JP2020171438A - 紙製ストロー及びその製造方法 - Google Patents

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Tomomasa Nakamura
知正 中村
宙迪 齋藤
Hiromichi Saito
宙迪 齋藤
勇太 青柳
Yuta Aoyagi
勇太 青柳
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Abstract

【課題】プラスチックを用いずに、耐水性と剛性、及び、生産効率の高い紙製ストロー及びその製造方法を提供する。【解決手段】紙製ストロー10の外面11Aまたは内面11Bとなる、少なくとも一面側に、予め天然由来のワックス15等の耐水塗工剤を塗工した原紙11を含み、原紙11が、接着しろ11Cを斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回され、原紙11の重ね合わされる部分(接着しろ11C)を相互に密接固定して両端が連通している管体として形成した。【選択図】図1

Description

本発明は、紙製ストロー及びその製造方法に関するものであり、特に、従来のプラスチック製ストローの代替が可能な紙製ストロー及びその製造方法に関するものである。
一般に、現在普及しているストローは、熱溶融されたプラスチックを押し出し、それを冷却して形成されている。また、今日では、世界的に物質的な生活水準が高まり、どの国のどの食文化でも、飲料を飲むときにストローを使用することが極めて多くなっている。したがって、世界中で毎日消費しているストローの数量は非常に膨大である。
すなわち、プラスチックからなる1本のストローは、体積が大きくないものの、毎日累積される使用数は非常に大きくなる。
また、プラスチック製ストローの体積は小さいがために、リサイクルされた後の再利用率と価値が高くなく、また処理もしにくい。そのため、再利用されずに、世界で毎日極めて膨大な数量のストロー廃棄物が生まれている。この大量のプラスチック廃棄物は環境及び生物に有害であり、大量の海洋ごみを発生し、それを処理するのに膨大な処理コストを必要とする。
このほか、プラスチック製ストローには、さらに可塑剤の残留または熱い飲料・温かい食品の飲食時に可塑剤が析出する問題も存在し、人体の健康にも有害である。
そこで、今日では、プラスチック製ストローに替えて、例えば特許文献1で知られるような螺旋状紙管製造の技術を応用して作られた、紙製のストローが販売され、使用されている。
しかしながら、現在の紙製ストローは、耐水性が低く、飲み物に浸している中、含水し、フニャフニャに柔らかくなってしまう。特に、近年、カフェチエーン店や喫茶店、コンビニエンスストア等では、フラッペのような中身をかき混ぜる必要のある飲み物を提供する店舗が増えている。そのような商材に対応するためには、水分中である程度剛性を保つことができる紙製ストローを提供する必要がある。
紙製ストローに耐久性を付与する代表的な方法としては、ヒートシール性と撥水性を有するコーティング剤を塗布した紙材を形成する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。そのコーティング剤としては、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の熱可塑性樹脂の溶液で、パラフィン等に溶かしたものである。
また、他の方法としては、通常の紙製のストローを形成し、その後、ワックスが入れられた中に浸して浸透させ、ストローの表面にワックスを積層させる方法がある。
特許第2914934号公報 特開平6−133840号公報
しかしながら、特許文献1に記載のストローのように、原紙にヒートシール性と撥水性を有するコーティング剤を塗布した従来の方法では、ポリエチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等の熱可塑性樹脂の溶液に浸けるので、完全な脱プラスチックを達成できないという問題点があった。
また、通常の紙製のストローを形成し、その後、ワックスが入れられた中に浸して浸透させ、ストローの表面にワックスを積層させる従来の方法では、連続生産ができず、生産効率が悪く、大量生産に向かない、という問題点があった。
そこで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性、及び、生産効率の高い紙製ストロー及びその製造方法を提供するために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、紙製ストローであって、前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を含み、前記原紙が、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回され、前記原紙の重ね合わされた部分を相互に密接固定して両端が連通している管体として形成されている、紙製ストローを提供する。
この構成によれば、紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、例えば天然の粘土を用いた耐水塗工剤、食物繊維の抽出物を用いた耐水塗工剤、生物由来のワックス成分(例えば、蜜ロウ、米ぬかロウ、カルナバロウ等の天然由来のロウ)等の、天然由来の耐水塗工剤を予め塗工した原紙を用いてストローを成型することで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。また、予め耐水塗工剤を塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成において、前記原紙は、前記内面と前記外面の両方の面にそれぞれ耐水塗工剤を塗工してなる、紙製ストローを提供する。
この構成によれば、内面と外面の両方の面にそれぞれ耐水塗工剤を塗工してある原紙を螺旋状に巻回して紙製ストローを作っているので、更に耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、前記原紙の重ね合わされる部分の固定に自然由来の糊を用いてなる、紙製ストローを提供する。
この構成によれば、原紙の重ね合わされる部分の接着固定に、自然由来の糊、例えば澱粉糊等を使用することで、プラスチック等の石化材料を全く用いない紙製ストローが得られる。
請求項4に記載の発明は、請求項1、2又は3に記載の構成において、前記原紙が、前記紙製ストローの前記外面側に配置される表面に前記耐水塗工剤を塗工した外面原紙と、内面と外面のいずれの面にも耐水塗工剤を塗工してない中間原紙と、前記紙製ストローの前記内面側に配置される表面に前記耐水塗工剤を塗工した内面原紙を順に積層して一体化された積層原紙でなり、前記外面原紙の裏面側と前記中間原紙の前記外面との間、及び、前記内面原紙の裏面側と前記中間原紙の前記内面との間を、それぞれ糊を用いて密接固定してなる、紙製ストローを提供する。
この構成によれば、紙製ストローの外面側に配置される表面に耐水塗工剤を塗工した外面原紙の上に、内面と外面のいずれの面にも耐水塗工剤を塗工してない中間原紙と、紙製ストローの内面側に配置される面に耐水塗工剤を塗工した内面原紙を、順に積層して一体化された積層原紙を使用し、この積層原紙の側縁部を斜め方向に所定量ずつずらして重ねて螺旋状に巻回されて、両端が連通した管体を形成し、原紙の重ね合わさる部分を相互に密接固定して耐水塗工剤を形成するので、プラスチックを用いずに、更に耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。また、予め耐水塗工剤を塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。
請求項5に記載の発明は、紙製ストローの製造方法であって、前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を用意し、前記原紙を、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回するとともに、前記原紙の重ね合わされた部分を自然由来の糊を介して相互に密接固定し、両端が連通した管体として形成する、紙製ストローの製造方法を提供する。
この方法によれば、紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、例えば天然の粘土を用いた耐水塗工剤、食物繊維の抽出物を用いた耐水塗工剤、生物由来のワックス成分(例えば、蜜ロウ、米ぬかロウ、カルナバロウ等の天然由来のロウ)等の、天然由来の耐水塗工剤を予め塗工した原紙を用意してストローを成型することで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。また、予めワックスを塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。
発明によれば、予め耐水塗工剤を塗工した原紙を用いてストローを成型することで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性に優れたストローが得られる。また、予め耐水塗工剤を塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。
本発明に係る紙製ストローの一実施例を示すもので、(a)はその側面図、(b)は(a)のA−A線方向から見た正面図である。 同上紙製ストローを形成する前のテープ状をし、かつ、一面にワックスを塗工した原紙を示すもので、(a)は原紙の平面図、(b)は原紙の側面図である。 同上紙製ストローを形成する途中の状態を概略的に示す斜視図である。 同上紙製ストローを形成する、一面にワックスを塗工したテープ状の原紙を形成する装置の一例を模式的に示す構成配置図である。 本発明に係る紙製ストローの他の実施例を説明するもので、(a)は同上紙製ストローを形成する前のテープ状をした原紙の側面図、(b)はその原紙の展開平面図、(c)はその原紙の展開側面図である。 紙製ストローの実験結果を示す図である。
本発明はプラスチックを用いずに、耐水性と剛性、及び、生産効率の高い紙製ストロー及び紙製ストローの製造方法を提供するという目的を達成するために、紙製ストローであって、前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を含み、前記原紙が、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回され、前記原紙の重ね合わされた部分を相互に密接固定して両端が連通している管体として形成されている、構成にしたことにより実現した。
以下、本発明の実施形態に係る一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において、構成要素等の形状、位置関係に言及するときは、特に明示した場合及び原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似又は類似するもの等を含む。
また、図面は、特徴を分かり易くするために特徴的な部分を拡大する等して誇張する場合があり、構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。また、実施例の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付している。
図1は本発明に係る紙製ストローの一実施例を示すもので、同図(a)はその外観斜視図、同図(b)は(a)のA−A線方向から見た正面図である。
図1に示す紙製ストロー10は、耐水性を有し、かつ可燃ゴミとして廃棄できる原紙11によって構成されている。原紙11は、図2に示すようにテープ状に形成されており、紙製ストロー10の外面側となる外面11Aに、予め耐水塗工剤としてのワックス15が塗工されている。反対に、紙製ストローの内面側となる内面11Bには、内面11Bの全面に接着剤12が塗布される、なお、符号11Cで示す部分は、原紙11を重ね巻きして接着する接着しろである。
なお、原紙11の一面、すなわち外面11Aに塗工された耐水塗工剤としてのワックス15は、例えば蜜ロウ、米ぬかロウ、カルナバロウ等、天然由来のロウが使用される。本実施例では、耐水塗工剤としてワックス15を使用した一例を説明するが、このワックス15以外にも、耐水塗工剤として、例えば天然の粘土を用いた耐水塗工剤、食物繊維の抽出物を用いた耐水塗工剤、生物由来のワックス成分等を使用してもよい。
一方、接着剤12としては、デンプン糊等の自然由来の糊を使用する。これにより、プラスチック等の石化材料を全く用いない紙製ストロー10を目指す。
次に、以上の材料で形成される紙製ストロー10の製造方法を説明する。
まず、外面11Aにワックス15が塗工されて耐久性を有する、テープ状の原紙11を用意する。
次いで、内面11Bの全面に接着剤12を塗布し、図3に示すように成型設備(図示しない)におけるロール軸13の中心軸線Oに沿って原紙11を、斜め方向に所定量(本実施例では接着しろ11Cの幅W1)ずつずらしながら螺旋状に巻回し、両端が連通した1つの螺旋管体14を形成する。この巻回時、原紙11の内面11B側に塗付されている接着剤12により、原紙11の重なり合う部分(接着しろ11Cの幅W1の箇所)が相互に接着固定される。
また、一定長さに巻回したら切断すると、図1に示す両端が連通した紙製ストロー10の形成が完了する。
このように形成された紙製ストロー10は、プラスチック等の石化材料を全く用いない紙製ストロー10として提供することができる。そして、紙製ストロー10では、原紙11の外面11Aにワックス15が塗工されているので、そのワックス15により耐水性と剛性を高め、耐水性と剛性に優れたストローが得られる。また、予めワックス15を塗工してある原紙11を用いて、両端が連通した管体であるストローを成型することで、従来のワックスの中に下して浸透させる方法に比べて生産効率も格段に向上する。
なお、図1及び図2に、原紙11の幅を符号W0、重なる部分である接着しろ11Cの幅を符号W1で示すように、紙製ストロー10では、重ねられる部分である接着しろ11Cの幅W1は螺旋管体14の強度を決定できる。例えば、重なる部分となる接着しろ11Cの幅W1が大きいほど、より硬く、湾曲し難くなるが、逆に接着しろ11Cの幅W1が小さいほど、螺旋管体14は柔軟になり、湾曲し易くなる。
このため、巻回時に重なる部分(接着しろ11C)の幅W1を調整し、重なる部分の幅W1を原紙11の幅W0の約2分の1から4分の1の間で変化させると、硬さと、柔らかさを変化させることができ、紙製ストロー10に使用上の利便性と高品質を実現する。
図4は、予め紙製ストロー10の外周面となる外面11Aにワックス15を塗工するワックス塗工装置20の一構成例を模式的に示す構成配置図である。図4において、ワックス塗工装置20は、溶融されたワックス15を入れたワックス貯留槽21、一対の回動ローラ22A、22B、複数のガイドローラ23、原紙供給リール24、原紙巻取リール25等で構成されている。
一対の回動ローラ22A、22Bの中、回動ローラ22Aの外周面の一部はワックス貯留槽21内に浸され、外周面にワックス15を含ませた状態で回転するようにして配置されている。一方、回動ローラ22Bは、回動ローラ22Aと回動ローラ22Bとの間を通るテープ状の原紙11を回動ローラ22Aに圧着させるピンチローラである。また、図4にそれぞれ矢印で回転方向及び移動方向を示すように、回動ローラ22Aは時計回り方向に回転し、回動ローラ22Bは反時計回り方向に回転する。
原紙供給リール24は、ワックス塗工前の原紙11を巻回保持しているリールであり、原紙巻取リール25は、ワックス塗工後の原紙11を巻回保持するリールである。
複数のガイドローラ23は、原紙供給リール24から引き出された原紙11を一対の回動ローラ22A、22Bの間を通って原紙巻取リール25にガイドするためのローラである。
原紙巻取リール25は、一対の回動ローラ22A、22Bの間を通ってワックス塗工の処理を終えた原紙11を巻き取るためのリールである。
このように構成されたワックス塗工装置20では、原紙供給リール24から引き出された原紙11を、ガイドローラ23により一対の回動ローラ22A、22Bの間に導き、また、一対の回動ローラ22A、22Bの間を通った原紙11を、ガイドローラ23により原紙巻取リール25に導き、その原紙巻取リール25で原紙11を巻き取るようになっている。また、その原紙搬送の途中、ワックス貯留槽21内のワックス15が回動ローラ22Aによって原紙11の外面11Aに塗布される。これにより、紙製ストロー10の外周面となる原紙11の外面11Aに、予めワックス15を塗工してなる原紙11が完成する。なお、原紙11の内面11Bへの接着剤12の塗布は、原紙11を螺旋状に巻回処理する直前に行う。
なお、上記実施例では、原紙11の外面11A側にだけワックス15を塗工した場合を説明したが、原紙11の外面11Aに替えて、原紙11の内面11B側にだけワックス15を塗工してなる原紙11を使用してもよく、また、原紙11の外面11Aと内面11Bの両方の面にワックス15を塗工した原紙11を使用して紙製ストロー10を形成してもよいものである。このように、外面11Aと内面11Bの両面にワックス15を塗工した原紙11を使用した場合では、更に耐水性と剛性に優れた紙製ストロー10が得られる。
また、例えば図5に示すように、成形時に、外面側に配置される外面11Aにワックス15を塗工した外面原紙111と、上下両面に自然由来の糊である接着剤12を塗布して、ワックス15は塗工してない中間原紙112と、内面側に配置される内面11Bにワックス15を塗工した内面原紙113、を積層して使用する原紙(積層原紙)11を用いてもストローを成形することができる。
すなわち、図5に示す原紙(積層原紙)11を用いて紙製ストロー10を成形する場合は、例えば外面原紙111と中間原紙112と内面原紙113をそれぞれ別々の位置から設備のロール軸13に送り出す。また、送り出しの途中で、外面原紙111及び内面原紙113と重なる中間原紙112の部分に、接着剤12が塗布される。さらに、外面原紙111、中間原紙112、内面原紙113を、ロール軸13上でそれぞれ中心軸線Oに沿って少しずつ幅(例えば、接着しろ11Cに相当する幅W1)をずらしながら重ねて螺旋状に巻く。また、一定長さに巻回したら切断すると、図1に示す紙製ストロー10と同様に、両端が連通した紙製ストロー10の形成が完了する。
この図5に示した原紙11を使用した変形例の場合も、プラスチック等の石化材料を全く用いない紙製ストロー10として提供することができる。そして、紙製ストロー10では、原紙11の外面11A(外面原紙111の上面)と内面11B(内面原紙113の下面)とにそれぞれ、予めワックス15を塗工しているので、ワックス15により耐水性と剛性を高め、耐水性と剛性に優れたストローが得られる。また、予めワックス15を塗工してある原紙11を用いて両端が連通した管体であるストローを成型するので、従来のワックスの中に下して浸透させる方法に比べて生産効率も格段に向上する。
図6は、各実施例毎の実験結果を示す。実験では、試料(イ)、試料(イ)、試料(ロ)、試料(ハ)、試料(ニ)の4つについて検証した。実験で使用した試料(イ)は、表裏両面共にワックス塗工をしていない晒のクラフト原紙を使用した紙製ストロー、試料(ロ)は、図1から図4に示した内面11Bのみワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストロー、試料(ハ)は、外面11Aのみ、ワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストロー、試料(ニ)は、図5に示した、外面11Aと内面11B共にワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストローである。
実験では、試料(イ)〜(ニ)で形成された各紙ストローを水中に、10分浸漬した場合、20分浸漬した場合、30分浸漬した場合、40分浸漬した場合、50分浸漬した場合、60分浸漬した場合において、それぞれの状態を検証した。
その結果、試料(イ)の、表裏両面共にワックス塗工をしていない晒のクラフト原紙を使用した紙製ストローでは、水に10分浸漬しただけで含水し、軟化が見られた。また、20分では端部の剥がれや毛羽立ちの発生があり、さらにクラフト原紙に印刷されているインクの溶出もあった。
一方、試料(ロ)の、内面11Bのみワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストローでは、10分〜30分浸した場合では、若干の軟化があった程度であるが、40分〜60分浸すと軟化の進行及び含水が見られた。
試料(ハ)の、外面11Aのみワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストローでは、10分〜40分浸した場合では、若干の軟化があった程度であるが、50分〜60分浸すと軟化の進行及び含水が見られた。
試料(ニ)の、外面11Aと内面11Bの両面にワックス塗工をしてなる原紙11を使用した紙製ストローでは、20分浸したまでは浸水もなく元のままで、30分〜60分浸すと若干の軟化及び含水が見られた。
したがって、本発明を適用した試料(ロ)、(ハ)、(ニ)の紙製ストロー10の場合では、(イ)に示す従来の紙製ストローと比べると、耐水性と剛性が格段に向上していることが判った。
なお、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を成すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
10 :紙製ストロー
11 :原紙
11A :外面
11B :内面
12 :接着剤
13 :ロール軸
14 :螺旋管体
15 :ワックス(耐水塗工剤)
20 :ワックス塗工装置
21 :ワックス塗布ローラ槽
22A :回動ローラ
22B :回動ローラ
23 :ガイドローラ
24 :原紙供給リール
25 :原紙巻取リール
111 :外面原紙
112 :中間原紙
113 :内面原紙
O :中心軸線
W0 :原紙の幅
W1 :接着しろの幅(重なる部分)
本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載の発明は、紙製ストローであって、前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を含み、前記原紙が、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回され、前記原紙の重ね合わされた部分を相互に密接固定して両端が連通している管体として形成され、前記耐水塗工剤は、天然由来のワックスである、紙製ストローを提供する。
この構成によれば、紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、生物由来のワックス成分(例えば、蜜ロウ、米ぬかロウ、カルナバロウ等の天然由来のロウ)等の、天然由来の耐水塗工剤を予め塗工した原紙を用いてストローを成型することで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。また、予め耐水塗工剤を塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。
請求項5に記載の発明は、紙製ストローの製造方法であって、前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来のワックスを塗工した原紙を用意し、前記原紙を、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回するとともに、前記原紙の重ね合わされた部分を自然由来の糊を介して相互に密接固定し、両端が連通した管体として形成する、紙製ストローの製造方法を提供する。
この方法によれば、紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、生物由来のワックス成分(例えば、蜜ロウ、米ぬかロウ、カルナバロウ等の天然由来のロウ)等の、天然由来の耐水塗工剤を予め塗工した原紙を用意してストローを成型することで、プラスチックを用いずに、耐水性と剛性に優れた紙製ストローが得られる。また、予めワックスを塗工してある原紙を用いてストローを成型することで、従来のワックスの中に浸して浸透させる方法に比べて生産効率が格段に向上する。

Claims (5)

  1. 紙製ストローであって、
    前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を含み、
    前記原紙が、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回され、前記原紙の重ね合わされた部分を相互に密接固定して両端が連通している管体として形成されている、
    ことを特徴とする紙製ストロー。
  2. 前記原紙は、前記内面と前記外面の両方の面にそれぞれ耐水塗工剤を塗工してなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙製ストロー。
  3. 前記原紙の重ね合わされる部分の固定に自然由来の糊を用いてなる、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙製ストロー。
  4. 前記原紙が、前記紙製ストローの前記外面側に配置される表面に前記耐水塗工剤を塗工した外面原紙と、内面と外面のいずれの面にも耐水塗工剤を塗工してない中間原紙と、前記紙製ストローの前記内面側に配置される表面に前記耐水塗工剤を塗工した内面原紙を順に積層して一体化された積層原紙でなり、
    前記外面原紙の裏面側と前記中間原紙の前記外面との間、及び、前記内面原紙の裏面側と前記中間原紙の前記内面との間を、それぞれ糊を用いて密接固定してなる、
    ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の紙製ストロー。
  5. 紙製ストローの製造方法であって、
    前記紙製ストローの内面または外面となる少なくとも一面側に、予め天然由来の耐水塗工剤を塗工した原紙を用意し、
    前記原紙を、側縁部を斜め方向に所定量ずつずらしながら重ねて螺旋状に巻回するとともに、前記原紙の重ね合わされた部分を自然由来の糊を介して相互に密接固定し、両端が連通した管体として形成する、
    ことを特徴とする紙製ストローの製造方法。
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