、2−ブロモ−6−クロロピリジン−3−アミン(1g、4.82mmol、Alfa Aesar)、ヨウ化銅I(0.092g、0.482mmol)、PdCl2(dppf)(0.353g、0.482mmol)およびTEA(1.008mL、7.23mmol)の混合物を窒素流下で10分間脱気した。この反応混合物を16時間70℃に加熱した。この混合物を室温に冷却した。EtOAc(20mL)を加え、得られた混合物をセライト(2.5gカートリッジ)で濾過した。残留固体をさらなるEtOAc(2×20mL)で洗浄した。濾液を回収し、飽和塩化アンモニウム溶液(50mL)、水(50mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これを、シクロヘキサン中0〜100%のEtOAcの溶出勾配を用いるシリカ(120gカートリッジ、Florisilにドライロード)でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−(3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(1.1635g、4.13mmol、収率86%)を橙色の固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.96分, [M+H]+ 282
中間体38:((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
中間体37(1.16g、4.12mmol)をテトラヒドロフラン(THF)(10ml)に溶解させ、KOtBu(0.601g、5.35mmol)を加えた。この反応混合物を室温で17時間撹拌した。この反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)とで分液した。相を分離し、有機相をブライン(20mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これを水(ギ酸改質剤)中20〜80%のアセトニトリルの溶出勾配を用いる逆相クロマトグラフィー(400g C18カートリッジ)により精製し、((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(88mg、0.312mmol、収率7.59%)を橙色の固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.94分, [M+H]+ 282
中間体39:2,6−ジブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン
Figure 2021506809
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(250mL)中、(2,6−ジブロモピリジン−4−イル)メタノール(50.38g、189mmol)およびトリエチルアミン(39.5mL、283mmol)の冷却(氷/水浴)溶液に、5分かけてメシル−Cl(17.65mL、226mmol)を滴下した。この反応混合物を0℃〜5℃で135分間撹拌した。この反応混合物にメタンスルフィン酸ナトリウム塩(28.9g、283mmol)を加え、この反応混合物を窒素下、60Cで90分間および室温で一晩撹拌した。水(350ml)を加え、この混合物を40分間撹拌した。得られたスラリーを濾過した後、真空下で一晩乾燥させ、2,6−ジブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(44.58g、72%)をベージュの固体として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 0.82分, [M+H]+ 328
中間体40:(S)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチル−モルホリン
Figure 2021506809
中間体39 2,6−ジブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(43.55g、132mmol)、(S)−3−エチルモルホリン塩酸塩(26.1g、172mmol、Novachemistry)および2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(168ml、993mmol、Matrix Scientific)の混合物を窒素下で24時間、150Cに加熱した。この反応混合物を放冷した。この反応混合物を飽和塩化アンモニウム(100ml)および水(400ml)で希釈した。この反応混合物を酢酸エチル(500ml)で抽出した。水相を酢酸エチル(100ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空下で除去した。残渣をDCMに溶解させ、750gシリカカートリッジに適用した。これを8CVの、シクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、(S)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチル−モルホリン(53.497g、111%)を黄褐色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.99分, [M+H]+ 365
中間体41:(S)−4−(6−ブロモ−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
トルエン(1500mL)および水(10mL)中、中間体40 (S)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(53.497g、147mmol)、1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(27.8mL、221mmol、Aldrich)および臭化テトラブチルアンモニウム(9.49g、29.5mmol、Aldrich)の溶液に、水酸化ナトリウム(58.9g、1473mmol)を加え、この反応混合物を急速撹拌し、1時間かけて110Cに加熱した。この反応混合物を110Cでさらに1時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(500ml)と水(500ml)とで分離した。水相を、酢酸エチル(400ml)を用いて抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去した。残渣をDCMに溶解させ、1500gシリカカートリッジに適用した。これを、10カラム容量の、シクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配を用いて溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、(S)−4−(6−ブロモ−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(38.467g、60%)を褐色泡沫として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.020分, [M+H]+ 435
中間体42:3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸(S)−メチル
Figure 2021506809
ジメチルスルホキシド(DMSO)(130mL)中、中間体41 (S)−4−(6−ブロモ−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(28.76g、66.4mmol)、3−メトキシ−3−オキソプロパン−1−スルフィン酸ナトリウム(15.02g、86mmol、Aldrich)およびヨウ化銅(I)(16.43g、86mmol)の混合物を窒素下で2時間、110Cに加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(ethy acetate)(600ml)と希アンモニア溶液(700ml)とで分離した。水相を、酢酸エチル(200ml)を用いて抽出した。合わせた有機相をブライン(300ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去した。この残渣にTBME(250ml)を加えた。固体を濾取したが、濾紙上でゴム状となり始めた。この固体を濾液と合わせて溶解させた。これを真空蒸発させ、3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸(S)−メチル(30.59g、91%)を淡褐色固体/ゴムとして得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.83分, [M+H]+ 505
中間体43:(S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(300mL)中、中間体42 (S)−3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸メチル(30.59g、60.6mmol)の溶液に、MeOH中25重量%のナトリウムメトキシド(14.56mL、63.7mmol)を2分かけて滴下した。この反応混合物を室温、窒素下で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去した。残渣をメタノール(300ml)に溶解させ、真空蒸発させた。これを繰り返した。淡黄褐色泡沫をジエチルエーテル(300ml)で処理した後、真空蒸発させ、(S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム(28.39g、106%)を黄褐色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.82分, [M+H]+ 419
中間体44(中間体11の化合物):メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
ジクロロメタン(DCM)(300mL)中、N−メチルプロパ−2−イン−1−アミン(17.6g、255mmol、Aldrich)およびトリエチルアミン(39.0mL、280mmol)の冷却、氷/水浴溶液に、Boc無水物(65.0mL、280mmol、Aldrich)を少量ずつ加えた(発熱)。この反応混合物を室温で18時間撹拌した。この反応混合物に水(100ml)を加え、これを15分間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(100ml)を加え、相を分離した。水相をDCM(200ml)で抽出した。合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去し、メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル
(48.54g、111%)を褐色油状物として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ 4.06(br s, 2 H), 2.93(s, 3 H), 2.23(t, J=2.45 Hz, 1 H), 1.49(s, 9H)。
中間体45(中間体13の化合物):tert−ブチル((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)−カルバマートtert−ブチルメチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバマート
Figure 2021506809
2−ブロモ−6−クロロピリジン−3−アミン(11.15g、53.7mmol、Fluorochem)、中間体44 メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(13.64g、81mmol)、ピロリジン(22.22ml、269mmol)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(1.886g、2.69mmol)の混合物を撹拌し、60Cで7時間加熱したところ、LCMSは主要には環化生成物を示した。この反応混合物を酢酸エチル(250ml)と水(100ml)とで分離した。有機相をブライン(100ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去した。残渣をDCMに溶解させ、330gシリカカートリッジに適用した。これを、30分かけてシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、tert−ブチル((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)−カルバマートtert−ブチルメチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバマート(9.339g)を黄褐色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.03分, [M+H]+ 296
中間体46:((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸(S)−tert−ブチル
Figure 2021506809
中間体45 ((5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(17g、57.5mmol)、中間体43 (S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム塩(27.9g、63.2mmol)、炭酸カリウム(11.92g、86mmol)、酢酸パラジウム(II)(1.290g、5.75mmol)およびトリシクロヘキシルホスフィン(3.22g、11.50mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(110mL)に懸濁/溶解させた。この反応混合物を脱気し(真空/窒素×3)、130℃で3時間加熱した。この反応混合物を放冷し、酢酸エチル(500ml)と水(500ml)とで分離した。水相を酢酸エチル(250ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(250ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去した。残渣をDCMに溶解させ、750gシリカカートリッジに適用した。これを、10カラム容量の、シクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)−テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸(S)−tert−ブチル(27.999g、79%)を褐色泡沫として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.76分, [M+H]+ 614
中間体47:ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
0℃で、ジクロロメタン(DCM)(30mL)中、ビス(2−クロロエチル)アミン塩酸塩(1.01g、5.66mmol、Aldrich)に、二炭酸ジ−tert−ブチル(1.482g、6.79mmol、Aldrich)を加えた。NaOH(水中10%)(2.5mL、6.94mmol)を加え、この反応混合物を0℃で5時間撹拌した。この反応混合物をDCM(5ml)と水(15ml)とで分液した。水相をDCM(30ml)でさらに抽出し、有機相を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸tert−ブチル91.4g、102%)を得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) δ 3.61(br s, 1H), 1.49(s, 1H)
中間体48:(S)−4−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
窒素雰囲気下、0℃で、乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(1500μl)中、中間体40 (S)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(50mg、0.138mmol)に、水素化ナトリウム(13.76mg、0.344mmol)を加えた。この反応混合物を0℃で30分間撹拌した後、中間体47 ビス(2−クロロエチル)カルバミン酸tert−ブチル(50.5μl、0.206mmol)を加え、この反応混合物を室温に温め、この温度で3日間撹拌した。この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液(2mL)を注意深く加えることにより急冷した。得られた混合物をDCM(5mL)で抽出した。揮発性成分を真空で除去し、残渣を、水(ギ酸改質剤)中40〜95%アセトニトリルの溶出勾配を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(38mg、0.071mmol、収率51.8%)を無色の油状物として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.28分, [M+H]+ 532 + 534
中間体49:3−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
Figure 2021506809
中間体39 2,6−ジブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(156mg、0.474mmol)および8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン塩酸塩(100mg、0.668mmol、Fluorochem)を含有する密封バイアルを窒素でフラッシュした。2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(1.300mL、7.71mmol)を加え、この混合物をNガス雰囲気下で7時間170℃に加熱した。この混合物を室温に冷却した。この混合物をEtOAc(50mL)と飽和塩化アンモニウム水溶液(40mL)とで分液した。相を分離し、有機相を水(2×30mL)で洗浄し、疎水性フリットに通した。溶媒を減圧下で除去し、カラムクロマトグラフィーにより精製し、真空濃縮し、3−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(48mg、0.133mmol、収率28.0%)を白色固体として得た。
LCMS(ESI, システムB): Rt = 0.89分, [M+H]+ 361 + 363
中間体50:(R)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−メチル−モルホリン
Figure 2021506809
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(2001μl、11.85mmol)を、中間体39 2,6−ジブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン(250mg、0.760mmol)および(R)−3−メチルモルホリン(100mg、0.988mmol)に加えた。この反応混合物を窒素流下で5分間脱気し、密封し、16時間150℃に加熱した。この反応混合物を冷却し、飽和塩化アンモニウム(ammnonium chloride)水溶液および水で急冷し、酢酸エチルで抽出した(2回)。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空濃縮し、(R)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−メチルモルホリン(140mg、0.381mmol、収率50.1%)化合物を淡褐色固体として得た。LCMS(ESI, システムB): Rt = 0.9分, [M+H]+ 349 + 351
中間体51:3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸(S)−メチル
Figure 2021506809
中間体40 (S)−4−(6−ブロモ−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(500mg、1.376mmol)、ヨウ化銅(I)(0.5g、2.63mmol)および3−メトキシ−3−オキソプロパン−1−スルフィン酸ナトリウム塩(0.500g、2.87mmol、Aldrich)をジメチルスルホキシド(DMSO)(4mL)中に入れ、N2ガス下で20分間脱気した。得られた反応混合物をN2雰囲気下で1時間、110℃に加熱した。この冷却反応混合物にEtOAc(50mL)を加え、有機層を水、飽和NaHCO3水溶液、飽和塩化アンモニウム水溶液(3×50mL 2:2:1)で洗浄した。有機層を合わせ、疎水性フリットで濾過し、真空濃縮して褐色油状物を得た。粗生成物を、EtOAc:シクロヘキサン(60〜100%)で溶出するシリカでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。関連の画分を合わせ、真空濃縮し、(S)−3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸メチル(550mg、1.266mmol、収率92%)を橙色の油状物として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 0.83分, [M+H]+ 435
中間体52:(S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム
Figure 2021506809
無水テトラヒドロフラン(THF)(4mL)中、中間体51 (S)−3−((6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−イル)スルホニル)プロパン酸メチル 中間体49(550mg、1.266mmol)の溶液に、室温で撹拌しながら、ナトリウムメトキシド(メタノール中0.5M)(2.66mL、1.329mmol)を滴下した。この反応混合物を30分間撹拌放置した。この反応混合物にMeOH(5mL)を加えた後、真空濃縮し、(S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−((メチルスルホニル)メチル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム塩(530mg、1.431mmol、収率113%)を橙色の固体として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 0.48分, [M+H]+ 349
中間体53:(S)−2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)イソニコチン酸
Figure 2021506809
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(10ml、59.3mmol、Acros Organics)を、2,6−ジブロモイソニコチン酸(2004mg、7.13mmol、Fluorochem)および(S)−3−エチルモルホリン塩酸塩(1300mg、8.57mmol、Manchester Organics)に加えた。反応混合物を含有するバイアルを密封し、200℃に加熱し、200℃で16時間撹拌した。この反応混合物をDCM(100mL)と2M HClで酸性化した水(150mL)とで分液した。有機層を分離し、DCM(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、疎水性フリットで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、30〜85%アセトニトリル+0.1%ギ酸の勾配を用いる逆相HPLCにより精製した。真空濃縮して(S)−2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)イソニコチン酸(1268mg、4.02mmol、収率56.4%)を褐色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.14分, [M+H]+ 315 + 317
中間体54:(S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタノール
Figure 2021506809
窒素下、0℃で、乾燥テトラヒドロフラン(THF)(12ml)中、中間体53 (S)−2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)イソニコチン酸(1004mg、3.19mmol)に、ボラン−DMS錯体(THF中2M)(3.2ml、6.40mmol、Aldrich)を加えた。この反応混合物を0℃〜室温で18時間撹拌した。この反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(5mL)の滴下により急冷した。この混合物を0℃で1.5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮した。残渣を50mLのEtOAcと50mLの飽和NH4Cl溶液とで分液した。有機層を疎水性フリットで乾燥させ、真空濃縮し、(S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタノール(938mg、3.11mmol、収率98%)を褐色のゴム質として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.02分, [M+H]+ 301 + 303
中間体55:(S)−4−(6−ブロモ−4−(ブロモメチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(10mL)中、中間体54 (S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタノール(505mg、1.677mmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(594mg、2.264mmol)および1−ブロモピロリジン−2,5−ジオン(388mg、2.180mmol)を室温で加え、この混合物を室温で75分間撹拌した。この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液および酢酸エチルで希釈した。有機層を疎水性フリットで乾燥させ、真空濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(6−ブロモ−4−(ブロモメチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(451mg、1.239mmol、収率73.9%)を無色の油状物として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.36分, [M+H]+ 365 + 367
中間体56:3−(((2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メチル)スルホニル)プロパン酸(S)−メチル
Figure 2021506809
中間体55 (S)−4−(6−ブロモ−4−(ブロモメチル)ピリジン−2−イル)−3−エチルモルホリン(354mg、0.972mmol)、3−メトキシ−3−オキソプロパン−1−スルフィン酸ナトリウム(207mg、1.189mmol、Sigma Aldrich)、ヨウ化カリウム(48mg、0.289mmol)、およびアセトニトリル(7mL)をマイクロ波バイアル内で合わせ、これを1.5時間加熱還流した。この反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液(50mL)とEtOAc(50mL)とで分液した。有機層を疎水性フリットで乾燥させ、真空濃縮し、(S)−3−(((2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メチル)スルホニル)プロパン酸メチル(460mg、1.057mmol、収率109%)を淡褐色のゴム質として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.12分, [M+H]+ 435 + 437
中間体57:(S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタンスルフィン酸ナトリウム
Figure 2021506809
テトラヒドロフラン(THF)(5ml)中、中間体56 (S)−3−(((2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メチル)スルホニル)プロパン酸メチル(423mg、0.972mmol)に、ナトリウムメトキシド(2ml、1.000mmol)を滴下した。室温で5分(5mis)後に、この反応混合物を真空濃縮し、(S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタンスルフィン酸ナトリウム塩(443mg、1.193mmol、収率123%)を褐色のゴム質として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 0.7分, [M+H]+ 348 + 350
中間体58:(S)−1−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)メタンスルホンアミド
Figure 2021506809
THF(1mL)中、ヨウ素(79mg、0.311mmol)に、THF(1mL)およびDMSO(0.4mL)中、ビス(4−メトキシベンジル)アミン(305mg、1.185mmol、Manchester Organics)および中間体57 (S)−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)メタンスルフィン酸ナトリウム(88mg、0.237mmol)の溶液を加えた。この反応混合物を室温で20分間撹拌し、5%メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(1.5mL)で急冷し、水(5mL)とEtOAc(5mL)とで分液し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素流下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空濃縮し、(S)−1−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(68mg、0.112mmol、収率47.4%)を淡黄色ゴム質として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.48分, [M+H]+ 604 + 606
中間体59:(S)−4−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−スルホンアミド
Figure 2021506809
トルエン(1.5ml)に懸濁させた1−ブロモ−2−(2−ブロモエトキシ)エタン(0.014ml、0.111mmol、Aldrich)、および臭化テトラブチルアンモニウム(4mg、0.012mmol)および中間体58 (S)−1−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)メタンスルホンアミド(46mg、0.076mmol)を水中、水酸化ナトリウム50%(0.200ml、3.80mmol)で処理した。反応物を室温で4.5時間、次いで、60℃で16時間撹拌した。この反応混合物を酢酸エチル(1.5mL)と水(2mL)とで分液した。有機層を分離し、疎水性フリットで乾燥させ、窒素流下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、真空濃縮し、(S)−4−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−N,N−ビス(4−メトキシベンジル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−スルホンアミド(35mg、0.052mmol、収率68.2%)を淡黄色ゴム質として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.47分, [M+H]+ 674 + 676
中間体57から中間体59と同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
中間体67:((5−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
2,6−ジブロモピリジン−3−アミン(0.50g、1.985mmol、Manchester Organics)、メチル(プロパ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル 中間体11(0.403g、2.382mmol)、ピロリジン(1.641ml、19.85mmol)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.070g、0.099mmol)の混合物を室温、窒素下で5時間、次いで、60Cで18時間撹拌した。溶媒を真空で除去した。残渣をDCMに溶解させ、120gシリカカートリッジに適用した。これを30分かけてシクロヘキサン中0〜100%酢酸エチルの勾配で溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、((5−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(515mg)を褐色油状物として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.0 5分, [M+H]+ 340 + 342
中間体68:3−((2−(((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)スルホニル)プロパン酸メチル
Figure 2021506809
ジメチルスルホキシド(DMSO)(18ml)中、中間体67 ((5−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(1.1912g、3.50mmol)、3−メトキシ−3−オキソプロパン−1−スルフィン酸ナトリウム(1.224g、7.03mmol、Aldrich)およびヨウ化銅(I)(1.34g、7.04mmol)の溶液を窒素流下で10分間脱気した。この反応容器を110℃に加熱し、110℃、窒素下で2時間撹拌した。この反応混合物に酢酸エチル(30ml)を加え、次に、これをセライト(10g)で濾過し、残留固体を酢酸エチル(3×20ml)で洗浄した。濾液を水/飽和塩化アンモニウム水溶液/飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4:1:1 60ml)の混合物、および水(60ml)で洗浄した。水層を酢酸エチル(50ml)でさらに抽出し、有機相を合わせた。有機相を水/飽和塩化アンモニウム水溶液/飽和重炭酸ナトリウム水溶液(4:1:1 60ml)の混合物、および水(60ml)、次いで、ブライン(50ml)でさらに洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、3−((2−(((tertブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−l)スルホニル)−プロパン酸メチル(1380mg、3.35mmol、収率96%)を得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.92分, [M+H]+ 412
中間体69:2−(((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−スルフィン酸ナトリウム
Figure 2021506809
窒素下、テトラヒドロフラン(THF)(5mL)中、中間体68 3−((2−(((tert−ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)スルホニル)プロパン酸メチル 中間体47(1.99g、4.84mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(メタノール中0.5M)(10mL、5.00mmol)を滴下した。この反応混合物を窒素下、室温で2.5時間撹拌した。この反応混合物を減圧下で濃縮し、2−(((tert−ブトキシカルボニル(utoxycarbonyl))(メチル)−アミノ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−スルフィン酸ナトリウム塩(1751.4mg、4.79mmol、収率99%)を得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.60分, [M+H]+ 326
中間体70 経路B:(S)−5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボキシラート
Figure 2021506809
乾燥トルエン(2000μl)中、中間体14 (S)−3−エチル−4−(4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)−6−(トリメチルスタンニル)ピリジン−2−イル)モルホリン(100mg、0.210mmol)、5−クロロ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル(70.9mg、0.316mmol、Activate Scientific)、PdCl2(dppf)(15.40mg、0.021mmol)および塩化リチウム(8.92mg、0.210mmol)の混合物を窒素流下で5分間脱気し、密封し、20時間100℃に加熱した。この反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(3mL)および得られた混合物をシリカカートリッジ(1g)で濾過した。残留固体をEtOAc(2×10mL)およびMeOH(2×5mL)で洗浄した。濾液をフッ化カリウム水溶液(1M、2×20mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル(40mg、0.080mmol、収率38.0%)を無色の固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.93分, [M+H]+ 501
中間体71 経路C;(S)−5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル
Figure 2021506809
中間体43 (S)−6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム(127mg、0.245mmol)、酢酸パラジウム(II)(5.01mg、0.022mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(12.51mg、0.045mmol)、5−ブロモ−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル(60mg、0.223mmol、Advanced Chemblocks)およびK2CO3(46.2mg、0.334mmol)を乾燥1,4−ジオキサン(2500μl)中に入れ、得られた混合物を窒素流下で5分間脱気し、密封し、14時間150℃に加熱した。この反応混合物を冷却し、セライトカートリッジ(2.5g)で濾過し、EtOAc(20mL)で溶出させた。得られた溶液を減圧下で濃縮して残渣を得、これをシクロヘキサン中0〜100%EtOAcの溶出勾配を用いるシリカでのカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル(95mg、0.175mmol、収率79%)を灰白色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.88分, [M+H]+ 543
中間体72 5−ブロモ−2−(((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン
Figure 2021506809
2,6−ジブロモピリジン−3−アミン(2001mg、7.94mmol、Apollo)、tert−ブチルジメチル(プロパ−2−イン−1−イルオキシ)シラン(1627mg、9.55mmol、Aldrich)、ピロリジン(3300μl、39.9mmol)および塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(280mg、0.399mmol)の混合物を密封MWバイアルに入れ、撹拌し、60℃で3時間加熱した。この反応混合物をEtOAc(100mL)と飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)とで分液した。有機層を分離し、疎水性フリットで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(KP−NHおよびシリカ)により精製し、5−ブロモ−2−(((tertブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(623mg、1.825mmol、収率22.98%)を灰白色固体として得た。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 1.39分, [M+H]+ 341 & 343
中間体73 (S)−4−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−((3−メトキシ−3−オキソプロピル)スルホニル)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
3−メトキシ−3−オキソプロパン−1−スルフィン酸ナトリウム(107mg、0.616mmol、Aldrich)、ヨウ化銅(I)(117mg、0.616mmol)、中間体(Intermeduate)48 (S)−4−(2−ブロモ−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(164mg、0.308mmol)をジメチルスルホキシド(DMSO)(2500μl)中に入れ、得られた混合物を窒素流下で5分間脱気し、密封し、2時間110℃に加熱した。この冷却反応混合物にEtOAc(80mL)を加え、得られた混合物を水:飽和塩化アンモニウム:飽和重炭酸ナトリウム(1:1:1、2×90mL)、ブライン(30mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥させた。揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これをカラムクロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−((3−メトキシ−3−オキソプロピル)スルホニル)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(150mg、0.248mmol、収率81%)を得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.08分, [M+H]+ 604
中間体74 (S)−4−(1−(tertブトキシカルボニル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム塩
Figure 2021506809
窒素雰囲気下、周囲温度で、テトラヒドロフラン(THF)(2000μl)中、中間体73 (S)−4−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−((3−メトキシ−3−オキソプロピル)スルホニル)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(150mg、0.248mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(522μl、0.261mmol)を加えた。得られた溶液を20分間撹拌した。
揮発性成分を減圧下で除去し、(S)−4−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム塩(131mg、0.243mmol、収率98%)を灰白色固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 1.08分, [M+H]+ 516 & 518
中間体75 4−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−[2−(ヒドロキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル]ピリジン−4−イル}−4−メタンスルホニルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
Figure 2021506809
乾燥1,4−ジオキサン(1300μl)中、中間体74 (S)−4−(1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)−6−(3−エチルモルホリノ)ピリジン−2−スルフィン酸ナトリウム(65mg、0.120mmol)、中間体73 5−ブロモ−2−(((tertブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン(49.3mg、0.145mmol)、K2CO3(33.3mg、0.241mmol)、酢酸パラジウム(II)(2.70mg、0.012mmol)の混合物を窒素流下で5分間脱気した。得られた混合物を密封し、17時間150℃に加熱した。この混合物を冷却し、EtOAc(3×10mL)で溶出するセライトカートリッジ(2.5g)で濾過した。濾液を回収し、揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これをテトラヒドロフラン(THF)(3000μl):HCl(水溶液)(500μl、1.000mmol)に溶解させ、35分間撹拌した。塩化アンモニウム飽和溶液(3mL)を加え、得られた混合物をDCM(2×10mL)で抽出した。有機相を合わせ、揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これを、水(ギ酸改質剤)中15〜55%アセトニトリルの溶出勾配を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製し、(S)−4−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−(2−(ヒドロキシメチル)−1Hピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(33mg、0.055mmol、収率45.7%)を無色の固体として得た。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.75分, [M+H]+ 600
中間体1から中間体41と同様に製造されたものは以下の通りである。
中間体76:2,6−ジクロロ−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン
Figure 2021506809
Rt = 1.06分, [M+H]+ 310
中間体76から中間体49と同様に製造されたものは以下の通りである。
中間体77:3−[6−クロロ−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル]−8−オキサ−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン
Figure 2021506809
Rt = 0.90分, [M+H]+ 387
実施例
実施例1 [(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン
Figure 2021506809
(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1−(フェニルスルホニル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(中間体10の化合物、770mg、0.887mmol)、THF中2Mのメタンアミン(1.3mL、2.60mmol、Aldrich)および2M水酸化ナトリウム(2.2mL、4.40mmol)を無水テトラヒドロフラン(THF)(4.00mL)および無水メタノール(2mL)中で合わせ、21C、窒素下で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液(20mL)を加え、この反応混合物をDCM(2×20mL)で抽出した。有機層を真空濃縮し、残渣を1,4−ジオキサン(3mL)に再溶解させ、ジオキサン中4MのHCl(3.3mL、13.20mmol)を加え、この反応混合物を21Cで1時間撹拌した。
この混合物を窒素下で真空濃縮した後、メタノール(10mL)に再溶解させ、メタノール(3CV)で溶出するアミノプロピル(NH2)SPE(50g、メタノール(1CV)でプライミング)にロードした。適当な画分を真空濃縮し、560mgの褐色残渣を得た。
残渣を最少量のDCMに取り、フラッシュクロマトグラフィーにより精製した。粗化合物をメタノールに取り、逆相クロマトグラフィーにより精製し、[(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミンを得た。TBMEで摩砕した後、EtOHからの濃縮とドライングピストルでの乾燥を行い、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン(111mg、0.228mmol、収率25.7%)を灰白色固体として得た。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δppm 0.91(t, J=7.5 Hz, 3 H), 1.47 - 1.67(m, 1 H), 1.74 - 1.87(m, 7 H), 2.33(s, 3 H), 2.78(s, 3 H), 3.15(td, J=12.6, 3.7 Hz, 1 H), 3.54(td, J=11.7, 2.9 Hz, 1 H), 3.61(dd, J=11.4, 2.8 Hz, 1 H), 3.84(s, 2 H), 3.92(d, J=11.5 Hz, 1 H), 3.97(br dd, J=11.1, 3.1 Hz, 1 H), 4.11(br d, J=12.0 Hz, 1 H), 4.22(br s, 1 H), 6.48(s, 1 H), 6.85(s, 1 H), 7.74 (d, J=8.6 Hz, 1 H), 7.93(br d, J=1.0 Hz, 1 H), 8.12(d, J=8.6 Hz, 1 H), 11.23(br s, 1 H)。NHMe NHは欠落
13C NMR(101 MHz, DMSO-d6) δppm 11.1(s, 1 C), 19.6(s, 1 C), 21.8(s, 1 C), 21.8(s, 1 C), 34.9(s, 1 C), 35.5(s, 1 C), 40.5(s, 1 C), 48.4(s, 1 C), 52.8(s, 1 C), 63.9(s, 1 C), 66.2(s, 1 C), 67.3(s, 1 C), 100.1(s, 1 C), 105.1(s, 1 C), 107.9(s, 1 C), 113.5(s, 1 C), 118.0(s, 1 C), 129.0(s, 1 C), 143.7(s, 1 C), 146.1(s, 1 C), 148.5(s, 2 C), 155.0(s, 1 C), 157.9(s, 1 C)。
LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.44分, [M+H+] 471.34
この化合物のトリフルオロ酢酸塩もまた、当技術分野において標準的な方法を用いて製造した。
中間体9の化合物および上記中間体から実施例1と同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
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Figure 2021506809
Figure 2021506809
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Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
実施例18 [(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン(経路Bによる実施例1の化合物):
Figure 2021506809
(S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(103mg、0.142mmol、中間体15)を1,4−ジオキサン(1mL)に取り、ジオキサン中4MのHCl(0.4mL、1.600mmol、Sigma Aldrich)を加え、この反応混合物を室温で5.5時間撹拌した。この混合物を真空濃縮した後、最少量のメタノールに再溶解させ、メタノール(3CV)で溶出するアミノプロピル(NH2)SPE(5g、メタノール(1CV)でプライミング)にロードし、溶出液を真空濃縮して褐色/橙色の残渣を得、1:1 meOH:DMSO(1mL)に溶解させ、HpH MDAP拡張法Cにより精製した。適当な画分を真空濃縮し、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン(54.7mg、0.116mmol、収率81%)を黄色固体として得た。
一般スキームIIにより同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
実施例22 経路Cによる(実施例15の化合物):(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン
Figure 2021506809
イソプロパノール(40mL)中、中間体46 (S)−((5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチル(24.55g、40.0mmol)の溶液に、IPA中5〜6NのHCl(44.0mL、220mmol)を加え、この反応混合物を40Cで3時間撹拌した。この反応混合物を真空濃縮した。残渣を酢酸エチル(300ml)と飽和重炭酸ナトリウム溶液(600ml)とで分離した。水相を酢酸エチル(200ml)で抽出した。合わせた有機相をブライン(200ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空で除去した。残渣を酢酸エチルに溶解させ、375g KP−NH2カートリッジに適用した。これを5分間酢酸エチル、5分かけて酢酸エチル中0〜25%エタノール、次いで、10分間酢酸エチル中25%エタノールの勾配で溶出させた。必要な画分を合わせ、真空蒸発させ、(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン(15.56g、76%)を灰白色固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 11.25(br s, 1 H), 8.15(d, J=8.37 Hz, 1 H), 7.90(s, 1 H), 7.77(d, J=8.60 Hz, 1 H), 6.85(s, 1 H), 6.48(s, 1 H), 4.33(br t, J=5.17 Hz, 1H), 4.26(br m, 1 H), 4.18(br d, J=11.81 Hz, 1 H), 3.88-4.03(m, 4 H), 3.84(s, 2 H), 3.50-3.70(m, 2 H), 3.11-3.29(m, 3 H), 2.63-2.80(m, 5 H), 2.25-2.37(m, 5 H), 1.72-1.94(m, 1 H), 1.50-1.67(m, 1 H), 0.90(t, J=7.63 Hz, 3 H)。LCMS(システムA, UV, ESI): Rt = 0.89分, [M+H]+ 514
経路Cにより同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
Figure 2021506809
実施例32:(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(2−メタンスルホニルプロパン−2−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021506809
窒素雰囲気下、−78℃で、乾燥テトラヒドロフラン(THF)(1mL)中、中間体70 (S)−5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸エチル(40mg、0.080mmol)の溶液に、DCM中1MのDIBAL−H(0.176mL、0.176mmol)を加えた。得られた溶液を−78℃で2時間撹拌した。
この混合物を室温に温め、この温度で1時間15分撹拌した。DCM中1MのDIBAL−H(0.080mL、0.080mmol)を加え、得られた混合物を室温で18時間撹拌し、DCM中1MのDIBAL−H(0.050mL、0.050mmol)を加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。DCM中1MのDIBAL−H(0.080mL、0.080mmol)を加え、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。
得られた混合物にロッシェル塩水溶液(10%、3mL)をゆっくり加えた。DCM(5mL)を加え、得られた混合物を20分間激しく撹拌した。相を分離し、水相をさらなるDCM(2×3mL)で抽出した。有機相を合わせ、揮発性成分を減圧下で除去して残渣を得、これを水(ギ酸改質剤)中アセトニトリル5〜50%の溶出勾配を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製し、(S)−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(2−(メチルスルホニル)プロパン−2−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール(22mg、0.048mmol、収率60.0%)を黄色固体として得た。1H NMR(400 MHz, クロロホルム-d) Shift 8.21(d, J=8.56 Hz, 1 H), 7.97(d, J=1.22 Hz, 1 H), 7.77(dd, J=0.73, 8.56 Hz, 1 H), 6.98(d, J=1.47 Hz, 1 H), 6.51-6.73(m, 1 H), 4.93(s, 2 H), 4.10-4.32(m, 3 H), 3.90-4.10(m, 2 H), 3.60-3.82(m, 2 H), 3.33(dt, J=3.67, 12.59 Hz, 1 H), 1.89-2.03(m, 6 H), 1.58-1.76(m, 1 H), 1.00(t, J=7.46 Hz, 3 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.59分, [M+H]+ 458
実施例35と同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
Figure 2021506809
実施例34のギ酸塩もまた、当技術分野において標準的な方法を用いて製造した。
実施例36(5−{6−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール
Figure 2021506809
中間体75 (S)−4−(2−(3−エチルモルホリノ)−6−(2−(ヒドロキシメチル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル)ピリジン−4−イル)−4−(メチルスルホニル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(33mg、0.055mmol)をジクロロメタン(DCM)(1.0mL):TFA(500μl、6.49mmol)に溶解させた。得られた混合物を1時間撹拌した。
揮発性成分を窒素流下で除去し、残渣をDCM中5%のMeOH(10mL)に溶解させた。得られた溶液をK2CO3水溶液(5% 5mL)で洗浄した。相を分離し、水相をさらなるDCM(2×5mL)で抽出した。有機相を合わせ、揮発性成分を減圧下で減少させ、(S)−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)ピペリジン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール(22mg、0.044mmol、収率80%)を無色の固体として得た。1H NMR(400 MHz, DMSO-d6) Shift 11.21-11.48(m, 1 H), 8.16(d, J=8.56 Hz, 1 H), 7.89(s, 1 H), 7.71-7.83(m, 1 H), 6.81-6.85(m, 1 H), 6.47-6.50(m, 1 H), 5.41(t, J=5.62 Hz, 1 H), 4.68(d, J=5.62 Hz, 2 H), 4.13-4.25(m, 2 H), 3.89-4.01(m, 2 H), 3.52-3.66(m, 2 H), 3.15(dt, J=3.55, 12.90 Hz, 1 H), 2.93-3.02(m, 2 H), 2.57-2.71(m, 5 H), 2.33-2.48(m, 2 H), 2.02-2.17(m, 3 H), 1.81(ddd, J=7.46, 8.80, 13.57 Hz, 1 H), 1.50-1.63(m, 1 H), 0.90(t, J=7.46 Hz, 3 H)。LCMS(システムB, UV, ESI): Rt = 0.37分, [M+H]+ 500
経路Cにより同様に製造されたものは以下の通りである。
Figure 2021506809
以下の例も関連の中間体から、上記に示したものと同様の方法によって製造した:
実施例38:[(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(メタンスルホニルメチル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
実施例39:1−(4−{2−[(3S)−3−エチルモルホリン−4−イル]−6−{2−[(メチルアミノ)メチル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−5−イル}ピリジン−4−イル}−4−メタンスルホニルピペリジン−1−イル)エタン−1−オン;
実施例40:({5−[4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)−6−{3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
実施例41:[(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メチル](メチル)アミン;
実施例42:(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(メタンスルホニルメチル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
実施例43:(5−{6−[(3R)−3−エチルモルホリン−4−イル]−4−(4−メタンスルホニルオキサン−4−イル)ピリジン−2−イル}−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)メタノール;
実施例44:({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−{6−オキサ−3−アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン−3−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
実施例45:({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(1,4−オキサゼパン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
実施例46:({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(モルホリン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
実施例47:({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−{3−オキサ−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン−8−イル}ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;
実施例48:({5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−(3−プロピルモルホリン−4−イル)ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン;および
実施例49:{5−[4−(メタンスルホニルメチル)−6−[3−(プロパン−2−イル)モルホリン−4−イル]ピリジン−2−イル]−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル}メチル)(メチル)アミン。
実施例50 実施例15の化合物の多形形態
実施例50
実施例15の化合物(約100mg)を、撹拌子が入ったバイアルへ秤り入れた。100μLのMeOHを加えた。バイアルを46℃に加熱し、16時間撹拌した。スラリーを0.1mLのMeOHで希釈し(スラリーの粘度を下げるため)、濾過し、2×0.1mLのMeOHで洗浄し、1時間吸引乾燥した。
実施例15の化合物のXRPDスペクトルを図1に示す。
生物学的データ
当業者ならば、下記のアッセイには実験変動があることを認識するであろう。したがって、以下に示される値は複数回の実験の平均を表すこと、およびアッセイの実施を繰り返すといくらか異なるpIC50値を生じ得ることが理解されるべきである。
実施例51
mTORに対する試験化合物の親和性は、mTORキノビーズアッセイで測定した。これは、試験化合物の存在下で、ビーズに固定化された捕捉リガンドによって細胞抽出物から内因的に発現された標的タンパク質を捕捉することに基づく競合結合アッセイである。
HuT−78細胞(European Collection of Authenticated Cell Cultures、88041901)を販売者の説明書に従って培養した。凍結細胞ペレットを3×ペレット体積の溶解バッファー(EDTA不含プロテアーゼ阻害剤タブレット(Roche)を添加した50mM Tris−HCl、0.4%(v/v) Igepal−CA630、5%グリセロール、150mM NaCl、1.5mM MgCl、25mM NaF、1mMバナジウム酸ナトリウム、1mM DTT、pH7.5)中でホモジナイズした。このサンプルを、ダウンス型ホモジナイザーを用いて分散させ、回転を4℃で30分間維持し、4℃にて20000gで10分間遠心分離した。上清を再び145000gで1時間遠心分離した。タンパク質濃度をブラッドフォードアッセイ(BioRad)により決定し、アリコートを液体窒素中で急速凍結させ、−80℃で保存した。
捕捉マトリックスは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化したセファロース4ビーズ(GE Healthcare)を官能化配位子化合物Aおよび化合物Cで、配位子密度5mMで誘導体化することにより生成した。残っているNHS基はエタノールアミンで遮断した。
mTORキノビーズアッセイについては、これらのマトリックスを1:1比で合わせ、DPバッファー(50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.4%(v/v)Igepal−CA630、5%(v/v)グリセロール、150mM NaCl、1.5mM MgCl、25mM NaF、1mM NaVO、1mMジチオトレイトール)で平衡化した。mTORキノビーズアッセイの総ての工程は4℃または氷上で行った。細胞溶解液をDPバッファーで終濃度5mg/mlおよび界面活性剤終濃度0.4%(v/v)Igepal−CA630となるように希釈した。このアッセイでは、ウェル当たり250μgの細胞溶解液および2.5μlの捕捉マトリックス(最終アッセイ容量:75μl)を、384ウェルフィルタープレート(MultiScreenHTS HV Filterプレート、0.45μm、MZHVN0W50、Merck Millipore)にて、試験化合物の存在下でインキュベートした。各プレートは、16の陽性(100μM化合物B)および16の陰性(2%v/vDMSO)対照ウェルを含んだ。化合物は、1:3または1:4希釈段階を用いる濃度反応で、合計11のデータ点に関して試験した。DMSO濃度は2%(v/v)であった。4℃でオーバーヘッドシェーカー(Roto−Shake Genie、Scientific Industries Inc.)上、2時間のインキュベーションの後に、ビーズをDPバッファーで洗浄することにより非結合画分を除去した。ビーズ上に保持されたタンパク質は、コレクションプレート(384ウェルポリプロピレンマイクロプレート、V形、Greiner、781 280)のSDSサンプルバッファー(200mM Tris(pH7.4)、250mMトリズマ塩基、4%(w/v)SDS、20%(v/v)グリセロール、0.01%(w/v)ブロモフェノールブルー、50mMジチオトレイトール)中に溶出させた。自動ピンツールリキッドトランスファー(Biomek FX、Beckman)を用い、溶出液をニトロセルロース膜にスポットした(400nl/スポット)。乾燥後、これらの膜を20%(v/v)エタノール中で再水和させ、室温で1時間Odysseyブロッキングバッファー(LICOR、927−40000)とともにインキュベートすることによりブロッキングした。ブロッキングした膜を25℃で一晩、特定の抗mTOR抗体(Cell Signaling、2972;1:500)および0.4%TWEEN−20を添加したOdysseyブロッキングバッファーとともにインキュベートした。次に、これらの膜をPBSTバッファー中で洗浄し、室温で60分間、0.2%TWEEN−20を含有するOdysseyブロッキングバッファー(LICOR 927−40000)で希釈した検出抗体(LI−CORからのIRDye(商標)標識抗体)とともにインキュベートした。次に、これらの膜をPBSTで洗浄し、最後に、残留するTween−20を除去するためにPBSバッファーで2回洗い流した。その後、これらの膜をOdyssey(登録商標)赤外線イメージングシステム(LI−COR Biosciences)でスキャンした。製造者の説明書に従って、蛍光シグナルを記録し、分析した。濃度反応曲線は、ソフトウエアActive Baseで計算した。データは総て、各プレートの16の高(陰性対照)および16の低(陽性対照)対照ウェルの平均に対して正規化した。濃度反応曲線は、式:Y=A+(B−A)/(1+10LogIC50−X*D);式中:Y=反応、A=最小反応(陽性対照)、B=最大反応(陰性対照)、D=勾配係数、x=log(モル化合物濃度)を用いた4パラメーターロジスティックフィットを用いて当てはめた。pIC50値は、IC50値の負の対数である。
実施例の化合物(実施例27の化合物以外)を上記のアッセイで試験したところ、5.4より大きい平均pIC50値を有した。実施例1〜26、28〜37、39、40、45、46および47の化合物の平均pIC50値は6.5〜8.6であった。実施例1、2、4、6、10、13、15、17、19、21、22、23、24、25、28、29、30、31、32、33、34、35、36および37の化合物(Compunds)の平均pIC50値は7.5〜8.6であった。実施例1の平均pIC50値は7.8であり、実施例15の平均pIC50値は8.1であった。
Figure 2021506809
実施例52
ハイスループットリン酸化Akt(ser473)in vitroイムノアッセイ
総AktおよびpAKTser473のレベルを定量するためのMesoScale Discovery(MSD)プラットフォームを用いた、初代ヒト肺線維芽細胞(Lonza Group Ltd、バーゼル、スイス、カタログ番号CC−2512)におけるセリン473でのリン酸化Akt(pAKTs473)に及ぼす試験化合物の影響を測定するためのイムノアッセイ。
ヒト肺線維芽細胞は、製造者のプロトコールに従い、2%ウシ胎仔血清(FBS)、0.1%ヒト線維芽細胞増殖因子(FGF)−B、0.1%インスリン、0.1%GA−100(Lonza Group Ltd、バーゼル、スイス、カタログ番号CC−3132)を添加した線維芽細胞基本培地中、37℃、5%COで慣例通りに維持した。
このアッセイについて、細胞を、実行濃度0.025%のトリプシン/EDTA(Lonza Group Ltd、バーゼル、スイス、カタログ番号CC−5012)を用いて採取し、3×10細胞/mlとなるように再懸濁させ、50ul/ウェルを384ウェルプレート(Greiner Group、クレムスミュンスター、オーストリア、カタログ番号781091)の0.4%FBSを含有する培地に播種し、37℃、5%CO、o/nでインキュベーションを行った。
試験化合物を100%DMSOに溶解させて10mMの保存溶液とし、連続希釈を行って11点濃度反応曲線を作成した。化合物を、0.4%FBSを含有する培地が入った384ウェルV底ポリプロピレンプレート(Greiner Group、クレムスミュンスター、オーストリア、カタログ番号781280)中にさらに500倍希釈して、0.5%DMSO中、50μMの最高化合物濃度とした。
化合物を384ウェルプレートに移して細胞に接触させ(最終0.1%DMSO)、37℃、5%COで1時間インキュベートした後、10ng/ml(最終)の血小板由来増殖因子(PDGF)−BB(R&D Systems、カタログ番号220−BB)で室温にて10分間刺激した。細胞アッセイプレートを氷上でインキュベートし、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤(Thermo Scientific、カタログ番号78444)を含有する溶解バッファー(Cell Signaling Technology、カタログ番号9806)で処理し、次いで、4℃で30分間振盪した。
MSDプレート(MSD、MA6000 384ウェルGARプレート、カタログ番号L21RA−2)を、0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)(Sigma Aldrich、カタログ番号A7906)、0.1%tween−20(Sigma Aldrich、カタログ番号P2287)とともにTBS(MSD、カタログ番号R61TX−1)を含有するブロッキングバッファーでブロッキングし、室温にて振盪しながらウサギ抗ヒトpAkt(s473)ab(Cell Signaling Technology、カタログ番号CST#4060)でコーティングし、次いで、0.1%Tween−20を含有する1×TBS洗浄試薬で洗浄した(3回)。細胞溶解液(30ul)を加え、MSDプレートを4℃、1000rpmにてo/nで遠心分離を行った。
プレートを1×TBS洗浄バッファー(3回)で洗浄した後、ブロッキングバッファー中、マウス抗ヒト全Akt ab(1mg/ml)(Upstate(Milipore)、カタログ番号05−591)を添加し、室温で1時間振盪した。1×TBS洗浄バッファー(3回)で洗浄した後、プレートをヤギ抗マウスSULFO−TAG検出ab(MSD、カタログ番号R32AC−1)(ブロッキングバッファー中1:500)とともに室温で1時間インキュベートした。プレートを1×TBSで洗浄し(3回)、リードバッファー(2×)(MSD、カタログ番号R92TC−1)を加えた後、電気化学発光を検出した(MSD Sector Imager 6000)。
データ分析は、非線形回帰分析を用いて最小反応(+PDGF−BB刺激)および最大反応(PDGF−BB刺激無し)に対する試験化合物の阻害%値を決定して試験化合物のIC50値を求めることにより実施した。
実施例の化合物(実施例39の化合物以外)を上記のアッセイで試験したところ、6を超える平均pIC50値を有した。実施例1〜37、40、47、48および49の化合物の平均pIC50値は6.5〜8.5であった。実施例1、10、15、17、19、23、31、33、34および35の化合物の平均pIC50値は8〜8.6であった。実施例1の平均pIC50値は8.2であり、実施例15の平均pIC50値は8.3であった。
実施例53 ハイスループットI型コラーゲン沈着(scar−in−a−jar)高含量スクリーニングアッセイ
ハイスループット細胞I型コラーゲン沈着は、ヒト組織由来の初代肺線維芽細胞に公開されている方法;scar−in−a−jar(Chen et al.,2009)を採用し、細胞外マトリックス(ECM)に沈着したコラーゲンの蛍光定量を可能とするために高含量分析と組み合わせることによって測定した。ヒト生体サンプルは倫理的に調達し、それらの研究使用は、インフォームド・コンセントに記載されている条件に従った。
試験化合物を100%DMSOに溶解させて10mM(原液)とし、半対数希釈となるようにさらに希釈して11点濃度反応曲線を作成した。1ulを384ウェルプレート(Greiner Group、クレムスミュンスター、オーストリア、カタログ番号Greine 781280r)に移した。
ヒト肺線維芽細胞を37℃、10%COで、4mM L−グルタミン(Gibco カタログ番号25030−024)および10%熱失活FBS(Gibco、カタログ番号10099−141)を添加したDMEM培地(Gibco、カタログ番号21969)中で維持した。細胞を採取し、50mLの培養培地を含むT175細胞培養フラスコ(BD Falcom、カタログ番号353112)に4×10細胞/mlで再懸濁させた。37℃、10%COで4日後に、細胞を採取し、4000細胞/ウェル(50μL/ウェル)で384ウェルプレート(BD Falcon、カタログ番号353962Greiner)のアッセイ培地(0.4%熱失活FBS、4mM L−グルタミン)に播種した。プレートを通気性シール(Sigma、カタログ番号BEM−1)で密封した。アッセイプレートを37℃、10%COで、72時間インキュベートした。
アッセイ培地に、112.5mg/mlのフィコール70(Sigma、カタログ番号F2878)、75mg/mlのフィコール400(Sigma、カタログ番号F4375)および50μg/mlのアスコルビン酸(Sigma、カタログ番号A8960)を添加した。30μLのアッセイ培地を1μlの化合物(1%DMSO中化合物濃度37μM)に加えた。希釈化合物(10μL)を、細胞を含むプレートに移し、37℃、10%COで3時間インキュベートした。トランスフォーミング増殖因子(TGF)−β(R&D systems、カタログ番号100−B/CF)を再構成して10μg/mL(原液)とし、フィコールおよびアスコルビン酸を含有するアッセイ培地でさらに希釈した(1:3333)。TGF−βを細胞プレートに加え(最終1ng/ml)、細胞を37℃、10%COで72時間インキュベートした。
培地を細胞から吸引し、30μL/ウェルの100%氷冷メタノールを加え、室温で5分間インキュベートして細胞を固定した。メタノールを吸引し、細胞をPBSで洗浄した(3回)。遮断および透過化のために、細胞を1%BSAおよび0.1%Triton X 100を含有するPBSとともに20分間インキュベートした後、PBS洗浄を行った(3回)。細胞を、PBSで1:1000希釈したマウス抗ヒトI型コラーゲンモノクローナル抗体(Sigma、カタログ番号C2456)とともに4℃で24時間インキュベートした。細胞を、0.1%Tween−20を含有するPBSで洗浄し(3回)、アレクサ・フルオル488ヤギ抗マウス二次抗体(Invitrogen、カタログ番号A11001、PBS中1:500)およびヘキスト33342(Sigma、カタログ番号H21492)、PBS中1:1000)とともに室温で1時間インキュベートした後、0.1%Tweenを含有するPBSで洗浄した(4回)。
I型コラーゲン免疫反応性は、レーザー焦点および露光を適当なレベルに調整し、DAPIおよびFITCの励起および発光波長に設定したINCell 2000 Analyzer(GE Healthcare、INCell 2000)を用いて検出した。画像をインポートし、Columbusソフトウエア(Perkin Elmer)およびコンピューターアルゴリズムを用いて分析し、「総コラーゲン面積」および「細胞総数」を定量した。
データ分析は、非線形回帰分析を用いて最小反応(培地のみ)および最大反応(TGF−β刺激)に対する試験化合物の阻害%値を決定して試験化合物のIC50値を求めることにより実施した。
実施例の化合物(実施例14、16、27、37、44および46の化合物以外)を上記のアッセイで試験したところ、4.9を超える平均pIC50値を有した。実施例1〜13、15、17、19〜21、23,25、28、30〜35、40、48および49の化合物の平均pIC50値は6〜7.4であった。実施例1、9、11、15、23および31の化合物の平均pIC50値は7〜7.4であった。実施例1の化合物の平均pIC50値は7であった。実施例15の化合物の平均pIC50値は7であった。

Claims (24)

  1. 式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
    Figure 2021506809
    [式中、
    Aは、
    Figure 2021506809
    であり、
    環Aは、Nを介して結合され;
    Xは、OまたはNHであり;
    Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
    は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
    この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
    およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
    は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
    は、(C−C)アルキルまたはHであり;
    mは、1または2であり;かつ
    nは、1、2または3である]
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  2. 式(Ia)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
    Figure 2021506809
    [式中、
    Aは、
    Figure 2021506809
    であり、
    環Aは、Nを介して結合され;
    Xは、OまたはNHであり;
    Lは、(C−C)アルキレン、(C−C)ハロアルキレン、(C−C)シクロアルキレンまたは(C−C)ヘテロシクロアルキレンであり;
    は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルコキシ、またはNRであり、
    この(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキルまたは(C−C)アルコキシは、NRで場合により置換されていてもよく;
    およびRはそれぞれ独立に、CHまたはHであり;
    は、NH(C−C)アルキル、N((C−C)アルキル)、(C−C)アルキル、NHまたはOHであり;
    R5は、(C−C)アルキルまたはHであり;
    mは、1または2であり;かつ
    nは、1、2または3である]
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  3. Aが
    Figure 2021506809
    である、請求項1または2に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  4. XがOである、請求項1、2または3のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  5. Lがメタンジイル、プロパン−2,2−ジイル、シクロプロパン−1,1−ジイル、ジフルオロメタンジイル、テトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルまたはピペリジン−4,4−ジイルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  6. Lがテトラヒドロ−2H−ピラン−4,4−ジイルである、請求項5に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  7. が(C−C)アルキル、シクロプロピルまたはNRである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  8. がメチル、エチル、シクロプロピルまたはN(CHである、請求項7に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  9. がNHCHである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  10. がエチルである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  11. mが1である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩。
  12. (S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンである化合物
    Figure 2021506809
    またはその薬学的に許容可能な塩。
  13. (S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミンである化合物
    Figure 2021506809
  14. a)請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、およびb)薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる医薬組成物。
  15. 前記化合物が(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン
    Figure 2021506809
    またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項14に記載の医薬組成物。
  16. 必要とするヒトにおいてmTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療のための方法であって、前記ヒトに治療上有効な量の請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含んでなる、方法。
  17. 必要とするヒトにおいてmTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療のための方法であって、前記ヒトに治療上有効な量の(S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン
    Figure 2021506809
    またはその薬学的に許容可能な塩を投与することを含んでなる、方法。
  18. 前記疾患が特発性肺線維症である、請求項16または17に記載の方法。
  19. 療法において使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  20. (S)−1−(5−(6−(3−エチルモルホリノ)−4−(4−(メチルスルホニル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン
    Figure 2021506809
    またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項19に記載の使用のための化合物。
  21. mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療において使用するための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
  22. 前記疾患が特発性肺線維症である、請求項21に記載の使用のための化合物または薬学的に許容可能な塩。
  23. mTORキナーゼ阻害剤が適応となる疾患の治療において使用するための薬剤の製造における、請求項1〜13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
  24. 前記疾患が特発性肺線維症である、請求項23に記載の使用。
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