JP2021032106A - ベーンドディフューザ及び遠心圧縮機 - Google Patents

ベーンドディフューザ及び遠心圧縮機 Download PDF

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Abstract

【課題】ベーンドディフューザにおけるディフューザ性能を向上させる。【解決手段】一実施形態に係るベーンドディフューザは、遠心圧縮機のインペラの下流側に設けられるベーンドディフューザであって、ハブ側面および前記ハブ側面と対向するシュラウド側面を含み、前記インペラの下流側に環状のディフューザ流路を形成するディフューザ流路形成部と、前記ディフューザ流路に前記インペラの周方向に間隔をあけて設けられた複数のディフューザ翼と、を備え、前記複数のディフューザ翼の各々と、前記ハブ側面および前記シュラウド側面の少なくとも一方との接続部には、フィレットが形成され、前記フィレットの半径をR、前記複数のディフューザ翼の各々の翼高さをbとした場合に、前記ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の上流側におけるR/bの最大値よりも大きい。【選択図】図10

Description

本開示は、ベーンドディフューザ及び遠心圧縮機に関する。
車両用、舶用及び産業用のターボチャージャのコンプレッサ部等に用いられる遠心圧縮機は、羽根車の回転を介して流体に運動エネルギーを与えるとともに、径方向外側に流体を吐出することで遠心力による圧力上昇を得るものである。
遠心圧縮機の性能向上のために様々な工夫がなされている。その一つとして、遠心圧縮機のインペラの下流側に設けられるベーンドディフューザにおける静圧回復性能(ディフューザ性能)の向上が挙げられる。例えば特許文献1には、ディフューザ翼の翼角と流体の流れ角との差であるインシデンスを小さくすることでディフューザ性能の低下を抑制する技術が記載されている(特許文献1参照)。
特開2004−92482号公報
上述した特許文献1に記載の遠心圧縮機では、インシデンスの翼高さ方向の分布を考慮することにより、ディフューザ性能の低下をより有効に抑制するようにしている。しかし、遠心圧縮機の性能向上の観点から、更なるディフューザ性能の向上が求められている。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、ベーンドディフューザにおけるディフューザ性能を向上させることを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るベーンドディフューザは、
遠心圧縮機のインペラの下流側に設けられるベーンドディフューザであって、
ハブ側面および前記ハブ側面と対向するシュラウド側面を含み、前記インペラの下流側に環状のディフューザ流路を形成するディフューザ流路形成部と、
前記ディフューザ流路に前記インペラの周方向に間隔をあけて設けられた複数のディフューザ翼と、を備え、
前記複数のディフューザ翼の各々と、前記ハブ側面および前記シュラウド側面の少なくとも一方との接続部には、フィレットが形成され、
前記フィレットの半径をR、前記複数のディフューザ翼の各々の翼高さをbとした場合に、前記ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の上流側におけるR/bの最大値よりも大きい。
一般的にディフューザ流路では、静圧回復のために下流側に向かうにつれて流体の流速が低下するように、下流側に向かうにつれて流路断面積が大きくなるように形成されている。また、上記接続部の近傍では、交差する2つの壁面であるディフューザ翼とハブ側面のそれぞれから、又は、ディフューザ翼とシュラウド側面のそれぞれから流体が影響を受けるため、特に流体の流速が低下し易い。ディフューザ流路では、静圧回復による静圧の上昇により、ディフューザ流路の下流側の方が静圧が高くなるが、上記接続部の近傍において流体の流速が低下することで、ディフューザ流路の下流側に向かうにつれて高くなる静圧の影響を受けて流体の逆流が生じるおそれがある。そのため、上記接続部から流体の流れが剥離して、有効な流路断面積が狭くなってしまい、静圧回復性能が低下するおそれがある。
ここで、上記R/bを大きくすると、上記接続部に形成されるフィレットの半径Rが大きくなるので、上記接続部において、ハブ側面やシュラウド側面とディフューザ翼とがフィレットを介してなだらかに接続されるようになり、交差する2つの壁面からの影響を受け難くなるので、上記接続部の近傍で流体の流速の低下が抑制される。そのため、上述したような逆流の発生を抑制して、流体の剥離を抑制できる。また、上記R/bを大きくすると、上記R/bが小さい場合と比べて流路断面積が減少するので、流体の流速が必要以上に低下することを抑制でき、上述したような逆流がより発生し難くなり、流体の剥離を抑制できる。なお、静圧回復の観点から、ディフューザ流路では、下流側に向かうにつれて流路断面積をより増加させて流体の流速をより低下させる方が望ましいが、流体の流速が過度に低下して上述したような逆流や剥離が生じてしまうと、ディフューザ性能が大きく低下してしまう。そのため、上記R/bを大きくすることで下流側に向かうにつれて増加する流路断面積の増加量を抑制し、上述したような逆流や剥離を抑制することができ、ディフューザ性能の向上につながる。
一方、ディフューザ流路のスロート位置よりも上流側では、流路断面積をできるだけ大きくとることがディフューザ性能の向上を図る上で望ましい。そのため、ディフューザ流路のスロート位置よりも上流側では、上記R/bは小さい方がよい。
上記(1)の構成によれば、ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値がディフューザ流路のスロート位置の上流側におけるR/bの最大値よりも大きいので、上述したような逆流や剥離を抑制しつつ、ディフューザ流路のスロート位置よりも上流側において流路断面積をできるだけ大きくとることができるので、ディフューザ性能の効果的に向上できる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、0.2以上である。
本発明者の知見によれば、ディフューザ流路における境界層厚さ、すなわち壁面付近での流体の流速が比較的低い領域の厚さは、ディフューザ翼の翼高さの約20%程度である。このため、上記(2)の構成によれば、R/bの最大値を0.2以上とすることで、フィレットの翼高さ方向の寸法がディフューザ翼の翼高さの20%以上となるので、上記接続部の近傍で流体の流速の低下が効果的に抑制される。したがって、上述したような逆流や剥離を効果的に抑制できる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって大きくなっている。
本発明者の知見によれば、上述したような逆流や剥離は、ディフューザ流路の下流側に向かう程に発達する。そのため、上記(3)の構成によれば、ディフューザ翼の後縁側に向かってR/bを大きくすることで、上述したような逆流や剥離を効果的に抑制できる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって線形的に大きくなっている。
本発明者の知見によれば、ディフューザ翼の後縁側に向かうにつれてディフューザ流路の流路断面積が線形的に変化する方が非線形的に変化する場合よりもディフューザ性能が良好である。このため、例えばディフューザ翼が平板部材などで直線状に形成されている場合などにおいて、上記(4)の構成のようにR/bをディフューザ翼の後縁側に向かって線形的に大きく形成することで、ディフューザ流路の流路断面積を線形的に変化させることが可能となる。これにより、ディフューザ性能が良好となる。
また、上記(4)の構成によれば、フィレットの半径Rが線形的に変化するようにフィレットを形成するため、製造が容易である。
(5)幾つかの実施形態では、上記(3)の構成において、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって、前記後縁側に向かうにつれて変化量が大きくなるように曲線的に大きくなっている。
本発明者の知見によれば、ディフューザ翼の後縁側に向かうにつれてディフューザ流路の流路断面積が線形的に変化する方が非線形的に変化する場合よりもディフューザ性能が良好である。このため、例えばディフューザ翼が後縁側に向かって非線形的な曲線状に形成されている場合などにおいて、R/bをディフューザ翼の後縁側に向かうにつれて変化量が大きくなるように(すなわち下向きに凸となるように)曲線的に大きく形成することで、ディフューザ流路の流路断面積を線形的に変化させることが可能となる。これにより、ディフューザ性能が良好となる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、
前記フィレットは、前記複数のディフューザ翼の各々の圧力面および負圧面の夫々に形成され、
前記圧力面に形成されている前記フィレットの半径をR、前記負圧面に形成されている前記フィレットの半径をRとした場合に、前記圧力面に形成されている前記フィレットのR/bの分布と、前記負圧面に形成されている前記フィレットのR/bの分布とは、互いに異なっている。
本発明者の知見によれば、ディフューザ流路における境界層の厚さは、圧力面側と負圧面側とで異なっている。このため、上記(6)の構成のように、圧力面に形成されているフィレットのR/bの分布と、負圧面に形成されているフィレットのR/bの分布とを、夫々の面において形成される境界層の厚さに応じて互いに異なるように形成することで、ディフューザ性能を向上できる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(6)の構成において、前記ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側におけるR/bの最大値よりも大きい。
本発明者の知見によれば、遠心圧縮機のある作動点においては、圧力面側の方が負圧面側よりも境界層が厚く形成される。このため、上記(7)の構成のように、スロート位置の下流側における圧力面側のR/bの最大値を、負圧面側のR/bの最大値よりも大きくすることで、二次流れを誘起し圧力面側境界層が薄くなるため、ディフューザ性能を向上できる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、前記フィレットは、前記複数のディフューザ翼の各々と前記ハブ側面との接続部のみ、又は、前記複数のディフューザ翼の各々と前記シュラウド側面との接続部のみに形成される。
上記のフィレットは、複数のディフューザ翼の各々とハブ側面との接続部のみ、又は、複数のディフューザ翼の各々とシュラウド側面との接続部のみに形成されるだけであっても、ディフューザ性能の向上に寄与する。したがって、上記(8)の構成によれば、ディフューザ性能を向上できる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、
前記インペラは、前記インペラの周方向に間隔をあけて設けられた複数の羽根を含み、
前記複数の羽根の各々の先端は、前記遠心圧縮機のケーシングの内面に対して所定の隙間を存して配置されており、
前記フィレットは、少なくとも、前記複数のディフューザ翼の各々と前記シュラウド側面との接続部に形成される。
上記(9)の構成によれば、複数の羽根の各々の先端は、遠心圧縮機のケーシングの内面に対して所定の隙間を存して配置されている。すなわち、上記(9)の構成によれば、インペラは、環状のシュラウド部材を有さない所謂オープンタイプインペラとして構成されている。
本発明者の知見によれば、オープンタイプインペラを有する遠心圧縮機では、羽根のチップクリアランスからの漏れ流れの影響により、ハブ側面よりもシュラウド側面の方が厚い境界層が形成される。
したがって、上記(9)の構成によれば、複数のディフューザ翼の各々とシュラウド側面との接続部にフィレットを形成することで、オープンタイプインペラに対するディフューザ性能の向上を図ることができる。
(10)本発明の少なくとも一実施形態に係る遠心圧縮機は、
インペラと、
上記(1)乃至(9)の何れかの構成のベーンドディフューザと、を備える。
上記(10)の構成によれば、上記(1)乃至(9)の何れかの構成のベーンドディフューザを備えるので、ディフューザ性能の効果的に向上でき、遠心圧縮機の効率が向上する。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ベーンドディフューザにおけるディフューザ性能を向上できる。
一実施形態に係る遠心圧縮機の軸方向に沿った概略断面図である。 図1におけるII−II矢視図である。 図2におけるIII矢視図である。 図2におけるIV矢視図である。 図2におけるV矢視図である。 図2におけるVI矢視図である。 4つの接続部のうちの2つにフィレットが形成されている例を示す模式的な図である。 4つの接続部のうちの3つにフィレットが形成されている例を示す模式的な図である。 4つの接続部の全てにフィレットが形成されている例を示す模式的な図である。 幾つかの実施形態において、フィレットの半径Rの大きさがディフューザ翼の前縁から後縁にかけてどのように変化するのかを表したグラフの例である。 幾つかの実施形態において、フィレットの半径Rの大きさがディフューザ翼の前縁から後縁にかけてどのように変化するのかを表したグラフの例である。 幾つかの実施形態において、フィレットの半径Rの大きさがディフューザ翼の前縁から後縁にかけてどのように変化するのかを表したグラフの例である。 幾つかの実施形態において、フィレットの半径Rの大きさがディフューザ翼の前縁から後縁にかけてどのように変化するのかを表したグラフの例である。 ディフューザ流路における境界層及び2次流れについて説明するための図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る遠心圧縮機100の軸方向に沿った概略断面図である。図2は、図1におけるII−II矢視図であり、後述するベーンドディフューザ10について説明するための模式的な図である。図3は、図2におけるIII矢視図である。図4は、図2におけるIV矢視図である。図5は、図2におけるV矢視図である。図6は、図2におけるVI矢視図である。
なお、遠心圧縮機100は、例えば、自動車用又は舶用のターボチャージャや、その他産業用遠心圧縮機、送風機等に適用可能である。
以下の説明では、後述するインペラ20の軸線方向、すなわち回転中心Oの延在方向を軸方向と呼ぶ。軸方向のうち、遠心圧縮機100に流入する流体の流れに沿った上流側を軸方向上流側とし、その反対側を軸方向下流側とする。なお、後述する図3〜図9では、軸方向上流側をシュラウド側と呼び、軸方向下流側をハブ側と呼ぶ。
また、以下の説明では、回転中心Oを中心としたインペラ20の径方向を単に径方向とも呼ぶ。径方向のうち、回転中心Oに近づく方向を径方向内側とし、回転中心Oから遠ざかる方向を径方向外側とする。
以下の説明では、回転中心Oを中心としたインペラ20の回転方向に沿った方向を単に周方向とも呼ぶ。
なお、以下の説明では、単に上流側と呼ぶ場合、方向の説明に係る部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った上流側を指すものとする。同様に、以下の説明では、単に下流側と呼ぶ場合、方向の説明に係る部位や領域における流体の主たる流れの方向に沿った下流側を指すものとする。
幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機100は、例えば図1に示すように、インペラ20と、ケーシング3とを含む。ケーシング3は、インペラ20の外周側にスクロール流路4を形成するスクロール部6と、インペラ20の下流側に設けられ、インペラ20で圧縮された流体(圧縮空気)をスクロール流路4に供給するためのベーンドディフューザ10とを備える。
幾つかの実施形態では、インペラ20は、インペラ20の周方向に間隔をあけて設けられた複数の羽根21を含む。複数の羽根21のそれぞれは、インペラ20のハブ面20aに立設されている。
幾つかの実施形態では、複数の羽根21の各々の先端21aは、ケーシング3の内面3aに対して所定の隙間を存して配置されている。すなわち、幾つかの実施形態に係るインペラ20は、環状のシュラウド部材を有さないオープンタイプインペラとして構成されている。
幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10は、インペラ20の下流側に環状のディフューザ流路8を形成するディフューザ流路形成部11と、ディフューザ流路8にインペラ20の周方向に間隔をあけて設けられた複数のディフューザ翼30とを備える。
なお、インペラ20の軸方向に沿った断面において(すなわち図1における紙面上で)、スクロール流路4は円形形状を有しており、ディフューザ流路8は直線状に形成されている。
ディフューザ流路形成部11は、ディフューザ流路8をインペラ20の軸方向に挟んで設けられた一対の流路壁13,15によって構成される。一対の流路壁13,15のうち、ハブ側の流路壁13は、ディフューザ流路8に面したハブ側面13aを有し、シュラウド側の流路壁15は、ハブ側面13aと対向するとともにディフューザ流路8に面したシュラウド側面15aを有する。
なお、図1においては、スクロール部6とディフューザ流路形成部11に便宜的に異なるハッチングを付しているが、ケーシング3は、スクロール部6とディフューザ流路形成部11との境界位置に関わらない任意の箇所で連結された複数のケーシング部品で構成されていてもよい。また、ケーシング3は、インペラ20を収容するコンプレッサハウジングの他に、インペラ20を回転可能に支持する軸受を収容するベアリングハウジングの一部を含んでいても良い。
例えば図2によく示すように、複数のディフューザ翼30の各々は、ディフューザ翼30の径方向内側の端部である前縁31から径方向外側の端部である後縁33にかけて延在する圧力面側の壁面30aと、圧力面側の壁面30aとは翼厚方向に沿って反対側に設けられた負圧面側の壁面30bとを有する。以下の説明では、圧力面側の壁面30aを単に圧力面30aとも呼び、負圧面側の壁面30bを単に負圧面30bとも呼ぶ。幾つかの実施形態では、ディフューザ翼30の背側の壁面が圧力面30aであり、腹側の壁面が負圧面30bである。
周方向に沿って互いに隣接する一対のディフューザ翼30において、一方のディフューザ翼30の圧力面30aと、他方のディフューザ翼30の負圧面30bとが対向している。一対のディフューザ翼30間の流路面積が最小になる位置をスロート41と呼ぶ。図2において、スロート41の存在する領域を破線で示している。以下の説明では、スロート41が存在する領域の位置をスロート位置41aとも呼ぶ。
幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機100では、遠心圧縮機100の性能向上のために、ベーンドディフューザ10におけるディフューザ性能を向上させるようにしている。以下、幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10について詳細に説明する。
幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10には、複数のディフューザ翼30の各々とハブ側面13aとの接続部43、及び、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45とが存在する。すなわち、幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10には、圧力面30aとハブ側面13aとを接続する接続部43、負圧面30bとハブ側面13aとを接続する接続部43、圧力面30aとシュラウド側面15aとを接続する接続部45、及び、負圧面30bとシュラウド側面15aとを接続する接続部45の4つの接続部43、45が存在する。
幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10では、図4〜図6に示すように、上述した4つの接続部43、45のうち、少なくとも1つの接続部にフィレット50が形成されている。なお、図4〜図6に示した例では、負圧面30bとハブ側面13aとを接続する接続部43にフィレット50が形成されている。
なお、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、所謂隅R部とも呼ばれる隅部の円弧、すなわち壁面同士が交差する部分においてベーンドディフューザ10の形成の過程で意図せずとも形成されてしまう隅部の円弧とは異なり、意図して形成した円弧である。フィレット50の半径は、意図せずに形成された隅部の円弧の半径よりも大きな曲率半径を有する。なお、幾つかの実施形態では、意図せずに形成された隅部の円弧の半径をRaとするとRa/bは、おおよそ0.05から0.1程度の大きさとなる。なお、フィレット50は、完全な円弧の形状でなくてもよく、略円弧の形状であればよい。
幾つかの実施形態に係るフィレット50は、負圧面30bとハブ側面13aとを接続する接続部43ではなく、この接続部43以外の3つの接続部43、45の何れか1つに形成されていてもよい。
また、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、4つの接続部43、45のうちの何れか2つに形成されていてもよい。例えば、図7は、4つの接続部43、45のうちの2つにフィレット50が形成されている例を示す模式的な図である。図7に示す例では、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、負圧面30bとハブ側面13aとを接続する接続部43、及び、負圧面30bとシュラウド側面15aとを接続する接続部45に形成されている。
また、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、4つの接続部43、45のうちの何れか3つに形成されていてもよい。例えば、図8は、4つの接続部43、45のうちの3つにフィレット50が形成されている例を示す模式的な図である。図8に示す例では、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、負圧面30bとハブ側面13aとを接続する接続部43、負圧面30bとシュラウド側面15aとを接続する接続部45、及び、圧力面30aとハブ側面13aとを接続する接続部43に形成されている。
さらに、幾つかの実施形態に係るフィレット50は、4つの接続部43、45の全てに形成されていてもよい。例えば、図9は、4つの接続部43、45の全てにフィレット50が形成されている例を示す模式的な図である。
図10〜図13は、幾つかの実施形態において、フィレット50の半径Rの大きさがディフューザ翼30の前縁31から後縁33にかけてどのように変化するのかを表したグラフの例である。図10〜図13では、腹側の壁面30b、すなわち負圧面30bにおける前縁31から後縁33までの位置を横軸にとり、フィレット50の半径Rをディフューザ翼30の翼高さbで除したR/bの値を縦軸にとった。
なお、図10〜図13におけるグラフ71〜74は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。
例えば、図10のグラフ71や図13のグラフ74に示すように、前縁31からスロート位置41aまではフィレット50を設けず、スロート位置41a以降にフィレット50を設け、スロート位置41aよりも後縁33側においてR/bの値が0.2以上となるようにしてもよい。なお、以下の説明では、以降とは、基準となる位置と該位置よりも後縁33側とを指すこととする。例えば、スロート位置41a以降とは、スロート位置41a位置とスロート位置41aよりも後縁33側とを指す。
また、例えば、図11のグラフ72で示すように、前縁31側からスロート位置41aよりも前縁31側の位置C2まではフィレット50を設けず、位置C2以降にフィレット50を設け、スロート位置41aにおいてR/bの値が0.2以上となるようにしてもよい。
例えば、図12のグラフ73で示すように、前縁31側からスロート位置41aよりも後縁33側の位置C3まではフィレット50を設けず、位置C3以降にフィレット50を設け、位置C3よりも後縁33側の位置においてR/bの値が0.2以上となるようにしてもよい。
なお、図10のグラフ71aや、図11におけるグラフ72a、図12におけるグラフ73aのように、スロート位置41aよりも後縁33側の位置C1以降でR/bの値を一定としてもよい。
また、図10のグラフ71bや、図11におけるグラフ72b、図12におけるグラフ73bのように、スロート位置41aよりも後縁33側の位置C1以降でR/bの値が漸増するようにしてもよい。
また、図10のグラフ71cや、図11におけるグラフ72c、図12におけるグラフ73cのように、スロート位置41aよりも後縁33側の位置C1以降でR/bの値が漸減するようにしてもよい。
図10〜12のグラフ71〜73のように、R/bの値を線形的に変化させてもよく、図13のグラフ74のように、R/bの値を曲線的(非線形的)に変化させてもよい。
また、図13のグラフ74a,74cのように、スロート位置41a以降又はスロート位置41aよりも後縁33側の位置以降でR/bの値を漸増させてもよく、図13のグラフ74bのように、スロート位置41aよりも後縁33側の位置C4以降でR/bの値を漸減させてもよい。
なお、図13のグラフ74aのように、後縁側に向かうにつれてR/bの値の変化量が小さくなるようしてもよく、図13のグラフ74cのように、後縁側に向かうにつれてR/bの値の変化量が大きくなるようしてもよい。
また、図10〜13のグラフ71c,72c,73c,74bのように後縁33側に向かうにつれてR/bの値を漸減させる場合には、R/bの値を漸減させる区間の一部においてR/bの値が0.2未満となってもよい。
R/bの値を変化させるために、流体の流れに沿った方向及び軸方向にディフューザ翼30の翼厚tを変化させてもよい。なお、ここで、翼厚tは、ディフューザ翼30のキャンバーラインから翼面までの距離とする。
図10〜13に示すように、幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10では、フィレット50の半径をR、複数のディフューザ翼30の各々の翼高さをbとした場合に、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側におけるR/bの最大値は、ディフューザ流路8のスロート位置41aの上流側におけるR/bの最大値よりも大きい。
一般的にディフューザ流路8では、静圧回復のために下流側に向かうにつれて流体の流速が低下するように、下流側に向かうにつれて流路断面積が大きくなるように形成されている。また、上記接続部43,45の近傍では、交差する2つの壁面であるディフューザ翼30とハブ側面13aのそれぞれから、又は、ディフューザ翼30とシュラウド側面15aのそれぞれから流体が影響を受けるため、特に流体の流速が低下し易い。ディフューザ流路8では、静圧回復による静圧の上昇により、ディフューザ流路8の下流側の方が静圧が高くなるが、上記接続部43,45の近傍において流体の流速が低下することで、ディフューザ流路8の下流側に向かうにつれて高くなる静圧の影響を受けて流体の逆流が生じるおそれがある。そのため、上記接続部43,45から流体の流れが剥離して、有効な流路断面積が狭くなってしまい、静圧回復性能が低下するおそれがある。
ここで、上記R/bを大きくすると、上記接続部43,45に形成されるフィレット50の半径Rが大きくなるので、上記接続部43,45において、ハブ側面13aやシュラウド側面15aとディフューザ翼30とがフィレット50を介してなだらかに接続されるようになり、交差する2つの上記壁面からの影響を受け難くなるので、上記接続部43,45の近傍で流体の流速の低下が抑制される。そのため、上述したような逆流の発生を抑制して、流体の剥離を抑制できる。また、上記R/bを大きくすると、上記R/bが小さい場合と比べて流路断面積が減少するので、流体の流速が必要以上に低下することを抑制でき、上述したような逆流がより発生し難くなり、流体の剥離を抑制できる。なお、静圧回復の観点から、ディフューザ流路8では、下流側に向かうにつれて流路断面積をより増加させて流体の流速をより低下させる方が望ましいが、流体の流速が過度に低下して上述したような逆流や剥離が生じてしまうと、ディフューザ性能が大きく低下してしまう。そのため、上記R/bを大きくすることで下流側に向かうにつれて増加する流路断面積の増加量を抑制することで、上述したような逆流や剥離を抑制することができ、ディフューザ性能の向上につながる。
一方、ディフューザ流路8のスロート位置41aよりも上流側では、流路断面積をできるだけ大きくとることがディフューザ性能の向上を図る上で望ましい。そのため、ディフューザ流路8のスロート位置41aよりも上流側では、上記R/bは小さい方がよい。
幾つかの実施形態によれば、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側におけるR/bの最大値がディフューザ流路8のスロート位置41aの上流側におけるR/bの最大値よりも大きいので、上述したような逆流や剥離を抑制しつつ、ディフューザ流路8のスロート位置よりも上流側において流路断面積をできるだけ大きくとることができるので、ディフューザ性能の効果的に向上できる。
なお、幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10では、複数のディフューザ翼30の各々とハブ側面13aとの接続部43、又は、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45の何れか一方にだけフィレット50が形成されていてもよい。
図14は、ディフューザ流路8における境界層及び2次流れについて説明するための図である。図14は、図2におけるV矢視図に相当する図であり、上述したフィレット50が形成されていない場合について示すものである。
以下、図14を参照して、境界層91及び2次流れ93がディフューザ性能に及ぼす影響について説明する。
ディフューザ流路8を流体が流れる場合、壁面であるハブ側面13a、シュラウド側面15a、圧力面30a及び負圧面30bの近傍では、これら壁面の影響を受けるため、これら壁面の影響を受けない領域よりも流速が大幅に低くなる境界層91が発生する。
また、ディフューザ流路8では、圧力面30a近傍の圧力と負圧面30b近傍の圧力との差による圧力勾配が生じる。この圧力勾配は、ディフューザ流路8における流体の流れ方向に直交する方向とディフューザ翼30の翼高さ方向(軸方向)とを含む平面であるクロスセクションと平行な断面に生じる。なお、図3〜図9、及び図14の各図では、該クロスセクションと平行な断面を表している。
2次流れ93とは、上記の圧力勾配を主たる駆動力としてクロスセクションの延在方向と平行な方向に沿ってディフューザ流路8内を循環するように流れる流体の流れのことである。
なお、接続部43,45の近傍では、上記の2次流れ93によって駆動される別の2次流れ95が発生する。この、別の2次流れ95が発生すると、コーナーストールと呼ばれる、ディフューザ流路8の上流側から下流側に向かう方向には流体がほとんど流れない領域が発生してしまう。コーナーストールの発生は、ディフューザ流路8内の有効流路断面を減少させてしまうだけでなく、上述したような逆流や剥離を招くので、静圧回復性能を低下させてしまう。
また、ディフューザ流路8の下流側に向かうにつれて静圧回復によって流体の主たる流れの流速が低下する。そのため、一般的には、ディフューザ流路8の下流側に向かうにつれてクロスセクション内におけるコーナーストールの発生領域は大きくなる。
ディフューザ流路8のうち、スロート位置41aよりも上流側では、上流側から下流側に向かう流体の運動エネルギーが卓越した状態が維持される。そのためクロスセクション内の上記圧力勾配による運動量変化に比べ、上流側から下流側に向かう流体の運動量(流れ方向運動量)が大きく、2次流れ93は発生し難い。したがって、スロート位置41aよりも上流側では、流路断面積をなるべく大きく確保するのがよい。
しかし、スロート位置41aよりも下流側では、静圧回復により流れ方向運動量が減少し、クロスセクション内の圧力勾配の影響を受け始める。
この時、静圧回復によって下流側ほど上昇する静圧の圧力勾配(逆圧力勾配)に打ち勝つような流れ方向運動量を維持しつつ、2次流れを適度に発生させ、境界層91の厚さをなるべく薄くすることにより、有効流路断面が増えることで、さらなる静圧回復が期待できる。
幾つかの実施形態によれば、フィレット50の半径Rをディフューザ流路8の延在方向に沿って変更することにより、クロスセクション内の圧力勾配により生じる2次流れを制御し、遠心圧縮機100の作動範囲拡大と効率向上を実現することができる。
また、幾つかの実施形態によれば、4つの接続部43,45のうちの少なくとも1つにフィレット50を形成することで、コーナーストールが発生し易い領域がフィレット50に置き換わることとなり、コーナーストールの発生を抑制できる。
図10〜13に示すように、幾つかの実施形態では、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側におけるR/bの最大値は、0.2以上である。
本発明者の知見によれば、ディフューザ流路8における境界層91、すなわち壁面付近での流体の流速が比較的低い領域の厚さは、ディフューザ翼30の翼高さbの約20%程度である。このため、幾つかの実施形態によれば、R/bの最大値を0.2以上とすることで、フィレット50の翼高さ方向の寸法がディフューザ翼30の翼高さbの20%以上となるので、接続部43,45の近傍で流体の流速の低下が効果的に抑制される。したがって、上述したような逆流や剥離を効果的に抑制できる。
図10〜13に示すように、幾つかの実施形態では、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、ディフューザ翼30の後縁33側に向かって大きくなっている。
本発明者の知見によれば、上述したような逆流や剥離は、ディフューザ流路8の下流側に向かう程に発達する。そのため、幾つかの実施形態によれば、ディフューザ翼30の後縁33側に向かってR/bを大きくすることで、上述したような逆流や剥離を効果的に抑制できる。
図10〜12に示すように、幾つかの実施形態では、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、ディフューザ翼30の後縁33側に向かって線形的に大きくなっている。
本発明者の知見によれば、ディフューザ翼30の後縁33側に向かうにつれてディフューザ流路8の流路断面積が線形的に変化する方が非線形的に変化する場合よりもディフューザ性能が良好である。このため、例えばディフューザ翼30が平板部材などで直線状に形成されている場合などにおいて、R/bをディフューザ翼30の後縁33側に向かって線形的に大きく形成することで、ディフューザ流路8の流路断面積を線形的に変化させることが可能となる。これにより、ディフューザ性能が良好となる。
また、フィレット50の半径Rが線形的に変化するようにフィレット50を形成するため、製造が容易である。
図13のグラフ74cのように、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、ディフューザ翼30の後縁33側に向かって、後縁33側に向かうにつれて変化量が大きくなるように曲線的に大きくなっていてもよい。
上述したように、本発明者の知見によれば、ディフューザ翼30の後縁33側に向かうにつれてディフューザ流路8の流路断面積が線形的に変化する方が非線形的に変化する場合よりもディフューザ性能が良好である。このため、例えばディフューザ翼30が後縁33側に向かって非線形的な曲線状に形成されている場合などにおいて、R/bをディフューザ翼30の後縁33側に向かうにつれて変化量が大きくなるように(すなわち図13のグラフ74cのように下向きに凸となるように)曲線的に大きく形成することで、ディフューザ流路8の流路断面積を線形的に変化させることが可能となる。これにより、ディフューザ性能が良好となる。
フィレット50を複数のディフューザ翼30の各々の圧力面30aおよび負圧面30bの夫々に形成した場合、フィレット50の半径Rは、以下のようにしてもよい。すなわち、圧力面30aに形成されているフィレット50の半径をR、負圧面30bに形成されているフィレット50の半径をRとした場合に、圧力面30aに形成されているフィレット50のR/bの分布と、負圧面30bに形成されているフィレットのR/bの分布とは、互いに異なっていてもよい。
本発明者の知見によれば、ディフューザ流路8における境界層91の厚さは、圧力面30a側と負圧面30b側とで異なっている。このため、上述したように、圧力面30aに形成されているフィレット50のR/bの分布と、負圧面30bに形成されているフィレット50のR/bの分布とを、夫々の面において形成される境界層91の厚さに応じて互いに異なるように形成することで、ディフューザ性能を向上できる。
また、フィレット50を複数のディフューザ翼30の各々の圧力面30aおよび負圧面30bの夫々に形成した場合、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側におけるR/bの最大値は、ディフューザ流路8のスロート位置41aの下流側におけるR/bの最大値よりも大きいとよい。
本発明者の知見によれば、遠心圧縮機のある作動点においては、圧力面30a側の方が負圧面30b側よりも境界層91が厚く形成される場合がある。このため、上述したように、スロート位置41aの下流側における圧力面30a側のR/bの最大値を、負圧面30b側のR/bの最大値よりも大きくすることで、ディフューザ性能を向上できる。
なお、フィレット50は、複数のディフューザ翼30の各々とハブ側面13aとの接続部43のみ、又は、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45のみに形成されていてもよい。
上記のフィレット50は、複数のディフューザ翼30の各々とハブ側面13aとの接続部43のみ、又は、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45のみに形成されるだけであっても、ディフューザ性能の向上に寄与する。
上述した幾つかの実施形態では、複数の羽根21の各々の先端21aは、遠心圧縮機100のケーシング3の内面3aに対して所定の隙間を存して配置されている。そして、上述した幾つかの実施形態では、フィレット50は、少なくとも、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45に形成されてもよい。
すなわち、上述した幾つかの実施形態では、インペラ20は、環状のシュラウド部材を有さない所謂オープンタイプインペラとして構成されている。
本発明者の知見によれば、オープンタイプインペラを有する遠心圧縮機100では、羽根21のチップクリアランスからの漏れ流れの影響により、ハブ側面13aよりもシュラウド側面15aの方が厚い境界層91が形成される。
したがって、上述した幾つかの実施形態によれば、複数のディフューザ翼30の各々とシュラウド側面15aとの接続部45にフィレット50を形成することで、オープンタイプインペラに対するディフューザ性能の向上を図ることができる。
なお、上述した幾つかの実施形態において、インペラ20は、環状のシュラウド部材を有していてもよい。
以上、説明したように、幾つかの実施形態に係る遠心圧縮機100は、上述した幾つかの実施形態に係るベーンドディフューザ10を備えるので、ディフューザ性能の効果的に向上でき、遠心圧縮機100の効率が向上する。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
なお、上述した幾つかの実施形態では、遠心圧縮機について説明したが、上述した幾つかの実施形態に係る特徴は、遠心ポンプにも適用可能である。
8 ディフューザ流路
10 ベーンドディフューザ
11 ディフューザ流路形成部
13,15 流路壁
13a ハブ側面
15a シュラウド側面
20 インペラ
21 羽根
21a 先端
30 ディフューザ翼
30a 壁面(圧力面)
30b 壁面(負圧面)
41 スロート
41a スロート位置
43,45 接続部
50 フィレット
100 遠心圧縮機

Claims (10)

  1. 遠心圧縮機のインペラの下流側に設けられるベーンドディフューザであって、
    ハブ側面および前記ハブ側面と対向するシュラウド側面を含み、前記インペラの下流側に環状のディフューザ流路を形成するディフューザ流路形成部と、
    前記ディフューザ流路に前記インペラの周方向に間隔をあけて設けられた複数のディフューザ翼と、を備え、
    前記複数のディフューザ翼の各々と、前記ハブ側面および前記シュラウド側面の少なくとも一方との接続部には、フィレットが形成され、
    前記フィレットの半径をR、前記複数のディフューザ翼の各々の翼高さをbとした場合に、前記ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の上流側におけるR/bの最大値よりも大きい
    ベーンドディフューザ。
  2. 前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、0.2以上である
    請求項1に記載のベーンドディフューザ。
  3. 前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって大きくなっている
    請求項1又は2に記載のベーンドディフューザ。
  4. 前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって線形的に大きくなっている
    請求項3に記載のベーンドディフューザ。
  5. 前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側における少なくとも一部の区間のR/bは、前記ディフューザ翼の後縁側に向かって、前記後縁側に向かうにつれて変化量が大きくなるように曲線的に大きくなっている
    請求項3に記載のベーンドディフューザ。
  6. 前記フィレットは、前記複数のディフューザ翼の各々の圧力面および負圧面の夫々に形成され、
    前記圧力面に形成されている前記フィレットの半径をR、前記負圧面に形成されている前記フィレットの半径をRとした場合に、前記圧力面に形成されている前記フィレットのR/bの分布と、前記負圧面に形成されている前記フィレットのR/bの分布とは、互いに異なっている
    請求項1乃至5の何れか1項に記載のベーンドディフューザ。
  7. 前記ディフューザ流路のスロート位置の下流側におけるR/bの最大値は、前記ディフューザ流路の前記スロート位置の下流側におけるR/bの最大値よりも大きい
    請求項6に記載のベーンドディフューザ。
  8. 前記フィレットは、前記複数のディフューザ翼の各々と前記ハブ側面との接続部のみ、又は、前記複数のディフューザ翼の各々と前記シュラウド側面との接続部のみに形成される
    請求項1乃至7の何れか1項に記載のベーンドディフューザ。
  9. 前記インペラは、前記インペラの周方向に間隔をあけて設けられた複数の羽根を含み、
    前記複数の羽根の各々の先端は、前記遠心圧縮機のケーシングの内面に対して所定の隙間を存して配置されており、
    前記フィレットは、少なくとも、前記複数のディフューザ翼の各々と前記シュラウド側面との接続部に形成される
    請求項1乃至7の何れか1項に記載のベーンドディフューザ。
  10. インペラと、
    請求項1乃至9の何れか1項に記載のベーンドディフューザと、を備える
    遠心圧縮機。
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