JP2021165022A - 印刷機 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク回収管内の残留インクを迅速かつ確実に回収する。
【解決手段】インク回収管は、一方の機枠に近い位置に配置され、インク貯留部からのインクが流入する流入口と、他方の機枠に近い位置に配置され、インク容器へのインクが流出する流出口とを含む。第1規制手段はインク回収方向において流入口より下流側の位置に配置され、インク回収管の連通状態を規制する。第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、高圧エア発生部をインク回収管に連結する。第1高圧エア制御手段は、インク貯留部にインク供給管を介してインクを供給している間に、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
【選択図】図6

Description

本発明は、インク転移ロールに塗布されるインクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部からインク容器にインクを回収するインク回収管とを備え、印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部からインクを回収するインク回収工程とを順次実行する印刷機に関する。
従来、インク貯留部内のインクを回収するインク回収工程の終了後に、インク回収管内に残留するインクを回収するために、エアエジェクタを備える印刷機が提案されている。たとえば、特許文献1に開示されるエアエジェクタは、インク回収方向においてインク回収管の下流側の位置であるインク容器に近い位置に配置される。一般的に、エアエジェクタは、高圧エアが流入するノズルと、インク回収管から残留インクおよび空気を吸引する拡張チャンバと、ディフューザとを含む。高圧エアが、ノズルから流入して拡張チャンバに送られ、拡張チャンバにおいて残留インクおよび空気と混合される。拡張チャンバにおいて混合された残留インクおよび空気は、ディフューザの絞り部分により絞られることにより、ディフューザの排出側に向けて高速で噴射される。残留インクおよび空気が高速で噴射されることにより、ノズルを囲む拡張チャンバの内部圧力は、低下する。拡張チャンバの内部圧力が低下することにより、インク回収管内の残留インクおよび空気が、連続して拡張チャンバ内に吸引されてディフューザからインク回収管に戻され、インク容器に向かって送られる。
特許第4671801号公報
特許文献1に開示されるエアエジェクタにおいては、残留インクおよび空気を高速で噴射するために、ディフューザの絞り部分の内径が小さな径に設定される。この絞り部分の小さな内径により、拡張チャンバから吸引される残留インクおよび空気の量が制限されることから、インク回収管から残留インクを回収するために比較的長い時間が必要となる問題がある。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、インク回収管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる印刷機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の第1発明態様は、印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、を備える。さらに、本発明態様は、インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備える。本発明態様では、インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、第1高圧エア制御手段は、インク貯留部にインク供給管を介してインクを供給している間に、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
本発明態様では、インク貯留部は、インク転移ロールに相当するアニロックスロールとゴムロールとにより形成される構成であってもよいし、アニロックスロールと、アニロックスロールに沿って延びる長い部材と、ドクタブレードとにより形成される構成であってもよい。
本発明態様では、インク供給管は、インク容器からインク貯留部にインクを供給するためにのみ使用されてもよいし、インク容器からインク貯留部にインクを供給するためと、インク貯留部からインク容器にインクを回収するためとに使用されてもよい。
本発明態様では、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置にインクの流入口が配置されると共に、ロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置にインクの流出口が配置されるインク回収管が、少なくとも1本存在すれば、インク回収管の数は、1本でも、複数本でもよい。
本発明態様では、インク回収管の流入口が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置されるのであれば、一対の機枠の間隔の内部の領域に配置されてもよいし、一対の機枠の間隔の外部の領域に配置されてもよい。また、本発明態様では、インク回収管の流出口が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置されるのであれば、一対の機枠の間隔の内部の領域に配置されてもよいし、一対の機枠の間隔の外部の領域に配置されてもよい。
本発明態様では、第1規制手段は、インク回収管内のインクまたは空気の流れを制限する機能、または、遮断する機能を有するのであれば、種々の構成により具現化される。たとえば、第1規制手段は、インク回収管を開閉するバルブなどの開閉手段により具現化されてもよいし、インク回収管の開放と閉鎖とを繰り返して行うチュービングボンプなどのインク移送手段により具現化されてもよい。
本発明態様は、インク容器を構成要素として備える構成であってもよいし、インク容器を構成要素として備えない構成であってもよい。
本発明態様は、第1連結部に連結される高圧エア発生部を構成要素として備える構成であってもよいし、高圧エア発生部を構成要素として備えない構成であってもよい。
本発明態様では、第1高圧エア制御手段は、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する動作を、インク回収管内の残留インクの回収が終了するまで、連続して実行する構成であってもよいし、時間間隔をあけて断続的に実行する構成であってもよい。
本発明態様では、第1高圧エア制御手段は、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する動作を、インク貯留部を洗浄する洗浄工程の実行と並行して実行する構成であってもよいし、その洗浄工程の前に実行する構成であってもよい。
本発明態様では、第1高圧エア制御手段は、少なくとも、インク貯留部にインク供給管を介してインクを供給している間に、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止する構成であれば、インク貯留部などからインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後であっても、インク回収管の内部がインクで充填されている状態にある間も、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止する構成であってもよい。また、第1高圧エア制御手段は、インクの供給が終了したインク貯留部などからインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する構成であれば、インク貯留部の内部のインク、または、インク貯留部およびインク溜め部の内部のインクが完全に回収され、インクがインク貯留部などからインク回収管に流入しなくなった後に、インク回収管の内部のみに残っているインクを回収するために、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する構成であってもよい。
請求項2に記載の具体的態様では、第1高圧エア制御手段は、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後であって、インク回収管の内部が、インクで充填されている状態から、インクと空気とが混在する状態に変化した後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
本具体的態様では、インク回収管の内部が、インクと空気とが混在する状態になる場合には、インク貯留部の内部のインク、または、インク貯留部およびインク溜め部の内部のインクの大半が回収され、インク貯留部などからインクと空気とが混在した状態でインク回収管の内部に流入する。
請求項3に記載の具体的態様では、第1規制手段は、インク回収管に連結され、インク回収管内のインクを移送する第1チュービングポンプを含み、第1チュービングポンプは、インク回収管に連結される可撓性のチューブと、そのチューブを圧縮するために回転可能な回転体とを含み、回転体により圧縮されるチューブの箇所でインク回収管の連通を遮断する。
本具体的態様では、インク回収管の連通状態を規制するために、第1チュービングポンプの回転体は、回転を停止してチューブを連続して圧縮する構成であってもよいし、回転を継続してチューブの圧縮と、その圧縮からの解放とを繰り返す構成であってもよい。
請求項4に記載の具体的態様では、第1チュービングポンプは、一対の機枠の一方の機枠に配置され、インク回収管の流出口は、一対の機枠の他方の機枠に近接する領域であって、一対の機枠の間隔から外の領域に配置され、インク回収管は、第1チュービングポンプから流出口まで延びる管部分を含み、第1連結部は、インク回収方向において第1チュービングポンプより下流側の位置であって、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置で、インク回収管に連結される。
請求項5に記載の具体的態様では、第1連結部は、開閉手段を含み、第1高圧エア制御手段は、開閉手段の開閉動作を制御する開閉制御部を含み、開閉制御部は、開閉手段を閉鎖状態に制御することにより、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、開閉手段を開放状態に制御することにより、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
請求項6に記載の具体的態様は、インク供給管の連通状態を規制する第2規制手段と、高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク供給管に連結するための第2連結部と、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第2高圧エア制御手段と、を備える。本具体的態様では、インク供給管は、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用され、第2高圧エア制御手段は、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。
本具体的態様では、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、高圧エアの供給が開始される時点は、高圧エアの供給により、インク貯留部からインク供給管へのインクの流入が大きく妨げられるか否かを考慮して、定められる。好ましくは、高圧エアの供給が開始される時点は、インク貯留部からインク供給管へインクがほとんど流入しなくなった時点に定められるのがよい。
本具体的態様では、第2連結部に連結される高圧エア発生部を構成要素として備える構成であってもよいし、高圧エア発生部を構成要素として備えない構成であってもよい。
本具体的態様では、第2高圧エア制御手段は、インク回収が終了した後に第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する動作を、インク供給管内の残留インクの回収が終了するまで、連続して実行する構成であってもよいし、時間間隔をあけて断続的に実行する構成であってもよい。
本具体的態様では、第2高圧エア制御手段は、インク回収が終了した後に第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する動作を、インク貯留部を洗浄する洗浄工程の実行と並行して実行する構成であってもよいし、その洗浄工程の前に実行する構成であってもよい。
請求項7に記載の具体的態様では、第2規制手段は、インク供給管に連結される経路切換手段であって、インク貯留部とインク供給管とを連通させる第1経路と、第2連結部とインク供給管とを連通させる第2経路との間で、経路を切り換えることが可能な経路切換手段を含み、第2高圧エア制御手段は、第2経路を閉鎖すると共に第1経路を開放する第1状態と、第1経路を閉鎖すると共に第2経路を開放する第2状態との間で、経路切換手段の状態を制御する切換制御部を含み、切換制御部は、経路切換手段の状態を第1状態に制御することにより、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、経路切換手段の状態を第2状態に制御することにより、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。
本具体的態様では、経路切換手段は、第1経路と第2経路との間で経路を切り換える機能を有するのであれば、種々の構成により具現化される。たとえば、経路切換手段は、第1経路および第2経路にそれぞれ連結される2つのバルブなどの開閉手段を含む構成であってもよいし、分岐する経路を有する公知の三方弁などを含む構成であってもよい。
請求項8に記載の具体的態様では、インク供給管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置、または、ロール中央位置の近傍の位置に配置される供給口であって、インク貯留部にインクを供給する供給口を含む。本具体的態様は、インク供給管の供給口よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される第2チュービングポンプであって、インク回収管内のインクを移送するためにインク供給管に連結される正逆回転可能な第2チュービングポンプと、第2チュービングポンプを迂回してインク供給管に連結される迂回経路と、迂回経路を開閉する迂回開閉手段と、を備える。本具体的態様では、第2連結部は、インク供給管の供給口と第2チュービングポンプとの間で、インク供給管に連結され、第2高圧エア制御手段は、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、インクを回収するための回転方向に第2チュービングポンプの回転を制御し、迂回経路が閉鎖されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2チュービングポンプの回転を停止し、迂回経路が開放されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。
本具体的態様では、第2チュービングポンプは、インク供給管の供給口よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置されるのであれば、他方の機枠に配置されてもよいし、一対の機枠の間隔の内部の領域に配置されてもよい。
請求項9に記載の第2発明態様は、印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、インク貯留部に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、インク貯留部内の洗浄水を排出する排出管と、を備え、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する洗浄工程とを順次実行する。さらに、本発明態様は、インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備える。本発明態様では、インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するために第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
本発明態様は、第1発明態様、および、その具体的態様と同様に、種々の構成により具現化される。
請求項10に記載の具体的態様は、インク供給管の連通状態を規制する第2規制手段と、高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク供給管に連結するための第2連結部と、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第2高圧エア制御手段と、を備える。本具体的態様では、インク供給管は、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用され、第2高圧エア制御手段は、印刷工程において、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク供給管内のインクを回収するために第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。
請求項11に記載の第3発明態様は、印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、インク貯留部に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、インク貯留部内の洗浄水を排出する排出管と、を備え、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、インク貯留部から排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する第1洗浄工程と、インク供給管およびインク回収管に洗浄水を供給し、インク供給管およびインク回収管から洗浄水を排出することにより、インク供給管およびインク回収管を洗浄する第2洗浄工程と、を順次実行する。本発明態様は、インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備える。本発明態様では、インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了から第2洗浄工程の終了までの間において、少なくとも第1洗浄工程および第2洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するためと、インク回収管内の洗浄水を排出するためとに、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。
本発明態様では、洗浄水がインク供給管およびインク回収管に供給される構成は、洗浄水供給部により洗浄水がインク貯留部に供給されるときに洗浄水がインク貯留部からインク供給管およびインク回収管に流入する構成であってもよいし、洗浄水供給部とは別個の供給部が洗浄水をインク供給管およびインク回収管に供給する構成であってもよい。
本発明態様は、第1発明態様、および、その具体的態様と同様に、種々の構成により具現化される。
請求項1に記載の第1発明態様では、インク回収管が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含む。第1規制手段は、インク回収管の連通状態を規制し、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置される。第1連結部が、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結される。第1高圧エア制御手段は、インク貯留部にインク供給管を介してインクを供給している間に、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。この結果、第1連結部を介してインク回収管へ大量の高圧エアが供給されることにより、一方の機枠に近い位置から他方の機枠に近い位置まで延びる長いインク回収管であっても、インク回収管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる。
請求項2に記載の具体的態様では、第1高圧エア制御手段は、インク回収が開始された後であって、インク回収管の内部が、インクで充填されている状態から、インクと空気とが混在する状態に変化した後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。この結果、インク回収管の内部がインクで充填されている状態において高圧エアがインク回収管に供給される場合に、高圧エアが、インク回収管の内部に充填されているインクをインク貯留部に向かって逆流させることを低減することができる。
請求項3に記載の具体的態様では、第1チュービングポンプが、インク回収管に連結される可撓性のチューブと、そのチューブを圧縮するために回転可能な回転体とを含む。回転体により圧縮されるチューブの箇所でインク回収管の連通が遮断される。この結果、回転体がチューブを圧縮することにより、インク回収管の連通状態が制限され、または、遮断されることから、高圧エアがインク回収管に供給される際に、不要な大気が流入することを低減することができ、インク回収管の内部を高圧に維持することができる。
請求項4に記載の具体的態様では、第1チュービングポンプが、一対の機枠の一方の機枠に配置される。インク回収管の流出口が、一対の機枠の他方の機枠に近接する領域であって、一対の機枠の間隔から外の領域に配置される。インク回収管が、第1チュービングポンプから流出口まで延びる管部分を含む。第1連結部が、インク回収方向において第1チュービングポンプより下流側の位置であって、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置で、インク回収管に連結される。この結果、高圧エアが供給される第1連結部が、第1チュービングポンプが配置される一方の機枠に近い位置に配置されることから、第1チュービングポンプから流出口まで延びる長い管部分に残留するインクのすべてを、確実に回収することができる。
請求項5に記載の具体的態様では、第1連結部は、開閉手段を含む。開閉制御部は、開閉手段を閉鎖状態に制御することにより、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、開閉手段を開放状態に制御することにより、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。この結果、高圧エア発生部の駆動および停止を制御する構成に比べ、開閉手段の開放と同時に大量の高圧エアをインク回収管に供給することができる。
請求項6に記載の具体的態様では、インク供給管が、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用される。第2規制手段が、インク供給管の連通状態を規制する。第2高圧エア制御手段が、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。この結果、第2連結部を介してインク供給管へ大量の高圧エアが供給されることにより、インク供給管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる。
請求項7に記載の具体的態様では、インク供給管に連結される経路切換手段が、インク貯留部とインク供給管とを連通させる第1経路と、第2連結部とインク供給管とを連通させる第2経路との間で、経路を切り換える。切換制御部が、第2経路を閉鎖すると共に第1経路を開放する第1状態と、第1経路を閉鎖すると共に第2経路を開放する第2状態との間で、経路切換手段の状態を制御する。切換制御部は、経路切換手段の状態を第1状態に制御することにより、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、経路切換手段の状態を第2状態に制御することにより、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。この結果、第1経路を閉鎖すると共に第2経路を開放する第2状態に、経路切換手段の状態が制御されることにより、インク供給管の連通状態が遮断されることから、高圧エアがインク供給管に供給される際に、不要な大気が流入することを低減することができ、インク供給管の内部を高圧に維持することができる。
請求項8に記載の具体的態様では、インク供給管が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置、または、ロール中央位置の近傍の位置に配置される供給口であって、インク貯留部にインクを供給する供給口を含む。第2チュービングポンプが、インク供給管の供給口よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置され、インク回収管内のインクを移送するために正逆回転可能であり、インク供給管に連結される。迂回経路が、第2チュービングポンプを迂回してインク供給管に連結される。迂回開閉手段が、迂回経路を開閉する。第2連結部が、インク供給管の供給口と第2チュービングポンプとの間で、インク供給管に連結される。第2高圧エア制御手段が、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、インクを回収するための回転方向に第2チュービングポンプの回転を制御し、迂回経路が閉鎖されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2チュービングポンプの回転を停止し、迂回経路が開放されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。この結果、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアが供給される際に、迂回経路が開放されるように迂回開閉手段が制御されることから、インク供給管に流入する高圧エアは、第2チュービングポンプにより堰き止められることなく、迂回経路を介してインク供給管内を円滑に流れることができる。
請求項9に記載の第2発明態様では、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する洗浄工程とが、順次実行される。インク回収管が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口と、ロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口とを含む。第1規制手段が、インク回収管の連通状態を規制し、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置される。第1連結部が、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結される。第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するために第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。この結果、第1連結部を介してインク回収管へ大量の高圧エアが供給されることにより、一方の機枠に近い位置から他方の機枠に近い位置まで延びる長いインク回収管であっても、インク回収管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる。また、少なくとも洗浄工程が実行されている間に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアが供給されることから、洗浄工程の開始時期を遅らせることなく、インク回収管内の残留インクを確実に回収するための比較的長い時間を設定することができる。
請求項10に記載の具体的態様では、インク供給管は、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用される。第2規制手段が、インク供給管の連通状態を規制する。第2高圧エア制御手段は、印刷工程において、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク供給管内のインクを回収するために第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する。この結果、第2連結部を介してインク供給管へ大量の高圧エアが供給されることにより、インク供給管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる。また、少なくとも洗浄工程が実行されている間に、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアが供給されることから、洗浄工程の開始時期を遅らせることなく、インク供給管内の残留インクを確実に回収するための比較的長い時間を設定することができる。
請求項11に記載の第3発明態様では、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、インク貯留部から排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する第1洗浄工程と、インク供給管およびインク回収管に洗浄水を供給し、インク供給管およびインク回収管から洗浄水を排出することにより、インク供給管およびインク回収管を洗浄する第2洗浄工程とが、順次実行される。インク回収管が、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口と、ロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口とを含む。第1規制手段が、インク回収管の連通状態を規制し、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置される。第1連結部が、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結される。第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了から第2洗浄工程の終了までの間において、少なくとも第1洗浄工程および第2洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するためと、インク回収管内の洗浄水を排出するためとに、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する。この結果、少なくとも第1洗浄工程が実行されている間に、第1連結部を介してインク回収管へ大量の高圧エアが供給されることにより、一方の機枠に近い位置から他方の機枠に近い位置まで延びる長いインク回収管であっても、インク回収管内の残留インクを迅速かつ確実に回収することができる。また、少なくとも第2洗浄工程が実行されている間に、第1連結部を介してインク回収管へ大量の高圧エアが供給されることにより、一方の機枠に近い位置から他方の機枠に近い位置まで延びる長いインク回収管であっても、インク回収管内に残留する洗浄水を迅速かつ確実に排出することができる。
本発明の実施形態である段ボールシート印刷機1を示す正面図である。 段ボールシート印刷機1におけるインクおよび洗浄水の配管構成を左方から見て示す模式的構成図である。 インク供給ポンプ42の構成を示す模式図である。 連結口弁124と、その周辺の部材との構成を示す断面図である。 段ボールシート印刷機1の電気的構成を示すブロック図である。 段ボールシート印刷機1の印刷シーケンス、インク回収シーケンス、および、60秒洗浄シーケンスを示すシーケンス図である。 段ボールシート印刷機1の120秒洗浄シーケンスを示すシーケンス図である。
<実施形態>
以下に、本発明の一実施形態である段ボールシート印刷機について、図面を参照して説明する。段ボールシート印刷機は、段ボールシート製函機に使用される印刷機として公知である。段ボールシート製函機は、段ボールシートを搬送経路に向かって1枚ずつ供給する給紙装置と、その給紙装置から供給される段ボールシートを搬送経路に沿って搬送する搬送装置と、その搬送される段ボールシートに順次加工を行うために搬送経路に沿って配列される複数の加工ユニットとを備える。複数の加工ユニットのうちの1つの加工ユニットとして、段ボールシート製函機は、段ボールシート印刷機を備える。段ボールシート製函機の基本的構成は、特開2014−30950号公報などにより開示され、公知である。図1は、本実施形態の段ボールシート印刷機1を前方から見た正面図である。図1に矢印で示される方向が、上下方向、および、左右方向であり、両方向と直交する方向が前後方向である。左右方向は、図1において段ボールシートSHが搬送される搬送方向FDである。図2以降の図面においても、各方向が図1に示される方向に従って示される。
[段ボールシート印刷機1の機械的構成]
段ボールシート印刷機1の機械的構成について、図1および図2を主に参照して説明する。図2は、段ボールシート印刷機1におけるインクおよび洗浄水の配管構成を左方から見て示す模式的構成図である。図1において、段ボールシート印刷機1は、搬送される段ボールシートSHに印刷を行うために、印刷シリンダ10と、プレスロール12と、印版14と、インク塗布装置16とを主に備える。印刷シリンダ10は、搬送経路PLを挟んでプレスロール12に対向する位置に配置される。印版14は、印刷シリンダ10の外周面に巻装される。インク塗布装置16は、印刷シリンダ10に巻装される印版14にインクを塗布する。図2において、段ボールシート印刷機1は、前方機枠20と、後方機枠22とを備える。印刷シリンダ10、およびプレスロール12は、前方機枠20と後方機枠22とにより、回転可能にそれぞれ支持される。インク塗布装置16は、公知の支持機構により、印刷シリンダ10に対して接離可能に支持される。
インク塗布装置16は、インク転移ロールとしてのアニロックスロール24と、インク貯留部26とを主に備える。アニロックスロール24は、前後方向に延びるように、前方機枠20と後方機枠22とにより回転可能に支持され、アニロックスロール24の回転軸線は前後方向に延びる。インク貯留部26は、チャンバフレーム28と、ドクタブレード30と、一対のインク堰止板とを含む。チャンバフレーム28は、前後方向に延びるように、前方機枠20と後方機枠22との間で支持される。ドクタブレード30は、先端部がアニロックスロール24の外周面に接触するように、チャンバフレーム28に固定される。一対のインク堰止板は、アニロックスロール24、およびドクタブレード30の前後方向の両端部に摺接するように、チャンバフレーム28にそれぞれ固定される。インクが貯留される空間SKは、アニロックスロール24の外周面と、チャンバフレーム28と、ドクタブレード30と、一対のインク堰止板とにより画定され、前後方向に長く延びる空間である。
<段ボールシート印刷機1におけるインクおよび洗浄水の配管構成>
段ボールシート印刷機1におけるインクおよび洗浄水の配管構成について、図2を参照して説明する。インク貯留部26が、前方機枠20と後方機枠22との間に、前後方向に長く延びるように配置される。一対のインクパン32、34と、洗浄水パン36とが、インク貯留部26の下方に配置される。インクパン32は、前方機枠20に近接して位置し、前方機枠20に固定される。インクパン34は、後方機枠22に近接して位置し、後方機枠22に固定される。洗浄水パン36は、前方機枠20と後方機枠22との間に架設される図示しない梁部材に固定され、両インクパン32、34の間に配置される。
インク容器としてのインク缶38が、前方機枠20の前方において、前方機枠20に近接する位置に配置される。洗浄水を排出するために、排水溝40が、前方機枠20の前方において、段ボールシート印刷機1が設置される床の下に埋設される。インク供給ポンプ42が、前方機枠20の前方側の面に固定される。インク回収ポンプ44が、後方機枠22の後方側の面に固定される。インク供給ポンプ42は、インクを供給するために正転し、インクを回収するために逆転するように構成される。インク回収ポンプ44は、インクを回収するために一定の方向に逆転するように構成される。
チャンバフレーム28は、9つの連結口46〜62を有する。インクを供給するための連結口46が、チャンバフレーム28の前後方向の中央位置CPにおいて、チャンバフレーム28の下方部分に形成される。連結口46は、インク貯留部26からインクを回収するときに、連結口46から多くのインクが流出するようにインク貯留部26の底部分に極めて近い位置に配置される。4つの連結口48、60、52、56が、中央位置CPと前方機枠20との間において、チャンバフレーム28にそれぞれ形成され、4つの連結口50、62、54、58が、中央位置CPと後方機枠22との間において、チャンバフレーム28にそれぞれ形成される。連結口48、60、52、および連結口50、62、54は、連結口46と同じ上下方向の高さ位置にそれぞれ配置される。連結口48、50は、連結口52、54よりも連結口46に近い位置に配置される。連結口60は、両連結口48、52の間に配置され、連結口62は、両連結口50、54の間に配置される。連結口56は、前方機枠20に近接する位置において、所定の高さ位置でチャンバフレーム28の上方部分に配置される。連結口58は、後方機枠22に近接する位置において、連結口56と同じ所定の高さ位置でチャンバフレーム28の上方部分に配置される。
(インク供給用の配管構成)
インク缶38からインク貯留部26にインクを供給するために、インク供給管70、72が用意される。インク供給管70は、インク缶38とインク供給ポンプ42との間に設けられ、インク供給管72は、インク供給ポンプ42と連結口46との間に設けられる。インク供給管70の一端は、インク供給ポンプ42に連結され、インク供給管70の他端は、開口部ノズル74に連結される。インク供給管72の一端は、インク供給ポンプ42に連結され、インク供給管72の他端は、連結口46に連結される。バイパス管76が、インク供給ポンプ42を迂回するように、両インク供給管70、72にそれぞれ連結される。
インク供給管72は、連結口46との連結部分に近接する位置に、上り勾配管部分78を有する。上り勾配管部分78は、連結口46の高さ位置から、連結口46よりも高い位置まで上方に傾斜する。バイパス電磁弁80が、バイパス管76に連結され、両インク供給管70、72に対してバイパス管76の連通および遮断を行うために、開閉する。切換電磁三方弁82は、上り勾配管部分78とインク供給ポンプ42との間であって、上り勾配管部分78の頂点に近接する位置において、インク供給管72に連結される。また、切換電磁三方弁82は、高圧エア供給電磁弁84に連結される。切換電磁三方弁82は、連結口46とインク供給ポンプ42との間を連通させる流路と、高圧エア供給電磁弁84とインク供給ポンプ42との間を連通させる流路とを切り換える。高圧エア供給電磁弁84は、インク供給管72に対して高圧エアARの供給および停止を行うために開閉する。
(インク回収用の配管構成)
インク缶38にインクを回収するために、前方インク回収管86と、後方インク回収管88と、一対の長い補助インク回収管90、92と、一対の短い補助インク回収管94、96と、一対の余剰インク回収管98、100とが用意される。前方インク回収管86は、インクパン32とインク缶38との間に設けられる。前方インク回収管86の一端は、インクパン32に連結され、前方インク回収管86の他端は、開口部ノズル102に連結される。
後方インク回収管88は、主インク回収管104と、連結回収管106とを含む。主インク回収管104は、インク回収ポンプ44とインク缶38との間に設けられる。主インク回収管104の一端は、インク回収ポンプ44に連結され、主インク回収管104の他端は、開口部ノズル108に連結される。高圧エア供給電磁弁110は、インク回収ポンプ44に近接する位置において、主インク回収管104に連結される。高圧エア供給電磁弁110は、主インク回収管104に対して高圧エアARの供給および停止を行うために開閉する。連結回収管106の一端は、インクパン34に連結され、連結回収管106の他端は、インク回収ポンプ44に連結される。
長い補助インク回収管90は、連結口48とインクパン32との間に設けられる。長い補助インク回収管90の一端は、連結口48に連結され、長い補助インク回収管90の他端は、インクパン32の上方開口に臨むように配置される。短い補助インク回収管94は、連結口52とインクパン32との間に設けられる。短い補助インク回収管94の一端は、連結口52に連結され、短い補助インク回収管94の他端は、インクパン32の上方開口に臨むように配置される。余剰インク回収管98は、連結口56とインクパン32との間に設けられる。余剰インク回収管98の一端は、連結口56に連結され、余剰インク回収管98の他端は、インクパン32の上方開口に臨むように配置される。
長い補助インク回収管92は、連結口50とインクパン34との間に設けられる。長い補助インク回収管92の一端は、連結口50に連結され、長い補助インク回収管92の他端は、インクパン34の上方開口に臨むように配置される。短い補助インク回収管96は、連結口54とインクパン34との間に設けられる。短い補助インク回収管96の一端は、連結口54に連結され、短い補助インク回収管96の他端は、インクパン34の上方開口に臨むように配置される。余剰インク回収管100は、連結口58とインクパン34との間に設けられる。余剰インク回収管100の一端は、連結口58に連結され、余剰インク回収管100の他端は、インクパン34の上方開口に臨むように配置される。
洗浄水供給電磁弁112〜116は、連結口48、52、56に近接する位置において、長い補助インク回収管90、短い補助インク回収管94、および余剰インク回収管98にそれぞれ連結される。洗浄水供給電磁弁112〜116は、長い補助インク回収管90、短い補助インク回収管94、および余剰インク回収管98に対して、洗浄水WTの供給および停止を行うためにそれぞれ開閉する。
洗浄水供給電磁弁118〜122は、連結口50、54、58に近接する位置において、長い補助インク回収管92、短い補助インク回収管96、および余剰インク回収管100にそれぞれ連結される。洗浄水供給電磁弁118〜122は、長い補助インク回収管92、短い補助インク回収管96、および余剰インク回収管100に対して、洗浄水WTの供給および停止を行うためにそれぞれ開閉する。
連結口弁124、126が、連結口48、52を開閉するためにそれぞれ配置される。連結口弁128、130が、連結口50、54を開閉するためにそれぞれ配置される。連結口弁124〜130は、後述のエアシンリンダにより作動される。
(洗浄水排水用の配管構成)
洗浄水を排水溝40に排水するために、主排水管132と、一対の補助排水管134、136とが用意される。主排水管132は、洗浄水パン36と排水溝40との間に設けられる。主排水管132の一端は、洗浄水パン36に連結され、主排水管132の他端は、開口部ノズル137に連結される。開口部ノズル137の先端部は、排水溝40に臨むように配置される。
補助排水管134は、連結口60と洗浄水パン36との間に設けられる。補助排水管134の一端は、連結口60に連結され、補助排水管134の他端は、洗浄水パン36の上方開口に臨むように配置される。補助排水管136は、連結口62と洗浄水パン36との間に設けられる。補助排水管136の一端は、連結口62に連結され、補助排水管136の他端は、洗浄水パン36の上方開口に臨むように配置される。
洗浄水供給電磁弁138、140は、連結口60、62に近接する位置において、補助排水管134、136にそれぞれ連結される。洗浄水供給電磁弁138、140は、補助排水管134、136に対して、洗浄水WTの供給および停止を行うためにそれぞれ開閉する。
連結口弁142、144が、連結口60、62を開閉するためにそれぞれ配置される。連結口弁142、144は、後述のエアシンリンダにより作動される。
(開口部ノズル74、102、108の移動機構の構成)
移動機構145は、開口部ノズル74、102、108を上下方向および前後方向に移動させるために、前方機枠20に設けられる。移動機構145は、上下ガイド部材146と、前後ガイド部材147とを含み、両ガイド部材146、147に沿って開口部ノズル74、102、108を一体的に移動させる公知の構成を備える。開口部ノズル74、102、108は、インク缶38の内部に進入するまで下降する下降位置と、インク缶38から上方に離間するまで上昇する上昇位置と、インク缶38から前方に移動して排水溝40に臨む排水位置とのうちのいずれかの位置に、移動機構145の動作により移動することができる。
(噴射ユニット148の構成)
インク貯留部26に洗浄水を噴射するために、噴射ユニット148がインク貯留部26の上方に配置される。噴射ユニット148は、4つの噴射ノズル149と、洗浄水供給管150と、移動機構151とを含む。4つの噴射ノズル149は、前後方向に間隔をあけて配列される。洗浄水供給管150は、4つの噴射ノズル149に連結されるとともに、噴射ノズル電磁弁152に連結される。噴射ノズル電磁弁152は、洗浄水供給管150に対して、洗浄水WTの供給および停止を行うために開閉する。
移動機構151は、前後ガイド部材153と、上下ガイド部材154とを含み、両ガイド部材153、154に沿って、4つの噴射ノズル149および洗浄水供給管150を一体的に移動させる公知の構成を備える。前後ガイド部材153は、前方機枠20と後方機枠22との間に架設される。4つの噴射ノズル149は、移動機構151の動作により、洗浄水WTをインク貯留部26に向かって噴射するために下降する下降位置と、インク貯留部26の上方で待機するために上昇する上昇位置とのうちのいずれかの位置に移動することができる。また、4つの噴射ノズル149は、移動機構151の動作により、下降位置において、インク貯留部26に沿って前後方向に往復運動を行うことができる。
(インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の構成)
インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の構成について、図3を参照して説明する。インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44は、同じ構成を有するので、インク供給ポンプ42を例にして説明する。インク供給ポンプ42は、チュービングポンプから構成され、可撓性の管160と、ロータ162と、2つの押圧コロ164A、164Bとを備える。可撓性の管160は、ゴムチューブなどの弾力性のあるチューブから形成され、インク供給管70、72にそれぞれ連結される。2つの押圧コロ164A、164Bは、ロータ162に回転自在に支持される。ロータ162は、ポンプ駆動モータにより回転される。ロータ162の回転により、2つの押圧コロ164A、164Bが可撓性の管160を押圧して圧縮させる。可撓性の管160の圧縮が繰り返し行われることにより、インク供給管70、72の間で、インクまたは洗浄水の移送が実行される。ロータ162の回転が停止する場合には、2つの押圧コロ164A、164Bのうちの少なくとも1つの押圧コロが可撓性の管160を圧縮する状態を維持することから、インク供給管70、72の間の連通が遮断される状態になる。チュービングポンプの基本的構成は、特開2007−45125号公報などに開示され、公知である。インク回収ポンプ44も、インク供給ポンプ42と同様に、チュービングポンプから構成され、可撓性の管が主インク回収管104と連結回収管106とにそれぞれ連結される構成を備える。
(連結口弁124〜130、142、144の詳細な構成)
連結口弁124〜130、142、144の詳細な構成について、図4を参照して説明する。連結口弁124〜130、142、144は同じ構成を有するので、連結口弁124を例にして説明する。連結ブロック170が、チャンバフレーム28の連結口48と、長い補助インク回収管90とを連結するために、チャンバフレーム28に固定される。連結口弁エアシリンダ172が、連結ブロック170に固定される。連結口弁124は、連結口弁エアシリンダ172の作動ロッド172Aに固定される。連結口弁124は、連結口48を閉じる閉鎖位置と、連結口48を開放する開放位置とのうちのいずれかの位置に、連結口弁エアシリンダ172の作動により移動することができる。連結口弁124が開放位置に位置する場合に、連結口48は、長い補助インク回収管90と連通する状態になる。他の連結口弁126〜130、142、144も、連結口弁124と同様に、連結口弁エアシリンダの作動により、連結口50〜54、60、62をそれぞれ開閉する。
[段ボールシート印刷機1の電気的構成]
段ボールシート印刷機1の電気的構成について、図5を参照して説明する。図5は、段ボールシート印刷機1の電気的構成を示すブロック図である。図5において、段ボールシート印刷機1は、印刷動作全般を制御するために印刷制御装置200を備える。印刷制御装置200は、段ボールシート製函機の全体の動作を管理する管理装置300から、各オーダを実行するための制御情報を受け取り、その制御情報に従って、各オーダに関する印刷シーケンスを実行する。また、印刷シーケンスの実行後に、印刷制御装置200は、インク回収シーケンスと、洗浄シーケンスとを実行する。管理装置300から送られる制御情報は、各オーダにおいて加工される段ボールシートの枚数、段ボールシートの搬送速度、および、オーダチェンジを指令する情報などを含む。オーダチェンジが指令された後に、段ボールシート印刷機1では、インクの色などのインクの種類が、次のオーダに使用されるインクの種類に変更される。
印刷制御装置200は、プログラムメモリ202と、作業メモリ204と、設定操作部206と、タイマ208とにそれぞれ接続される。プログラムメモリ202は、図6および図7に示す印刷シーケンス、インク回収シーケンス、および洗浄シーケンスを順次実行するためのメインルーチンのプログラムと、図6に示す60秒洗浄シーケンスを実行するサブルーチンのプログラムと、図7に示す120秒洗浄シーケンスを実行するサブルーチンのプログラムとを含む種々のプログラムを記憶するとともに、種々の設定値を記憶する不揮発性のメモリである。作業メモリ204は、管理装置300からの制御情報と、印刷制御装置200が演算処理する結果と、設定操作部206により設定される情報とを一時的に記憶するメモリである。
設定操作部206は、タッチパネル、ディスプレイ、および操作キーなどを含む公知の構成を有する。設定操作部206は、60秒洗浄シーケンスと、120秒洗浄シーケンスとのうちのいずれかの洗浄シーケンスを選択して設定する操作部と、インク回収シーケンスを開始させる操作部とを含む。また、設定操作部206は、インク回収シーケンス、および洗浄シーケンスにおける制御対象の動作時間などのパラメータを調整するための操作部を含む。設定操作部206の操作により設定される情報は、作業メモリ206に一時記憶され、各シーケンスが実行されるために、作業メモリ206から読み出されて使用される。
タイマ208は、インク回収シーケンス、および洗浄シーケンスの各シーケンスが開始される時点からの経過時間を計時し、経過時間に関する情報を印刷制御装置200に送信する。印刷制御装置200は、タイマ208からの情報を参照して、各経過時間に実行すべき指令などを、実行中のプログラムから読み出し、モータ駆動回路210などの各駆動回路に送る。
印刷制御装置200は、モータ駆動回路210と、電磁弁駆動回路212と、エアシリンダ駆動回路214とにそれぞれ接続される。モータ駆動回路210は、印刷制御装置200からのモータ制御指令に従って、種々の駆動モータの回転速度と、回転方向と、回転および停止とを制御する。電磁弁駆動回路212は、印刷制御装置200からの電磁弁開閉制御指令に従って、種々の電磁弁の開閉を制御する。エアシリンダ駆動回路214は、印刷制御装置200からの連結口弁開閉指令に従って、種々のエアシリンダの作動および不作動を制御する。
モータ駆動回路210は、高圧エアコンプレッサ220と、アニロックスロール駆動モータ222と、インク供給ポンプ42と、インク回収ポンプ44と、噴射ノズル移動モータ群224と、開口部ノズル移動モータ群226とにそれぞれ接続される。高圧エアコンプレッサ220は、高圧エアARを発生し、高圧エア供給電磁弁84、110にそれぞれ供給する。高圧エアコンプレッサ220が発生する高圧エアARの圧力は、インク回収シーケンスおよび洗浄シーケンスにおいて、インク供給管70、72および主インク回収管104の管内に残留するインクを、インク缶38に向かって押し出すことができる圧力である。高圧エアARの圧力は、インク供給管70、72および主インク回収管104の管内に存在するインクまたは洗浄水を押し出すことができる条件(低すぎない圧力)と、開口部ノズル74、108から放出されるインクまたは洗浄水が周囲に飛び散らない条件(高すぎない圧力)とを満たすように、実験を通して設定される。本実施形態では、高圧エアARの圧力は、0.2MPa(メガパスカル)程度の圧力に設定される。
アニロックスロール駆動モータ222は、アニロックスロール24を回転させる駆動モータであり、印刷シーケンスなどの動作シーケンスに応じた回転速度で駆動される。インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の各ポンプは、ロータを回転させる駆動モータを含み、各ポンプの駆動モータが、モータ駆動回路210により駆動される。噴射ノズル移動モータ群224は、噴射ノズル149を前後方向に往復移動させる前後移動モータと、下降位置と上昇位置との間で噴射ノズル149を上下方向に移動させる上下移動モータとを含む。開口部ノズル移動モータ群226は、開口部ノズル74、102、108を前後方向に移動させる前後移動モータと、下降位置と上昇位置との間で開口部ノズル74、102、108を上下方向に移動させる上下移動モータとを含む。
電磁弁駆動回路212は、高圧エア供給電磁弁群240と、切換電磁三方弁82と、バイパス電磁弁80と、洗浄水供給電磁弁群242と、噴射ノズル電磁弁152とにそれぞれ接続される。高圧エア供給電磁弁群240は、2つの高圧エア供給電磁弁84、110を含む。洗浄水供給電磁弁群242は、8つの洗浄水供給電磁弁112〜122、138、140を含む。
エアシリンダ駆動回路214は、連結口弁エアシリンダ群244に接続される。連結口弁エアシリンダ群244は、図4に示す連結口弁124を開閉させるエアシリンダ172と、連結口弁126〜130、142、144を開閉させる5つのエアシリンダとを含む。
[段ボールシート印刷機1の動作および作用]
本実施形態の段ボールシート印刷機1の動作および作用について、図6および図7を参照して説明する。図6は、段ボールシート印刷機1の印刷シーケンス、インク回収シーケンス、および、60秒洗浄シーケンスを示すシーケンス図であり、図7は、段ボールシート印刷機1の120秒洗浄シーケンスを示すシーケンス図である。
図6および図7において、制御対象の欄には、印刷制御装置200により制御される対象が記載され、図面の最も下方には、インク回収シーケンス、および、洗浄シーケンスの経過時間Tが記載される。制御対象の欄に記載される各制御対象の動作状態が経過時間Tの経過に従って示される。アニロックスロール駆動モータ222について、「高」は高速回転状態を示し、「低」は低速回転状態を示し、「停」は停止を示す。インク供給ポンプ42、およびインク回収ポンプ44について、「正」は正転状態を示し、「逆」は逆転状態を示し、「停」は停止を示す。切換電磁三方弁82について、図中で、高いレベルの線は、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路への切換状態を示し、部分的に「流1」と表記され、低いレベルの線は、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路への切換状態を示し、部分的に「流2」と表記される。高圧エア供給電磁弁84、110およびバイパス電磁弁80について、図中で、低いレベルの線は、各電磁弁の閉鎖状態を示し、部分的に「閉」と表記され、高いレベルの線は、各電磁弁の開放状態を示し、部分的に「開」と表記される。連結口弁126、130(短い補助インク回収管94、96)、連結口弁142、144(補助排水管134、136)、および、連結口弁124、128(長い補助インク回収管90、92)について、図中で、低いレベルの線は、各電磁弁の閉鎖状態を示し、部分的に「閉」と表記され、高いレベルの線は、各電磁弁の開放状態を示し、部分的に「開」と表記される。噴射ノズル電磁弁152について、図中で、低いレベルの線は、電磁弁の閉鎖状態を示し、部分的に「閉」と表記され、高いレベルの線は、電磁弁の開放状態を示し、部分的に「開」と表記される。噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータを表す噴射ノズル移動モータ(上下)について、図中で、低いレベルの線は、噴射ノズル149が上昇位置に移動するように上下移動モータを駆動する上昇状態を示し、部分的に「上」と表記され、高いレベルの線は、噴射ノズル149が下降位置に移動するように上下移動モータを駆動する下降状態を示し、部分的に「下」と表記される。噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータを表す噴射ノズル移動モータ(前後)について、「停」は前後移動モータの停止を示し、「前」は、噴射ノズル149が前方機枠20に向かって前方に移動するように前後移動モータを駆動する前方移動状態を示し、「後」は、噴射ノズル149が後方機枠22に向かって後方に移動するように前後移動モータを駆動する後方移動状態を示す。洗浄水供給電磁弁114、120、116、122を表す洗浄水供給電磁弁(余剰・短い補助インク回収管98、100、94、96)、洗浄水供給電磁弁138、140を表す洗浄水供給電磁弁(補助排水管134、136)、および、洗浄水供給電磁弁112、118を表す洗浄水供給電磁弁(長い補助インク回収管90、92)について、図中で、低いレベルの線は、各電磁弁の閉鎖状態を示し、部分的に「閉」と表記され、高いレベルの線は、各電磁弁の開放状態を示し、部分的に「開」と表記される。開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータを表す開口部ノズル移動モータ(上下)について、図中で、高いレベルの線は、開口部ノズル74、102、108が下降位置に移動するように上下移動モータを駆動する下降状態を示し、部分的に「下」と表記され、低いレベルの線は、開口部ノズル74、102、108が上昇位置に移動するように上下移動モータを駆動する上昇状態を示し、部分的に「上」と表記される。開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータを表す開口部ノズル移動モータ(前後)について、図中で、高いレベルの線は、開口部ノズル74、102、108がインク缶38の上方開口に臨む後方位置に移動するように前後移動モータを駆動する後方移動状態を示し、「後」と表記され、低いレベルの線は、開口部ノズル74、102、108が排水溝128に臨む前方位置、すなわち排水位置に移動するように前後移動モータを駆動する前方移動状態を示し、「前」と表記される。
まず、作業者が、設定操作部206を操作し、60秒洗浄シーケンスを選択して設定した場合における動作について、図6を参照して説明する。実行すべきオーダに関する制御情報が、管理装置300から印刷制御装置200に送られ、オーダの実行が開始される。印刷制御装置200は、高圧エアの発生指令をモータ駆動回路210に送り、高圧エアコンプレッサ220を駆動させる。印刷制御装置200は、管理装置300から送られる制御情報中の搬送速度に従う高速回転指令をモータ駆動回路210に送り、アニロックスロール駆動モータ222を所定の高速度で回転させる。アニロックスロール駆動モータ222が所定の高速度で回転されるときに、印刷制御装置200は、印刷シリンダ10およびプレスロール12を回転させる図示しない駆動モータを、搬送速度に従う回転速度で駆動させる。オーダの実行開始に伴い、段ボールシートが給紙装置から送り出されて段ボールシート印刷機1に順次供給される。オーダの印刷シーケンスが実行される間、アニロックスロール24、印刷シリンダ10、およびプレスロール12は、図1に示す矢印の回転方向に回転される。
(印刷シーケンスの動作)
オーダの実行開始に伴い、図6に示す印刷シーケンスが開始される時点では、印刷制御装置200は、高圧エア供給電磁弁群240、バイパス電磁弁80、洗浄水供給電磁弁群242、および噴射ノズル電磁弁148の各電磁弁の閉鎖指令を、電磁弁駆動回路212に送り、各電磁弁を閉鎖させる。印刷シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)に切り換える指令を、電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。印刷シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、連結口弁48〜54、60、62の各連結口弁の閉鎖指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、各連結口弁が閉鎖されるように連結口弁エアシリンダ群244の各エアシリンダを作動させる。
印刷シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、インク供給ポンプ42の正転指令とインク回収ポンプ44の逆転指令とをモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を正転させるとともに、インク回収ポンプ44を逆転させる。インク供給ポンプ42の正転により、インク供給ポンプ42は、インク供給管70内のインクをインク供給管72に向かって送り出す。インク回収ポンプ44の逆転により、インク回収ポンプ44は、連結回収管106内のインクを主インク回収管104に向かって送り出す。印刷シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータのための上昇指令と、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータのための停止指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。上昇指令により、上下移動モータは噴射ノズル149を上昇位置に移動させ、停止指令により、前後移動モータは噴射ノズル149を図2に示す中央位置CPに停止させる。印刷シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータのための後方移動指令と、開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータのための下降指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。後方移動指令により、前後移動モータは、開口部ノズル74、102、108がインク缶38の上方開口に臨むように開口部ノズル74、102、108を後方に移動させる。その後に、下降指令により、上下移動モータは、開口部ノズル74、102、108が図2に示すようにインク缶38の内部に進入するように開口部ノズル74、102、108を下降位置に移動させる。
印刷シーケンスが実行される間、インク供給ポンプ42は正転され、インク回収ポンプ44は逆転される。このインク供給ポンプ42の正転により、インク缶38からのインクは、インク供給管70、インク供給ポンプ42、インク供給管72、切換電磁三方弁82、および、連結口46を介して、インク貯留部26に供給される。インク貯留部26に供給されるインクが連結口56、58の配置高さの位置に相当するインク量まで貯留されるとき、貯留されるインクは、余剰インクとして、余剰インク回収管98、100を介して、インク貯留部26からインクパン32、34に向かって流出する。
インクパン32に溜められるインクは、前方インク回収管86、および開口部ノズル102を介して、インクの自重により、インク缶38に回収される。インクパン34に溜められるインクは、インク回収ポンプ44の逆転により、連結回収管106、インク回収ポンプ44、および開口部ノズル108を介して、インク缶38に回収される。
オーダに関して定められるシート枚数の段ボールシートが給紙装置から送り出され、段ボールシート印刷機1が最後の段ボールシートに印刷を実行し、段ボールシート製函機が最後の段ボールシートの加工を終了すると、管理装置300はオーダチェンジ指令を印刷制御装置200に送り、印刷制御装置200は印刷シーケンスを終了する。印刷シーケンスが終了した後に、アニロックスロール24と印刷シリンダ10とが互いに離間した状態で、印刷シリンダ10およびプレスロール12の回転は停止される。
(インク回収シーケンスの動作)
印刷シーケンスの終了後に、作業者が、設定操作部206を操作してインク回収シーケンスの開始を印刷制御装置200に指示すると、印刷制御装置200はインク回収シーケンスを開始させる。インク回収シーケンスが開始するときに、印刷制御装置200は、タイマ208を0秒の初期状態に設定してタイマ208に計時動作を開始させる。
インク回収シーケンスの開始時点(0秒)で、印刷制御装置200は、低速回転指令をモータ駆動回路210に送り、アニロックスロール駆動モータ222を所定の低速度で回転させる。インク回収シーケンスの開始時点で、印刷制御装置200は、インク供給ポンプ42の逆転指令とインク回収ポンプ44の逆転指令とをモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を正転から逆転に切り換えるとともに、インク回収ポンプ44の逆転を継続させる。インク供給ポンプ42の逆転により、インク供給ポンプ42は、インク供給管72内のインクをインク供給管70に向かって送り出す。インク供給ポンプ42が逆転される間、インク貯留部26に貯留されるインクは、連結口46、切換電磁三方弁82、インク供給管72、インク供給ポンプ42、インク供給管70、および開口部ノズル74を介して、インク缶38に回収される。インク回収ポンプ44の逆転が継続されることにより、インク回収ポンプ44は、連結回収管106内のインクを主インク回収管104に向かって送り出す動作を継続する。
インク回収シーケンスの開始時点から10秒までの間に、連結口弁126、130が、閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、所定時間だけ開放状態を継続し、その後に開放状態から閉鎖状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開閉制御指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁126、130を開閉させるエアシリンダを作動させる。連結口弁126、130の開放状態の時間が所定時間に制限されることにより、大量のインクがインク貯留部26からインクパン32、34に急激に流れ込むことを抑制することができる。
10秒から20秒までの間の特定の時点で、連結口弁126、130が、閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その後に開放状態を継続するように、印刷制御装置200は、開閉制御指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁126、130を開閉させるエアシリンダを作動させる。連結口弁126、130が特定の時点から開放状態を継続することにより、インク貯留部26に貯留されるインクは、連結口弁126、130により開放される連結口52、54、および、短い補助インク回収管94、96を介して、インクパン32、34にそれぞれ流れ出す。
20秒が経過した直後の特定の時点で、連結口弁124、128が、閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その後に開放状態を継続するように、印刷制御装置200は、開閉制御指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁124、128を開閉させるエアシリンダを作動させる。連結口弁124、128が特定の時点から開放状態を継続することにより、インク貯留部26に貯留されるインクは、連結口弁124、128により開放される連結口48、50、および、長い補助インク回収管90、92を介して、インクパン32、34にそれぞれ流れ出す。
20秒が経過した直後の特定の時点から、インク貯留部26に貯留されるインクは、短い補助インク回収管94と長い補助インク回収管90との両者を介して、インクパン32に流出し、短い補助インク回収管96と長い補助インク回収管92との両者を介して、インクパン34に流出する。インクパン32に溜められるインクは、前方インク回収管86および開口部ノズル102を介して、インクの自重により、インク缶38に回収される。インクパン34に溜められるインクは、インク回収ポンプ44の逆転により、連結回収管106、インク回収ポンプ44、および開口部ノズル108を介して、インク缶38に回収される。
40秒から50秒までの間の特定の時点で、開口部ノズル74、102、108が下降位置から上昇位置に移動するように、印刷制御装置200は、上昇指令をモータ駆動回路210に送り、開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータを駆動させる。開口部ノズル74、102、108の先端部は、インク缶38の上方開口から離れた所定の上昇位置に移動する。開口部ノズル74、102、108が上昇位置に移動することにより、高圧エアがインク供給管72、70に供給される場合に、インク缶38内のインクを飛散させることを抑制することができる。
50秒が経過する直前の特定の時点で、インク供給ポンプ42の動作が停止するように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42の駆動モータを停止させる。インク供給ポンプ42の動作が停止することにより、インク供給ポンプ42の可撓性の管160は図3に示すように押圧コロ164Bにより圧縮され、インク供給管72とインク供給管70との間の連通が遮断され、その遮断状態が継続される。
50秒が経過する時点で、切換電磁三方弁82が高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)に切り換えられるように、印刷制御装置200は、流路切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を作動させる。
50秒が経過した直後の特定の時点で、バイパス電磁弁80が閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開閉制御指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を作動させる。バイパス電磁弁80が開放状態に切り換えられ、開放状態が継続されることにより、バイパス管76は、インク供給ポンプ42を迂回して、インク供給管72からのインクをインク供給管70に流すことができる。
バイパス電磁弁80が切り換えられた後の特定の時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が、閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、60秒が経過する直前までの所定時間だけ開放状態に保持されるように、印刷制御装置200は、開閉制御指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を作動させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放状態への切換により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、高圧エア供給電磁弁84および切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に供給され、高圧エア供給電磁弁110を介して主インク回収管104に供給される。
30秒が経過する時点では、インク貯留部26からインクパン32、34を介して前方インク回収管86および後方インク回収管88に流入するインクと、インク貯留部26から切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に流入するインクとは、インク供給管72およびインク回収管86、88の内部がインクで完全に充填される状態で、インク缶38に向けて回収される。30秒から、50秒が経過する直前の時点までの間で、インク供給管72およびインク回収管86、88に流入するインクの量が減少し、インクと空気とが、インク供給管72およびインク回収管86、88の内部に混在する状態になる。50秒が経過する直前の時点では、インク貯留部26およびインクパン32、34の内部に、ほとんどインクが残っていない状態になる。50秒が経過した後には、インク貯留部26およびインクパン32、34から、インク供給管72およびインク回収管86、88にインクが新たに流入することはなく、インクがインク供給管72およびインク回収管86、88の内面底部に僅かに残留する状態、または、インク滴がインク供給管72およびインク回収管86、88の内面に付着する状態になる。
後方インク回収管88の主インク回収管104は、前方機枠20と後方機枠22との間で前後方向に長く延びることから、主インク回収管104の内面に残留するインク、または、内面に付着するインク滴の量が僅かであっても、主インク回収管104の全長にわたって残留するインク、または、付着するインク滴の総量は、無視できない相当の量になる。同様に、インク供給管72は、インク貯留部26の中央位置CPから前方機枠20まで前方に長く延びることから、インク供給管72の内面に残留するインク、または、内面に付着するインク滴の量が僅かであっても、インク供給管72の全長にわたって残留するインク、または、付着するインク滴の総量は、無視できない相当の量になる。
50秒が経過した後の所定時間の間、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。この高圧エアの供給により、インク供給管72の内面に残留するインク、または、インク滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に向かって押し出され、インク供給管70および開口部ノズル74を介してインク缶38に回収される。また、高圧エアの供給により、主インク回収管104の内面に残留するインク、または、インク滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介してインク缶38に回収される。
高圧エアがインク供給管72に供給される時点では、インク供給管72の内部にインクと空気とが混在する状態になり、この混在状態では、逆転しているインク供給ポンプ42の吸引作用は、比較的長いインク供給管72の内面に残留するインク、または、インク滴を、インク供給管70まで吸い込んで押し出すためには、ほとんど効果を有しない。このため、インク供給ポンプ42は、50秒が経過する直前の時点で停止され、その後に停止状態を継続する。また、高圧エアが主インク回収管104に供給される時点では、連結回収管106の内部にインクと空気とが混在する状態であるが、逆転しているインク回収ポンプ44の吸引作用は、インクパン34に溜まっているインクを、比較的短い連結回収管106を介して主インク回収管104に吸い込む作用である。このため、インク回収ポンプ44は、50秒が経過する時点でも、逆転状態を継続する。
60秒が経過する前の特定の時点で、アニロックスロール駆動モータ222が所定の低速度の回転から停止されるように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、アニロックスロール駆動モータ222を停止させ、60秒が経過するまで、この停止状態を継続させる。
(60秒洗浄シーケンスの動作)
インク回収シーケンスの開始時点から60秒が経過すると、タイマ208が60秒経過を示す情報を印刷制御装置200に送り、印刷制御装置200は、タイマ208を0秒の初期状態に設定して計時動作を開始させる。また、印刷制御装置200は、インク回収シーケンスを終了し、図6に示す60秒洗浄シーケンスの実行を開始する。
60秒洗浄シーケンスにおいて、0秒から30秒までの前半の洗浄期間において、インク供給管70、72および主インク回収管104からの残留インクまたはインク滴の回収と、アニロックスロール24およびインク貯留部26の洗浄とが、主に実行される。30秒から60秒までの後半の洗浄期間において、インク供給管70、72および主インク回収管104などの配管の洗浄が主に実行される。
60秒洗浄シーケンスの開始時点(0秒)において、アニロックスロール駆動モータ222が停止状態から所定の高速度で回転され、インク供給ポンプ42が停止状態を継続し、インク回収ポンプ44が逆転状態から停止されるように、印刷制御装置200は、モータ駆動回路210に制御指令を送り、アニロックスロール駆動モータ222を駆動させるとともに、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の各駆動モータの駆動を制御する。アニロックスロール駆動モータ222は、60秒洗浄シーケンスの終了時点(60秒)まで、所定の高速度での回転が継続されるように、駆動される。
60秒洗浄シーケンスの開始時点で、印刷制御装置200は、噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータのための下降指令と、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータのための停止指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。下降指令により、上下移動モータは噴射ノズル149を下降位置に移動させ、停止指令により、前後移動モータは噴射ノズル149を中央位置CPに継続して停止させる。60秒洗浄シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータのための後方移動指令と、開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータのための上昇指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。後方移動指令により、前後移動モータは、開口部ノズル74、102、108がインク缶38の上方開口に臨む位置に開口部ノズル74、102、108を継続して位置させ、上昇指令により、上下移動モータは、開口部ノズル74、102、108がインク缶38から上方に離れた上昇位置に開口部ノズル74、102、108を継続して位置させる。
60秒洗浄シーケンスの開始時点で、印刷制御装置200は、高圧エア供給電磁弁群240、バイパス電磁弁80、洗浄水供給電磁弁群242、および噴射ノズル電磁弁148の各電磁弁の閉鎖指令を、電磁弁駆動回路212に送り、各電磁弁を閉鎖させ、または、各電磁弁の閉鎖状態を継続させる。60秒洗浄シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)に切り換える指令を、電磁弁駆動回路212に送り、「流2」で表記される切換状態を切換電磁三方弁82に継続させる。60秒洗浄シーケンスの開始時点では、連結口弁142、144が開放され、連結口弁124〜130が閉鎖されるように、印刷制御装置200は、連結口弁142、144の開放指令、および連結口弁124〜130の閉鎖指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、各連結口弁を開閉させる連結口弁エアシリンダ群244の各エアシリンダの作動を制御する。
0秒から10秒までの間の特定の時点で、噴射ノズル電磁弁152が開放され、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータが噴射ノズル149を前方機枠20に向かって前方に移動させるように、印刷制御装置200は、噴射ノズル電磁弁152の開放指令を電磁弁駆動回路212に送るとともに、前後移動モータのための前方移動指令をモータ駆動回路210に送り、噴射ノズル電磁弁152を開放させ、噴射ノズル149を前方に移動させる。噴射ノズル電磁弁152の開放により、洗浄水が、前方に移動する噴射ノズル149からインク貯留部26に向かって噴射される。洗浄水の噴射開始により、アニロックスロール24とインク貯留部26との洗浄が開始される。
0秒から10秒までの間であって、噴射ノズル電磁弁152が開放された後の時点で、洗浄水供給電磁弁138、140が開放され、その開放状態が10秒経過時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁138、140を開放させる。洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、図示しない洗浄水供給源から供給される洗浄水が洗浄水供給電磁弁138、140を介して補助排水管134、136にそれぞれ供給される。本実施形態では、噴射ノズル電磁弁152の開放により噴射ノズル149からインク貯留部26に噴射された洗浄水は、洗浄水供給電磁弁138、140が開放される時点では、連結口60、62から補助排水管134、136には、まだ流入しない状態にある。インク貯留部26に付着しているインクが混在する洗浄水が、連結口60、62から補助排水管134、136に流入する前に、清潔な洗浄水が、洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、補助排水管134、136にそれぞれ供給される。このため、補助排水管134、136の内面は、清潔な洗浄水によりコーティングされ、インクが混在する洗浄水が補助排水管134、136の内面に付着することを低減することができる。
10秒が経過する直前の時点で、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータが噴射ノズル149の移動を前方移動から後方機枠22に向う後方移動に切り換えるように、印刷制御装置200は、前後移動モータのための後方移動指令をモータ駆動回路210に送り、噴射ノズル149を後方に移動させる。噴射ノズル149の前後の往復移動は、60秒洗浄シーケンスにおいて、30秒が経過する時点まで繰り返され、30秒が経過した後に、噴射ノズル149は中央位置CPで停止される。
60秒洗浄シーケンスにおいて、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射が開始されてから10秒が経過する時点までの間で、噴射ノズル149からインク貯留部26に噴射された洗浄水は、連結口弁142、144の開放により、連結口60、62および補助排水管134、136を介して洗浄水パン36に流出する。また、洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、洗浄水供給電磁弁138、140を介して供給される洗浄水も、補助排水管134、136を介して洗浄水パン36に流出する。洗浄水パン36に溜まった洗浄水は主排水管132および開口部ノズル137を介して、排水溝40に排水される。噴射ノズル電磁弁152が開放されている期間において、連結口弁124〜130は閉鎖状態にあり、連結口48〜54は閉鎖されていることから、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助排水管134、136のみから流出し、補助インク回収管90〜96からは流出しない。
10秒が経過する時点で、インク回収ポンプ44が停止状態から逆転されるように、印刷制御装置200は、逆転指令をモータ駆動回路210に送り、インク回収ポンプ44を逆転させる。インク回収ポンプ44の逆転により、インクパン34に残留するインクが、連結回収管106を介して吸い込まれ、主インク回収管104に向かって押し出される。インク回収ポンプ44の逆転状態は、60秒洗浄シーケンスの終了時点(60秒)まで継続される。
10秒が経過する時点で、バイパス電磁弁80が開放されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。バイパス電磁弁80の開放状態は、30秒が経過する時点まで継続される。バイパス電磁弁80の開放状態により、バイパス管76は、インク供給ポンプ42を迂回し、インク供給管72の残留インクまたはインク滴をインク供給管70に流すことができる。
10秒が経過した直後の時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、20秒が経過する直前までの所定時間だけ開放状態に保持されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、高圧エア供給電磁弁84および切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に供給され、高圧エア供給電磁弁110を介して主インク回収管104に供給される。60秒洗浄シーケンスにおける1回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内面に依然として残留するインクまたはインク滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に向かって押し出され、インク供給管70および開口部ノズル74を介してインク缶38に回収される。また、60秒洗浄シーケンスにおける1回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内面に依然として残留するインクまたはインク滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介してインク缶38に回収される。
高圧エア供給電磁弁84、110は、20秒が経過する直前の時点で一時的に閉鎖状態に切り換えられるが、20秒が経過した直後の時点で、再度、閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、30秒が経過する直前までの所定時間だけ開放状態に保持される。20秒から30秒までの間で、高圧エア供給電磁弁84、110が開放されることにより、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。60秒洗浄シーケンスにおける2回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内面に僅かに残留するインクまたはインク滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に向かって押し出され、インク供給管70および開口部ノズル74を介してインク缶38に確実に回収される。また、60秒洗浄シーケンスにおける2回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内面に僅かに残留するインクまたはインク滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介してインク缶38に確実に回収される。
30秒が経過する時点で、インク供給ポンプ42が停止状態から逆転され、開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータが開口部ノズル74、102、108を後方位置から排水溝40に臨む前方位置に移動させるように、印刷制御装置200は、モータ駆動回路210に制御指令を送り、インク供給ポンプ42を逆転させ、前後移動モータを駆動させる。インク供給ポンプ42の逆転状態は、40秒が経過する時点まで継続される。開口部ノズル74、102、108は、60秒洗浄シーケンスの終了時点(60秒)まで前方位置に保持される。
30秒が経過する時点で、バイパス電磁弁80および噴射ノズル電磁弁152が閉鎖されるように、印刷制御装置200は、閉鎖指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80および噴射ノズル電磁弁152を閉鎖させる。バイパス電磁弁80の閉鎖状態は、40秒が経過する時点まで継続される。噴射ノズル電磁弁152の閉鎖状態は、60秒洗浄シーケンスの終了時点(60秒)まで継続される。
30秒が経過する時点で、切換電磁三方弁82が、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)から、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)に切り換えられるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。切換電磁三方弁82が「流1」の状態に切り換えられることにより、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、連結口46を介してインク供給管72に流れることができる。インク供給ポンプ42は30秒が経過する時点から逆転していることから、インク供給管72からの洗浄水は、インク供給ポンプ42により、吸い込まれてインク供給管70に向かって押し出される。インク供給管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。
30秒から40秒までの間では、インク貯留部26に付着していたインクが混在する洗浄水が、インク供給管72、70の内部に充填される状態であり、インク供給ポンプ42は、大きな負荷なく洗浄水をインク供給管72からインク供給管70に押し出すことができる。30秒から40秒までの間で、インク供給ポンプ42が洗浄水を吸い込んで押し出すことにより、インク供給ポンプ42の可撓性の管160の内部に残留するインクを洗い流すこともできる。
30秒が経過する時点で、連結口弁142、144が開放状態から閉鎖状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、閉鎖指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁142、144を開閉させるエアシリンダを作動させる。
30秒と40秒との間の特定の時点で、開口部ノズル移動モータ群の上下移動モータが開口部ノズル74、102、108を上昇位置から下降位置に移動させるように、印刷制御装置200は、下降指令をモータ駆動回路210に送り、上下移動モータを駆動させる。上下移動モータの駆動により、開口部ノズル74、102、108は、排水溝40に近い下降位置まで下降する。開口部ノズル74、102、108の下降位置への移動により、大量の洗浄水が開口部ノズル74、102、108から一度に排水される場合でも、確実に洗浄水を排水溝40に排水することができる。60秒洗浄シーケンスの終了時点(60秒)まで、開口部ノズル74、102、108は、下降位置に保持される。
30秒と40秒との間の特定の時点で、連結口弁124〜130、142、144が閉鎖状態から開放状態に一斉に切り換えられ、60秒洗浄シーケンスの終了時点まで、その開放状態が継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁124〜130、142、144を開閉させるエアシリンダを作動させる。連結口弁124〜130、142、144の開放状態により、連結口48〜54、60、62は一斉に開放される。連結口48、52の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助インク回収管90、94を介してインクパン32に流れ、インクパン32に溜まって洗浄水は、洗浄水の自重により、前方インク回収管86および開口部ノズル102を介して、排水溝40に排水される。連結口50、54の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助インク回収管92、96を介してインクパン34に流れ、インクパン34に溜まって洗浄水は、インク回収ポンプ44の逆転により、連結回収管106を介して吸い込まれ、主インク回収管104に向かって押し出される。主インク回収管104からの洗浄水は、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。連結口60、62の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助排水管134、136を介して洗浄水パン62に流れ、洗浄水パン36に溜まって洗浄水は、主排水管132および開口部ノズル137を介して排水溝40に排水される。
40秒が経過する時点で、インク供給ポンプ42が逆転状態から停止されるように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を停止させる。また、40秒が経過する時点で、バイパス電磁弁80が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が所定時間だけ継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。更に、40秒が経過する時点で、切換電磁三方弁82が、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)から、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)に切り換えられ、その切換状態が所定時間だけ継続されるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。
40秒が経過した直後の時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が所定時間だけ継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110が所定時間だけ開放されることにより、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。60秒洗浄シーケンスにおける3回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内部に存在する洗浄水は、バイパス管76を介してインク回収管70に押し出される。インク回収管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。60秒洗浄シーケンスにおける3回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内部に存在する洗浄水は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。3回目の高圧エアの供給が実行される時点では、インク回収ポンプ44は逆転されており、インク回収ポンプ44は、インクパン34に溜まった洗浄水を、連結回収管106を介して吸い込み、主インク回収管104に押し出す。
60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が開始される時点、すなわち、40秒が経過した後の時点で、インク供給管72および主インク回収管104の内部には、洗浄水と空気とが混在し始める状態になっている。このため、インク供給ポンプ42の逆転のみにより、インク供給管72の内部で空気と混在する洗浄水を吸い込み、排水溝40に向かって押し出すには、時間がかかるとともに、インク供給ポンプ42に大きな負荷が掛かる。本実施形態では、3回目の高圧エアの供給が実行されることにより、インク供給管72、70および主インク回収管104から、空気が混在する洗浄水を迅速に排出することができる。
60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が終了した時点で、切換電磁三方弁82が、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)から、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)に切り換えられるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。
60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が終了した後であって40秒経過後の特定の時点で、洗浄水供給電磁弁138、140が開放され、その開放状態が50秒経過後の特定の時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁138、140を開放させる。洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、図示しない洗浄水供給源から供給される洗浄水が洗浄水供給電磁弁138、140を介して補助排水管134、136にそれぞれ供給される。50秒経過後の特定の時点に達した後に、洗浄水供給電磁弁138、140は開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、その閉鎖状態を60秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続する。
60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が終了した後であって40秒経過後の特定の時点で、インク供給ポンプ42が停止状態から逆転されるように、印刷制御装置200は、逆転指令をモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を逆転させる。また、60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が終了した後であって40秒経過後の特定の時点で、バイパス電磁弁80が開放状態から閉鎖状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、閉鎖指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を閉鎖させる。
60秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が終了した後であって40秒経過後の特定の時点から、50秒が経過する時点までには、洗浄水と混在する空気の量が、インク供給管72、70および主インク回収管104の管内で急激に多くなる。50秒が経過した後には、残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴が、インク供給管72、70および主インク回収管104の内面に付着する状態になる。3回目の高圧エアの供給が終了した後の時点で、インク供給管72、70の管内に存在する洗浄水は、ほとんどインクを含まない清潔な洗浄水になっている。40秒経過後の特定の時点から逆転されるインク供給ポンプ42は、洗浄水を移送するのにほとんど効果を有しないが、インク供給ポンプ42が清潔な洗浄水を吸い込んで押し出すことにより、インク供給ポンプ42の可撓性の管160の管内を清潔に洗浄することができる。
50秒が経過した直後の時点で、バイパス電磁弁80が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が60秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。
50秒が経過した後の特定の時点で、インク供給ポンプ42が逆転状態から停止され、その停止状態が60秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を停止させる。また、50秒が経過した後の特定の時点で、切換電磁三方弁82が、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)から、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)に切り換えられ、その切換状態が60秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。
60秒洗浄シーケンスにおいて、切換電磁三方弁82が「流2」の状態に切り換えられる時点とほぼ同じ時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が60秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。60秒洗浄シーケンスにおける4回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、バイパス管76を介してインク供給 管70に押し出される。インク供給管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。60秒洗浄シーケンスにおける4回目の高圧エアの供給により、主インク供給管104の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。4回目の高圧エアの供給が実行される時点では、インク回収ポンプ44は逆転されており、インク回収ポンプ44は、連結回収管106の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴を吸い込み、主インク回収管104に押し出す。
50秒が経過した後の特定の時点で、噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータが、噴射ノズル149を上昇位置に移動させ、60秒洗浄シーケンスの終了時点まで上昇位置に保持するように、印刷制御装置200は、上昇指令をモータ駆動回路210に送り、上下移動モータを駆動させる。
60秒洗浄シーケンスの開始時点から60秒が経過すると、タイマ208が60秒経過を示す情報を印刷制御装置200に送り、印刷制御装置200は、タイマ208を初期状態に設定して計時動作を停止させる。また、印刷制御装置200は、図6に示す60秒洗浄シーケンスの実行を終了する。
(120秒洗浄シーケンスの動作)
次に、作業者が、設定操作部206を操作し、120秒洗浄シーケンスを選択して設定した場合における動作について、図7を参照して説明する。120秒洗浄シーケンスに関連する印刷シーケンスおよびインク回収シーケンスは、図6に示す印刷シーケンスおよびインク回収シーケンスと同じ動作であるので、両シーケンスの説明は省略される。
インク回収シーケンスの開始時点から60秒が経過すると、タイマ208が60秒経過を示す情報を印刷制御装置200に送り、印刷制御装置200は、タイマ208を0秒の初期状態に設定して計時動作を開始させる。また、印刷制御装置200は、図7に示す120秒洗浄シーケンスの実行を開始する。
120秒洗浄シーケンスにおいて、0秒から60秒までの前半の洗浄期間において、インク供給管70、72および主インク回収管104からの残留インクまたはインク滴の回収と、アニロックスロール24およびインク貯留部26の洗浄とが、主に実行される。60秒から120秒までの後半の洗浄期間において、インク供給管70、72および主インク回収管104などの配管の洗浄が主に実行される。
120秒洗浄シーケンスの開始時点(0秒)において、アニロックスロール駆動モータ222が停止状態から所定の高速度で回転され、インク供給ポンプ42が停止状態を継続し、インク回収ポンブ44が逆転状態から停止されるように、印刷制御装置200は、モータ駆動回路210に制御指令を送り、アニロックスロール駆動モータ222を駆動させるとともに、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の各駆動モータの駆動を制御する。アニロックスロール駆動モータ222は、120秒洗浄シーケンスの終了時点(120秒)まで、所定の高速度での回転が継続されるように、駆動される。インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の各駆動モータは、120秒洗浄シーケンスにおいて、60秒が経過した後の特定の時点まで、停止状態を継続する。
120秒洗浄シーケンスの開始時点で、印刷制御装置200は、噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータのための下降指令と、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータのための停止指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。下降指令により、上下移動モータは噴射ノズル149を下降位置に移動させ、停止指令により、前後移動モータは噴射ノズル149を中央位置CPに継続して停止させる。120秒洗浄シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータのための後方移動指令と、開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータのための上昇指令とを、モータ駆動回路210に送り、各移動モータを駆動させる。後方移動指令により、前後移動モータは、開口部ノズル74、102、108がインク缶38の上方開口に臨む位置に開口部ノズル74、102、108を継続して位置させ、上昇指令により、上下移動モータは、開口部ノズル74、102、108がインク缶38から上方に離れた上昇位置に開口部ノズル74、102、108を継続して位置させる。噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータは、80秒が経過した後の特定の時点まで、噴射ノズル149を下降位置に保持する。開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータは、60秒が経過する直前の特定の時点まで、インク缶38の上方開口に臨む後方位置に開口部ノズル74、102、108を継続して保持する。開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータは、60秒が経過した後の特定の時点まで、インク缶38から上方に離れた上昇位置に開口部ノズル74、102、108を継続して保持する。
120秒洗浄シーケンスの開始時点で、印刷制御装置200は、高圧エア供給電磁弁群240、バイパス電磁弁80、洗浄水供給電磁弁群242、および噴射ノズル電磁弁148の各電磁弁の閉鎖指令を、電磁弁駆動回路212に送り、各電磁弁を閉鎖させ、または、各電磁弁の閉鎖状態を継続させる。120秒洗浄シーケンスの開始時点では、印刷制御装置200は、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図7で「流2」と表記する状態)に切り換える指令を、電磁弁駆動回路212に送り、「流2」で表記される切換状態を切換電磁三方弁82に継続させる。120秒洗浄シーケンスの開始時点では、連結口弁142、144が開放され、連結口弁124〜130が閉鎖されるように、印刷制御装置200は、連結口弁142、144の開放指令、および連結口弁124〜130の閉鎖指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、各連結口弁を開閉させる連結口弁エアシリンダ群244の各エアシリンダの作動を制御する。切換電磁三方弁82は、60秒が経過する時点まで、「流2」で表記される切換状態を継続する。洗浄水供給電磁弁112〜122は、60秒が経過した後の特定の時点まで、閉鎖状態を継続する。連結口弁142、144は、60秒が経過する時点まで開放状態を継続する。連結口弁126、130は、60秒が経過した後の特定の時点まで閉鎖状態を継続し、連結口弁124、128は、100秒が経過する時点まで閉鎖状態を継続する。
0秒から10秒までの間の特定の時点で、噴射ノズル電磁弁152が開放され、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータが噴射ノズル149を前方機枠20に向かって前方に移動させるように、印刷制御装置200は、噴射ノズル電磁弁152の開放指令を電磁弁駆動回路212に送るとともに、前後移動モータのための前方移動指令をモータ駆動回路210に送り、噴射ノズル電磁弁152を開放させるとともに、噴射ノズル149を前方に移動させる。噴射ノズル電磁弁152の開放により、洗浄水が、前方に移動する噴射ノズル149からインク貯留部26に向かって噴射される。洗浄水の噴射開始により、アニロックスロール24とインク貯留部26との洗浄が開始される。噴射ノズル電磁弁152は、80秒が経過する時点まで、噴射のための所定時間の開放状態と、噴射停止のための所定時間の閉鎖状態とを多数回繰り返し、その後に、120秒洗浄シーケンスの終了時点(120秒)まで閉鎖状態を継続する。本実施形態では、噴射のための所定時間は、噴射停止のための所定時間よりも十分に長い時間に設定される。
0秒から10秒までの間であって、噴射ノズル電磁弁152が開放された後の時点で、洗浄水供給電磁弁138、140が開放され、その開放状態が10秒経過時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁138、140を開放させる。洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、図示しない洗浄水供給源から供給される洗浄水が、洗浄水供給電磁弁138、140を介して補助排水管134、136にそれぞれ供給される。本実施形態では、噴射ノズル電磁弁152が120秒洗浄シーケンスの開始後に最初に開放されたことにより噴射ノズル149からインク貯留部26に噴射された洗浄水は、洗浄水供給電磁弁138、140が開放される時点では、連結口60、62から補助排水管134、136には、まだ流入しない状態にある。60秒洗浄シーケンスと同様に、インク貯留部26に付着しているインクが混在する洗浄水が、連結口60、62から補助排水管134、136に流入する前に、清潔な洗浄水が、洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、補助排水管134、136にそれぞれ供給される。このため、補助排水管134、136の内面は、清潔な洗浄水によりコーティングされ、インクが混在する洗浄水が補助排水管134、136の内面に付着することを低減することができる。
10秒が経過する時点で、噴射ノズル移動モータ群224の前後移動モータが噴射ノズル149の移動を前方移動から後方機枠22に向う後方移動に切り換えるように、印刷制御装置200は、前後移動モータのための後方移動指令をモータ駆動回路210に送り、噴射ノズル149を後方に移動させる。噴射ノズル149の前後の往復移動は、80秒が経過した後の特定の時点まで繰り返され、80秒が経過した後に、噴射ノズル149は中央位置CPで停止される。
120秒洗浄シーケンスにおいて、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射開始時点から、10秒が経過する時点までの間で、噴射ノズル149からインク貯留部26に噴射された洗浄水は、連結口弁142、144の開放により、連結口60、62および補助排水管134、136を介して洗浄水パン36に流出する。また、洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、洗浄水供給電磁弁138、140を介して供給される洗浄水も、補助排水管134、136を介して洗浄水パン36に流出する。洗浄水パン36に溜まった洗浄水は主排水管132および開口部ノズル137を介して排水溝40に排水される。噴射ノズル電磁弁152が開放されている期間において、連結口弁124〜130は閉鎖状態にあり、連結口48〜54は閉鎖されていることから、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助排水管134、136のみから流出し、補助インク回収管90〜96からは流出しない。
30秒が経過した後の特定の時点で、バイパス電磁弁80が開放されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。バイパス電磁弁80の開放状態は、40秒が経過する時点まで継続される。バイパス電磁弁80の開放状態により、バイパス管76は、インク供給ポンプ42を迂回し、インク供給管72の残留インクまたはインク滴をインク供給管70に流すことができる。
120秒洗浄シーケンスにおいて、バイパス電磁弁80が開放された後であって、30秒から40秒までの間の所定時間だけ、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、高圧エア供給電磁弁84および切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に供給され、高圧エア供給電磁弁110を介して主インク回収管104に供給される。120秒洗浄シーケンスにおける1回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内面に依然として残留するインクまたはインク滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に向かって押し出され、インク供給管70および開口部ノズル74を介してインク缶38に回収される。また、120秒洗浄シーケンスにおける1回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内面に依然として残留するインクまたはインク滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介してインク缶38に回収される。
50秒が経過した後の特定の時点で、バイパス電磁弁80が開放されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。バイパス電磁弁80の開放状態は、60秒が経過する時点まで継続される。
120秒洗浄シーケンスにおいて、バイパス電磁弁80が開放された後であって、50秒から60秒までの間の所定時間だけ、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、高圧エア供給電磁弁84および切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に供給され、高圧エア供給電磁弁110を介して主インク回収管104に供給される。120秒洗浄シーケンスにおける2回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内面に僅かに残留するインクまたはインク滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に向かって押し出され、インク供給管70および開口部ノズル74を介してインク缶38に回収される。また、120秒洗浄シーケンスにおける2回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内面に僅かに残留するインクまたはインク滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介してインク缶38に回収される。
60秒が経過する直前の特定の時点で、開口部ノズル移動モータ群226の前後移動モータが開口部ノズル74、102、108を後方位置から排水溝40に臨む前方位置に移動させるように、印刷制御装置200は、モータ駆動回路210に制御指令を送り、前後移動モータを駆動させる。開口部ノズル74、102、108は、120秒洗浄シーケンスの終了時点(120秒)まで、前方位置に保持される。
60秒が経過する時点で、切換電磁三方弁82が、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)から、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)に切り換えられるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。切換電磁三方弁82が「流1」の状態に切り換えられることにより、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、連結口46を介してインク供給管72に流れることができる。
60秒が経過する時点で、連結口弁142、144が開放状態から閉鎖状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、連結口弁142、144の閉鎖指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、各連結口弁を開閉させる連結口弁エアシリンダ群244の各エアシリンダの作動を制御する。連結口弁142、144の閉鎖状態により、インク貯留部26に溜まった洗浄水が連結口弁142、144から流出することが、停止される。
60秒が経過した後の特定の時点で、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44が停止状態から逆転され、開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータが開口部ノズル74、102、108を下降位置に移動させるように、印刷制御装置200は、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の逆転指令と上下移動モータのための下降指令とを、モータ駆動回路210に送り、各ポンプの駆動モータおよび上下移動モータを駆動させる。下降指令により、上下移動モータは、排水溝40に近い下降位置まで開口部ノズル74、102、108を移動させる。開口部ノズル74、102、108の下降位置への移動により、大量の洗浄水が開口部ノズル74、102、108から一度に排水される場合でも、洗浄水を排水溝40に確実に排水することができる。開口部ノズル移動モータ群226の上下移動モータは、120秒洗浄シーケンスの終了時点まで、開口部ノズル74、102、108を下降位置に保持する。
切換電磁三方弁82が「流1」の状態に切り換えられた後に、60秒が経過した後の特定の時点で、インク供給ポンプ42が逆転されることにより、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、連結口46および切換電磁三方弁82を介してインク供給管72に流出し、インク供給管72からの洗浄水は、インク供給ポンプ42により、吸い込まれてインク供給管70に向かって押し出される。インク供給管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。
60秒が経過する時点から、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射が終了する80秒経過時点までの間では、インク貯留部26に付着していたインクが混在する洗浄水が、インク供給管72、70の内部に充填される状態であり、インク供給ポンプ42は、大きな負荷なく洗浄水をインク供給管72からインク供給管70に押し出すことができる。60秒から80秒までの間で、インク供給ポンプ42が洗浄水を吸い込んで押し出すことにより、インク供給ポンプ42の可撓性の管160の内部に残留するインクを洗い流すこともできる。
60秒が経過した後の特定の時点で、連結口弁126、130が閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、連結口弁126、130を開閉させるエアシリンダを作動させる。連結口弁126、130は、70秒が経過する時点まで開放状態を継続する。連結口弁126、130の開放状態により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、短い補助インク回収管94、96を介してインクパン32、34に流れる。インクパン32に溜まった洗浄水は、前方インク回収管86および開口部ノズル102を介して排水溝40に排水される。インクパン34に溜まった洗浄水は、インク回収ポンプ44の逆転により、連結回収管106を介してインク回収ポンプ44に吸い込まれ、主インク回収管104に向かってインク回収ポンプ44から押し出される。インク回収管104からの洗浄水は、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。60秒が経過する時点から、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射が終了する時点である80秒が経過する時点までの間では、インク供給管72、70と同様に、インク貯留部26に付着していたインクが混在する洗浄水が、連結回収管106および主インク回収管104の内部に充填される状態にある。
60秒が経過した後の特定の時点で、洗浄水供給電磁弁112〜122、138、140が閉鎖状態から開放状態に一斉に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、各洗浄水供給電磁弁を開放させる。洗浄水供給電磁弁138、140は、70秒が経過する時点まで開放状態を継続する。洗浄水供給電磁弁112、118は、70秒が経過した後の特定の時点まで開放状態を継続する。洗浄水供給電磁弁114、116、120、122は、70秒が経過した後の特定の時点まで開放状態を継続する。洗浄水供給電磁弁112、114、116の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、補助インク回収管90、94および余剰インク回収管98を介してインクパン32に流れる。洗浄水供給電磁弁118、120、122の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、補助インク回収管92、96および余剰インク回収管100を介してインクパン34に流れる。洗浄水供給電磁弁138、140の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、補助排水管134、136を介して洗浄水パン36に流れる。図示しない洗浄水供給源からの清潔な洗浄水の供給により、補助インク回収管90〜96、余剰インク回収管98、100、および補助排水管134、136が、それぞれ洗浄される。
80秒が経過する時点で、洗浄水供給電磁弁114、116、120、122が閉鎖状態から開放状態に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁114、116、120、122を開放させる。洗浄水供給電磁弁114、116、120、122は、90秒が経過する時点まで開放状態を継続する。洗浄水供給電磁弁114、116、120、122は、90秒が経過する時点で開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、120秒洗浄シーケンスの終了時点まで閉鎖状態を継続する。洗浄水供給電磁弁114、116の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、短い補助インク回収管94および余剰インク回収管98を介してインクパン32に流れる。洗浄水供給電磁弁120、122の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、短い補助インク回収管96および余剰インク回収管100を介してインクパン32に流れる。図示しない洗浄水供給源からの清潔な洗浄水の供給により、短い補助インク回収管94、96、インクパン32、34、前方インク回収管86、連結回収管106、インク回収ポンプ44、主インク回収管104、および開口部ノズル102、108が、それぞれ洗浄される。
80秒が経過した後の特定の時点で、印刷制御装置200は、噴射ノズル移動モータ群224の上下移動モータのための上昇指令をモータ駆動回路210に送り、上下移動モータを駆動させる。上昇指令により、上下移動モータは噴射ノズル149を上昇位置に移動させて待機させる。噴射ノズル149は、120洗浄シーケンスの終了時点まで上昇位置に保持される。
80秒が経過した後の特定の時点で、インク回収ポンプ44が逆転状態から停止されるように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、インク回収ポンプ44の駆動モータを停止させる。インク回収ポンプ44は、90秒が経過した後の特定の時点まで停止状態を継続する。インク回収ポンプ44は、90秒が経過した後の特定の時点で、停止状態から逆転状態に切り換えられ、120秒洗浄シーケンスの終了時点まで逆転状態を継続する。
120秒洗浄シーケンスにおいて、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射が停止される時点、すなわち80秒が経過する時点から、インク供給管72、70および主インク回収管104は、洗浄水のみで充填されている状態から、洗浄水に空気が混入し始める状態に変化する。洗浄水に混入する空気の量は徐々に増加し、100秒が経過する時点では、インク供給管72、70および主インク回収管104の管内には、大量の空気が存在し、僅かな洗浄水、または、洗浄水の水滴が、管の内面に付着して残留する状態になる。80秒が経過した後でも、インク供給ポンプ42は、100秒が経過した後の特定の時点まで、逆転状態を継続する。逆転されるインク供給ポンプ42は、洗浄水を移送するのにほとんど効果を有しないが、インク供給ポンプ42が、インクが混入しない清潔な洗浄水を吸い込んで押し出すことにより、インク供給ポンプ42の可撓性の管160の管内を清潔に洗浄することができる。
100秒が経過する時点で、切換電磁三方弁82が、連結口46とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流1」と表記する状態)から、高圧エア供給電磁弁84とインク供給管72との間を連通させる流路(図6で「流2」と表記する状態)に切り換えられ、その切換状態が120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、切換指令を電磁弁駆動回路212に送り、切換電磁三方弁82を切り換えさせる。
100秒が経過する時点で、連結口弁124〜130、142、144が閉鎖状態から開放状態に一斉に切り換えられるように、印刷制御装置200は、開放指令をエアシリンダ駆動回路214に送り、各連結口弁を開閉するエアシリンダを作動させる。連結口弁124〜130、142、144の開放状態により、連結口48〜54、60、62は一斉に開放される。連結口48、52の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助インク回収管90、94を介してインクパン32に流れ、インクパン32に溜まった洗浄水は、洗浄水の自重により、前方インク回収管86および開口部ノズル102を介して排水溝40に排水される。連結口50、54の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助インク回収管92、96を介してインクパン34に流れ、インクパン34に溜まった洗浄水は、インク回収ポンプ44の逆転により、連結回収管106を介して吸い込まれ、主インク回収管104に向かって押し出される。主インク回収管104からの洗浄水は、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。連結口60、62の開放により、インク貯留部26に溜まった洗浄水は、補助排水管134、136を介して洗浄水パン62に流れ、洗浄水パン36に溜まった洗浄水は、主排水管132および開口部ノズル137を介して排水溝40に排水される。連結口弁126、130は、110秒が経過する時点まで開放状態を継続し、110秒が経過する時点で開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、その閉鎖状態を120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続する。連結口弁124、128は、110秒が経過した後の特定の時点まで開放状態を継続し、その特定の時点で開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、その閉鎖状態を120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続する。連結口弁142、144は、120秒洗浄シーケンスの終了時点まで開放状態を継続する。
100秒が経過した後の特定の時点で、洗浄水供給電磁弁112、118が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が所定時間だけ継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁112、118を開放させる。洗浄水供給電磁弁112の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、長い補助インク回収管90を介してインクパン32に流れる。洗浄水供給電磁弁118の開放状態により、図示しない洗浄水供給源からの洗浄水は、長い補助インク回収管92を介してインクパン34に流れる。図示しない洗浄水供給源からの清潔な洗浄水の供給により、長い補助インク回収管90、92、インクパン32、34、前方インク回収管86、連結回収管106、インク回収ポンプ44、主インク回収管104、および開口部ノズル102、108が、それぞれ洗浄される。洗浄水供給電磁弁112、118は、所定時間が経過する時点で開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、その閉鎖状態を120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続する。
100秒が経過した後の特定の時点で、インク供給ポンプ42が逆転状態から停止され、その停止状態が120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、停止指令をモータ駆動回路210に送り、インク供給ポンプ42を停止させる。また、100秒が経過した後の特定の時点で、バイパス電磁弁80が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、バイパス電磁弁80を開放させる。
100秒が経過した後の特定の時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が110秒経過時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放状態により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。120秒洗浄シーケンスにおける3回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に押し出される。インク供給管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。120秒洗浄シーケンスにおける3回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。3回目の高圧エアの供給が実行される時点では、インク回収ポンプ44は逆転されており、インク回収ポンプ44は、インクパン34に僅かに残った洗浄水を、連結回収管106を介して吸い込み、主インク回収管104に押し出す。
120秒洗浄シーケンスにおいて、3回目の高圧エアの供給が開始される時点、すなわち、100秒が経過した後の時点で、インク供給管72および主インク回収管104の内部には、大量の空気と僅かな残留洗浄水とが混在する状態になっている。このため、インク供給ポンプ42の逆転のみにより、インク供給管72の内部で大量の空気と混在する洗浄水を吸い込み、排水溝40に向かって押し出すことは、インク供給ポンプ42に大きな負荷が掛かることから、困難である。本実施形態では、3回目の高圧エアの供給が実行されることにより、インク供給管72、70および主インク回収管104から、大量の空気が混在する洗浄水を迅速に排出することができる。
110秒が経過する時点で、洗浄水供給電磁弁138、140が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が所定時間だけ継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、洗浄水供給電磁弁138、140を開放させる。洗浄水供給電磁弁138、140の開放により、図示しない洗浄水供給源から供給される清潔な洗浄水が、洗浄水供給電磁弁138、140を介して補助排水管134、136にそれぞれ供給され、補助排水管134、136、洗浄水パン36、主排水管132、および開口部ノズル137が、それぞれ洗浄される。所定時間の経過後に、洗浄水供給電磁弁138、140は開放状態から閉鎖状態に切り換えられ、その閉鎖状態を120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続する。
110秒が経過した後の特定の時点で、高圧エア供給電磁弁84、110が閉鎖状態から開放状態に切り換えられ、その開放状態が120秒洗浄シーケンスの終了時点まで継続されるように、印刷制御装置200は、開放指令を電磁弁駆動回路212に送り、高圧エア供給電磁弁84、110を開放させる。高圧エア供給電磁弁84、110の開放により、高圧エアコンプレッサ220からの高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ供給される。120秒洗浄シーケンスにおける4回目の高圧エアの供給により、インク供給管72の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、バイパス管76を介してインク供給管70に押し出される。インク供給管70からの洗浄水は、開口部ノズル74を介して排水溝40に排水される。120秒洗浄シーケンスにおける4回目の高圧エアの供給により、主インク回収管104の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴は、開口部ノズル108に向かって押し出され、開口部ノズル108を介して排水溝40に排水される。4回目の高圧エアの供給が実行される時点では、インク回収ポンプ44は逆転されており、インク回収ポンプ44は、連結回収管106の内部に残留する洗浄水、または、洗浄水の水滴を吸い込み、主インク回収管104に押し出す。
120秒洗浄シーケンスの開始時点から120秒が経過すると、タイマ208が120秒経過を示す情報を印刷制御装置200に送り、印刷制御装置200は、タイマ208を初期状態に設定して計時動作を停止させる。また、印刷制御装置200は、図7に示す120秒洗浄シーケンスの実行を終了する。
[実施形態の効果]
本実施形態では、主インク回収管104は後方機枠22から前方機枠20まで前後方向に長く延び、また、インク供給管72も中央位置CPから前方機枠20まで前後方向に長く延びる。インク貯留部26、およびインクパン34からインク缶38に向けてインクを回収するインク回収方向において、高圧エアが、インク回収ポンプ44に連結される主インク回収管104の最も上流側の管部分から下流側のインク缶38に向けて、高圧エア供給電磁弁110を介して供給されるとともに、連結口46の近くに配置される切換電磁三方弁82に連結されるインク供給管72の上流側の管部分から下流側のバイパス管76に向けて、高圧エア供給電磁弁84を介して供給される。この結果、高圧エアは、主インク回収管104およびインク供給管72の内面に残留するインクまたはインク滴を、各管の全長にわたってインク缶38まで押し出して迅速に回収することができる。
一般的に、インク供給ポンプによりインク缶からインクを吸い上げてインクを供給するときに、インク供給ポンプに大きな負荷をかけないために、インク供給ポンプはインク缶の近くに配置される場合が多い。本実施形態でも、インク供給ポンプ42は、図2に示すようにインク缶38の近くに配置される。インク供給ポンプ42は、逆転されることにより、インク貯留部26からインク缶38に向かってインクを回収するためにも使用される。インク貯留部26、およびインクパン34からインク缶38に向けてインクを回収するインク回収方向において、インク供給ポンプ42は、高圧エア供給電磁弁84よりも下流側の位置でインク供給管72に連結される。空気が混在する残留インクまたはインク滴を回収するときにインク供給ポンプ42を逆転させても、インク供給ポンプ42の吸引力は小さく、インク供給ポンプ42よりも上流側に連結される長いインク供給管72の内面に残留するインクまたはインク滴を十分に吸い込むことはできない。このため、本実施形態では、インク供給管72の残留インクまたはインク滴を回収するときには、インク供給ポンプ42は、図6に示すインク回収シーケンスにおける50秒の経過直前から60秒洗浄シーケンスにおける30秒まで、停止される。インク供給ポンプ42が停止される間、インク供給管72の残留インクまたはインク滴は、バイパス管76を介して回収される。この結果、インク供給ポンプ42は、インク貯留部26へのインク供給と、インク貯留部26からのインク回収とに兼用することができるとともに、残留インクまたはインク滴をインク供給管72から回収するときには、インク供給ポンプ42に大きな負荷をかけることを防止し、バイパス管76を介して高圧エアにより残留インクまたはインク滴を迅速に回収することができる。
本実施形態では、インク貯留部26からインクパン34を介してインク缶38に向けてインクを回収するインク回収方向において、インク回収ポンプ44は、高圧エア供給電磁弁110よりも上流側の位置で主インク回収管104に連結される。空気が混在する残留インクまたはインク滴を回収するために、図6に示すインク回収シーケンスにおける50秒経過後から60秒経過直前までの間に、高圧エアが主インク回収管104に供給されるときに、インク回収ポンプ44は、空気が混在しないインクをインク貯留部26から回収するときと同様に、逆転状態を継続させている。インク回収ポンプ44は、インクパン34に近い位置に配置され、比較的短い連結回収管106によりインクパン34に連結される。この結果、インク回収ポンプ44は、近い位置に配置されるインクパン34に残留するインクを、大きな負荷なく吸い込むことができ、この吸い込んだインクを主インク回収管104に流すことができる。
本実施形態では、図6に示す60秒洗浄シーケンス、または図7に示す120秒シーケンスにおいて、噴射ノズル149からインク貯留部26に洗浄水が噴射される。インク貯留部26に噴射された洗浄水は、補助排水管134、136、洗浄水パン36、および主排水管132を介して排水溝40に排水される。噴射ノズル149からインク貯留部26に洗浄水が噴射される間に、高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104に供給される。この結果、噴射ノズル149からの洗浄水の噴射により、アニロックスロール24およびインク貯留部26が洗浄される洗浄動作と並行して、噴射ノズル149からインク貯留部26に洗浄水が噴射される比較的長い時間をかけて、高圧エアにより、インク供給管72および主インク回収管104に残留するインクまたはインク滴を確実に回収することができる。
本実施形態では、図6および図7に示すインク回収シーケンスにおいて、50秒経過後から60秒経過直前までの短い所定時間だけ、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に1回供給され、インク供給管72および主インク回収管104の内面に残留するインクまたはインク滴が回収される。インク回収シーケンスの終了後に、図6に示す60秒洗浄シーケンスにおける0秒から30秒までの間において、または、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおける0秒から60秒までの間において、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に断続的に2回供給され、インク供給管72および主インク回収管104の内面に残留するインクまたはインク滴が回収される。この結果、高圧エアの供給がインク回収シーケンスと洗浄シーケンスとに分けて実行されることにより、インク回収シーケンスにおいて集中して実行される構成に比べて、洗浄シーケンスを早期に開始させることができ、延いては、オーダチェンジのための時間を短くすることができる。
本実施形態では、図6に示す60秒洗浄シーケンス、または図7に示す120秒シーケンスにおいて、噴射ノズル149からインク貯留部26に洗浄水が噴射される。噴射ノズル149からの洗浄水の噴射が終了した後であって、60秒洗浄シーケンスにおける40秒経過後に、または、120秒シーケンスにおける100秒経過後に、高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104に供給される。この結果、高圧エアにより、インク供給管72および主インク回収管104に残留する洗浄水を迅速に排水することができる。
本実施形態では、インク貯留部26からインクパン34を介してインク缶38に向けてインクを回収するインク回収方向において、チュービングポンプから構成されるインク回収ポンプ44が、高圧エア供給電磁弁110よりも上流側に配置される。この結果、高圧エアが高圧エア供給電磁弁110を介して主インク回収管104に供給されるときに、インク回収ポンプ44は、可撓性の管を圧縮することにより、高圧エアが連結回収管106に向かって流出することを規制することができ、高圧エアを主インク回収管104に確実に供給することができる。
本実施形態では、高圧エア供給電磁弁84を介して高圧エアをインク供給管72に供給するときに、切換電磁三方弁82は、インク供給管72と連結口46との間の連通を完全に遮断する。この結果、高圧エアが高圧エア供給電磁弁84を介してインク供給管72に供給されるときに、高圧エアが連結口46に向かって流出することを完全に規制することができ、高圧エアをインク供給管72に確実に供給することができる。
本実施形態では、前方インク回収管86は、前方機枠20に固定されるインクパン32と、前方機枠20の近い位置に配置されるインク缶38との間を連結し、比較的短い管である。前方インク回収管86の内面に残留するインクまたはインク滴の総量は、前方インク回収管86が比較的短いことから、比較的少ない量である。このため、前方インク回収管86は、高圧エアにより残留インクまたはインク滴を回収する手段を備えない構成を有し、段ボールシート印刷機1の構成を簡易化することに寄与することができる。
本実施形態では、作業者は、設定操作部206の操作により、図6に示す60秒洗浄シーケンスと、図7に示す120秒洗浄シーケンスとのいずれかの洗浄シーケンスを、選択する。この結果、アニロックスロール24のインク付着状況、および、使用するインクの種類などの状況に応じて、洗浄時間が異なる洗浄シーケンスを実行することができる。
本実施形態では、インク供給ポンプ42の逆転により、インク貯留部26から連結口46を介してインクが回収される。連結口46を介してインクを回収するインク回収方向において、インク供給管72の上り勾配管部分78は連結口46の直ぐ下流側の位置に配置される。切換電磁三方弁82は、上り勾配管部分78の頂点の下流側の位置であって、頂点に近い位置に配置される。インク供給ポンプ42は、図6に示すインク回収シーケンスにおいて50秒経過直前の時点で、停止される。この結果、インク供給ポンプ42が停止される時点で、連結口46と上り勾配管部分78との間に存在するインクは、上り勾配管部分78の頂点まで上がることができず、特別な開閉手段を備えなくても、インクがインク供給管72に新たに流入することを防止することができる。また、上り勾配管部分78が設けられる代わりに、連結口46を開閉する開閉手段が設けられる構成では、切換電磁三方弁82が「流2」と表記される状態に切り換えられるときに、その切換電磁三方弁82の切換と同時に、連結口46を開閉する開閉手段が閉鎖される構成が考えられるが、この構成では、連結口46と切換電磁三方弁82との間で、インクが溜まることが問題となる。このため、本実施形態では、上り勾配管部分78が設けられることにより、切換電磁三方弁82が「流2」と表記される状態に切り換えられるときに、連結口46と切換電磁三方弁82との間で、インクが溜まることを防止することができる。
本実施形態では、開口部ノズル移動モータ群226のうちで、開口部ノズル74、102、108を上下動させる上下移動モータは、図6に示すインク回収シーケンスにおいて、50秒が経過する前の時点から、60秒洗浄シーケンスにおいて、40秒が経過する前の時点まで、または、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおいて、70秒が経過する前の時点まで、開口部ノズル74、102、108が上昇位置に位置するように、駆動される。この結果、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に供給されるときに、開口部ノズル74、102、108の先端部がインク缶38のインク液面よりも上方に位置していることから、インク供給管72および主インク回収管104から開口部ノズル74、108を介して流出する高圧エアが、インク缶38の内部のインクを飛散させることを抑えることができる。
<構成の対応関係>
段ボールシート印刷機1、印版14、およびアニロックスロール24は、本発明の印刷機、印版、およびインク転移ロールの一例である。前方機枠20、および後方機枠22は、本発明の一対の機枠の一例である。図2における前後方向が、本発明のインク転移ロールの回転軸線方向の一例である。インク貯留部26、およびインク缶38は、本発明のインク貯留部、およびインク容器の一例である。インク供給管70、72は、本発明のインク供給管の一例である。インクパン34は、本発明のインク溜め部の一例である。主インク回収管104は、本発明のインク回収管の一例である。インク貯留部26からインクパン34を介してインク缶38に向かってインクを回収する方向は、本発明のインク回収方向の一例である。チュービングポンプから構成されるインク回収ポンプ44は、本発明の第1規制手段の一例であり、第1チュービングポンプの一例である。高圧エアコンプレッサ220は、本発明の高圧エア発生部の一例である。高圧エア供給電磁弁110は、本発明の第1連結部の一例であり、本発明の開閉手段の一例である。高圧エア供給電磁弁110の開閉を制御する印刷制御装置200、および電磁弁駆動回路212は、本発明の第1高圧エア制御手段の一例であり、本発明の開閉制御部の一例である。中央位置CPが、本発明のロール中央位置の一例である。主インク回収管104がインク回収ポンプ44に連結される管部分が、本発明のインク回収管の流入口の一例であり、主インク回収管104が開口部ノズル108に連結される管部分が、本発明のインク回収管の流出口の一例である。可撓性の管160は、本発明の可撓性のチューブの一例であり、ロータ162、および押圧コロ164A、164Bは、本発明の回転体の一例である。切換電磁三方弁82は、本発明の第2規制手段の一例であり、本発明の経路切換手段の一例である。高圧エア供給電磁弁84は、本発明の第2連結部の一例である。高圧エア供給電磁弁84と切換電磁三方弁82との開閉を制御する印刷制御装置200、および電磁弁駆動回路212は、本発明の第2高圧エア制御手段の一例であり、本発明の切換制御部の一例である。連結口46に連結されるインク供給管72の管部分は、本発明のインク供給管の供給口の一例である。チュービングポンプから構成されるインク供給ポンプ42は、第2チュービングポンプの一例である。バイパス管76は、本発明の迂回経路の一例である。バイパス電磁弁80は、本発明の迂回開閉手段の一例である。噴射ユニット148は、本発明の洗浄水供給部の一例である。主排水管132、および補助排水管134、136は、本発明の排出管の一例である。図6に示す印刷シーケンス、およびインク回収シーケンスは、本発明の印刷工程、およびインク回収工程の一例である。図6に示す60秒洗浄シーケンス、および図7に示す120秒洗浄シーケンスが、本発明の洗浄工程の一例である。図6に示す60秒洗浄シーケンスにおける0秒から30秒までの洗浄動作、および、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおける0秒から60秒までの洗浄動作は、本発明の第1洗浄工程の一例である。図6に示す60秒洗浄シーケンスにおける30秒から60秒までの洗浄動作、および、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおける60秒から120秒までの洗浄動作は、本発明の第2洗浄工程の一例である。
<変形例>
本発明は、本実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
(1)本実施形態では、インク貯留部26からインクパン34を介してインク缶38に向けてインクを回収するインク回収方向において、チュービングポンプから構成されるインク回収ポンプ44が、高圧エア供給電磁弁110よりも上流側に配置されるが、この配置構成に限定されない。たとえば、切換電磁三方弁82と同様な切換電磁三方弁が、インク回収方向においてインク回収ポンプ44よりも上流側の位置で、連結回収管106に連結され、高圧エア供給電磁弁110が、高圧エア供給電磁弁84と同様に、切換電磁三方弁に連結され、インク回収ポンプ44を迂回するバイパス管と、バイパス管を開閉するバイパス電磁弁とが設けられる構成であってもよい。
(2)本実施形態では、図6および図7に示すインク回収シーケンスにおいて、50秒経過後から60秒経過直前までの短い所定時間だけ、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に1回供給され、インク供給管72および主インク回収管104の内面に残留するインクまたはインク滴が回収される。インク回収シーケンスの終了後に、図6に示す60秒洗浄シーケンスにおける0秒から30秒までの間において、または、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおける0秒から60秒までの間において、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に断続的に2回供給され、インク供給管72および主インク回収管104の内面に残留するインクまたはインク滴が回収される。高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に供給される供給タイミング、1回の供給時間、および、供給回数は、特に限定されない。インク回収シーケンスが開始された後のタイミングであれば、インク供給管および主インク回収管の各管内のインク残留状況に応じて、高圧エアの供給タイミングを決定することができる。高圧エアの供給タイミングがインク回収シーケンスに集中して決定されてもよいし、洗浄シーケンスに集中して決定されてもよい。
(3)本実施形態では、図6に示すインク回収シーケンスにおいて、50秒が経過する時点では、インク供給管72および主インク回収管104の管内に残留するインクが空気よりも少なくなっており、50秒が経過した後に、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に最初に供給される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、図6に示すインク回収シーケンスにおいて、30秒から50秒までの間の特定の時点で、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に最初に供給される構成であってもよい。インク回収シーケンスにおいて、30秒が経過する時点から、インクと空気とがインク供給管72および主インク回収管104の管内に混在し始める状態になり、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44が、空気と混在するインクを十分に移送することができなくなる。このため、変形例では、インクと空気とが管内に混在し始める状態になった後に、高圧エアの供給と、インク供給ポンプ42およびインク回収ポンプ44の逆転とにより、空気と混在するインクの回収が実行される。
(4)本実施形態では、インク回収シーケンスおよび洗浄シーケンスにおいて、高圧エアが、インク供給管72および主インク回収管104の両者にそれぞれ供給される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、高圧エアが、段ボールシート印刷機1において最も長い主インク回収管104だけに供給される構成であってもよい。この変形例では、インク供給管72に高圧エアを供給するための開閉手段および配管などの部材を省くことにより、段ボールシート印刷機1の構成を簡易化することができる。反対に、本実施形態では、前方インク回収管86の内面に残留するインクまたはインク滴は、インクの自重により、インク缶38に回収される構成であるが、インク回収を徹底するために、前方インク回収管86の残留インクまたはインク滴も、高圧エアにより回収される構成であってもよい。
(5)本実施形態では、図2に示すように、インク回収ポンプ44が後方機枠22よりも後方側の位置に配置され、インク缶38が前方機枠20よりも前方側の位置に配置され、主インク回収管104が後方機枠22の後方側から前方機枠20の前方側まで長く延びる構成であるが、この構成に限定されない。段ボールシート印刷機1において、洗浄水パン36よりも下方に存在する下方空間に余裕があれば、インク回収ポンプ44およびインク缶38の少なくとも一方が下方空間に配置されるように配置構成が変更されてもよい。この変形例では、主インク回収管104の流入口および流出口は、前方機枠20と後方機枠22との間の領域内に配置される構成であってもよい。
(6)本実施形態では、1つの高圧エアコンプレッサ220が、高圧エア供給電磁弁84および高圧エア供給電磁弁110を介して、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ連結される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、2つの高圧エアコンプレッサが、インク供給管72および主インク回収管104にそれぞれ連結され、印刷制御装置200が、2つの高圧エアコンプレッサの作動および停止を個別に制御することにより、インク供給管72および主インク回収管104への高圧エアの供給および停止を個別に制御する構成であってもよい。この変形例では、1つの高圧エアコンプレッサを主インク回収管104に直接に連結する連結管が、本発明の第1連結部に相当し、別の高圧エアコンプレッサをインク供給管72に直接に連結する連結管が、本発明の第2連結部に相当する。
(7)本実施形態では、1つの高圧エアコンプレッサ220が、インク供給管72および主インク回収管104に、同じ圧力の高圧エアをそれぞれ供給する構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、2つの高圧エアコンプレッサが備えられる構成であれば、インク供給管72および主インク回収管104の各管の構成などに応じて、各高圧エアコンプレッサが発生する高圧エアの圧力が異なる圧力に設定されてもよい。高圧エアの圧力は、管の径および管の長さなどの管の構成、使用するインクの粘性などのインクの種類、印刷時の温度および湿度などの環境条件、並びに、高圧エアの供給動作を考慮して、決定される。1つ、または複数の高圧エアコンプレッサについて、作業者が、設定操作部206の操作により、高圧エアコンプレッサが発生する高圧エアの圧力を調整して設定する構成であってもよい。
(8)本実施形態では、インク供給ポンプ42は、インク貯留部26にインクを供給するために正転され、インク貯留部26からインクを回収するために、および、洗浄シーケンスにおいてインク貯留部26から洗浄水を排水するために、逆転される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、インク供給ポンプ42は、インク貯留部26にインクを供給するためにのみ使用され、インクの回収、または、洗浄水の排水には使用されない構成であってもよい。
(9)本実施形態では、洗浄水を排水するために、洗浄水パン36、主排水管132、および一対の補助排水管134、136が備えられるが、この構成に限定されない。たとえば、洗浄水パン36、主排水管132、および一対の補助排水管134、136を備えない構成において、高圧エアがインク供給管72および主インク回収管104に供給され、残留するインクまたはインク滴が回収された後に、噴射ノズル149により洗浄水がインク貯留部26に噴射される。インク貯留部26に噴射された洗浄水が、補助インク回収管90〜96、インクパン32、34、前方インク回収管86、および主インク回収管104を介して、排水溝40に排水される構成であってもよい。
(10)本実施形態では、1回目の高圧エアの供給と2回目の高圧エアの供給とが、図6に示す60秒洗浄シーケンスにおける10秒から30秒までの間に、および、図7に示す120秒洗浄シーケンスにおける30秒から60秒までの間に、断続して実行される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、連続する長い時間の高圧エアの供給が1回だけ実行される構成であってもよいし、短い時間の高圧エアの供給が、3回以上断続して実行される構成であってもよい。
(11)本実施形態では、120秒洗浄シーケンスにおいて、0秒から、60秒が経過した後の時点までの間、インク回収ポンプ44は連続して停止される構成であるが、この構成に限定されない。たとえば、インク回収ポンプ44は、120秒洗浄シーケンスにおいて、0秒から10秒までの間だけ停止され、10秒から、80秒が経過した後の特定の時点までの間、連続して逆転される構成であってもよい。この変形例では、0秒から、60秒が経過した後の特定の時点までの間(短い補助インク回収管96のための連結口弁130が連続して閉鎖される間)でインク回収ポンプ44が逆転されることにより、インクパン34に残留するインクが、連結回収管106を介して吸い込まれ、主インク回収管104に向かって押し出される。
(12)本実施形態では、60秒洗浄シーケンスにおいて、噴射ノズル電磁弁152の開放が開始される時点は、補助排水管134、136のための洗浄水供給電磁弁138、140の最初の開放が開始される時点よりも早い時点に設定され、また、120秒洗浄シーケンスにおいても、噴射ノズル電磁弁152の最初の開放が開始される時点は、洗浄水供給電磁弁138、140の最初の開放が開始される時点よりも早い時点に設定される。しかし、洗浄水供給電磁弁138、140の開放時点の設定は、本実施形態の設定に限定されない。たとえば、洗浄水供給電磁弁138、140の最初の開放が開始される時点が、60秒洗浄シーケンスにおける噴射ノズル電磁弁152の開放が開始される時点、または120秒洗浄シーケンスにおける最初の開放が開始される時点と同じ時点、あるいは、その開始される時点よりも早い時点に設定されてもよい。
1 段ボールシート印刷機
14 印版
20、22 前方機枠、後方機枠
24 アニロックスロール
26 インク貯留部
32、34 インクパン
38 インク缶
42 インク供給ポンプ
44 インク回収ポンプ
70、72 インク供給管
76 バイパス管
80 バイパス電磁弁
82 切換電磁三方弁
84、110 高圧エア供給電磁弁
104 主インク回収管
132、134、136 主排水管、補助排水管
148 噴射ユニット
160 可撓性の管
162 ロータ
164A、164B 押圧コロ
200 印刷制御装置
212 電磁弁駆動回路
220 高圧エアコンプレッサ
CP 中央位置

Claims (11)

  1. 印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、を備える印刷機において、
    インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、
    高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、
    第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備え、
    インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、
    第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、
    第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、
    第1高圧エア制御手段は、インク貯留部にインク供給管を介してインクを供給している間に、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する印刷機。
  2. 第1高圧エア制御手段は、インクの供給が終了したインク貯留部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収、または、インクの供給が終了したインク貯留部およびインク溜め部からインク回収管を介してインクを回収するインク回収が開始された後であって、インク回収管の内部が、インクで充填されている状態から、インクと空気とが混在する状態に変化した後に、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する請求項1に記載の印刷機。
  3. 第1規制手段は、インク回収管に連結され、インク回収管内のインクを移送する第1チュービングポンプを含み、
    第1チュービングポンプは、インク回収管に連結される可撓性のチューブと、そのチューブを圧縮するために回転可能な回転体とを含み、回転体により圧縮されるチューブの箇所でインク回収管の連通を遮断する請求項1または請求項2に記載の印刷機。
  4. 第1チュービングポンプは、一対の機枠の一方の機枠に配置され、
    インク回収管の流出口は、一対の機枠の他方の機枠に近接する領域であって、一対の機枠の間隔から外の領域に配置され、
    インク回収管は、第1チュービングポンプから流出口まで延びる管部分を含み、
    第1連結部は、インク回収方向において第1チュービングポンプより下流側の位置であって、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置で、インク回収管に連結される請求項3に記載の印刷機。
  5. 第1連結部は、開閉手段を含み、
    第1高圧エア制御手段は、開閉手段の開閉動作を制御する開閉制御部を含み、
    開閉制御部は、開閉手段を閉鎖状態に制御することにより、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、開閉手段を開放状態に制御することにより、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の印刷機。
  6. インク供給管の連通状態を規制する第2規制手段と、
    高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク供給管に連結するための第2連結部と、
    第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第2高圧エア制御手段と、を備え、
    インク供給管は、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用され、
    第2高圧エア制御手段は、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の印刷機。
  7. 第2規制手段は、インク供給管に連結される経路切換手段であって、インク貯留部とインク供給管とを連通させる第1経路と、第2連結部とインク供給管とを連通させる第2経路との間で、経路を切り換えることが可能な経路切換手段を含み、
    第2高圧エア制御手段は、第2経路を閉鎖すると共に第1経路を開放する第1状態と、第1経路を閉鎖すると共に第2経路を開放する第2状態との間で、経路切換手段の状態を制御する切換制御部を含み、
    切換制御部は、経路切換手段の状態を第1状態に制御することにより、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、経路切換手段の状態を第2状態に制御することにより、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する請求項6に記載の印刷機。
  8. インク供給管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置、または、ロール中央位置の近傍の位置に配置される供給口であって、インク貯留部にインクを供給する供給口を含み、
    インク供給管の供給口よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される第2チュービングポンプであって、インク供給管内のインクを移送するためにインク供給管に連結される正逆回転可能な第2チュービングポンプと、
    第2チュービングポンプを迂回してインク供給管に連結される迂回経路と、
    迂回経路を開閉する迂回開閉手段と、を備え、
    第2連結部は、インク供給管の供給口と第2チュービングポンプとの間で、インク供給管に連結され、
    第2高圧エア制御手段は、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収している間に、インクを回収するための回転方向に第2チュービングポンプの回転を制御し、迂回経路が閉鎖されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、インク貯留部からインク供給管を介してインクを回収する動作が終了した後に、第2チュービングポンプの回転を停止し、迂回経路が開放されるように迂回開閉手段を制御し、第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する請求項6または請求項7に記載の印刷機。
  9. 印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、インク貯留部に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、インク貯留部内の洗浄水を排出する排出管と、を備え、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する洗浄工程とを順次実行する印刷機において、
    インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、
    高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、
    第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備え、
    インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、
    第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、
    第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、
    第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するために第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する印刷機。
  10. インク供給管の連通状態を規制する第2規制手段と、
    高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク供給管に連結するための第2連結部と、
    第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第2高圧エア制御手段と、を備え、
    インク供給管は、インク貯留部からインク容器に向かってインクを回収するために使用され、
    第2高圧エア制御手段は、印刷工程において、第2連結部を介するインク供給管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了後であって少なくとも洗浄工程が実行されている間に、インク供給管内のインクを回収するために第2連結部を介してインク供給管へ高圧エアを供給する請求項9に記載の印刷機。
  11. 印版にインクを転移するために回転可能なインク転移ロールと、インク転移ロールの回転軸線方向に間隔をあけて配置され、その間隔内の領域にインク転移ロールが配置される一対の機枠と、インク転移ロールにインクを塗布するためにインク転移ロールに沿って形成され、インクを貯留するインク貯留部と、インク容器からインクをインク貯留部に供給するインク供給管と、インク貯留部、または、インク貯留部からのインクを一時的に溜めるインク溜め部から、インク容器に向かうインク回収方向にインクを回収するインク回収管と、インク貯留部に洗浄水を供給する洗浄水供給部と、インク貯留部内の洗浄水を排出する排出管と、を備え、インクをインク貯留部に供給して印刷を行う印刷工程と、印刷工程の終了後にインク貯留部、または、インク貯留部およびインク溜め部からインクを回収するインク回収工程と、インク貯留部に洗浄水を供給し、インク貯留部から排出管を介して洗浄水を排出することにより、インク貯留部を洗浄する第1洗浄工程と、インク供給管およびインク回収管に洗浄水を供給し、インク供給管およびインク回収管から洗浄水を排出することにより、インク供給管およびインク回収管を洗浄する第2洗浄工程と、を順次実行する印刷機において、
    インク回収管の連通状態を規制する第1規制手段と、
    高圧エアを発生する高圧エア発生部をインク回収管に連結するための第1連結部と、
    第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給、および、その供給の停止を制御する第1高圧エア制御手段と、を備え、
    インク回収管は、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の一方の機枠に近い位置に配置される流入口であって、インク貯留部またはインク溜め部からのインクが流入する流入口と、インク転移ロールの回転軸線方向におけるロール中央位置よりも一対の機枠の他方の機枠に近い位置に配置される流出口であって、インク容器へのインクが流出する流出口とを含み、
    第1規制手段は、インク回収管の流入口の配置位置、または、インク回収方向において流入口より下流側の位置に、配置され、
    第1連結部は、インク回収方向において第1規制手段より下流側の位置で、インク回収管に連結され、
    第1高圧エア制御手段は、印刷工程において、第1連結部を介するインク回収管への高圧エアの供給を停止し、印刷工程の終了から第2洗浄工程の終了までの間において、少なくとも第1洗浄工程および第2洗浄工程が実行されている間に、インク回収管内のインクを回収するためと、インク回収管内の洗浄水を排出するためとに、第1連結部を介してインク回収管へ高圧エアを供給する印刷機。
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