JP2021167259A - コンクリート組成物及びその製造方法 - Google Patents

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邦昭 桜井
Kuniaki Sakurai
勇輝 菅沼
Yuki Suganuma
伸二 玉木
Shinji Tamaki
直樹 磯部
Naoki Isobe
勉 山川
Tsutomu Yamakawa
秀和 小西
Hidekazu Konishi
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Abstract

【課題】安定性が高い一液型混和剤を用い、流動性が高く、且つ、良好な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物及びその製造方法を提供する。【解決手段】結合材、水、細骨材、粗骨材、及び所定の一液型混和剤(X)を含有し、水結合材比が30〜70質量%であり、スランプフローが35〜75cmであり、上記一液型混和剤(X)が、上記結合材100質量部に対して0.3〜3.0質量部の割合で含有されるコンクリート組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、コンクリート組成物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、流動性が高く、良好な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物及びその製造方法に関する。
近年、作業性向上や省力化を図るため、中流動コンクリート組成物(スランプフローが35〜50cm程度)や高流動コンクリート組成物(スランプフローが50〜70cm程度)のような流動性の高いコンクリート組成物の使用事例が増加している。
使用事例としては、例えば、トンネルの覆工工事が挙げられ、作業性の悪い狭小空間での打設において、流動性の高いコンクリート組成物を用いることにより、その高い充填性から作業性の向上や締固めの省力化が図られている。
しかし、このような流動性の高いコンクリート組成物は、骨材等の材料分離が生じやすくなり、コンクリート組成物のポンプ圧送性や品質の低下の原因となる。
そこで、材料分離を改善し、作業性を改善するため、セメントに起因する強アルカリ環境下においても増粘できる数少ない水溶性高分子であるセルロースエーテルを減水剤などと一液化した一液型混和剤を用いることも提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
更に、特許文献1,2を改善したものとして、特定の成分を組み合わせた一液型混和剤を用いたコンクリート組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−137889号公報 特開2016−56081号公報 特開2018−135245号公報
しかしながら、特許文献3のコンクリート組成物は、コンクリート配合や材料条件によっては材料分離抵抗性が十分でない場合があり、材料分離抵抗性について未だ改善の余地があった。
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、安定性が高い一液型混和剤を用いつつ、流動性が高く、且つ、良好な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物及びその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の一液型混和剤(X)を用いることによって上記課題を解決できることを見出した。本発明によれば、以下のコンクリート組成物及びその製造方法が提供される。
[1] 結合材、水、細骨材、粗骨材、及び一液型混和剤(X)を含有し、
水結合材比が30〜70質量%であり、スランプフローが35〜75cmであり、
前記一液型混和剤(X)が、前記結合材100質量部に対して0.3〜3.0質量部の割合で含有される、コンクリート組成物。
一液型混和剤(X):
下記A成分、下記B成分、下記C成分、下記D成分、及び水を含有し、前記A成分に由来するイオン強度が0.02〜0.8である一液型混和剤。
A成分:
不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つと、これらと共重合可能な不飽和単量体であって分子中に1〜300個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体との共重合体及びその塩から選ばれる少なくとも一つを含むポリカルボン酸系減水剤。
B成分:
質量平均分子量が700000〜1200000である水溶性セルロースエーテル。
C成分:ガム類。
D成分:消泡剤。
[2] 前記A成分、前記B成分、前記C成分、前記D成分、及び前記一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、
前記一液型混和剤(X)は、前記A成分を15〜40質量%の割合で含有するものである、前記[1]に記載のコンクリート組成物。
[3] 前記B成分が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる群より選択される少なくとも一つである、前記[1]又は[2]に記載のコンクリート組成物。
[4] 前記B成分が、20℃における1質量%水溶液の粘度が8000〜30000mPa・sの水溶性セルロースエーテルである、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のコンクリート組成物。
[5] 前記B成分が、質量平均分子量800000〜1000000の水溶性セルロースエーテルである、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のコンクリート組成物。
[6] 前記C成分が、ダイユータンガム、ウェランガム、キサンタンガム及びジェランガムから選ばれる少なくとも一つである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のコンクリート組成物。
[7] 前記水結合材比が40〜65質量%であり、前記スランプフローが50〜70cmである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のコンクリート組成物。
[8] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載のコンクリート組成物の製造方法であって、
前記結合材、前記水、前記細骨材、及び前記粗骨材を含有するベースコンクリートを調製し、その後、前記ベースコンクリートに前記一液型混和剤(X)を添加してコンクリート組成物を製造するコンクリート組成物の製造方法。
[9] 前記[1]〜[7]のいずれかに記載のコンクリート組成物の製造方法であって、
前記結合材、前記水、前記細骨材、前記粗骨材、及び前記一液型混和剤(X)を含む全ての成分を一括で投入してコンクリート組成物を製造するコンクリート組成物の製造方法。
本発明のコンクリート組成物は、安定性が高い一液型混和剤を用い、流動性が高く、且つ、良好な材料分離抵抗性を有するという効果を奏するものである。
本発明のコンクリート組成物の製造方法によれば、安定性が高い一液型混和剤を用いるので、例えば、結合材、水、細骨材、粗骨材、及び一液型混和剤を含む全ての成分を一括で投入する製法を採用する場合や一液型混和剤を後添加する製法を採用する場合などにおいても作業性が良く、更に、流動性が高く、且つ、良好な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物を製造することができるという効果を奏するものである。
以下、本発明の実施形態について説明する。しかし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。なお、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を、また部は質量部を意味する。
(1)コンクリート組成物:
本発明のコンクリート組成物は、結合材、水、細骨材、粗骨材、及び一液型混和剤(X)を含有し、水結合材比が30〜70質量%であり、スランプフローが35〜75cmであり、上記一液型混和剤(X)が、上記結合材100質量部に対して0.3〜3.0質量部の割合で含有されるものである。
<一液型混和剤(X)>
下記A成分、下記B成分、下記C成分、下記D成分、及び水を含有し、A成分に由来するイオン強度が0.02〜0.8である一液型混和剤。
「A成分」:
不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つと、これらと共重合可能な不飽和単量体であって分子中に1〜300個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体との共重合体及びその塩から選ばれる少なくとも一つを含むポリカルボン酸系減水剤。
「B成分」:
質量平均分子量が700000〜1200000である水溶性セルロースエーテル。
「C成分」:ガム類。
「D成分」:消泡剤。
このようなコンクリート組成物は、安定性が高い一液型混和剤を用い、流動性が高く、且つ、材料分離抵抗性を有するものである。更には、本発明のコンクリート組成物は、減水成分の固形分濃度が相応に高く、しかも安定性が高い一液型混和剤を用い、例えば粉体量の少ない条件や、材料条件の変動などによっても十分な材料分離抵抗性を発揮し、更に、高い流動性を有するものである。
(1−1)結合材:
結合材としては、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメントなどの各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメントなどの各種混合セメントが挙げられる。
結合材は、フライアッシュ、高炉スラグ微粉末、石灰石微粉末、石粉、シリカフューム、膨張剤などの各種混和材を上述した各種セメントと併用してもよい。
(1−2)細骨材:
細骨材としては、川砂、山砂、陸砂、海砂、珪砂、砕砂、各種スラグ細骨材などが挙げられる。
(1−3)粗骨材:
粗骨材としては、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、各種スラグ粗骨材、軽量骨材などが挙げられる。
(1−4)一液型混和剤(X):
一液型混和剤(X)は、複数の成分を予め配合して1つ(一液)の混和剤としたものである。この一液型混和剤(X)は、長期間経過に亘って塩析がなく均一に溶解した状態が維持される(即ち、安定である)ため、本発明における一液型混和剤(X)は、安定性に優れるものである。
一液型混和剤(X)は、上記結合材100質量部に対して0.3〜3.0質量部の割合で含有されるものであり、0.4〜2.5質量部の割合で含有されることが好ましく、0.5〜2.0質量部の割合で含有されることが更に好ましい。このような含有割合であると、コンクリート組成物の材料分離抵抗性を確保でき、また、コンクリート組成物の製造効率の観点から取り扱いやすい。一液型混和剤(X)の含有割合が上記下限値未満であると、B成分やC成分が不足し、コンクリート組成物の材料分離抵抗性の確保が難しくなる。一方、一液型混和剤(X)の含有割合が上記上限値超であると、コンクリート製造工場等の計量器で一度に計量でき難くなるなどの問題が生じ、コンクリート組成物の製造効率が低下したり、輸送コストの増加を招いたりする。
また、一液型混和剤(X)は、A成分に由来するイオン強度が0.02〜0.8であり、このイオン強度は、0.05〜0.5であることが好ましい。このような含有割合であると、一液型混和剤(X)中の水溶性セルロースエーテルの析出現象を抑制し、均一に溶解された状態が維持される。A成分に由来するイオン強度が上記下限値未満であると、結合材への吸着点が不足し、十分な減水性能が得られなくなる。一方、A成分に由来するイオン強度が上記上限値超であると、水溶性セルロースエーテルがイオン性物質により塩析するため、一液型混和剤(X)の安定性が低下する。
なお、ポリカルボン酸系減水剤は、構造中のカルボキシル基を結合材への吸着点として減水性を発現するため、イオン性物質は必須となる。一方で水溶性セルロースエーテルは、イオン性物質の濃度が一定以上になると溶解できなくなり、塩析が起き、安定化せずに沈降してしまう。そのため、減水性に寄与しないイオン性物質を排除し、減水剤のイオン強度を適正な範囲に調整することが、一液型混和剤(X)の安定性を向上させるために非常に重要となる。減水性に寄与しないイオン性物質としては、例えば、重合開始剤や中和に用いるアルカリ金属塩などが挙げられる。
なお、本発明において、イオン強度は下記の数式(1)で表されるものであり、減水剤中の全てのイオン種について、それぞれのイオンの一液型混和剤(X)中における質量モル濃度mと電荷zの二乗との積を加算し、更にそれに1/2を乗じて算出されるものである。
Figure 2021167259
(但し、数式(1)中、Iはイオン強度、mは質量モル濃度(mol・kg−1)、zは電荷を示す)
(1−4−1)A成分:
A成分は、所定のポリカルボン酸系減水剤である。具体的には、「不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つ」と、「これらと共重合可能な不飽和単量体であって分子中に1〜300個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体」(以下、「不飽和単量体(i)」と記す場合がある)と、の共重合体(以下、「共重合体(i)」と記す場合がある)、及びその塩から選ばれる少なくとも一つを含むポリカルボン酸系減水剤である。
不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体及びこれらの塩としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、フマル酸及びそれらの塩から選ばれるものが挙げられる。なお、水溶性セルロースエーテルにおける一液型混和剤(X)中での安定化を図るという観点からは、塩ではなく酸の状態であることが好ましい。
不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体の塩としては、特に制限するものではないが、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、ジエタノールアミン塩やトリエタノールアミン塩などのアミン塩などが挙げられる。
不飽和単量体(i)としては、α−アリル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−アリル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−アリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−アリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−メタリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタリル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタリル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−メタリル−ω−アセチル−(ポリ)オキシエチレン、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ブトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−アセチル−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−アクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシプロピレン、α−アクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−アクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−アクリロイル−ω−ブトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシプロピレン、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシ−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−メタクリロイル−ω−メトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタクリロイル−ω−ブトキシ−(ポリ)オキシエチレン、α−メタクリロイル−ω−アセチル−(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、ポリアマイドポリアミン(ポリ)オキシエチレン、ポリアマイドポリアミン(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン、α−ビニル−ω−ヒドロキシ(ポリ)オキシブチレン(ポリ)オキシエチレンなどが挙げられる。
A成分に含まれる共重合体(i)及びその塩は、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の単量体を共重合させたものとすることができ、他の単量体の共重合割合は20質量%以下とすることが好ましく、10質量%以下とすることがより好ましい。
他の単量体としては、例えば、スチレン、アクリルアミド、(メタ)アリルスルホン酸又はその塩、(メタ)アクリル酸メチルなどが挙げられる。
共重合体(i)は、従来公知の方法で合成することができ、具体的には、溶媒に水を用いたラジカル重合、溶媒に有機溶媒を用いたラジカル重合、無溶媒のラジカル重合などが挙げられる。
ラジカル重合に用いるラジカル重合開始剤は、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過酸化物、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ系化合物のように、重合反応温度下において分解し、ラジカル発生するものであればその種類は特に制限されず適宜用いることができる。これらの中でも、所定のイオン強度を得るという観点から、過酸化水素などのように分解後もイオン性物質を生じないものが好ましい。
また、ラジカル重合では、促進剤として亜硫酸水素ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などの還元剤や、エチレンジアミン、グリシンなどのアミン化合物も併用することができる。なお、得られる重合体及びその塩の質量平均分子量を所望の範囲とするため、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオグリセリン、チオリンゴ酸等の連鎖移動剤を使用することもできる。
A成分に含有される共重合体(i)及びその塩の質量平均分子量は、特に制限はないが、例えば、プルラン換算で、2000〜500000とすることが好ましく、10000〜100000とすることが更に好ましい。このような範囲とすることにより、所望の減水性能が得られる。
一液型混和剤(X)におけるA成分の含有割合は、特に制限されないが、A成分、B成分、C成分、D成分、及び一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、15〜40質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることが更に好ましい。このような範囲とすることで、一液型混和剤(X)に所望の減水性能が発揮されると同時に、水溶性セルロースエーテルの塩析を抑制し、安定化することができる。A成分の含有割合が上記下限値未満であると、一液型混和剤(X)の減水性能が低下し、特に流動性の高いコンクリート組成物の調製においては添加量が増加して、コンクリート製造工場等の計量器で一度に計量でき難くなるなどの問題が生じ、コンクリート組成物の製造効率が低下したり、輸送コストの増加を招いたりするおそれがある。一方、上記上限値超であると、B成分である水溶性セルロースエーテルが塩析し易くなるおそれがある。
(1−4−2)B成分:
B成分は、質量平均分子量が700000〜1200000である水溶性セルロースエーテルである。このようなB成分を含有することで、安定性が高い一液型混和剤が得られ、更に、材料分離抵抗性について更なる改善を図ることができ、良好な材料分離抵抗性を得ることができる。
B成分における上記質量平均分子量は、700000〜1200000であり、800000〜1000000であることが好ましい。B成分の質量平均分子量が上記範囲であると、コンクリート組成物に対して適度な粘性を付与し、粉体量の少ない条件や、材料条件の変動にも対応可能な材料分離抵抗性を付与することができる。ここで、上記質量平均分子量が下限値未満であると、コンクリート組成物に対する材料分離抵抗性が不足するため、粉体量の少ない条件や材料条件の変動に対応できず、コンクリート組成物が分離する。一方、上記質量平均分子量が上限値超であると、コンクリート組成物に対して過剰な粘性を付与し、減水剤の使用量の増大に伴うブリーディング量の増加や、スランプフローの頭打ち現象などによるコンクリート組成物の流動性の低下が生じる。なお、「質量平均分子量」は、GPC−MALS法により測定される値である。
B成分である水溶性セルロースエーテルは、その粘度(20℃における1質量%水溶液の粘度)について、特に制限はないが、例えば、8000〜30000mPa・sであることが好ましく、10000〜25000mPa・sであることが更に好ましい。ここで、上記粘度が下限値未満であると、コンクリートに対する材料分離抵抗性が不足するため、粉体量の少ない条件や材料条件の変動に対応できず、コンクリートが分離するおそれがある。一方、上記粘度が上限値超であると、コンクリートに対して過剰な粘性を付与し、減水剤の使用量の増大に伴うブリーディング量の増加や、スランプフローの頭打ち現象などによるコンクリートの流動性の低下が生じるおそれがある。
B成分である水溶性セルロースエーテルの粘度、即ち、B成分の20℃における1質量%の水溶液の粘度は、B−H粘度計の20rpmにて測定した値である。
B成分である水溶性セルロースエーテルとしては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロースなどのアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースなどのヒドロキシアルキルアルキルセルロース等を挙げることができ、B成分は、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる群より選択される少なくとも一つであることが好ましい。
具体的に、アルキルセルロースとしては、その置換度(DS)が好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0であるメチルセルロース、置換度(DS)が好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0であるエチルセルロースなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキルセルロースとしては、その置換モル数(MS)が好ましくは0.1〜3.0、より好ましくは0.5〜2.8であるヒドロキシエチルセルロース、置換モル数(MS)が好ましくは0.05〜3.3、より好ましくは0.1〜3.0であるヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。
ヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、その置換度(DS)が好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0であり、その置換モル数(MS)が好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.1〜0.5であるヒドロキシエチルメチルセルロース、置換度(DS)が好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0であり、置換モル数(MS)が好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.1〜0.5であるヒドロキシプロピルメチルセルロース、置換度(DS)が好ましくは1.0〜2.2、より好ましくは1.2〜2.0であり、置換モル数(MS)が好ましくは0.05〜0.6、より好ましくは0.1〜0.5であるヒドロキシエチルエチルセルロースなどが挙げられる。
なお、「置換度(DS)」は、無水グルコース1単位当たりのアルコキシ基の平均個数のことをいう。また、「置換モル数(MS)」は、無水グルコース1モル当たりのヒドロキシアルコキシ基の平均モル数のことをいう。
置換度(DS)や置換モル数(MS)は、第17改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により測定した値を換算することにより求めることができる。
一液型混和剤(X)中におけるB成分の含有割合は、特に制限されないが、A成分、B成分、C成分、D成分、及び一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、0.05〜10質量%とすることが好ましく、0.1〜5質量%とすることが更に好ましい。
(1−4−3)C成分:
C成分は、ガム類である。このガム類は、一液型混和剤(X)中の水溶性セルロースエーテルの安定化において有効である。
C成分のガム類としては、その種類に特に制限はなく、例えば、ダイユータンガム、ウェランガム、キサンタンガム、ジェランガム等を挙げることができ、ダイユータンガム、ウェランガム、キサンタンガム及びジェランガムから選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
ダイユータンガムは、D−グルコース、D−グルクロン酸、D−グルコースとL−ラムノース及び2つのL−ラムノースより構成されている。
ダイユータンガムの市販品としては、例えば、KELCO−CRETE DG−F(CP Kelco社製の商品名)を挙げることができる。
ウェランガムは、D−グルコース、D−グルクロン酸、L−ラムノースが2:2:1の割合で結合した主鎖に、L−ラムノース若しくはL−マンノース側鎖が結合した構造である。
ウェランガムの市販品としては、例えば、CP KELCO KIA−96(CP Kelco社製の商品名)を挙げることができる。
キサンタンガムは、セルロースと同様、主鎖がD−グルコースのβ−1,4結合であり、側鎖がマンノース2つとグルクロン酸1つより構成されている。
キサンタンガムの市販品としては、例えば、KELZAN(三晶社製の商品名)を挙げることができる。
ジェランガムは、D−グルコース、D−グルクロン酸、L−ラムノースが2:1:1の割合で結合した4つの糖を反復単位とするヘテロ多糖類である。
ジェランガムの市販品としては、例えば、KELCOGEL AFT(CP Kelco社製の商品名)を挙げることができる。
一液型混和剤(X)中におけるC成分(ガム類)の含有割合は、特に制限されないが、A成分、B成分、C成分、D成分、及び一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、例えば、ダイユータンガムの場合、0.005〜2質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることが更に好ましく、0.02〜0.8質量%であることが特に好ましい。このような範囲とすることによって、一液型混和剤(X)の溶液粘度を適度に高めることができ、水溶性セルロースエーテルの塩析及び沈降を抑制できる。
また、ウェランガム、キサンタンガム、ジェランガムである場合、A成分、B成分、C成分、D成分、及び一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、0.005〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることが更に好ましく、0.02〜3質量%であることが特に好ましい。このような範囲とすることによって、一液型混和剤(X)の溶液粘度を適度に高めることができ、水溶性セルロースエーテルの塩析及び沈降を抑制できる。
(1−4−4)D成分:
D成分は、消泡剤である。この消泡剤は、一液型混和剤(X)中での水溶性セルロースエーテルの安定化を図るためのものである。
D成分である消泡剤としては、例えば、オキシアルキレン系消泡剤、シリコーン系消泡剤、アルコール系消泡剤、鉱油系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤等を挙げることができる。これらの中でも、一液型減水剤の分散安定性を向上させるためには、オキシアルキレン系消泡剤、鉱油系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤が好ましい。
オキシアルキレン系消泡剤としては、例えば、(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物などのポリオキシアルキレン類、ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数8以上の高級アルコールや炭素数12〜14の2級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物などの(ポリ)オキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどの(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オールなどのアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類、ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステルなどの(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステルなどの(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウムなどの(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類、(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステルなどの(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルアミンなどの(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類、ポリオキシアルキレンアミドなどが挙げられる。
シリコーン系消泡剤としては、例えば、ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン、フルオロシリコーン油等が挙げられる。
アルコール系消泡剤としては、例えば、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等が挙げられる。
鉱油系消泡剤としては、例えば、灯油、流動パラフィン等が挙げられる。
脂肪酸系消泡剤としては、例えば、オレイン酸やステアリン酸等のアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。
脂肪酸エステル系消泡剤としては、例えば、グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等が挙げられる。
一液型混和剤(X)中におけるD成分(消泡剤)の含有割合は、特に制限されないが、A成分、B成分、C成分、D成分、及び一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、0.001〜10質量%であることが好ましく、0.005〜5質量%とすることが更に好ましい。このような範囲とすることによって、一液型混和剤(X)の安定性を向上させるとともに、コンクリート組成物の空気量の調整を容易にできる。
(1−4−5)水:
一液型混和剤(X)は、上述したA成分、B成分、C成分、及びD成分以外に、水を含有している。この水は、A成分、B成分、C成分、及びD成分の溶媒として用いることができ、一液型混和剤(X)中における含有割合について特に制限はない。
(1−5)その他の構成要素:
本発明のコンクリート組成物には、必要に応じて既存の添加剤を含有していてもよい。
この添加剤としては、例えば、AE剤、消泡剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、凝結遅延剤、硬化促進剤、収縮低減剤、防腐剤、防水剤、防錆剤などを挙げることができる。
AE剤としては、例えば、陰イオン界面活性剤等を挙げることができる。消泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン系化合物等を挙げることができる。AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤については、特に制限はないが、市販のものを使用することができる。凝結遅延剤としては、例えば、オキシカルボン酸塩等を挙げることができる。硬化促進剤としては、例えば、アミン類等を挙げることができる。収縮低減剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン系化合物等を挙げることができる。防腐剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物等を挙げることができる。防水剤としては、例えば、高級脂肪酸誘導体等を挙げることができる。防錆剤としては、例えば、亜硝酸塩等を挙げることができる。
(1−6)コンクリート組成物の物性:
本発明のコンクリート組成物は、水/結合材比が30〜70質量%であり、40〜65質量%であることが好ましい。このような範囲であると、良好な施工性及び十分な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物が得られる。ここで、水/結合材比が30質量%より小さい場合には、コンクリート組成物の粘性が過大となり、施工性の悪化を招くこととなる。一方、水/結合材比が70質量%より大きい場合には、十分な材料分離抵抗性を付与することができない。
本発明のコンクリート組成物は、練混ぜ直後におけるスランプフローが35〜75cmであり、50〜70cmであることが好ましい。このような範囲であると、良好な施工性及び十分な材料分離抵抗性を有するコンクリート組成物が得られる。ここで、スランプフローが35cmより小さい場合には、コンクリート組成物の粘性が過大となり、施工性の悪化を招くこととなる。一方、スランプフローが75cmより大きい場合には、十分な材料分離抵抗性を付与することができない。なお、スランプフロー50〜70cm程度の場合、一般的に高流動コンクリートと呼ばれる。
なお、本発明のコンクリート組成物は、水結合材比が40〜65質量%であり、且つ、スランプフローが50〜70cmであることが好ましい。このような条件とすることによって、優れた材料分離抵抗性が発揮される。
本発明のコンクリート組成物は、土木、建築、二次製品等に使用されるものである。
(2)コンクリート組成物の製造方法:
本発明のコンクリート組成物の製造方法は、特に制限されなく、最終的に施工現場で用いるコンクリート組成物に、一液型混和剤(X)が含有されるように製造されていればよい。
具体的には、本発明のコンクリート組成物を製造する方法としては、添加時期によって例えば以下の(a)、(b)の方法などが挙げられる。
(a)生コンクリート工場において、結合材、水、細骨材、粗骨材、及び一液型混和剤(X)を含む全ての成分を一括して投入し、コンクリート組成物を製造する方法(同時添加)、(b)結合材、水、細骨材、及び粗骨材を含有するベースコンクリートを調製し、その後、調製したベースコンクリートに一液型混和剤(X)を添加してコンクリート組成物を製造する方法(後添加)、などが挙げられる。
上記(b)の方法としては、具体的には、生コンクリート工場等で予め、未だ固まっていないコンクリート(ベースコンクリート)を調製し、その後、施工現場等において一液型混和剤(X)等を後添加する方法を挙げることができる。
ここで、本発明で用いる一液型混和剤(X)は、安定性に優れるため、長期間の保存が可能であり、一液型混和剤(X)を後添加するような上記(b)の方法にも好適に採用することができる。なお、上記(b)の方法の場合、交通事情などによる施工現場までの運搬時間のばらつきによるコンクリート性状の変化に対応でき、より施工に適したコンクリート特性を得ることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験区分1>
(合成例1)A成分(a−1)の合成:
水1400g、α−メタクリロイル−ω−メトキシポリ(45モル)オキシエチレン1100g、メタクリル酸104g、連鎖移動剤としてチオグリセロール24g及び30%水酸化ナトリウム水溶液50gを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、攪拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて60℃に保ち、過酸化水素の0.025%水溶液240gを投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に過酸化水素の0.025%水溶液60gを投入し、ラジカル重合反応を6時間継続して行った。得られた共重合体に水41g及び30%水酸化ナトリウム水溶液121gを加え、A成分(a−1)の40%水溶液を得た。このA成分(a−1)の質量平均分子量は、41400であった。
(合成例2,4,5,7)A成分(a−2)、(a−4)、(a−5)、(a−7)の合成:
表1に示す「単量体の種類」としたこと以外は、A成分(a−1)と同様にして、A成分(a−2)、(a−4)、(a−5)、(a−7)の40%水溶液を得た。
(合成例3)A成分(a−3)の合成:
α−アリル−ω−メトキシ−ポリ(100モル)オキシエチレンポリ(3モル)オキシプロピレン及び無水マレイン酸を反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、攪拌しながら徐々に加温して均一に溶解した。反応系の温度を温水浴にて80℃に保ち、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を投入してラジカル重合反応を開始した。2時間経過後、更に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を投入し、ラジカル重合反応を2時間継続して行なった。得られた共重合体に水及び30%水酸化ナトリウム水溶液を加えて、A成分(a−3)の40%水溶液を得た。このA成分(a−3)を分析したところ、質量平均分子量69200であった。
(合成例6)A成分(a−6)の合成:
水、α−(3−メチル−3−ブテニル)−ω−ヒドロキシ−ポリ(80モル)オキシエチレンを反応容器に仕込み、反応容器内の雰囲気を窒素置換した後、攪拌しながら徐々に加温した。反応系の温度を温水浴にて70℃に保ち、温度を安定させた。その後、アクリル酸を3時間かけて滴下した。同時に、チオグリコール酸、L−アスコルビン酸を水に溶解させた水溶液及び5%過酸化水素水をそれぞれ3時間かけて滴下し、ラジカル重合反応を開始した。滴下終了から1時間経過後、得られた共重合体に水及び30%水酸化ナトリウム水溶液を加え、A成分(a−6)の40%水溶液を得た。このA成分(a−6)を分析したところ、質量平均分子量71300であった。
[質量平均分子量の測定条件]
各A成分の質量平均分子量の測定条件について以下に示す。
[GPC法]
装置:昭和電工社製Shodex GPC−101
検出器:示差屈折計(RI)
カラム:昭和電工社製OHpak SB−G+SB−806M HQ+SB−806M HQ
溶離液:50mM硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.7mL/分
カラム温度:40℃
標準物質:昭和電工社製「プルラン」
以上で合成した各A成分(a−1)〜(a−7)の内容を表1にまとめて示した。
Figure 2021167259
<試験区分2>
B成分〜D成分について以下に示す。
(B成分)
B成分について表2に示す。
Figure 2021167259
[DS、MS]
第17改正日本薬局方記載のヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)の置換度分析方法により測定した値を換算することにより求めた。
[質量平均分子量の測定条件]
B成分の質量平均分子量は、GPC−MALS法により測定した。測定条件を以下に示す。
送液ポンプ:昭和電工社製Shodex DS−4
検出器:示差屈折率計(RI)、光散乱検出器(MALS)
カラム:昭和電工社製OHpak SB−806M HQ
溶離液:0.1M硝酸ナトリウム水溶液
流速:1.0mL/分
カラム温度:40℃
[水溶液粘度の測定方法]
表2における「水溶液粘度(mPa・s)」は、B成分の水溶性セルロースエーテルの20℃における1質量%又は2質量%の水溶液粘度であり、これは、B−H粘度計の20rpmにて測定した。
(C成分)
C成分について表3に示す。
Figure 2021167259
表3におけるc−1〜c−4は以下の通りである。
c−1:KELZAN(三晶社製の商品名)
c−2:CP KelcoK1A−96(CP Kelco社製の商品名)
c−3:KELCO−CRETE DG−F(CP Kelco社製の商品名)
c−4:KELCOGEL AFT(CP Kelco社製の商品名)
(D成分)
D成分である消泡剤としては、SNデフォーマー14−HP(オキシアルキレン系消泡剤、サンノプコ社製の商品名、略号:d−1)を使用した。
<試験区分3>
A成分(a−1)の40%水溶液のイオン強度を上述した数式(1)により計算した。イオン強度は0.412であった。計算過程等を表4に示す。
Figure 2021167259
Figure 2021167259
(但し、数式(1)中、Iはイオン強度、mは質量モル濃度(mol・kg−1)、zは電荷を示す)
A成分(a−2)〜(a−7)の40%水溶液のイオン強度について、A成分(a−1)の40%水溶液のイオン強度と同様にして計算した。A成分に由来するイオン強度(一液型混和剤(X)中のA成分に由来するイオン強度)の計算結果を表5に示す。
<試験区分4>
(一液型混和剤の調製)
表5に示すようにA成分〜D成分及び水を配合して、ホモミキサー(HM−310、AS ONE社製)を用いて5000rpmで1分間混合し、一液型混和剤を調製した。
Figure 2021167259
表5における*1、*2は以下の通りである。
*1:アルキルアリルスルホン酸塩高縮合物(竹本油脂社製のコンクリート用高性能減水剤、商品名ポールファイン510−ANの有効成分)
*2:含窒素型スルホン酸塩(竹本油脂社製のコンクリート用高性能減水剤、商品名ポールファインMFの有効成分)
<試験区分5>
(一液型混和剤の安定性試験)
調製した一液型混和剤を活栓付のメスシリンダーに100ml採取した後、20℃及び40℃の環境下で静置し、水溶性セルロースエーテルの沈降体積(%)を測定し、一液型混和剤の安定性試験とした。
沈降体積(%)の評価は、塩析がなく、均一に分散した状態を100%とし、時間経過とともに徐々にメスシリンダー上部に透明部分が現れ始め、透明部分と分散した部分の境界線のメスシリンダーの目盛を読み取ることにより行った。例えば、7日後の透明部分と分散した部分の境界線のメスシリンダーの目盛が90mlの場合、沈降体積は90%となる。結果を表6に示す。
Figure 2021167259
上記沈降体積(%)の測定結果に基づいて、各一液型混和剤を以下の基準で評価した。結果を表7に示す。評価基準は以下の通りである。
A:28日静置後の沈降体積(%)が95〜100%
B:28日静置後の沈降体積(%)が80以上で95%未満
C:28日静置後の沈降体積(%)が80%未満
Figure 2021167259
<試験区分6>
(コンクリート組成物の調製)
(実施例1〜25、比較例1〜11)
公称容量55Lの強制二軸ミキサーを用い、表8、表9及び表10記載の内容で、90秒間練混ぜを行い、各例のコンクリート組成物を調製した。
各例のコンクリート組成物において、空気量は、AE剤(竹本油脂社製の商品名 AE−300)及び消泡剤(竹本油脂社製の商品名 AFK−2)を用いて調整した。なお、目標スランプフローは60±5cm、目標空気量は4.5±1.5%とした。
(実施例26〜50、比較例12〜22)
公称容量55Lの強制二軸ミキサーを用い、表8、表9及び表12記載の内容で、60秒間練混ぜを行い、各例のベースコンクリートを調製した。
ベースコンクリートには、AE減水剤(竹本油脂社製の商品名 チューポールEX60)、AE剤(竹本油脂社製の商品名 AE−300)及び消泡剤(竹本油脂社製の商品名 AFK−2)を用いてスランプ及び空気量を調整した。ベースコンクリートの目標スランプは15±2.5cm、目標空気量は4.5±1.5%とした。
次に、調製したベースコンクリートを、公称容量60Lの傾胴型ミキサーに投入し、表12に示す混和剤を添加し、投入口が上部を向いた状態で床面と並行である地点を0°とした際に、20°傾けた状態で60秒間練混ぜを行い、各例のコンクリート組成物を調製した。
流動化後の空気量は、AE剤(竹本油脂社製の商品名 AE−300)及び消泡剤(竹本油脂社製の商品名 AFK−2)を用いて必要に応じ、適宜調整した。流動化後の目標スランプフローは60±5cm、目標空気量は4.5±1.5%とした。
なお、実施例1〜25、比較例1〜11では、混和剤を含む全ての成分を一括して投入してコンクリート組成物を調製する方法(同時添加)を採用した。また、実施例26〜50、比較例12〜22では、調製し未だ固まっていないコンクリート(ベースコンクリート)を予め作製し、その後、一液型混和剤を後添加してコンクリート組成物を作製する方法(後添加)を採用した。
Figure 2021167259
表8において、結合材、細骨材、及び粗骨材については以下に示す通りである。
結合材:高炉セメントB種 密度3.04g/cm
細骨材:山砂 表乾密度2.58g/cm
粗骨材:石灰砕石(2005) 表乾密度2.68g/cm
Figure 2021167259
表9において、結合材、細骨材1、細骨材2、及び粗骨材については以下に示す通りである。
結合材:普通ポルトランドセメント 密度3.16g/cm
細骨材1:川砂 表乾密度2.62g/cm
細骨材2:砕砂 表乾密度2.65g/cm
粗骨材:砕石(4005) 表乾密度2.66g/cm
<試験区分7>
(調製したコンクリート組成物の物性試験)
調製した実施例1〜25、比較例1〜11のコンクリート組成物(同時添加)について、練混ぜ直後のスランプフロー(cm)、空気量(容積%)、ブリーディング率(%)を下記のようにして測定した。結果を表10に示す。
[スランプフロー(cm)]
練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS A 1150に準拠して測定した。
[空気量(容積%)]
練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS A 1128に準拠して測定した。
[ブリーディング率(%)]
練混ぜ直後のコンクリート組成物について、JIS A 1123に準拠して測定した。
Figure 2021167259
更に、表10の測定結果に基づいて、一液型混和剤の分散性能を評価した。この一液型混和剤の分散性能は、練混ぜ直後のコンクリート組成物について、目標スランプフローを得ることに必要な一液型混和剤の添加割合によって評価した。また、各コンクリート組成物について、「ブリーディング率」及び「材料の一体感」を指標として材料分離抵抗性を評価した。評価基準を以下に示す。評価結果を表11に示す。
[一液型混和剤の分散性能]
A:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が2.00質量部以下
B:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が2.00質量部超で3.00質量部以下
C:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が3.00質量部超
[ブリーディング率]
A:ブリーディング率が4.0%以下
B:ブリーディング率が4.0%超で6.0%以下
C:ブリーディング率が6.0%超
[材料の一体感(コンクリート性状)]
A:非常に良好(粗骨材とモルタル・ペーストの分離なし)
B:良好(わずかに粗骨材とモルタル・ペーストが分離)
C:悪い(明らかに粗骨材とモルタル・ペーストが分離)
Figure 2021167259
次に、調製した実施例26〜50、比較例12〜22のコンクリート組成物(後添加)について、スランプ(cm)、スランプフロー(cm)、空気量(容積%)、及びブリーディング率(%)を下記のようにして測定した。結果を表12に示す。
[スランプ(cm)]
ベースコンクリートについて、JIS A 1101に準拠して測定した。
[スランプフロー(cm)]
流動化後のコンクリート組成物について、JIS A 1150に準拠して測定した。
[空気量(容積%)]
ベースコンクリート、流動化後のコンクリート組成物について、JIS A 1128に準拠して測定した。
[ブリーディング率(%)]
流動化後のコンクリート組成物について、JIS A 1123に準拠して測定した。
Figure 2021167259
更に、表12の測定結果に基づいて、一液型混和剤の分散性能を評価した。この一液型混和剤の分散性能は、流動化後のコンクリート組成物について、目標スランプフローを得ることに必要な一液型混和剤の添加割合によって評価した。また、各コンクリート組成物について、「ブリーディング率」及び「材料の一体感」を指標として材料分離抵抗性を評価した。評価基準を以下に示す。評価結果を表13に示す。
[一液型混和剤の分散性能]
A:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が1.50質量部以下
B:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が1.50質量部超で2.00質量部以下
C:結合材100質量部に対して一液型混和剤の添加割合が2.00質量部超
[ブリーディング率]
A:ブリーディング率が4.0%以下
B:ブリーディング率が4.0%超で6.0%以下
C:ブリーディング率が6.0%超
[材料の一体感(コンクリート性状)]
A:非常に良好(粗骨材とモルタル・ペーストの分離なし)
B:良好(わずかに粗骨材とモルタル・ペーストが分離)
C:悪い(明らかに粗骨材とモルタル・ペーストが分離)
Figure 2021167259
(結果)
表7、表11、表13に示される結果から明らかなように、本発明では、安定性に優れた一液型混和剤(X)を用い、流動性が高く、骨材等の材料の分離が少ないコンクリート組成物を提供することができることが確認された。なお、比較例4、5、15、16では、一液型混和剤の分散性やコンクリート組成物の材料分離抵抗性が良いが、表7に示すように一液型混和剤の安定性に劣る。
本発明のコンクリート組成物は、優れた作業性を有し、耐久性の高いコンクリート硬化体を調製する際のコンクリート組成物として利用することができる。

Claims (9)

  1. 結合材、水、細骨材、粗骨材、及び一液型混和剤(X)を含有し、
    水結合材比が30〜70質量%であり、スランプフローが35〜75cmであり、
    前記一液型混和剤(X)が、前記結合材100質量部に対して0.3〜3.0質量部の割合で含有される、コンクリート組成物。
    一液型混和剤(X):
    下記A成分、下記B成分、下記C成分、下記D成分、及び水を含有し、前記A成分に由来するイオン強度が0.02〜0.8である一液型混和剤。
    A成分:
    不飽和モノカルボン酸単量体、不飽和ジカルボン酸単量体及びこれらの塩から選ばれる少なくとも一つと、これらと共重合可能な不飽和単量体であって分子中に1〜300個の炭素数2〜4のオキシアルキレン単位で構成されたポリオキシアルキレン基を有する不飽和単量体との共重合体及びその塩から選ばれる少なくとも一つを含むポリカルボン酸系減水剤。
    B成分:
    質量平均分子量が700000〜1200000である水溶性セルロースエーテル。
    C成分:ガム類。
    D成分:消泡剤。
  2. 前記A成分、前記B成分、前記C成分、前記D成分、及び前記一液型混和剤(X)に含まれる水の含有割合の合計を100質量%としたとき、
    前記一液型混和剤(X)は、前記A成分を15〜40質量%の割合で含有するものである、請求項1に記載のコンクリート組成物。
  3. 前記B成分が、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、及びヒドロキシアルキルアルキルセルロースからなる群より選択される少なくとも一つである、請求項1又は2に記載のコンクリート組成物。
  4. 前記B成分が、20℃における1質量%水溶液の粘度が8000〜30000mPa・sの水溶性セルロースエーテルである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  5. 前記B成分が、質量平均分子量800000〜1000000の水溶性セルロースエーテルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  6. 前記C成分が、ダイユータンガム、ウェランガム、キサンタンガム及びジェランガムから選ばれる少なくとも一つである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  7. 前記水結合材比が40〜65質量%であり、前記スランプフローが50〜70cmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のコンクリート組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンクリート組成物の製造方法であって、
    前記結合材、前記水、前記細骨材、及び前記粗骨材を含有するベースコンクリートを調製し、その後、前記ベースコンクリートに前記一液型混和剤(X)を添加してコンクリート組成物を製造するコンクリート組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のコンクリート組成物の製造方法であって、
    前記結合材、前記水、前記細骨材、前記粗骨材、及び前記一液型混和剤(X)を含む全ての成分を一括で投入してコンクリート組成物を製造するコンクリート組成物の製造方法。
JP2020070769A 2020-04-10 2020-04-10 コンクリート組成物及びその製造方法 Pending JP2021167259A (ja)

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