JP2020535364A - 転がり軸受保持器、転がり軸受保持器を製作する方法、およびスライドの使用 - Google Patents

Abstract

周方向に延びる少なくとも１つの閉じた保持器リング（１２）と、保持器リング（１２）から軸方向に突出する複数の保持器ウェブ（１４）とを有する、転がり軸受用の転がり軸受保持器（１０）が提供され、少なくとも１つの保持器リング（１２）と、それぞれ２つの保持器ウェブ（１４）とが、１つの転動体（１８）を収容するための収容ポケット（１６）を画定していて、周方向で相前後する保持器ウェブ（１４）は、１つの共通のスライド（２０）のための実質的に平行な離型方向（２８）を有した、周方向で相前後する少なくとも２つの収容ポケット（１６）を形成するために、異なる横断面形状を有しており、１つの収容ポケット（１６）を画定する保持器ウェブ（１４）は、互いに向かい合う側面（２４）を有していて、接線方向で互いに向かい合う側面（２４）の各対は、少なくとも部分領域で、離型方向（２８）に延びる、互いに平行な部分面（３０ａ，３０ｂ）を有しており、第１の部分面（３０ａ）は、転がり軸受保持器（１０）の内半径（Ｒ）に隣接して配置されており、少なくとも１つの第２の部分面（３０ｂ）は、転がり軸受保持器（１０）の内半径（Ｒ）から離間されて配置されており、第１の部分面（３０ａ）は、互いに向かい合う側面（２４）のうちの一方にのみ配置されており、少なくとも１つの第２の部分面（３０ｂ）は、互いに向かい合う側面（２４）のうちの少なくとも他方に配置されている。隣接する複数の収容ポケット（１６）を同様に方向付けることにより、収容ポケット（１６）の製作に必要なスライド（２０）の数を減らすことができ、これにより転がり軸受保持器（１０）の安価な製作が可能となる。

Description

本発明は、転がり軸受の転動体を、互いに規定された相対位置で転がり軸受内に位置決めすることができる転がり軸受保持器に関し、さらに転がり軸受保持器を製作する方法、およびスライドの使用に関する。

米国特許第３３５０１４９号明細書に示されているように、転がり軸受のための転がり軸受保持器をプラスチックから製作することが公知であり、この場合、転動体を収容するために設けられた各収容ポケットのために、転がり軸受保持器の離型の際に半径方向に摺動することができる１つ以上のスライドが設けられている。各スライドによって形成された収容ポケットは、これにより転がり軸受保持器の中心点に対して半径方向に向けられている。

独国特許出願公開第２７１１８８２号明細書には、球列を収容するための、周囲に分配された複数の案内軌道を有する保持器を備えた球ブシュが記載されている。保持器の製作は射出成形法により行われ、２つの案内軌道を成形するために、対称のラジアルスライドが使用される。

転がり軸受用の転がり軸受保持器を安価に製作し、その潤滑剤貯蔵能力を改善する必要性が常に存在している。

本発明の課題は、このような転がり軸受保持器の製作を可能にする手段を示すことである。

この課題は、本発明によれば、請求項１記載の特徴を有する転がり軸受保持器と、請求項７の特徴を有する方法、および請求項９の特徴を有する使用によって解決される。本発明の好適な構成は従属請求項および以下の説明に記載されており、これらは本発明の１つの態様をそれぞれ個々に、または組み合わせて示すことができる。

本発明によれば、周方向に延びる少なくとも１つの閉じた保持器リングと、保持器リングから軸方向に突出する複数の保持器ウェブとを有する、転がり軸受用の転がり軸受保持器が提供され、少なくとも１つの保持器リングと、それぞれ２つの保持器ウェブとが、１つの転動体を収容するための収容ポケットを画定しており、周方向で相前後する保持器ウェブは、１つの共通のスライドのための平行な離型方向を有した、周方向で相前後する少なくとも２つの収容ポケットを形成するために、異なる横断面形状を有している。１つの収容ポケットを画定する保持器ウェブは、互いに向かい合う側面を有しており、接線方向で互いに向かい合う側面の各対は、少なくとも部分領域で、離型方向に延びる、互いに平行な部分面を有しており、第１の部分面は、転がり軸受保持器の内半径に隣接して配置されており、少なくとも１つの第２の部分面は、転がり軸受保持器の内半径から離間されて配置されており、第１の部分面は、互いに向かい合う側面のうちの一方にのみ配置されており、少なくとも１つの第２の部分面は、互いに向かい合う側面のうちの少なくとも他方に配置されている。

第１の部分面のこのような形式の配置により、収容ポケット内に配置された転動体と転がり軸受保持器との間に、潤滑剤用の収容スペースが提供され、これにより転がり軸受の潤滑が著しく改善される。このような収容スペースは、このとき、収容ポケットと同時に安価に形成される。

周方向で相前後する２つの収容ポケットを、転がり軸受保持器および保持器リングの中心点に対して正確に半径方向に向けるのではなく、これらの収容ポケットを互いにほぼ平行に向けることができる。このために、割線としての転がり軸受保持器の中心点における仮想中心線が一方の側に向かって幾分ずれて延びるように、一方の収容ポケットを方向付けることができ、このとき他方の収容ポケットは、割線としての転がり軸受保持器の中心点における仮想中心線が逆の側に向かって幾分ずれて延びるように、方向付けることができる。隣接する収容ポケットを、純粋な半径方向に対してこのように幾分傾けて方向付けることにより、すなわち収容ポケットを、互いに平行な１つの共通の方向に方向付けることにより、これらの収容ポケットを、１つの共通のスライドまたは匹敵する工具によって同時に成形し、かつ離型することができる。転がり軸受保持器を製作する際に所望の数の収容ポケットを形成できるスライドの数を、これにより減らすことができる。これによりさらに、スライドを半径方向で動かすことができる操作アクチュエータの数も減少する。これにより、安価に製作できる工具を用いて転がり軸受保持器を製作することができるので、製造コストを減らすことができる。特に、大量生産で製作可能な規格化された標準的な軸受よりも少ない個数で製作される特殊な軸受の製作の際に、単価を減らすことができる。これにより、規格外の寸法および／またはプロファイル要件を有する支持される回転する構成部分を備えた個別に製作される特殊機械の製作を、安価に行うことができる。隣接する複数の収容ポケットを同様に方向付けることにより、収容ポケットの製作に必要なスライドの数を減らすことができ、したがって転がり軸受保持器の安価な製作が可能となる。

保持器リングは、半径方向で、転がり軸受の、特にラジアル軸受の、内輪と外輪との間に配置することができる。周方向で保持器ウェブによって互いに画定される複数の収容ポケット内では、特に球、円筒、ローラ、球面ころ、円錐ころ、ニードルとして形成されたそれぞれ１つの転動体が配置されており、この転動体は内輪および／または外輪に沿って転動することができる。割り当てられた収容ポケット内に配置された各転動体を、これにより周方向で互いに規定された間隔で、１つの共通の部分円半径上に配置することができる。特に、周方向で相前後するそれぞれ正確に２つの収容ポケットは、１つの共通の離型方向を有している。これにより容易に、それぞれ１つの共通の離型方向を有する２つの収容ポケットから成る対を複数、相前後して設けることができる。これにより、一次成形法、特にプラスチック射出成形の間に収容ポケットを形成するために必要なスライドの数を半減することができる。しかしながらさらに、それぞれ１つの共通の離型方向を有する３つ以上の収容ポケットを設けることもでき、したがって１つの共通のスライドによって対応する多数の収容ポケットを製作することができる。特に、多数の収容ポケットの場合には、対応するより多くの収容ポケットを、それぞれ１つのスライドによって製作することもできる。離型方向は、収容ポケットの形成後、スライドがそのために設けられた複数の収容ポケットから、スライドを引き出すときのスライドの直線運動方向に相当する。特に、スライド、またはスライドの重心もしくは中心線が、実質的に半径方向で動かされ、この場合、周方向でスライドの重心または中心線に対してずれた所属の収容ポケットの離型の際の、保持器リングの中心点を通って延びる運動方向に沿って行われる、スライドの半径方向の動きは、半径方向に対して傾けられた離型方向に相当し、この離型方向は、離型の際のスライドの移動方向に対して実質的に平行に、所定の間隔分だけ接線方向でずらされて延びている。少なくとも１つの収容ポケットの軸方向で見た横断面の面重心は、保持器リングの中心点を過ぎるように向けられた離型方向でのスライドの離型の際に、擦過される。

特に、周方向で相前後する保持器ウェブの、接線方向で互いに向かい合う側面は、各収容ポケット内での転動体の中心点を、予め規定された１つの共通の転動半径上に位置決めするように成形されている。この場合、割線の延在に相当する、収容ポケットの向きの傾斜は、離型方向に沿って平坦でまっすぐな側面の構造のもとで、それぞれ収容ポケット内に収容される転動体を半径方向でずらすことがある。しかしながら、側面の３次元的な形状の構成は、転動体の回転軸線が組み込まれた状態で、１つの共通の部分円上に位置するように選択されている。特に、側円は部分面において、このために例えば丸みの付いた当接面を形成することができ、この部分面は転動体に面接触することができ、これにより規定された半径上での転動体の所定の位置決めを強制的に行うことができる。

好適には、周方向で相前後する保持器ウェブの、接線方向で互いに向かい合う側面は、転動体に当接するためのそれぞれ１つの当接面を有しており、同じ収容ポケットの異なる保持器ウェブの当接面は、異なる半径上に位置決めされている。

収容ポケットの離型方向が半径方向に対して傾けられていることにより、収容ポケットの保持器ウェブの互いに向かい合う側面の対称的なまたは鏡像的な形状構成が必ずしも保証されなくてよい。側面の所定に非対称的かつ非鏡像的な構成により、各側面の、スライドにとって容易に到達可能な面領域で、特に丸みの付いたかつ／または転動体の外側輪郭に適合された当接面を形成することができる。この場合、転動体の回転軸線を所定の転動半形上に容易に位置決めすることができるように、当接面は半径方向で互いにずらされて配置されている。これにより、収容ポケット内に装着される転動体を、１つの共通の部分円に沿って容易に配置することができる。

本発明によれば、周方向で相前後する保持器ウェブの、接線方向で互いに向かい合う側面から成る少なくとも１つの対の側面は、少なくとも部分領域で、離型方向に延びるほぼ平行な面を有している。それぞれ平行な面の面法線は、離型方向に対してほぼ垂直に延びていてよい。平行な面は、例えば１〜５°の離型傾斜分だけ、離型方向に対して傾けられていてよい。場合によっては設けられている離型傾斜を除いては、側面は、特に当接面の外側で、実質的に離型方向に従っていてよい。これにより転がり軸受の案内のために必要ない不要な材料の使用を省くことができる。

特に、少なくとも１つの保持器ウェブは、接線方向で互いに逆向きの側面を有しており、これら側面は、それぞれ少なくとも部分領域で、離型方向に延びる互いにほぼ平行な面を有している。特に、１つの共通のスライドによって形成される２つの収容ポケットの間に成形される保持器ウェブは、互いにほぼ平行に離型方向に延びる部分面、特に第２の部分面を有することができる。場合によっては、互いにほぼ平行に延びる部分面は、例えば１〜５°の離型傾斜分だけ、離型方向に対して傾けられて延びていてよい。保持器ウェブはこれにより、所定の最小厚さを有することができ、これにより半径方向内側で薄い壁厚を有しており、半径方向外側で厚い壁厚を有している極端に円錐状の横断面を少なくとも減じることができる。収容ポケット内側における転動体の装着および位置決めを、これにより改善することができる。

特に、１つの共通のスライドによって形成される２つの収容ポケットの側方に配置されている両保持器ウェブは、互いに平行に離型方向に延びる部分面、特に第１の部分面を有することができる。

好適には、少なくとも１つの保持器ウェブは、半径方向外側に、接線方向および／または周方向に突出する、特に転動体を半径方向で部分的に覆うための付加部を有している。付加部は、例えばノーズ状に突出していてよく、少なくとも部分的に転動体の重心の半径方向外側に設けることができる当接面を、転動体のために形成することができる。比較的大きな転動半径に沿った転動体の望ましくない移動をこれによって阻止することができる。

特に好適には、付加部によって画定される、接線方向でアンダカットされた凹部は、この保持器ウェブの半径方向に対して傾けられた離型方向で、実質的に完全に自由に接近可能である。離型方向は、凹部を形成する側面において、半径方向に対して傾けられて延びているので、離型の際に、側面の凹部に関して、接線方向の移動成分により、側面からスライドを引き出すことができる。これにより、スライドは、半径方向で見て付加部の下方でアンダカットされている凹部に、アンダカットをカバーする段部を実際には克服することなく、到達することができ、離型の際にはこの凹部から離れることができる。

本発明はさらに、上述したように形成され、かつ別の構成で形成される本発明による転がり軸受保持器を、特にプラスチック射出成形によって製作する方法であって、少なくとも２つの突起を有する少なくとも１つのスライドを、金型内に準備し、プラスチック材料を金型内に充填し、このとき、保持器ウェブを形成するために、スライドの突起の少なくとも一部を、プラスチック材料によって取り囲み、転がり軸受保持器内に少なくとも２つの収容ポケットを同時に離型するために、金型に対して実質的に半径方向外側に向かってスライドを摺動させる方法に関する。隣接する複数の収容ポケットを同様に方向付けることにより、収容ポケットの製作に必要なスライドの数を減らすことができ、したがって転がり軸受保持器の安価な製作が可能となる。スライドの各突起は、各収容ポケットのためのネガ型を形成することができる。

特に、スライドは、隣接する２つの突起の間で、１つの保持器ウェブのネガ型を形成する。これにより、共通のスライドによって形成された収容ポケットの間に設けられる保持器ウェブの半径方向の延在もスライドによって形成することができる。これにより保持器ウェブの形状付与のために、突起間に挿入される金型の構成部分を回避することができるので、金型の簡単な構造が得られる。

本発明はさらに、一次成形法、特にプラスチック射出成形の間に、上述したように形成され、かつ別の構成で形成され得る転がり軸受保持器内に少なくとも２つの収容ポケットを形成し、離型するための、少なくとも２つの突起を有するスライドの使用に関する。隣接する複数の収容ポケットを同様に方向付けることにより、収容ポケットの製作に必要なスライドの数を減らすことができ、したがって転がり軸受保持器の安価な製作が可能となる。スライドは特に、上述した方法で使用することができる。好適には、スライドが特に半径方向で相対移動可能に案内されている金型が設けられている。

以下に、本発明の好ましい実施例を図面に基づき説明し、以下に示す特徴は、それぞれ個別に、かつ組み合わせた状態で、本発明の一態様を成すことができる。

製造中の転がり軸受保持器の一部を概略的に示す断面図である。 図１の転がり軸受保持器を概略的に示す斜視図である。 図１の転がり軸受保持器の細部を概略的に示す図である。

図１および図２に示した転がり軸受保持器１０は、周方向で環状に延び、軸方向で互いに離間し、かつ相前後して配置された２つの保持器リング１２を有しており、これら２つの保持器リングの間には、複数の保持器ウェブ１４が周方向で相前後して配置されている。保持器リング１２と、周方向で相前後するそれぞれ２つの保持器ウェブ１４とは、１つの収容ポケット１６を画定しており、この収容ポケット内にはそれぞれ１つの転動体１８を装着することができる。１つの収容ポケット１６を画定する両保持器ウェブ１４は、互いに向かい合う側面２４を有している。転がり軸受保持器１０は内半径Ｒを有している。転がり軸受保持器１０はプラスチック射出成形により製作することができ、図示した実施例では、周方向で相前後するそれぞれ２つの収容ポケット１６が、半径方向に摺動可能な１つの共通のスライド２０によって形成される。このためにスライド２０は、転がり軸受保持器１０の周方向で相前後する２つの突起２２を有しており、これら２つの突起は、各収容ポケット１６のためのネガ型を形成する。さらに、これら突起２２の間には、共通のスライド２０の両突起２２によって形成される両収容ポケット１６の間に位置する保持器ウェブ１４のためのネガ型が形成されている。

特に図３に示したように、周方向で相前後する保持器ウェブ１４は、それぞれ異なっており、特に交互に成形されている。保持器ウェブ１４は、転動体１８に面接触するための、図示した実施例では丸みの付いた当接面２６と、離型方向２８に沿って延びる部分面３０とを有する側面２４を有しており、同じスライド２０によって成形される部分面３０は、実質的に、互いに、かつスライド２０の離型方向２８に対して、平行に延びる。この場合、部分面３０は、場合によって離型傾斜分だけ僅かに、離型方向２８に対して傾いて延びていてもよい。各収容ポケット１６の離型方向２８を、半径方向に対して比較的大きく傾けることにより、収容ポケット１６の側面２４に、半径方向で見て、突起状の付加部３２によってアンダカットされた凹部としての当接面２６を形成することができ、この場合、凹部は、スライド２０に属する突起２２に対して実際にはアンダカットされずに配置されている。

さらに、転動体１８の回転軸線を、規定の半径上に保つことができるように、考察される１つの収容ポケット１６の異なる保持器ウェブ１４の当接面２６は、半径方向で互いにずらされて配置されている。

両収容ポケット１６を同時に成形する際に、１つのスライド２０の両突起２２によって両側から画定されている保持器ウェブ１４は、この場合、両側に第２の部分面３０ｂを有しており、これらの第２の部分面は、転がり軸受保持器１０の内半径Ｒから離間されて配置されている。収容ポケット１６に側方で隣接する両保持器ウェブ１４は、それぞれ収容ポケット１６に面する側面２４上に、転がり軸受保持器１０の内半径Ｒに直接隣接する第１の部分面３０ａをそれぞれ有している。これにより、転動体１８と第１の部分面３０ａとの間に、潤滑剤のための保持スペースＢが形成される（図１参照）。

１０ 転がり軸受保持器
１２ 保持器リング
１４ 保持器ウェブ
１６ 収容ポケット
１８ 転動体
２０ スライド
２２ 突起
２４ 側面
２６ 当接面
２８ 離型方向
３０ 部分面
３０ａ 第１の部分面
３０ｂ 第２の部分面
３２ 付加部
Ｒ 内半径
Ｂ 潤滑剤のための保持スペース

Claims (9)

1. 転がり軸受用の転がり軸受保持器（１０）であって、
   周方向に延びる少なくとも１つの閉じた保持器リング（１２）と、該保持器リング（１２）から軸方向に突出する複数の保持器ウェブ（１４）とを有しており、
   前記少なくとも１つの保持器リング（１２）と、それぞれ２つの保持器ウェブ（１４）とが、それぞれ１つの転動体（１８）を収容するための１つの収容ポケット（１６）を画定しており、周方向で相前後する保持器ウェブ（１４）は、１つの共通のスライド（２０）のための平行な離型方向（２８）を有した、周方向で相前後する少なくとも２つの収容ポケット（１６）を形成するために、異なる横断面形状を有しており、１つの収容ポケット（１６）を画定する前記保持器ウェブ（１４）は、互いに向かい合う側面（２４）を有していて、接線方向で互いに向かい合う側面（２４）の各対は、少なくとも部分領域で、離型方向（２８）に延びる、互いに平行な部分面（３０ａ，３０ｂ）を有しており、第１の部分面（３０ａ）は、前記転がり軸受保持器（１０）の内半径（Ｒ）に隣接して配置されており、少なくとも１つの第２の部分面（３０ｂ）は、前記転がり軸受保持器（１０）の前記内半径（Ｒ）から離間されて配置されており、前記第１の部分面（３０ａ）は、互いに向かい合う前記側面（２４）のうちの一方にのみ配置されており、前記少なくとも１つの第２の部分面（３０ｂ）は、互いに向かい合う前記側面（２４）のうちの少なくとも他方に配置されている、転がり軸受用の転がり軸受保持器（１０）。
2. 周方向で相前後する保持器ウェブ（１４）の、接線方向で互いに向かい合う前記側面（２４）は、前記各収容ポケット（１６）内における転動体（１８）の中心点を、予め規定された１つの共通の転動半径上に位置決めするように成形されている、請求項１記載の転がり軸受保持器。
3. 周方向で相前後する保持器ウェブ（１４）の、接線方向で互いに向かい合う前記側面（２４）は、前記転動体（１８）に当接するためのそれぞれ１つの当接面（２６）を有しており、同じ収容ポケット（１６）の異なる保持器ウェブ（１４）の前記当接面（２６）は、異なる半径上に位置決めされている、請求項１または２記載の転がり軸受保持器。
4. 少なくとも１つの保持器ウェブ（１４）は、接線方向で互いに逆向きの側面（２４）を有しており、前記側面は、それぞれ少なくとも部分領域で、離型方向（２８）に延びる互いに平行な面（３０，３０ａ）を有している、請求項１から３までのいずれか１項記載の転がり軸受保持器。
5. 少なくとも１つの保持器ウェブ（１４）は、半径方向外側に、接線方向および／または周方向に突出する、特に転動体（１８）を半径方向で部分的に覆うための付加部（３２）を有している、請求項１から４までのいずれか１項記載の転がり軸受保持器。
6. 前記付加部（３２）によって画定される、接線方向でアンダカットされた凹部は、この保持器ウェブ（１４）の半径方向に対して傾斜した離型方向（２８）で、実質的に完全に自由に接近可能である、請求項５記載の転がり軸受保持器。
7. 特にプラスチック射出成形によって、請求項１から６までのいずれか１項記載の転がり軸受保持器（１０）を製作する方法であって、少なくとも２つの突起（２２）を有する少なくとも１つのスライド（２０）を、金型内に準備し、
   プラスチック材料を前記金型内に充填し、このとき、保持器ウェブ（１４）を形成するために、前記スライド（２０）の前記突起（２２）の少なくとも一部を、前記プラスチック材料によって取り囲み、
   前記転がり軸受保持器（１０）内に少なくとも２つの収容ポケット（１６）を同時に離型するために、前記金型に対して半径方向外側に向かって前記スライド（２０）を摺動させる、方法。
8. 前記スライド（２０）は、隣接する２つの突起（２２）の間に、１つの保持器ウェブ（１４）のネガ型を形成する、請求項７記載の方法。
9. 一次成形法、特にプラスチック射出成形の間に、請求項１から６までのいずれか１項記載の転がり軸受保持器（１０）内に少なくとも２つの収容ポケット（１６）を形成し、離型するための、少なくとも２つの突起（２２）を有するスライド（２０）の使用。

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