JP2020193006A - 包装体 - Google Patents

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泰友 野一色
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友史 磯崎
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正啓 鶴原
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Abstract

【課題】再利用の容易な材料から構成され、かつ、被包装物を密封することができる包装体を提供する。【解決手段】被包装物を収容する内袋2と、少なくとも1つの内袋2を収容する外袋1とを備える包装体であって、内袋2および外袋1は紙基材を主体とするシートから構成され、外袋1は、内袋2を収容した状態で密封されている。少なくとも1つの内袋2が、被包装物を収容した状態で密封されていてもよい。また、少なくとも1つの内袋2に防湿体または脱酸素剤が収容されていてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、紙製の包装体に関する。
食品、医療品、電子部品等の品々は、酸化、湿気による変質、香気の希薄化等から保護するために包装体内部に密閉される。
従来、このような包装体は熱可塑性樹脂で形成されている。例えば特許文献1には、熱可塑性樹脂からなるオーバーコート層、金属箔からなるオーバーコート層、粒状脱酸素剤組成物が熱可塑性樹脂中に分散された脱酸素性樹脂組成物からなる酸素吸収樹脂層及び酸素透過性を有するシーラント樹脂層がこの順に積層された脱酸素性多層フィルムからなる包装袋が開示されている。
特開平11−235780号公報
しかしながら、合成樹脂はその再生コストが高く、再利用が難しい。また、劣化し微細化した合成樹脂が海洋生物に取り込まれる問題も指摘されている。
以上のことから、合成樹脂の使用量削減が世界的な潮流となっており、包装の分野においても、合成樹脂に代わる材料から構成され、かつ、被包装物を密閉することができる包装体が求められている。
本発明は、上記のような状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の課題は、再利用の容易な材料から構成され、かつ、被包装物を密閉することができる包装体を提供することを課題とする。
本発明者らは、包装体の主たる構成材料として紙基材を用い、さらに、当該包装体を内袋と外袋との二重構造とし、少なくとも外袋には密閉性を与えることにより、前記課題を解決し得ることを見出した。本発明はこのような知見を基に完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、以下のような構成を有している。
(1)被包装物を収容する内袋と、少なくとも1つの前記内袋を収容する外袋とを備える包装体であって、前記内袋および前記外袋は紙基材を主体とするシートから構成され、前記外袋は、前記内袋を収容した状態で密封されている包装体。
(2)少なくとも1つの前記内袋が被包装物を収容した状態で密封されている前記(1)の包装体。
(3)少なくとも1つの前記内袋に防湿体または脱酸素剤が収容されている前記(1)または(2)の包装体。
(4)前記外袋を構成する前記紙基材上の一方の面上に、水蒸気バリア層、1層以上のオーバーコート層をこの順に備え、前記水蒸気バリア層が水懸濁性高分子と層状無機化合物とを含有し、前記オーバーコート層が水溶性高分子および前記水懸濁性高分子の少なくとも一方を含有する前記(1)〜(3)のいずれかの包装体。
(5)前記内袋を構成する前記紙基材上の一方の面上に、水蒸気バリア層、1層以上のオーバーコート層をこの順に備え、前記水蒸気バリア層が水懸濁性高分子と層状無機化合物とを含有し、前記オーバーコート層が水溶性高分子および前記水懸濁性高分子の少なくとも一方を含有する前記(1)〜(4)のいずれかの包装体。
(6)前記水懸濁性高分子がエチレン・アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル系樹脂、生分解性樹脂の少なくとも1つを含有する前記(4)または(5)の包装体。
(7)前記エチレン・アクリル系共重合体におけるアクリル系単量体の含有量が1〜50mol%である前記(6)の包装体。
(8)前記生分解性樹脂がポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリ乳酸、ポリブチレンアジペートテレフタレートおよび3−ヒドロキシブタン酸・3−ヒドロキシヘキサン酸共重合体の少なくとも1つである前記(6)または(7)の包装体。
(9)前記層状無機化合物は、アスペクト比100以上であり、厚さが100nm以下である前記(4)〜(8)のいずれかの包装体。
(10)前記層状無機化合物がマイカ、ベントナイト、カオリン、タルクより選ばれる少なくとも1種である前記(4)〜(9)のいずれかの包装体。
(11)前記水蒸気バリア層が、カチオン性樹脂を含有する前記(4)〜(10)のいずれかの包装体。
(12)前記カチオン性樹脂が、ポリアミン、変性ポリアミドアミン、ポリアミドエピクロロヒドリンおよびポリエチレンイミンより選ばれる少なくとも1種である前記(11)の包装体。
(13)前記水溶性高分子がポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールである前記(4)〜(12)のいずれかの包装体。
(14)前記内袋および前記外袋の酸素透過度が2cc/m・day・atm未満である前記(1)〜(13)のいずれかの包装体。
(15)前記内袋および前記外袋の水蒸気透過度が20g/m・day以下である前記(1)〜(14)のいずれかの包装体。
(16)酸素透過度が1cc/m・day・atm未満である前記(1)〜(15)のいずれかの包装体。
(17)水蒸気透過度が10g/m・day以下である前記(1)〜(16)のいずれかの包装体。
本発明の包装体は、再利用の容易な材料から構成され、かつ、被包装物を密封することができる。
本発明の一実施形態に係る包装体の概略図である。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。
[包装体の構成]
図1に本実施形態の包装体の概略図を示す。
本実施形態の包装体は、被包装物(例えば、食品、医療品、電子部品等)を収容する内袋2と、少なくとも1つの内袋2を収容する外袋1とを備えている。内袋2および外袋1は、いずれも紙基材を主体とするシートから構成されている。紙基材には、熱可塑性樹脂からなるフィルムや金属箔は積層されていない。外袋1は内袋2を収容した状態で密封されている。ここでいう密封とは、包装体内部の被包装物をガス、水蒸気等の影響から保護すると同時に、被包装物の有する揮発性物質(香気)等の散逸を抑制し得るよう袋の開口部が封止されている状態をいう。本実施形態の包装体によれば、外袋1の内部空間が密閉された状態となる。
外袋1と内袋2とを備えることにより、一般的にはガス等の遮断度が低いとされる紙基材を用いた包装体であっても、熱可塑性樹脂から構成される包装体と同様の用途(例えば、食品、医療品、電子部品等)の包装に用いることができる。被包装物の保護は内袋2を収容した外袋1を密封することで実現できるが、被包装物を収容する内袋2を密封すると、被包装物をより確実に保護できるため好ましい。
外袋1の内部空間の密閉度を高める手段としては、例えば、外袋1に防湿剤や脱酸素剤等を収容する手段や、外袋1を構成する紙基材上に機能性の塗工層を設けていわゆる防湿紙とする手段等が挙げられる。上記の防湿剤や脱酸素剤は、紙基材を主体とする内袋2に収容されてもよい。これらの手段の中でも、紙基材に機能性の塗工層を設ける手段が、外袋1の外部の水蒸気やガスが外袋1の内部へ侵入することを防ぐことができるため好ましい。なお、外袋1の内部空間の密閉度を高める手段として、防湿剤や脱酸素剤を封入する手段を採用する場合においては、これら薬剤に水蒸気やガスを吸収させるべく、内袋2はガスや水蒸気をある程度透過させる構造としてもよい。
以下の本実施形態においては、紙基材に機能性の塗工層を設ける場合について詳細に説明する。
[紙基材]
本実施形態に用いられる紙基材は、植物由来の木材パルプを主成分として一般的に用いられている紙であれば特に制限はない。具体的には、晒または未晒クラフト紙、上質紙、板紙、ライナー紙、塗工紙、片艶紙、グラシン紙、グラファン紙等を挙げることができる。紙基材としては、紙基材の再利用を考慮すると機械的離解作用により水中で分散しやすいパルプを主成分とする紙であることが好ましい。
紙基材のJIS P8121:2012に準じて測定した離解フリーネス(濾水度)は、バリア性を向上させる観点から、800ml以下とすることが好ましく、500ml以下がより好ましい。ここで、離解フリーネスとは、抄紙後の紙をJIS P8220−1に準拠して離解したパルプを、JIS P8121:2012に準拠して測定したカナダ標準ろ水度(Canadian standard freeness)のことである。離解フリーネスを調製するためにパルプを叩解する方法については、公知の方法を使用することができる。
紙基材のサイズ度は、特に限定されないが、水蒸気バリア性を向上させる観点から、JIS P 8122:2004に準ずるステキヒトサイズ度を1秒以上とすることが好ましい。紙基材のサイズ度は、ロジン系、アルキルケテンダイマー系、アルケニル無水コハク酸系、スチレン−アクリル系、高級脂肪酸系、石油樹脂系等の内添サイズ剤の種類や含有量、パルプの種類、平滑化処理等によって制御することができる。内添サイズ剤の含有量は、特に限定されないが、紙基材のパルプ100質量部に対して0〜3質量部程度の範囲が好ましい。
紙基材には、公知の内添薬品を適宜添加することができる。内添薬品としては、例えば、二酸化チタン、カオリン、タルク、炭酸カルシウム等の填料、紙力増強剤、歩留り向上剤、pH調整剤、濾水性向上剤、耐水化剤、柔軟剤、帯電防止剤、消泡剤、スライムコントロール剤、染料・顔料等を挙げることができる。
紙基材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機(例えば長網抄紙機、ギャップフォーマー型抄紙機、円網式抄紙機、短網式抄紙機等の抄紙機)を適宜選択して使用する。抄紙機によって形成された紙層は、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させる。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、上記のようにして得られた紙基材に、カレンダーによる表面処理を施して厚みやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
[水蒸気バリア層]
被包装物を密閉する手段の一つとして、紙基材上に水蒸気バリア層を塗工して防湿紙とすることがあげられる。水蒸気バリア層は、水蒸気の透過を阻止する機能を有する層であり、水懸濁性高分子および層状無機化合物を含有する。水蒸気バリア層は上記化合物に加えてカチオン性樹脂を含有することが好ましい。
(層状無機化合物)
層状無機化合物の形態は、平板状である。層状無機化合物と水懸濁性高分子との混合溶液を作成し、紙基材上に塗工すると、水蒸気バリア層が形成される。水蒸気バリア層内においては、平板状の層状無機化合物が紙基材の平面(表面)とほぼ平行に積層した状態に配列する。そうすると、紙基材の平面方向では、層状無機化合物が存在していない領域の面積が小さくなることから、水蒸気の透過が抑制される。また、紙基材の厚さ方向では、平板状の層状無機化合物が紙基材平面に対して平行に配列した状態で存在するため、水蒸気バリア層中の水蒸気は層状無機化合物を迂回しながら透過することとなり、水蒸気の透過が抑制される。その結果、水蒸気バリア層は優れた水蒸気バリア性を発現することができる。
層状無機化合物の厚さは、100nm以下であることが好ましい。層状無機化合物の厚さは、50nm以下であることがより好ましく、20nm以下であることがさらに好ましい。層状無機化合物の平均厚さが小さい方が、水蒸気バリア層中における層状無機化合物の積層数が大きくなるため、高い水蒸気バリア性を発揮することができる。ここで、水蒸気バリア層中に含まれている状態での層状無機化合物の厚さは、以下のようにして求められる。まず、水蒸気バリア層の断面について、電子顕微鏡を用いて拡大写真を撮影する。このとき、画面内に層状無機化合物が20〜30個程度含まれる倍率とする。次に、画面内の層状無機化合物の個々の層状無機化合物の厚さを測定する。そして、得られた厚さの平均値を算出して、層状無機化合物の厚さとする。
層状無機化合物の長さは、1μm〜100μmであることが好ましい。長さが1μm以上であると、層状無機化合物が紙基材に対して平行に配列し易い。また、長さが100μm以下であると層状無機化合物の一部が水蒸気バリア層から突出する懸念が少ない。ここで、水蒸気バリア層中に含まれている状態での層状無機化合物の長さは、以下のようにして求められる。まず、水蒸気バリア層の断面について、電子顕微鏡を用いて拡大写真を撮影する。このとき、画面内に層状無機化合物が20〜30個程度含まれる倍率とする。次に、画面内の層状無機化合物の個々の層状無機化合物の長さを測定する。そして、得られた長さの平均値を算出して、層状無機化合物の長さとする。尚、層状無機化合物の長さは、粒子径という表現で記載されることもある。
層状無機化合物のアスペクト比は、100以上であることが好ましい。アスペクト比が100以上であると、所定の透湿度を達成することが可能となる。層状無機化合物のアスペクト比は、200以上がより好ましく、300以上がさらに好ましく、500以上が特に好ましい。アスペクト比が大きいほど、水蒸気の透過が抑制され、水蒸気バリア性が向上する。また、アスペクト比が大きいほど、層状無機化合物の添加量を低減させることができる。アスペクト比の上限は特に限定されず、塗工液の粘度の観点から10000以下程度が好ましい。ここで、アスペクト比とは、水蒸気バリア層の断面について、電子顕微鏡を用いて拡大写真を撮影し、上記した方法で得られた層状無機化合物の平均長さをその平均厚さで除した値である。
層状無機化合物の具体例としては、雲母族、脆雲母族等のマイカ、合成マイカ、ベントナイト、カオリナイト(カオリン鉱物)、パイロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、モンモリロナイトなどが挙げられる。
層状無機化合物の中でも、バリア性を向上させる観点から、マイカ、ベントナイト、カオリンおよびタルクより選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。マイカとしては、合成マイカ、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。また、ベントナイトとしては、モンモリロナイトが挙げられる。カオリンは、長石を含む岩石の風化によってできた粘土であり、カオリナイトが主成分である。タルクは、水酸化マグネシウムとケイ酸塩からなる鉱物であり、滑石とも呼ばれる。
層状無機化合物の含有量は、水蒸気バリア層の全固形分中80質量%以下が好ましく、70質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、20質量%以下が特に好ましく、10質量%以下が最も好ましい。一方、層状無機化合物の含有量は、1質量%以上が好ましく、2質量%以上がより好ましい。層状無機化合物のアスペクト比を大きくし、厚さを小さくすることによって、層状無機化合物の含有量を低減させることができ、水蒸気バリア層からの層状無機化合物の脱落を抑えることができる。
層状無機化合物の含有量は、水蒸気バリア層の水懸濁性高分子(バインダー)100質量部に対して0.1〜800質量部であることが好ましい。層状無機化合物の含有量は、好ましくは、水蒸気バリア層の水懸濁性高分子(バインダー)100質量部に対して1〜400質量部であり、より好ましくは、1〜200質量部であり、さらに好ましくは1〜100質量部であり、特に好ましくは1〜50質量部であり、最も好ましくは1〜20質量部である。層状無機化合物の含有量が、水蒸気バリア層の水懸濁性高分子(バインダー)100質量部に対して0.1質量部以上であると、水蒸気バリア性が発現し易い。また、層状無機化合物の含有量が、水蒸気バリア層の水懸濁性高分子(バインダー)100質量部に対して800質量部以下であると、層状無機化合物の一部が層表面から露出し難くなるので、水蒸気バリア性が低下しにくくなる。また、層状無機化合物の含有量が水蒸気バリア層の水懸濁性高分子100質量部に対して800質量部以下であると、オーバーコート層の塗工性が良好となり、均一なオーバーコート層が形成されるようになる。
(水懸濁性高分子)
水懸濁性高分子は、水に懸濁することが可能な高分子のことであり、塗工膜を形成する際に、水を溶媒とした塗工液を調整することが容易である。水懸濁性高分子は、塗工膜の形成においてバインダーとして機能するため、層状無機化合物等を含有する塗膜を紙基材上に形成することができる。水懸濁性高分子の骨格となるポリマーとしては、エチレン・アクリル系共重合体、スチレン・ブタジエン系共重合体、アクリル系樹脂および生分解性樹脂の少なくとも1つを含有することが好ましく、エチレン・アクリル系共重合体、スチレン・ブタジエン系共重合体または生分解性樹脂であることがより好ましい。
水懸濁性高分子の具体例を以下に説明する。エチレン・アクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、ブテントリカルボン酸などの不飽和カルボン酸、イタコン酸モノエチルエステル、フマル酸モノブチルエステル及びマレイン酸モノブチルエステルなどの、少なくとも1個のカルボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸アルキルエステル、アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリル酸スルホエチルナトリウム塩、メタクリル酸スルホプロピルナトリウム塩などの不飽和スルホン酸単量体又はその塩が挙げられる。エチレン・アクリル系共重合体を構成するアクリル系単量体は、1種類であってもよいし、2種類以上を併用してもよい。
エチレン・アクリル系共重合体は、エチレンと上記のアクリル系単量体とを乳化重合することによって得られる共重合体である。アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸などが好適である。エチレン・アクリル系共重合体としては、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・メタクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体およびエチレン・メタクリル酸ブチル共重合体のうちいずれか1種以上であることが好ましい。共重合体には、エチレンおよびアクリル系単量体と共重合可能なその他の化合物からなる単量体が少量共重合されていてもよい。
エチレン・アクリル系共重合体の具体例としては、例えばエチレン・アクリル酸共重合体アンモニウム塩の水性分散液が、ザイクセン(登録商標)AC等(アクリル酸の共重合比率20%、住友精化株式会社製)として市販されており、容易に入手し利用することができる。
エチレン・アクリル系共重合体は、アクリル系単量体単位の含有量が1〜50mol%であることが好ましい。アクリル系単量体単位の含有量がこの範囲にあるとき、溶融温度が60〜120℃となり、良好なヒートシール性を発現する優れたエチレン・アクリル系共重合体となる。エチレン・アクリル系共重合体におけるアクリル系単量体単位の含有量は、10〜30mol%であることがより好ましい。
エチレン・アクリル系共重合体の重量平均分子量は、塗工液粘度や塗工膜の強度の観点から、1万〜1000万が好ましく、10万〜500万がより好ましい。
エチレン・アクリル系共重合体の含有割合は、特に限定されないが、水蒸気バリア層の全固形分中20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましく、80質量%以上が最も好ましい。
生分解性樹脂の具体例としては、特に限定されず、例えばポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、3−ヒドロキシブタン酸・3−ヒドロキシヘキサン酸共重合体(PHBH)等が挙げられる。紙基材を用いた包装体は、熱可塑性樹脂を用いた包装体等に比べて環境負荷の低減という利点を有する包装体であるが、生分解性樹脂を用いることによってより一層環境負荷を低減させることができる。
水蒸気バリア層における水懸濁性高分子(バインダー)は、アニオン性であることが好ましい。バインダーが、アニオン性であることにより、水蒸気バリア性がより向上する。前記したように、層状無機化合物の平面部分はアニオン性であるが、カチオン性樹脂が吸着すると表面がカチオン性になる。そのため、アニオン性であるバインダーとの親和性が高まることとなる。
水蒸気バリア層には、水懸濁性高分子、層状無機化合物、カチオン性樹脂以外に、必要に応じて適宜、分散剤、界面活性剤、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などを添加することが可能である。
水蒸気バリア層の厚さは、1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましい。また、水蒸気バリア層の塗工量は、固形分として、1〜30g/mであることが好ましく、3〜20g/mであることがより好ましい。
(カチオン性樹脂)
層状無機化合物を含有する水蒸気バリア層にカチオン性樹脂を添加することは、水蒸気バリア性が大きく向上することができるため好ましい。
カチオン性樹脂を添加することによって、水蒸気バリア性が大きく向上する理由については、以下のように考えている。層状無機化合物は、平板状の形態の平面部分がアニオン性、エッジ部分がカチオン性に帯電し易いため、層状無機化合物が相互に立体的に凝集した、いわゆるカードハウス構造をとることが知られている。このカードハウス構造のために、層状無機化合物の水分散液の粘度は非常に高くなる。一方、カードハウス構造は攪拌などにより力を加えると簡単に壊れるため、層状無機化合物の水分散液はチキソトロピー性を示す。
層状無機化合物の水分散液に、適切なカチオン性樹脂を添加すると、層状無機化合物のアニオン性の平面部分にカチオン性樹脂が吸着することによって、カードハウス構造が破壊される。その結果、層状無機化合物が立体的に凝集することが抑制され、平板状の層状無機化合物が紙基材平面に対して平行に積層し易くなり、水蒸気バリア性の向上につながるものと推定している。
カチオン性樹脂の具体例としては、ポリアミン、変性ポリアミドアミン、ポリアミドエピクロロヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミド化合物、ポリアミドアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミン−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドアミンポリ尿素−エピハロヒドリン又はホルムアルデヒド縮合反応生成物、ポリアミドポリ尿素化合物、ポリアミンポリ尿素化合物、ポリアミドアミンポリ尿素化合物及びポリアミドアミン化合物、ポリビニルピリジン、アミノ変性アクリルアミド系化合物、ポリビニルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどを挙げることができる。これらの中でも、ポリアミン、変性ポリアミドアミン、ポリアミドエピクロロヒドリンおよびポリエチレンイミンより選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
カチオン性樹脂は、表面電荷が0.1〜10meq/gであることが好ましく、0.1〜5.0meq/gであることがより好ましい。カチオン性樹脂の表面電荷が前記範囲内であると、カードハウス構造を破壊することが可能であり、後記するアニオン性バインダーとも適度に共存することができる。
なお、カチオン性樹脂の表面電荷は、以下に記載する方法で測定する。まず、試料となる重合体を水に溶解して、重合体濃度1ppmの溶液を得る。その溶液に対し、チャージアナライザーMutek PCD−04型(BTG社製)を用いて、0.001Nポリエチレンスルホン酸ナトリウムを滴下して電荷量を測定する。
水蒸気バリア層におけるカチオン性樹脂の含有量は、水蒸気バリア層に使用される層状無機化合物とアニオン性バインダーの種類に応じて適宜決定すればよいが、バリア性を向上させる観点から、層状無機化合物100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、1〜250質量部がより好ましく、10〜150質量部がさらに好ましく、20〜150質量部が特に好ましく、20〜100質量部が最も好ましい。
また、カチオン性樹脂の含有量は、水蒸気バリア層の水懸濁性高分子(バインダー)100質量部に対して0.1〜20質量部であることが好ましく、0.1〜15質量部であることがより好ましく、1〜10質量部がさらに好ましい。
(その他の添加剤)
水蒸気バリア層は、水懸濁性高分子、層状無機化合物、カチオン性樹脂以外に、必要に応じて適宜、分散剤、界面活性剤、消泡剤、濡れ剤、染料、色合い調整剤、増粘剤などを添加することが可能である。
(塗工量)
水蒸気バリア層の厚さは、1〜30μmであることが好ましく、3〜20μmであることがより好ましい。また、水蒸気バリア層の塗工量は、固形分として、1〜30g/mであることが好ましく、3〜20g/mであることがより好ましい。
[オーバーコート層]
前述の水蒸気バリア層を保護するため、水蒸気バリア層の上に1層以上のオーバーコート層を形成することが好ましい。
水蒸気バリア層を設けた紙基材は、折り曲げ、接着等の加工を経て袋状に成形される。ところで、紙基材の折り曲げ部では、紙基材上の水蒸気バリア層が局部的に大きく引き延ばされ、水蒸気バリア層に微細な亀裂等が発生して、包装容器の水蒸気バリア性が低下するという問題が存在した。
そこで、本発明者らは、水蒸気バリア層の上にオーバーコート層を形成することを検討した。水蒸気バリア層の上にオーバーコート層が存在すると、水蒸気バリア層とオーバーコート層とは相互に密着するため、折り曲げ加工された際に、水蒸気バリア層およびオーバーコート層が一体となって変形し、水蒸気バリア層の変形や割れが生じ難くなる。その結果、内袋および外袋の水蒸気バリア性を良好に保つことが可能となった。
オーバーコート層は、水懸濁性高分子または水溶性高分子の少なくとも一方を含有する。
水懸濁性高分子の内容は前記したとおりである。オーバーコート層に水懸濁性高分子を添加すると、オーバーコート層は水蒸気バリア層と同種の層となるため、水蒸気バリア性を向上させることができる。
オーバーコート層に水溶性高分子を添加すると、オーバーコート層にガスバリア性を付与できる。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプンおよびその誘導体、セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ウレタン系樹脂、ポリアクリル酸およびその塩、カゼイン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
水溶性高分子の中でも、完全ケン化もしくは部分ケン化したポリビニルアルコール、または変性ポリビニルアルコールはガスバリア性がより優れている。変性ポリビニルアルコールとしては、エチレン変性ポリビニルアルコールカルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
また、これら水溶性高分子または水懸濁性高分子の中でもヒートシール性に優れた樹脂を用いれば、内袋および外袋をヒートシールで形成することが可能である。
上述のようにオーバーコート層は複数の層を備えていても構わない。各オーバーコート層に水蒸気バリア性、酸素バリア性、ヒートシール性等の様々な機能を付与することにより、折り曲げ部においても塗工層を保護し、水蒸気、酸素等の遮断に優れた包装体を得ることができる。
(塗工量)
オーバーコート層の厚さは、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmであることがより好ましい。また、オーバーコート層の塗工量は、固形分として、0.1〜20g/mであることが好ましく、0.5〜10g/mであることがより好ましい。
[包装体の性能]
(酸素透過度)
上記のような塗工層を設けた包装体の酸素透過度は1cc/m・day・atm未満であることが好ましい。酸素透過度がこのような範囲にあれば、ガスの透過を遮断することで、被包装物の酸化等を抑制することができる。
酸素透過度は、酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/20)を使用し、23℃−50%RH条件にて、塗工層を内側にして測定した。
このような酸素透過度は、外袋の酸素透過度を2cc/m・day・atm以下とすることで実現できる。また、内袋の酸素透過度の範囲も外袋と同様とすることが、より確実にガスを遮断することができるため好ましい。
(水蒸気透過度)
包装体の水蒸気透過度は10g/m・day以下であることが好ましい。水蒸気透過度がこのような範囲であれば、十分な防湿性を発揮し、湿気で劣化しやすい被包装物を保護することができる。
水蒸気透過度は、JIS Z 0208(カップ法)B法(40℃±0.5℃,90%±2%RH)に準拠し、塗工層を内側にして測定した。
このような水蒸気透過度は、外袋の水蒸気透過度を20g/m・day以下とすることで実現できる。また、内袋の水蒸気透過度の範囲を外袋と同様にすると、より効果的に水蒸気を遮断することができるため好ましい。
本実施形態の包装体は、上記の優れた水蒸気バリア性およびガスバリア性を生かして、食品、医療品、電子部品等の包装に好適に用いられることができる。また、本実施形態の包装体は、折割れに耐性を有することから、軟包装に好適に用いられることができる。
実施例・比較例に用いた原材料は以下のとおりである。
(1)紙基材
晒クラフト紙:坪量50g/m、厚さ60μm
(2)層状無機化合物
合成マイカ:膨潤性マイカ、粒子径6.3μm、固形分6%の水分散液、アスペクト比約1000、厚さ約5nm、製品名:NTO−05、トピー工業社製(固形分6%の水分散液)
カオリン:エンジニアードカオリン、粒子径10μm、アスペクト比約100、厚さ約100nm、製品名:バリサーフHX、イメリス社製
当該カオリンを水に分散させて、固形分55%の水分散液とした。
(3)カチオン性樹脂
変性ポリアミド系樹脂:固形分53%、製品名:SPI203(50)H、田岡化学工業社製、表面電荷0.4meq/g
(4)水懸濁性高分子
自己乳化型ポリオレフィン:オレフィン・不飽和カルボン酸系樹脂エマルジョン、固形分29.2%、製品名:ザイクセンAC、住友精化株式会社製
(5)水溶性高分子
変性ポリビニルアルコール:エチレン変性ポリビニルアルコール、完全ケン化型、製品名:エクセバールAQ−4104、クラレ社製
当該変性ポリビニルアルコールを固形分濃度10%水溶液に調製し、オーバーコート層用塗工液とした。
(防湿紙A)
合成マイカの水分散液19.7部に、攪拌しながら自己乳化型ポリオレフィン34.3部を加えて攪拌した。これに、変性ポリアミド系樹脂を1.7部加えて攪拌した。さらに、25%アンモニア水溶液を0.1 部加えて攪拌した。さらに、希釈水を加え、固形分濃度20%とし、水蒸気バリア層用塗工液とした。得られた水蒸気バリア層用塗工液を、塗工量が6g/mとなるように、晒クラフト紙にメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機内で120℃、1分間乾燥し、水蒸気バリア層を形成した。さらに、水蒸気バリア層の上に、オーバーコート層用塗工液を、塗工量が3.0g/mとなるようにメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機内で120℃、1分間乾燥してオーバーコート層を形成した。さらにヒートシール性を付与するために、このオーバーコート層の上にLDPE(日本ポリエチレン社製、LC520)30μmを押出ラミネート法によってラミネートした。このようにして、防湿紙Aを得た。
(防湿紙B)
攪拌しながら自己乳化型ポリオレフィン45部に対してカオリンの水分散液47.8部を加え、攪拌した。これに、変性ポリアミド系樹脂を1部加えて攪拌した。さらに、25%アンモニア水溶液を0.16部加えて攪拌した。さらに、希釈水を加え、固形分濃度20%とし、水蒸気バリア層の塗料とした。得られた水蒸気バリア層用塗工液を、水蒸気バリア層の塗工量が12g/mとなるように、晒クラフト紙にメイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機内で120℃、1分間乾燥し、水蒸気バリア層を形成した。さらに、水蒸気バリア層の上に、オーバーコート層用塗工液をオーバーコート層の塗工量が3.0g/mとなるように、メイヤーバーで塗工した後、熱風乾燥機内で120℃、1分間乾燥してオーバーコート層を形成した。さらにヒートシール性を付与するために、このオーバーコート層の上にポリ乳酸水懸濁液(ミヨシ油脂社製、ランディPL−3000)を5g/mになるように塗布した。このようにして、防湿紙Bを得た。
(実施例1)
防湿紙Aで外袋と内袋とを形成した。外袋1枚と内袋1枚を外袋紙基材/外袋塗工層/内袋紙基材/内袋塗工層の順に重ねて塗工層側を内側とし、実施例1の二重構造の包装体(二重袋)を得た。
(実施例2)
防湿紙Aで外袋を形成し、防湿紙Bで内袋を形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の二重構造の包装体(二重袋)を得た。
(実施例3)
防湿紙Bで外袋と内袋とを形成したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の二重構造の包装体(二重袋)を得た。
(比較例1)
防湿紙Aで袋を一つだけ形成した。この袋の塗工層側を内側とし、比較例1の一重構造の包装体(一重袋)を得た。
(比較例2)
防湿紙Bで袋を一つだけ形成した。この袋の塗工層側を内側とし、比較例2の一重構造の包装体(一重袋)を得た。
(評価方法)
<水蒸気透過度>
JIS Z 0208(カップ法)B法(40℃±0.5℃,90%±2%RH)で、バリア層を内側にして測定した。また、十字に折り曲げた後のサンプルについても同様の測定を行った。なお、水蒸気透過度の基準としては、10g/m・24h以下であれば、実用的な水蒸気バリア性能を有する包装体であると評価する。
<酸素透過度>
酸素透過率測定装置(MOCON社製、OX−TRAN2/20)を使用し、23℃,50%RH条件にて測定した。なお、酸素透過度の基準として、1cc/m・24h・atm未満であれば、実用的なガスバリア性能を有する包装体であると評価する。
実施例1〜3ならびに比較例1、2の包装体についての評価結果を表1に示した。
Figure 2020193006
表1から明らかなように、実施例1〜3の包装体はいずれも、水蒸気バリア性(水蒸気透過度)とガスバリア性(酸素透過度)に優れていた。実施例1〜3の比較から、アスペクト比が大きく薄い形状のマイカの方が、カオリンよりも水蒸気バリア性の向上において優れていることが確認できた。また、実施例3から、カオリンのみを用いた場合であっても外袋と内袋を備えた二重構造の包装体であれば、十分な水蒸気バリア性を得ることができることが確認できた。
一方、比較例1と比較例2の包装体は、袋が一重であるため、酸素バリア性がともに不十分であった。また、水蒸気バリア層にカオリンを用いた比較例2においては、水蒸気透過度も不十分であった。
1 外袋
2 内袋

Claims (17)

  1. 被包装物を収容する内袋と、
    少なくとも1つの前記内袋を収容する外袋とを備える包装体であって、
    前記内袋および前記外袋は紙基材を主体とするシートから構成され、
    前記外袋は、前記内袋を収容した状態で密封されている包装体。
  2. 少なくとも1つの前記内袋が被包装物を収容した状態で密封されている請求項1に記載の包装体。
  3. 少なくとも1つの前記内袋に防湿体または脱酸素剤が収容されている請求項1または請求項2に記載の包装体。
  4. 前記外袋を構成する前記紙基材上の一方の面上に、水蒸気バリア層、1層以上のオーバーコート層をこの順に備え、
    前記水蒸気バリア層が水懸濁性高分子と層状無機化合物とを含有し、
    前記オーバーコート層が水溶性高分子および前記水懸濁性高分子の少なくとも一方を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の包装体。
  5. 前記内袋を構成する前記紙基材上の一方の面上に、水蒸気バリア層、1層以上のオーバーコート層をこの順に備え、
    前記水蒸気バリア層が水懸濁性高分子と層状無機化合物とを含有し、
    前記オーバーコート層が水溶性高分子および前記水懸濁性高分子の少なくとも一方を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の包装体。
  6. 前記水懸濁性高分子がエチレン・アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリル系樹脂および生分解性樹脂の少なくとも1つを含有する請求項4または請求項5に記載の包装体。
  7. 前記エチレン・アクリル系共重合体におけるアクリル系単量体の含有量が1〜50mol%である請求項6に記載の包装体。
  8. 前記生分解性樹脂がポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリ乳酸、ポリブチレンアジペートテレフタレートおよび3−ヒドロキシブタン酸・3−ヒドロキシヘキサン酸共重合体の少なくとも一つである請求項6または請求項7に記載の包装体。
  9. 前記層状無機化合物は、アスペクト比100以上であり、厚さが100nm以下である請求項4〜8のいずれか1項に記載の包装体。
  10. 前記層状無機化合物がマイカ、ベントナイト、カオリン、タルクより選ばれる少なくとも1種である請求項4〜9のいずれか1項に記載の包装体。
  11. 前記水蒸気バリア層が、カチオン性樹脂を含有する請求項4〜10のいずれか1項に記載の包装体。
  12. 前記カチオン性樹脂が、ポリアミン、変性ポリアミドアミン、ポリアミドエピクロロヒドリンおよびポリエチレンイミンより選ばれる少なくとも1種である請求項11に記載の包装体。
  13. 前記水溶性高分子がポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールである請求項4〜12のいずれか1項に記載の包装体。
  14. 前記内袋および前記外袋の酸素透過度が2cc/m・day・atm未満である請求項1〜13のいずれか1項に記載の包装体。
  15. 前記内袋および前記外袋の水蒸気透過度が20g/m・day未満である請求項1〜14のいずれか1項に記載の包装体。
  16. 酸素透過度が1cc/m・day・atm未満である請求項1〜15のいずれか1項に記載の包装体。
  17. 水蒸気透過度が10g/m・day以下である請求項1〜16のいずれか1項に記載の包装体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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