JP2021112132A - 食肉様加工食品及び食肉様加工食品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】食肉を使用したような食感を有する食肉様加工食品、及び、そのような食肉様加工食品を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明の食肉様加工食品は、粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする。【選択図】なし
Description
本発明は、植物由来成分を主原料としながら、食肉のような食感を有する食肉様加工食品、及び食肉様加工食品の製造方法に関する。
食肉を使用せず、植物由来成分を主原料としながら、食肉のような食感、風味を得られる食肉様加工食品については、主にベジタリアン、ヴィーガンといった菜食主義者の間で広く食されてきたが、近年、人々の健康への関心の向上、嗜好の変化、環境への配慮、経済的事情等により、菜食主義者以外の生活者の間でも食肉様加工食品の需要が高まっている。
食肉様加工食品としては、例えば、大豆たん白等の植物性たん白成分を粒状に加工して乾燥させた粒状植物性たん白を、水で戻し、分離植物性たん白、油脂、各種調味料等を添加して混合し、成形、焼成等をしたものが知られる(例えば、特許文献1)。
上記の通り、近年の食肉様加工食品の市場は、食肉加工食品も摂取する生活者にも広がりを見せている。このような生活者は、食肉加工食品と食肉様加工食品を選択的に摂取する機会を日常的に有するため、両者の食感の差異により敏感な傾向を有すると推察される。そのため、食肉様加工食品には、このような生活者にも満足感を与えられるよう、食肉を使用したような食感が求められる。本発明は、食肉を使用したような食感を有する食肉様加工食品、及び、そのような食肉様加工食品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、食肉様加工食品の原料に分離植物性たん白、組織加工植物性たん白及び油脂を使用し、これらの配合割合を最適化して製造することで、食肉を使用したような食感を有する食肉様加工食品が得られることを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明は、以下を提供するものである。
1.粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする、食肉様加工食品。
2.植物及び/又は乳由来の油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:7〜3:1である、1に記載の食肉様加工食品。
3.組織加工大豆たん白と油脂の重量比が、2:5〜2:1である、1に記載の食肉様加工食品。
4.(i)粉末状大豆たん白、水、植物及び/又は乳由来の油脂を、それぞれ1〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%の割合で含むサスペンションを調製する工程、(ii)組織加工大豆たん白を2〜5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比1:5〜5:1で混合する工程、及び(iv)(iii)の混合物を成形する工程、を含み、と殺された動物由来の成分を使用しない、食肉様加工食品を製造する方法。
5.前記油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:2〜2:1であり、かつ、前記サスペンションが、植物及び/又は乳由来の油脂を20〜60重量%の割合で含む、4に記載の方法。
6.前記植物及び/又は乳由来の油脂が、液状油脂であり、前記サスペンションが前記液状油脂を10〜30重量%の割合で含む、4に記載の方法。
7.前記(iii)の工程において、前記サスペンションと前記戻したん白に加えて、さらに液状油脂を2〜5重量%混合する、4〜6のいずれかに記載の方法。
8.前記(iii)の工程において、前記戻したん白と固体油脂とを混合する、6又は7に記載の方法。
1.粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする、食肉様加工食品。
2.植物及び/又は乳由来の油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:7〜3:1である、1に記載の食肉様加工食品。
3.組織加工大豆たん白と油脂の重量比が、2:5〜2:1である、1に記載の食肉様加工食品。
4.(i)粉末状大豆たん白、水、植物及び/又は乳由来の油脂を、それぞれ1〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%の割合で含むサスペンションを調製する工程、(ii)組織加工大豆たん白を2〜5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比1:5〜5:1で混合する工程、及び(iv)(iii)の混合物を成形する工程、を含み、と殺された動物由来の成分を使用しない、食肉様加工食品を製造する方法。
5.前記油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:2〜2:1であり、かつ、前記サスペンションが、植物及び/又は乳由来の油脂を20〜60重量%の割合で含む、4に記載の方法。
6.前記植物及び/又は乳由来の油脂が、液状油脂であり、前記サスペンションが前記液状油脂を10〜30重量%の割合で含む、4に記載の方法。
7.前記(iii)の工程において、前記サスペンションと前記戻したん白に加えて、さらに液状油脂を2〜5重量%混合する、4〜6のいずれかに記載の方法。
8.前記(iii)の工程において、前記戻したん白と固体油脂とを混合する、6又は7に記載の方法。
本発明によれば、肉に近い食感を有する食肉様加工食品、及び、そのような食肉様加工食品を製造する方法を提供することができる。
<食肉様加工食品>
本発明の食肉様加工食品は、粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする。
本発明の食肉様加工食品は、粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする。
本発明において、食肉様加工食品とは、食肉を含まないが、通常は食肉を使用して製造される種類の加工食品をいい、例えば、ハム、ソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、肉団子、とんかつ、唐揚げ、チキンナゲット等が挙げられる。ここでいう食肉とは、ブタ、ウシ、ヒツジ等の哺乳類、ニワトリ、七面鳥等の鳥類、魚類等から得られる、動物由来の肉類を指す。本発明の食肉様加工食品は、このような肉類を含まないことを特徴とする。
本発明の食肉様加工食品は、主成分として大豆たん白を含む。大豆たん白は、大豆を脱脂して製造されるたん白質含有成分をいうが、脱脂した大豆材料又はそれを粉末状に処理したものを、粒状又は繊維状に成形加工して乾燥又は冷凍させたものを、それぞれ粒状大豆たん白、繊維状大豆たん白と称し、これらをまとめて組織加工大豆たん白と称する。好ましくは、組織加工大豆たん白は、JAS規格0838:2019の「粒状植物性たん白」又は「組織状植物性たん白」の規格に適合するものとする。一方、粉末状大豆たん白は、同様に脱脂して製造されるが、脱脂後の製造工程は組織加工大豆たん白とは異なっている。粉末状大豆たん白は濃縮大豆たん白と分離大豆たん白に大別され、本明細書では、脱脂した大豆材料から糖分と灰分を除去して粉末状としたものを濃縮大豆たん白、脱脂した大豆材料から糖類、繊維質、灰分等を除いてたん白質を分離し、粉末状としたものを分離大豆たん白と称する。好ましくは、粉末状大豆たん白は、分離大豆たん白である。また、好ましくは、分離大豆たん白は、JAS0838:2019の「粉末状植物性たん白」の規格に適合するものとする。さらに、分離大豆たん白は、たん白質分が85重量%以上、特に90重量%を占めるものとすることが好ましい。なお、本明細書において、大豆たん白の配合量の表記(「重量部」、「重量%」等)は、特に記載のない限り、乾燥重量に基づくものとする。
本発明において、油脂は、植物及び/又は乳由来であり、室温(25℃)で液状を呈する液状油脂、固体状を示す固体油脂の片方又は両方を含む。液状油脂としては、大豆油、菜種油、キャノーラ油、ひまわり油、オリーブ油、コーン油、綿実油、ヤシ油、ごま油、米油等が挙げられる。固体油脂としては、牛乳等の乳由来のバターの他、植物性液状油脂の硬化油脂、エステル交換油脂、分別油脂、及び加工油脂等が挙げられる。ここでいう加工油脂とは、植物性の液状油脂に、動物由来ではない調味料等を加え、加熱処理等を行うことで固体状としたものをいう。本発明において、油脂として、豚脂、牛脂、鶏脂、魚油等のと殺によって得られる動物性油脂は使用しないものとする。
本発明の食肉様加工食品は、液状油脂のみ、若しくは固体油脂のみを含んでいてもよく、また、両方を含んでいてもよい。食肉様加工食品に液状油脂を加えることで、食品にソフト感を与えることができる。一方、固体油脂を加えることで、食感にジューシー感を与え、かつ、油脂分の歩留まりを上げることができる。食品の種類によって所望の食感が異なるため、種類に応じて適した配合を選択することが可能である。
一部の食品においては、液状油脂と固体油脂の両方を配合することが好ましく、この場合、液状油脂と固体油脂の重量比が1:7〜3:1となるように配合することが好ましい。食品の種類と配合比について、詳細は後述する。
一部の食品においては、組織加工大豆たん白と油脂の重量比を、2:5〜2:1とすることが好ましい。食品の種類と配合比について、詳細は後述する。
本発明の食肉様加工食品は、トランスグルタミナーゼを含有していてもよい。トランスグルタミナーゼは、植物性たん白成分を硬化させ、結着を阻害させる場合もあるため肉粒感を出し、食肉様の歯ごたえを与える作用を奏するため、より食肉を使用したような食感を得るために有用である。本発明の食肉様加工食品に添加するトランスグルタミナーゼとしては、アクティバTG−S−NF(味の素株式会社)等の市販のグルタミナーゼ製剤を用いることができる。好ましくは、本発明の食肉用加工食品は、グルタミナーゼ製剤を0.01〜0.5重量%含有する。
本発明の食肉様加工食品は、色素成分を含んでいてもよい。色素成分としては、赤たかきび粉、ココアパウダー、カラメル色素、クチナシ色素、ビートレッド等の、食品添加物として使用可能なものから選択可能である。特に、生活者に対して、外観からも食肉を食しているような満足感を与えるために、このような色素成分は有用である。
本発明の食肉様加工食品は、各種調味料(食塩、糖類、香辛料、酸味料、アミノ酸等)、pH調整剤、増粘多糖類、乳清たん白、カゼイネート、卵白等を含有してもよい。特に乳清たん白、カゼイネート、卵白等の動物性たん白は、食肉風味を増すために有用である。ただし、と殺された動物由来の動物性たん白は、本発明の食肉様加工食品には使用しないものとする。
<食肉様加工食品の製造方法>
本発明の食肉様加工食品の製造方法は、(i)粉末状大豆たん白、水、植物及び/又は乳由来の油脂を、それぞれ1〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%の割合で含むサスペンションを調製する工程、(ii)組織加工大豆たん白を2〜5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比1:5〜5:1で混合する工程、及び(iv)(iii)の混合物を成形する工程を含み、と殺された動物由来の成分を使用しない、ことを特徴とする。
本発明の食肉様加工食品の製造方法は、(i)粉末状大豆たん白、水、植物及び/又は乳由来の油脂を、それぞれ1〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%の割合で含むサスペンションを調製する工程、(ii)組織加工大豆たん白を2〜5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比1:5〜5:1で混合する工程、及び(iv)(iii)の混合物を成形する工程を含み、と殺された動物由来の成分を使用しない、ことを特徴とする。
本発明において、サスペンションとは、粉末状大豆たん白、水、及び油脂を少なくとも含むカード状の組成物を指す。粉末状大豆たん白は高い乳化能を有し、水と油脂との混合を可能とする。本発明の食肉様加工食品は、このようなサスペンションを組織加工大豆たん白と混合して使用することで、食肉様の食感、繊維感、肉粒感を与えることができる。また、油脂分をサスペンションに含ませることで、加熱調理時の油脂分の歩留まりを上げることができる。サスペンション中で、油脂は、少なくとも偏りなく混合されていることを要する。サスペンションにおける粉末状大豆たん白、水、油脂の配合割合は、それぞれ2〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%とする。サスペンション中の配合割合は、上記範囲内で、食品の種類によって最適な割合に変更することができる。食品の種類と配合割合について、詳細は後述する。
(i)の工程において、サスペンションの調製に使用する油脂は、液状油脂及び固体油脂の両方を含んでいてもよく、この場合、液状油脂と固体油脂の重量比を1:2〜2:1として、かつ、前記サスペンション中の油脂量を、合計で20〜60重量%の割合とすることが好ましい。
(i)の工程において、サスペンションの調製に使用する油脂は、液状油脂のみとしてもよく、この場合、前記サスペンション中の油脂量を10〜30重量%の割合とすることが好ましい。
サスペンションの調製方法の好適例は、次の通りである。まず、粉末状大豆たん白と水とを混合して溶液を調製し、ここに液状油脂を少量ずつ混合しながら添加する。その後、固体油脂を配合する場合は、固体油脂を混合しながら添加する。混合は、サイレントカッター等の通常使用される公知の攪拌装置を用いて実施可能である。
サスペンションには、さらに、色素成分、調味料、pH調製剤、粉末卵白、乳清たん白等を配合してもよい。サスペンションにこれらの調味料等を配合する場合は、液状油脂の添加・混合後(固体油脂を配合する場合は、固体油脂の添加前)のタイミングで添加することが好ましい。
サスペンションには、トランスグルタミナーゼを配合してもよい。トランスグルタミナーゼは、(i)のサスペンション調製工程、(ii)の工程の戻し工程、及び(iii)の混合工程のうち、いずれか1つ又は複数の工程で配合されることが好ましい。
(ii)の工程において、組織加工大豆たん白の戻し液は、水、又は、トランスグルタミナーゼ、食塩等の調味料等を含む水溶液である。戻し液は、組織加工大豆たん白の乾燥重量に対して、2〜5倍重量の水を含む。(ii)の工程の後、(iii)の工程の前に、サイレントカッター、ミキサー、ロータリーマッサージ機等の通常使用される公知の攪拌装置によって、ほぐし工程を行うことが好ましい。
(iii)の工程において、(i)の工程で調製したサスペンションと、(ii)の工程で調製した戻したん白とを、重量比1:5〜2:1で混合する。混合は、サイレントカッター、ミキサー、ロータリーマッサージ機等の通常使用される公知の攪拌装置を用いて実施可能である。
(iii)の工程において、サスペンションと戻したん白に加えて、さらに液状油脂を総量の2〜5重量%添加してもよい。特に、香気成分を含む液状油脂は、この段階で加えることが好ましい。上記液状油脂に加えて、又は、液状油脂に代えて、固体油脂を添加してもよい。
(iii)の工程において、トランスグルタミナーゼ、色素成分、調味料、pH調製剤、粉末卵白、乳清たん白等を配合してもよい。これらの成分は、上記の通り、(i)の工程でサスペンションに配合してもよく、(iii)の工程で全体に配合してもよい。いずれの工程で配合するかは、食品の種類、所望の風味、香りづけ等によって変更可能である。
本発明の食肉様加工食品の製造方法は、(iii)の工程で得られた混合物を成形する、(iv)の工程を含む。さらに、必要に応じて、加熱、焼成等の加工を加えてもよい。
本発明は、多様な食肉様加工食品に適用可能であり、食品の種類によって、成分の配合、製造手順等により好適な条件が異なる。以下、本発明が適用される一部の食品について、より好適な条件を種類別に説明する。
<ハンバーグ>
本発明の食肉様加工食品には、ハンバーグが含まれる。本発明において、ハンバーグは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が3.0〜6.0重量部(特に4.0〜5.5重量部)、油脂が2.0〜5.0重量部(特に3.0〜4.5重量部)となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、3:1〜1:1、特に2:1〜1:1であることが好ましい。
本発明の食肉様加工食品には、ハンバーグが含まれる。本発明において、ハンバーグは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が3.0〜6.0重量部(特に4.0〜5.5重量部)、油脂が2.0〜5.0重量部(特に3.0〜4.5重量部)となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、3:1〜1:1、特に2:1〜1:1であることが好ましい。
好適なハンバーグの製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、液状油脂を混合しながら少しずつ添加する。その後、固体油脂を混合しながら添加し、全体的に油脂の偏りがなくなるまで攪拌・混合して、サスペンションを調製する。
サスペンションに固体油脂を配合することで、ジューシー感のあるハンバーグとすることができる。また、油脂分の歩留まりを向上させることができる。サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、5〜10重量%、30〜60重量%、30〜60重量%とすることが好ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白(繊維状大豆たん白及び粒状大豆たん白)に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の好ましくは2〜3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、サイレントカッター等の攪拌装置でほぐすことで戻したん白を調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には1:3〜1:5となるように合わせ、追加の分離大豆たん白、追加の液状油脂、トランスグルタミナーゼ、調味料、玉ねぎ、パン粉等を加えて、ミキサーで混合する。混合物を成形、焼成、加熱し、必要に応じて冷却、包装を行う。
<ソーセージ>
本発明の食肉様加工食品には、ソーセージが含まれる。本発明において、ソーセージは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が0.5〜3.0重量部(特に1.0〜2.0重量部)、油脂が5〜15重量部(特に7〜11重量部)となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、3:1〜1:1であることが好ましい。
本発明の食肉様加工食品には、ソーセージが含まれる。本発明において、ソーセージは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が0.5〜3.0重量部(特に1.0〜2.0重量部)、油脂が5〜15重量部(特に7〜11重量部)となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、3:1〜1:1であることが好ましい。
好適なソーセージの製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、液状油脂を混合しながら少しずつ添加する。調味料、粉末卵白、乳清たん白等を加えて混合した後、固体油脂を混合しながら添加し、全体的に油脂の偏りがなくなるまで攪拌・混合して、サスペンションを調製する。添加する固体油脂は、粒状で存在させることでジューシー感を生み出すことができる。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、1〜3重量%、50〜70重量%、20〜40重量%(前記調味料等と合わせて100重量%とする)とすることが好ましい。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、1〜3重量%、50〜70重量%、20〜40重量%(前記調味料等と合わせて100重量%とする)とすることが好ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の好ましくは2〜3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、サイレントカッター等の攪拌装置でほぐすことで戻したん白を調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には5:1〜3:1となるように合わせ、追加の分離大豆たん白、追加の液状油脂、トランスグルタミナーゼ、調味料等を加えて、ミキサーで混合する。ソーセージは、食した時に、皮が弾けると同時にジューシー感が得られることが求められる。このように、サスペンションの配合量を高くすることで、所望のテクスチャーを得ることができる。混合物は、充填機を用いてケーシング(セルロースケーシング等、植物性材料のもの)に充填し、熟成、乾燥、燻煙、加熱を行う。冷却した後、ケーシングを除去し、必要に応じて包装を行う。
<ハム>
本発明の食肉様加工食品には、ハムが含まれる。本発明において、ハムは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.5〜3.0重量部、油脂が2.5〜4.5重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂であることが好ましい。
本発明の食肉様加工食品には、ハムが含まれる。本発明において、ハムは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.5〜3.0重量部、油脂が2.5〜4.5重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂であることが好ましい。
好適なハムの製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、液状油脂を混合しながら少しずつ添加する。調味料、粉末卵白、乳清たん白等を加えて混合して、サスペンションを調製する。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、2〜4重量%、50〜70重量%、15〜30重量%(前記調味料等と合わせて100重量%とする)とすることが好ましい。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、2〜4重量%、50〜70重量%、15〜30重量%(前記調味料等と合わせて100重量%とする)とすることが好ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の好ましくは2〜3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、サイレントカッター等の攪拌装置でほぐすことで戻したん白を調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には2:1〜1:2となるように合わせ、トランスグルタミナーゼ、調味料等を加えて、ミキサーで混合する。混合物を、充填機を用いてケーシング(セルロースケーシング等、植物性材料のもの)に充填し、熟成、乾燥、燻煙、加熱を行う。冷却した後、ケーシングを除去し、必要に応じてスライス、包装を行う。
<ナゲット、から揚げ>
本発明の食肉様加工食品には、ナゲット及びから揚げが含まれる。本発明において、ナゲット及びから揚げは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.0〜3.0重量部、油脂が1.0〜3.0重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂であることが好ましい。
本発明の食肉様加工食品には、ナゲット及びから揚げが含まれる。本発明において、ナゲット及びから揚げは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.0〜3.0重量部、油脂が1.0〜3.0重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂であることが好ましい。
好適なナゲット及びから揚げの製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、液状油脂を混合しながら少しずつ添加して混合した後、トランスグルタミナーゼ等を加えてさらに混合し、サスペンションを調製する。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、10〜20重量%、50〜80重量%、10〜20重量%とすることが好ましい。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、10〜20重量%、50〜80重量%、10〜20重量%とすることが好ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の好ましくは2〜3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、サイレントカッター等の攪拌装置でほぐすことで戻したん白を調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には2:1〜1:3となるように合わせ、調味料等を加えて、ミキサーで混合する。混合物を、成形した後、衣付け、フライ、加熱を行い、冷却した後、必要に応じて包装を行う。
<煮込みハンバーグ、肉団子、メンチカツ>
本発明の食肉様加工食品には、煮込みハンバーグ、肉団子及びメンチカツが含まれる。本発明において、煮込みハンバーグ、肉団子及びメンチカツは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が2.0〜5.0重量部、油脂が6.0〜9.0重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、1:2〜1:7、特に1:3〜1:6であることが好ましい。
本発明の食肉様加工食品には、煮込みハンバーグ、肉団子及びメンチカツが含まれる。本発明において、煮込みハンバーグ、肉団子及びメンチカツは、分離大豆たん白、組織加工大豆たん白、及び油脂を、分離大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が2.0〜5.0重量部、油脂が6.0〜9.0重量部となるように含むことが好ましい。また、前記油脂は、液状油脂と固体油脂とを含み、その重量比が、1:2〜1:7、特に1:3〜1:6であることが好ましい。
好適な煮込みハンバーグ、肉団子及びメンチカツの製造方法は、次のサスペンション調製工程を含む。すなわち、サイレントカッター等の攪拌装置を用いて、分離大豆たん白を水に懸濁し、懸濁液を調製する。前記懸濁液に、液状油脂を混合しながら少しずつ添加して混合した後、トランスグルタミナーゼ等を加えてさらに混合し、サスペンションを調製する。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、10〜20重量%、50〜80重量%、10〜20重量%とすることが好ましい。
サスペンションにおける、分離大豆たん白、水、油脂の配合量は、それぞれ、10〜20重量%、50〜80重量%、10〜20重量%とすることが好ましい。
組織加工大豆たん白を、食塩等の調味料を含む戻し液で戻す。組織加工大豆たん白に、組織加工大豆たん白の乾燥重量の好ましくは2〜3倍重量の戻し液を加え、戻した後に、サイレントカッター等の攪拌装置でほぐすことで戻したん白を調製する。
前記サスペンションと前記戻したん白を重量比が、好適には2:1〜1:3となるように合わせ、さらに固体油脂を加えてオートミンサー等を用いて混合する。固体油脂を戻したん白と直接混合することで、固体油脂同士がくっついて塊となることなく、戻したん白中に均一に分散させることができるという効果が得られる。さらに、調味料、玉ねぎ、パン粉等を加えて、ミキサーで混合する。混合物を、成形した後、加熱等を行い、必要に応じて所定の調理、冷却、包装を行う。
本発明は、食品及び食品の製造方法に関連し、食品製造販売の産業分野において利用可能である。
Claims (8)
- 粉末状大豆たん白と、組織加工大豆たん白と、植物及び/又は乳由来の油脂とを、粉末状大豆たん白1重量部に対して、組織加工大豆たん白が1.4〜5.0重量部、油脂が2.0〜10.0重量部となるように含み、
と殺された動物由来の成分を含まない、ことを特徴とする、食肉様加工食品。 - 植物及び/又は乳由来の油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:7〜3:1である、請求項1に記載の食肉様加工食品。
- 組織加工大豆たん白と油脂の重量比が、2:5〜2:1である、請求項1に記載の食肉様加工食品。
- (i)粉末状大豆たん白、水、植物及び/又は乳由来の油脂を、それぞれ1〜20重量%、30〜70重量%、10〜60重量%の割合で含むサスペンションを調製する工程、
(ii)組織加工大豆たん白を2〜5倍重量の水を含む戻し液と混合し、戻したん白を調製する戻し工程、
(iii)前記サスペンションと前記戻したん白とを、重量比1:5〜5:1で混合する工程、及び
(iv)(iii)の混合物を成形する工程、を含み、
と殺された動物由来の成分を使用しない、食肉様加工食品を製造する方法。 - 前記油脂が液状油脂及び固体油脂からなり、液状油脂と固体油脂の重量比が1:2〜2:1であり、かつ、
前記サスペンションが、植物及び/又は乳由来の油脂を20〜60重量%の割合で含む、請求項4に記載の方法。 - 前記植物及び/又は乳由来の油脂が、液状油脂であり、前記サスペンションが前記液状油脂を10〜30重量%の割合で含む、請求項4に記載の方法。
- 前記(iii)の工程において、前記サスペンションと前記戻したん白に加えて、さらに液状油脂を2〜5重量%混合する、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記(iii)の工程において、前記戻したん白と固体油脂とを混合する、請求項6又は7に記載の方法。
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JP2020005055A JP2021112132A (ja) | 2020-01-16 | 2020-01-16 | 食肉様加工食品及び食肉様加工食品の製造方法 |
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2020
- 2020-01-16 JP JP2020005055A patent/JP2021112132A/ja active Pending
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