JP2021505680A - デキストランまたはポロキサマーを含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用組成物 - Google Patents

デキストランまたはポロキサマーを含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、デキストラン、ポロキサマーまたはこれらの混合物を含む関節疾患または結合組織疾患の治療用組成物またはデキストラン、ポロキサマーまたはこれらの混合物を含む軟骨再生用組成物に関するものである。本発明の組成物は、緩衝効果、コーティング効果または抗炎症効果によって、関節または結合組織の損傷部に長く留まって衝撃を緩和し、損傷部特異的に損傷部を覆ったり、癒着した部位の炎症を軽減させることができるので、関節疾患、結合組織疾患の治療または軟骨再生に有効に使用することができる。

Description

本発明は、デキストラン、ポロキサマー、またはこれらの混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用組成物、軟骨再生用組成物または炎症性疾患の治療用組成物に関する。
関節は、骨と骨が連結する部位であって、骨と骨の間がスムーズに運動できるよう軟骨、関節包、滑膜、靭帯、腱、筋肉などからなり、動きによって発生する衝撃を吸収する役割をする。関節炎は、様々な原因によって関節に炎症などを伴った機能異常が生じたことを意味する。結合組織(connective tissue)は、動物において組織の間を結合して器官を形成する組織であり、例えば、軟骨、椎間円板、腱、靭帯、骨、皮膚、脂肪組織、血管、腸管組織などが挙げられる。
関節炎の治療に用いられる薬は、炎症の軽減、疾病進行の遅延、尿酸などの代謝産物の濃度の減少といった主な作用機序を根拠に大別することができるが、多くの関節炎の治療薬が炎症を軽減させる作用をする。炎症は、痛み、膨脹、熱感、発赤、こわばりなどを引き起こす病的過程であり、炎症を迅速に緩和させる薬には、アスピリンをはじめとする非ステロイド性抗炎症剤とコルチゾンをはじめとするステロイド性抗炎症剤がある。しかし、これらの消炎剤及び抗炎症剤などは、疾患を治療するというよりは、痛みを和らげることが主な作用であり、薬物を長期間服用したときには、さまざまな合併症が多く発生する。特に、ステロイド性抗炎症剤は、疾患の原因を治療することとは関係なく、強力で、一時的な抗炎症作用を通じてただ単に痛みを一時的に軽減させ、関節の過剰な使用を招く素地があり、これは関節を破壊させ、障害を悪化させる要因となるので、使用には注意を要する。
したがって、関節炎などの関節損傷に用いられる従来の治療法は、その有効性において限定的であり、明白な中毒性副作用を伴い、長期間持続して用いることができず、その有効性が制限されるので、従来の治療法が持つ欠点を克服した新たな新規治療法ないしは治療剤が切実に求められているのが実情である。
一方、デキストランは、多糖類の一種で、D−グルコースの重合体を指すものであって、でんぷんやグリコーゲンと類似する構造を有し、D−グルコースがα−1,6結合で直鎖状につながり、ところどころにα−1,4またはα−1,3結合で枝別れしている。一般に用いられている高分子量のデキストランは、体内でアレルギー反応をよく引き起こすとして知られている。デキストランは、血漿増量剤、血液凝固剤(癒着防止剤)、架橋デキストラン(cross linked dextran)を用いたフィラー等に使用されてきたが、関節疾患や結合組織疾患の治療剤として使用されたとの報告はされたところがない。ポロキサマーは、非イオン性界面活性剤を指し、界面活性剤の他に乳化剤、安定化剤、溶解補助剤などとしても用いられるとして知られている。
現在、関節疾患または結合組織疾患に対する従来の治療法が持つ限界、すなわち、限定的とされる有効性、明白な中毒性副作用、持続性の不在により、新規な治療法又は治療薬が必要とされ、特に体内に投与する場合、アレルギー反応を起こさないデキストランまたはポロキサマーは、特に低分子量のデキストランまたはポロキサマーを用いた、関節疾患または結合組織疾患の治療に関する研究は、知られたところがないのが実情である。
そこで、本発明者等は、関節または結合組織の治療のための研究を行った結果、デキストラン、ポロキサマーまたはこれらの混合物が、アレルギー反応を起こさず、関節および結合組織の損傷部に対する緩衝効果、保持効果または抗炎症効果により、関節および結合組織を保護する効果があることを確認した。これにより、本発明を完成した。
本発明の目的は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用薬学的組成物、軟骨再生用組成物または炎症性疾患の治療用薬学的組成物を提供する。
前記目的を達成するために、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種の混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の予防、または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、炎症性疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、軟骨再生用組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種の混合物を含む、軟骨再生用組成物を提供する。
本発明の組成物は、緩衝効果、コーティング効果または抗炎症効果により、関節または結合組織の損傷部に長く留まることにより衝撃を和らげ、損傷部特異的に損傷部を包んだり、癒着した部位の炎症を軽減することができるので、関節疾患、結合組織疾患の治療または軟骨の再生に有効に用いることができる。
正常軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理24時間後、軟骨細胞の細胞増殖能を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ陰性対照群(nc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 正常軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理48時間後、軟骨細胞の細胞増殖能を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ陰性対照群(nc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による骨関節炎in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理24時間後、軟骨細胞の細胞増殖能を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理48時間後、軟骨細胞の細胞増殖能を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理によるIL−10/IL−6遺伝子発現比を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物処理によるMMP−3遺伝子発現量を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物処理によるMMP−13遺伝子発現量を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理によるII型コラーゲン生成量を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。 rhIL−1α処理による変形性関節症in vitroモデルの軟骨細胞に対するデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物の処理によるアグリカン生成量を確認した結果を示す図である(*/**/***は、それぞれ炎症誘発陽性対照群(pc)対比p<0.05/p<0.01/p<0.001の有意度を表す)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の治療用薬学組成物を提供する。また、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物をこれを必要とする個体に投与する段階;を含む、関節疾患または結合組織疾患の予防、または治療方法を提供する。
本発明において、「デキストラン(dextran)」は、多糖類の一種であるD−グルコースの重合体を意味する。デキストランは、でんぷんやグリコーゲンと類似する構造を有しており、D−グルコースがα−1,6結合に直鎖状につながり、ところどころにα−1,4またはα−1,3結合が枝分かれしている。デキストランは、血漿増量剤、血液凝固剤として用いることができ、目的に応じてデキストランの分子量を異にして用いることができる。本発明において、前記デキストランは、500〜10,000Daの平均分子量を有することができ、好ましくは500〜8,000Da、より好ましくは1,000〜5,000Daの平均分子量であってもよい。デキストランは、分子量に応じて平均分子量が1,000Daの場合には「デキストラン1」、5,000Daの場合には「デキストラン5」、平均分子量が10,000Daの場合には「デキストラン10」などと命名して使用する。
一般に、8,000Da以上のデキストランは、人体に投与され、アレルギー反応を起こす危険性が大きいとして知られている。特に、前記アレルギー反応により抗原−抗体の免疫反応が原因となって発生する急激な全身的な反応であるアナフィラキシー(anaphylaxis)が発生することがあるが、これは非常に危険といえる。しかし、本発明に係る低分子量のデキストラン、好ましくは1,000Da〜5,000Daデキストランを用いると、アレルギー反応を最小限に抑えることができる長所があり、公知の物質(例えば、ヒアルロン酸)に比べて体内で分解される速度が遅いので、関節疾患または結合組織疾患の治療効果が長く持続する長所がある。
また、本発明に係る低分子量のデキストランは、8,000Da以上のデキストランに比べてアレルギー反応がないばかりでなく、作用発現時間(onset)が速く、広範囲に分布するように広がることができる特徴がある。
本発明は、好ましい例として、デキストラン1、デキストラン5を用いた実施例を提供する。これらはデキストラン1とデキストラン5の組み合わせで用いることができ、ポロキサマー188との組み合わせでも用いることができる。
本発明において、デキストラン(dextran)1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種は、1:1の体積比で混合されたものであってもよい。
本発明において、前記デキストランの濃度は、溶媒100cc中、質量(g)濃度(w/v)の百分率で表し、例えば、デキストラン1は、単一有効成分として組成物に含まれる場合には、2〜40(w/v)%濃度で含まれることができ、デキストラン5は、単一有効成分として組成物に含まれる場合には、デキストラン5は2〜30(w/v)%濃度で含まれることができる。
また、デキストランがデキストラン1または5の混合物、デキストランとポロキサマーとの混合物で組成物に含まれる場合、デキストランの濃度は、混合対象に応じて異なりうる。例えば、デキストラン5およびデキストラン1の混合物が組成物に含まれる場合には、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記デキストラン1の濃度は、2.5〜40(w/v)%、またはデキストラン5の濃度は、4〜40(w/v)%、デキストラン1の濃度は、5〜40(w/v)%であってもよい。
デキストランが組成物に高濃度に存在する場合、多糖類の水分を含有する特性上、粘度が過度に増加して性状を作りにくいという欠点があるので、デキストランは、一般に5%以下の濃度で用いられてきた。しかし、本発明の組成物内に、デキストランは分子量に応じて少なくとも2〜最大40(w/v)%濃度で含まれるので、関節疾患または結合組織疾患の治療効果が最大化されることができる。このようなデキストランの溶解度を高めたり、安定化させるために、本発明の組成物は、追加で添加物をさらに含むことができ、前記添加物は、糖アルコール類、単糖類、またはCaCl2を含む2価陽イオンを含むことができる。
本発明において、「ポロキサマー(poloxamer)」は、疎水性のプロピレンオキサイドを中心に両端に親水性のエチレンオキサイドが結合された非イオン性のトリブロック共重合体であって、温度感度の特徴を有しており、濃度と温度に応じてゾル(Sol)とゲル(Gel)の変換が可能であり、ポリオキシプロピレンおよびポリオキシエチレンの割合に応じてポロキサマーの性質が変わる。ポロキサマーは、界面活性剤の他に乳化剤、安定化剤、溶解補助剤などとしても用いられる。
本発明において、前記ポロキサマーは、100〜20,000Daの平均分子量を有することができる。
前記ポロキサマーは、ポロキサマー101、ポロキサマー105、ポロキサマー105ベンゾエート、ポロキサマー108、ポロキサマー122、ポロキサマー123、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー182ジベンゾエート、ポロキサマー183、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー212、ポロキサマー215、ポロキサマー217、ポロキサマー231、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー237、ポロキサマー238、ポロキサマー282、ポロキサマー284、ポロキサマー288、ポロキサマー331、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー401、ポロキサマー402、ポロキサマー403およびポロキサマー407からなる群から選択することができ、好ましくはポロキサマー188を含むが、これに制限されるものではない。
本発明において、前記ポロキサマーの濃度は、溶媒100cc中の質量(g)濃度(w/v)の百分率であって、1〜50(w/v)%濃度、2〜30(w/v)%濃度で組成物に含まれることを特徴とすることができ、例えば、ポロキサマー188は、組成物内の単独有効成分として含まれる場合、1〜15(w/v)%、または1〜10(w/v)%濃度で組成物に含まれることができる。
このようなポロキサマーの溶解度を高めたり、安定化させたりするために、本発明の組成物は、追加で糖アルコール類、単糖類、2価陽イオンと同様の添加物をさらに含むことができ、別途の添加物なしに滅菌水または生理食塩水を組成物に含むこともできる。
本発明において、前記薬学的組成物は、デキストランおよびポロキサマーの混合物を含むことができる。特に、ポロキサマー188をデキストランと混合して用いた場合、デキストラン1またはデキストラン5と混合して用いることができ、例えば、デキストラン5と混合する場合、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記ポロキサマー188の濃度は、1〜20(w/v)%であってもよく、またはデキストラン5の濃度が4〜40(w/v)%、ポロキサマー188の濃度が2〜10(w/v)%であってもよい。
また、例えば、デキストラン1と混合する場合、前記デキストラン1の濃度は、2.5〜40(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜5(w/v)%であってもよい、またはデキストラン1の濃度が45〜55(w/v)%、ポロキサマー188の濃度が1〜2(w/v)%であってもよい。
ポロキサマー188は、高濃度、例えば、25(w/v)%を超過して組成物内に含まれる場合、毒性を示すことができ、デキストランと混合する場合、濃度を適切に調節して用いることができる。
一実施例として、本発明の薬学的組成物内のデキストラン:ポロキサマーは、例えば、(w/v)%の割合として、5:0.05、5:0.5、5:5、5:10、5:20、5:30、5:40、5:50、5:100、5:150、5:200、10:0.1、10:1、10:10、10:20、10:30、10:40、10:50、10:100、10:150、10:300、10:400、50:0.5、50:1、50:5、50:10、50:20、50:30、50:40、50:50含むことができ、例を挙げれば、1:0.01〜1:40、例示的な組み合わせとしてポロキサマー188 1(w/v)%とデキストラン1 40(w/v)%とを混合した場合、1:40、ポロキサマー188 20(w/v)%とデキストラン5 2(w/v)%とを混合した場合、1:0.1の比を反映し、1:0.1〜1:40含むことができる。ここで、前記デキストランの平均分子量は1,000Daまたは5,000Daであることができ、前記ポロキサマーの平均分子量は8,500Daであるポロキサマー188を含むことができる。また、本発明の一実施例として、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種の混合物を含む場合、それぞれの成分は、1:1の体積比で混合して組成物に含まれることができる。
また、本発明の一実施例として、本発明の薬学的組成物は、デキストラン1およびデキストラン5の混合物を含み、薬学的組成物内のデキストラン1:デキストラン5は、例えば、(w/v)%の割合として、5:0.05、5:0.5、5:5、5:10、5:20、5:30、5:40、5:50、5:100、10:0.1、10:1、10:10、10:20、10:30、10:40、10:50、10:100、10:150、10:200、50:0.5、50:1、50:5、50:10、50:20、50:30、50:40、50:50、50:1000含むことができ、例に挙げれば、1:0.01〜1:20、例示的な組み合わせとして、デキストラン1 2.5(w/v)%とデキストラン5 40(w/v)%とを混合した場合、1:16、デキストラン1 40(w/v)%とデキストラン5 2(w/v)%とを混合した場合、1:0.05の比を反映し、1:0.05〜1:16含むことができる。
本発明の組成物がデキストランおよびポロキサマーの混合物を含む場合、ポロキサマーの疎水性成分がデキストランまたは併用薬物の溶解度を増進させることができ、ポロキサマーの親水性成分であるPEG(polyethylene glycol)は、細胞膜を保持して癒着を防止し、組織を保持することができる。ただし、ポロキサマーは、体液により希釈され易く、体液に吸収され易い欠点があるので、デキストランとの混合を介して、体内の安定性を増加させることができる。したがって、デキストランおよびポロキサマーの混合物の場合、デキストラン単独またはポロキサマー単独を含む場合に比べて粘性が長持ちし、損傷した関節または結合組織部位を包むことができ、組織の病理学的な癒着を防いで摩擦力による炎症所見が減少することにより、栄養物質の供給が円滑になり、組織の再生が促される効果がある。前記効果は、デキストランおよびポロキサマー混合物の緩衝効果(cushion effect)、コーティング効果(coating effect)、または抗炎症効果(anti−inflammatory effect)によって誘導され得る。
本発明において、「緩衝効果(cushion effect)」とは、投与された部位、例えば、関節での摩擦を減らすことによって、加わる衝撃を緩衝するクッションのような役割をする効果を意味し、「コーティングの効果(coating effect)」とは、硬くなった部位、例えば、関節内の損傷した軟骨組織を迅速に覆ってコーティングすることにより、膝関節を楽に動かせるようにする効果を意味する。これらの効果により、破損した関節部位の炎症反応が軽減される。
したがって、緩衝効果とコーティング効果または抗炎症効果を誘導する本発明の組成物は、再生または損傷した組織を改善するのに適しているので、関節疾患または結合組織疾患の治療に効果的に用いることができる。本発明の組成物の前記のような効果は、現在、関節疾患の治療のために用いられている幹細胞治療剤と同様の効果であり、高度な技術力およびコストが要求される幹細胞治療剤と比較して競争力を有することができる。
一方、本発明のデキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の予防または治療用薬学的組成物には、本発明が目的とする関節疾患または結合組織疾患の予防または治療効果を促進させるために、幹細胞をさらに含むことができる。本発明に含まれることができる幹細胞は、胚性幹細胞または成体幹細胞を含み、前記成体幹細胞は、間葉系幹細胞、ヒト組織由来間葉系間質細胞(mesenchymal stromal cell)、ヒト組織由来間葉系幹細胞、多分化能幹細胞または羊膜上皮細胞であることができる。前記幹細胞は、臍帯、臍帯血、骨髄、脂肪(または脂肪組織細胞)、筋肉、神経、皮膚、羊膜および胎盤(または胎盤組織の細胞)、尿などに由来する幹細胞であることができるが、これに限定されるものでない。前記幹細胞は、幹細胞またはその濃縮液、幹細胞培養液またはこれの濃縮液、幹細胞培養分泌物またはこれの濃縮液、または、これらの配合物であることができる。前記組成物内のデキストランまたはポロキサマーは、幹細胞を関節または結合組織の破損した病変部に特異的に運搬する役割をすることができ、また、幹細胞が運ばれた病変部に定着して損傷した組織の再生を誘導することを上昇させる効果がある。
本発明において、「予防」とは、組成物の投与により、関節疾患または結合組織疾患を抑制したり、発症を遅延させたりするすべての行為をいう。
本発明において、「治療」とは、組成物の投与により、関節疾患または結合組織疾患の症状が好転したり、有益に変更したりするすべての行為をいう。
本発明の薬学的組成物は、薬学的に許容される添加剤をさらに含むことができ、薬学分野において通常の方法にしたがって患者の身体内投与に適した単位投与型の製剤で製剤化することができる。また、前記製剤は、薬剤学的に許容される担体または媒体、例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、賦形剤、ビヒクル、防腐剤、または結合剤などと組み合わせて、薬学的に認められている単位容量形態で混和することによって製剤化することができる。
前記薬学的組成物は、溶液状態または粉末状態であってもよく、前記薬学的組成物が粉末状態の場合、投与直前に溶媒に溶解して用いることができるが、これに限定されるものではなく、薬物の製造時に発生し得る数々の状況を考慮して最適な方法で製造することができる。
前記薬学的組成物の投与形態は、特に限定されないが、経口投与、注射、輸液による投与等の一般的な投与経路を経ることができる。
経口投与の場合には、前記組成を有する組成物として、または、医薬上許容される担体、賦形剤(excipient)と一緒に錠剤、丸薬、カプセル、ゲル、シロップなどの製剤として用いてもよい。ただし、精製や散剤などの固形剤では、吸収に時間がかかることが多いので、液剤などによる経口投与が好ましい。その場合には、適当な添加物、例えば、塩化ナトリウムなどの塩類、緩衝剤、キレート剤などと一緒に水溶液として投与するのが好ましい。
また、関節疾患または結合組織を標的とする特異抗体により被覆されたリポソームのような標的薬物輸送システムを介して薬物を投与することができる。リポソームは、病気のある組織に選択的に取り込むことができる。
本発明の薬学的組成物が局所投与用の製剤で投与される場合、適切な緩衝剤、等張化剤などを添加して滅菌蒸留水に溶解したものを用いて、個体の関節腔、結合組織、静脈内、皮下、皮内、関節内、または筋肉などに直接注入するか、肌に塗布するか、或いはパッチ(patch)形態であってもよい。
前記個体は、ヒト、犬、猫、豚、馬、牛、羊、ラット、およびサルを含む哺乳動物から選択されるいずれか一つ、好ましくはヒトであってもよい。
本発明において、用語「関節内」とは、本発明の薬学的組成物への関節経皮注射をいう。
本発明において、用語「局所投与」とは、炎症のある関節内にまたはその付近の経皮注射をいう。したがって、局所投与の注射は、表皮、真皮、筋肉または任意の深部器官に関連するものである。
局所投与の主な利点は、損傷した領域に対する鎮痛効果を選択的に制限するというものである。さらに、局所投与は、全身への放出がほとんどない、または、全くない、高い局所濃度レベルを可能にする。
前記薬学的組成物は、安定化剤、潤滑剤、緩衝剤、等張性調整剤、麻酔剤または抗菌剤などをさらに含むことができる。
また、前記薬学的組成物は、当分野において広く用いられる抗炎症剤をさらに含むことができる。該抗炎症剤は、非ステロイド性、ステロイド性またはこれらの配合物であることができる。非ステロイド性抗炎症剤の非限定的な例は、オキシカム、例えば、ピロキシカム、イソキシカム、テノキシカム、スドキシカム; サリチルレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ベノリレート、トリセート、サファプリン、ソルプリン、ジフルニサル、およびフェンドサル;酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、イソキセパク、フロフェナク、チオピナク、ジドメタシン、アセマタシン、フェンチアザク、ゾメピラック、クリンダナク、オキセピナク、フェルビナク、およびケトロラク;フェナム酸、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルム酸、およびトルフェナム酸;プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、フェンブフェン、インドプロフェン、ピルプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラノプロフェン、ミロプロフェン、チオキサプロフェン、スプロフェン、アルミノプロフェン、およびチオプロフェン;ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェノブタゾン、フェプラゾン、アザプロパゾン、およびトリメタゾンを含む。これらの非ステロイド性抗炎症剤の抽出物もまた用いることができる。
前記ステロイド性抗炎症剤の非限定的な例には、コルチコステロイド、例えば、ハイドロコルチゾン、ヒドロキシ−トリアムシノロン、アルファ−メチルデキサメタゾン、デキサメタゾン− ホスフェート、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、クロベタゾールバレレート、デソニド、デソキシメサゾン、デソキシコルチコステロンアセテート、デキサメタゾン、ジクロリソン、ジ酢酸ジフロラソン、ジフルコルトロンバレレート、フルアドレノロン、フルクロロロンアセトニド、フルドロコルチゾン、フルメタゾンピバレート、フルオシノロンアセトニド、フルオシノニド、フルコルチンブチルエステル、フルオコルトロン、フルプレドニデン(フルプレドニリデン)アセテート、フルランドレノロン、ハルシノニド、ハイドロコルチゾンアセテート、酪酸ハイドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロンアセトニド、コルチゾン、コルトドキソン、フルセトニド、フルドロコルチゾン、ジ酢酸ジフルオロソン、フルラドレノロン、フルドロコルチゾン、ジ酢酸ジフルロソン、フルラドレノロンアセトニド、メドリゾン、アムシナフェル、アムシナフィド、ベタメタゾン、およびそのエステルのバランス(balance)、クロロプレドニゾン、酢酸クロロプレドニゾン、クロコルテロン、クレシノロン、ジクロリゾン、ジフルプレドネート、フルロロニド、フルニソリド、フルオロメタロン、フルペロロン、フルプレニソロン、ハイドロコルチゾンバレレート、ハイドロコルチゾンシクロペンチルプロピオネート、ハイドロコルタメート、メプレドニゾン、パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、ベクロメタゾンジプロピオネート、トリアムシノロンおよびその抽出物が含まれる。
本発明の薬学的組成物は、薬剤学的に有効な量で投与することができる。用語「薬剤学的に有効な量」とは、疾患を治療するのに十分な量を意味し、有効容量レベルは、疾患の重症度、患者の年齢、体重、健康、性別、患者の薬物に対する感度、投与時間、投与経路および排出割合、治療期間、用いられた本発明の組成物と配合または同時に用いられる薬剤を含む要素、並びにその他の医学分野でよく知られている要素に応じて決定することができる。デキストラン、ポロキサマー、またはこれらの混合物の容量は、広い範囲で変わり、それぞれの特別な場合の個々のニーズに応じて決定される。
本発明の薬学的組成物は、関節疾患または結合組織疾患の治療のための公知の薬剤と併用して投与することができ、前記治療剤と一緒に同時または順次投与することができる。
本発明の薬学的組成物は、1回または数回に分けて好ましい投与間隔、例えば、1週間間隔で投与することができる。
本発明によると、デキストラン、ポロキサマー、またはこれらの混合物を含む薬学的組成物は、関節疾患または結合組織疾患を患う個体から長期間持続する痛みの軽減を誘導する。本発明に係る薬学的組成物を用いる場合、主要薬物による副作用を避けられ、過度な侵襲的な技術を使うことなく、且つ、急性のみならず、慢性関節疾患または結合組織疾患の治療および/または予防を可能にする。
本発明において、「結合組織(connective tissue)」とは、 動物の組織に広く分布し、細胞、臓器、器官などを結合、保護、充電する役割をする組織を指し、線維性結合組織、膠質組織、細網組織に分類されるが、線維性結合組織がその大部分を占めている。例えば、本発明の結合組織は、軟骨、椎間円板、腱、靭帯、骨、皮膚、血管、腸管組織などを制限なしに含むことができる。
本発明において、「関節疾患」または「結合組織疾患」が発生する原因として、外傷性、感染性、炎症性、退行性に大きく分類することができる。本発明に係る組成物または治療剤は、関節に損傷をもたらすあらゆる原因による関節疾患および結合組織疾患に用いられることができるが、本発明の組成物が効果的に用いられると予想される関節疾患は、骨関節炎、好ましくは反復的な摩擦力とそれによって発生する退行性関節炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、外傷性関節炎、関節リウマチ、膝蓋大腿症疼痛候群、慢性炎症または関節症を含む。また、本発明の組成物が効果的に用いられると予想される結合組織疾患は、軟骨、椎間円板、腱、靭帯、骨、皮膚、血管、腸管組織などが物理的な損傷や反復的な摩擦による退行性変化によりコラーゲンまたは水分の損失が生じた場合の結合組織疾患を含む。特に、本発明の組成物は、抗炎症効果およびコラーゲン合成を促進し、アグリカンの生成量を増加させる効果に優れているので、このような効果に基づいて結合組織疾患のうち、特に炎症に関連する結合組織疾患、好ましくは炎症性骨関節疾患、炎症性皮膚炎、炎症性眼疾患、炎症性筋肉炎、炎症性消化管疾患、軟骨疾患、血管炎、および捻挫からなる群から選択された1種以上の結合組織疾患の予防または治療に効果的に用いることができる。
本発明において、細胞毒性は示されず、且つ、抗炎症効果が効果的に示され、軟骨基質を破壊するタンパク質MMP−3、MMP−13遺伝子発現を抑制し、軟骨の保護作用としてII型コラーゲンの合成を促進し、アグリカンの生成量を増加させる効果を達成することができる好ましい例を次のように提供することができる。
本発明において、デキストラン(dextran)1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種は、1:1の体積比で混合されるものであってもよい。
また、本発明は、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種の混合物を含む、関節疾患または結合組織疾患の予防、または治療用薬学的組成物に関するものである。
前記デキストランは、デキストラン1で組成物に単一有効成分として含まれ、デキストラン1の濃度は、2〜40(w/v)%であることができる。
前記デキストランは、デキストラン5で組成物に単一有効成分として含まれ、デキストラン5の濃度は、2〜30(w/v)%であることができる。
また、前記ポロキサマーは、組成物に単一有効成分として含まれ、ポロキサマーの濃度は、1〜15(w/v)%であることができる。
本発明の一例では、前記混合物は、デキストラン5およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜20(w/v)%であることができる。
また、前記混合物は、デキストラン5およびデキストラン1の混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記デキストラン1の濃度は2.5 〜40(w/v)%であることができる。
また、前記混合物は、デキストラン1およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、2.5〜40(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜5(w/v)%であることができる。
また、前記混合物は、デキストラン1およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、45〜55(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜2(w/v)%であることができる。
また、本発明の一例は、抗炎症作用に基づく抗炎症組成物、炎症性疾患の予防または治療用薬学的組成物、これを用いた炎症性疾患の予防または治療方法に関するものである。
これにより、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、炎症性疾患の予防または治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を、これを必要とする個体に投与する段階; を含む、炎症性疾患の予防または治療方法を提供する。
これにより、本発明は、具体的にデキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された1種以上を含む、炎症性疾患の予防、治療用薬学的組成物、炎症性疾患の予防、または治療方法を提供する。
本発明において、炎症性疾患とは、炎症性皮膚疾患、炎症性眼疾患、炎症性骨関節疾患、炎症性筋疾患または炎症性胃腸疾患であることができるが、これに限定されるものではない。
前記デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種の混合物を投与する場合、それぞれの成分の抗炎症効果と比較して顕著に優れた効果を示すことができる。具体的にはデキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188の投与時、デキストラン1 2および40(w/v)%、デキストラン5 2および40(w/v)%、ポロキサマー188 1〜10(w/v)%の全範囲で抗炎症効果に優れていることを示すことができ、例えば、好ましい実施例では、デキストラン1 5(w/v)%およびポロキサマー188 2(w/v)〜10(w/v)%、デキストラン1 5(w/v)%およびデキストラン5 4〜40(w/v)%、デキストラン1 50(w/v)%およびポロキサマー188 2〜10(w/v)%、デキストラン1 50(w/v)%およびデキストラン5 4〜40(w/v)%、ポロキサマー188 2(w/v)%およびデキストラン1 5〜50(w/v)%、ポロキサマー188 2(w/v)%およびデキストラン5 4〜40(w/v)%、ポロキサマー188 10(w/v)%およびデキストラン1 5〜50(w/v)%、ポロキサマー188 10(w/v)%およびデキストラン5 4〜40(w/v)%、デキストラン5 4(w/v)%およびデキストラン1 5〜50(w/v)%、デキストラン5 40(w/v)%およびデキストラン1 5〜50(w/v)%、ないし40(w/v)%、デキストラン5 40(w/v)%およびポロキサマー188 2〜10(w/v)%で組み合わせて抗炎症、炎症性疾患の治療用途で用いることができる。
したがって、本発明の混合物は、デキストラン1およびポロキサマー188の混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、2〜40(w/v)%、前記ポロキサマー188の濃度は、1〜10(w/v)%であることを特徴とすることができる。
また、本発明の混合物は、デキストラン1およびデキストラン5の混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、2〜40(w/v)%、およびデキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%であることを特徴とすることができる。
また、本発明の混合物は、デキストラン5およびポロキサマー188の混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記ポロキサマー188の濃度は、1〜10(w/v)%であることを特徴とすることができる。
本発明のもう一つの一例は、軟骨基質の再生効果に基づいた軟骨再生用組成物、これを用いた軟骨再生方法に関するものである。
これにより、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、軟骨再生用組成物を提供する。
また、本発明は、デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を、軟骨再生を必要とする個体に投与する段階;を含む、軟骨再生方法を提供する。
本発明において、具体的にデキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された1種以上を含む、軟骨再生用組成物または軟骨再生方法を提供し、これらをコラーゲン生成量の増加およびアグリカンの生成量の増加を誘導し、MMP−3またはMMP−13の発現量を減少させることができる。
前記デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された1種を投与する場合、デキストラン1は、2〜40(w/v)%、ポロキサマー188は、1〜15(w/v)%、デキストラン5は、2〜30(w/v)%で含まれることができる。
また、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種以上の混合物を投与した場合、具体的な実施例で、デキストラン1 5(w/v)%およびポロキサマー188 2(w/v)%、デキストラン1 5(w/v)%およびデキストラン5 4〜40(w/v)%、デキストラン1 50(w/v)%およびポロキサマー188 2(w/v)%、デキストラン5 4〜40%(w/v)%およびポロキサマー188 2〜10(w/v)%で組み合わせることができ、このように組み合わせた場合、コラーゲンまたはアグリカンの生成量を増加させ、MMP−3またはMMP−13の発現を抑制し、優れた軟骨再生効果を達成することができる。
したがって、本発明の混合物は、デキストラン1およびポロキサマー188の混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、5〜40(w/v)%、前記ポロキサマー188の濃度は、2(w/v)%であることを特徴とすることができる。
また、本発明の混合物は、デキストラン1およびデキストラン5の混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、5(w/v)%、前記デキストラン5の濃度は、4〜40(w/v)%であることを特徴とすることができる。
また、本発明の混合物は、デキストラン5およびポロキサマー188の混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、4〜40(w/v)%、前記ポロキサマー188の濃度は、2〜10(w/v)%であることを特徴とすることができる。
また、抗炎症および軟骨再生効果の両方を同時に達成することができ、関節疾患または結合組織疾患の予防または治療に最も適した実施例は、これに限定されるものではないが、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188を単独で含む場合、デキストラン1 2.5(w/v)%、デキストラン5 2〜30(w/v)%、ポロキサマー188 1〜15(w/v)%であることができ、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー(poloxamer)188からなる群から選択された2種以上の混合物を用いる場合、デキストラン1 5(w/v)%およびテキストラン5 4〜40(w/v)%、デキストラン5 4〜40(w/v)%および好ましくは2〜10(w/v)%、ポロキサマー188 2(w/v)%およびデキストラン1 5〜40(w/v)%で組み合わせて用いることができる。
本明細書において特に定義されていない用語は、本発明が属する技術分野で通常用いられることを意味するものである。
[発明を実施するための形態]
材料および方法
本願発明では、デキストラン1(Dextran 1(EP grade、Pharmacosmos)、デキストラン5(Dextran 5、pharmaceutical quality、Pharmacosmos)、ポロキサマー188(Poloxamer 188、cell culture grade、シグマ−アルドリッチ)を用いて実験を行った。また、関節炎誘導のためにrhIL−1α(recombinant human IL−1α、Lot No. 200−01A)をPEPROTECHで購入して使用し、陽性対照物質としてインドメタシン(Indomethacin、シグマ−アルドリッチ、Lot No. 53−86−1)、ヒアルロン酸ナトリウム(sodium hyaluronate 25 mg/2.5 mL、Aragan Injection (prefilled)、Dongkwang Pharm.、専門医薬品)を用いた。
実施例1.デキストラン、ポロキサマーまたはこれらの混合物の製造および実験の準備
1.1 細胞の分離培養
3週齢の雄SDラットの後肢関節を滅菌状態で分離した後、関節を構成する軟骨組織だけを集めて単一細胞化して、一次、ラット軟骨細胞(Chondrocytes)を分離して使用した。初代培養した細胞が安定すると試験に用い、安定した軟骨細胞を特定するためにRNA分離後、軟骨細胞標識因子であるII型コラーゲンやSOX9遺伝子の発現程度をリアルタイムRT−PCRを用いて確認した上で試験に使用した。
1.2 細胞の培養方法
前記1.1から分離された細胞は、温度37℃、湿度95%、CO5%に設定された培養器で培養し、培養室の温度および湿度は、8時間単位で確認した。培地としては、10%牛胎児血清、2 mL L−グルタミン、50 U/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシンが補充されたMinimum Essential Medium(MEM)培地を用いた。培養期間の間、細胞数が90%以上増殖したとき、Detached solution(0.25(w/v)%Trypsin、0.53 mM EDTA solution(3 mL))で細胞を分離し、125 X g、10分間遠心分離して細胞を分離し、以下の実験にて用いた。
1.3 試験群の構成および製造
試験群は、rhIL−1α5 ng/mLで骨関節炎を誘発させたモデルに、正常対照群(NC)、炎症誘発対照群(PC)、試験物質(単一物または混合物)濃度別に処理するもので構成しており、陽性対照群であるインドメタシン(IM)またはヒアルロン酸ナトリウム(HN)処理群は、単一濃度で構成した。試験群は、下記表1に示した。
D=デキストラン1、T=デキストラン5、P=ポロキサマー188、NC=正常群、PC=炎症誘発物質(rhIL−1α)投与群、HN=ヒアルロン酸ナトリウム、IM=インドメタシン、D+P=デキストラン1とポロキサマー188との混合物、D+T=デキストラン1とデキストラン5との混合物、P+T=ポロキサマー188とデキストラン5との混合物
本発明にて用いられた成分の濃度は、次のような表記方法に基づいて表記した:D10=デキストラン1の10(w/v)%溶液、P10=ポロキサマー188の10(w/v)%溶液、T10=デキストラン5の10(w/v)%溶液。
本発明にて用いられた試験物質は、次のような方法を使って調製した:細胞培養液に溶ける最大濃度を反映し、デキストラン1(D)は、1〜50(w/v)%、デキストラン5(T)は、1〜40(w/v)%、ポロキサマー188(P)は、1〜35(w/v)%の範囲内で単一物を調製した。混合物を調製する場合には、二種類の単一物をそれぞれ1:1(v:v)体積比で混合して調製した。
細胞培養のために調製した培地であるcomplete media(10% fetal bovine serum、2 mL L−glutamine、50 U/mL penicilin、50 ug/mL streptomycinなどが全部含まれたMinimum Essential Medium(MEM)培地))に、デキストラン1、5およびポロキサマー188をそれぞれ投与濃度(w/v)に適するように完全に溶解させた。試験物質をcomplete mediaに完全に溶解させて均質化するために涼しい温度で、特にポロキサマー188の場合には、冷たい温度で、滅菌スパチュラ、スティック、magnetic barなどでゆっくり攪拌したり、泡が生じない程に短く数回振とうしたりして、浮遊物のない、完全に透明になるまで溶解させた。試験物質が完全に溶解した後は、0.22 μm pore size syringe filterでろ過した後、密封して冷蔵保管した。
さらなる具体的な単一物の調製は、以下のような方法で行った。
デキストラン1の5%単一物(「D5」)の製造
デキストラン1の5%の試験溶液を調製する場合、デキストラン1を5g分取して、complete mediaに完全に溶解させ、100 mLに総量を合わせ、D5(w/v)%の試験溶液を調製した。このように0.05 g/mLの濃度で溶解した試験物質を0.22 μm pore size syringe filterを用いて濾過し、冷蔵保管した後、使用した。
デキストラン1の5%とポロキサマー188の10%との混合物(「D5+P10」)の製造
D5とP10をそれぞれ調製し、0.22 μm pore size syringe filterで濾過し、冷蔵保管した後、それぞれの容量を1:1(v:v)の割合で混合して低速で泡が出ないように振とうした後、使用した。
比較例:インドメタシン処理群(IM)の製造
インドメタシン5 mMの濃度でDMSOに完全に溶解させた後、complete mediaで希釈し、0.22 μm pore size syringe filterでろ過した後、細胞に処理される際、最終濃度が5 μMとなるように調整した。
比較例:ヒアルロン酸ナトリウム処理群(HN)の製造
ヒアルロン酸ナトリウムは、 Aragan Injection (prefilled)(ヒアルロン酸ナトリウム25 mg/2.5 mL、使い捨て滅菌注射器に入った薬剤形態)にcomplete mediaを吸入し、ヒアルロン酸ナトリウム25 mg/3 mL(=ヒアルロン酸ナトリウム8.33 mg/mL)で希釈した後、即時使用した。
1.4 投与方法の設定
ラットから分離した初代培養軟骨細胞の場合、doubling timeが約24時間であるから増殖および安定化が適正なときに試験物質を処理した。48 wellまたは24 well plateに軟骨細胞を培養した後、各試験物質を1回投与するが、関節炎を誘導するためのrhIL−1α処理1時間前に、各試験物質の濃度別に総培養液容量の20%(v/v)になるように試験溶液を投与した。rhIL−1α処理24時間後、培養液を採取して分析実験を進めた。ただし、軟骨細胞に対する試験物質の毒性または増殖能を確認する際には、rhIL−1αを処理せずに試験物質のみを処理した。
1.5 統計学的分析
すべての実験結果は、正常対照群(NC)または炎症誘発陽性対照群(PC)とstudent T−testでp<0.05レベルで比較分析し、有意性を示した。
実施例2.細胞毒性に関する分析
試験物質の処理により軟骨細胞の増殖能が変化するか否かを確認し、細胞毒性に関する分析を行った。細胞増殖能の評価は、rhIL−1αを処理していない未処理軟骨細胞と、rhIL−1αを処理して炎症を誘発した軟骨細胞において全部行い、それぞれの試験物質を、ラット軟骨細胞に処理してから24時間および48時間培養した後に、MTT分析(Thiazolyl Blue Tetrazolium Blue;Sigma、M5655)を進めた。炎症誘発物質であるrhIL−1αで誘導した関節炎in−vitroモデルにおける試験物質の細胞増殖能の評価では、rhIL−1α処理1時間前に、各々の試験物質をラット軟骨細胞に処理し、24時間および48時間培養した後、MTT分析(Thiazolyl Blue Tetrazolium Blue;Sigma、M5655)を進めており、その結果を図1〜図4に示した。
図1に示すように、炎症を誘発していないラットの膝関節軟骨細胞において、デキストラン1、デキストラン5、ポロキサマー188またはこれらの混合物の細胞増殖率を24時間観察した結果、ほとんどのデキストラン1、デキストラン5、ポロキサマー188およびこれらの混合物が、細胞に毒性を示さず、且つ、細胞の増殖を手助けすることが確認された。ただし、単一処理群のうち、ポロキサマー188処理群の場合には、ポロキサマー188 25(w/v)%(P25)、35(w/v)%(P35)の濃度で24時間培養時、一部細胞増殖能の減少が、対照薬物(市販薬)であるヒアルロン酸ナトリウム(HN)投与群よりも高く表れ、単一投与には適していないことを示した。また、これらの混合物からも24時間培養時、一部細胞増殖能の減少が表れ、このことからポロキサマー188の場合、これを高濃度で処理した場合には、細胞毒性を誘発し得る可能性があることを確認した。また、混合物中では、D50+P35、P5+T40、P25+T40、P35+T40mp実験群から細胞増殖能の減少が、対照薬物(市販薬)であるヒアルロン酸ナトリウム(HN)投与群よりも高く表れた。
図2に示すように、炎症を誘発していないラットの膝関節軟骨細胞において、デキストラン、ポロキサマーまたはこれらの混合物の細胞増殖率を48時間観察した結果からも24時間培養と類似する結果を確認した。
これらの結果を通じて、正常な膝関節軟骨細胞に対して処理する際、デキストラン1(D)を50%まで濃度を増加させたり、デキストラン5(T)を40%まで濃度を増加させても軟骨細胞の増殖が市販薬に比べ抑制されないのに対し、ポロキサマー188の場合、25%以上の濃度では、軟骨細胞に毒性が示されうることを確認した。また、混合物からなる場合、ポロキサマー188単独と比較して、細胞増殖能が一部改善はされるが、毒性を誘発させないためには、ポロキサマー188は10(w/v)%濃度以下に混合されるのが好ましいことが確認された。
図3および図4において、rhIL−1α処理による骨関節炎in vitroモデルにおける実験群の処理に伴う細胞増殖率をそれぞれ24時間、48時間の間、観察した結果を示した。
図3に示すように、骨関節炎モデルからもポロキサマー188は、濃度が高くなる場合、細胞増殖が抑制されることが分かり、デキストラン1およびデキストラン5は、濃度が高くなっても細胞増殖が抑制されないことが分かった。ポロキサマー188の場合、P10単独処理群からは、細胞増殖の抑制が確認されたが、これをD5、D50、T4、T40などと混合して用いた場合には、細胞増殖効果が示されたところ、デキストランと混合処理する際には、ポロキサマー188の1%〜10(w/v)%を用いることができることを確認した。
図4においても、24時間培養と同様の結果を確認することができ、P10処理群の細胞増殖能は、デキストラン1またはデキストラン5との混合によって増加するという事実を確認した。
前記のような結果を総合してみると、デキストラン1およびデキストラン5は、正常および炎症誘発細胞において、ほとんど細胞毒性を誘発しないことが確認された。一方、ポロキサマー188は、濃度が高くなるにつれて、単一物質で処理した場合、正常な細胞および炎症誘発細胞において、いずれも細胞増殖能の抑制が誘発しうることを示したが、ポロキサマー188を1〜10(w/v)%でデキストラン1またはデキストラン5と混合投与した場合には、細胞毒性なく用いることが可能であることを確認した。
実施例3.IL−10/IL−6発現比を通じた抗炎症効果の確認
デキストラン1、デキストラン5またはポロキサマー188の抗炎症効果を確認するための実験を行った。具体的にはデキストラン1は、2.5〜50(w/v)%、デキストラン5は、2〜40(w/v)%で、ポロキサマー188は、1〜20(w/v)%で変化させ、単一投与または混合投与を行い、これによるIL−10/IL−6発現比を確認した。炎症誘発のために炎症誘発物質rhIL−1αを処理し、rhIL−1αと試験物質(単一物、これらの混合物)を一緒に処理する際、IL−10/IL−6発現比を確認した。IL−10/IL−6発現比が増加するほど抗炎症効果に優れていると判断することができる。
実験に使用されたプライマーの構成は、下記表2に示し、対照群としては、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを使用した。結果を表3a〜表3b、および図5に示した。

該プライマー、SyBr green(SYBR Premix Ex Taq、Takara、RR420A)そしてテンプレートを混合した上、Real time RT−PCR(CFX 96 touch、Bio rad、Hercules、CA、USA)を用い、intercalating法によるReal Time RT−PCRを行った。Ct値を検量線に適用して得られる定量結果(遺伝子発現量)は、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHの定量結果で割った値で表示した。
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞におけるデキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)単一物のIL−10/IL−6遺伝子発現比
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞におけるデキストラン1(D)、デキストラン5(T)またはポロキサマー188(P)の混合物のIL−10/IL−6遺伝子発現比
表3aおよび図5に示すように、単一群処理実験であるデキストラン1(D)を単独で処理した群からは、50(w/v)%の処理群を除いては、IL−10/IL−6の発現比の増加が明確には確認されなかったが、ポロキサマー188(P)1〜20(w/v)%処理群、デキストラン5(T)2〜20(w/v)%群からは有意な増加効果が確認された。
表3bおよび図5に示すように、混合物処理実験であるデキストラン1(D)の混合物投与群の全部から有意なIL−10/IL−6発現比の増加効果が示され、ポロキサマー188(P)およびデキストラン5(T)との混合投与群からも全部有意な増加が示され、混合物における抗炎症効果が卓越であることを確認した。
デキストラン1の50(w/v)%投与群からは、たとえIL−10/IL−6発現比の増加が有意ではあったが、その増加量が頭角を表していないことを考慮すると、骨関節炎モデルにおけるIL−10/IL−6発現比の増加、すなわち、抗炎効果は、デキストラン1(D)の濃度を増加させるよりはポロキサマー188(P)またはデキストラン5(T)との混合で投与するのが好ましいことを示す。特に抗炎症効果は、デキストラン1(D)5および50(w/v)%、デキストラン5(T)4および40(w/v)%、ポロキサマー188(P)2および10(w/v)%の単独投与群と比較してこれらの混合物投与群が、大部分のところ顕著に優れていることを示しているので、これを通じて、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)の混合投与の優秀性を確認することができる。
特に、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)の混合投与は、デキストラン1(D)5および50(w/v)%、デキストラン5(T)4および40(w/v)%、ポロキサマー188(P)2および10(w/v)%の全範囲で抗炎症効果に優れていることを示しているところ、これらの全ての組み合わせが抗炎症効果を示し、これにより、炎症性疾患の治療に効果的であることを確認した。
実施例4.MMP−3、MMP−13遺伝子発現の変化を通じた軟骨基質再生効果の確認
骨関節炎評価のための指標物質の遺伝子発現を介して骨関節炎の治療効果を確認するための実験を行った。MMP−3、MMP−13は、軟骨基質を破壊するタンパク質であるので、炎症刺激を通じて誘導しうる前記遺伝子発現量の増加が効果的に抑制されれば、軟骨保護の効果に優れていると評価することができる。
デキストラン1は、2.5〜50(w/v)%、デキストラン5は、2〜40(w/v)%で、ポロキサマー188は、1〜20(w/v)%で変化させ、単一投与または混合投与を行い、これに伴うMMP−3、MMP−13の発現の変化を確認した。具体的には、それぞれの試験物質をrhIL−1α処理1時間前に、ラット軟骨細胞に処理した上、24時間培養した。培養細胞の上澄み液を除去した後、リン酸緩衝溶液(PBS)を用いて細胞を洗浄した。洗浄した細胞からRNAを分離し、(GeneAll hybrid−R RNA purification kit;GeneAll、3033522)、分離したRNAをnanodrop(Take3 Multi−Volume plate、 BioTeK、 Instruments、 VT、 USA)を用いて定量した後、各実験群別に同一の濃度で希釈した。同量で希釈されたRNAをPCRを用いてcDNA合成し(ReverTra AceR qPCR RT Master Mix with gDNA Remover、 Toyobo、 FSQ−301)、合成されたcDNAを用いて、Real time RT−PCRを介して96 well plateからMMP−3、MMP−13の遺伝子発現を確認した。
実験に使用されたプライマーの構成は、下記表4に示し、対照群としては、ハウスキーピング遺伝子GAPDHを用いた。
該プライマー、SyBr green(SYBR Premix Ex Taq、 Takara、 RR420A)そしてテンプレートを混合した後、リアルタイムRT−PCR(CFX 96 touch、 Bio rad、 Hercules、 CA、 USA)を用いてintercalating法によるリアルタイムRT−PCRを行った。Ct値を検量線に適用して得られる定量結果(遺伝子発現量)は、ハウスキーピング遺伝子であるGAPDHの定量結果で割った値で表示した。
3.1 MMP−3発現変化の確認
デキストラン1、デキストラン5、ポロキサマー188単一またはこれらの混合物の処理に伴うMMP−3発現結果を表5a〜表5bおよび図6に示した。
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)単一物のMMP−3遺伝子発現量
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)またはポロキサマー188(P)の混合物のMMP−3遺伝子発現量
前記表5aおよび図6に示すように、デキストラン1(D)は、2.5〜40(w/v)%で炎症誘発陽性対照群に比べて有意なMMP−3の減少効果が示され、デキストラン5(T)は、2〜20(w/v)%で有意なMMP−3の減少効果が示された。一方、ポロキサマー188(P)は、実験したすべての群である1〜20(w/v)%で減少効果が示された。
表5bおよび図6に示すように混合物実験群においては、デキストラン1(D)5(w/v)%とポロキサマー188(P)2〜10(w/v)%、デキストラン(T)4%および40(w/v)%のすべての実験群から有意な効果を確認したが、デキストラン1(D)を50(w/v)%まで高濃度で処理した群からは、P2との混合でのみ有意な減少効果が確認された。したがって、デキストラン1をデキストラン5またはポロキサマー188と混合した場合、濃度を50(w/v)%未満に混合するのが好ましいことを確認した。ポロキサマー188は、単独処理および混合処理群からMMP−3の減少効果がほとんど有意に示されたが、実施例2にて確認したところにより、ポロキサマーの濃度は、10(w/v)%以下であることが好ましく、これに該当するP2、P5、P10は、デキストラン1およびデキストラン5との組み合わせでも有意なMMP−3の抑制効果を誘導することができることを確認した。
3.2 MMP−13発現変化の確認
デキストラン1、デキストラン5、ポロキサマー188単一またはこれらの混合物の処理に伴うMMP−13の発現結果を表6a〜表6bおよび図7に示した。
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)単一物のMMP−13の遺伝子発現量
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)またはポロキサマー188(P)の混合物のMMP−13の遺伝子発現量
前記表6a〜表6b、図7から確認できるように、単一物実験群からデキストラン1(D)は、2.5〜25(w/v)%で有意なMMP−13遺伝子の増加抑制効果が示され、D40である40(w/v)%では有意ではなかったが、MMP−13遺伝子の増加が抑制され、D50である50(w/v)%では、むしろMMP−13レベルが増加したことが示された。これらの特性は、デキストラン1(D)の混合物でも同様に表れた。したがって、デキストラン1(D)は、2.5〜40(w/v)%が最も好ましい濃度範囲であることを確認し、これは、MMP−3遺伝子発現量の結果とも一致する結果である。デキストラン5(T)は、単独投与時、2〜40(w/v)%で有意なMMP−13遺伝子の増加抑制効果が示され、デキストラン5(T)4および40(w/v)%は、デキストラン1(D)5(w/v)%およびポロキサマー188(P)2および10(w/v)%との混合でも有意なMMP−13遺伝子の増加抑制効果が示された。
ポロキサマー188の場合、単独実験群から5〜20(w/v)%でMMP−13遺伝子の増加抑制効果を示したが、デキストランとの混合物で投与した場合、2(w/v)%も同様に効果を示すことを確認した。実施例2における細胞毒性実験結果を考慮すると、ポロキサマー188(P)の濃度は、混合投与時、2〜10(w/v)%であるのが好ましいことを確認した。これに該当するP2、P10は、デキストラン1およびデキストラン5との組み合わせでもデキストラン1(D)50(w/v)%の組み合わせを除いては、いずれも有意なMMP−13遺伝子の増加抑制効果を誘導した。
前記のような結果を通じ、P2、P5、P10は、デキストラン1およびデキストラン5との組み合わせでも有意なMMP−13の抑制効果を誘導することができることを確認した。
実施例5.骨関節炎モデルにおけるII型コラーゲン(Type II Collagen)およびアグリカン(Aggrecan)の生成量増加の確認
骨関節炎評価のための指標物質のうち、II型コラーゲンとアグリカンタンパク質の生成量を確認するためにrhIL−1αを処理する1時間前に、各々の試験物質を軟骨細胞に処理した後、24時間培養した。II型コラーゲンとアグリカンは、軟骨基質組成物であるので、これの生成量が増加すると、軟骨基質保護効果に優れていると判断することができる。
ここで、細胞の上澄み液(培養液)を回収し、13,000 rpmで10分間遠心分離し、上澄み液だけを分析に用いた。遠心分離された細胞の上澄み液を用いて、Aggrecan ELISA Kit(Rat Aggrecan ELISA Kit、 Mybiosource、 MBS261073)とtype II Collagen(Type II Collagen detection Kit、 Multi−Species、 Chondrex、 6018)製品のmanualを参照した分析を進めた。正確な分析のために全波長帯ELISA reader(EPOCH 2 microplate reader、BioTek、Instruments、VT、USA)を用いて、それぞれ450nmと490nmでの吸光度を測定した後、検量線に基づいて、II型コラーゲンとアグリカンの含有量(ng/mL)を定量した。
5.1 II型コラーゲン生成量の確認
デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)、単一またはこれらの混合物の処理に伴うII型コラーゲン生成量の結果を表7a〜表7bおよび図8に示す。
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)単一物のType II Collagen生成量
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞からデキストラン1(D)、デキストラン5(T)またはポロキサマー188(P)混合物のType II Collagen生成量。
前記表7a〜表7b、および図8に示すように、デキストラン1(D)5〜25(w/v)%、デキストラン5(T)4〜40(w/v)%の単独投与群から炎症誘発陽性対照群(PC)に比べてII型コラーゲン合成の増加が観察された。一方、デキストラン1(D)50(w/v)%は、単独およびデキストラン5(T)、ポロキサマー188(P)との混合投与群全部から炎症誘発陽性対照群(PC)に比べてII型コラーゲン合成の増加を誘導し得ないことを示した。これは、実施例4にて確認したように、デキストラン1(D)50(w/v)%、単独ではMMP−3、MMP−13の発現増加を抑制する効果を示さず、唯一ポロキサマー188(P)2〜10(w/v)%との混合でのみMMP−3、MMP−13の発現の増加を抑制できることを考慮すると、デキストラン1(D)は、40(w/v)%以下に単独または混合して用いることが好ましいことを示す結果である。特に、デキストラン1(D)5(w/v)%とデキストラン5(T)4〜40(w/v)%と混合投与時に、炎症誘発陽性対照群(PC)に比べてII型コラーゲンの合成が有意に増加した。
ポロキサマー188(P)の場合、2(w/v)%の処理群を除いた10(w/v)%、20(w/v)%単独処理群全部からII型コラーゲン合成の増加効果が観察されず、濃度を増加させるほどII型コラーゲン合成は、より減少することを確認した。しかし、ポロキサマー188(P)2または10(w/v)%をデキストラン1(D)5(w/v)%、またはデキストラン5(T)40(w/v)%と混合して投与する場合には、II型コラーゲン合成の増加効果が有意に示された。このような結果は、骨関節炎のII型コラーゲン合成において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)を単独で処理可能であるが、ポロキサマー188(P)は、2(w/v)%を除いては、単独処理には適しておらず、ポロキサマー188(P)とデキストラン1(D)またはデキストラン5(T)の混合投与がII型コラーゲン合成を効果的に誘導できることを示す。
前の実施例3においては、単独投与と比較してポロキサマー188とデキストラン1またはデキストラン5の混合投与がIL−10/IL−6の遺伝子発現の割合を顕著に増加しうることを確認したので、このような結果を総合してみると、骨関節炎での炎症反応を緩和させるとともに、コラーゲン合成を促進させるためには、デキストラン1、デキストラン5またはポロキサマー188の混合物を投与することが好ましいことが確認された。
5.2 アグリカン含有量の定量結果の確認
デキストラン1、デキストラン5、ポロキサマー188単一またはこれらの混合物の処理に伴うアグリカン生成量の結果を表8a〜表8b、および図9に示した。
RhIL−1αを24h処理した軟骨細胞において、デキストラン1(D)、デキストラン5(T)またはポロキサマー188(P)混合物のアグリカン生成量
前記表6aおよび図9にて確認できるように、デキストラン1(D)5〜25(w/v)%、デキストラン5(T)4(w/v)%、ポロキサマー188(P)2〜10(w/v)%単独処理群からアグリカン生成量が炎症誘発陽性対照群(PC)と比較して有意に増加したことを確認した。一方、デキストラン1(D)50(w/v)%、ポロキサマー188(P)20(w/v)%、デキストラン5(T)20〜40(w/v)%の単独投与群は、アグリカン生成の増加を誘導し得なかったことを確認した。
表8bおよび図9にて確認できるように、混合投与群中からはデキストラン1(D)5(w/v)%とポロキサマー188(P)2(w/v)%、またはデキストラン5(T)4〜40(w/v)%の混合投与群からアグリカン生成量が炎症誘発陽性対照群(PC)と比較して有意に増加し、デキストラン1(D)50(w/v)%とはポロキサマー188(P)2(w/v)%との混合投与群でのみアグリカン生成量が有意に増加した。デキストラン5(T)4〜40(w/v)%とポロキサマー188(P)2〜10(w/v)%間の混合投与群からも炎症誘発陽性対照群(PC)と比較してアグリカン生成量が有意に増加したことを確認した。特に、デキストラン1(D)5(w/v)%とポロキサマー188(P)2(w/v)%は、デキストラン5(T)4〜40(w/v)%との混合投与時、単一投与に比べて有意にアグリカン生成量が増加したことを確認した。
先に実施例5.1にて確認したII型コラーゲン合成の結果を共に考慮する場合、骨関節炎モデルにおいて、II型コラーゲン合成を増加させ、アグリカン生成を増加させるためには、デキストラン1(D)5〜25(w/v)%、デキストラン5(T)4(w/v)%、またはポロキサマー188(P)2(w/v)%を単独投与するか、デキストラン1(D)5(w/v)%をデキストラン5(T)4〜40(w/v)%と混合投与するか、またはデキストラン1(D)5(w/v)%をポロキサマー188(P)2(w/v)%と混合投与する場合が好ましいことが確認された。また、デキストラン5(T)4〜40(w/v)%は、デキストラン1(D)5(w/v)%との組合せで、特にデキストラン5 40(w/v)%の場合、ポロキサマー188(P)2〜10(w/v)%との組み合わせにてII型コラーゲン合成とアグリカン生成を有意に増加させることができることを確認した。
前記のような結果を総合すると、骨関節炎の治療において、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー188を用いることができるが、これらの単独または全部の組み合わせが骨関節炎の治療に効果を示すものではなく、デキストラン1、デキストラン5およびポロキサマー188濃度の組み合わせに応じて毒性および効果が相違に示され得るので、これの適切な組み合わせを導き出すことが重要であることを確認することができる。

Claims (15)

  1. デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、関節疾患または結合組織疾患の予防または治療用薬学的組成物。
  2. 前記デキストランは、500〜10,000Daの 平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ポロキサマーは、100〜20,000Daの 平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 前記デキストランは、デキストラン1で組成物に単一の有効成分として含まれ、デキストラン1の濃度は、2〜40(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記デキストランは、デキストラン5で組成物に単一の有効成分として含まれ、デキストラン5の濃度は、2〜30(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記ポロキサマーは、組成物に単一の有効成分として含まれ、ポロキサマーの濃度は、1〜15(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記混合物は、デキストラン5およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜20(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記混合物は、デキストラン5およびデキストラン1の混合物であり、前記デキストラン5の濃度は、2〜40(w/v)%、前記デキストラン1の濃度は、2.5〜40(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記混合物は、デキストラン1およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、2.5〜40(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜5(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  10. 前記混合物は、デキストラン1およびポロキサマーの混合物であり、前記デキストラン1の濃度は、45〜55(w/v)%、前記ポロキサマーの濃度は、1〜2(w/v)%であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  11. 前記組成物内のデキストラン:ポロキサマーの濃度(w/v)%の比率は、1:0.01〜1:40であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 前記組成物内のデキストラン1およびデキストラン5の濃度(w/v)%の比率は、1:0.01〜1:20であることを特徴とする請求項8に記載の組成物。
  13. 前記ポロキサマーは、ポロキサマー101、ポロキサマー105、ポロキサマー105ベンゾエート、ポロキサマー108、ポロキサマー122、ポロキサマー123、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー182ジベンゾエート、ポロキサマー183、ポロキサマー184、ポロキサマー185、ポロキサマー188、ポロキサマー212、ポロキサマー215、ポロキサマー217、ポロキサマー231、ポロキサマー234、ポロキサマー235、ポロキサマー237、ポロキサマー238、ポロキサマー282、ポロキサマー284、ポロキサマー288、ポロキサマー331、ポロキサマー333、ポロキサマー334、ポロキサマー335、ポロキサマー338、ポロキサマー401、ポロキサマー402、ポロキサマー403およびポロキサマー407からなる群から選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  14. 前記結合組織疾患は、炎症性骨関節疾患、炎症性皮膚炎、炎症性眼疾患、炎症性筋肉炎、炎症性消化管疾患、軟骨疾患、血管炎、および捻挫からなる群から選択された1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  15. デキストラン(dextran)、ポロキサマー(poloxamer)またはこれらの混合物を有効成分として含む、軟骨再生用組成物。
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