JP2020171233A - 酸性領域で香味を保持可能な容器詰青汁飲料 - Google Patents

酸性領域で香味を保持可能な容器詰青汁飲料 Download PDF

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裕子 矢作
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真澄 川崎
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皓二 佐塚
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Abstract

【課題】緑色植物に由来する香味の強さが良好な容器詰青汁飲料の提供。【解決手段】pHが2.5〜5.5であり、クロロフィルを0.5〜20mg/100g含有する、容器詰青汁飲料。更に、ポリフェノールを2.0〜180mg/100g含有することが好ましい。青汁飲料の原料として、大麦若葉が使用できる。更に果実由来の原料を含むことができ、糖度が7〜15とし、クエン酸を5〜150mg/100g含有することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、酸性領域で香味を保持した容器詰青汁飲料、その製造方法等に関する。
青汁飲料は簡易に野菜成分を摂取できる健康飲料として消費者に認知されている。近年、健康志向のさらなる高まりを受け、青汁飲料が更に注目を集めている。
青汁飲料はその独特の香味から、青汁の香味が苦手な消費者、特に野菜飲料に抵抗のある消費者からは敬遠されることがあるため、上市されている青汁飲料には、香味を牛乳、糖類、果実素材の配合により改良したものがある。
レディ・トゥ・ドリンクなどの容器詰飲料では、香味改善のために添加した果実素材等により飲料全体の香味バランスは改善するものの(特許文献1)、pHが低下することにより、青汁飲料本来の香味が失われてしまう。
特開2001−116362号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、青汁飲料特有の香味を酸性領域で保持することが可能な容器詰青汁飲料等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、クロロフィルを所定の濃度に調節した容器詰青汁飲料を調製したところ、酸性領域でも香味を好適な範囲で保持することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
[1]容器詰青汁飲料であって、
pHが2.5〜5.5であり、
クロロフィルを0.5mg/100g以上、20mg/100g未満含有する、容器詰青汁飲料。
[2]ポリフェノールを2.0mg/100g以上、180mg/100g未満含有する、[1]に記載の容器詰青汁飲料。
[3]青汁飲料の原料が大麦若葉である、[1]又は[2]に記載の容器詰青汁飲料。
[4]更に果実由来の原料を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[5]糖度が7〜15の範囲内である、[1]〜[4]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[6]クエン酸を5〜150mg/100g含有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の容器詰青汁飲料。
[7]容器詰青汁飲料を製造する方法であって、
pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む、方法。
[8]容器詰青汁飲料由来の香味を保持する方法であって、
pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む、方法。
本発明によれば、クロロフィルを所定の濃度に調節することで、容器詰青汁飲料に特有の香味を好適な範囲で保持することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
(容器詰青汁飲料)
第一の実施形態に係る容器詰青汁飲料は、pHが2.5〜5.5であり、クロロフィルを0.5mg/100g以上、20mg/100g未満含有するものである。
本明細書で使用する場合、青汁飲料とは、青汁などの原料として一般的に使用される緑色野菜を主要な原料として調製される飲料を意味する。
緑色野菜の例としては、大麦若葉、小麦若葉、ケール、モリンガ、明日葉、よもぎ、ゴーヤ、クワ若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツなどが挙げられる。これらの中でも、大麦若葉、ホウレンソウ、モロヘイヤ、メキャベツ、ケールが好ましく、大麦若葉、ケールがより好ましく、大麦若葉がさらにより好ましい。大麦の種類は限定されず、六条大麦、二条大麦、裸麦、皮麦等を使用することができる。緑色野菜には抹茶や緑茶等の茶も含まれる。また、緑色野菜と同様にクロロフィルを豊富に含むユーグレナ、スピルリナ、及びクロレラも原料として使用可能である。
容器詰青汁飲料に含まれるクロロフィルは、主に、大麦若葉等などの緑色野菜に含まれる葉緑素の主成分に由来する。クロロフィルの濃度は5〜20mg/100gの範囲内とするのが好ましい。クロロフィルを所望の濃度とするために、原材料以外のクロロフィル含有化合物を容器詰青汁飲料に別途添加してもよい。例えば、銅クロロフィルや銅クロロフィリンナトリウムはクロロフィルに加え、緑色保持効果のある銅イオンを含有するため好ましい。なお、本明細書において、クロロフィルの含有量はクロロフィルαとクロロフィルβの総量で表される。
容器詰青汁飲料に含まれるポリフェノールは、主に、原料である大麦若葉等などの緑色野菜に由来する。ポリフェノールの濃度は、好ましくは2.0mg/100g以上、180mg/100g未満、より好ましくは10〜170mg/100gの範囲内である。ポリフェノールを所望の濃度とするために、原材料以外のポリフェノール含有化合物を容器詰青汁飲料に別途添加してもよい。本明細書で使用する場合、ポリフェノールとは、植物に由来する物質(フィトケミカル:phytochemical)の1種であり、1分子中にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の総称である。ポリフェノールには、大別して分子量が1,000以下の単量体ポリフェノールと、単量体ポリフェノールが2つ以上結合した重合ポリフェノールが存在する。青汁飲料に呈味を付与する観点から、ポリフェノールの濃度は5〜75mg/100gがより好ましく、10〜50mg/100gが特に好ましい。
重合ポリフェノールは一般にタンニンとも称される。代表的な単量体ポリフェノールとしては、フラボノイド類(フラボノイド類には、フラボン、フラバノール、アントシアニジン、イソフラボノイド、ネオフラボノイド等を基本骨格とする化合物が含まれる)、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸などがある。一方、重合ポリフェノールは単量体ポリフェノールが2個以上結合した化合物であり、ポリフェノール同士が炭素−炭素結合により重合した縮合型タンニンと、糖等由来の水酸基とのエステル結合により重合した加水分解型タンニンとに大別され、それぞれ代表的なポリフェノールとして縮合型タンニンとしてはプロアントシアニジン類、加水分解型タンニンとしてはガロタンニン、エラグタンニンが挙げられる。各ポリフェノールは単体以外にも、当該ポリフェノールの生理活性機能を失わない範囲であれば、例えば、重合体、配糖体等の所定の化合物状態であっても良い。ポリフェノールは重合度や結合位置で様々な種類のものが存在するが、極めて強い抗酸化作用を示す。
容器詰青汁飲料は、果実由来の原料、例えば果汁及び/又はその濃縮物を含んでもよい。このような原料として、例えば、透明果汁、混濁果汁、濃縮透明果汁、濃縮混濁果汁及びピューレ等が挙げられる。果実由来の原料となる果実の種類としては、グレープ、ピーチ、バナナ、リンゴ、柑橘類、例えばミカン、ゆずなどが挙げられる。その他にも、例えば、メロン、イチゴ、キウイフルーツ、モモ、パイナップル、グアバ、マンゴー、アセロラ、プルーン、パパイヤ、パッションフルーツ、ウメ、ナシ、アンズ、ライチ、西洋ナシ、スモモ類等を選択することもできる。なお、上記の果実は単独又は2種以上を混合して使用することができる。
なお、本実施形態に係る青汁飲料は、本発明の効果を損なわない限り、果汁及び/又は濃縮物を好ましくは10〜40質量%程度含有してもよい。
青汁の原料として一般的に用いられる大麦を例に、その茎葉の粉砕物から粉末を得て、最終的に青汁飲料を製造する方法を例示する。例えば、大麦の茎葉から粉末を得る場合、まず茎葉を乾燥処理及び粉砕処理にかけることにより粉砕物が得られる。乾燥処理又は粉砕処理のいずれかの処理が他の処理に先行して行われるが、乾燥処理を先に行うことが好ましい。粉砕処理を行う回数は1回でも複数回でもよい。2回以上の粉砕処理を行う場合、最初に粗粉砕処理を行い、その後、より細かく粉砕する微粉砕処理を組合せることが好ましい。
乾燥粉末は、植物体全部又はその一部、例えば、茎や葉などの可食部を乾燥し、それをミル及び臼等の機械的手法によって粉砕するか、あるいは植物体全部又はその一部を粉砕してから得られた粉砕物を乾燥することにより得ることができる。また、植物体全部又はその一部の搾汁液を乾燥することなどにより乾燥粉末を得てもよい。
得られた粉砕物は、更に必要に応じブランチング処理、殺菌処理などの処理から選ばれる1種又は2種以上の処理にかけられる。これにより粉末状の物質が得られる。ブランチング処理は野菜等を加熱してその変質や変色を防ぐ工程であり、その条件は当業者が適宜決定することができる。また、ブランチングを経ることで、得られる搾汁液などの呈味がより向上する傾向にある。
乾燥粉末の重量は、最終製品によって変動する。通常の青汁飲料の場合、例えば、飲料の重量あたり好ましくは0.2〜3.0質量%、より好ましくは0.4〜2質量%程度の乾燥粉末が配合される。
乾燥粉末は、分散性の観点から、好ましくは粒径70μm以下が90%以上のもの、より好ましくは粒径50μm以下が90%以上のもの、より更に好ましくは粒径35μm以下が90%以上のものが使用される。このような乾燥粉末は、例えば、原料をジェットミル等で破砕して得ることができる。また、ここでいう粒径とは、例えばレーザ回折・散乱法にて水およびエタノールなどを溶媒として測定することができる。
容器詰青汁飲料には、飲食品に配合可能な無機塩類のうち、緑色保持効果を有するものを添加することができる。そのような無機塩類として、例えば、グルコン酸塩、硫酸塩等の銅塩類が挙げられる。無機塩類の代わりに、飲食品に配合可能な微生物、乳酸菌や酵母などの中から、銅や亜鉛を豊富に含むものを選んで青汁飲料に添加するのが好ましい。
青汁飲料は、緑色保持効果に影響を及ぼさない範囲で、大麦若葉などの青汁飲料の原料に由来するか、別途添加した無機塩類に由来するカルシウムイオンを好ましくは20〜400ppm含有していてもよい。この範囲であれば冷却後の青汁飲料の苦味も抑制することができる。苦味を抑制する観点からは、カルシウムイオンの濃度は50〜300ppmであることがより好ましい。
カルシウムイオンの無機塩類として、例えば、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム及び塩化カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム製剤が例示される。乳酸カルシウムが特に好ましい。
本実施形態に係る青汁飲料の色調は、鮮やかではあるが、自然な緑色であることが好ましい。ここで、本実施形態に係る青汁飲料において、ハンターLab表色系のa値とb値を用いて液色の緑色度を−a/bで表すことができ、L、a、bの値は市販の一般的な分光色差計を用いて青汁飲料を測定することができる。−a/bは1に近いほど鮮やかな緑色であることを示す。しかしながら、−a/bと、製品として好ましい青汁飲料の緑色とは必ずしも相関しないため、本実施形態に係る青汁飲料においては、緑色を−a/bとパネラーによる目視で評価するものとした。本実施形態に係る青汁飲料の−a/bは、0.6〜1.3であることが好ましい。−a/bがかかる範囲にあれば、青汁飲料の緑色が鮮やかではあるが「自然な緑色」ということができる。
本実施形態に係る青汁飲料は、容器に充填された形、すなわち容器詰飲料で提供される。この場合において、使用される容器は特に限定されず、PETボトル、プラスチックフィルムと複合された紙容器、瓶等の通常用いられる飲料用容器であればよい。なお、本実施形態に係る青汁飲料は、沈殿が生じ難く外観が良好であるため、透明の飲料用容器(例えば、PETボトル等)を用いてもよい。なお、本実施形態に係る青汁飲料が容器に充填された容器詰飲料として提供される場合、通常は希釈せずにそのまま飲用できるものであるが、これに限定されるものではない。
本実施形態にあっては、前述した成分の他、本実施形態の効果を損なわない範囲において、ビタミン類、ミネラル分、甘味付与剤、香料、酸味料、糊料、機能性成分等を含有してもよい。例えば、銅イオンや亜鉛イオンに由来する金属味をマスキングするために、甘味付与剤や香料などが使用され得る。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK及びビタミンB群等が挙げられる。
ミネラル分としては、例えば、マグネシウム、カリウム、クロム、フッ素、ヨウ素、鉄、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン等が挙げられる。これらは、無機塩として配合されてもよく、他の原料(例えば、前述した緑系植物由来物)の含有成分として配合されてもよい。
甘味付与剤としては、例えば、砂糖、グラニュー糖、ショ糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖などの糖類;キシリトール、パラチノース、エリスリトール等の甘味料;アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、ステビア抽出物、サッカリン、スクラロース等の高甘味度甘味料;還元麦芽糖、ソルビトール等の糖アルコールなどが挙げられ、さらにシュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料等を含んでいてもよい。
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、植物の種実、根茎、木皮、葉等またはこれらの抽出物、乳または乳製品から得られる香料、合成香料等が挙げられる。
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられる。中でもクエン酸やクエン酸三ナトリウムが好ましい。クエン酸の含有量を5〜150mg/100gの範囲とすることで香味が好適に保持され得る。
糊料としては、例えば、ペクチン、セルロース、ゼラチン、コラーゲン、寒天、アルギン酸ナトリウム、大豆多糖類、ガラクトマンナン類、アラビアガム、カラギーナン、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドシードガム等が挙げられるが、一部の食物繊維については本発明の沈殿防止効果を阻害しないように配合されるべきである。
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、コンドロイチン硫酸、グルコサミン、ヒアルロン酸、プラセンタ、牡蠣エキス、キトサン、プロポリス、ローヤルゼリー、トコフェロール、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、霊芝、アガリクス、イミダゾールジペプチド(アンセリン)等が挙げられる。これらの添加物は、1種を単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本実施形態に係る青汁飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味料、着色料(色素)、油、pH調整剤、品質安定剤、増粘剤等を含有してもよい。更に、亜鉛イオンと銅イオン以外の緑色保持に有効な成分を青汁飲料に添加することができる。
青汁飲料の糖度(Brix)は、本発明の効果を損なわない限り、目的とする最終製品に応じて当業者が適宜調節できる。例えば、青汁飲料中のBrixを、好ましくは約7〜15、より好ましくは約8〜10、より更に好ましくは約8〜9の範囲に調節してもよい。本明細書で使用するBrixは特に断らない限り屈折糖度計を用いて測定した値を意味する。
本実施形態に係る青汁飲料のpHは、酸性領域、好ましくは3.0〜5.0、より好ましくは3.5〜5.0である。青汁飲料のpHは、常法に従ってpHメーターにて測定することができる。
本実施形態に係る青汁飲料の粘度は特に限定されないが、すっきりとした飲み心地を得る観点からは、20℃における粘度が1〜10mPa・sであることが好ましく、1.2〜8mPa・sであることがより好ましく、1.3〜6mPa・sであることがより更に好ましい。なお、青汁飲料の粘度は、常法に従って、TVB−10型粘度計(東機産業社製)等の粘度計を用いて測定することができる。
(製造方法)
第二の実施形態において、容器詰青汁飲料を製造する方法は、pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む。
限定することを意図するものではないが、配合工程以外の青汁飲料の製造に必要な工程、例えば大麦若葉等の原料などの調製工程については上述した工程や公知の工程を使用することができる。
(緑色保持方法)
第三の実施形態において、容器詰青汁飲料の緑色を保持する方法は、pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(試験1)
大麦若葉(乾燥粉末、佐々木食品社製、クロロフィル含有量429mg/100g、ポリフェノール含有量497mg/100g)及びホワイトグレープ果汁(透明濃縮果汁、宮崎県農協果汁社製、ポリフェノール含有量6mg/100g)を下記表に記載の配合割合となるようにそれぞれ配合し、純水でメスアップし、各1000gの青汁飲料液を作成した。pHは、炭酸水素ナトリウム、又はクエン酸を用いて調整した。なお表中の原料の配合量はストレート換算した値(SS)を示している。
得られた青汁飲料液をそれぞれ超高温加熱(UHT)殺菌機で殺菌し、200mL PETボトルに充填し、青汁飲料を得た(実施例1〜4)。殺菌は、F0値30以上(139.0℃±2.0℃、60秒以上)で出口品温が136.0℃以上となるように行った。
(クロロフィル含有量)
各青汁飲料中のクロロフィル含有量は、分光光度計(島津社製UV1650PC)を用いた吸光光度法によって以下の波長で測定した。
Chl a=13.43×A663.8−3.47×A646.8
Chl b=22.90×A646.8−5.38×A663.8
Chls a+b=19.43×A646.8+8.05×A663.8nm
なお、クロロフィル含有量は、クロロフィルa及びクロロフィルbの合計値を示す。
(ポリフェノール含有量)
タンニン酸を標準物質として酒石酸鉄による比色法を用いて求められる量をポリフェノール量とした。
(Brix)
各青汁飲料中のBrix(可溶性固形分)は、光学屈折率計によって測定した。測定にはアタゴ社製Digital Refractometers(RX5000α−Bev)を使用し、品温20℃にて測定した。
(スクロース含有量及びフルクトース含有量)
スクロース含有量及びフルクトース含有量は、HPLC糖分析装置(Dionex社製)を以下の条件で操作し、検量線法により定量して測定した。
カラム:Dionex社製Carbopack PA1 φ4.6×250mm
カラム温度:30℃
移動相:A相 200mM NaOH
:B相 1000mM Sodium Acetate
:C相 超純水
流速:1.0mL/min
注入量:50μL
検出:Dionex社製ED50 金電極
pHは堀場製作所F−52型・卓上pHメーターを用い、品温20℃にて測定した。
(官能評価試験)
下記表の記載に基づき調製した青汁飲料サンプルを、5℃まで冷却した後、野菜飲料の開発業務に従事する、官能試験の専門パネラー7人によって、下記の評価項目に従って官能評価を実施し、最も多かった評価を採用した。
なお、コントロールには大麦若葉の乾燥粉末0.5質量%を純水に分散し、実施例及び比較例と同様に殺菌及び充填した青汁飲料サンプル(コントロール1)と、ホワイトグレープ果汁28.0質量%に緑色色素(三菱ケミカルフーズ社製、テクノカラーグリーF3)を0.1質量%添加し、純水でメスアップした後、実施例及び比較例と同様に殺菌及び充填した飲料サンプル(コントロール2)を採用し、パネラー間で事前にコントロールサンプルの緑色植物の香味を確認し、官能評価基準を共有化した。
<官能評価項目>
目視 5:緑色植物の香味を強く感じ、飲みにくい(コントロール1と同等)
4:緑色植物の香味をやや強く感じるが、許容範囲である
3:緑色植物の香味を適度に感じ、良好である
2:緑色植物の香味がやや弱いが、許容範囲である
1:緑色植物の香味が弱く、青汁飲料として物足りない(コントロール2と同等)
上記サンプルはいずれもスクロースの含量が0.22mg/100g、フルクトースの含量が2.32mg/100g、pHが4.00、クエン酸の含量が40.00mg/100gであった。
表1の結果から、クロロフィルが増大するにつれ、緑色植物に由来する香味の強さが増大することが明らかとなった。
続いて、糖度の違いが緑色植物の香味の強さに影響を及ぼさないことを確認するために、糖度を8.0、pHを4.0、クエン酸含量を50mg/100gに調製したサンプルを以下の表のとおり調製した。
上記サンプル中のスクロース含量は3.91mg/100g、フルクトース含量は3.45mg/100gであった。
クロロフィル含量が20mg/100gを超えると香味の強さが際立ち、飲みにくい青汁飲料になることが明らかとなった。一方、ポリフェノールは緑色植物由来の香味の強さにさほど影響を与えないが、180mg/100g未満とすることが好ましいと考えられる。
もっとも評価の高かった実施例5のサンプルに倣い、クロロフィル含量を3.12mg/100gに、ポリフェノール含量を60.00mg/100gに、糖度を8.00、クエン酸含量を50.0mg/100gに揃え、砂糖と果糖の配合比とpHのみが異なるサンプルを以下のとおり調製した。
いずれのサンプルも香味の強さが良好であり、砂糖と果糖の配合比の違いやpHの違いによる影響は確認されなかった。
更にポリフェノール含量、糖度、クエン酸含量の異なるサンプルを以下の表のとおり調製した。
砂糖と果糖の配合比、pHに加え、ポリフェノール含量、糖度、クエン酸含量を変更しても、緑色植物に由来する香味の強さはいずれも良好であった。
以下の表のとおり、pHが5未満である種々の酸性青汁飲料を調製し、クロロフィル含量と緑色植物に由来する香味との関係を調べた。いずれのサンプルも糖度は8.00とした。
クロロフィルの含有量が0.5mg/100g未満のサンプルはいずれも緑色植物由来の香味の強さ弱く、青汁飲料として物足りないものであった。

Claims (8)

  1. 容器詰青汁飲料であって、
    pHが2.5〜5.5であり、
    クロロフィルを0.5mg/100g以上、20mg/100g未満含有する、容器詰青汁飲料。
  2. ポリフェノールを2.0mg/100g以上、180mg/100g未満含有する、請求項1に記載の容器詰青汁飲料。
  3. 青汁飲料の原料が大麦若葉である、請求項1又は2に記載の容器詰青汁飲料。
  4. 更に果実由来の原料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  5. 糖度が7〜15の範囲内である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  6. クエン酸を5〜150mg/100g含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の容器詰青汁飲料。
  7. 容器詰青汁飲料を製造する方法であって、
    pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む、方法。
  8. 容器詰青汁飲料由来の香味を保持する方法であって、
    pHを2.5〜5.5の範囲内に、そしてクロロフィルの含有量を2.0mg/100g以上、20mg/100g未満の範囲に調節する工程を含む、方法。
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