JP2020172566A - ジスアゾ顔料、及びそれを用いたインキ組成物 - Google Patents

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可江 落合
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Abstract

【課題】耐光性、色相、透明性、流動性が共に優れるジスアゾ顔料、およびそれを用いたインキ組成物を提供する。【解決手段】酸性水溶液中にベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液と、カップラー成分を含むカップラー溶液とを、工程(A)〜工程(C)を連続して注入して反応させてなるジスアゾ顔料。2’,4’−ジメチルアセトアセトアニリド溶液とテトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(A)。一般式(1)CH3COCH2CONH−Xで示されるカップラー溶液と上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(B)。アセトアセトアニリドおよび一般式(2)CH3COCH2CONH−Yで示されるカップラー成分溶液と上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料粒子を形成させる工程(C)。【選択図】なし

Description

本発明は、ジスアゾ顔料、及びそれを用いた印刷インキ組成物、活性エネルギー線硬化型インキ組成物に関する。
従来、オフセットインキ用ジスアゾ顔料としてはC.I. Pigment Yellow 12が使用されてきたが、近年では瞬間乾燥の特性の利便性・安全性から、特に商業印刷において、油性インキから紫外線硬化型インキへの切り替えが進んでおり、ハンドリング、印刷適性、印刷物の品質等、様々な点において油性インキと同等の性能が求められている。中でも従来の油性インキ組成物に使用されるロジン変性フェノール樹脂に比べ、活性エネルギー線硬化型インキ組成物に使用されるDAP樹脂やPE樹脂は、UV光を透過しやすいために、顔料へのダメージが大きく一般的なジスアゾ顔料C.I. Pigment Yellow 12を使用すると充分な耐光性、色相、流動性、及び透明性に優れたインキを得る事ができなかった。
C.I. Pigment Yellow 12に限らず、オフセットインキに求められる諸物性を向上させるジスアゾ顔料については様々な手法が提案されている。
たとえば特許文献1ではアセトアセトアニリドとそのフェニル基に極性基を持つものとの混合カップリングする方法が紹介されており、特許文献2では、ジスアゾ顔料にそれらのスルホン酸化合物を混合する方法が、特許文献3では、カップリング成分としてカルボキシ基および/またはスルホン酸基を有する極性カップリング成分と非極性カップリング成分との混合物を使用して成るジスアゾ顔料を用いる方法が、特許文献4及び特許文献5では、極性カップリング成分と非極性カップリング成分から成る非対称型ジスアゾ化合物を含有するジスアゾ顔料組成物を用いる方法が開示されている。なかでも、特許文献4で開示された製造方法より得られたジスアゾ顔料が印刷インキの透明性を改良する効果が大きいこと、特許文献5で開示されたジスアゾ顔料組成物が印刷インキの流動性を改良する効果が大きいことが開示されているが、オフセットインキの中でも活性エネルギー線硬化型インキでは充分な耐光性及び流動性、透明性に優れたインキを得る事が出来なかった。
一方、特許文献6ではアセトアセトオルソトルイジドとアセトアセトメタキシリジドの主カップリング成分に酸性基含有アセトアセトアニリド又は塩基性基含有アセトアセトアニリドを添加する例が開示されており、特許文献7ではカップラー成分としてアセトアセトオルソトルイジド97.8〜59.8モル%、アセトアセトメタキシリジド2〜40モル%、酸性基含有アセトアセトアニリド類0.1〜10モル%および塩基性基含有アセトアセトアニリド類0.1〜10モル%を混合カップリングして得られるジスアゾ顔料の例が開示されているが、これらは特に活性エネルギー線硬化型インキにおいて耐光性、透明性に優れるが、流動性が不足しており、色相面ではISO国際標準に準拠し日本のオフセット枚葉印刷における印刷色の標準であるジャパンカラーへの対応が難しいという課題があった。
また、特許文献8ではアセトアセトアニリド、アセトアセトオルソアニシジド、アセトアセトオルソトルイジド、アセトアセトオルソクロロアニリド、アセトアセト−2,4−キシリジド、及びアセトアセト−2,5−ジメトキシ−4−クロロアニリドから選ばれる2種類またはそれ以上の混合物をカップリングさせる方法が紹介されているが活性エネルギー線硬化型インキでは著しく不透明品位であった。
一方、活性エネルギー線硬化型インキにおけるジスアゾ顔料について、特許文献9では特定カップリング成分を混合カップリングする事により透明性、着色力に優れたジスアゾ顔料の例が開示されているが、耐光性と流動性の向上がトレードオフの関係になるという課題があった。
特公昭55−10630号公報 特公昭45−11026号公報 特公昭55−49087号公報 特開昭63−72762号公報 特開昭63−178169号公報 特開平4−275373号公報 特開2000-169742号公報 特開平1−110578号公報 特開2018−123321号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐光性、色相、透明性、流動性が共に優れるジスアゾ顔料、およびそれを用いたインキ組成物を提供する事にある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の成分を含有するジスアゾ顔料を提供する事で上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、酸性水溶液中に置換もしくは無置換のベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液と、カップラー成分を含むカップラー溶液とを、テトラゾ成分とカップラー成分のモル比が1:2〜2.5の比率で、下記工程(A)〜工程(C)を連続して注入して反応させてなるジスアゾ顔料に関する。
2’,4’−ジメチルアセトアセトアニリドを必須カップラー成分として構成されるカップラー溶液Aとテトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(A)。
一般式(1)で示されるカップラー成分からなるカップラー溶液Bと上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(B)。
アセトアセトアニリドおよび一般式(2)で示されるカップラー成分を必須カップラー成分として構成されるカップラー溶液Cと上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料粒子を形成させる工程(C)。
一般式(1)
CH3COCH2CONH−X
(一般式(1)中、Xは、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、および−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'は、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基を有しているフェニル基を表す。)
一般式(2)
CH3COCH2CONH−Y
(一般式(2)中、Yは、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、スルホン基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を有しているフェニル基を表す。)
さらに本発明は、ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(3)で表される化合物を20〜70質量%、下記一般式(4)で表される化合物を20〜70質量%、下記一般式(5)で表される化合物を0.5〜10質量%、および、下記一般式(6)で表される化合物を0.3〜5.0質量%、含有することを特徴とするジスアゾ顔料に関する。
一般式(3)
Figure 2020172566
一般式(4)
Figure 2020172566
(一般式(4)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、うち少なくとも一つはメチル基である。)
一般式(5)
Figure 2020172566
(一般式(5)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。
6〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、スルホン基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を表し、うち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、スルホン基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基である。)
一般式(6)
Figure 2020172566
(一般式(6)中、R11〜R15は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基、nは1〜3の整数を表す。)を表す。
16〜R20はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)を表し、うち少なくとも一つは、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基である。)
さらに本発明は、ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(7)が、0.5質量%以下である上記ジスアゾ顔料に関する。
一般式(7)
Figure 2020172566
(一般式(7)中、R16〜R20は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SONH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)を表し、うち少なくとも一つは−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SONH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基である。)
さらに本発明は、ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(8)が、0.5質量%以下である上記ジスアゾ顔料に関する。
一般式(8)
Figure 2020172566
(一般式(8)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、うち少なくとも一つ以上はメチル基である。)
さらに本発明は、上記ジスアゾ顔料をロジンで被覆したジスアゾ顔料に関する。
さらに本発明は、上記ジスアゾ顔料と印刷インキ用ビヒクルとを含んでなる印刷インキ組成物に関する。
さらに本発明は、上記ジスアゾ顔料と重合性化合物とを含んでなる活性エネルギー線硬化型インキ組成物に関する。
本発明によれば、酸性水溶液中に置換もしくは無置換のベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液と、カップラー成分を含むカップラー溶液とを、テトラゾ成分とカップラー成分のモル比が1:2〜2.5の比率で、上記工程(A)〜工程(C)を連続して注入して反応させる事で顔料粒子中の一般式(3)〜一般式(6)の組成の偏在を生み、耐光性、色相、透明性、流動性が共に優れるジスアゾ顔料、およびそのインキ組成物が提供される。更に一般式(3)〜一般式(6)を任意の割合で含有する事で耐光性、色相、透明性、流動性に与える効果はより大きくなる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書における「C.I.」とは、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<ジスアゾ顔料>
本発明の顔料は、酸性水溶液中に置換もしくは無置換のベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液と、カップラー成分を含むカップラー溶液とを、テトラゾ成分とカップラー成分のモル比が1:2〜2.5の比率で、バッファ溶液中に工程(A)〜工程(C)を連続して注入して反応させる事を特徴とする。工程ごとに異なる、複数の原料を連続して注入するため、反応終了後に得られる顔料は、多数の構造式で表される顔料が多様な形態で一体となった物であり、製造方法でしか形態を特定することができない特段の事情を有している。すなわち、本発明は、顔料粒子が雪だるま式に大きくなる過程で、新たに付着する特定顔料の構造やその顔料比率が変化し、結果として、中心部と表面部では異なる顔料構成になることを特徴とする。置換もしくは無置換のベンジジンとして、3,3’−ジクロロベンジジン塩酸塩を例として説明するが、各工程で必須とされる成分が明確であり、本発明の技術思想が、3,3’−ジクロロベンジジン塩酸塩以外のベンジジンにも適用されることは、当業者なら理解できるものである。
当該反応により、顔料粒子内の一般式(3)〜一般式(6)で構成される構造が偏在化され耐光性、色相、透明性、流動性が共に優れるジスアゾ顔料を得る事が出来る。なお、工程(A)、工程(B)、工程(C)の反応順序は特に重要ではない。また、工程(A)、工程(B)、工程(C)の一部または全部の反応が同時に起こることを排除しない。
テトラゾ成分を含むテトラゾ溶液は、ベース成分である、塩素で置換されたベンジジン、3,3’−ジクロロベンジジンをテトラゾ化することで得る事が好ましい。テトラゾ化の方法は公知の方法を用いることができる。例えば、ベース成分を氷水にリスラリーしたものに塩酸や硫酸などの鉱酸を加え、亜硝酸ナトリウムを加えることでテトラゾ化を行うことが出来る。
カップラー成分を含むカップラー溶液は、塩基を含む塩基性水溶液中に、カップラー成分を加えることで調製することが出来る。塩基としては、水に溶解し、カップラー成分を溶解することができ、上記バッファ溶液やテトラゾ成分を含む溶液に加えた際に不溶の塩を生成しなければどのような塩基でも構わないが、水酸化ナトリウムないし水酸化カリウムを用いるのが、コスト、カップラー成分の溶解力、廃液処理等の面から好ましい。
工程(A)で、2’,4’−ジメチルアセトアセトアニリドを必須カップラー成分として構成されるカップラー溶液Aと3,3’−ジクロロベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液とでカップリング反応させて得るジスアゾ顔料の代表例は、C.I. Pigment Yellow 13である。
工程(B)で、必須カップラー成分である一般式(1)中のXは、置換基を有しているフェニル基であり、当該置換基は、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、および−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'は、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)である。
当該置換基として、例えば−NH2、−NH(CH37CH3、−NHCH2CH2OH、−CONH2、−SO2N(CH2CH32、−CONH(CH22N(CH2CH32、または−SO2NH(CH23N(CH32などが挙げられる。
工程(C)で、必須カップラー成分である一般式(2)中のYは、置換基を有しているフェニル基であり、当該置換基は、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、スルホン基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基であるが、ヒドロキシ基および/またはカルボキシル基であることが好ましい。
バッファ溶液としては、カップリング反応に適したpH域である3〜6を維持することが出来ればどのような酸、塩基を組み合わせて用いても構わないが、酢酸、酢酸ナトリウムいずれかもしくは酢酸、酢酸ナトリウムを混合して用いることが好ましい。pHが3よりも低い場合はカップリング反応が極端に遅くなり、6よりも高い場合はテトラゾ成分が変質しやすくなるため好ましくないことがある。バッファ溶液の温度は任意に選ぶことが出来るが、温度が高くなるとテトラゾ成分が変質、分解しやすくなるため、カップリング時のバッファの温度は50℃以下であることが望ましい。
本発明の顔料は、一般式(3)で表される化合物を20〜70質量%、一般式(4)で表される化合物を20〜70質量%、一般式(5)で表される化合物を0.5〜10質量%、および、一般式(6)で表される化合物を0.3〜5.0質量%、含有する。
ジスアゾ顔料全体に対して、一般式(3)で表される化合物(C.I. Pigment YELLOW 12)は20〜70質量%である事が好ましい。20質量%より少なくなるとインキ組成物の透明性、流動性が劣り、色相面ではISO国際標準に準拠し日本のオフセット枚葉印刷における印刷色の標準であるジャパンカラーへの対応が難しくなり、70質量%より多くなるとインキ組成物の耐光性が劣る。
一般式(4)で表される化合物のうち好ましくはC.I. Pigment Yellow 13、174が挙げられ、より好ましくはC.I. Pigment Yellow 13が挙げられる。さらに、一般式(4)で表される化合物は、ジスアゾ顔料全体に対して、20〜70質量%である事が好ましい。20質量%より少なくなると相対的にC.I. Pigment YELLOW 12の割合が多くなることでインキ組成物の耐光性が劣り、70質量%より多くなるとインキ組成物の透明性、流動性が劣り色相面ではISO国際標準に準拠し日本のオフセット枚葉印刷における印刷色の標準であるジャパンカラーへの対応が難しくなる。
一般式(5)で表される化合物のR1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、R6〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を表し、うち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を表す。その中で、R1〜R5は、透明性、流動性の観点で水素原子が好ましく、R6〜R10の1つ以上はヒドロキシ基、さらに1つ以上は、カルボキシル基が好ましい。さらに一般式(5)で表される化合物は、ジスアゾ顔料全体に対して、0.5〜10質量%が好ましく、さらに好適な条件は1.0〜6質量%である。これは得られる顔料の表面改質と顔料粒子径によるインキの分散性、透明性、流動性と密接に関わっており少なすぎると透明性、流動性向上に明確な効果が得られず、多すぎるとインキの分散性の悪化、流動性が劣る。
一般式(6)で表される化合物は、分散性、流動性、透明性、着色力の観点から、ジスアゾ顔料全体に対して、0.3〜5.0質量%が好ましく、少なすぎても多すぎても流動性向上に明確な効果が得られない。
一般式(3)〜一般式(6)で表される顔料組成物は公知の方法で合成することができるが、工程(A)〜工程(C)を連続して注入して合成することで耐光性、色相、透明性、流動性の観点で最も好適な効果を得る事が出来る。
工程(A)〜工程(C)の連続した反応、工程(A)〜工程(C)を同時に反応する事で一般式(7)及び一般式(8)が得られる可能性があるが、耐光性、流動性の観点から好適な条件はそれぞれジスアゾ顔料全体に対して、0.5質量%以内であることが好ましい。
また、一般式(8)の具体例として、後述する一般式(10)が挙げられる。
顔料を製造する際、必要に応じて種々の添加剤を加えることができる。使用できる添加剤の種類は特に限定されないが、界面活性剤、樹脂、および、ロジンのいずれかを加えることが好ましい。
顔料を製造する際に添加剤を使用する場合、添加剤はあらかじめカップラー成分を含む溶液、テトラゾ成分を含む溶液またはバッファ溶液に加えて使用してもよく、カップリング反応後のスラリー中に加えて使用してもよい。
本発明の顔料は、印刷インキ組成物に用いる場合、ロジンで表面処理されていることが好ましい。顔料表面をロジンで処理することで、顔料の結晶転移を防止し、インキ組成物の透明性を向上させることが出来る。ロジンとしては一般に用いられているロジン、ロジン誘導体が好適に使用できる。例えば、不均化ロジン、水素添加ロジン、フマル化ロジン、マレイン化ロジン、エステルガム、重合ロジン、ロジンエステル、ロジン変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらロジンは必要に応じてアルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどの金属塩として使用することができる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。また、キシレン等の有機溶剤を用いてエマルジョン状にして加えてもよい。
本発明の顔料は、一般式(3)〜一般式(6)で表される化合物を含む水性懸濁物として、カップラー成分とテトラゾ成分を反応したスラリーを濾過水洗したペーストとしても良いし、一度乾燥した顔料を再び湿潤させたものとしても構わないが、顔料の凝集を緩和する点で反応スラリーを濾過水洗したペーストをそのまま用いる方が好ましい。
前記水性懸濁物は、70〜120℃のオーブンで乾燥させ、粉砕することができる。粉砕方法は特に問われないが、ハンマーミルやピンミルを用いる他、金網を通すメッシュパスなどが挙げられる。
本発明における顔料は、上記有機顔料以外に、無機顔料を含むことができる。
無機顔料としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、沈降性硫酸バリウム、カオリン、クレー、アルミナホワイト、ホワイトカーボン等が挙げられる。
<印刷インキ組成物>
本発明のジスアゾ顔料は、オフセット印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷等、種々の印刷方式に適したインキ用顔料として用いることができる。中でもオフセットインキ用顔料に適しており、特に活性エネルギー線硬化型インキ用顔料として好適である。
本発明の印刷インキ組成物は、発明のジスアゾ顔料と、印刷インキ用ビヒクルとを含んでなる。
本発明における印刷インキ用ビヒクルは、各種印刷方式に適したビヒクルであれば公知のものを使用することができる。ビヒクルは樹脂、溶剤を主成分としており、樹脂の具体例としては、ロジン変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。また、その製造方法も公知の製造方法を使用できる。溶剤としては脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル、エステル等、公知公用の溶剤を使用することができる。また、これらの溶剤は、1種または2種以上を併用ことができる。
<活性エネルギー線硬化型インキ組成物>
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、発明のジスアゾ顔料と、重合性化合物とを含んでなる。
本発明における重合性化合物は、通常活性エネルギー線硬化性組成物に使用される公知の(メタ)アクリレート化合物から任意に選んで用いることができる。
本発明において(メタ)アクリレート化合物は、(メタ)アクリロリル基を1つ以上有する化合物である。(メタ)アクリレート化合物は、通常、活性エネルギー線硬化型印刷インキに用いられる化合物を使用できる。(メタ)アクリレート化合物は、例えば、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能モノマー、4官能以上のモノマーを使用することができるが、特に印刷物の乾燥性(硬化性ないし重合性ともいう)の観点から3官能以上のモノマーを組み合わせて使用することが好ましい。3官能以上のモノマーを使用しない場合、乾燥性が不十分となり、ブロッキング(重ね置きした印刷物の下側印刷物のインキが上側印刷物の裏側に付着すること)、擦れ(印刷部が他の紙面とのこすれなどで傷がつくこと)等が発生する場合がある。
3官能モノマーとしては、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能以上のモノマーとしては、例えばペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物は、上記化合物に加えて、脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートも好ましい。
脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマーは、脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(例えば、2〜20付加体)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体が好ましい。アルキレンオキサイドは、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド等と結合した(メタ)アクリレートが好ましい
3官能モノマーとしてグリセリンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4官能以上のモノマーとしては、例えばペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体テトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体ヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(2〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体ヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物は、単独または2種類以上併用できる。
(メタ)アクリレート化合物は、インキを作製することが可能であれば任意の含有量でインキ中に使用することができる。例えば、インキ組成物全量に対して10〜60質量%の範囲で使用することが好ましく十分な乾燥性が得られる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物が光硬化型インキの場合、光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤は、一般的な光開裂型開始剤、水素引き抜き型開始剤を使用できる。光開裂型開始剤は、アシルフォスフィンオキサイド化合物、アセトフェノン化合物等が挙げられる。水素引き抜き型開始剤は、ベンゾフェノン化合物、チオキサントン化合物等が挙げられる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物が電子線(EB)硬化型印刷インキの場合、光重合開始剤を配合しなくても良い。
アシルフォスフィンオキサイド化合物は、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
アセトフェノン化合物は、例えば、2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−ベンジル−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−(4メチルベンジル)−1−(4モルホリノフェニル)ブタン−1オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチル−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]等が挙げられる。
ベンゾフェノン化合物は、例えば4,4’−ビス−(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等の4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド等が挙げられる。
チオキサントン化合物は、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9Hチオキサントン−2−イロキシ−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩等が挙げられる。
その他として、例えば2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等が挙げられる。
光重合開始剤を使用する場合は、目的の乾燥性を得ることができれば任意の含有量で印刷インキ中に使用することが可能である。例えば、インキ組成物全量に対して3〜20質量%の範囲が一般的である。光重合開始剤は、単独または2種類以上を併用できる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物が光重合開始剤を含む場合、触媒を配合できる。触媒は、第三級アミン化合物が好ましい。なお、第三級アミン化合物は、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、α−モルフォリノアルキルフェノン化合物およびジアルキルアミノベンゾフェノン化合物以外の化合物である。
第三級アミン化合物は、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン等が挙げられる。第三級アミン化合物は、単独または2種類以上を併用できる。
第三級アミン化合物は、目的の光重合開始剤の触媒効果が得られれば任意の含有量で印刷インキ中に使用することが可能である。例えば、インキ組成物全量に対して0.3〜5質量%の範囲が一般的である。
(添加剤)
本発明における印刷インキ組成物、活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、さらに添加剤を配合できる。添加剤は、ワックス、重合禁止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独または2種類以上を併用できる。
ワックスは、印刷物に耐摩擦性、ブロッキング防止、スベリ性、スリキズ防止性を付与できる。ワックスは、天然ワックスおよび合成ワックスがある。天然ワックスは、例えばカルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。合成ワックスは、例えばフィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミド、ワックスシリコーン化合物等が挙げられる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、重合禁止剤を添加することにより保存安定性を付与できる。重合禁止剤は、例えば(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が挙げられる。
(インキ組成物の製造方法)
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、発明のジスアゾ顔料と、重合性化合物とから製造することができる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物の作製は、例えば、顔料、(メタ)アクリレート化合物、ジアリルフタレート樹脂を共に混練機に投入して混合し、得られた組成物を分散機で分散することで製造することができる。光重合開始剤、光重合開始剤の触媒、添加剤等を使用する場合は、先の顔料等と共に混練機に投入して製造することができる。この際、顔料等の各材料を予め配合し予備的な攪拌を加えた後、混練機に投入し印刷インキを製造することも可能である。また、後述する樹脂ワニスのように、顔料以外の成分を予め(メタ)アクリレート化合物へ各々溶解しワニス状として添加することも可能である。
本発明において樹脂ワニスは、下記樹脂とラジカル重合禁止剤0.01〜1質量部とを活性エネルギー線硬化型インキに含有される重合性化合物、特に分子量が100〜6,000である重合性化合物へ溶解させて得ることができる。樹脂ワニスの粘度は印刷インキ組成物を作製し易い粘度(100〜500 Pa・s/25℃)にすることが好ましい。
樹脂ワニスに用いる樹脂は、熱硬化性または熱可塑性樹脂であり、重量平均分子量としては、1,000〜1,000,000がよく、10,000〜100,000がより好ましい。樹脂の例としては、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロセルロース)、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。さらに、本発明において使用される樹脂は、活性エネルギー線硬化型インキに含有されるエチレン性二重結合を有する化合物、特に分子量が100〜6,000であるモノマーあるいはオリゴマーへの溶解性のある樹脂が好ましい。樹脂の溶解性とは、使用する樹脂およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを各々50g仕込み、100℃で熱溶解させた後、25℃に一日放置後、樹脂の析出あるいは濁り等が新たに生じないことを言う。
さらに本発明における活性エネルギー線硬化型インキ組成物の作製は、顔料の水性懸濁物、(メタ)アクリレート化合物、樹脂を共に混練機に投入してフラッシングすることで得られた組成物を分散機で分散することで製造することができる。
フラッシングして活性エネルギー線硬化型インキ組成物を作製する場合、顔料の水性懸濁物と(メタ)アクリレート化合物、樹脂とを共に撹拌混合できる機械があれば良い。すなわち、撹拌混合装置内で水性懸濁物中の顔料が混練され水相から非水相に転相することが可能であればいかなる機械を用いても良い。具体的には、ディスパー、ホモジナイザー、プラネタリ―ミキサー、ニーダー、三本ロール、2軸押し出し機等が挙げられる。
<インキ組成物を用いた印刷>
本発明の印刷インキ組成物、活性エネルギー線硬化型インキ組成物は、オフセット印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機などの印刷機を用いて、基材に塗膜を形成できる。すなわち、印刷層が形成された印刷物となる。基材は、印刷物に使用されている公知の素材を使用できる。基材は、例えば上質紙等の非塗工紙、微塗工紙、アート紙、コート紙、軽量コート紙、キャストコート紙等の塗工紙、白板紙、コートボール紙等の 板紙、合成紙、アルミ蒸着紙、およびポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックシートが挙げられる。
活性エネルギー線硬化型インキ組成物の印刷層の形成は、印刷で得られた印刷層に対して活性エネルギー線を照射して乾燥(硬化)することで形成できる。活性エネルギー線は、例えば紫外線、電子線、X線、α線、β線、γ線のような電離放射線、マイクロ波、高周波等であるところ、ラジカル性活性種を発生させ得るならばいかなるエネルギー線でも良く、可視光線、赤外線、レーザー光線でもよい。紫外線の光源は、例えば超高圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、ヘリウム・カドミニウムレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、アルゴンレーザー、LEDランプ等がある。光源は、オフセット印刷等の光硬化型インキに用いられるものであればよい。具体的には、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプなどでは40〜240W、LEDランプでは2〜20W程度の光源が好ましい。なお、印刷速度、装置構成上の印刷物とランプの距離、印刷層の乾燥状態に合わせ、ランプ本数等を調整して使用できる。
本発明の印刷物は、例えばフォーム用印刷物、各種書籍用印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プラスチック印刷物、シール/ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)、広告、チラシ、パンフレット用印刷物などに使用できる。
本発明のジスアゾ顔料を用いて作成したインキ組成物は顔料の結晶の転移安定性が高まることにより、混練やフラッシングの際の顔料の結晶転移を防止することが出来、透明性、着色力に優れたインキ組成物を得ることができる。
以下、本発明の製造方法を実施例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例、比較例において、特に断りの無い限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
(実施例1)顔料組成物の水懸濁物Aおよび顔料組成物aの製造方法
ベース成分として3,3’−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法によりテトラゾ化し、10℃、0.300モル/リットルのテトラゾ水溶液を調製した。一方、カップラーA液としてアセトアセトメタキシリジド245.3部を、25%水酸化ナトリウム水溶液350部を含む水溶液に溶解し、25℃の0.900モル/リットルのカップラー水溶液を調製した。別の容器に、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部の30重量%溶液を調製し、カップラーB液とした。更に、別の容器にカップラーC液として、 アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部 "を25%水酸化ナトリウム水溶液385部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.900モル/リットルのカップラー水溶液を調製した。
まず、25%水酸化ナトリウム水溶液214部、80%酢酸190部を水2450部に加え、25℃、pH4.7の緩衝溶液2854部の酢酸−酢酸ナトリウムによる緩衝溶液とし、撹拌機を有する反応器に仕込んだ。
この緩衝溶液の反応器に、互いに離れた位置に出口を持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水溶液とカップラーA液とをそれぞれの注入管を通してpH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプにより30分で反応が終了するように設定し、同時に注入を終了した。
注入直後、液面より採取した反応液からはテトラゾは検出されなかった。続いて、キシレン5部、トーホールN−220 0.5部、水15部を混合撹拌し作成したエマルジョン液を反応器に注入した。その後、反応系内にテトラゾが極わずかに認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入しカップリング反応工程(A)の終点とした。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色反応を用いた。
カップリング反応工程(A)の終了後、速やかにカップラーB液 に切り替え、連続してカップラー溶液B の注入を行った。続いて、キシレン5部、トーホールN−220 0.5部、水15部を混合撹拌し作成したエマルジョン液を反応器に注入した。その後、反応系内にテトラゾが極わずかに認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入しカップリング反応工程(B)の終点とした。
カップリング反応工程(B)の終了後、速やかにカップラーC液 に切り替え、連続してテトラゾ水溶液とカップラーC液とをそれぞれの注入管を通して注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプにより30分で反応が終了するように設定し、同時に注入を終了した。続いて、キシレン5部、トーホールN−220 0.5部、水15部を混合撹拌し作成したエマルジョン液を反応器に注入した。その後、反応系内にテトラゾが極わずかに認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入しカップリング反応の終点とした。そのまま10分間撹拌し反応を完結させた。
以後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整し、ロジンとしてマルキード#33 43部を苛性ソーダ水溶液に溶解したものを加え、塩酸水溶液でpH5.8に調整し、8%硫酸アルミニウム水溶液28部を加えたのち、濾過、精製してジスアゾ顔料を含む顔料組成物の水懸濁物Aを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物aを得た。
(実施例2)顔料組成物の水懸濁物Bおよび顔料組成物bの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド370.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド103.9部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Bを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物bを得た。
(実施例3)顔料組成物の水懸濁物Cおよび顔料組成物cの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド402.2部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド76.4部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Cを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物cを得た。
(実施例4)顔料組成物の水懸濁物Dおよび顔料組成物dの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド108.8部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド329.7部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Dを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物dを得た。
(実施例5)顔料組成物の水懸濁物Eおよび顔料組成物eの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド83.5部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド351.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Eを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物eを得た。
(実施例6)顔料組成物の水懸濁物Fおよび顔料組成物fの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド250.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド216部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸0.6部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸0.4部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド0.4部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Fを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物fを得た。
(実施例7)顔料組成物の水懸濁物Gおよび顔料組成物gの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド237.4部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド204.9部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸25.4部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Gを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物gを得た。
(実施例8)顔料組成物の水懸濁物Hおよび顔料組成物hの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド235.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド203.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸29.2部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Hを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物hを得た。
(実施例9)顔料組成物の水懸濁物Iおよび顔料組成物iの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド247.1部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド1.1部、アセトアセトアニリド213.2部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Iを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物iを得た。
(実施例10)顔料組成物の水懸濁物Jおよび顔料組成物jの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド244.6部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド9.2部、アセトアセトアニリド211.1部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Jを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物jを得た。
(実施例11)顔料組成物の水懸濁物Kおよび顔料組成物kの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド241.8部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド18.5部、アセトアセトアニリド208.7部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Kを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物kを得た。
(実施例12)顔料組成物の水懸濁物Lおよび顔料組成物lの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド240.5部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド22.7部、アセトアセトアニリド207.6部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Lを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物lを得た。
(実施例13)顔料組成物の水懸濁物Mおよび顔料組成物mの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド247.4部、アセトアセトアニリド213.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水性懸濁物を得た。これに、一般式(9)の構造にマルキード#33を5%処理した顔料組成物の水性懸濁物を0.6%混合し、顔料組成物の水懸濁物Mを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物mを得た。
一般式(9)
Figure 2020172566
(一般式(9)中、R21は、−SO2NH(CH23N(CH32を表す。)
(実施例14)顔料組成物の水懸濁物Nおよび顔料組成物nの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水性懸濁物を得た。これに、一般式(10)の構造にマルキード#33を5%処理した顔料組成物の水性懸濁物を0.6%混合し、顔料組成物の水懸濁物Nを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物nを得た。
一般式(10)
Figure 2020172566
(一般式(10)中、R22は、メチル基を表す。)
(実施例15)顔料組成物の水懸濁物Oおよび顔料組成物oの製造方法
カップリングの順序を、カップラーC液、カップラーB液、カップラーA液の順に行う他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Oを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物oを得た。
(実施例16)顔料組成物の水懸濁物Pおよび顔料組成物pの製造方法
カップリングの順序を、カップラーC液、カップラーA液、カップラーB液の順に行う他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Pを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物pを得た。
(実施例17)顔料組成物の水懸濁物Qおよび顔料組成物qの製造方法
マルキード#33 43部を、25部に変更する他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Qを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物qを得た。
(実施例18)顔料組成物の水懸濁物Rおよび顔料組成物rの製造方法
マルキード#33 43部を、90部に変更する他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Rを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物rを得た。
(比較例1)顔料組成物の水懸濁物Uおよび顔料組成物uの製造方法
ベース成分として3,3’−ジクロロベンジジン塩酸塩をその3倍モルの塩酸と2倍モルの亜硝酸ナトリウムを使って常法によりテトラゾ化し、10℃、0.300モル/リットルのテトラゾ水溶液を調製した。一方、カップラー液としてアセトアセトアニリド423.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部を25%水酸化ナトリウム水溶液385部を含む水溶液に溶解し、25℃、0.600モル/リットルのカップラー水溶液を調製した。
まず、25%水酸化ナトリウム水溶液214部、80%酢酸190部を水2450部に加え、25℃、pH4.7の緩衝溶液2854部の酢酸−酢酸ナトリウムによる緩衝溶液とし、撹拌機を有する反応器に仕込んだ。
この緩衝溶液の反応器に、互いに離れた位置に出口を持つ2本の注入管をセットし、テトラゾ水溶液とカップラーA液とをそれぞれの注入管を通してpH緩衝溶液中に注入を行った。これらの溶液は同時に注入を開始し、定量ポンプにより30分で反応が終了するように設定し、同時に注入を終了した。
注入直後、液面より採取した反応液からはテトラゾは検出されなかった。その後、反応系内にテトラゾが極わずかに認められるまでテトラゾ水溶液のみを追加注入しカップリング反応工程の終点とした。なお、テトラゾの検出はβ−ナフトールによる発色反応を用いた。そのまま10分間撹拌し反応を完結させた。
以後、水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整し、ロジンとしてマルキード#33 43部を苛性ソーダ水溶液に溶解したものを加え、塩酸水溶液でpH5.8に調整し、8%硫酸アルミニウム水溶液28部を加えたのち、濾過、精製してジスアゾ顔料を含む 顔料組成物の水懸濁物Uを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物uを得た。
(比較例2)顔料組成物の水懸濁物Vおよび顔料組成物vの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトアニリド423.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド490.7部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部を用いる他は比較例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Vを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物vを得た。
(比較例3)顔料組成物の水懸濁物Wおよび顔料組成物wの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトアニリド423.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド245.3部、アセトアセトオルソトルイジド228.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部を用いる他は比較例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Wを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物wを得た。
(比較例4)顔料組成物の水懸濁物Xおよび顔料組成物xの製造方法
実施例1で得た顔料組成物の水懸濁物Aと、一般式(10)の構造にマルキード#33を5%処理した顔料組成物の水性懸濁物を4:6の比率で混合し、顔料組成物の水懸濁物Xを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物xを得た。
(比較例5)顔料組成物の水懸濁物Yおよび顔料組成物yの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド250.9部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド216.6部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Yを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物yを得た。
(比較例6)顔料組成物の水懸濁物Zおよび顔料組成物zの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド247.4部、アセトアセトアニリド213.5部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Zを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物zを得た。
(実施例19)顔料組成物の水懸濁物Sおよび顔料組成物sの製造方法
比較例1で作成した顔料組成物の水懸濁物Uと、比較例2で作成した顔料組成物の水懸濁物Vを、1:1の比率で混合し、顔料組成物の水懸濁物Sを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物sを得た。
(実施例20)顔料組成物の水懸濁物Tおよび顔料組成物tの製造方法
カップラー成分として、アセトアセトメタキシリジド245.3部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211.8部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部の代わりに、アセトアセトメタキシリジド244.5部、4−アセトアセチルアミノ−N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)ベンゼンスルホンアミド6.7部、アセトアセトアニリド211部、5−(アセトアセチルアミノ)サリチル酸7部、2−アセトアセチルアミノ安息香酸2.7部、4−アセトアセチルアミノベンズアミド2.7部、1−(フェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン0.6部、バルビツール酸0.7部を用いる他は実施例1と同様の製造法で顔料組成物の水懸濁物Tを得た。この顔料組成物の水懸濁物を90℃のオーブンで15時間乾燥させ、粉砕して80メッシュの金網を通し、顔料組成物tを得た。
・使用したカップラー成分の一覧
Figure 2020172566
表1. カップラー構造
Figure 2020172566
化学式(12)
1−(フェニル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
Figure 2020172566
化学式(13)
バルビツール酸
Figure 2020172566
表2.各実施例のカップラー仕込みmol比率
(表記載の仕込みmol%は、水性懸濁物中の水を除く割合とする。)
Figure 2020172566
表3.各実施例で作成したジスアゾ顔料組成の質量含有比率
(表記載の質量%は、水性懸濁物中の水を除く割合とする。)
Figure 2020172566
<ジアリルフタレート樹脂ワニスの作製>
ジアリルフタレート樹脂(ダイソーダップA(ダイソー(株)製))/ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート/ハイドロキノンを30/69.9/0.1の比率で仕込み、空気気流下、100℃で熱溶解させてジアリルフタレート樹脂ワニスを得た。
<ロジン変性フェノール樹脂ワニスの作製>
平均分子量80000、酸価20、軟化点165℃であるロジン変性フェノール樹脂( 荒川化学工業(株)製)38.5部、大豆油30部、非芳香族系溶剤であるAFソルベント5号(新日本石油株式会社製、アニリン点88.2度)30部を仕込み、180度に昇温させ、同温で30分間攪拌した後放冷し、ゲル化剤としてエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロポキシド1.0部(川研ファインケミカル(株)製ALCH)を仕込み180度で30分間攪拌してロジン変性フェノール樹脂ワニスを得た。
<インキ組成物の作製1>
上記顔料の水性懸濁物A〜Zを乾燥質量で25.8部、3Lニーダーに投入し、更に上記ジアリルフタレート樹脂ワニス97.4部と重合禁止剤0.1部を加え、フラッシングを行った。次にフラッシングで出てきた水を除去後、減圧(1〜8×103Pa)及びインキ内の温度が65℃になるまで加熱を行い、インキ中の水を完全に除去した。この組成物に更にジトリメチロールプロパンテトラアクリレート21.1部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、炭酸マグネシウム6部、光重合開始剤22.4部を加え、ニーダーから取り出した。その後、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散し、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートでタック7.5〜8.0に調整し、活性エネルギー硬化型インキ組成物A〜Zを作製した。
<インキ組成物の作製2>
上記顔料a〜zを25.8部、上記ジアリルフタレート樹脂ワニス97.4部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート21.1部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート20部、炭酸マグネシウム6部、光重合開始剤22.4部をバタフライミキサーを用いて攪拌混合し、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散した。その後、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレートでタック7.5〜8.0に調整し、活性エネルギー硬化型インキ組成物a〜zを作製した。
<インキ組成物の作製3>
上記顔料の水性懸濁物A〜Zを乾燥質量で25.8部、3Lニーダーに投入し、更に上記ロジン変性フェノール樹脂ワニス120部を加え、フラッシングを行った。次にフラッシングで出てきた水を除去後、減圧(1〜8×103Pa)及びインキ内の温度が65℃になるまで加熱を行い、インキ中の水を完全に除去した。この組成物に更に大豆油30部を加えニーダーから取り出し、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散した。その後、桐油8部、ナフテン酸マンガン4部を加え、大豆油でタック7.5〜8.0に調整し、酸化重合型インキ組成物A'〜Z 'を作製した。
<インキ組成物の作製4>
上記顔料a〜zを25.8部、上記ロジン変性フェノール樹脂ワニス120部に、大豆油30部を加え、バタフライミキサーを用いて攪拌混合し、3本ロールにて最大粒径が7.5μm以下になるように分散した。その後、桐油8部、ナフテン酸マンガン4部を加え、大豆油でタック7.5〜8.0に調整し、酸化重合型インキ組成物a'〜z'を作製した。
[色相、透明性、耐光性、流動性の評価方法]
得られた各インキについて、耐光性、色相、透明性、流動性を測定した。測定した結果を表4−1、表4−2、表4−3、表4−4に示す。得られたインキ0.4mlをRIテスターに付け、均一に均した後マリコート紙(北越紀州製紙(株)製コートボール紙)に展色し、メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)照射装置を使用し、照射出力96W/cm、照射距離10mm、コンベア速度50m/分の条件にて紫外線照射を行うことで展色物を得た。
耐光性に関しては、この展色物の反射率濃度を調べ、フェドメーターで10時間UV光を照射した際の反射率濃度の低下率を見て判断した。耐光性が高いものを10、耐光性が低いものを1として10段階で評価した。
色相に関しては、得られた展色物を測色し、ジャパンカラーの色相と合致するものを10、ジャパンカラーの色相から遠いものを1として10段階で評価した。
透明性に関しては、黒帯のある展色紙に対して展色したうえで、黒帯上の透過具合を見て判断した。透明性が高いものを10、透明性が低いものを1として10段階で評価した。
流動性に関しては、傾斜版のインキ壺に各最終インキを入れ、1時間静置した後に、90°に傾け、10分間流動した長さ(静置したインキの下端から下方に向かって流動したインキの先端までの長さ)を比較した。流動性が高いものを10、流動性が低いものを1として10段階で評価した。
表4−1<インキ組成物の作製法1によるインキ>
Figure 2020172566
表4−2<インキ組成物の作製法2によるインキ>
Figure 2020172566
表4−3<インキ組成物の作製法3によるインキ>
Figure 2020172566
表4−4<インキ組成物の作製法4によるインキ>
Figure 2020172566

Claims (7)

  1. 酸性水溶液中に置換もしくは無置換のベンジジンのテトラゾ成分を含むテトラゾ溶液と、カップラー成分を含むカップラー溶液とを、テトラゾ成分とカップラー成分のモル比が1:2〜2.5の比率で、下記工程(A)〜工程(C)を連続して注入して反応させてなるジスアゾ顔料。
    2’,4’−ジメチルアセトアセトアニリドを必須カップラー成分として構成されるカップラー溶液Aとテトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(A)。
    一般式(1)で示されるカップラー成分からなるカップラー溶液Bと上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料を形成させる工程(B)。
    アセトアセトアニリドおよび一般式(2)で示されるカップラー成分を必須カップラー成分として構成されるカップラー溶液Cと上記テトラゾ溶液とでカップリング反応させてジスアゾ顔料粒子を形成させる工程(C)。

    一般式(1)
    CH3COCH2CONH−X
    (一般式(1)中、Xは、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、および−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'は、それぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基を有しているフェニル基を表す。)

    一般式(2)
    CH3COCH2CONH−Y
    (一般式(2)中、Yは、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボンアミド基、スルホン基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を有しているフェニル基を表す。)
  2. ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(3)で表される化合物を20〜70質量%、下記一般式(4)で表される化合物を20〜70質量%、下記一般式(5)で表される化合物を0.5〜10質量%、および、下記一般式(6)で表される化合物を0.3〜5.0質量%、含有することを特徴とするジスアゾ顔料。
    一般式(3)
    Figure 2020172566
    一般式(4)
    Figure 2020172566
    (一般式(4)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、うち少なくとも一つはメチル基である。)
    一般式(5)
    Figure 2020172566
    (一般式(5)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。
    6〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基を表し、うち少なくとも一つは、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシル基、カルボン酸アミド基、およびスルホンアミド基から選ばれる置換基である。)
    一般式(6)
    Figure 2020172566
    (一般式(6)中、R11〜R15は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)を表す。
    16〜R20はそれぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)を表し、うち少なくとも一つは、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SO2NH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基である。)
  3. ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(7)が、0.5質量%以下である請求項2記載のジスアゾ顔料。
    一般式(7)
    Figure 2020172566
    (R16〜R20は、それぞれ独立に水素原子、メチル基、−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SONH(CH2n1'2'(ただし、R1',R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)を表し、うち少なくとも一つは−NR1'2'、−CONR1'2'、−SO2NR1'2'、−CONH(CH2n1'2'、または−SONH(CH2n1'2'(ただし、R1'、R2'はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜18のアルキル基または−C24OH基を表し、nは1〜3の整数を表す。)から選ばれる置換基である。)
  4. ジスアゾ顔料全体に対して、下記一般式(8)が、0.5質量%以下である請求項2または3記載のジスアゾ顔料。
    一般式(8)
    Figure 2020172566
    (一般式(8)中、R1〜R5は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表し、うち少なくとも一つ以上はメチル基である。)
  5. 請求項1〜4いずれかに記載のジスアゾ顔料をロジンで被覆してなるジスアゾ顔料。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のジスアゾ顔料と印刷インキ用ビヒクルとを含んでなる印刷インキ組成物。
  7. 請求項1〜5いずれかに記載のジスアゾ顔料と重合性化合物とを含んでなる活性エネルギー線硬化型インキ組成物。
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