JP2021143358A - 蒸着マスクユニットの作製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸着マスクユニットを効率よく、高い歩留りで、または低コストで製造するための方法を提供すること。【解決手段】この方法は、複数の第1の開口を有する蒸着マスクを支持基板上に形成すること、複数の第1の開口を覆う第1のレジストマスクを形成すること、第2の開口を有する第2のレジストマスクを、第1のレジストマスクが第2の開口から露出するように第1のレジストマスク上に形成すること、窓を有する支持フレームを、窓が複数の第1の開口と重なるよう、支持基板上に配置すること、および蒸着マスクと支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む。【選択図】図14

Description

本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットの作製方法に関する。
フラットパネル型表示装置の一例として、液晶表示装置や有機電界発光表示装置が挙げられる。これらの表示装置は、絶縁体、半導体、導電体などの様々な材料を含む薄膜が基板上に積層された構造体であり、これらの薄膜が適宜パターニング、接続され、表示装置としての機能が発現される。
薄膜を形成する方法は、大別すると気相法、液相法、固相法に分類される。気相法は物理的気相法と化学的気相法に分類され、前者の代表的な例として蒸着法が知られている。蒸着法のうち最も簡便な方法が真空蒸着法であり、高真空下において材料を加熱することで材料を昇華、あるいは蒸発(以下、昇華と蒸発を総じて気化と呼ぶ)させて材料の蒸気を生成し、この蒸気を目的とする領域(以下、蒸着領域)で固化、堆積することで材料の薄膜を得ることができる。この時、蒸着領域に選択的に薄膜を形成し、それ以外の領域(以下、非蒸着領域)には材料を堆積させないために、非蒸着領域を物理的に遮蔽するマスクが用いられる(特許文献1、2参照)。当該マスクは蒸着マスクなどと呼ばれる。
特開2009−87840号公報 特開2013−209710号公報
本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットの作製方法を提供することを課題の一つとする。例えば、本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットを効率よく、高い歩留りで、または低コストで製造するための方法を提供することを課題の一つとする。
本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットを作製する方法である。この方法は、複数の第1の開口を有する蒸着マスクを支持基板上に形成すること、複数の第1の開口を覆う第1のレジストマスクを形成すること、第2の開口を有する第2のレジストマスクを、第1のレジストマスクが第2の開口から露出するように第1のレジストマスク上に形成すること、窓を有する支持フレームを、窓が複数の第1の開口と重なるよう、支持基板上に配置すること、および蒸着マスクと支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む。
本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットを作製する方法である。この方法は、複数の第1の開口を有する蒸着マスクを支持基板上に形成すること、蒸着マスク上にレジストマスクを形成すること、レジストマスクを、複数の第1の開口と重なる薄膜領域と、薄膜領域を囲む厚膜領域とに加工すること、窓を有する支持フレームを、窓が薄膜領域および厚膜領域に重なるよう、支持基板上に配置すること、および蒸着マスクと支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む。
本発明の実施形態の一つは、蒸着マスクユニットを作製する方法である。この方法は、複数の第1の開口をそれぞれ有する複数の蒸着マスクを支持基板上に形成すること、複数の蒸着マスクにそれぞれ対応する複数の第1のレジストマスクを、それぞれ対応する蒸着マスクの複数の第1の開口を覆うように形成すること、複数の第1のレジストマスクにそれぞれ対応し、それぞれ第2の開口を有する複数の第2のレジストマスクを、対応する第1のレジストマスクが第2の開口から露出するように、それぞれ対応する第1のレジストマスク上に形成すること、複数の第1のレジストマスクと複数の第2のレジストマスクに対応する複数の窓を有する支持フレームを、窓がそれぞれ対応する第1のレジストマスクと第2のレジストマスクと重なるよう、支持基板上に配置すること、および複数の蒸着マスクと支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む。
本発明の実施形態の一つに係る方法で作製される蒸着マスクユニットが適用可能な蒸着装置の模式的上面図と側面図。 本発明の実施形態の一つに係る方法で作製される蒸着マスクユニットの模式的上面図。 本発明の実施形態の一つに係る方法で作製される蒸着マスクユニットの模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る方法で作製される蒸着マスクユニットの模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図と上面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図と上面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的上面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 従来の蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。 本発明の実施形態の一つに係る、蒸着マスクユニットを作製する方法を示す模式的断面図。
以下、本発明の各実施形態について、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。本明細書と各図において、既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略することがある。
本明細書および特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
以下、「ある構造体が他の構造体から露出するという」という表現は、ある構造体の一部が他の構造体によって覆われていない態様を意味し、この他の構造体によって覆われていない部分は、さらに別の構造体によって覆われる態様も含む。
以下、本発明の実施形態の一つに係る蒸着マスクユニット100の作製方法について説明する。
1.蒸着装置
本作製方法によって作製される蒸着マスクユニット100は、有機化合物、無機化合物、または有機化合物と無機化合物を含む膜を蒸着法によって形成する際、目的とする蒸着領域に選択的に膜を形成するために用いることができる。図1(A)と図1(B)に、蒸着による膜形成の際に用いられる典型的な蒸着装置の模式的上面図と側面図を示す。蒸着装置は、種々の機能を有する複数のチャンバーで構成される。チャンバーの一つが図1(A)に示す蒸着チャンバー160であり、蒸着チャンバー160は、隣接するチャンバーとロードロック扉162で仕切られ、内部が高真空の減圧状態、あるいは窒素やアルゴンなどの不活性ガスで満たされた状態が維持されるよう構成される。したがって、図示しない減圧装置やガス吸排気機構などが蒸着チャンバー160に接続される。
蒸着チャンバー160は、基板などの膜が形成される対象物が収納可能な空間を提供する。図1(A)、図1(B)に示した例では、基板180の下に蒸着源164が配置され、蒸着源164には蒸着される材料が充填される。蒸着源164において材料が加熱されて気化し、材料の蒸気が蒸着マスクユニット100の開口102a(後述)を介して基板180の表面へ到達すると冷却されて固化し、材料が堆積して基板180上(図1(B)では基板180の下側の面上)に材料の膜を与える。図1(A)に示す例では、概ね長方形の形状を有し、基板180の一つの辺に沿って配置された蒸着源164(リニアソースとも呼ばれる)が備えられているが、蒸着源164は任意の形状持つことが可能であり、基板180の重心に重なるような、いわゆるポイントソースと呼ばれる蒸着源164でもよい。ポイントソースの場合には、基板180と蒸着源164の相対的な位置は固定され、基板180を回転するための機構を設けてもよい。
リニアソース型の蒸着源164が用いられる場合、蒸着チャンバー160は基板180と蒸着源164が相対的に移動するよう構成される。図1(A)では、蒸着源164が固定され、その上を基板180が移動する例が示されている。図1(B)に示すように、蒸着チャンバー160にはさらに、基板180と蒸着マスクユニット100を保持するためのホルダー170、ホルダー170を移動するための移動機構168、シャッター166などが備えられる。ホルダー170によって基板180と蒸着マスクユニット100の互いの位置関係が維持され、移動機構168によって基板180と蒸着マスクユニット100が蒸着源164の上を移動することができる。シャッター166は、材料の蒸気を遮蔽する、あるいは基板180への到達を許容するために蒸着源164の上に設けられ、図示しない制御装置によって開閉が制御される。図示しないが、蒸着チャンバー160には、材料の蒸着速度をモニターするためのセンサ、材料による汚染を防ぐための防着板、蒸着チャンバー160内の圧力をモニターするための圧力計などが備えられる。
2.蒸着マスクユニット
蒸着マスクユニット100の上面模式図を図2に、図2の鎖線A−A´に沿った断面模式図を図3に示す。蒸着マスクユニット100は少なくとも一つ、または複数の蒸着マスク102を有する。以下の説明では、一つの蒸着マスクユニット100が複数の蒸着マスク102を有する例を用いて説明する。
各蒸着マスク102は、蒸着マスク102を貫通する複数の開口102aを備える。各蒸着マスク102において、開口102a以外の領域を非開口部と呼ぶ。非開口部は開口102aを取り囲む。蒸着マスクユニット100はさらに、接続部120を介して非開口部において蒸着マスク102と接続される支持フレーム110を有する。接続部120は複数の開口102aを囲み、非開口部において支持フレーム110と蒸着マスク102に接する。
蒸着時には、蒸着領域と開口102aが重なり、非蒸着領域と非開口部が重なるように蒸着マスクユニット100と基板180が配置され、材料の蒸気が開口102aを通過し、蒸着領域上に材料が堆積する。複数の開口102aの配置に制約はないが、例えば表示装置の表示領域に設けられる複数の画素のそれぞれに膜を形成する場合には、複数の開口102aが基板180上の画素が設けられる領域に重なるように設けられる。したがって、複数の画素がマトリクス状に配列する場合には、複数の開口102aもマトリクス状に配列される。一つの蒸着マスクユニット100を用いて複数の表示装置を製造する場合には、マザーガラスと呼ばれる大型の基板180上に複数の表示装置の表示領域が形成される。この場合、複数の開口102aは、複数の表示領域にそれぞれ対応する複数の開口群102bを形成するように設けられる。隣接する開口群102b間の距離は、各開口群102bにおける隣接する開口102a間の距離よりも大きい。
支持フレーム110は、は少なくとも一つの窓110aを有する(図3)。複数の開口群102bを形成するように開口102aが設けられる場合には、少なくとも一つの窓110aは複数の窓110aを含んでもよい。各窓110aは、蒸着マスク102の複数の開口102aと重なるように設けられる。すなわち、複数の開口102aは支持フレーム110からいずれかの窓110aを介して露出する。換言すると、各開口群102bも支持フレーム110からいずれかの窓110aを介して露出する。支持フレーム110の一部は、隣接する開口群102bの間で接続部120と接する。
隣接する窓110aに挟まれる領域Ra、および蒸着マスクユニット100の端部の領域Rbの模式的断面図を図4(A)、図4(B)にそれぞれ示す。図4(A)に示すように、支持フレーム110は蒸着マスク102と直接接触せず、接続部120を介して蒸着マスク102と接続される。図示しないが、支持フレーム110は蒸着マスク102の一部と重なってもよい。領域Rbでも同様であり、図4(B)に示すように、支持フレーム110は蒸着マスク102と直接接触せず、接続部120を介して蒸着マスク102と接続される。この領域Rbでも、支持フレーム110は蒸着マスク102の一部と重なってもよい。
図4(A)、図4(B)に示すように、接続部120は支持フレーム110の上面と接しないことが好ましい。換言すると、接続部120は支持フレーム110の上面から離隔することが好ましい。蒸着マスクユニット100の作製方法は後述するが、接続部120が支持フレーム110の上面から離隔することで、支持フレーム110を介して隣接する接続部120が一体化されて支持フレーム110に対して歪みが生じることを防ぐことができ、蒸着マスクユニット100の形状を安定化させることができる。図4(A)、図4(B)では、接続部120の最上層は支持フレーム110の上面と同一平面上に位置するが、接続部120の最上層は支持フレーム110の上面よりも低くてもよい。すなわち、接続部120の最上層は、支持フレーム110の上面と蒸着マスク102の間に位置してもよい。
蒸着マスク102や接続部120はニッケルや銅、チタン、クロムなどの0価の金属を含み、ニッケルを含むことが好ましい。蒸着マスク102と接続部120の材料の組成は互いに同一でもよい。支持フレーム110も0価の金属を含み、金属としてはニッケル、鉄、コバルト、クロム、マンガンなどから選択される。例えば支持フレーム110は鉄とクロムを含む合金、鉄、ニッケル、マンガンの合金でもよく、合金には炭素が含まれていてもよい。
3.蒸着マスクユニットの作製方法
蒸着マスクユニット100の作製方法の一例を図5(A)から図17(B)を用いて説明する。
3−1.蒸着マスクの形成
まず、剥離層132が設けられた支持基板130上に、レジストマスク134を形成する。支持基板130は、蒸着マスクユニット100を形成する際に蒸着マスク102や支持フレーム110を保持する機能を有する基板であり、ガラスや石英、プラスチック、あるいは銅やアルミニウム、チタン、鉄、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、マンガンなどの金属、若しくはこれらの合金を含む。蒸着マスク102が合金を含む場合、合金は、例えば鉄とクロムを含む合金、鉄、ニッケル、およびマンガンの合金でもよく、合金には炭素が含まれていてもよい。ガラスや石英、プラスチックを含む基板を用いる場合には、上述した金属や合金の膜が形成された基板を用いてもよい。後述するように、蒸着マスク102や接続部120は、電解めっき法または無電解めっき法(以下、これらを総じてめっき法と記す)を用いて形成される。電解めっき法を用いる場合には、給電の際の電極として機能できる金属基板または合金基板を支持基板130として使用することが好ましい。剥離層132は、支持基板130上に形成される蒸着マスクユニット100を支持基板から剥離することを促進するための機能層であり、例えばニッケルやモリブデン、タングステンなどの金属薄膜を用いることができる。剥離層132は、例えば20μm以上200μm以下、または40μm以上150μm以下の厚さとなるよう、めっき法、スパッタリング法、または化学気相堆積(CVD)法を利用して形成すればよい。
レジストマスク134は島状に設けられる。すなわち、複数の開口102a、および後述するダミーパターン106を形成する領域に選択的に形成される。例えばネガ型のフォトレジストを剥離層132上に塗布し、複数の開口102aとダミーパターン106を形成する領域が選択的に露光されるよう、フォトマスクを介して露光を行う。あるいは、ポジ型のフォトレジストを剥離層132上に塗布し、非開口部が選択的に露光されるよう、フォトマスクを介して露光を行う。その後、現像を行い、パターニングされたレジストマスク134を得る(図5(A))。なお、レジストマスク134の形成は、剥離層132を蒸着マスクユニット100から容易に剥離することができるよう、剥離層132の外縁部にも形成することが好ましい。
次に、めっき法を利用し、レジストマスク134によって被覆されていない領域にめっきパターンを形成し、蒸着マスク102を形成する(図5(B))。めっきパターンの形成は、一段階で行ってもよく、数段階に分けて行ってもよい。複数の段階で行う場合、異なる段階で異なる金属が形成されるよう、めっきを行ってもよい。また、めっきは、めっきパターンの上面がレジストマスク134の上面よりも低くなるように行ってもよく、高くなるように行ってもよい。後者の場合、表面を研磨することでめっきパターン上面の平坦化を行ってもよい。この後、レジストマスク134を剥離液によるエッチング、あるいは/およびアッシングによって除去することで、複数の開口102aを有する蒸着マスク102が形成される(図5(C))。
図6(A)の模式的断面図に示すように、隣接する窓110aの間の領域Raでは、蒸着マスク102の形成と同時にダミーパターン(以下、第1のダミーパターン)106−1が剥離層132上に形成される。第1のダミーパターン106−1と蒸着マスク102の間には溝(以下、第1の溝)104−1が形成され、この第1の溝104−1によって第1のダミーパターン106−1と蒸着マスク102が離隔する。このため、図6(B)の上面模式図に示すように、一つの第1のダミーパターン106−1は一つの蒸着マスク102を囲むように設けられる。第1のダミーパターン106−1と蒸着マスク102は同時に形成されるため、これらは互いに同一の組成と厚さを有することができる。
蒸着マスクユニット100の端部の領域Rbでも同様であり、図7(A)に示すように、蒸着マスク102の形成と同時にダミーパターン(以下、第2のダミーパターン)106−2が剥離層132上に形成される。第2のダミーパターン106−2と蒸着マスク102の間には溝(以下、第2の溝)104−2が形成され、この第2の溝104−2によって第2のダミーパターン106−2と蒸着マスク102が離隔する。図7(B)の上面模式図に示すように、第2のダミーパターン106−2は、複数の蒸着マスク102を囲むように設けられる。第2のダミーパターン106−2と蒸着マスク102も同時に形成されるため、これらも互いに同一の組成と厚さを有することができる。
3−2.開口の保護
後述するように、蒸着マスク102上には支持フレーム110が配置され、その後めっき法によって接続部120が形成されることで蒸着マスク102と支持フレーム110が互いに固定される。したがって、接続部120の形成の際に開口102aに金属がめっきされることを防ぐため、複数のレジストマスクを用いて開口102aを保護する。
具体的には、図8に示すように、まず、フィルム状のレジスト(以下、第1のレジストフィルム)136を複数の蒸着マスク102を覆うように配置する。第1のレジストフィルム136は、複数の蒸着マスク102の開口102aの全て、および第1のダミーパターン106−1と第2のダミーパターン106−2を含むダミーパターン106を覆うように配置される。
次に、第1のレジストフィルム136を露光する。領域Raにおける露光の詳細を図9(A)から図9(C)を用いて説明する。まず、第1のレジストフィルム136が配置された支持基板130(図9(A)参照)上に、遮光部150aと透光部150bを有する第1のフォトマスク150を配置する。第1のフォトマスク150は、第1のレジストフィルム136のうち、蒸着マスク102の開口102aと重なる部分、および蒸着マスク102の非開口部の一部が露光され、第1のダミーパターン106−1、および蒸着マスク102の非開口部の他の一部が露光されないように配置される。すなわち、透光部150bが蒸着マスク102の開口102aと非開口部の一部と重なり、遮光部150aが第1のダミーパターン106−1と非開口部の他の一部と重なるように配置される(図9(B))。
第1のレジストフィルム136はネガ型のレジストであり、光によって硬化する高分子またはオリゴマーが含まれる。露光部136aは現像液に対する溶解性が大幅に低下し、後述する現像後に露光部を残存させることができる。一方、未露光部136bは現像によって除去される。第1のレジストフィルム136の厚さは任意に選択することができ、例えば20μm以上100μm以下、30μm以上100μm以下、または50μm以上70μm以下の範囲から選択すればよい。
次に、第1のレジストフィルム136を現像する前に、第2のレジストフィルム138を露光された第1のレジストフィルム136上に配置する(図9(C))。引き続き、第1のフォトマスク150とは異なるパターンを有する第2のフォトマスク152を第2のレジストフィルム138上に配置し、第2のフォトマスク152を介して第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138を露光する。ここで、第2のフォトマスク152は、透光部152bが第1のレジストフィルム136の露光部136aと重なり、かつ、上述した蒸着マスク102の非開口部の一部と重なるように構成される。また、遮光部152aは、複数の蒸着マスク102の開口102a、第1のダミーパターン106−1、および蒸着マスク102の非開口部の他の一部と重なるように設けられる。ただし、透光部152bは、複数の開口102aの一部と重なってもよい。したがって、第2のレジストフィルム138は、開口102aの全てまたは大部分と重なる部分、および第1のダミーパターン106−1と重なる部分が未露光部となり、上記蒸着マスク102の非開口部の一部と重なる部分が露光部となる。
第2のレジストフィルム138もネガ型のレジストであり、光によって硬化する高分子またはオリゴマーが含まれる。第2のレジストフィルム138の厚さも任意に選択することができ、例えば20μm以上100μm以下、30μm以上100μm以下、または50μm以上70μm以下の範囲から選択すればよい。
この後、第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138を同時に現像する。これにより、第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138は、それぞれ複数の第1のレジストマスク144と複数の第2のレジストマスク146を与える。複数の第1のレジストマスク144は、それぞれ対応する一つの蒸着マスク102と重なり、その蒸着マスク102の開口102aの全てを覆う。ただし、複数の第1のレジストマスク144は、いずれも第1のダミーパターン106−1を覆わない。すなわち、第1のダミーパターン106−1は第1のレジストマスク144から露出する。一方、第2のレジストマスク146は、第1のレジストマスク144と接し、隣接する二つの第1のレジストマスク144間で露出する第1のダミーパターン106−1を挟むように設けられる。透光部152bが複数の開口102aの一部と重なるように第2のフォトマスク152が配置される場合には、第2のレジストマスク146は複数の開口102aの一部と重なる(図10(B))。
したがって、一つの蒸着マスク102に注目した場合、図11の上面模式図に示すように、第1のレジストマスク144は複数の開口102aや複数の開口群102bと重なる。第2のレジストマスク146は、複数の開口102aや複数の開口群102bと重なる開口146aを有し、この開口146aにおいて第1のレジストマスク144が露出する(図10(A)参照)。第1のダミーパターン106−1は、第1のレジストマスク144や第2のレジストマスク146を平面視において囲み、第1の溝104−1を介してこれらから離隔する。図10(A)、図10(B)、図11に示すように、蒸着マスク102の一部が第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146から露出される。後述するように、この露出部分の上に接続部120が形成されることで、支持フレーム110と蒸着マスク102が接合される。
領域Rbにおける露光について、図12(A)から図12(C)の断面模式図を用いて説明する。この領域Rbにおいても、第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146の露光は、領域Raと同様、異なるフォトマスクを用いて行われる。すなわち、まず、第1のレジストフィルム136を第1のフォトマスク150を介して露光する。第1のフォトマスク150は、透光部150bが蒸着マスク102の開口102aと非開口部の一部と重なり、遮光部150aが第2のダミーパターン106−2と蒸着マスク102の非開口部の他の一部と重なるように構成される(図12(A))。
第2のレジストフィルム138の露光で使用する第2のフォトマスク152は、透光部152bが第1のレジストフィルム136の露光部136aと重なり、かつ、蒸着マスク102の非開口部の上記一部と重なるように構成される。また、遮光部152aは、複数の蒸着マスク102の開口102a、第2のダミーパターン106−2、および蒸着マスク102の非開口部の上記他の一部と重なるように設けられる(図12(B))。ただし、透光部152bは、複数の開口102aの一部と重なってもよい。したがって、第2のレジストフィルム138は、開口102aの全てまたは大部分と重なる部分、第2のダミーパターン106−2と重なる部分、および蒸着マスク102の非開口部の他の一部と重なる部分が未露光部となり、第2のダミーパターン106−2の上記一部と重なる部分が露光部となる。
したがって、第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138を同時に現像することにより、図12(C)に示すように、第2のダミーパターン106−2と蒸着マスク102の非開口部の上記他の一部が第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146から露出する。第1のレジストマスク144は開口102a、および蒸着マスク102の非開口部の上記一部を覆う。一方、第2のレジストマスク146は、第1のレジストマスク144、および蒸着マスク102の非開口部の上記一部と重なる。ただし、第2のレジストマスク146は、開口102aの一部と重なってもよい。後述するように、蒸着マスク102が第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146から露出する部分に接続部120が形成され、これによって蒸着マスク102と支持フレーム110が接合される。
ここまでの工程により、開口102aの全てを覆う第1のレジストマスク144、および第1のレジストマスク144の一部と重なる第2のレジストマスク146が形成される。
3−3.支持フレームの作成
支持フレーム110は、金属板112をエッチング加工することで形成される。具体的には、ニッケルや鉄、コバルト、クロム、マンガンなどを含む金属または合金を含む金属板112上にレジスト140を形成し、フォトマスク(以下、第3のフォトマスク)156を介して露光し(図13(A))、引き続く現像によってレジストマスク148を形成する(図13(B))。レジスト140は液体のレジストでもよく、フィルム状のレジストでもよい。また、レジスト140はネガ型でもポジ型でもよい。ネガ型の場合には、図13(A)に示すように、支持フレーム110が形成される領域に透光部156bが重なり、エッチングによって除去する領域、すなわち、窓110aを形成する領域に遮光部156aが重なるよう、第3のフォトマスク156を設計、配置すればよい。この後、レジストマスク148で覆われた領域以外を現像によって除去することにより、支持フレーム110が得られる(図13(C))。レジストマスク148はその後、剥離液および/またはアッシングによって除去される。
3−4.支持フレームの配置と接合部の形成
次に、支持フレーム110を支持基板130上に配置する。具体的には、第1のダミーパターン106−1と第2のダミーパターン106−2と重なるように、剥離層132を介して蒸着マスク102を支持基板130上に配置する(図14(A)、図15(A))。すなわち、一つの窓110aが複数の開口102aだけでなく、一つの第1のレジストマスク144と一つの第2のレジストマスク146と重なるように支持フレーム110が配置される。この時、支持フレーム110に接着剤142を設け、接着剤142によって支持フレーム110を第1のダミーパターン106−1と第2のダミーパターン106−2に接着してもよい。接着剤142としては、例えばアクリル系接着剤やエポキシ系接着剤でもよく、あるいは第1のレジストフィルム136や第2のレジストフィルム138と同様のレジストフィルムを用いてもよい。レジストフィルムを用いる場合には、その厚さは第1のレジストフィルム136や第2のレジストフィルム138の厚さよりも小さくてもよい。具体的には、1μm以上20μm以下、または1μm以上10μm以下の範囲から接着剤142としてのレジストフィルムの厚さを選択することができる。レジストフィルムを接着剤として用いる場合、接着力を維持するため、レジストフィルムは露光しなくてもよい。
なお、任意の構成として、支持フレーム110の上面に保護膜149を形成してもよい(図14(A)、図15(A))。保護膜149としては、第1のレジストフィルム136や第2のレジストフィルム138と同様のレジストフィルムを用いればよい。この場合も、レジストフィルムを露光してもよく、しなくてもよい。保護膜149を形成することで、引き続くめっきによる接続部120の形成の際、支持フレーム110の上面に接続部120が形成されず、隣接する蒸着マスク102が接続部120によって直接連結されることを防ぐことができる。
この後、めっき法を用い、接続部120を形成する。接続部120は、支持フレーム110、および蒸着マスク102の非開口部のうち第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146から露出した部分から主に成長し、その結果、図14(B)、図15(B)に示すように、蒸着マスク102の非開口部の上面、および支持フレーム110の窓110aを構成する側面110bと接する接続部120が形成される。これにより、蒸着マスク102と支持フレーム110が固定される。
なお、図15(B)の状態においてめっきを行うと、支持フレーム110の左側、すなわち最外周にも接続部120と同時にめっき層120aが形成される。めっき層120aは、蒸着マスクユニット100を用いた蒸着工程においては基板180よりも外側に位置するため特に問題としないが、必要に応じて、図15(A)の状態で第1のレジストマスク144または第2のレジストマスク146を用いて、最外周を覆い、めっき層120aが形成されないようにしてもよい。
この際、接続部120は、第2のレジストマスク146の上面を覆わないように形成される。これは、接続部120が第2のレジストマスク146の上面を覆う場合には、引き続く第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146の剥離液による除去の際に不良が発生することがあるためである。具体的には、第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146が剥離液によって膨潤すると、体積が膨張し、これによって第2のレジストマスク146上において接続部120に応力が発生し、その結果、接続部120が破損することがある。接続部120を第2のレジストマスク146の上面を覆わないように形成することで、この不具合を効果的に抑制することができる。
3−5.支持基板と剥離層の除去
その後、第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146を剥離液を用いるエッチングによって除去する(図16(A)、図17(A))。この時、保護膜149も除去される。さらに、剥離層132と支持基板130を剥離する。接着剤142を支持基板130と剥離層132の剥離と同時に、または支持基板130と剥離層132の剥離の後に除去することで、接着剤142とともに第1のダミーパターン106−1と第2のダミーパターン106−2が除去される(図16(B)、図17(B))。
以上の工程により、蒸着マスクユニット100を作製することができる。
上述したように、本実施形態では、接続部120を第2のレジストマスク146の上面を覆わないように形成する。このため、接続部120が支持フレーム110と蒸着マスク102と接触するための十分な面積を確保し、十分な接合強度で蒸着マスク102を支持フレーム110に固定するためには、第1のレジストマスク144、および/または第2のレジストマスク146に十分な厚さ(例えば合計膜厚が100μm以上200μm以下)が必要である。
しかしながら、大きな厚さを有する単一のレジストフィルムを用いて開口102aを保護する場合、露光時間が増大し、十分な露光ができず、その結果、生成するレジストマスクにピンホールが発生することがある。あるいは、比較的厚さの小さい二枚のレジストフィルム(例えば第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138)を積層して開口102aを保護する場合、これらのレジストフィルムを同一のフォトマスクで露光すると、それぞれのレジストフィルムを個別に露光したとしても、必然的に両方のレジストフィルムがすべての開口102aを覆うことになる(図18(A))。その結果、接続部120形成後のレジストフィルムの除去工程において、剥離時間が増大するとともに、剥離液の寿命が低下する。このことは、結果的に蒸着マスクユニット100の製造コストの増大を招く。
一方、剥離時間の短縮のために小さい膜厚を有するレジストマスクを使用する(例えば第1のレジストマスク144のみを使用する)場合には、十分な接合強度を得るために接続部120の形成を試みると、接続部120と支持フレーム110および蒸着マスク102の接触面積は確保できるものの、比較的長時間のめっきに起因して接続部120の一部が第1のレジストマスク144の上面まで延伸する(図18(B)における点線楕円参照)。上述したように、このような接続部120の形成は、不具合の発生原因となる。
しかしながら本発明に係る実施形態の一つでは、上述したように、いずれも比較的小さい厚さを有する二つのレジストマスク(第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146)が各蒸着マスク102の開口102aを保護するために設けられるが、これらは異なるフォトマスクを利用して形成される。具体的には、第1のレジストマスク144によって開口102aが保護され、第1のレジストマスク144とは形状の異なる第2のレジストマスク146によって接続部120が第1のレジストマスク144や第2のレジストマスク146上に成長することが防止される。また、第2のレジストマスク146は、開口102aと重ならない、あるいは一部のみと重なる。このため、第2のレジストマスク146の体積は第1のレジストマスク144と比較して極めて小さいため、これらのマスクは短時間で一括して除去することができ、製造時間の増大や剥離液の寿命低下を招かない。したがって、本発明の実施形態の一つを適用することで、蒸着マスクユニットを効率よく、高い歩留りで、または低コストで製造することができる。
図9(A)から図9(C)においては、第1のレジストマスク144と第2のレジストマスク146との形成を、それぞれ独立した第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138を用い、これらを二段階の露光工程によって形成していたが、例えば図19(A)に示すように、大きな厚さを有する単一のレジストフィルム190をハーフトーンマスクを用いた露光によって加工することにより形成してもよい。レジストフィルム190の厚さは、例えば100μm以上200μm以下、あるいは100μm以上150μm以下でもよい。
レジストフィルム190としては、前述の第1のレジストフィルム136と第2のレジストフィルム138とは異なりポジ型のレジストフィルムを用いる。ハーフトーンマスク191は、開口部191a、遮光部191b、およびハーフトーン部191cとを有する。ハーフトーンマスク191は、ハーフトーン部191cが複数の開口102aと重なり、開口部191aが第1のダミーパターン106−1と重なり、遮光部191bが第1のダミーパターン106−1に最も近い開口102aと第1のダミーパターン106−1との間の領域と重なるように形成、配置することができる。ハーフトーンマスク191を介して露光を行うことにより、レジストフィルム190において、複数の開口部191aと重なる領域は上面から下面まで露光される。一方、遮光部191bと重なる領域は、未露光のまま残され、ハーフトーン部191cと重なる領域は、上面に近い側のみが部分的に露光される。その後レジストフィルム190を現像することで、図19(B)に示すように、複数の開口部191aと重なる薄膜領域194と、薄膜領域194を囲む厚膜領域196とを有するレジストマスク198を形成することができる。以後は、図13(A)を用いて説明した工程へと続く。
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態の作製方法を基にして、当業者が適宜工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
100:蒸着マスクユニット、102:蒸着マスク、102a:開口、102b:開口群、104−1:第1の溝、104−2:第2の溝、106:ダミーパターン、106−1:第1のダミーパターン、106−2:第2のダミーパターン、110:支持フレーム、110a:窓、110b:側面、112:金属板、120:接続部、120a:めっき層、130:支持基板、132:剥離層、134:レジストマスク、136:第1のレジストフィルム、136a:露光部、136b:未露光部、138:第2のレジストフィルム、140:レジスト、142:接着剤、144:第1のレジストマスク、146:第2のレジストマスク、146a:開口、148:レジストマスク、149:保護膜、150:第1のフォトマスク、150a:遮光部、150b:透光部、152:第2のフォトマスク、152a:遮光部、152b:透光部、156:第3のフォトマスク、156a:遮光部、156b:透光部、160:蒸着チャンバー、162:ロードロック扉、164:蒸着源、166:シャッター、168:移動機構、170:ホルダー、180:基板、190:レジストフィルム、191:ハーフトーンマスク、191a:開口部、191b:遮光部、191c:ハーフトーン部、194:薄膜領域、196:厚膜領域、198:レジストマスク

Claims (16)

  1. 複数の第1の開口を有する蒸着マスクを支持基板上に形成すること、
    前記複数の第1の開口を覆う第1のレジストマスクを形成すること、
    第2の開口を有する第2のレジストマスクを、前記第1のレジストマスクが前記第2の開口から露出するように前記第1のレジストマスク上に形成すること、
    窓を有する支持フレームを、前記窓が前記複数の第1の開口と重なるよう、前記支持基板上に配置すること、および
    前記蒸着マスクと前記支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む、蒸着マスクユニットを作製する方法。
  2. 前記第2のレジストマスクは、前記複数の第1の開口の一部を覆うように形成される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接続部の前記形成は、前記接続部が前記第2のレジストマスクの上面から離隔するように行われる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記支持フレームの上面は、前記接続部が前記上面から離隔するよう、第3のレジストマスクで覆われる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のレジストマスクと前記第2のレジストマスクは、異なるフォトマスクを用いて形成される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1のレジストマスクは、第1のレジストフィルムを前記複数の第1の開口上に配置し、前記第1のレジストフィルムを露光し、露光された前記第1のレジストフィルムを現像することによって形成され、
    前記第2のレジストマスクは、第2のレジストフィルムを前記第1のレジストフィルム上に配置し、前記第2のレジストフィルムを露光し、露光された前記第2のレジストフィルムを現像することによって形成され、
    前記第1のレジストフィルムと前記第2のレジストフィルムの前記現像は、同時に行われる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記蒸着マスクの形成と同時に、前記蒸着マスクを囲み、前記蒸着マスクから離隔するダミーパターンを前記支持基板上に形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記支持フレームの前記配置は、第4のレジストフィルムを用いて前記支持フレームを前記ダミーパターンに接着することによって行われる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第4のレジストフィルムと前記ダミーパターンを除去することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 複数の第1の開口を有する蒸着マスクを支持基板上に形成すること、
    前記蒸着マスク上にレジストマスクを形成すること、
    前記レジストマスクを、前記複数の第1の開口と重なる薄膜領域と、前記薄膜領域を囲む厚膜領域とに加工すること、
    窓を有する支持フレームを、前記窓が前記薄膜領域および前記厚膜領域に重なるよう、前記支持基板上に配置すること、および
    前記蒸着マスクと前記支持フレームを固定する接続部をめっき法を用いて形成することを含む、蒸着マスクユニットを作製する方法。
  11. 前記蒸着マスクは、前記支持フレームと前記厚膜領域との間で露出し、
    前記接続部は、前記支持フレームおよび前記露出した蒸着マスクに接するように形成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記接続部の前記形成は、前記接続部が前記厚膜領域の上面から離隔するように行われる、請求項10に記載の製造方法。
  13. 前記薄膜領域と前記厚膜領域は、ハーフトーンマスクを用いて形成される、請求項10に記載の方法。
  14. 前記蒸着マスクの形成と同時に、前記蒸着マスクを囲み、前記蒸着マスクから離隔するダミーパターンを前記支持基板上に形成することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  15. 前記支持フレームの前記配置は、レジストフィルムを用いて前記支持フレームを前記ダミーパターンに接着することによって行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記レジストフィルムと前記ダミーパターンを除去することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
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