JP6785623B2 - 流体機械 - Google Patents

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Description

本発明は、羽根付きディフューザを備える流体機械に関する。
回転する遠心式羽根車を有する遠心式流体機械は、従来、様々なプラント、空調機器、液体圧送ポンプ、ターボチャージャ等において利用されている。近年の環境負荷低減要求の高まりを受けて、このような遠心式流体機械等の流体機械は、従来以上の高効率化と、高作動範囲化が求められている。
遠心式流体機械の一種である単段の遠心ブロワでは、片持ちの軸に一つの羽根車が締結されており、その下流側にはディフューザとスクロールとが設けられていることが一般的である。ディフューザとしては、ベーンレスディフューザや羽根付きディフューザが、その用途や目的に応じて設置されている。
羽根付きディフューザの一種である小弦節比ディフューザは、ディフューザの翼の前縁において入り口角度に沿う線に垂直に引いた線が隣り合う翼と交差しない程度に翼が短い。このため、小弦節比ディフューザは、翼列部にスロートを有さないことを特徴とし、低流量域において二次流れによる翼面上の境界層掃き出し効果によって翼面剥離を防ぐので、作動範囲を確保したい場合に用いられることが多い。
小弦節比ディフューザに代表される遠心式流体機械向けの羽根付きディフューザには、基準となる翼型を翼高さ方向(翼スパン方向)に平行に積層した二次元翼が一般的に用いられている。しかし、更なる性能改善の要求から、翼形状の三次元化が行われている。
例えば特許文献1には、ディフューザの翼を規定するために基準となる翼型を翼高さ方向に積層する際、翼型を羽根車の回転方向に対して順方向や逆方向に移動させながら積層する技術が開示されている。これにより、翼高さ方向に形成される圧力面、負圧面が、自由曲面によって表現される。
特開2012−122443号公報
特許文献1に記載のディフューザは、翼の圧力面、負圧面を自由曲面によって表現することによって、翼から流体へと作用する翼力の向きを制御し、二次流れの発達を抑制することを特徴としている。そして、この特許文献1に記載のディフューザの翼の形状は、ハブ板とシュラウド板との間に羽根が設けられたクローズド型の羽根車を備える流体機械に適用されている。
一方、シュラウド板を有しないオープン型の羽根車を備える流体機械は、羽根車のシュラウド面側に発達する翼端漏れ流れの存在がディフューザにおける流れに影響を及ぼす点で、クローズド型の羽根車を備える流体機械と異なっている。このため、特許文献1に記載のディフューザの翼の形状は、オープン型の羽根車を備える流体機械のディフューザにおいて生じる逆流を十分に抑制できるものではなかった。
本発明は、前記した事情に鑑みなされたものであり、オープン型の羽根車を備える流体機械において、羽根付きディフューザにおける逆流をより抑制することを課題とする。
上記課題を達成すべく、本発明に係る流体機械は、円管形状をなすハブ板、および前記ハブ板の外周面に配置されている複数の羽根を有するオープン型の羽根車と、前記羽根車の下流に配置されている羽根付きディフューザと、を備え、前記羽根付きディフューザは、前記羽根車の下流側においてハブ面とシュラウド面との間に形成された流路中に周方向に間隔をあけて配置された複数の翼を有しており、各々の前記翼は、基準となる翼型が前記羽根車の回転軸の軸方向である翼高さ方向に、該翼高さ方向と垂直な平面内での移動を伴って積層された形状で形成されており、前記翼高さ方向と垂直な平面内における移動方向のうち、基準となる翼型の前縁と後縁とを結ぶ翼弦方向に垂直な方向の成分であって羽根車の回転方向と逆の方向に移動させることを正方向の移動とするダイヘドラル分布が、前記ハブ面から前記シュラウド面に向けて、前記ハブ面から単調増加し、一つの極大値を示した後、前記極大値を示す位置から前記シュラウド面まで単調減少しており、前記極大値を示す位置は、前記翼の翼高さ方向の中央位置よりも前記ハブ面側に設定されており、前記翼の翼面の全領域のうち、70%以上の領域が前記回転軸に対して傾斜していることを特徴とする。
本発明によれば、オープン型の羽根車を備える流体機械において、羽根付きディフューザにおける逆流をより抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る流体機械を示す子午面断面図である。 基準となる翼型を積層することによって翼の形状を規定する方法を説明するための図である。 ディフューザの翼のダイヘドラル分布の一例を示す図である。 従来の比較例に係るディフューザの翼の外観を示す図である。 本実施形態に係るディフューザの翼の外観を示す図である。 図6(a)は、比較例に係るディフューザにおける設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。図6(b)は、本実施形態に係るディフューザにおける設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。 図7(a)は、比較例に係るディフューザにおける非設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。図7(b)は、本実施形態に係るディフューザにおける非設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。 従来の比較例に係るディフューザを搭載した流体機械と、本実施形態に係るディフューザを搭載した流体機械との性能を比較したグラフである。 図9(a)は、従来の比較例に係るディフューザを搭載した流体機械における数値解析によって得られたディフューザ周囲の流れ場の一例を模式的に示す図である。図9(b)は、本実施形態に係るディフューザを搭載した流体機械における数値解析によって得られたディフューザ周囲の流れ場の一例を模式的に示す図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る流体機械100を示す子午面断面図である。子午面断面は、流体機械100を回転軸2の中心軸を含む平面で切断した断面に各部を投影したものである。本実施形態では、流体機械100が、単段(一段)の遠心式流体機械である例を取り上げて説明する。
なお、以下の説明において遠心式流体機械とは、例えば、遠心送風機や遠心ブロワ、遠心圧縮機を意味するものである。また、本発明は、単段、多段の遠心式流体機械すべてに適用できるものであり、特に単段のものに限るものではない。
図1に示すように、流体機械100は、遠心式羽根車(以下、単に「羽根車」ともいう)1、回転軸2、吸込口配管3、インレットガイドベーン4、羽根付きディフューザ(以下、単に「ディフューザ」ともいう)5、およびスクロール6を備えている。
羽根車1は、主として、回転することで流体にエネルギを付与する。回転軸2は、羽根車1を回転させるためのものである。吸込口配管3は、羽根車1の空気導入部分の上流に設けられている。インレットガイドベーン4は、吸込口配管3の下流に設けられており、羽根車1への流入流れに任意の旋回速度を付与する。ディフューザ5は、羽根車1の下流、すなわち半径方向外側に配置されている。ディフューザ5は、小弦節比ディフューザであり、羽根車1の出口から流入する流体の動圧を静圧へと変換する。スクロール6は、ディフューザ5の下流に設けられている。
羽根車1は、円管形状をなすハブ板1a、およびハブ板1aの外周面に周方向に間隔をあけて配置されている複数の羽根1bを有しており、シュラウド板を有していない。すなわち、羽根車1はオープン型の羽根車である。
ディフューザ5は、羽根車1の下流側においてハブ面12とシュラウド面13との間に形成された流路中に周方向に間隔をあけて配置された複数の翼11を有している。ここでは、翼11は、ケーシング7に取り付けられたハブ板部8の表面であるハブ面12上に立設されている。ディフューザ5の翼11は、羽根車1の出口からの流れを適切に転向させることで、静圧回復の効率を高めている。
羽根車1とディフューザ5は、ケーシング7によって覆われることで流路を形成している。オープン型の羽根車1を備える流体機械100では、構造上、羽根車1の羽根1bとケーシング7の内側壁面14との間に間隙が形成されている。また、ケーシング7は、ディフューザ5の部分において、シュラウド面13を形成している。ケーシング7は、中空形状をなしており、ケーシング7の中央部に回転軸2が図示しない軸受により支持されている。回転軸2の端部には、図示しない駆動装置が連結されている。
ケーシング7には、流体が羽根車1に向けて該羽根車1の軸方向に沿って吸入される吸入通路22が形成されている。流体は、この吸入通路22を介して羽根車前縁15の方へ取り込まれる。また、ケーシング7には、羽根車1で圧縮された流体を、該羽根車1の軸方向に直交する径方向に沿って排出するための排出通路23が形成されている。排出通路23は、羽根車1の外周側に配置されている。
このように構成された流体機械100では、図示しない駆動装置によって回転軸2が回転すると、羽根車1が回転し、流体が吸込口配管3を通してケーシング7内に吸い込まれる。吸い込まれた流体は、インレットガイドベーン4と回転する羽根車1を通過する過程で昇圧された後、ディフューザ5、スクロール6を経る際に圧縮流体の動圧が静圧に変換され、図示しない吐出口から外部へと吐出される。
図2は、基準となる翼型11aを積み重ねる(積層する)ことによって翼11の形状を規定する方法を説明するための図である。
図2に示すように、図1のディフューザ5の各々の翼11は、基準となる翼型11aが翼高さ方向に、翼型11aの大きさを維持したまま、該翼高さ方向と垂直な平面内での移動を伴って積層された形状で形成されている。ここで、翼高さ方向は、羽根車1の回転軸2の軸方向である。また、翼高さ方向と垂直な平面は、図2の紙面に平行な平面である。
ここで、翼高さ方向と垂直な平面内における移動方向のうち、翼型11aの前縁101と後縁102とを結ぶ翼弦C方向に垂直な方向の成分であって羽根車1の回転方向と逆の方向に移動させることを正方向のダイヘドラル移動と呼ぶ。また、ダイヘドラル移動方向の移動量をダイヘドラル量Δδとする。そして、翼高さ方向の位置とダイヘドラル量Δδとの関係を示す分布をダイヘドラル分布と呼ぶ。
一方、翼高さ方向と垂直な平面内における移動方向のうち、翼型11aの前縁101と後縁102とを結ぶ翼弦C方向に平行な方向の成分であって下流側へ移動させることを正方向のスイープ移動と呼ぶ。また、スイープ移動方向の移動量をスイープ量Δσとする。なお、本実施形態では、スイープ量Δσ=0の場合について説明する。
図3は、ディフューザ5の翼11のダイヘドラル分布の一例を示す図である。図3では、ダイヘドラル量Δδは、翼弦Cの長さ(翼弦長)L(図2参照)で除されることによって無次元化されている。また、翼高さ方向の位置は、ハブ面12上の端縁位置を基準(=0)としており、翼の全高さで除されることによって無次元化されている。
図3に示すように、本実施形態に係るディフューザ5の翼11(図1参照、以降同様)のダイヘドラル分布は、ハブ面12(図1参照、以降同様)からシュラウド面13(図1参照、以降同様)に向けて、増加し、一つの極大値Pを示した後、減少している。一方、比較例に係るディフューザ20の翼21(図4参照)のダイヘドラル分布は、ハブ面12からシュラウド面13に向けて変化していない。
本実施形態では、ダイヘドラル分布において極大値Pを示す位置は、翼11の翼高さ方向の中央位置Mよりもハブ面12側に設定されている。ここで、極大値Pを示す位置は、翼の翼高さ方向においてハブ面12と交差する端縁位置を0%(図3中に「0.0」で示す)、シュラウド面13と交差する端縁位置を100%(図3中に「1.0」で示す)とした場合に、25%以上50%未満、好ましくは30%以上45%以下の位置に設定されている。
図4は、従来の比較例に係るディフューザ20の翼21の外観を示す図である。図5は、本実施形態に係るディフューザ5の翼11の外観を示す図である。
図5に示すように、本実施形態に係るディフューザ5の翼11の前縁101を規定する線は、ハブ面12上の点またはシュラウド面13上の点を基準として、羽根車1(図1参照、以降同様)の羽根車後縁16(図1参照)から離れるような曲線を形成している。
また、本実施形態では、翼11の翼面の全領域のうち、70%以上の領域が、羽根車1の回転軸2(図1参照、以降同様)に対して傾斜している。ここでは、図3に示すように、ダイヘドラル分布が、ハブ面12からシュラウド面13に向けて、ハブ面12から極大値Pを示す位置まで単調増加し、極大値Pを示す位置からシュラウド面13まで単調減少している。すなわち、ここでは、翼11の翼面の全領域のうち、極大値Pを示す位置以外の領域は、羽根車1の回転軸2に対して傾斜している。
なお、翼面は、後記する圧力面103、負圧面104の総称である。また、「単調増加」とは、対象区間全体において常に増加することをいい、「単調減少」とは、対象区間全体において常に減少することをいう。
図4に示すように、従来の比較例に係るディフューザ20の翼21は、基準となる翼型11a(図2参照、以降同様)を回転軸2の軸方向である翼高さ方向に積み重ねる際に、翼高さ方向に平行に積層した形状に形成されている。
一方、図5に示すように、本実施形態に係るディフューザ5の翼11は、翼型11aを図3に示すようなダイヘドラル分布にしたがって積層した形状に形成されている。このため、翼11の圧力面103、負圧面104が曲面を呈する形状となっている。また、その曲面は、ダイヘドラル分布がハブ面12からシュラウド面13に向けて、初めに増加する(正方向に移動する)ように形成されている。さらに、その曲面は、ハブ面12から翼高さ方向の中央位置Mまでの間に一つの極大値P(図3参照)を示し、その後、シュラウド面13までの間で減少している(負方向に転じている)。なお、負圧面104は、羽根車1の回転方向に対して背面側になる翼面である。
このようにディフューザ5の翼11が図3に示すようなダイヘドラル分布にしたがって積層して形成される形状を有することで、隣り合う翼11間を通過する流体に作用する翼力の方向が変化する。これにより、隣り合う翼11間の流路内の静圧分布が変化する。そして、従来の比較例に係る翼21の形状では翼21の負圧面104のハブ面12側またはシュラウド面13側で逆流域が生じていた箇所へも、本実施形態によればハブ面12またはシュラウド面13に向かう翼力を作用させることができ、逆流の発生を抑えることが可能となる。
ディフューザ5内の逆流域の発生は、径方向外向きに上昇していく静圧に対し、流れによって生じる径方向外向きの力の釣り合いが崩れた際に生じるものと言われている。この流れによって生じる径方向外向きの力は、流れの周方向成分に起因する遠心力と、径方向成分の減速の際に受け渡される単位時間当たりの径方向運動量によるものである。ハブ面12、シュラウド面13で生じる剥離、逆流は、流れによる径方向外向きの力が、断面平均静圧勾配に打ち勝てず、静圧の高い領域から低い領域へと流動することによって生じているものと考えられる。すなわち、翼11の翼面から作用する翼力の向きを、制御することによって、剥離、逆流の抑制が可能となる。
次に、図6〜図7を参照して、本実施形態に係るディフューザ5における剥離、逆流の抑制メカニズムについて説明する。
図6(a)は、比較例に係るディフューザ20における設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。図6(b)は、本実施形態に係るディフューザ5における設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。図7(a)は、比較例に係るディフューザ20における非設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。図7(b)は、本実施形態に係るディフューザ5における非設計点の流量時での流れを模式的に示す子午面断面図である。
図6、図7中に示す矢印は、ディフューザ5の翼11,21の負圧面104側を通過する流れの流線を表している。図6は、設計点近傍の場合、図7は設計点より低流量の場合における流れ場の一例を示している。
基本的に、羽根車1によって昇圧された流れ場は、図6、図7の左側に示すようにハブ面12からシュラウド面13にかけて不均一な流れ分布201を有している。図6、図7中では流れの分布201を二次元的な線として表しているが、実際は、流速が異なるだけではなく、流れ角も異なるため、三次元的に非常に複雑な流れを有していることとなる。特に、本実施形態で対象とするオープン型の羽根車1を有する流体機械100では、羽根車1の羽根1bとケーシング7の内側壁面14との間には翼端漏れ流れが存在する(図1参照)。このため、流れの子午面方向(子午面断面における流路に沿った方向;ディフューザ5では径方向)成分は非常に低く、周方向の成分が支配的であることが多い。流量条件によっては、羽根車1側へと逆流するような条件もあり得る。そのような流れ場が従来の比較例に係るディフューザ20へと流入すると、ハブ面12、シュラウド面13近傍の流れは、ディフューザ20の流路内での断面平均静圧勾配に打ち勝つことができず、図6(a)、図7(a)中に破線で示す逆流D、剥離を生じることとなる。
クローズド型の羽根車を有する流体機械の場合、羽根車出口の流れは、シュラウド側で子午面方向流速が速いことが多く、図6に示すような、シュラウド面13付近で急激に子午面方向流速が低下するような流れ分布201とは、基本的に異なっている。その結果、クローズド型の羽根車を有する流体機械では、主にハブ面12側で逆流を生じやすく、シュラウド面13側では逆流現象があまり生じない。そのため、あまりシュラウド面13側の翼11の形状に配慮をしなくてもよかった。
一方、本実施形態が対象とするオープン型の羽根車1を有する流体機械100では、シュラウド側の流れ角が小さく、かつ子午面方向の流速も低い。このため、ディフューザ5の複数の翼11から構成される翼列部に流体が流入する時点で、シュラウド面13側は逆流Dが生じることも多い(図6(a)参照)。
そのため、本実施形態では、翼11のダイヘドラル分布は、正方向のダイヘドラル量Δδを有する翼高さ方向の中央位置Mから、シュラウド面13まで単調減少している。つまり、本実施形態では、翼高さ方向の中央位置Mからシュラウド面13にかけて正方向のダイヘドラル量Δδが付与され、かつ、翼面が回転軸2に対して傾斜するように翼11が変形させられている。これにより、図6(b)に示すように、翼11の負圧面104上の流線を強制的にシュラウド面13側に寄せる翼力を流れに与えることができる。この翼力は、図6(a)に示すような逆流Dを押し戻す効果を発揮するため、シュラウド面13における逆流Dを抑えることができる。
また、図7に示すように、流体機械100の運転条件が設計点とは異なる条件の場合、一般的に、ハブ面12側の子午面方向の流速が急激に低下する流れ分布201となる傾向にある。このため、オープン型の羽根車1、クローズド型羽根車のどちらであっても、ハブ面12上で逆流Dが生じる(図7(a)参照)。
そのため、本実施形態では、翼11のダイヘドラル分布は、ハブ面12から翼高さ方向の中央位置Mに向けて増加し、翼高さ方向の中央位置までに一つの極大値Pを示している。つまり、本実施形態では、ハブ面12から翼高さ方向の中央位置Mまでの間に、正方向のダイヘドラル量Δδが付与され、かつ、ダイヘドラル量Δδが減少に転じるように、羽根車1の回転方向と逆方向に凸形状を呈する凸部が設けられている。これにより、図7(b)に示すように、翼11の負圧面104上の流線を強制的にハブ面12側に寄せる翼力を流れに与えることができる。この翼力は、図7(a)に示すような逆流Dを押し戻す効果を発揮するため、ハブ面12における逆流Dを抑えることができる。
ハブ面12側、およびシュラウド面13側の双方に適切に翼力を作用させることが重要である。特に、非設計点での流れ場では、ハブ面12側で比較的大きな逆流が発生する傾向にあるが、一方でシュラウド面13側の逆流は、設計点、非設計点の間で大きな差は現れにくい。したがって、図3に示すように、翼11のダイヘドラル分布において、ハブ面12側に急激な傾斜を示す急傾斜部Aを設け、シュラウド面13側には相対的にゆるい傾斜を示す緩傾斜部Bを設けることによって、翼力を調整することが重要となる。そのため、正方向に増加するダイヘドラル量Δδが減少に転じる凸部をできるだけハブ面12側に設けることが、ハブ面12側とシュラウド面13側との双方で逆流をより抑制する上で重要な要素となる。ここで、傾斜は、ダイヘドラル量Δδの変化量を翼高さ方向の位置の変化量で除した値である。
図8は、従来の比較例に係るディフューザ20(図4参照)を搭載した流体機械と、本実施形態に係るディフューザ5(図5参照)を搭載した流体機械100との性能を比較したグラフである。図8に示すグラフは、流体機械の断熱効率の比較を示している。
図8に示すように、本実施形態に係るディフューザ5を備える流体機械100は、従来の比較例に係るディフューザ20を備える流体機械に比べて、設計点Eにおいて1.2%効率が向上していることがわかる。このことから、本実施形態に係るディフューザ5の翼11の形状の優位性が示されていると言える。
図9(a)は、従来の比較例に係るディフューザ20を搭載した流体機械における数値解析(3次元流体解析)によって得られたディフューザ20周囲の流れ場の一例を模式的に示す図である。図9(b)は、本実施形態に係るディフューザ5を搭載した流体機械100における数値解析によって得られたディフューザ5周囲の流れ場の一例を模式的に示す図である。図9(a)および図9(b)に示す2つのディフューザ周囲の流れ場は、同じ流量点で得られたものを示している。
図9(a)に示すように、比較例に係るディフューザ20では、図6〜図7で示したような、ディフューザ20の翼21の負圧面104側のハブ面12、シュラウド面13上に逆流Dを生じる領域(逆流域)が存在していることがわかる。一方、図9(b)に示すように、本実施形態に係るディフューザ5の翼11の負圧面104側では逆流域が消失していることがわかる。
また、図9(a)および図9(b)には、ハブ面12上の限界流線が合わせて表示されている。ディフューザ5の翼11の下流部におけるハブ面12上の限界流線は、比較例では周方向に旋回するような流線を描いているのに対し、本実施形態では、放射状に近付く方向に少し変化した流線を描いていることがわかる。これは、本実施形態では、ハブ面12側の流れ角が増加し、逆流が生じにくい流れ場となっていることを意味する。
このように図8および図9から、本実施形態に係るディフューザ5の翼11の形状の優位性が、性能(断熱効率)と流れ場の双方から確認することができた。
前記したように、本実施形態では、ディフューザ5の各々の翼11は、基準となる翼型11aが翼高さ方向に、該翼高さ方向と垂直な平面内での移動を伴って積層された形状で形成されている。ここで、翼高さ方向と垂直な平面内における移動方向のうち、翼型11aの前縁101と後縁102とを結ぶ翼弦C方向に垂直な方向の成分であって羽根車1の回転方向と逆の方向に移動させることを正方向のダイヘドラル移動と呼ぶ。そして、翼高さ方向の位置とダイヘドラル量との関係を示す分布をダイヘドラル分布が、ハブ面12からシュラウド面13に向けて、増加し、一つの極大値Pを示した後、減少している。また、ダイヘドラル分布において極大値Pを示す位置は、翼11の翼高さ方向の中央位置Mよりもハブ面12側に設定されている。
このような本実施形態では、オープン型の羽根車1を有する流体機械100において、ディフューザ5の翼11の負圧面104上の流れに対してハブ面12やシュラウド面13に向かう翼力を作用させることができる。これにより、ハブ面12やシュラウド面13における逆流の発生を抑えることが可能となる。しかも、ダイヘドラル分布において極大値Pを示す位置が翼11の翼高さ方向の中央位置Mよりもハブ面12側に設定されているため、ハブ面12側に形成される急傾斜部Aによってハブ面12に向かう翼力をより大きく作用させることができる。これにより、ハブ面12側で比較的大きな逆流が発生する傾向にある非設計点(低流量時)での流れ場でも、逆流の発生を抑えることが可能となる。
すなわち、本実施形態によれば、オープン型の羽根車1を備える流体機械100において、羽根付きディフューザ5における逆流をより抑制することができる。
そして、羽根付きディフューザ5における逆流を抑制することで、作動範囲を損ねることなく、高効率化を実現可能な流体機械100を提供できる。
また、本実施形態では、極大値Pを示す位置は、翼の翼高さ方向においてハブ面12と交差する端縁位置を0%、シュラウド面13と交差する端縁位置を100%とした場合に、25%以上50%未満の位置に設定されている。このように極大値Pを示す位置を所定の範囲内に設定することによって、ハブ面12側で比較的大きな逆流が発生する傾向にある非設計点(低流量時)での流れ場を含め、ハブ面12側およびシュラウド面13側の双方で逆流をより抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、翼11の翼面の全領域のうち、70%以上の領域が、羽根車1の回転軸2に対して傾斜している。このような構成によれば、翼11において傾斜した翼面が広範囲に形成されているため、翼11の翼面からより大きな翼力を作用させることが可能となる。
また、本実施形態では、ダイヘドラル分布が、ハブ面12からシュラウド面13に向けて、ハブ面12から極大値Pを示す位置まで単調増加し、極大値Pを示す位置からシュラウド面13まで単調減少している。このような構成によれば、翼11の翼面からより大きな翼力を作用させることができるとともに、翼11の負圧面104上の流れがより滑らかになり、効率が向上する。
以上、本発明について実施形態に基づいて説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、前記した実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、前記した実施形態では、流体機械100が遠心送風機や遠心ブロワ、遠心圧縮機である遠心式流体機械について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えばポンプ等の他の遠心式流体機械にも適用可能である。また、本発明は、斜流式の流体機械にも適用可能である。
また、前記した実施形態では、翼11は、ケーシング7に取り付けられたハブ板部8の表面であるハブ面12上に立設されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、翼11は、ケーシング7に取り付けられたシュラウド板部の表面であるシュラウド面13上に立設されていてもよい。あるいは、翼11は、ハブ板部8とシュラウド板部との間に設けられていてもよい。
また、前記した実施形態では、翼11を規定するために基準となる翼型11aを積層する際の翼型11aの移動方向が、ダイヘドラル移動方向の移動のみ(スイープ量Δσ=0)である場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明は、ダイヘドラル移動方向の移動とスイープ移動方向の移動とが組み合わされた場合にも適用可能であり、この場合でも前記した実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、本発明で最も重要な点は、翼11を規定するために翼型11aを積層する際のダイヘドラル分布が、図3に例示するような形状を有することである。
また、図3に示すダイヘドラル分布では、シュラウド面13上でのダイヘドラル量は、ハブ面12上でのダイヘドラル量と同じであるが、これに限定されるものではなく、ハブ面12上でのダイヘドラル量に対して正方向あるいは負方向にずれていてもよい。
1 羽根車
1a ハブ板
1b 羽根
2 回転軸
3 吸込口配管
4 インレットガイドベーン
5 ディフューザ
6 スクロール
7 ケーシング
8 ハブ板部
11 翼
11a 翼型
12 ハブ面
13 シュラウド面
14 内側壁面
15 羽根車前縁
16 羽根車後縁
22 吸入通路
23 排出通路
100 流体機械
101 前縁
102 後縁
103 圧力面(翼面)
104 負圧面(翼面)
201 羽根車出口の流れ分布
A 急傾斜部
B 緩傾斜部
C 翼弦
D 逆流
E 設計点
M 中央位置
P 極大値
Δδ ダイヘドラル量
Δσ スイープ量

Claims (3)

  1. 円管形状をなすハブ板、および前記ハブ板の外周面に配置されている複数の羽根を有するオープン型の羽根車と、
    前記羽根車の下流に配置されている羽根付きディフューザと、を備え、
    前記羽根付きディフューザは、前記羽根車の下流側においてハブ面とシュラウド面との間に形成された流路中に周方向に間隔をあけて配置された複数の翼を有しており、
    各々の前記翼は、基準となる翼型が前記羽根車の回転軸の軸方向である翼高さ方向に、該翼高さ方向と垂直な平面内での移動を伴って積層された形状で形成されており、
    前記翼高さ方向と垂直な平面内における移動方向のうち、基準となる翼型の前縁と後縁とを結ぶ翼弦方向に垂直な方向の成分であって羽根車の回転方向と逆の方向に移動させることを正方向の移動とするダイヘドラル分布が、前記ハブ面から前記シュラウド面に向けて、前記ハブ面から単調増加し、一つの極大値を示した後、前記極大値を示す位置から前記シュラウド面まで単調減少しており、
    前記極大値を示す位置は、前記翼の翼高さ方向の中央位置よりも前記ハブ面側に設定されており、
    前記翼の翼面の全領域のうち、70%以上の領域が前記回転軸に対して傾斜していることを特徴とする流体機械。
  2. 前記ダイヘドラル分布が、前記ハブ面から前記シュラウド面に向けて、前記ハブ面から単調増加し、一つの極大値を一点で示した後、前記極大値を示す位置から前記シュラウド面まで単調減少しており、
    前記翼の翼面の全領域のうち、前記極大値を示す位置以外の領域は、前記回転軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記極大値を示す位置は、前記翼の翼高さ方向において前記ハブ面と交差する端縁位置を0%、前記シュラウド面と交差する端縁位置を100%とした場合に、25%以上50%未満の位置に設定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体機械。
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