JP2021178612A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性の向上を図った空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】トレッド部2の内面にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材11が固定され、吸音材11は、タイヤ幅方向の端部11Aがタイヤ幅方向最外に位置するショルダー主溝22Bよりもタイヤ幅方向外側に位置し、タイヤ幅方向における吸音材11の幅W1とトレッド部2のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)≦0.90の範囲となる関係を満たし、かつ、吸音材11の幅W1とベルト層7の最大幅を有する第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、サイドウォール部に補強ゴムを備えた空気入りタイヤに関する。
一般に、タイヤのサイドウォール部の内側に断面三日月形状の補強ゴムを設けて該サイドウォール部の曲げ剛性を向上させた空気入りタイヤが知られている。この種の空気入りタイヤでは、パンク等で内部に充填された空気が漏出し、大きな荷重がサイドウォール部に作用する場合でも、補強ゴムによりサイドウォール部の変形が抑制されることで、いわゆるランフラット走行が可能となっている。一方、車両走行時に路面と接地するタイヤのトレッド部が路面の凹凸によって振動し、この振動がタイヤ空洞部内の空気を振動させることによって空洞共鳴音が生じる。この空洞共鳴音の中でも特定の周波数帯域の音が騒音として知覚されるので、その周波数帯域の音圧レベル(騒音レベル)を低下させることが空洞共鳴音を低減するうえで重要である。
このため、従来、サイドウォール部に補強ゴム層を備え、この補強ゴム層がサイドウォール部からトレッド部の少なくとも一部に亘って延在するとともに、タイヤの内周面の少なくとも一部を覆う、スポンジ等からなる制音層を備え、該制音層が補強ゴム層上に積層されていない構成を有するタイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2019−26019号公報
ところで、サイドウォール部の内側に補強ゴムを有する、いわゆるランフラットタイヤでは、ランフラット走行時にトレッド部のショルダー領域の接地圧が上昇して発熱が誘発される。このため、ランフラットタイヤにおけるトレッド部のショルダー領域の内面に亘って制音層(吸音材)を設けた場合、タイヤの放熱性の低下または制音層の剥離や破断の発生により、ランフラット走行時のタイヤの耐久性が低下するおそれがあった。従来の技術では、制音層と補強ゴム層とを積層しない構成で工夫をしているが、空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性を向上するためには更なる改善の余地がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性の向上を図った空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ周方向に沿って複数の主溝が形成されたトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部と、一対のビード部の間に架け渡されるカーカス層と、トレッド部におけるカーカス層のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層と、サイドウォール部からトレッド部の少なくとも一部に亘って延在する補強ゴムとを備え、トレッド部の内面にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材が固定され、吸音材は、タイヤ幅方向の端部が該タイヤ幅方向の最外の主溝よりもタイヤ幅方向外側に位置し、タイヤ幅方向における吸音材の幅W1とトレッド部のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)≦0.90の範囲となる関係を満たし、かつ、吸音材の幅W1とベルト層における最大幅のベルトのベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たすことを特徴とする。
上記空気入りタイヤにおいて、吸音材の体積はタイヤの内腔体積に対して10%以上30%以下であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線断面における補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と前記吸音材の端部とがタイヤ幅方向に離間しており、この離間した距離L1が3mm以上50mm以下の範囲にあることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、吸音材の密度は、10kg/m以上30kg/m以下であり、吸音材のセル数が25mmあたり30個以上80個以下であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線断面における補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部とベルトの端部との端部間距離L2が5mm以上25mm以下であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線断面における補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部とベルトの端部との端部間距離L2と、該ベルトのベルト幅W2とが0.03≦(L2/W2)≦0.15を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子午線断面における補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と接地端との距離L3と、接地端とタイヤ幅方向の最外の主溝とで区画されるショルダー陸部の接地幅W3とが0.05≦(L3/W3)≦0.40を満たすことが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、ビード部は、カーカス層に沿って配置されるビードフィラーを備え、該ビードフィラーの高さH1はタイヤの断面高さSHの15%以上50%以下の範囲を満たすことが好ましい。
本発明にかかる空気入りタイヤは、トレッド部のトレッド展開幅TDWに対する吸音材の幅W1、及び、最大幅を有するベルトのベルト幅W2に対する吸音材の幅W1を、それぞれ規定することにより、空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時におけるタイヤの耐久性の更なる向上を実現できる。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤを示す子午線断面図である。 図2は、図1の部分拡大断面図である。 図3は、図1の部分拡大断面図である。 図4は、上記した実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態に係る空気入りタイヤは、車両用の空気入りタイヤであり、例えばパンク等で内部に充填された空気が漏出した場合でも、いわゆるランフラット走行が可能なランフラットタイヤである。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本実施形態に係る空気入りタイヤを示す子午線断面図である。図2及び図3は、図1の部分拡大断面図である。図1において、子午線断面とはタイヤ回転軸(図示省略)を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。また、符号CLはタイヤ赤道面であり、タイヤ回転軸方向に係るタイヤの中心点を通りタイヤ回転軸に垂直な平面をいう。タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸に平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸に垂直な方向をいい、さらに、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向において回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向において回転軸から離れる側をいう。
本実施形態に係る空気入りタイヤ1(以下、単にタイヤ1と称する)は、図1に示すように、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部2と、トレッド部2のタイヤ幅方向両側に形成され、タイヤ径方向内側に延在する一対のサイドウォール部4,4と、これらサイドウォール部4のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部5,5とを備えている。また、タイヤ1は、カーカス層6と、ベルト層7と、ベルトカバー8と、インナーライナ層9と、サイド補強ゴム(補強ゴム)10と、吸音材11とを備えている。
トレッド部2は、ゴム部材であるトレッドゴム層2Aを有しており、タイヤ1のタイヤ径方向の最も外側で露出している。これにより、トレッド部2は、表面21がタイヤ1の輪郭の一部を構成し、この表面21は、車両走行時に路面と接触する踏面(トレッド面ともいう)となる。トレッド部2の表面21には、タイヤ周方向に延在する複数本(図1では4本)の主溝22が形成されている。主溝22はタイヤ周方向の所定間隔ごとにウェアインジケーター(不図示)を備えた溝である。これらの主溝22は、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向内側に位置する2本のセンター主溝22Aと、センター主溝22Aよりもタイヤ幅方向外側に位置する2本のショルダー主溝22Bとを備える。ショルダー主溝22Bは、タイヤ幅方向の最も外側に位置する最外の主溝に相当する。この図1の例では、一方のショルダー主溝22Bが、他方のショルダー主溝22B及びセンター主溝22Aよりも溝幅が小さく形成されているが、これに限るものではなく、すべての主溝22が同等の溝幅に形成されていてもよい。また、センター主溝22Aとショルダー主溝22Bとを区別する必要しない場合には単に主溝22と称する。
また、トレッド部2は、2本のセンター主溝22A及び2本のショルダー主溝22Bが形成されることで、複数(図1では5つ)の陸部23に区画される。具体的には、陸部23は、一対のセンター主溝22A,22Aの間にタイヤ周方向に延在するセンター陸部23Aと、センター主溝22Aとショルダー主溝22Bとの間にタイヤ周方向に延在するセカンド陸部23Bと、ショルダー主溝22Bのタイヤ幅方向外側に位置しタイヤ周方向に延在するショルダー陸部(ショルダー領域)23Cとを備える。これらセンター陸部23A、セカンド陸部23B及びショルダー陸部23Cを区別しない場合には単に陸部23と称する。
また、トレッド部2には、各陸部23にタイヤ周方向と交差する方向に延在する複数のラグ溝24が設けられている。これらラグ溝24は、主溝22に連通していてもよく、または少なくとも一端が主溝22に連通せず陸部23内で終端していてもよい。
サイドウォール部4は、タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両側にそれぞれ配置されており、トレッド部2のショルダー陸部23Cからタイヤ径方向内側に延びて形成されている。このように形成されるサイドウォール部4は、タイヤ1におけるタイヤ幅方向の最も外側に露出する部分であり、ゴム材料であるサイドゴム4Aを有している。
また、ビード部5は、各サイドウォール部4のタイヤ径方向内側にそれぞれ配置されており、それぞれのビード部5は、ビードコア50と、第1ビードフィラー51と、第2ビードフィラー52とを備えている。ビードコア50は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。第1ビードフィラー51及び第2ビードフィラー52は、カーカス層6に沿って配置されるゴム部材により形成されている。
カーカス層6は、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維からなるカーカスコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。カーカス層6のカーカスコードは、タイヤ子午線方向に沿って延在しつつ、タイヤ周方向への傾斜角度が所定の範囲内となって設けられている。カーカス層6は、タイヤ幅方向の両側に配設されるビード部5間にトロイダル状に架け渡されて、タイヤ1の骨格を構成する。具体的には、カーカス層6は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部5のうち、一方のビード部5から他方のビード部5にかけて配設されており、カーカス層6の両端部は、ビードコア50及び第1ビードフィラー51を包み込むように、該ビードコア50の廻りにタイヤ幅方向内側から外側へ折り返されている。
即ち、カーカス層6は、トレッド部2からサイドウォール部4を経てビード部5に至り、一対のビード部5間に架け渡されるカーカス本体部6aと、カーカス本体部6aから連続して形成されてタイヤ幅方向外側に折り返される折り返し部6bとを有している。折り返し部6bは、カーカス本体部6aから連続して形成され、ビード部5でビードコア50のタイヤ幅方向内側からビードコア50のタイヤ径方向内側を通り、ビードコア50のタイヤ幅方向外側に折り返されてビードコア50及び第1ビードフィラー51のタイヤ径方向外側でカーカス本体部6aに重ねられている。この折り返し部6bは、タイヤ径方向における端部6cの位置が第1ビードフィラー51よりもタイヤ径方向外側に位置している。このため、折り返し部6bは、第1ビードフィラー51全体を覆ってビード部5からサイドウォール部4に向かって延在して設けられている。
ビード部5が有する第1ビードフィラー51は、カーカス層6の折り返し部6bのタイヤ幅方向内側で、且つ、ビードコア50のタイヤ径方向外側に配置されている。換言すると、第1ビードフィラー51は、ビードコア50のタイヤ径方向外側で、タイヤ子午線断面において、カーカス層6のカーカス本体部6a及び折り返し部6bと、ビードコア50とによって区画される部分に配置されて断面略三角形状を呈している。
また、第2ビードフィラー52は、カーカス層6の折り返し部6bのタイヤ幅方向外側でカーカス層6に沿って配置されている。即ち、第2ビードフィラー52は、カーカス層6の折り返し部6bとサイドゴム4Aとにタイヤ幅方向に挟まれて配置されている。
また、ビード部5は、リム(図示省略)と接触するタイヤ外側部分において露出するゴム部材であるリムクッションゴム5Aを有している。リムクッションゴム5Aは、ビード部5の外周をなしており、ビード部5のタイヤ幅方向内側からリムに接触するタイヤ径方向内側を経て、カーカス層6のタイヤ幅方向外側に配置される第2ビードフィラー52におけるタイヤ径方向内側部分の一部を覆って配置されている。
ベルト層7は、複数のベルトプライをタイヤ径方向に積層することにより構成され、カーカス層6のタイヤ径方向外側に配置されている。本実施形態では、ベルト層7は2層の第1ベルトプライ71及び第2ベルトプライ72を有する。第1ベルトプライ71は、第2ベルトプライ72よりもタイヤ径方向内側に位置し、ベルト層7におけるタイヤ幅方向の最大幅を有するように形成されている。各ベルトプライ71,72は、スチール或いは有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向へのベルトコードの延在方向の傾斜角であるベルト角度が20°以上35°以下の範囲内になっている。また、各ベルトプライ71,72は、ベルト角度が相互に異符号となり、ベルトコードの延在方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造になっている。即ち、各ベルトプライ71,72は、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向へのベルトコードの傾斜方向が、互いに反対方向になっている。
ベルト層7のタイヤ径方向外側には、ベルトカバー8が配設されている。ベルトカバー8は、コートゴムで被覆されたスチール或いは有機繊維材から成る複数のコードを圧延加工して構成され、タイヤ周方向に対するタイヤ幅方向へのベルト角度が±5°の範囲内になっている。また、ベルトカバー8は、ベルト層7のタイヤ径方向外側に積層されて配置されており、少なくともタイヤ幅方向においてベルト層7のベルトプライ71,72が配設される範囲に配設されている。本実施形態では、ベルトカバー8は、ベルト層7を全体的に覆うベルトフルカバー81と、ベルト層7のタイヤ幅方向端部を覆うベルトエッジカバー82とを有する。
インナーライナ層9は、タイヤ1におけるタイヤ内側の表面であるタイヤ内面12に配置されてカーカス層6を覆う空気透過防止層であり、タイヤ1に充填された空気の洩れを防止し、また、カーカス層6の露出による酸化を抑制する。具体的には、インナーライナ層9は、カーカス層6のタイヤ内面12側に配置されると共に、各タイヤ幅方向両端部が一対のビード部5の位置まで至っており、タイヤ周方向にトロイダル状に掛け回されて配置されている。
サイド補強ゴム10は、サイドウォール部4の内部に設けられるゴム部材になっており、タイヤ内面12や、タイヤ1におけるタイヤ外側の表面には露出することなく配設されている。詳しくは、サイド補強ゴム10は、主にカーカス層6におけるサイドウォール部4に位置する部分のタイヤ幅方向内側に位置しており、サイドウォール部4においてカーカス層6とインナーライナ層9との間に配置されている。つまり、サイド補強ゴム10は、サイドウォール部4からトレッド部2の一部(ショルダー陸部23C)におけるカーカス層6のタイヤ内面12側に配置されている。
サイド補強ゴム10は、タイヤ子午線断面における形状が、タイヤ幅方向外側に凸となる三日月形状に形成されている。サイド補強ゴム10は、サイドウォール部4を形成するサイドゴム4Aやビード部5を形成するリムクッションゴム5Aよりも強度が高いゴム材料により形成されている。
吸音材11は、タイヤ内面12のトレッド部2に対応する領域に、タイヤ赤道面CLを挟んで固定されている。吸音材11の固定は、例えば、接着剤や両面接着テープを使用することができる。吸音材11は、連続気泡を有する多孔質材料から構成され、その多孔質構造に基づく所定の吸音特性を有している。吸音材11の多孔質材料としては発泡ポリウレタンを用いると良く、更には撥水剤を含有しないことが望ましい。図1の例では、吸音材11は、断面長方形形状を有してタイヤ周方向に延在する1枚の帯状体からなる。
吸音材11の密度は10kg/m以上30kg/mであり、吸音材11のセル(気泡)数は、25mm(1インチ)あたり30個以上80個以下であることが好ましい。このように吸音材11の密度を設定することで、吸音材11が低密度となって軽量化を図ることができ、転がり抵抗の低減に繋がる。また、吸音材11のセル数を適度に設定することで、気泡を細かくすることができ、吸音材11の吸音効果を十分に確保することができる。
吸音材11の体積は、タイヤ1とリム(不図示)との間に形成されるタイヤ空洞部13の体積(内腔体積)に対し10%以上30%以下であることが好ましい。これにより、吸音材11の吸音効果を十分に確保することでき、静穏性の向上に繋がる。ここで、吸音材11の体積がタイヤ1の内腔体積に対して10%を下回ると吸音効果を適切に得ることができない。また、吸音材11の体積がタイヤ1の内腔体積に対して30%を超えると空洞共鳴現象による騒音の低減効果が一定となり、より一層の低減効果が望めなくなる。
また、吸音材11は、図示は省略するが、タイヤ周方向の少なくとも1箇所に欠落部を有することが好ましい。この欠落部はトレッド部2に対応するタイヤ内面(内周面)12上で吸音材11が存在しない部分である。吸音材11に欠落部を設けることにより、タイヤ1のインフレートによる膨張や接地転動に起因する接着面のせん断ひずみに長時間耐えることができ、吸音材11の接着面に生じるせん断歪みを効果的に緩和することが可能になる。
なお、吸音材11を接着する場合、接着剤や両面接着テープ(接着剤などという)の総厚さは10μm以上150μm以下であることが好ましい。これら接着剤などの総厚さを上記した範囲に規定することにより、トレッド部2の変形に対する追従性を確保することができる。ここで、接着剤などの総厚さが10μm未満であると接着剤などの強度が不足して吸音材11のトレッド部2との接着性が十分に確保できない。また、接着剤などの総厚さが150μmを超えると高速走行時に放熱を阻害するため高速耐久性が悪化する。なお、上記した吸音材11の密度や吸音材11のセル数は、JIS−K6400に準拠して測定されるものである。また、タイヤの各種寸法や内腔体積は、タイヤ1を正規リムにリム組みして規定内圧を充填した状態で測定したものである。特に、タイヤの内腔体積は、この状態におけるタイヤとリムとの間に形成される空洞部の体積である。
上記したタイヤ1では、吸音材11は、図1に示すように、タイヤ径方向外側に位置する端部11Aがタイヤ幅方向の最外に位置するショルダー主溝22Bよりもタイヤ幅方向外側に位置している。また、吸音材11の上記端部11Aは、トレッド部2の接地端Tよりもタイヤ幅方向内側に位置している。このように、吸音材11の上記端部11Aは、タイヤ幅方向におけるショルダー主溝22Bと接地端Tとの間、即ちトレッド部2のショルダー陸部23Cに対応するタイヤ内面12上に位置している。具体的には、吸音材11は、該吸音材11のタイヤ幅方向における幅W1とトレッド部2のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)W≦0.90の範囲となる関係を満たしている。ここで、トレッド展開幅TDWは、2つのショルダー陸部23Cのタイヤ幅方向外側の接地端T,T間の距離であり、タイヤ1を正規リムにリム組みして規定内圧を充填し、荷重を加えない状態(基準状態)における、タイヤ1のトレッド部2の展開図における接地端T,T間の直線距離をいう。この正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、吸音材11の幅W1は、上記した基準状態における端部11A,11A間の直線距離をいい、より具体的には吸音材11のタイヤ径方向内側の角部11A1,11A1間の直線距離をいう。
本構成によれば、タイヤ幅方向における吸音材11の大きさを適正に規定することができるため、タイヤ空洞部13内で発生する空洞共鳴音を低減できる。さらに、トレッド部2のショルダー陸部23C(ショルダー領域)に対応するタイヤ内面12に吸音材11を配置することを回避できることにより、タイヤの放熱性を高めてランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。上記したW1/TDWが0.65未満の場合には、トレッド展開幅TDWに対する吸音材11の幅W1が小さく、吸音効果を適切に得ることができない。また、W1/TDWが0.90よりも大きい場合には、ショルダー陸部23Cに対する吸音材11のオーバーラップ量が大きくなり、タイヤの放熱性が低下するため、ランフラット走行時のタイヤの耐久性が低下する。本構成では、吸音材11の幅W1とトレッド部2のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)W≦0.90の範囲を満たすため、タイヤ空洞部13内の空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
また、上記したタイヤ1では、ベルト層7で最大幅を有する第1ベルトプライ71のベルト幅W2は、トレッド展開幅TDWよりも小さく形成されている。第1ベルトプライ71のベルト幅W2は、上記した基準状態における端部71A,71A間の直線距離をいう。さらに、吸音材11の幅W1とベルト層7における最大幅の第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たすことが好ましい。ここで、W1/W2が0.70未満の場合には、第1ベルトプライ71のベルト幅W2に対する吸音材11の幅W1が小さく、吸音効果を適切に得ることができない。また、W1/W2が0.95よりも大きい場合には、第1ベルトプライ71(ベルト層7)に対する吸音材11のオーバーラップ量が大きくなり、タイヤの放熱性が低下するため、ランフラット走行時のタイヤの耐久性が低下する。本構成では、第1ベルトプライ71のベルト幅W2がトレッド展開幅TDWよりも小さく形成され、かつ、吸音材11の幅W1と第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たすため、トレッド展開幅TDW、吸音材11の幅W1及び第1ベルトプライ71のベルト幅W2の関係を適正に規定することができ、タイヤ空洞部13内で発生する空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
また、上記したタイヤ1では、図2に示すように、タイヤ子午線断面において三日月形状に形成されるサイド補強ゴム10は、タイヤ径方向外側の端部10Aと、吸音材11の端部11Aとがタイヤ幅方向に離間しており、この離間した距離L1が3mm以上50mm以下の範囲にあることが好ましい。この距離L1は、上記した基準状態において、吸音材11のタイヤ径方向内側の角部11A1とサイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aとからそれぞれタイヤ径方向に沿った補助線を伸ばした際のタイヤ幅方向の直線距離である。
離間した距離L1が3mm未満の場合には、サイド補強ゴム10と吸音材11とが近づき過ぎて、タイヤの放熱性が低下するため、ランフラット走行時のタイヤの耐久性が低下する。また、離間した距離L1が50mmより大きい場合には、吸音材11のタイヤ幅方向の大きさが相対的に小さくなるため、吸音効果を適切に得ることができない。本構成では、サイド補強ゴム10と吸音材11との離間した距離L1が3mm以上50mm以下の範囲にあるため、タイヤ空洞部13内で発生する空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。なお、離間した距離L1は、16mm以上30mm以下とすることがより好ましい。
また、上記したタイヤ1では、タイヤ子午線断面において三日月形状に形成されるサイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと、第1ベルトプライ71の端部71Aとの端部間距離L2を5mm以上25mm以下とすることが好ましい。この端部間距離L2は、上記した基準状態において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと第1ベルトプライ71の端部71Aとからそれぞれタイヤ径方向に沿った補助線を伸ばした際のタイヤ幅方向の直線距離である。本構成では、サイド補強ゴム10の端部10Aが第1ベルトプライ71の端部71Aよりもタイヤ幅方向内側に位置しており、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71とがタイヤ幅方向にオーバーラップしている。ここで、端部間距離L2が5mm未満の場合には、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71とのオーバーラップ量が小さく、第1ベルトプライ71の端部71Aとサイド補強ゴム10の端部10Aの距離が近くなり、応力集中により故障が発生しやすくなるという問題がある。また、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71との端部間距離L2を25mmより大きくすると、オーバーラップ量が大きくなり、むしろタイヤ1の放熱性が低下するため、ランフラット走行時のタイヤ1の耐久性能が低下する。本構成では、タイヤ幅方向にオーバーラップしたサイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと、第1ベルトプライ71の端部71Aとの端部間距離L2を5mm以上25mm以下とすることにより、第1ベルトプライ71の端部71Aとサイド補強ゴム10の端部10Aとが重なることによる応力集中を避けつつ、タイヤ1の放熱性の低下を抑制することができるため、タイヤ1の故障発生を回避することができる。
また、上記した端部間距離L2と、第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.03≦(L2/W2)≦0.15の範囲となる関係を満たすことが好ましい。サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71とがタイヤ幅方向にオーバーラップしている状態で、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71との端部間距離L2(オーバーラップ量)と、第1ベルトプライ71のベルト幅W2との関係L2/W2がα未満の場合には、ベルト幅W2に対するオーバーラップ量が小さく、第1ベルトプライ71の端部71Aとサイド補強ゴム10の端部10Aの距離が近くなり、応力集中により故障が発生しやすくなるという問題がある。また、上記したL2/W2が0.15よりも大きいと、ベルト幅W2に対するオーバーラップ量が大きくなり、タイヤ故障に繋がる可能性が高くなるだけでなく、サイド補強ゴム10と吸音材11との距離L1を確保するために吸音材11の幅W1を小さくする必要があり、所望の静音効果を発揮できないという問題が生じる。本構成では、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと第1ベルトプライ71の端部71Aとの端部間距離L2と、第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.03≦(L2/W2)≦0.15の範囲となる関係を満たすことにより、ベルト幅W2に対するオーバーラップ量、及び、サイド補強ゴム10と吸音材11との距離L1を適正に配置することができるため、タイヤ耐久性と静音効果とを両立することができる。
また、上記したタイヤ1では、図3に示すように、タイヤ子午線断面において三日月形状に形成されるサイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと接地端Tとの距離L3と、該接地端Tとショルダー主溝22B(最外主溝)とで区画されるショルダー陸部23Cの接地幅W3とが0.05≦(L3/W3)≦0.40を満たす範囲にあることが好ましい。サイド補強ゴム10の端部10Aは、接地端Tよりもタイヤ幅方向内側に位置している。距離L3は、上記した基準状態において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと接地端Tとからそれぞれタイヤ径方向に沿った補助線を伸ばした際のタイヤ幅方向の直線距離である。また、接地幅W3は、上記した基準状態における接地端Tとショルダー主溝22Bの外側縁との間のタイヤ幅方向の直線距離である。
ここで、L3/W3が0.05未満の場合には、ショルダー陸部23Cに対するサイド補強ゴム10のオーバーラップ量が小さくなることで、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71との端部間距離L2が小さく(近く)なるため、応力集中によりランフラット走行時のタイヤ1の耐久性が低下する。また、L3/W3が0.40よりも大きい場合には、ショルダー陸部23Cに対するサイド補強ゴム10のオーバーラップ量が大きくなり、タイヤの放熱性が低下するため、ランフラット走行時のタイヤの耐久性が低下する。本構成では、サイド補強ゴム10の端部10Aと接地端Tとの距離L3と、ショルダー陸部23Cの接地幅W3とが0.05≦(L3/W3)≦0.40を満たすため、ショルダー陸部23Cに対するサイド補強ゴム10の端部10Aの位置関係を適正に規定することができ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
ところで、本実施形態に係るタイヤ1は、上述のようにサイドウォール部4にサイド補強ゴム10が設けることにより、ランフラット走行を行うことが可能になっている。一方で、サイド補強ゴム10を形成するゴム材料はサイドゴム4Aを形成するゴム材料よりも強度が高いため、サイドウォール部4のタイヤ径方向における剛性が高くなり過ぎる虞がある。サイドウォール部4のタイヤ径方向における剛性が高くなり過ぎた場合、タイヤ1の内部に空気を充填した通常の走行時に、サイドウォール部4がタイヤ径方向に撓み難くなるため、乗り心地が悪化し易くなる虞がある。
このため、本構成では、タイヤ断面高さSHに対するビード部5の第1ビードフィラー高さ(ビードフィラー高さ)H1を調整することにより、サイドウォール部4やビード部5のタイヤ径方向における剛性が高くなり過ぎることを抑制している。ここで、タイヤ断面高さSHは、上記した基準状態において、トレッド部2における最もタイヤ径方向外側に位置している部分と、リム径基準位置BLとのタイヤ径方向の距離になっている。このリム径基準位置BLは、JATMAの規格で定められるリム径を通るタイヤ軸方向線である。また、第1ビードフィラー高さ(ビードフィラー高さ)H1は、リム径基準位置BLから第1ビードフィラー51の外側端部51Aまでのタイヤ径方向における高さをいう。
具体的には、第1ビードフィラー高さH1は、タイヤ断面高さSHの15%以上50%以下の範囲内であるため、より確実にビード部5の剛性を確保することができる。第1ビードフィラー高さH1が、タイヤ断面高さSHの15%未満である場合は、第1ビードフィラー高さH1が低過ぎるため、第1ビードフィラー51の剛性を確保し難くなる虞がある。この場合、ビード部5の剛性を確保し難くなり、ランフラット走行時の剛性を確保し難くなる虞がある。また、第1ビードフィラー高さH1が、タイヤ断面高さSHの50%よりも大きい場合には、サイドウォール部4のタイヤ径方向における剛性が高くなり過ぎる虞があり、タイヤ1の内部に空気を充填した通常の走行時に、サイドウォール部4がタイヤ径方向に撓み難くなるため、乗り心地が悪化し易くなる虞がある。本構成では、第1ビードフィラー高さH1がタイヤ断面高さSHの15%以上50%以下としたため、第1ビードフィラー51の剛性をより確実に確保することができ、より適正なビード部5の剛性を確保することができる。このため、ランフラット時のタイヤ径方向の剛性を確保しつつ、タイヤ1の内部に空気を充填した通常の走行時のタイヤ径方向の剛性が高くなり過ぎることを抑制して、乗り心地の向上を図ることができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤ周方向に沿って複数の主溝22が形成されたトレッド部2と、該トレッド部2の両側に配置された一対のサイドウォール部4と、該サイドウォール部4のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部5と、一対のビード部5間に架け渡されるカーカス層6と、トレッド部2におけるカーカス層6のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層7と、サイドウォール部4からトレッド部2の少なくとも一部に亘って延在するサイド補強ゴム10とを備え、トレッド部2のタイヤ内面12にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材11が固定され、この吸音材11は、タイヤ幅方向の端部11Aが該タイヤ幅方向の最外のショルダー主溝22Bよりもタイヤ幅方向外側に位置し、タイヤ幅方向における吸音材11の幅W1とトレッド部2のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)≦0.90の範囲となる関係を満たし、かつ、吸音材11の幅W1とベルト層7の最大幅を有する第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たすため、これらトレッド展開幅TDW、吸音材11の幅W1及び第1ベルトプライ71のベルト幅W2の関係を適正に規定することができ、タイヤ空洞部13内で発生する空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、吸音材11の体積はタイヤ1の内腔体積に対して10%以上30%以下であるため、吸音材11の吸音効果を十分に確保することでき、静穏性の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ子午線断面において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと吸音材11の端部11Aとがタイヤ幅方向に離間しており、この離間した距離L1が3mm以上50mm以下の範囲にあるため、タイヤ空洞部13内で発生する空洞共鳴音を低減しつつ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、吸音材11の密度は10kg/m以上30kg/m以下であり、吸音材11のセル数が25mmあたり30個以上80個以下であるため、吸音材11の密度を設定することで、吸音材11が低密度となって軽量化を図ることができ、転がり抵抗の低減に繋がる。また、吸音材11のセル数を適度に設定することで、気泡を細かくすることができ、吸音材11の吸音効果を十分に確保することができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ子午線断面において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと第1ベルトプライ71の端部71Aとの端部間距離L2が5mm以上25mm以下であるため、第1ベルトプライ71の端部71Aとサイド補強ゴム10の端部10Aとが重なることによる応力集中を避けつつ、タイヤ1の放熱性の低下を抑制することができるため、タイヤ1の故障発生を回避することができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ子午線断面において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと第1ベルトプライ71の端部71Aとの端部間距離L2と、該第1ベルトプライ71のベルト幅W2とが0.03≦(L2/W2)≦0.15の範囲となる関係を満たすことにより、ベルト幅W2に対するオーバーラップ量、及び、サイド補強ゴム10と吸音材11との距離L1を適正に配置することができるため、タイヤ耐久性と静音効果とを両立することができる。
また、本実施形態によれば、タイヤ子午線断面において、サイド補強ゴム10のタイヤ径方向外側の端部10Aと接地端Tとの距離L3と、この接地端Tとショルダー主溝22Bとで区画されるショルダー陸部23Cの接地幅W3とが0.05≦(L3/W3)≦0.40を満たすため、ショルダー陸部23Cに対するサイド補強ゴム10の端部10Aの位置関係を適正に規定することができ、ランフラット走行時のタイヤの耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ビード部5は、カーカス層6に沿って配置される第1ビードフィラー51を備え、該第1ビードフィラー51の高さH1はタイヤ断面高さSHの15%以上50%以下の範囲を満たすため、第1ビードフィラー51の剛性をより確実に確保することができ、より適正なビード部5の剛性を確保することができる。このため、ランフラット時のタイヤ径方向の剛性を確保しつつ、タイヤ1の内部に空気を充填した通常の走行時のタイヤ径方向の剛性が高くなり過ぎることを抑制して、乗り心地の向上を図ることができる。
図4は、本実施形態に係る空気入りタイヤの性能試験の結果を示す表である。この性能試験では、複数種類の試験タイヤについて、ランフラット走行時の耐久性、及び吸音性能に関する評価を行った。試験タイヤは、トレッド部2のタイヤ内面12に吸音材11を備え、この吸音材11の幅W1とトレッド展開幅TDWとの関係であるW1/TDW、吸音材11の幅W1と第1ベルトプライ71のベルト幅W2との関係であるW1/W2、サイド補強ゴム10と吸音材11との離間した距離L1、サイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71との端部間距離L2、この端部間距離L2と第1ベルトプライ71のベルト幅W2との関係であるL1/W2、サイド補強ゴム10と接地端Tとの距離L3とショルダー陸部23Cの接地幅W3との関係であるL3/W3を異ならせて、図4に示す実施例1〜10及び比較例1〜6のタイヤを製作した。比較のため、制音層(吸音材)とサイド補強ゴムを備えた従来例1(特開2019−26019号)を用意した。なお、上記した端部間距離L2は、いずれもサイド補強ゴム10と第1ベルトプライ71とがタイヤ幅方向にオーバーラップした状態における端部間距離である。
試験タイヤは、タイヤサイズを245/40RF18 93Yとし、これら試験タイヤについて、下記試験方法により、ランフラット走行時の耐久性、及び吸音性能を評価し、その結果を図4に併せて示した。ランフラット走行時の耐久性の評価試験は、試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのリムホイールにリム組みし、空気圧を230kPaに調整し、排気量が2.0Lの4輪駆動乗用車の試験車両に装着してテスト走行をすることにより行った。この評価試験では、試験車両に装着した試験タイヤのうち、右前輪の空気圧を0kPaにして乾燥路面のテストコースを平均速度80km/hで走行した際における、テストドライバーがタイヤ故障による振動を感じるまでの走行距離を測定し、測定した走行距離を、従来例1を100とする指数で表示した。ランフラット走行時の耐久性は、この数値が大きいほどテストドライバーが振動を感じるまでの走行距離が長く、0kPaの空気圧で走行した場合におけるタイヤ故障が発生し難いことを示している。
また、吸音性能の評価試験は、各試験タイヤをリムサイズ18×7.5Jのリムホイールにリム組みし、空気圧を230kPaに調整し、排気量が2.0Lの4輪駆動乗用車の試験車両に装着し、アスファルト路面からなるテストコースを平均速度50km/hにて走行させ、運転席窓際位置に取り付けたマイクロフォンにより集音した騒音の音圧レベルを測定し、この測定値の逆数を、従来例1を100とする指数で表示した。吸音性能は、この数値が大きいほど、空洞共鳴音の低減量が大きく吸音性能に優れることを意味する。
図5から判るように、実施例1〜10のタイヤは、従来例1との対比において、ランフラット走行時の耐久性、及び吸音性能の向上を実現することができた。一方、比較例1〜6のタイヤは、所定の条件を満たしていないため、ランフラット走行時の耐久性、及び吸音性能の向上を両立させる効果が十分に得られなかった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態で例示した空気入りタイヤに充填される気体としては、通常の又は酸素分圧を調整した空気の他にも、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
4 サイドウォール部
5 ビード部
6 カーカス層
7 ベルト層
9 インナーライナ層
10 サイド補強ゴム
10A 端部
11 吸音材
11A 端部
12 タイヤ内面
13 タイヤ空洞部
22 主溝
22B ショルダー主溝
23 陸部
23C ショルダー陸部
24 ラグ溝
50 ビードコア
51 第1ビードフィラー
71 第1ベルトプライ
71A 端部
72 第2ベルトプライ
L1 離間した距離
L2 端部間距離
L3 補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と接地端との距離
W1 吸音材の幅
W2 ベルト幅
W3 接地幅
T 接地端
TDW トレッド展開幅

Claims (8)

  1. タイヤ周方向に沿って複数の主溝が形成されたトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部と、一対の前記ビード部の間に架け渡されるカーカス層と、前記トレッド部における前記カーカス層のタイヤ径方向外側に配置されたベルト層と、前記サイドウォール部から前記トレッド部の少なくとも一部に亘って延在する補強ゴムとを備えた空気入りタイヤであって、
    前記トレッド部の内面にタイヤ周方向に沿って帯状の吸音材が固定され、
    前記吸音材は、タイヤ幅方向の端部が該タイヤ幅方向の最外の前記主溝よりもタイヤ幅方向外側に位置し、
    タイヤ幅方向における前記吸音材の幅W1と前記トレッド部のトレッド展開幅TDWとが0.65≦(W1/TDW)≦0.90の範囲となる関係を満たし、かつ、前記吸音材の幅W1と前記ベルト層における最大幅のベルトのベルト幅W2とが0.70≦(W1/W2)≦0.95の範囲となる関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記吸音材の体積はタイヤの内腔体積に対して10%以上30%以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ子午線断面において、前記補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と前記吸音材の端部とがタイヤ幅方向に離間しており、この離間した距離L1が3mm以上50mm以下の範囲にある請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記吸音材の密度は10kg/m以上30kg/m以下であり、
    前記吸音材のセル数が25mmあたり30個以上80個以下である請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. タイヤ子午線断面において、前記補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と前記ベルトの端部との端部間距離L2が5mm以上25mm以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. タイヤ子午線断面において、前記補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と前記ベルトの端部との端部間距離L2と、該ベルトのベルト幅W2とが0.03≦(L2/W2)≦0.15を満たす請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. タイヤ子午線断面において、前記補強ゴムのタイヤ径方向外側の端部と接地端との距離L3と、前記接地端とタイヤ幅方向の最外の前記主溝とで区画されるショルダー陸部の接地幅W3とが0.05≦(L3/W3)≦0.40を満たす請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記ビード部は、前記カーカス層に沿って配置されるビードフィラーを備え、該ビードフィラーの高さH1はタイヤの断面高さSHの15%以上50%以下の範囲を満たす請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
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