JP2021140177A - 光学フィルタおよび撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】分光透過率の入射角依存性を抑制するとともに、可視域の光吸収が少なく高透過率を示す光学フィルタ、及び該光学フィルタを備え、色再現性に優れた撮像装置。【解決手段】特定構造のスクアリリウム系化合物を含む近赤外吸収剤を含み、波長660〜750nmに吸収極大波長を有し、透過率が吸収極大波長で10〜40%、波長600nmで80%以上、波長650nmで55%以上であり、透過率が50%となる、波長650nm〜吸収極大波長における波長と吸収極大波長〜1150nmにおける波長との差が50nm以内である吸収層と、波長720〜1150nmにおける透過率が5%以下であり、波長680〜750nmにおける透過率が50%となる波長が吸収層の特定波長と所定の関係を有し、波長680〜750nmにおいて入射角30°と0°の透過率50%の波長差が25nm以下である誘電体多層膜からなる反射層とを有する光学フィルタ。【選択図】図5A

Description

可視光を透過し、近赤外光を遮断する光学フィルタ、および該光学フィルタを備えた撮像装置に関する。
デジタルスチルカメラ等に搭載されるCCDやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置では、色調を良好に再現し、かつ鮮明な画像を得るために、可視光を透過し、紫外光および近赤外光を遮蔽する光学フィルタが用いられている。
従来、光学フィルタとして、近赤外吸収剤を含有する吸収層と、紫外光および近赤外光を反射する誘電体多層膜からなる反射層とを備えた構成が知られている。これは、誘電体多層膜が有する入射光の角度によって分光透過率曲線を変化(シフト)させる性質、すなわち入射角依存性を、吸収層との併用により抑制する構成である。特に、固体撮像素子の感度および視感度の高い可視域透過帯から近赤外域反射帯に至る波長660〜750nm内である遷移波長域における分光透過率曲線の変化を抑制する効果を奏する。このような光学フィルタとしては、透過率の入射角依存性が極めて小さい吸収層の吸収波長領域を、反射層の近赤外反射波長領域に重ね、光の入射角依存性を抑制したものが開示されている(特許文献1)。
光学フィルタにおけるこの入射角依存性を抑制するため、上記遷移波長域における光吸収効果が得られるよう、近赤外吸収剤の種類および濃度と、誘電体多層膜からなる反射層を設計する。しかし、遷移波長域に吸収極大を有する近赤外吸収剤を含有する吸収層中の吸収剤濃度を調整し、吸収極大波長における透過率を10%以下にした場合、該吸収極大波長周辺でも光吸収を有するため、可視域の長波長帯の光の透過率低下をもたらす。また、近赤外吸収剤の多くは可視域の短波長帯の光に対して弱い光吸収を示すため、吸収層中の吸収剤濃度の増加に伴い可視域の短波長帯の光に対する透過率低下をもたらす。
このため、従来の光学フィルタは、入射角依存性を抑制しようとするほど、可視域の透過率が低下するという問題があった。具体的には、波長600〜700nmの透過率低下、あるいは、波長420〜460nmの透過率低下をもたらし、撮像装置における感度低下を引き起こすおそれがあった。
特開2014−52482号公報
したがって、本発明は、分光透過率の入射角依存性を抑制するとともに、可視光の光吸収が少なく高透過率を示す光学フィルタの提供を目的とする。特に、可視域と近赤外域の境界の700nm付近で透過から遮断に遷移する領域の光の入射角依存性が抑制され、600〜680nmの可視域中の長波長帯の光の透過率低下が抑制された光学フィルタ、および該光学フィルタを備え、撮像画像の色再現性に優れた撮像装置の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る光学フィルタは、近赤外吸収剤を含み下記(i−1)〜(i−4)の要件を満たす吸収層と、下記(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす誘電体多層膜からなる反射層と、を有し、前記近赤外吸収剤が下記式(A1)で示されるスクアリリウム系化合物を含むことを特徴とする。
(i−1)波長420〜1150nmの分光透過率曲線において、波長660〜750nmに吸収極大波長λ(DA_Tmin)を有する。
(i−2)前記波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10〜40%の範囲内である。
(i−3)波長600nmの光の透過率が80%以上であり、波長650nmの光の透過率が55%以上である。
(ii−1)波長720〜1150nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が5%以下となる反射帯を有する。
(ii−2)波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が50%となる波長をλ(0°_T50%)とすると、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)である。(ただし、λSh(DA_T50%)は、波長650nm〜λ(DA_Tmin)において吸収層の透過率が50%となる波長であり、λLo(DA_T50%)は、波長λ(DA_Tmin)〜1150nmにおいて吸収層の透過率が50%となる波長である。)
(ii−3)波長680〜750nmにおいて、入射角30°の光の透過率が50%となる波長をλ(30°_T50%)とすると、前記λ(0°_T50%)とλ(30°_T50%)との差δλSh(T50%)は、0nm<δλSh(T50%)≦25nmである。
(i−4)吸収極大波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10%のときの分光透過率曲線において、
λLo(DA_T50%)−λSh(DA_T50%)≦50nmである。
Figure 2021140177
〔式(A1)中の記号は以下のとおりである。
Xは、独立して1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい下記式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
−(CHn1− …(1)
式(1)中n1は、2または3である。
−(CHn2−O−(CHn3− …(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
は、独立して飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
およびRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
は、独立して1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい、少なくとも1以上の分岐を有する炭素数5〜25の炭化水素基である。〕
本発明のさらに他の態様に係る撮像装置は、上記の光学フィルタを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、分光透過率の入射角依存性を抑制するとともに、可視光の光吸収が少なく高透過率を示す光学フィルタが得られる。特に、可視域と近赤外域の境界の700nm付近で透過から遮断に遷移する領域の光の入射角依存性が抑制され、600〜680nmの可視光の透過率低下が抑制された光学フィルタが得られる。また、そのような光学フィルタを用いることで、色再現性に優れた撮像装置が得られる。
本発明の光学フィルタの一例を示す断面図である。 本発明の光学フィルタの他の例を示す断面図である。 本発明の光学フィルタの他の例を示す断面図である。 本発明の光学フィルタの他の例を示す断面図である。 本発明の光学フィルタの他の例を示す断面図である。 近赤外吸収剤の一例を含む吸収層においてNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算例を示す図である。 別の近赤外吸収剤を含む吸収層においてNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算例を示す図である。 さらに別の近赤外吸収剤を含む吸収層においてNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算例を示す図である。 実施形態の光学フィルタの第1の反射層の分光透過率の計算結果を示すグラフである。 実施形態の光学フィルタの第2の反射層の分光透過率の計算結果を示すグラフである。 実施例1の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 実施例2の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 実施例3の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 比較例1の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 比較例2の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 比較例3の光学フィルタの分光透過率の計算結果を示すグラフである。 本発明の撮像装置の一例を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の光学フィルタ(以下、「本フィルタ」ともいう)は、近赤外吸収剤を含み上記(i−1)〜(i−3)の要件を満たす吸収層および反射層を有し、該反射層は上記(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす誘電体多層膜からなる。
吸収層は、本フィルタの中に1層有してもよく、2層以上有してもよい。2層以上有する場合、各層は同じ構成であっても異なってもよい。例として、一方の層を、後述する近赤外吸収剤と透明樹脂を含む近赤外吸収層とし、もう一方の層を、後述する近紫外吸収剤と透明樹脂を含む近紫外吸収層としてもよい。また、吸収層は、それ自体が基板(樹脂基板)として機能するものでもよい。本明細書において、近赤外吸収剤を「NIR吸収剤」、近紫外吸収剤を「UV吸収剤」、とそれぞれ略記することもある。
反射層は、吸収層と同様、1層有してもよく、2層以上有してもよい。2層以上有する場合、各反射層は同じ構成であっても異なってもよいが、通常、反射帯域の異なる複数の反射層で構成される。これら各反射層を構成する各誘電体多層膜中の各膜の光学膜厚の平均値は、反射帯域に応じて異なる。例として、一方を、波長720〜1150nmの近赤外域のうち短波長帯の光を遮蔽する近赤外反射層とし、もう一方を、該近赤外域の長波長帯および近紫外域の両領域の光を遮蔽する近赤外・近紫外反射層としてもよい。
本フィルタは、透明基板をさらに有してもよい。この場合、本フィルタは、上記吸収層と上記反射層を、透明基板の同一主面上に有してもよく、異なる主面上に有してもよい。吸収層と反射層を同一主面上に有する場合、これらの積層順は特に限定されない。
本フィルタは、また他の機能層を有してもよい。他の機能層としては、例えば可視光の透過率損失を抑制する反射防止層が挙げられる。特に、吸収層が最表面の構成をとる場合には、吸収層と空気との界面で反射による可視光透過率損失が発生するため、吸収層上に反射防止層を設けるとよい。
次に、図面を用いて本フィルタの構成例について説明する。図1Aは、吸収層11の両主面上にそれぞれ第1の反射層12aおよび第2の反射層12bを備えた光学フィルタ10の構成例である。図1Bは、吸収層11の一方の主面上に第1の反射層12aおよび第2の反射層12bを備えた光学フィルタ20の構成例である。
なお、「吸収層11の一方の主面上に、第1の反射層12a等の他の層を備える」とは、吸収層11に接触して他の層が備わる場合に限らず、吸収層11と他の層との間に、別の機能層が備わっている場合も含むものとする。以下の構成も同様である。ここで、光学フィルタ10、光学フィルタ20における吸収層11は、この場合、後述するような透明基板としての機能を併せ持ってもよい。
図1Cは、透明基板13の一方の主面上に第1の反射層12aを備え、透明基板13の他方の主面上に吸収層11および第2の反射層12bを備えた光学フィルタ30の構成例である。図1Dは、透明基板13の一方の主面上に第1の反射層12aおよび第2の反射層12bを備え、透明基板13の他方の主面上に吸収層11および反射防止層14を備えた光学フィルタ40の構成例である。図1Eは、透明基板13の両主面上にそれぞれ第1の反射層12aおよび第2の反射層12bを備え、第2の反射層12b上に吸収層11および反射防止層14を順に備えた光学フィルタ50の構成例である。
図1A〜図1Eは、いずれも2種類の異なる反射層が設けられている例である。前述のように、第1の反射層12aが上述した近赤外域の長波長帯および近紫外域の光を遮蔽する近赤外・近紫外反射層で、第2の反射層12bが上述した近赤外域の短波長帯の光を遮蔽する近赤外反射層でもよい。第1の反射層12aと第2の反射層12bの位置は特に限定されない。
本フィルタは、下記(1)〜(3)の要件の少なくとも1つを満たすとよく、少なくとも2つを満たすと好ましい。下記(1)〜(3)の要件すべてを満たすとより好ましい。
(1)波長420〜600nmにおける入射角0°の光および入射角30°の光の平均透過率が90%以上である。該平均透過率は92%以上がより好ましく、95%以上が特に好ましい。また、波長420〜600nmにおける入射角0°の光および入射角30°の光の透過率は、60%以上であればよく、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
(2)波長600nmにおける、入射角0°の光の透過率および入射角30°の光の透過率がいずれも80%以上である。該透過率は85%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましい。
(3)波長600nm以上において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、5nm以下である。該波長差の絶対値は4nm以下がより好ましく、2nm以下が特に好ましい
本フィルタは、好ましくは、(4)波長650〜720nmの光における10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率の差の絶対値の平均値△Tが10%以下である。
波長λで入射角θの光に対する光学フィルタの透過率をT(λ、θ)と記すと、波長λで入射角0°と30°の透過率差の絶対値△t(λ)は|T(λ、0°)−T(λ、30°)|で示される。すなわち、△Tは以下の計算式で示される。
△T={△t(650)+△t(660)+△t(670)+△t(680)+△t(690)+△t(700)+△t(710)+△t(720)}/8
△Tは、波長650〜720nmの光において入射角0°の分光透過率曲線と入射角30°の分光透過率曲線で囲まれた領域の面積に比例する。△Tが11%以下であると可視域から近赤外域に遷移する遷移波長領域の光に対する入射角0°と入射角30°の波長シフト量が少ないと言える。△Tはより好ましくは9%以下である。
本フィルタは、さらに、下記要件(5)および(6)の少なくとも1つを満たすとよく、2つを満たすとより好ましい。
(5)入射角0°の分光透過率曲線において、波長350〜390nmの光の平均透過率が5%以下である。該平均透過率は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
(6)入射角0°〜30°の分光透過率曲線において、波長720〜1150nmの光の平均透過率が5%以下である。該平均透過率は、好ましくは3%以下、より好ましくは1%以下である。
また、入射角0°の分光透過率曲線における、波長350〜390nmの光の透過率は、15%以下であればよく、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。さらに、入射角0°〜30°の分光透過率曲線における、波長720〜1150nmの光の透過率は、15%以下であればよく、10%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
次に、吸収層、反射層、透明基板および反射防止層について説明する。
<吸収層>
吸収層は、NIR吸収剤を含み、(i−1)〜(i−3)の要件を満たす。
(i−1)波長420〜1150nmの分光透過率曲線において、波長660〜750nmに吸収極大波長λ(DA_Tmin)を有する。
(i−2)前記波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10〜40%の範囲内である。
(i−3)波長600nmの光の透過率が80%以上であり、波長650nmの光の透過率が55%以上である。
吸収層は、NIR吸収剤と、透明樹脂とを含み、典型的には、透明樹脂中にNIR吸収剤が均一に溶解または分散した層である。なお、吸収層は、NIR吸収剤以外の吸収剤、例えば、UV吸収剤を含有してもよい。
NIR吸収剤を含む吸収層の光学的性質は、屈折率nと消衰係数κを用いた複素屈折率n−iκ(ただし、iは虚数単位である。)で表され、該NIR吸収剤の消衰係数κの波長(λ)依存性に応じた光吸収にともない分光透過率が変化する。なお、本明細書における屈折率とは、波長589nmの光に対する屈折率を意味する。NIR吸収剤が透明樹脂中の厚さ方向に吸収剤濃度Cで均一に分散された吸収層の厚さをLとすると、吸収層の分光透過率T(λ)は、T(λ)=exp(−4πκL/λ)で示される。
ここで、α=4πκ/λは吸収係数であり、常用対数を用いて表記する場合はT(λ)=10−βLとなり、吸収係数βはαにlog10(e)=0.434を乗じた値に相当する。また、吸光度Aは−log10{T(λ)}=βLで示される。吸収係数αおよびβは、吸収層中の吸収剤濃度Cにより変化する。すなわち、吸収層の分光透過率は、吸収層中の吸収剤濃度Cおよび吸収層の厚さLにより調整でき、複数のNIR吸収剤を含む場合も同様である。
本実施形態においては、720〜1150nmの近赤外光を遮断し、440〜640nmの可視光が高透過率となるように、吸収層を設計することが望まれる。しかし、NIR吸収剤の消衰係数κは固有の波長依存性を示し、可視光に対して高透過率を維持するとともに、吸収によって広域の近赤外光を十分に遮断できない。
そこで、本発明においては、吸収層を、上記(i−1)〜(i−3)の要件を満たように設計する。
(i−1)は、吸収層における吸収極大波長λ(DA_Tmin)の規定であり、これは、吸収層に含まれるNIR吸収剤の吸収極大波長による。
すなわち、吸収層の設計においては、波長420〜1150nmの分光透過率曲線において、波長660〜750nmに吸収極大波長を有するNIR吸収剤を用い、可視光の高透過率化を優先する。この場合、波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10〜40%の範囲内であり、波長600nmの光の透過率が80%以上、波長650nmの光の透過率が55%以上となるよう、吸収層中のNIR吸収剤濃度Cと吸収層の厚さLを調整する。
なお、NIR吸収剤の分光透過率曲線は、例えば、NIR吸収剤をジクロロメタンに溶解した溶液を用いて測定できる。以下、波長660〜750nmに吸収極大波長を有するNIR吸収剤をNIR吸収剤(DA)という。吸収層は、少なくとも1種のNIR吸収剤(DA)を含有する。吸収層は2種類以上のNIR吸収剤(DA)を含有してもよく、NIR吸収剤(DA)以外の吸収剤を含有してもよい。
以下、吸収極大波長λ(DA_Tmin)における吸収層の透過率をTminと示す。また、波長Xnmにおける透過率をTと示す。例えば、波長600nmの透過率をT600と示す。Tminが10〜40%の範囲内であれば、近赤外域と可視域の境界付近の近赤外光を所期のレベルに遮蔽しながら、可視域全体、例えば440〜640nmの波長領域全体に亘る透過率を高く維持でき、(i−3)の要件を達成しやすい。Tminは20〜30%がより好ましい。
また、吸収層が(i−3)の要件を満たすことで、ともに用いる反射層の入射角依存性を抑制しやすくなる。上記吸収層の設計において、吸収層のT600は、好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。また、吸収層のT650は、好ましくは60%以上である。
NIR吸収剤(DA)を用いて、上記(i−2)および(i−3)の要件を満たす吸収層、すなわち、Tminが10〜40%の範囲であり、T600が80%以上、かつT650が55%以上の吸収層を設計するには、吸収層中のNIR吸収剤(DA)濃度Cと吸収層の厚さLを調整する。具体的には、NIR吸収剤(DA)濃度Cと吸収層の厚さLの積C×L(以下、「NIR吸収剤(DA)実効厚CL」とも記す。)を指標として設計する。
波長660〜750nmに吸収極大波長を有するNIR吸収剤(DA)は、通常、上記吸収極大波長の前後の特定の波長域に高い吸収を有し、可視域で吸収が小さく、さらに吸収極大波長より長波長側の領域で吸収が低下する。このような吸光特性のNIR吸収剤(DA)を含む吸収層は、NIR吸収剤(DA)実効厚CLを増やすと吸収極大波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が低下するとともに吸収波長帯域が拡大し、吸収極大波長近傍の遮光性が向上する。一方、440〜640nmの可視光の透過率の低下を招き、特に、視感度が比較的高い580〜660nm波長光の透過率の低下が顕著になりやすい。したがって、本フィルタの吸収層では、NIR吸収剤(DA)実効厚CLを減少させて、Tminを10〜40%の範囲にすることで、T600が80%以上、かつT650が55%以上の吸収特性を達成している。
そして、本フィルタでは、吸収層において、NIR吸収剤(DA)の吸収特性が可視光の透過率低下を抑えるようにNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整するため、吸収極大波長λ(DA_Tmin)近傍の吸収波長帯の透過光が発生しやすい。しかし、近赤外域の遮光性が不十分となる部分を、反射層の反射特性で補っている。すなわち、本フィルタは、(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす反射層、とくに、後述の第1の反射層と第2の反射層のような複数の反射層を備えることで、広い波長領域の入射光を遮断できる。
なお、吸収層は、吸収極大波長が異なる複数の吸収剤を用いて吸収波長領域を拡大する構成でもよい。ただし、吸収層が、複数のNIR吸収剤を含有し、可視域におけるNIR吸収剤固有の残留吸収を有すると、可視光の透過率を低下させる場合があるため、これらを考慮してNIR吸収剤を選択し、吸収層中の濃度および吸収層の厚さも考慮する。
NIR吸収剤(DA)としては、これを含有する吸収層が上記(i−1)〜(i−3)の要件を満たす限り、特に制限されない。NIR吸収剤(DA)としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ジチオール金属錯体系化合物、ジイモニウム系化合物、ポリメチン系化合物、フタリド化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、インドフェノール系化合物、スクアリリウム系化合物等が挙げられる。
本フィルタに好適なNIR吸収剤(DA)の具体例としては、KODAK社のIRDシリーズの05、22等、Epolin社のEpolightTMシリーズの6084、4037、QCR Solutions社のNIRシリーズのNIR728A、NIR720B(以上、商品名)等が挙げられる。
また、下記一般式(A1)で示されるスクアリリウム系化合物(以下、「スクアリリウム系化合物(A1)」ともいう。)も、本実施形態のNIR吸収剤(DA)として好適である。
Figure 2021140177
式(A1)中の記号は以下のとおりである。
Xは、独立して1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい下記式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
−(CHn1− …(1)
式(1)中n1は、2または3である。
−(CHn2−O−(CHn3− …(2)
式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
は、独立して飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
およびRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
は、独立して1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい、少なくとも1以上の分岐を有する炭素数5〜25の炭化水素基である。
スクアリリウム系化合物(A1)は、可視域と近赤外域との境界付近における傾斜が急峻であり、かつ近赤外光に対する遮蔽能も高い。そのため、吸収層は、該化合物を少量添加しても優れた吸収特性を有し、光学フィルタの薄型化および小型化が図れる。さらに、スクアリリウム系化合物(A1)は、耐熱性に優れるため、熱プロセス中の分光透過率の変化も抑制できる。
吸収層は、少なくともNIR吸収剤(DA)と透明樹脂を含有する。透明樹脂としては、種々の樹脂材料を使用できる。例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、エン・チオール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、およびポリエステル樹脂等が挙げられる。透明樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
吸収層を設計する際には、NIR吸収剤(DA)の吸収特性に応じて、(i−2)および(i−3)の要件を満たすように、NIR吸収剤(DA)と透明樹脂を含有する吸収層のNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整する。
NIR吸収剤(DA)実効厚CLによるが、透明樹脂100質量部に対する、NIR吸収剤(DA)の含有量は、0.01〜20質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がより一層好ましい。
吸収層の膜厚は、NIR吸収剤(DA)実効厚CLにより、使用する装置内の配置スペースや要求される吸収特性等に応じて適宜定められる。吸収層の膜厚は、0.1〜100μmが好ましい。
吸収層は、例えば、NIR吸収剤(DA)および透明樹脂または透明樹脂の原料成分を溶媒に分散し、溶解させて調製した塗工液を、基材上に塗工し、乾燥させたりして製造できる。基材は、透明基板でもよく、吸収層作製時のみに使用される剥離性の支持基材でもよい。なお、吸収層が任意成分を含む場合、塗工液が該任意成分を含有する。
NIR吸収剤(DA)と透明樹脂を用いて、吸収層のNIR吸収剤(DA)実効厚CLを(i−2)および(i−3)の要件を満たすように調整する具体例を、上に例示したNIR吸収剤(DA)を用いて説明する。
図2Aは、NIR吸収剤(DA)として吸収極大波長が700nmのスクアリリウム系化合物(A1)を含む吸収層について、吸収極大波長での透過率が40%、10%、1%、0.1%となるようにNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算結果である。
図2Aは、吸収極大波長λ(DA_Tmin)の透過率が0.1%以上となるNIR吸収剤(DA)実効厚CLであれば、T600≧80%かつT650≧55%を満たすことを示す。しかし、480nm以下の可視域に残留する吸収の影響で該波長の光の透過率が低下する。すなわち、吸収極大波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10%以上40%以下となるNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整することにより、近赤外域と可視域の境界付近の近赤外光を所期のレベルに遮蔽しつつ、可視域全体、例えば440〜640nmの波長域全体に亘る光の透過率を高く維持できる。具体的には、吸収層のT600、T650および420〜480nmの可視短波長域の光の透過率が所期のレベルに担保される。
図2Bは、NIR吸収剤(DA)として吸収極大波長が695nmのEpolin社のフタロシアニン色素Epolight6084を含む吸収層について、吸収極大波長での透過率が40%、10%、1%となるようにNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算結果である。
図2Bは、吸収極大波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が略15%以上40%以下となるNIR吸収剤(DA)実効厚CLであれば、近赤外域と可視域の境界付近の近赤外光を所期のレベルに遮蔽しつつ、T600≧80%かつT650≧55%を満たすことを示す。また、410〜480nmの可視域の短波長帯の光でも80%以上の透過率を維持する。
図2Cは、NIR吸収剤(DA)として吸収極大波長が728nmのQCR solution社のNIR728Aを含む吸収層について、吸収極大波長での透過率が40%、10%、1%となるようにNIR吸収剤(DA)実効厚CLを調整したときの分光透過率の計算結果である。
図2Cは、吸収極大波長λ(DA_Tmin)の透過率が略15%以上40%以下となるNIR吸収剤(DA)実効厚CLであれば、近赤外域と可視域の境界付近の近赤外光を所期のレベルに遮蔽しつつ、T600≧80%かつT650≧55%を満たすことを示す。また、波長400〜600nmの可視光でも85%以上の透過率を維持する。
ここで、本フィルタが固体撮像素子とともに用いられる場合、固体撮像素子は、人間の眼に感度がない波長350〜390nmの近紫外光にも感度を有するため、本フィルタを透過した近紫外光は固体撮像素子で検知され、高精度な色再現性の妨げになる場合がある。したがって、本フィルタの吸収層は、波長350〜390nmの近紫外光を遮断し、波長420nm以上の可視光に対して高透過率となるように、波長350〜600nmの分光透過率曲線において、波長370〜405nmに吸収極大波長を有するUV吸収剤(以下、UV吸収剤(DU)ともいう。)を含むことが好ましい。なお、UV吸収剤の分光透過率曲線は、例えば、UV吸収剤をジクロロメタンに溶解した溶液を用いて測定できる。
本フィルタに好適なUV吸収剤(DU)の具体例としては、H.W.Sands社のSDA3382およびMSA3144、QCR Solutions社のUV386AおよびUV386BやUV386A、Chiba社のTINUVIN479(以上、商品名)、メロシアニン系色素、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、無機系紫外線吸収剤等が挙げられる。
これらはいずれも、前述した分光透過率曲線において、波長370〜405nmに吸収極大波長を有するとともに、440〜640nmの可視域の光吸収がほとんどなく、かつ390〜420nmの波長領域で比較的急峻な透過率変化が得られることから、UV吸収剤(DU)として好適である。
また、本フィルタは、NIR吸収剤(DA)の吸収極大波長より長波長側で、例えば、波長750nm超1000nm以下に吸収極大波長を有し、可視光の吸収が少ないNIR吸収剤(以下、NIR吸収剤(DB)ともいう。)を併せて用いてもよい。なお、NIR吸収剤(DB)は、吸収層に含有させたときに可視光に吸収が残留する場合、少なくとも波長450〜550nmの光の透過率が90%以上となるようにNIR吸収剤(DB)の実効厚比CLを調整できることが前提となる。
例えば、NIR吸収剤(DB)としては、KODAK社のIRDシリーズの04、79等、Epolin社のEpolightTMシリーズの5547、5588等、QCR Solutions社のNIRシリーズの907B、910C等、H.W.Sands社のSDA8630等、Exciton社のNP800、IRA868(以上、商品名)等が挙げられる。
吸収層中の吸収剤の全量に対するNIR吸収剤(DB)およびUV吸収剤(DU)の割合は、NIR吸収剤(DA)との合計で3〜100質量%が好ましい。また、透明樹脂100質量部に対し、NIR吸収剤(DB)およびUV吸収剤(DU)は、NIR吸収剤(DA)との合計で0.01〜20質量部が好ましく、0.05〜15質量部がより好ましく、1〜10質量部がより一層好ましい。
なお、本フィルタが備える吸収層は、(i−1)〜(i−3)の要件を満たすように設計されるが、上記吸収層のみでは、波長λ(DA_Tmin)を含む近赤外域の遮光性が不十分となる。さらに、上記吸収層のみでは、固体撮像素子が感度を有する波長350〜1150nmの光のうち、波長350〜390nmの近紫外光、および波長λ(DA_Tmin)より長波長側の近赤外光の遮光が不十分である。
<反射層>
上記のように、吸収層のみで不十分な遮光性を改善するため、本フィルタは、以下の(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす反射層を併用する。反射層は、可視光を透過し、近紫外光および近赤外光の遮光性を向上させる機能を備えるので、本フィルタを備えた撮像装置では、固体撮像素子が可視光のみ有効に検知できる。
(ii−1)波長720〜1150nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が5%以下となる反射帯を有する。
(ii−2)波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が50%となる波長をλ(0°_T50%)とすると、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)である。(ただし、λSh(DA_T50%)は、波長650nm〜λ(DA_Tmin)の光において吸収層の透過率が50%となる波長であり、λLo(DA_T50%)は、波長λ(DA_Tmin)〜1150nmにおいて吸収層の透過率が50%となる波長である。)
(ii−3)波長680〜750nmにおいて、入射角30°の光に対する透過率が50%となる波長をλ(30°_T50%)とすると、前記λ(0°_T50%)とλ(30°_T50%)との差δλSh(T50%)は、0nm<δλSh(T50%)≦25nmである。
本フィルタは、吸収層と併用して用いる反射層が(ii−1)〜(ii−3)の条件を満たすことにより、入射角0°〜30°における、波長680〜750nmの光に対する透過率変化は僅かで、波長720〜1150nmの近赤外光に対して安定した遮光性が得られる。以下、「反射層」は「誘電体多層膜からなる反射層」を意味する。
反射層は(ii−1)の要件を満たすことで、吸収層のみでは十分に遮断できない近赤外光の遮光性を改善する。反射層において、波長720〜1150nmで入射角0°の光に対する透過率が15%以下となる反射帯の幅は、300nm以上が好ましく、350nm以上がより好ましい。反射層は、波長700〜1150nmにおいて、入射角0°の光に対する平均透過率が、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下がさらに好ましい。
反射層は(ii−2)の要件を満たすことで、吸収層の吸収極大波長λ(DA_Tmin)付近で生じる光漏れの遮光性が改善する。(ii−2)の要件は、吸収層の吸収極大波長λ(DA_Tmin)を含む透過率50%以下の波長域λSh(DA_T50%)〜λLo(DA_T50%)の波長幅が20nmより広くなるように実効厚CLが調整されたNIR吸収剤(DA)に対し、反射層の入射角0°の光に対する透過率が50%となる透過可視波長帯から反射近赤外波長帯の遷移領域の波長λ(0°_T50%)を規定する。その結果、入射角が例えば30°まで増加して反射層の波長λ(30°_T50%)が波長λ(0°_T50%)より短波長側にシフトしても、波長λ(DA_Tmin)付近の遮光性が維持できる。
(ii−2)では、反射層の透過率が50%となる波長λ(0°_T50%)を用いたが、高い遮光性を得るためには透過率が20%となる波長λ(0°_T20%)を用いるのがより好ましく、10%となる波長λ(0°_T10%)がさらに好ましい。すなわち、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T20%)<λLo(DA_T50%)がより好ましく、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T10%)<λLo(DA_T50%)がさらに好ましい。
反射層が(ii−3)の要件を満たすことで、反射層において入射角の増加にともない分光透過率曲線の反射帯が短波長側にシフトする入射角依存性が小さくなる。δλSh(T50%)は、25nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、15nm以下がさらに好ましい。
本フィルタにおける反射層は、(ii−3)の要件を満たすことで、入射角依存性や偏光依存性が十分に小さく、(ii−1)、(ii−2)の要件と合せることで、可視光の分光透過率曲線を維持し、不要な近紫外光および近赤外光の高い遮光性を示す。
反射層の入射角依存性に関し、以下の(ii−4)を満たすことが好ましい。
(ii−4)波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光の透過率が20%となる波長をλ(0°_T20%)とし、入射角30°の光の透過率が20%となる波長をλ(30°_T20%)とすると、λ(0°_T20%)とλ(30°_T20%)との差δλSh(T20%)は、0nm<δλSh(T20%)≦22nmである。
δλSh(T20%)は、20nm以下が好ましく、15nm以下がより好ましい。
反射層は、近赤外域の特定の波長λの光に対し光学膜厚がλ/4となるような誘電体多層膜の構成にすると、λ近傍だけでなくλ/3近傍にも反射帯が生成される。この反射層の特性により、一群の誘電体多層膜は、波長390nm以下の近紫外光および波長720〜1150nmの近赤外光に対して安定した遮光性が得られる。
誘電体多層膜の材料は、可視光透過率が高く、高屈折率の誘電体膜の屈折率と低屈折率の誘電体膜の屈折率を各々、n、nとしたとき(n−n)/(n+n)が大きいと、後述する所定の近赤外反射帯幅ΔλNIRの確保や高い反射率が得られやすい。
以下、高屈折率の誘電体膜は「高屈折率層」、低屈折率の誘電体膜は「低屈折率層」ともいう。各層の屈折率は、例えば、nを2以上とし、nを1.6以下とする。n≧2.15の高屈折率層は、TiO、Ta、Nb、ZnS、ZnSe等により構成できる。低屈折率層は、n=1.46のSiO以外にn≦1.38のNaAl14、NaAlF、MgF等により構成できる。また、誘電体多層膜中には、分光透過率曲線の調整、膜応力低減、密着性向上等の目的で、高屈折率層、低屈折率層以外に、中間屈折率を示す誘電体膜を含んでもよい。
誘電体多層膜は、高屈折率層と低屈折率層とからなる単位屈折率層が複数積層され、単位屈折率層の全層数が15以上とする。さらに、単位屈折率層における高屈折率層の光学膜厚をn、低屈折率層の光学膜厚をnとしたとき、誘電体多層膜におけるn/n≧3を満足する単位屈折率層の層数が10以上である構成が好ましい。以下該構成の誘電体多層膜を「誘電体多層膜A」という。
誘電体多層膜Aによれば、上記(ii−1)〜(ii−3)の要件、さらには(ii−4)の要件を容易に満たす。なお、誘電体多層膜Aにおいて、n/n≧5を満足する単位屈折率層の層数が15以上の構成がより好ましい。
誘電体多層膜Aにおける単位屈折率層の層数は80以下が好ましく、50以下がより好ましい。また、n/n≧3を満足する単位屈折率層の層数は60以下が好ましく、40以下がより好ましい。さらに、n/n≧5を満足する単位屈折率層の層数は50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
誘電体多層膜Aにおけるn/n≧3を満足する単位屈折率層全体におけるn/nの平均値は4〜12が好ましく、6〜10がより好ましい。誘電体多層膜Aにおける個々の単位屈折率層のn/nは、0.1〜20が好ましく、0.1〜13が好ましい。
誘電体多層膜Aにおける高屈折率層の光学膜厚nの平均値は、10〜500nmが好ましく、10〜400nmがより好ましい。誘電体多層膜Aにおける低屈折率層の光学膜厚nの平均値、100〜500nmが好ましく、200〜350nmがより好ましい。誘電体多層膜Aにおける個々の高屈折率層の光学膜厚nは、10〜400nmが好ましく、個々の低屈折率層の光学膜厚nは20〜200nmが好ましい。
また、反射層は、波長720〜1150nmの光に対して、高反射性を示す400nm程度の反射帯幅ΔλNIRを確保するため、最大反射波長λが異なる2種の誘電体多層膜を含む構成でもよい。具体的に、該構成の反射層は、近赤外域のうち、短波長側の反射帯用の第1の反射層と、長波長側の反射帯用の第2の反射層の2種(群)の誘電体多層膜を含む。本フィルタにおいて、反射層における(ii−1)〜(ii−4)の要件は、第1の反射層のみで満たす。ただし、本フィルタの反射層は、第1の反射層と第2の反射層を組み合わせて(ii−1)〜(ii−4)の要件を満たす構成でもよい。
図1A〜1Eに構成例を示す本フィルタは、いずれも第1の反射層12aと第2の反射層12bを有する。例えば、第1の反射層12aを、波長720〜1150nmの近赤外域の短波長側の光の反射帯用の反射層として、上記(ii−1)〜(ii−4)の要件を満たす誘電体多層膜Aで構成できる。第2の反射層12bは、波長720〜1150nmの近赤外域の長波長側の光および近紫外光の反射帯用の反射層として設計できる。
第2の反射層12bとしては、例えば、屈折率が2以上の高屈折率層と屈折率が1.6以下の低屈折率層とからなる単位屈折率層を複数積層した以下の誘電体多層膜(以下、「誘電体多層膜B」ともいう)が挙げられる。誘電体多層膜Bにおける単位屈折率層の全層数は、紫外線光および近赤外光を効果的に遮蔽する観点から、3以上が好ましく、4以上がより好ましい。また、誘電体多層膜Bにおける単位屈折率層の全層数は、生産性等との観点から、55以下が好ましく、50以下がより好ましい。
誘電体多層膜Bにおける単位屈折率層の全体のn/nの平均値は、0.7〜1.3が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。また、誘電体多層膜Bにおける個々の単位屈折率層のn/n値は、0.1〜5が好ましく、0.1〜3が好ましい。
誘電体多層膜Bにおける高屈折率層の光学膜厚nの平均値は、100〜300nmが好ましく、160〜260nmがより好ましい。また、誘電体多層膜Bにおける低屈折率層の光学膜厚nの平均値は、100〜300nmが好ましく、180〜280nmがより好ましい。
誘電体多層膜Bにおける個々の高屈折率層の光学膜厚nは、10〜350nmが好ましく、20〜300nmがより好ましい。誘電体多層膜Bにおける個々の低屈折率層の光学膜厚nについては、20〜400nmが好ましく、30〜350nmがより好ましい。
<透明基板>
本フィルタに透明基板を用いる場合、透明基板は、略400〜700nmの可視光を透過すれば、構成する材料は特に制限されず、近赤外光や近紫外光を吸収する材料でもよい。例えば、ガラスや結晶等の無機材料や、透明樹脂等の有機材料が挙げられる。また、透明基板の形状も特に限定されず、ブロック状、板状、フィルム状でもよく、それの厚さは、例えば、0.03〜5mmが好ましく、薄型化の観点からは、0.03〜0.5mmがより好ましい。また、透明基板は、光学フィルタとしての光学特性、機械特性等の長期にわたる信頼性に係る形状安定性の観点、フィルタ製造時のハンドリング性等から無機材料が好ましい。加工性の観点から、板厚0.05〜0.5mmのガラスが好ましい。
また、ガラスとしては、ガラス転移点以下の温度で、イオン交換により、ガラス板主面に存在するイオン半径が小さいアルカリ金属イオン(例えば、Liイオン、Naイオン)を、イオン半径のより大きいアルカリイオン(例えば、Liイオンに対してはNaイオンまたはKイオンであり、Naイオンに対してはKイオンである。)に交換して得られる化学強化ガラスを使用してもよい。
透明基板として使用できる透明樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
透明基板に使用できるガラスとしては、フツリン酸塩系ガラスやリン酸塩系ガラス等にCuO等を添加した吸収型のガラス(近赤外線吸収ガラス)、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。なお、「リン酸塩系ガラス」は、ガラスの骨格の一部がSiOで構成されるケイリン酸塩ガラスも含む。本フィルタは、透明基板が近赤外線吸収ガラスの場合、透明基板を吸収層としてもよい。
また、透明基板に使用できる結晶材料としては、水晶、ニオブ酸リチウム、サファイア等の複屈折性結晶が挙げられる。透明基板の光学特性は、上記吸収層、反射層等と積層して得られる光学フィルタとして、前述した光学特性を有するとよい。
<反射防止層>
反射防止層は、吸収層の表面に形成される場合、空気と、吸収層との界面で屈折率差に応じて生じる4%程度のフレネル反射損失を、略400〜700nm可視域全域における入射角0°〜30°の入射光に対し、略1.5%以下の反射率に低減する機能が得られる構成が好ましい。
反射防止層は、透明基板の一方の面が空気と接する光学フィルタの構成でも、透明基板と空気との間に備えられるとよく、誘電体材料を用い、薄膜の光干渉を利用できる。特に、略400〜700nmの可視域全域で有効な反射防止効果を得るためには、例えば、屈折率の異なる誘電体膜を3〜9層で総膜厚が200〜400nm程度となるように積層すればよい。誘電体多層膜からなる反射防止層を吸収層の表面に直接形成する場合、吸収層の透明樹脂の劣化を抑制するため、低膜応力となる成膜条件および総膜厚を薄くする設計が好ましい。なお、反射防止層は、誘電体多層膜からなる構成に限らず、モスアイ構造と呼ばれる反射防止構造でもよい。さらに、SiOやMgFを、ナノサイズの微細粒子で粗な構造を形成可能なゾル−ゲル法等の成膜法によりさらに屈折率を低下させ、屈折率nが1.2〜1.3の誘電体膜としてもよい。
本フィルタは、好ましくは、上記(1)〜(3)の特性を有し、さらに上記(4)〜(6)の特性を有する。その結果、本フィルタは、分光透過率の入射角依存性を低減し、紫外光および近赤外波長光を遮断するとともに可視光の透過率を向上できる。
本フィルタは、デジタルスチルカメラ等の撮像装置に使用できる。また、本フィルタは、例えば、撮像レンズと固体撮像素子との間に配置されたり、撮像装置の固体撮像素子、撮像レンズ等に粘着剤層を介して直接貼着されたりして使用できる。
以下に図7を参照しながら、本フィルタを撮像レンズと固体撮像素子との間に配置して用いた本発明の撮像装置の一例を説明する。
図7は、上記光学フィルタ30を用いた撮像装置を例示する断面図である。この撮像装置100は、固体撮像素子21と、その前面に以下の順に、光学フィルタ30と、撮像レンズ23を有し、さらにこれらを固定する筐体24とを有する。固体撮像素子21は図示されないが光入射側の画素毎にRGBカラーフィルタを備える。
撮像レンズ23は、筐体24の内側にさらに設けられたレンズユニット22により固定されている。光学フィルタ30は固体撮像素子21側に第2の反射層12bが、撮像レンズ23側に第1の反射層12aが位置するように配置されている。固体撮像素子21と、撮像レンズ23とは、光軸Xに沿って配置されている。このようにNIRフィルタを装置に設置する際の方向については、設計に応じて適宜選択される。
[実施例1]
図1Cに示す光学フィルタ30を製造する。
屈折率1.52で厚さ200μmのホウケイ酸ガラスD263Teco(ショット社)からなる透明基板13の片面に、NIR吸収剤(DA)としてスクアリリウム系化合物(A1)と、UV吸収剤(DU)としてSDA3382とを含む吸収層11を形成する。なお、本例で用いたスクアリリウム系化合物(A1)は、図2Aの特性を示すスクアリリウム系化合物(A1)を用いる。
まず、スクアリリウム系化合物(A1)およびSDA3382と、屈折率1.49のアクリル樹脂の15質量%シク口ヘキサノン溶液とを、スクアリリウム系化合物(A1)およびSDA3382がアクリル樹脂100質量部に対して合計で0.01〜20質量部となる範囲で調整して混合した後、室温にて撹拌・溶解することで塗工液を得る。得られた塗工液を、透明基板13の表面にダイコート法により塗布し、150℃で30分間加熱乾燥させ膜厚10μmの吸収層11を形成する。
ここで、吸収層11の波長λ(DU_Tmin)≒385nmの光における透過率は略14%、波長λ(DA_Tmin)≒700nmの光における透過率は略31%で、波長域410〜650nmの光の透過率(空気界面の反射をゼロと仮定)が90%以上である。すなわち、吸収層11は、(i−1)〜(i−3)の要件を満たしている。
次に、表1に示した第1の反射層12aと、表2に示した第2の反射層12bを、透明基板13および吸収層11の表面に形成する。なお、表1、表2において、光学膜厚(λ)は、nまたはnを示し、λを単位とし、表1ではλ=700nm、表2ではλ=950nmである。これにより、吸収層11が十分に遮断できない波長720〜1150nmの近赤外光を、第1の反射層12aと第2の反射層12bの反射帯により遮光する。なお、第1の反射層12aの反射帯を、(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす反射層とする。
Figure 2021140177
Figure 2021140177
本例の第1の反射層12aは、(設計A)〜(設計D)の順に仕様を決定した。
まず、入射角/偏光依存性によるシフト量を低減するため、設計波長λ=700nmでn=2.37のTiOとn=1.46のSiOとが交互に積層された多層膜構成を前提に、隣り合うTiO/SiO単位屈折率層の光学膜厚の和(n+n)をλ/2に、光学膜厚比(n/n)を6.0に設定した(設計A)。
次に、入射角0°時の波長710〜820nmの光に対し、透過率50%以下の反射帯が生じるとともに、波長730〜800nmの光において透過率が5%以下となる反射帯、好ましくは、透過率が1%以下となる反射帯幅の確保や遷移波長領域の透過率変化の急峻性を考慮して、32層構成とした(設計B)。なお、透明基板13の屈折率を1.52、吸収層11の屈折率を略1.49とした。
次に、可視光のリップルを低減するため、隣り合う16対(32層)のTiOとSiOからなる単位屈折率層の光学膜厚の和(n+n)を、λ/2から略±10%程度ずらした構成とした(設計C)。さらに、空気と該32層の界面および透明基板との界面に、TiOとSiOの2層を、該32層の略中間層部分に交互に8層のTiOとSiOを、それぞれ追加し、合計44層の構成とし、所期の分光反射率を得るように各層の膜厚を最適化した(設計D=表1)。その結果、n/nが3以上の隣り合う16対のn/nが、6.7〜11.8(平均値=9.4)で分布した。また、第1の反射層(44層)の平均屈折率(多層膜全体の光学膜厚/物理膜厚)は2.15であった。
本例の第2の反射層12bは、(設計A’)〜(設計C’)の順に仕様を決定した。
まず、波長750〜1150nmにおいて反射帯が生じるよう、設計波長λ=950nmに対し、TiOとSiOを交互積層し、に光学膜厚nおよびnが略λ/4となる34層構成とした(設計A’)。
次に、反射帯の拡張と可視光のリップル低減のため、TiOとSiOの34層各層の光学膜厚をλ/4からずらした構成とした(設計B’)。さらに、波長420〜740nmにおける可視光のリップル低減効果および反射防止効果を得るため、λ/4より薄い光学膜厚で、空気と該34層との界面にSiOを、透明基板と該34層との界面にSiOとTiOの2層を、該34層の略中間層部分にSiOを、それぞれ追加し、合計38層とした(設計C’=表2)。
次に、第1の反射層2a、第2の反射層2bを含む反射層の分光透過率の計算結果を示す。本フィルタの第1、第2の反射層は、本フィルタにおけるそれらの配置による、入射光の可干渉長や膜応力を考慮して仕様を決定する。
図1Cの光学フィルタ30において吸収層11のない、透明基板13を挟むように第1の反射層12aと第2の反射層12bを配して含む反射層の分光透過率曲線(入射角0°、入射角30°)の計算結果を図3に示す。
該設計の反射層は、入射角0°〜30°における各透過率が、波長350〜399nmおよび波長710〜1200nmの光で50%以下、波長350〜396nmおよび波長717〜1168nmの光で15%以下、波長350〜396nmおよび波長719〜1164nmの光で10%以下、波長350〜395nmおよび波長724〜1158nmの光で5%以下、波長740〜1046nmの光で1%以下となる反射帯を有する。さらに、該反射層は、波長420〜670nmの光に対する平均透過率が98%以上、波長720〜1150nmの光に対する平均透過率が0.5%以下を示す。
また、本設計例の反射層では、波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が50%となる波長はλ(0°_T50%)=710nmとなり、λSh(DA_T50%)=688nm、λLo(DA_T50%)=715nmであるため、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)を満たす。(ただし、λSh(DA_T50%)は、波長650nm〜λ(DA_Tmin)において吸収層の透過率が50%となる波長であり、λLo(DA_T50%)は、波長λ(DA_Tmin)〜1150nmにおいて吸収層の透過率が50%となる波長である。)
ここで、本設計例の反射層において、近赤外反射帯の短波長側の光で透過率50%となるλ(0°_T50%)=710nmとλ(30°_T50%)≒690nmは第1の反射層の分光透過率により決定される。すなわち、図3に示すように、入射角0°と30°での透過率50%のシフト量は略20nmである。なお、第2の反射層の入射角0°と30°に対し透過率50%となるλ(0°_T50%)〜λ(30°_T50%)は、第1の反射層の反射帯にあるため、反射層の分光透過率曲線には殆ど影響しない。
このようにして作製された光学フィルタ30の入射角0°と30°における分光透過率曲線を図5Aに示す。実施例1で得られた光学フィルタ30においては、波長410〜665nmの光において80%以上の透過率を示し、透過率が50%以下の650〜720nm波長域で生じる分光透過率の入射角依存性は、最大30%未満に留まる。
実施例1で得られた光学フィルタ30においては、波長420〜600nmの光における入射角0°および入射角30°の平均透過率がいずれも略97%と90%以上である。そして、波長600nmにおける、入射角0°の光の透過率および入射角30°の光の透過率がいずれも略98%と80%以上であり、波長600nm以上において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、略3nmと5nm以下である。また、波長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは、略9%である。このように、本例は、上記(1)〜(4)を満たす。
[実施例2]
実施例2は、実施例1において、NIR吸収剤(DA)としてEpolin社のEpolightTM6084を用い、他の構成は同じとした図1Cに示す光学フィルタ30を製造する。ここで、波長λ(DA_Tmin)≒695nmの光の透過率は略23%で、波長域410〜610nmの光の透過率(空気界面の反射をゼロと仮定)が80%以上、波長域400〜670nmの光の透過率が50%以上、波長650nmの光の透過率は略64%と55%以上である。すなわち、吸収層11は、(i−1)〜(i−3)の要件を満たしている。
次に、表1に示した第1の反射層12aと、表2に示した第2の反射層12bを、透明基板13および吸収層11の表面に形成する。
なお、本設計例の反射層では、波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が50%となる波長をλ(0°_T50%)とすると、λ(0°_T50%)が略10nm短波長側にシフトして700nmとなるように多層膜の膜厚を調整している。具体的には、誘電体多層膜の各層の光学膜厚に0.986(=700/710)を乗じた光学膜厚に調整した。
ここで、λSh(DA_T50%)=670nm、λLo(DA_T50%)=717nmであるため、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)を満たす。
このようにして作製された光学フィルタ30の入射角0°と30°における分光透過率曲線を図5Bに示す。図5Bより、波長410〜610nmの光で80%以上、波長域410〜670nmの光で50%以上の透過率を示し、透過率が50%以下の、波長670〜720nmの光で生じる分光透過率の入射角依存性は、最大22%未満に留まる。
実施例2で得られた光学フィルタ30においては、波長420〜600nmの光における入射角0°および入射角30°の平均透過率がいずれも略96%と90%以上である。そして、波長600nmの光における、入射角0°の光の透過率および入射角30°の光の透過率がいずれも略86%と80%以上であり、波長600nm以上の光において、入射角0°の透過率が50%となる波長と、入射角30°の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、略1nmと5nm以下である。また、波長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは、略6%である。このように、本例は、上記(1)〜(4)を満たす。
[実施例3]
実施例3は、実施例1において、NIR吸収剤(DA)としてQCR社のNIR728Aを用い、他の構成は同じとした図1Cに示す光学フィルタ30を製造する。ここで、波長λ(DA_Tmin)≒730nmの光の透過率は略22%で、波長域410〜620nmの光の透過率(空気界面の反射をゼロと仮定)が80%以上、波長域400〜670nmの光の透過率が50%以上、波長650nmの光の透過率は略64%で55%以上である。すなわち、吸収層11は、(i−1)〜(i−3)の要件を満たしている。
次に、表1に示した第1の反射層12aと、表2に示した第2の反射層12bを、透明基板13および吸収層11の表面に形成する。なお、実施例2と同様に、λ(0°_T50%)が略10nm短波長側にシフトして700nmとなるように多層膜の膜厚を調整している。
本設計例の反射層は、波長λ(0°_T50%)=700nmとなる。また、λSh(DA_T50%)=670nm、λLo(DA_T50%)=775nmであるため、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)を満たす。
このようにして作製された光学フィルタ30の入射角0°と30°における分光透過率曲線を図5Cに示す。図5Cより、波長410〜620nmの光の透過率が80%以上、波長域400〜670nmの光の透過率が50%以上を示し、透過率が50%以下の650〜720nmの光で生じる分光透過率の入射角依存性は、最大34%未満に留まる。
実施例3で得られた光学フィルタ30においては、波長420〜600nmの光における入射角0°および入射角30°の平均透過率がいずれも略94%と90%以上である。そして、波長600nmの光における、入射角0°の透過率および入射角30°の透過率がいずれも略88%と80%以上である。そして、波長600nm以上の光において、入射角0°の透過率が50%となる波長と、入射角30°の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、略1nmと5nm以下である。また、波長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは、略9%である。このように、本例は、上記(1)〜(4)を満たす。
[比較例]
実施例1〜3の第1の反射層12aに代えて、入射角0°の波長718〜996nmの近赤外光に対して透過率5%以下の反射帯を有する(波長870nmで平均が1/4光学膜厚相当の誘電体多層膜からなる)第1の反射層12cとする。そして、第2の反射層12bに代えて、入射角0°の波長350〜388nmの紫外域および波長862nm〜1150nmの近赤外域に反射帯を有する(波長1014nmで平均が1/4光学膜厚相当の誘電体多層膜からなる)第2の反射層12dとする。
なお、第1の反射層12cおよび第2の反射層12dの設計手順は、従来の反射型フィルタ−の設計である実施例の第2の反射層12bと同様だが、実施例の第1の反射層12aとは異なる。図1Cの光学フィルタ30において吸収層11のない、透明基板13を挟むように第1の反射層12cと第2の反射層12dを配して含む反射層の分光透過率曲線(入射角0°、入射角30°)の計算結果を図4に示す。比較例では、実施例に用いた反射層では、可視域から近赤外域に遷移する遷移波長領域で入射角0°と入射角30°の波長シフト量、すなわち、近赤外反射帯の短波長側で透過率50%となるλ(0°_T50%)とλ(30°_Ts50%))の差は略20nmだが、比較例に用いる反射層では略28nmと拡大する。
[比較例1]
反射層を第1の反射層12cおよび第2の反射層12dに変更した以外は実施例1と同じ構成の光学フィルタとする。そして、分光透過率曲線(入射角0°、入射角30°)の計算結果を図6Aに示す。波長650〜720nmの遷移波長領域で入射角0°と30°の光の透過率変化量(波長と透過率で囲まれた分光透過率曲線相違面積に相当)が拡大し、入射角依存性が劣る。
比較例1で得られた光学フィルタ30においては、波長600nm以上の光において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、略13nmである。また、長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは略17%と実施例に比べ大きな変化量となる。このように、本例は、上記(3)、(4)を満たさない。
[比較例2]
比較例1に用いた第1の反射層12cおよび第2の反射層12dからなる反射層において、λ(0°_T50%)が略10nm短波長側にシフトして696nmとなるように多層膜の膜厚を調整する。具体的には、誘電体多層膜の各層の光学膜厚に0.986(=696/706)を乗じた光学膜厚に調整した。それ以外は実施例2と同じ構成の光学フィルタとする。そして、分光透過率曲線(入射角0°、入射角30°)の計算結果を図6Bに示す。波長650〜720nmの遷移波長領域で入射角0°と30°の光の透過率変化量(上記比較例1に記載の面積に相当)が拡大し、入射角依存性が劣る。
比較例2で得られた光学フィルタ30においては、波長600nm以上の光において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、略13nmである。また、波長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは略13%となり、実施例に比べ大きな変化量である。このように、本例も、上記(3)、(4)を満たさない。
[比較例3]
比較例2と同じ反射層を用いた以外は実施例3と同じ構成の光学フィルタとする。そして、分光透過率曲線(入射角0°、入射角30°)の計算結果を図6Cに示す。波長650〜720nmの遷移波長領域で入射角0°と30°の光の透過率変化量(上記比較例1に記載の面積に相当)が拡大し、入射角依存性が劣る。
比較例3で得られた光学フィルタ30においては、波長600nm以上において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、14nmである。また、波長650〜720nmにおける10nm波長毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率差の絶対値の平均値△Tは略16%となり、実施例に比べ大きな変化量である。このように、本例も、上記(3)、(4)を満たさない。
本発明の光学フィルタは、固体撮像素子(CCD、CMOS等)を用いたデジタルスチルカメラ等の撮像装置に用いられる光学フィルタとして有用である。
10,20,30,40,50…光学フィルタ、11…吸収層、12a…第1の反射層、12b…第2の反射層、13…透明基板、14…反射防止層、21…固体撮像素子、22…レンズユニット、23…撮像レンズ、24…筐体、100…撮像装置。

Claims (16)

  1. 近赤外吸収剤を含み下記(i−1)〜(i−4)の要件を満たす吸収層と、下記(ii−1)〜(ii−3)の要件を満たす誘電体多層膜からなる反射層と、を有する光学フィルタであって、
    前記近赤外吸収剤が下記式(A1)で示されるスクアリリウム系化合物を含む、光学フィルタ。
    (i−1)波長420〜1150nmの分光透過率曲線において、波長660〜750nmに吸収極大波長λ(DA_Tmin)を有する。
    (i−2)前記波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10〜40%の範囲内である。
    (i−3)波長600nmの光の透過率が80%以上であり、波長650nmの光の透過率が55%以上である。
    (ii−1)波長720〜1150nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が5%以下となる反射帯を有する。
    (ii−2)波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光に対する透過率が50%となる波長をλ(0°_T50%)とすると、λSh(DA_T50%)+20nm≦λ(0°_T50%)<λLo(DA_T50%)である。(ただし、λSh(DA_T50%)は、波長650nm〜λ(DA_Tmin)において吸収層の透過率が50%となる波長であり、λLo(DA_T50%)は、波長λ(DA_Tmin)〜1150nmにおいて吸収層の透過率が50%となる波長である。)
    (ii−3)波長680〜750nmにおいて、入射角30°の光の透過率が50%となる波長をλ(30°_T50%)とすると、前記λ(0°_T50%)とλ(30°_T50%)との差δλSh(T50%)は、0nm<δλSh(T50%)≦25nmである。
    (i−4)吸収極大波長λ(DA_Tmin)の光の透過率が10%のときの分光透過率曲線において、
    λLo(DA_T50%)−λSh(DA_T50%)≦50nmである。
    Figure 2021140177
    〔式(A1)中の記号は以下のとおりである。
    Xは、独立して1つ以上の水素原子が炭素数1〜12のアルキル基またはアルコキシ基で置換されていてもよい下記式(1)または式(2)で示される2価の有機基である。
    −(CHn1− …(1)
    式(1)中n1は、2または3である。
    −(CHn2−O−(CHn3− …(2)
    式(2)中、n2とn3はそれぞれ独立して0〜2の整数であり、n2+n3は1または2である。
    は、独立して飽和環構造を含んでもよく、分岐を有してもよい炭素数1〜12の飽和もしくは不飽和炭化水素基、炭素数3〜12の飽和環状炭化水素基、炭素数6〜12のアリール基または炭素数7〜13のアルアリール基を示す。
    およびRは、独立して水素原子、ハロゲン原子、または、炭素数1〜10のアルキル基もしくはアルコキシ基を示す。
    は、独立して1つ以上の水素原子がハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、またはシアノ基で置換されていてもよく、炭素原子間に不飽和結合、酸素原子、飽和もしくは不飽和の環構造を含んでよい、少なくとも1以上の分岐を有する炭素数5〜25の炭化水素基である。〕
  2. 前記反射層は、下記(ii−4)の要件を満たす請求項1に記載の光学フィルタ。
    (ii−4)波長680〜750nmにおいて、入射角0°の光の透過率が20%となる波長をλ(0°_T20%)とし、入射角30°の光の透過率が20%となる波長をλ(30°_T20%)とすると、前記λ(0°_T20%)と前記λ(30°_T20%)との差δλSh(T20%)は、0nm<δλSh(T20%)≦22nmである。
  3. 波長420〜600nmにおける入射角0°の光および入射角30°の光の平均透過率が90%以上である、請求項1または請求項2に記載の光学フィルタ。
  4. 波長600nmにおける、入射角0°の光の透過率および入射角30°の光の透過率がいずれも80%以上である、請求項1〜3いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. 波長600nm以上において、入射角0°の光の透過率が50%となる波長と、入射角30°の光の透過率が50%となる波長との差の絶対値が、5nm以下である、請求項1〜4いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  6. 波長650〜720nmにおける10nm毎の入射角0°の光の透過率と入射角30°の光の透過率の差の絶対値の平均値ΔTが10%以下である、請求項1〜5いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. 波長350〜390nmにおける、入射角0°の光の平均透過率が5%以下である、請求項1〜6いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  8. 入射角0°〜30°の分光透過率曲線において、波長720〜1150nmの光の平均透過率が5%以下である、請求項1〜7いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  9. 前記誘電体多層膜は、屈折率が2以上の高屈折率層と屈折率が1.6以下の低屈折率層とからなる単位屈折率層が複数積層された構成であり、前記単位屈折率層の全層数が15以上、かつ前記単位屈折率層における前記高屈折率層の光学膜厚をn、前記低屈折率層の光学膜厚をnとしたとき、前記誘電体多層膜におけるn/n≧3を満足する単位屈折率層の層数が10以上である請求項1〜8いずれか1項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記吸収層はさらに、ジクロロメタンに溶解して測定される波長350〜600nmの分光透過率曲線において波長370〜405nmに吸収極大波長を有する近紫外吸収剤を含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 前記吸収層は、樹脂基板である請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  12. さらに、透明基板を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  13. 前記透明基板は、透明樹脂材料からなる請求項12に記載の光学フィルタ。
  14. 前記透明基板は、ガラス材料からなる請求項12に記載の光学フィルタ。
  15. 前記ガラス材料は、フツリン酸塩系ガラスまたはリン酸塩系ガラスにCuOを添加した吸収型ガラスである請求項14に記載の光学フィルタ。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の光学フィルタを備えた撮像装置。
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