JP2006001423A - 車両用ステアリング装置及びその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数の増大を招来することなく、センサーコイルの内径より大きいキーロックカラーを容易に組み付けること。
【解決手段】 ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、センサーコイル13より大径のウォームホイール15と、センサーコイル13より大径のキーロックカラー4とを取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】 ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、センサーコイル13より大径のウォームホイール15と、センサーコイル13より大径のキーロックカラー4とを取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、盗難防止装置を備えた電動パワーステアリング装置などの車両用ステアリング装置及びその組立方法に関する。
車両の電動パワーステアリング装置として、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を歯車装置により減速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステアリングホイールに印加された操舵力を補助して、車輪の操舵を行うように構成したものが知られている。このような電動パワーステアリング装置においては、ハウジング内に設けた減速機構を用いて、電動モータの回転を減速しつつ、出力軸に動力を伝達している。
このような電動パワーステアリング装置では、ステアリングホイールから操舵力を受ける入力軸と、車輪に操舵力を伝達する出力軸との間がトーションバーにより連結してある。このトーションバーに係る捩れトルクを検出して、補助操舵力の出力制御に必要な操舵トルクを調整している。
入力軸は、通常、コラム部材がセンサーハウジングに固定され、更にセンサー機構のセンサーコイルが組み付けられた後、センサーハウジング側からコラム部材内へと挿通されて、組み付けられている。
一方、車両の盗難等を防止するため、車両には、盗難防止装置が設けてあり、運転者がキーを抜くと、入力軸がコラム部材に対して固定され、ステアリングホイールが非回転状態に維持されるようになっている。
このような盗難防止装置では、入力軸の外周面に、複数の孔を有するキーロックカラーが圧入等により固定してあり、運転者がキーを抜くと、コラム部材側から径方向に出退動するシャフトがキーロックカラーの孔に進入して係合し、これにより、入力軸やステアリングホイールを非回転に維持することができるようになっている。
ところで、同じトルクを支えるにしても、小径部で押さえるよりも、大径部で抑えたほうが弱い力で抑えられることは自明であり、キーロックカラーを大径とした方がキーロックカラー自身の強度が弱くてよくなる。出退動するキーボルトに係る力自体が弱くなるため、キーロックカラーの穴に係合するキーボルトも強度が弱くてよく、その力を受ける部分(キーボルトがおさまるハウジング、ハウジングからの力を受けるコラム部の穴など)も強度を弱くできる。
また、スリップリングを使用する場合、シャフト径とキーロックカラー内径により、スリップトルクが決まってくるが、大径にするとスリップトルクが径寸法に鈍になり、製品をあるスリップトルク域に入れる場合に、加工精度を必要としなくなり、製造コストを下げることができる。
しかし、センサ部が有る場合、今までは、センサコイル内径に制限されて、キーロックカラーを大径にはできなかった。
キーロックカラーを、センサコイル内径よりも大径にする方法としては、後述する特許文献1乃至3などがある。
このように、キーロックカラーを大径にしようとする場合、キーロックカラーの外径は、センサーハウジングに装着するセンサーコイルの内径よりも大きくなり、しかも、出力軸には、センサーコイルの内径よりも大きい減速機構のウォームホイールが嵌合してある。
すなわち、入力軸と出力軸は、その両端部側に、センサーコイルの内径よりも大きい、車両前方側のウォームホイールと車両後方側のキーロックカラーとを備えている。
このようなことから、特許文献1乃至3では、電動パワーステアリング装置を組み立てる際には、入力軸を車両の前方側と後方側とに二分割している。この後方側の入力軸に、キーロックカラーを固定する一方、ウォームホイールを装着した出力軸と、前方側の入力軸とを合体し、センサーハウジング内に挿通して、サブアッセンブリー体を組み立てている。
その後、このサブアッセンブリー体の前方側の入力軸に、キーロックカラーを固定した後方側の入力軸を合体して、その組立を完成している。
特開2000−85596号公報
特開2000−318626号公報
特開2003−72566号公報
しかしながら、上記特許文献1乃至3のように、盗難防止装置のキーロックカラーを装着するために、電動パワーステアリング装置の入力軸を、二分割することは、部品点数の増大を招来すると共に、分割品の合体作業が煩雑であり、ひいては、製造コストの高騰を招くといったことがある。
なお、このような問題に対して、単純にセンサーコイルの内径を大きくすれば良いとも考えられるが、コイルを新設計するとなると、相当の手間がかかり、製造コストの高騰を招くといったことがある一方、センサーコイルの内径は、標準化が進んでおり、これに対応して、ステアリングシャフトの径等も制限されているといった背景がある。
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイルの内径より大きいキーロックカラーを容易に組み付けることができる、車両用ステアリング装置及びその組立方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る車両用ステアリング装置は、センサー機構と、これの車両後方側に配置した盗難防止装置とを備え、
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーが後から組み付けてあることを特徴とする。
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーが後から組み付けてあることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る車両用ステアリング装置は、
前記ステアリングシャフトは、前記キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部を有していることを特徴とする。
前記ステアリングシャフトは、前記キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部を有していることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る車両用ステアリング装置は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、径寸法を変化させた径・変化部であることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る車両用ステアリング装置は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、環状フランジ部で作られる凹溝であることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る車両用ステアリング装置は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してある穴であることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る車両用ステアリング装置の組立方法は、センサー機構と、これの車両後方側に配置した盗難防止装置とを備え、
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置を組み立てる組立方法において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーを、後から組み付けることを特徴とする。
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置を組み立てる組立方法において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーを、後から組み付けることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る車両用ステアリング装置の組立方法は、前記ステアリングシャフトは、前記キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部を有し、
前記キーロックカラーを取り付ける際には、当該治具装着部により、軸方向荷重を受けることを特徴とする。
前記キーロックカラーを取り付ける際には、当該治具装着部により、軸方向荷重を受けることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る車両用ステアリング装置の組立方法は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、径寸法を変化させた径・変化部であることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る車両用ステアリング装置の組立方法は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、環状フランジ部で作られる凹溝であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る車両用ステアリング装置の組立方法は、前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してある穴であることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、大径の部材(例えば、ウォームホイール)を固定してセンサーコイルを挿通したステアリングシャフト(入力軸と出力軸)に、キーロックカラーを、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイルの内径より大きいキーロックカラーを容易に組み付けることができる。
また、このように、キーロックカラーを後付けとしていることから、コラプス構造のステアリングシャフト(入力軸)にも、本発明の組立方法を適用することができる。
さらに、キーロックカラーを後付けとしていることから、パワーアシスト機構を備えず、トルクセンサー機構のみを備えているステアリング装置にも、本発明の組立方法を適用することができる。この場合、大径の部材は、例えば、出力軸に一体的な自在継手のヨークである。
以下、本発明の実施の形態に係る車両用ステアリング装置及びその組立方法を図面を参照しつつ説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図1は、本発明の第1実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
先ず、本実施の形態に係り、組立が完成した電動パワーステアリング装置について説明し、その後、当該電動パワーステアリング装置の組立方法について説明する。
図1に示すコラムアシスト式電動パワーステアリング装置では、ノンコラプス構造のステアリングコラム1に、軸受2を介して、ステアリングシャフトの入力軸3が回転自在に支持してある。
なお、符号「3a」は、ステアリングホイール(図示略)を取付けるための取付用ネジを示している。
この入力軸3の中間部には、盗難防止装置のキーロックカラー4がスリップリング5を介して圧入してある。運転者がキーを抜くと、ステアリングコラム1の孔1aから径方向に出退動するシャフト(図示略)がキーロックカラー4の孔4aに進入して係合し、これにより、入力軸3やステアリングホイール(図示略)を非回転に維持することができるようになっている。
また、スリップリング5は、キーロックカラー4に一定以上のトルクがかかると、入力軸3に対する相対回転を許容するものである。
なお、後述するように、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、段差S(径・変化部)が設けてある。
入力軸3の車両前方側には、後述するトーションバー7を介して、出力軸6が連結してある。この出力軸6は、ギヤハウジング8やカバー9を挿通して、その車両前方側には、自在継手(図示略)等を介してステアリングギヤ(図示略)が連結してある。なお、出力軸6は、カバーの軸受9a,9bにより回転自在に支持してある。
入力軸3の車両前方側には、トーションバー7の基端が圧入固定してあり、このトーションバー7は、中空に形成した出力軸6の内部を延在して、その先端が出力軸6の端部に固定ピン10により固定してある。
出力軸6の車両後方側には、トルクセンサー機構の検出用溝11が形成してあり、これらの検出用溝11の径方向外方には、トルクセンサー機構のスリーブ12が配置してある。このスリーブ12は、その車両後方側端部が入力軸3の車両前方側端部に加締め等により固定してある。スリーブ12の径方向外方には、コイル13や基板等が設けてある。
出力軸6には、電動モータ(図示略)の駆動軸であるウォーム14に噛合したウォームホイール15が嵌合して取付けてある。
従って、運転者がステアリングホイール(図示略)を操舵することにより発生した操舵力は、入力軸3,トーションバー7,出力軸6及びラックアンドピニオン式ステアリング装置を介して、図示しない転舵輪に伝達される。また、電動モータの回転力は、そのウォーム14及びウォームホイール15を介して出力軸6に伝達されるようになっており、電動モータの回転力及び回転方向を適宜制御することにより、出力軸6に適切な操舵補助トルクを付与できるようになっている。
次に、以上のように構成したノンコラプス構造の電動パワーステアリング装置を組み立てる際には、入力軸3は、ギヤハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6に、ウォームホイール15が嵌合され、トーションバー7や入力軸3が合体されて、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸3に、スリップリング5を介して、キーロックカラー4が圧入等により組み付けられる。
次いで、ステアリングコラム1を、サブアッセンブリ体のギヤハウジング8に結合されて、電動パワーステアリング装置が完成する。
以上から、本実施の形態では、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径のウォームホイール15と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態では、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、段差S(径・変化部)が設けてある。なお、この段差S(径・変化部)は、キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部である。
この段差Sは、キーロックカラー4を、ステアリングホイール(図示略)側から、入力軸3に組み付ける際に発生する軸方向荷重(入力軸3に、キーロックカラー4を組み付けるのは、軸方向圧入となるため)を受けることができ、入力軸3につながるセンサー機構に余分な荷重が伝わらないようにすることができる。
なお、この段差S(径・変化部)に代えて、ステアリングホイール取付用ネジ3aを使って、圧入時の軸方向荷重を、ステアリングホイール(図示略)側で引っ張り受けてもよい。
また、他の方法として、まずキーロックカラー4をスリップリング5を通す前に入力軸3に通し、所定の位置でスリップリングを覆うようにキーロックカラー4をステアリングホイール(図示略)側へ移動させることで圧入する。
この場合、段差S(径・変化部)は、必ずしも必要ではなく、ステアリングホイール取付用ネジ3a端面で圧入荷重を受けてもよい。
(第2実施の形態)
図2(a)は、本発明の第2実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のb−b線に沿った横断面図である。
図2(a)は、本発明の第2実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のb−b線に沿った横断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、スリップリングを用いることなく、キーロックカラー4を直接入力軸3に圧入している。
図2(b)に示すように、本実施の形態では、ステアリングシャフト3には、周方向に3個の嵌合用凹部3bが形成してある一方、キーロックカラー4の内周面には、圧入時に、この嵌合用凹部3bに嵌合する周方向3個の嵌合用凸部4bが形成してある。これにより、圧入力がキーロックカラー4の円筒寸法に鈍となると共に、キーロックカラー4がステアリングシャフト3に対して回転し辛くなるようにしている。
すなわち、本実施の形態でも、入力軸3は、ギヤハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6に、ウォームホイール15が嵌合され、トーションバー7や入力軸3が合体されて、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸3に、キーロックカラー4が、直接、圧入により組み付けられて、入力軸3とキーロックカラー4とが相対回転不能に構成されている。
このように、本実施の形態でも、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径のウォームホイール15と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態でも、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、キーロックカラー4の圧入時の軸方向荷重受け用の段差S(径・変化部)が設けてある。
(第3実施の形態)
図3は、本発明の第3実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図3は、本発明の第3実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、スリップリングを用いることなく、溶接により、キーロックカラー4を直接入力軸3に固定している。
すなわち、本実施の形態でも、入力軸3は、ギヤハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6に、ウォームホイール15が嵌合され、トーションバー7や入力軸3が合体されて、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸3に、キーロックカラー4が、直接、組み付けられ、溶接により固定され、これにより、入力軸3とキーロックカラー4とが相対回転不能に構成されている。
このように、本実施の形態でも、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径のウォームホイール15と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態でも、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、キーロックカラー4の軸方向荷重受け用の段差S(径・変化部)が設けてある。
(第4実施の形態)
図4(a)は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のb−b線に沿った横断面図である。
図4(a)は、本発明の第4実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図であり、(b)は、(a)のb−b線に沿った横断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、スリップリングを用いることなく、加締めにより、キーロックカラー4を直接入力軸3に固定している。
すなわち、本実施の形態でも、入力軸3は、ギヤハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6に、ウォームホイール15が嵌合され、トーションバー7や入力軸3が合体されて、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸3に、キーロックカラー4が、直接、組み付けられ、キーロックカラー4の中央部が入力軸3に対して加締められ、この加締めにより入力軸3に固定されている。これにより、入力軸3とキーロックカラー4とが相対回転不能に構成されている。
このように、本実施の形態でも、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径のウォームホイール15と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態でも、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、キーロックカラー4の軸方向荷重受け用の段差S(径・変化部)が設けてある。
(第5実施の形態)
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
図5は、本発明の第5実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、コラプス構造のステアリングコラムは、車両後方側のアッパーコラム21と、これにコラプス可能に嵌合した車両前方側のロアーコラム22とからなり、二次衝突時には、アッパーコラム21は、ロアーコラム22に対してコラプスして、車両前方に移動できるようになっている。
入力軸は、車両後方側の中空のアッパーシャフト31と、これに摺動可能に嵌合した車両前方側の中実のロアーシャフト32とからなり、二次衝突時には、アッパーシャフト31は、ロアーシャフト32に対して車両前方に移動できるようになっている。
中空のアッパーシャフト31の中間の大径部には、盗難防止装置のキーロックカラー4がスリップリング5を介して圧入してある。運転者がキーを抜くと、アッパーコラム21の孔21aから径方向に出退動するシャフト(図示略)がキーロックカラー4の孔4aに進入して係合し、これにより、アッパーシャフト31とロアーシャフト32とからなる入力軸やステアリングホイール(図示略)を非回転に維持することができるようになっている。
以上のように構成したコラプス構造の電動パワーステアリング装置を組み立てる際には、入力軸(31,32)は、ギヤハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6に、ウォームホイール15が嵌合され、トーションバー7や入力軸(31,32)が合体されて、ステアリングシャフト(入力軸(31,32)と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸(31)に、スリップリング5を介して、キーロックカラー4が圧入等により組み付けられる。
次いで、ステアリングコラム21,22が、サブアッセンブリ体のギヤハウジング8に結合されて、電動パワーステアリング装置が完成する。
以上から、本実施の形態では、ステアリングシャフト(入力軸(31,32)と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径のウォームホイール15と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、ウォームホイール15を固定してセンサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸(31,32)と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態では、キーロックカラー4を入力軸(31,32)に組み付ける際に発生する軸方向荷重(入力軸(31,32)に、キーロックカラー4を組み付けるのは、軸方向圧入となるため)は、中空のアッパーシャフト31の傾斜部(図5に楕円で囲む箇所)や端縁(図5に丸で囲む箇所)により、受けることができ、入力軸(31,32)につながるセンサー機構や、アッパーシャフト31とロアーシャフト32で構成されるコラプス構造部に余分な荷重が伝わらないようにすることができる。
(第6実施の形態)
図6は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
図6は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態に係るステアリング装置は、パワーアシスト機構を備えず、トルクセンサー機構のみを備えている。この場合にも、本発明の組立方法を適用することができる。
本実施の形態では、ハウジング8内に、トルクセンサー機構を備えている。すなわち、出力軸6の車両後方側には、トルクセンサー機構の検出用溝11が形成してあり、これらの検出用溝11の径方向外方には、トルクセンサー機構のスリーブ12が配置してある。このスリーブ12は、その車両前方側端部が出力軸6の車両後方側端部に加締め等により固定してある。スリーブ12の径方向外方には、コイル13や基板等が設けてある。なお、出力軸6は、軸受8aにより、入力軸3は、軸受8bにより、それぞれ回転自在に支持してある。
出力軸6には、自在継手40が連結してあり、この自在継手40のヨーク41は、出力軸6と一体的に構成してある。ヨーク41は、十字軸42を介して、他方のヨーク43に連結してあり、このヨーク43は、ステアリングギヤ(図示略)に連結してある。
次に、以上のように構成したトルクセンサー機構付き車両用ステアリング装置を組み立てる際には、入力軸3は、ハウジング8等と事前に組み付けられ、サブアッセンブリ体を構成している。即ち、サブアッセンブリ体では、出力軸6と自在継手40のヨーク41とが一体的に構成してあり、この出力軸6に、トーションバー7や入力軸3が合体され、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)は、小径のセンサーコイル13内径を挿通されている。
このサブアッセンブリ体の入力軸3に、スリップリング5を介して、キーロックカラー4が圧入等により組み付けられる。
次いで、ステアリングコラム1を、サブアッセンブリ体のハウジング8に結合されて、トルクセンサー機構付き車両用ステアリング装置が完成する。
以上から、本実施の形態では、ステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)の中間に、小径のセンサーコイル13を挿通し、その両端側に、コイル13より大径の自在継手40のヨーク41と、コイル13より大径のキーロックカラー4を取付けている。このような場合に、自在継手40のヨーク41を一体的に備え、センサーコイル13を挿通したステアリングシャフト(入力軸3と出力軸6)に、キーロックカラー4を、後から組み付けるようにしていることから、部品点数の増大を招来することなく、センサーコイル13の内径より大きいキーロックカラー4を容易に組み付けることができる。
また、本実施の形態では、入力軸3の車両前方側には、小径に形成することにより、段差S(径・変化部)が設けてある。この段差Sは、キーロックカラー4を入力軸3に組み付ける際に発生する軸方向荷重(入力軸3に、キーロックカラー4を組み付けるのは、軸方向圧入となるため)を受けることができ、入力軸3につながるセンサー機構に余分な荷重が伝わらないようにすることができる。
(第7実施の形態)
図7は、本発明の第7実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
図7は、本発明の第7実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、ステアリングシャフト3(入力軸)に、環状フランジ部51が形成してあり、この環状フランジ部51の車両前方側に、凹溝52が形成してある。凹溝52は、キーロックカラー4を取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部である。
環状フランジ部51と凹溝52は、キーロックカラー4を、ステアリングホイール(図示略)側から、入力軸3に組み付ける際に発生する軸方向荷重(入力軸3に、キーロックカラー4を組み付けるのは、軸方向圧入となるため)を受けることができ、入力軸3につながるセンサー機構に余分な荷重が伝わらないようにすることができる。
なお、この環状フランジ部51と凹溝52に代えて、ステアリングホイール取付用ネジ3aを使って、圧入時の軸方向荷重を、ステアリングホイール(図示略)側で引っ張り受けてもよい。
また、他の方法として、まずキーロックカラー4をスリップリング5を通す前に入力軸3に通し、所定の位置でスリップリングを覆うようにキーロックカラー4をステアリングホイール(図示略)側へ移動させることで圧入する。
この場合、環状フランジ部51と凹溝52は、必ずしも必要ではなく、ステアリングホイール取付用ネジ3a端面で圧入荷重を受けてもよい。
(第8実施の形態)
図8は、本発明の第8実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
図8は、本発明の第8実施の形態に係る車両用ステアリング装置の縦断面図である。
本実施の形態では、図面から明らかなように、その基本的構造が上記の第1実施の形態と同様であり、異なる点についてのみ説明する。
本実施の形態では、ステアリングシャフト3(入力軸)に、穴61が形成してある。この穴61は、キーロックカラー4を取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部である。
穴61は、キーロックカラー4を、ステアリングホイール(図示略)側から、入力軸3に組み付ける際に発生する軸方向荷重(入力軸3に、キーロックカラー4を組み付けるのは、軸方向圧入となるため)を受けることができ、入力軸3につながるセンサー機構に余分な荷重が伝わらないようにすることができる。
なお、この穴61に代えて、ステアリングホイール取付用ネジ3aを使って、圧入時の軸方向荷重を、ステアリングホイール(図示略)側で引っ張り受けてもよい。
また、他の方法として、まずキーロックカラー4をスリップリング5を通す前に入力軸3に通し、所定の位置でスリップリングを覆うようにキーロックカラー4をステアリングホイール(図示略)側へ移動させることで圧入する。
この場合、穴61は、必ずしも必要ではなく、ステアリングホイール取付用ネジ3a端面で圧入荷重を受けてもよい。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
1 ステアリングコラム
1a 孔
2 軸受
3 入力軸
3a 取付用ネジ
3b 嵌合用凹部
4 キーロックカラー
4a 孔
4b 嵌合用凸部
5 スリップリング
6 出力軸
7 トーションバー
8 ギヤハウジング(ハウジング)
8a,8b 軸受
9 カバー
9a,9b 軸受
10 固定ピン
11 検出用溝
12 スリーブ
13 センサーコイル
14 ウォーム
15 ウォームホイール
21 アッパーコラム
21a 孔
22 ロアーコラム
31 アッパーシャフト
32 ロアーシャフト
40 自在継手
41,43 ヨーク
42 十字軸
51 環状フランジ部
52 凹溝
61 穴
1a 孔
2 軸受
3 入力軸
3a 取付用ネジ
3b 嵌合用凹部
4 キーロックカラー
4a 孔
4b 嵌合用凸部
5 スリップリング
6 出力軸
7 トーションバー
8 ギヤハウジング(ハウジング)
8a,8b 軸受
9 カバー
9a,9b 軸受
10 固定ピン
11 検出用溝
12 スリーブ
13 センサーコイル
14 ウォーム
15 ウォームホイール
21 アッパーコラム
21a 孔
22 ロアーコラム
31 アッパーシャフト
32 ロアーシャフト
40 自在継手
41,43 ヨーク
42 十字軸
51 環状フランジ部
52 凹溝
61 穴
Claims (10)
- センサー機構と、これの車両後方側に配置した盗難防止装置とを備え、
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーが後から組み付けてあることを特徴とする車両用ステアリング装置。 - 前記ステアリングシャフトは、前記キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部を有していることを特徴とする請求項1に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、径寸法を変化させた径・変化部であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、環状フランジ部で作られる凹溝であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
- 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してある穴であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ステアリング装置。
- センサー機構と、これの車両後方側に配置した盗難防止装置とを備え、
当該盗難防止装置のキーロックカラーの外径は、前記センサー機構のセンサーコイル内径よりも大きく、
前記センサー機構の車両前方側に、センサーコイル内径より大径の部材を備えた車両用ステアリング装置を組み立てる組立方法において、
前記大径の部材を固定して前記センサーコイルを挿通したステアリングシャフトに、前記キーロックカラーを、後から組み付けることを特徴とする車両用ステアリング装置の組立方法。 - 前記ステアリングシャフトは、前記キーロックカラーを取り付ける際に使用する治具を装着する治具装着部を有し、
前記キーロックカラーを取り付ける際には、当該治具装着部により、軸方向荷重を受けることを特徴とする請求項6に記載の車両用ステアリング装置の組立方法。 - 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、径寸法を変化させた径・変化部であることを特徴とする請求項7に記載の車両用ステアリング装置の組立方法。
- 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してあって、環状フランジ部で作られる凹溝であることを特徴とする請求項7に記載の車両用ステアリング装置の組立方法。
- 前記治具装着部は、前記ステアリングシャフトに形成してある穴であることを特徴とする請求項7に記載の車両用ステアリング装置の組立方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010089709A (ja) * | 2008-10-10 | 2010-04-22 | Nsk Ltd | ステアリング装置及びその製造方法 |
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JP2003072566A (ja) * | 2001-08-31 | 2003-03-12 | Koyo Seiko Co Ltd | 盗難防止機能を備えた電動パワーステアリング装置とその製造方法 |
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2004
- 2004-06-17 JP JP2004180202A patent/JP2006001423A/ja active Pending
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2005
- 2005-06-17 CN CNA2005800197926A patent/CN1968846A/zh active Pending
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