JP2020172201A - ステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法 - Google Patents

ステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法 Download PDF

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奨大 加藤
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Abstract

【課題】製造される個体毎のすべりトルクのばらつきを抑制できるステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法を提供する。【解決手段】ステアリングシャフトを構成するコラム軸3は、嵌合穴15を有する嵌合部14が形成された中間シャフト12、及び嵌合部14に圧入される入力軸21を含み、キーリング51は、嵌合部14の外周において径方向に弾性変形可能なバネ部57を有するトレランスリング52を介して中間シャフト12に嵌合される。キーリング51の組み付けに際して、入力軸21が嵌合穴15に圧入された後の嵌合部14の外周に円筒状部材53を嵌合させ、拘束治具61及び可動治具62を用いて円筒状部材53の外径が所定外径となるように該円筒状部材53を塑性変形させる。そして、円筒状部材53の外径を所定外径とした後に、キーリング51をトレランスリング52とともに円筒状部材53の外周に圧入する。【選択図】図4

Description

本発明は、ステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法に関する。
例えば特許文献1に記載されるように、車両用のステアリングコラム装置には、ステアリングロック機構を備えたものがある。こうしたステアリングロック機構は、盗難防止の観点から、イグニッションスイッチ等の起動スイッチのオフ時において、ステアリングシャフトの回転を規制する。
特許文献1のステアリングコラム装置では、ステアリングシャフトは、ステアリングホイールが連結されるアッパシャフト、アッパシャフトに連結される中間シャフト、及び中間シャフトに連結されるとともにモータの回転が伝達される駆動シャフトを備えている。駆動シャフトは、それぞれ中空状に形成された入力軸及び出力軸をトーションバーを介して連結することにより構成されている。中間シャフトには嵌合穴が形成されており、駆動シャフトは、入力軸におけるトーションバーの圧入された端部が嵌合穴に圧入されることにより中間シャフトに連結されている。ステアリングロック機構を構成するキーリングには、その外周にロックバーが挿入可能な挿入部が形成されており、キーリングは、中間シャフトにおける嵌合穴が形成された嵌合部、すなわち駆動シャフトとの嵌合部分の外周にトレランスリングを介して圧入されている。トレランスリングは、径方向に弾性変形可能なバネ部を有する環状の部材であり、バネ部の圧縮量に応じた摩擦力を該トレランスリングと中間シャフト及びキーリングとの間に発生させる。
したがって、キーリングの挿入部にロックバーが挿入された状態では、該キーリングの回転が規制されるため、ステアリングシャフトに入力されるトルクがトレランスリングの摩擦力に応じたすべりトルク未満である場合には、ステアリングシャフトの回転が規制される。一方、ステアリングシャフトに入力されるトルクがすべりトルク以上である場合には、ステアリングシャフトがトレランスリングに対して相対回転することでその回転が許容される。これにより、ステアリングロック機構の誤作動によりステアリングシャフトの回転が規制される場合でも操舵が可能となっている。
特開2010−105653号公報
上記のようにすべりトルクは、トレランスリングと中間シャフトとの間に作用する摩擦力、すなわちトレランスリングのバネ部の圧縮量に応じて決まるため、中間シャフトの嵌合部の寸法管理が重要となる。一方、嵌合部の外径は、駆動シャフトが圧入されることにより変化するおそれがある。特に上記従来の構成では、嵌合穴に対し、入力軸におけるトーションバーが圧入された端部がさらに圧入される構成、つまり複数の部材が多重に圧入される構成となっているため、嵌合部の外径変化が起きやすい。その結果、バネ部の圧縮量がばらつき、該圧縮量に応じた摩擦力に基づくすべりトルクが製造される個体毎にばらつくおそれがある。
本発明の目的は、製造される個体毎のすべりトルクのばらつきを抑制できるステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するステアリングコラム装置は、ステアリングホイールが固定されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの外周に嵌合され、該ステアリングシャフトの回転を規制するためのロックバーが挿入される挿入部を有するキーリングとを備え、前記ステアリングシャフトは、嵌合穴を有する嵌合部が形成された第1シャフト、及び前記嵌合穴に圧入される第2シャフトを含む複数の軸状部材を連結することにより構成され、前記キーリングは、前記嵌合部の外周において、径方向に弾性変形可能なバネ部を有するトレランスリングを介して前記第1シャフトに嵌合されたものにおいて、前記第1シャフトと前記トレランスリングとの間には、前記第1シャフトよりも塑性変形し易い材料からなり、前記トレランスリングの内径に応じた所定外径に塑性変形された円筒状部材が設けられた。
上記課題を解決するステアリングコラム装置の製造方法は、ステアリングホイールが固定されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの外周に嵌合され、該ステアリングシャフトの回転を規制するためのロックバーが挿入される挿入部を有するキーリングとを備え、前記ステアリングシャフトは、嵌合穴を有する嵌合部が形成された第1シャフト、及び前記嵌合穴に圧入される第2シャフトを含む複数の軸状部材を連結することにより構成され、前記キーリングは、前記嵌合部の外周において、径方向に弾性変形可能なバネ部を有するトレランスリングを介して前記第1シャフトに嵌合されるものの製造方法において、前記第2シャフトが前記嵌合穴に圧入された後の前記嵌合部の外周に、前記第1シャフトよりも塑性変形し易い材料からなる円筒状部材を嵌合させ、前記トレランスリングの内径に応じた所定内径を有する拘束治具を用いて、前記円筒状部材の外径が前記トレランスリングの内径に応じた所定外径となるように該円筒状部材を塑性変形させる。
上記各構成によれば、キーリングは、円筒状部材の外周に、トレランスリングを介在させて嵌合する。ここで、円筒状部材は、第2シャフトが嵌合穴に圧入された後の嵌合部に嵌合され、その後に拘束治具を用いて所定外径となるように塑性変形されている。したがって、円筒状部材の外径は、第2シャフトを嵌合穴に圧入することによる影響によって変化しないため、該円筒状部材の外周にトレランスリングを嵌合させることで、トレランスリングの径方向の圧縮量がばらつき難くなり、該圧縮量に応じた摩擦力に基づくすべりトルクが製造される個体毎にばらつくことを抑制できる。
上記ステアリングコラム装置の製造方法において、前記第2シャフトが前記嵌合穴に圧入された後の前記嵌合部の外周に、前記拘束治具の内周に配置した前記円筒状部材を嵌合させた状態で、可動治具を用いて前記円筒状部材を軸方向に圧縮することにより、前記円筒状部材の外径が前記所定外径となるように該円筒状部材を塑性変形させることが好ましい。
上記構成によれば、円筒状部材を軸方向に圧縮することでその外周形状を拘束治具の内周形状に積極的に倣わせることができ、円筒状部材の外径を精度よく所定外径とすることができる。
上記ステアリングコラム装置の製造方法において、前記円筒状部材は、前記所定外径となるように塑性変形される前の状態で、前記拘束治具の内周に圧入により嵌合されるように形成されたものであることが好ましい。
上記構成によれば、円筒状部材は拘束治具の内周に圧入により嵌合するものであるため、円筒状部材を軸方向に圧縮することによる径方向への変形量が小さくても、円筒状部材の外周形状を拘束治具の内周形状に好適に倣わせることができる。
上記ステアリングコラム装置の製造方法において、前記円筒状部材は、前記所定外径となるように塑性変形される前の状態で、前記嵌合部の外周に隙間嵌めにより嵌合されるように形成されたものであることが好ましい。
上記構成によれば、円筒状部材は嵌合部の外周に隙間嵌めにより嵌合するものであるため、拘束治具の内周に配置した円筒状部材を、容易に嵌合部の外周に嵌合させることができる。
本発明によれば、製造される個体毎のすべりトルクのばらつきを抑制できる。
ステアリングコラム装置の軸方向に沿った断面図。 コラム軸におけるキーリングの嵌合部分の軸方向に沿った拡大断面図。 コラム軸におけるキーリングの嵌合部分の軸方向と直交する断面であって、図2のIII−III線断面図。 (a)〜(d)は本実施形態における中間シャフトの嵌合部への円筒状部材、キーリング及びトレランスリングの組み付けを示す模式図。 (a)〜(c)は変形例における中間シャフトの嵌合部への円筒状部材、キーリング及びトレランスリングの組み付けを示す模式図。
以下、ステアリングコラム装置及びステアリングコラム装置の製造方法の一実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明では、図1における左側を車両前方側とし、図1における右側を車両後方側とする。
図1に示すように、ステアリングコラム装置1は、ステアリングシャフト2の一部を構成するコラム軸3と、コラム軸3を回転可能に収容するステアリングコラム4とを備えている。コラム軸3における車両後方側端部には、ステアリングホイール5が連結される。一方、コラム軸3における車両前方側端部には、図示しない自在継手を介してステアリングシャフト2の一部を構成するインターミディエイトシャフトが連結される。そして、ステアリング操作に伴うステアリングシャフト2の回転が図示しないラックアンドピニオン機構においてラック軸の往復動に変換されることで転舵輪の舵角が変更される。つまり、本実施形態のステアリングコラム装置1は、ステアリングホイールの回転が転舵輪を転舵させる転舵部に機械的に伝達される構成の操舵装置において、運転者により操舵される操舵部を構成する。なお、詳細な説明は省略するが、ステアリングコラム装置1は、ステアリングホイール5の高さ位置を調整するチルト調整機能、及びその前後位置を調整するテレスコ調整機能を備えている。
また、ステアリングコラム装置1は、運転者による操舵を補助するためのアシスト力を付与するEPSアクチュエータ6を備えている。EPSアクチュエータ6は、駆動源となるモータ7と、モータ7の回転を減速する減速機構8とを備えている。なお、減速機構8には、ウォーム減速機が採用されている。そして、EPSアクチュエータ6は、モータ7の回転を減速してコラム軸3に伝達することで、アシスト力を付与する。
詳しくは、図1及び図2に示すように、コラム軸3は、中空状のアッパシャフト11と、軸状の中間シャフト12と、EPSアクチュエータ6により回転駆動される駆動シャフト13とを備えている。これらアッパシャフト11、中間シャフト12及び駆動シャフト13は、それぞれ軸状部材に相当する。アッパシャフト11の車両後方側端部には、ステアリングホイール5が連結される。また、アッパシャフト11は、中間シャフト12にスプライン嵌合されており、中間シャフト12に対して軸方向に相対移動可能である。中間シャフト12における車両前方側端部には、その中央部分よりも大径の嵌合部14が形成されている。嵌合部14には、車両前方側に開口した嵌合穴15が形成されている。つまり、中間シャフト12は、第1シャフトに相当する。また、嵌合部14の車両前方側端部には、径方向外側に延出された円環状のフランジ部16が形成されている。さらに、中間シャフト12の嵌合部14の外周には、後述するように、イグニッションスイッチやスタートスイッチ等の車両の起動スイッチがオフである場合に、コラム軸3の回転を規制するためのステアリングロック機構Sを構成するキーリング51が嵌合されている。
図1に示すように、駆動シャフト13は、それぞれ中空状の入力軸21及び出力軸22と、入力軸21と出力軸22とを互いに連結するトーションバー23を備えている。これら入力軸21、出力軸22及びトーションバー23は、それぞれ軸状部材に相当する。トーションバー23は、入力軸21における車両後方側端部の開口に圧入されることにより、入力軸21と一体回転可能に連結されている。また、トーションバー23は、出力軸22における車両前方側端部の開口に挿入されるとともに、トーションバー23及び出力軸22と直交する方向に挿入されるピン24により、出力軸22と一体回転可能に連結されている。そして、駆動シャフト13は、トーションバー23が圧入された入力軸21の車両後方側端部が嵌合穴15に圧入されることにより、中間シャフト12と一体回転可能に連結されている。つまり、入力軸21は、第2シャフトに相当する。
また、出力軸22には、減速機構8を構成するウォームホイール25が一体回転可能に嵌合されている。モータ7は、減速機構8を構成する図示しないウォーム軸を介してウォームホイール25に連結されており、モータ7の回転が減速機構8により減速されて出力軸22に伝達されることで、アシスト力が付与される。
ステアリングコラム4は、アッパシャフト11を回転可能に収容する円筒状のインナチューブ31及びアウタチューブ32と、EPSアクチュエータ6を構成するハウジング33とを備えている。インナチューブ31は、軸受34を介してアッパシャフト11を回転可能に支持している。インナチューブ31とアウタチューブ32とは、通常時は軸方向への相対移動が規制された状態で嵌合しており、いわゆるテレスコ動作時にも一体的に動作するが、車両衝突等による衝撃荷重が作用した場合に軸方向に相対移動して収縮するように構成されている。
ハウジング33は、インナチューブ31及びアウタチューブ32を軸方向移動可能に収容するチューブハウジング41と、トーションバー23の捩れ量に基づいて操舵トルクを検出するセンサ部42を収容するセンサハウジング43と、減速機構8を収容するウォームハウジング44とを備えている。ハウジング33は、駆動シャフト13の軸方向に貫通した形状をなしており、軸受45〜47を介して駆動シャフト13を回転可能に支持している。
次に、ステアリングロック機構Sを構成するキーリング51の嵌合構造について説明する。
図2及び図3に示すように、ステアリングロック機構Sは、中間シャフト12の外周に嵌合されたキーリング51と、車体側に設けられたロックバーBとを備えている。キーリング51は、その内周に配置されたトレランスリング52を介して、嵌合部14の外周に設けられた円筒状部材53の外周に圧入されている。そして、ステアリングロック機構Sは、ロックバーBによってキーリング51の回転を拘束することにより、キーリング51と円筒状部材53との間に設けられたトレランスリング52の摩擦力に応じてステアリングシャフト2を構成するコラム軸3の回転を規制する。
詳しくは、キーリング51は、円筒状に形成されている。キーリング51の外周には、ロックバーBが挿入可能な複数の挿入部55が形成されている。本実施形態の挿入部55は、軸方向に延びる溝状に形成されており、キーリング51の外周に等角度間隔で形成されている。キーリング51の内周には、車両前方側に開口した円環状の収容凹部56が形成されている。
トレランスリング52は、板状のバネ鋼をC字状に湾曲させることにより構成されており、一部を切り欠いた円環状に形成されている。トレランスリング52には、径方向に弾性変形可能な複数のバネ部57が形成されている。各バネ部57は、径方向外側に膨出した略長方形状に形成されている。本実施形態のバネ部57は、トレランスリング52の周方向に等角度間隔で形成されるとともに、軸方向に間隔を空けて二列形成されている。
円筒状部材53は、鉄系の金属材料等、中間シャフト12よりも塑性変形し易い軟質の材料により構成されている。円筒状部材53は、円筒状に形成されており、その内周が嵌合部14の外周に密着するとともに、その外径がトレランスリング52の内径Dに応じた所定外径となるように塑性変形されている。なお、所定外径は、キーリング51との間で径方向に圧縮されるバネ部57の圧縮量が所定圧縮量となる外径であり、所定圧縮量は、トレランスリング52と円筒状部材53との間に発生する摩擦力に応じたすべりトルクが予め決められたトルクとなるような垂直抗力がバネ部57において発生する圧縮量である。これら所定外径及び所定圧縮量は、実験等の結果に基づいて予め設定されている。
そして、キーリング51は、収容凹部56にトレランスリング52が収容された状態で、該トレランスリング52を介して円筒状部材53の外周に圧入されることにより、中間シャフト12、すなわちコラム軸3と一体回転可能に連結されている。これにより、キーリング51の挿入部55にロックバーBが挿入された状態では、キーリング51の回転が規制されるため、コラム軸3に入力されるトルクがすべりトルク未満である場合には、コラム軸3の回転が規制される。一方、コラム軸3に入力されるトルクがすべりトルク以上である場合には、コラム軸3がトレランスリング52に対して相対回転することでその回転が許容される。
次に、本実施形態のステアリングコラム装置1の製造方法について、キーリング51の組み付けを中心に図4に従って説明する。
本実施形態では、キーリング51の組み付けに際して、入力軸21が嵌合穴15に圧入された後の嵌合部14の外周に円筒状部材53を嵌合させ、拘束治具61及び可動治具62を用いて円筒状部材53の外径が所定外径となるように該円筒状部材53を塑性変形させる。そして、円筒状部材53の外径を所定外径とした後に、キーリング51をトレランスリング52とともに円筒状部材53の外周に圧入する。
拘束治具61は、円筒状部材53よりも塑性変形し難い硬質の材料からなり、円筒状部材53の外径を規定するための治具である。拘束治具61は、トレランスリング52の内径Dに応じた所定内径を有する円筒状に形成されている。なお、所定内径は、円筒状部材53が拘束治具61の内周に密着することで、その外径が上記所定外径となるような内径であり、所定外径と略等しい。可動治具62は、円筒状部材53よりも塑性変形し難い硬質の材料からなり、円筒状部材53を軸方向に圧縮するための治具である。可動治具62は、所定内径と略等しい外径を有するとともに嵌合部14の外径と略等しい内径を有する円筒状に形成されている。
詳しくは、図4(a)に示すように、まずトーションバー23が圧入された状態の入力軸21の車両後方側端部を、中間シャフト12の嵌合穴15に圧入する。また、拘束治具61の内周に、嵌合部14に嵌合する前の状態の円筒状部材53を軽圧入する。つまり、嵌合部14に嵌合する前の状態、すなわち所定外径となるように塑性変形される前の状態の円筒状部材53は、その外径が拘束治具61の内径よりも僅かに大きく設定されている。また、嵌合部14に嵌合する前の状態の円筒状部材53は、その内径が嵌合部14の外径よりも僅かに大きく設定されている。
続いて、図4(b)に示すように、嵌合部14の外周に、拘束治具61の内周に圧入した状態の円筒状部材53を車両後方側から嵌合させる。この状態で、円筒状部材53は、嵌合部14に対して隙間嵌めにより嵌合する。
続いて、図4(c)に示すように、可動治具62を車両後方側から拘束治具61内に挿入し、予め決められた所定荷重で円筒状部材53を押圧して、中間シャフト12のフランジ部16との間で円筒状部材53を挟み込む。これにより、円筒状部材53は、軸方向に圧縮されるとともに径方向両側に広がるように塑性変形し、円筒状部材53の外周形状が拘束治具61の内周形状に倣う。すなわち、円筒状部材53は、その外径が所定内径となるように塑性変形する。なお、所定荷重は、円筒状部材53が塑性変形することにより、その外周形状が拘束治具61の内周形状に十分に倣うような荷重であり、実験結果等に基づいて予め設定されている。そして、円筒状部材53を塑性変形させた後は、可動治具62により円筒状部材53を押さえた状態で拘束治具61を取り外してから、可動治具62を取り外す。
その後、図4(d)に示すように、収容凹部56にトレランスリング52を配置したキーリング51を、円筒状部材53の外周に圧入する。これにより、キーリング51が組み付けられる。その後、中間シャフト12にアッパシャフト11を連結し、これをステアリングコラム4内に組み付ける等してステアリングコラム装置1が製造される。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)キーリング51を、円筒状部材53の外周にトレランスリング52を介在させて嵌合するようにした。ここで、円筒状部材53は、入力軸21が嵌合穴15に圧入された後の嵌合部14に嵌合され、その後に拘束治具61を用いて所定外径となるように塑性変形されている。したがって、円筒状部材53の外径は、入力軸21を嵌合穴15に圧入することによる影響によって変化しない。詳しくは、嵌合穴15に入力軸21が圧入されることで嵌合部14の外径が製造される個体毎にばらついても、円筒状部材53は、入力軸21の圧入後に嵌合部14に嵌合されて所定外径となるように塑性変形される。このため、製造される個体毎に円筒状部材53の肉厚はばらついても、その外径のばらつきは抑制される。したがって、円筒状部材53の外周にトレランスリング52を嵌合させることで、トレランスリング52の径方向の圧縮量がばらつき難くなり、該圧縮量に応じた摩擦力に基づくすべりトルクが製造される個体毎にばらつくことを抑制できる。
特に本実施形態では、入力軸21の車両後方側端部にはトーションバー23が圧入されており、この入力軸21の車両後方側端部が嵌合穴15に圧入される、すなわち嵌合穴15に複数の部材が多重に圧入される構成となっているため、嵌合部14の外径が変化し易い。そのため、本実施形態において、嵌合部14の外周に円筒状部材53を嵌合させることにより、すべりトルクのばらつきを抑制する効果は顕著なものとなる。
(2)嵌合部14の外周に、拘束治具61の内周に配置した円筒状部材53を嵌合させた状態で、可動治具62を用いて円筒状部材53を軸方向に圧縮することにより、円筒状部材53の外径が所定外径となるように該円筒状部材53を塑性変形させるようにした。そのため、円筒状部材53の外周形状を拘束治具61の内周形状に積極的に倣わせることができ、円筒状部材53の外径を精度よく所定外径とすることができる。
(3)所定外径となるように塑性変形される前の円筒状部材53を、拘束治具61の内周に圧入により嵌合するように形成したため、円筒状部材53を軸方向に圧縮することによる径方向への変形量が小さくても、円筒状部材53の外周形状を拘束治具61の内周形状に好適に倣わせることができる。
(4)所定外径となるように塑性変形される前の円筒状部材53を、嵌合部14の外周に隙間嵌めにより嵌合するように形成した。そのため、円筒状部材53を嵌合部14の外周に圧入により嵌合するように形成する場合に比べ、拘束治具61の内周に配置した円筒状部材53を容易に嵌合部14の外周に嵌合させることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、それぞれ別部材からなる拘束治具61及び可動治具62を用いたが、これに限らず、例えば図5に示すように、円筒状部材53に対して軸方向から当接する当接部72が内周に形成された拘束治具71を用いてもよい。換言すると、可動治具62が一体化された拘束治具61を用いてもよい。こうした拘束治具71を用いたキーリング51の組み付けは、例えば次のように行うことができる。
例えば図5(a)に示すように、まず拘束治具71の内周に円筒状部材53を配置する。続いて、図5(b)に示すように、嵌合部14の外周に円筒状部材53を隙間嵌めにより嵌合させるとともに当接部72により円筒状部材53を押圧し、円筒状部材53を軸方向に圧縮することで、その外径が所定内径となるように円筒状部材53を塑性変形させる。その後、図5(c)に示すように、トレランスリング52とともにキーリング51を、円筒状部材53の外周に圧入する。なお、嵌合部14の外周に円筒状部材53を圧入により嵌合させる場合には、円筒状部材53を軸方向に圧縮しなくてもよい。
・上記実施形態では、円筒状部材53を所定外径となるように塑性変形する前の状態で、円筒状部材53が嵌合部14の外周に隙間嵌めにより嵌合するようにしたが、これに限らず、例えば円筒状部材53が嵌合部14の外周に圧入により嵌合するように円筒状部材53を形成してもよい。なお、この場合には、可動治具62によって円筒状部材53を軸方向に圧縮しなくてもよい。
・上記実施形態では、円筒状部材53を所定外径となるように塑性変形する前の状態で、円筒状部材53が拘束治具61の内周に圧入により嵌合するようにしたが、これに限らず、例えば円筒状部材53が拘束治具61の内周に隙間嵌めにより嵌合するように円筒状部材53を形成してもよい。なお、この場合には、可動治具62によって円筒状部材53を軸方向に圧縮する量を大きくすることが望ましい。
・上記実施形態において、中間シャフト12の嵌合部14にフランジ部16を形成せず、可動治具62により円筒状部材53を軸方向に圧縮する際に、円筒状部材53を可動治具との間で挟み込む支持用の治具を用いてもよい。
・上記実施形態において、円筒状部材53の材質は、中間シャフト12よりも塑性変形し易い材料であれば適宜変更可能であり、例えば樹脂材料により円筒状部材53を構成してもよい。
・上記実施形態では、中間シャフト12の嵌合穴15にトーションバー23が圧入された入力軸21を圧入することでコラム軸3を構成したが、これに限らず、例えば嵌合穴15に単一の部材からなる軸状部材を圧入することでコラム軸3を構成してもよい。
・上記実施形態において、ステアリングコラム装置1が、運転者により操舵される操舵部と、運転者の操舵に応じて転舵輪を転舵させる転舵部との間の動力伝達が分離したステアバイワイヤ式の操舵装置の操舵部を構成するものであってもよい。
B…ロックバー、D…内径、1…ステアリングコラム装置、2…ステアリングシャフト、3…コラム軸、5…ステアリングホイール、11…アッパシャフト、12…中間シャフト、13…駆動シャフト、14…嵌合部、15…嵌合穴、21…入力軸、22…出力軸、23…トーションバー、51…キーリング、52…トレランスリング、53…円筒状部材、55…挿入部、57…バネ部、61,71…拘束治具、62…可動治具。

Claims (5)

  1. ステアリングホイールが固定されるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトの外周に嵌合され、該ステアリングシャフトの回転を規制するためのロックバーが挿入される挿入部を有するキーリングとを備え、
    前記ステアリングシャフトは、嵌合穴を有する嵌合部が形成された第1シャフト、及び前記嵌合穴に圧入される第2シャフトを含む複数の軸状部材を連結することにより構成され、
    前記キーリングは、前記嵌合部の外周において、径方向に弾性変形可能なバネ部を有するトレランスリングを介して前記第1シャフトに嵌合されたステアリングコラム装置において、
    前記第1シャフトと前記トレランスリングとの間には、前記第1シャフトよりも塑性変形し易い材料からなり、前記トレランスリングの内径に応じた所定外径に塑性変形された円筒状部材が設けられたステアリングコラム装置。
  2. ステアリングホイールが固定されるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトの外周に嵌合され、該ステアリングシャフトの回転を規制するためのロックバーが挿入される挿入部を有するキーリングとを備え、
    前記ステアリングシャフトは、嵌合穴を有する嵌合部が形成された第1シャフト、及び前記嵌合穴に圧入される第2シャフトを含む複数の軸状部材を連結することにより構成され、
    前記キーリングは、前記嵌合部の外周において、径方向に弾性変形可能なバネ部を有するトレランスリングを介して前記第1シャフトに嵌合されるステアリングコラム装置の製造方法において、
    前記第2シャフトが前記嵌合穴に圧入された後の前記嵌合部の外周に、前記第1シャフトよりも塑性変形し易い材料からなる円筒状部材を嵌合させ、前記トレランスリングの内径に応じた所定内径を有する拘束治具を用いて、前記円筒状部材の外径が前記トレランスリングの内径に応じた所定外径となるように該円筒状部材を塑性変形させるステアリングコラム装置の製造方法。
  3. 請求項2に記載のステアリングコラム装置の製造方法において、
    前記第2シャフトが前記嵌合穴に圧入された後の前記嵌合部の外周に、前記拘束治具の内周に配置した前記円筒状部材を嵌合させた状態で、可動治具を用いて前記円筒状部材を軸方向に圧縮することにより、前記円筒状部材の外径が前記所定外径となるように該円筒状部材を塑性変形させるステアリングコラム装置の製造方法。
  4. 請求項3に記載のステアリングコラム装置の製造方法において、
    前記円筒状部材は、前記所定外径となるように塑性変形される前の状態で、前記拘束治具の内周に圧入により嵌合されるように形成されたものであるステアリングコラム装置の製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載のステアリングコラム装置の製造方法において、
    前記円筒状部材は、前記所定外径となるように塑性変形される前の状態で、前記嵌合部の外周に隙間嵌めにより嵌合されるように形成されたものであるステアリングコラム装置の製造方法。
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