JP2020152751A - 防曇剤組成物、および防曇性物品 - Google Patents

防曇剤組成物、および防曇性物品 Download PDF

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Abstract

【課題】基材への良好な密着性を有し、かつ水およびアルコール洗浄後においても防曇性を持続できる防曇膜が形成できる防曇剤組成物を提供すること。【解決手段】光硬化性単量体混合物(A)および界面活性剤(B)を含有する防曇剤組成物であって、前記光硬化性単量体混合物(A)は、一般式(1):(一般式(1)中、R1は水素原子またはメチル基、R2は炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または−NH−である。)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と、多官能チオール化合物(a2)と、多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有し、前記光硬化性単量体混合物(A)中、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)が20〜70質量%であり、前記多官能チオール化合物(a2)が1〜20質量%であり、前記多官能(メタ)アクリレート(a3)が20〜70質量%である防曇剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、防曇剤組成物、および防曇性物品に関する。
湿気の多い場所などでは、物品の表面に結露が生じる場合がある。特に、窓ガラスやレンズなどの透明物品や、鏡などの反射物品では、結露により発生する曇りにより光の進行が妨げられると、ユーザに対して正常な視野が提供されなくなる。したがって、このような物品は、曇りを防止するための機能を有することが好ましい。
例えば、曇りを防止するために電熱線を用いた物品が知られている。このような物品の表面近傍には電熱線が張り巡らされ、電熱線が通電により発熱すると、物品の表面の温度が上昇する。これにより、物品の表面に結露が生じにくくなる。しかし、このような物品では、駆動のために電力が必要であるため、構成が複雑化するとともに、ランニングコストがかかる。そのため、簡便に曇り防止ができる方法が求められている。
特許文献1には、物品の表面に設けられた防曇膜が開示されている。親水性の塗膜で物品の表面を覆うことにより、物品の表面における曇りの発生を簡単かつ効果的に防止することができる。
特開2015‐218227号公報
近年、防曇膜には、ますます広範な応用が期待されてきている。したがって、防曇膜は、様々な使用環境において長期間にわたって優れた防曇性を維持可能であることが望ましい。特に、保護眼鏡などの手に触れる部分にある防曇膜は、水やアルコールにて洗浄される場合がある。
しかし、特許文献1で開示された防曇膜は、水やアルコールにて洗浄した際、界面活性剤の流出による防曇性能の低下や、アルコールが防曇膜を侵食することによって塗膜外観が悪化する懸念があった。
また、通常、上記のような防曇膜には、上記の特許文献1で開示されているように、基材に対する密着性も要求される。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、基材への良好な密着性を有し、かつ水およびアルコール洗浄後においても防曇性を持続できる防曇膜が形成できる防曇剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、光硬化性単量体混合物(A)および界面活性剤(B)を含有する防曇剤組成物であって、前記光硬化性単量体混合物(A)は、一般式(1):
Figure 2020152751
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または−NH−である。)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と、多官能チオール化合物(a2)と、多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有し、前記光硬化性単量体混合物(A)中、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)が20〜70質量%であり、前記多官能チオール化合物(a2)が1〜20質量%であり、前記多官能(メタ)アクリレート(a3)が20〜70質量%である防曇剤組成物、に関する。
また、本発明は、基材上に、前記防曇剤組成物から形成される防曇膜を有する防曇性物品、に関する。
本発明の防曇剤組成物における効果の作用メカニズムの詳細は不明な部分があるが、以下のように推定される。ただし、本発明は、この作用メカニズムに限定して解釈されなくてもよい。
本発明の防曇剤組成物は、光硬化性単量体混合物(A)および界面活性剤(B)を含有し、前記光硬化性単量体混合物(A)は、特定量の、前記一般式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と、多官能チオール化合物(a2)と、多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有する。上記の特許文献1のように、前記一般式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と前記多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有する防曇剤組成物は知られているが、本発明の防曇剤組成物は、特定量の前記一般式(1)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と前記多官能(メタ)アクリレート(a3)を含み、さらに、特定量の前記多官能チオール化合物(a2)を含有するので、硬化樹脂の架橋密度を高めて、塗膜の強度が向上することが推定されるため、基材への良好な密着性を有し、かつ水およびアルコール洗浄後においても防曇性を持続できる防曇膜が形成できる。
本発明の本発明の防曇剤組成物は、光硬化性単量体混合物(A)および界面活性剤(B)を含有する。
<光硬化性単量体混合物(A)>
本発明の光硬化性単量体混合物(A)は、一般式(1):
Figure 2020152751
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または−NH−である。)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と、多官能チオール化合物(a2)と、多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有する。
<水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)>
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)は、親水性が高く、防曇膜の親水性を高めるとともに、光硬化性単量体混合物(A)の架橋により形成される樹脂マトリックスと界面活性剤(B)との親和性を高める機能を有する。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート(R=水素原子、R=エチレン基、X=酸素原子)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(R=水素原子、R=ブチレン基、X=酸素原子)、5−ヒドロキシペンチルアクリレート(R=水素原子、R=ペンチレン基、X=酸素原子)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(R=メチル基、R=エチレン基、X=酸素原子)、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート(R=メチル基、R=プロピレン基、X=酸素原子)、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート(R=メチル基、R=ヘキシレン基、X=酸素原子)、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド(R=水素原子、R=エチレン基、X=NH)、4−ヒドロキシブチルアクリルアミド(R=水素原子、R=ブチレン基、X=NH)、6−ヒドロキシヘキシルアクリルアミド(R=水素原子、R=ヘキシレン基、X=NH)、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミド(R=メチル基、R=エチレン基、X=NH)、3−ヒドロキシプロピルメタクリルアミド(R=メチル基、R=プロピレン基、X=NH)、5‐ヒドロキシペンチルメタクリルアミド(R=メチル基、R=ペンチレン基、X=NH)などが挙げられる。これらの中でも、Rが炭素数2以上4以下の直鎖であることが好ましく、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリルアミドがより好ましい。前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<多官能チオール化合物(a2)>
前記多官能チオール化合物(a2)は、分子内にチオール基を2つ以上有するチオール化合物(多価チオール化合物)である。前記多官能チオール化合物(a2)は、樹脂マトリックスの架橋密度を高めて、防曇膜の強度を向上させるための機能を有する。
前記多官能チオール化合物(a2)としては、例えば、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、3,6−ジクロロ−1,2−ベンゼンジチオール、トルエン−3,4−ジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、エチレングリコールビス(チオグリコラート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビスチオグリコラート、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオナート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ジメルカプトジエチルスルフィド、1,8−ジメルカプト−3,6−ジオキサオクタンなどの2官能性チオール化合物;、トリメチロールプロパントリス(チオグリコラート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどの3官能性チオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)などの4官能性以上のチオール化合物などが挙げられる。これらの中でも、防曇膜の強度を高め、また、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)および前記多官能(メタ)アクリレート(a3)との相溶性に優れるという観点から、3官能性以上のチオール化合物が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)がより好ましい。前記多官能チオール化合物(a2)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<多官能(メタ)アクリレート(a3)>
前記多官能(メタ)アクリレート(a3)は、分子内に重合性官能基を2つ以上有する(メタ)アクリレート系単量体である。前記多官能(メタ)アクリレート(a3)は、防曇膜と基材との親和性を高めて良好な密着性を与える機能や、樹脂マトリックスの架橋密度を高めて、防曇膜の強度を向上させるための機能を有する。
前記単量体(a3)としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセリンジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセリンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂変性ジ(メタ)アクリレート、ウレタンジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレートなどの2官能(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂変性トリ(メタ)アクリレート、ウレタントリ(メタ)アクリレートなどの3官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの4官能以上の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。前記多官能(メタ)アクリレート(a3)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。
また、前記単量体(a3)としては、例えば、特開2015−218227号公報などに記載の下記の水酸基含有ジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
Figure 2020152751
(一般式(2)中、Rは、独立して、水素原子またはメチル基を表し、Rは、炭素数4以上7以下のアルキレン基、下記一般式(3)、下記一般式(4)、下記一般式(5)、または下記一般式(6)を表す。)
Figure 2020152751
(一般式(3)中、nは0〜3の整数を表す。)
Figure 2020152751
Figure 2020152751
Figure 2020152751
上記の中でも、基材への親和性を高め強固な密着性を与え、また前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)および前記多官能チオール化合物(a2)との相溶性に優れるという観点から、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリ(メタ)アクリレートが好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)の割合は、前記光硬化性単量体混合物(A)中、20〜70質量%である。前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)の割合は、防曇性能を高める観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましく、そして、防曇膜の基材への密着性の低下を抑制する観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
前記多官能チオール化合物(a2)の割合は、前記光硬化性単量体混合物(A)中、1〜20質量%である。前記多官能チオール化合物(a2)の割合は、水およびアルコール洗浄後の防曇性能を高める観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、2質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、そして、防曇性能の低下を抑制する観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、18質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
前記多官能(メタ)アクリレート(a3)の割合は、前記光硬化性単量体混合物(A)中、20〜70質量%である。前記多官能(メタ)アクリレート(a3)の割合は、良好な密着性を与える観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、25質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、そして、防曇性能の低下を抑制する観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、65質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と前記多官能チオール化合物(a2)と前記多官能(メタ)アクリレート(a3)の合計の割合は、防曇性を高める観点から、前記光硬化性単量体混合物(A)中、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
<その他の単量体>
前記光硬化性単量体混合物(A)には、その他の単量体を含むことができる。前記その他の単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系単量体;(メトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(エトキシ)ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(エトキシ)ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート系単量体;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε−カプロラクトン付加物などのヒドロキシル基含有ビニル系単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、マレイン酸半エステルなどのカルボキシル基含有単量体およびそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルピペリジン、(メタ)アクロイルモルホリン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルピリジンなどの窒素原子含有ビニル系単量体などが挙げられる。前記その他の単量体は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
<界面活性剤(B)>
本発明の界面活性剤(B)は、防曇膜の表面に付着した水分の表面張力を低下させ、防曇膜の表面に水膜を形成させることにより防曇性を向上させるための成分である。
前記界面活性剤(B)は、従来から知られているものを全て使用することができるが、例えば、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、光硬化性単量体混合物(A)の架橋により形成される樹脂マトリックスとの親和性の点から、非イオン系界面活性剤が好ましい。前記界面活性剤(B)は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記非イオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノニルフェノールなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類;ポリオキシエチレングリコールモノステアレートなどのポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのリン酸エステル類;シュガーエステル類、セルロースエーテル類などが挙げられる。さらに、これらの界面活性剤の炭化水素残基の水素原子がフッ素原子に一部置換されたフッ素原子含有非イオン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも、光硬化性単量体混合物(A)の架橋により形成される樹脂マトリックスとの親和性の点から、前記ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル類、フッ素原子含有非イオン系界面活性剤がより好ましい。
前記界面活性剤(B)は、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.3〜20質量部であることがより好ましく、0.5〜15質量部であることがさらに好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の防曇剤組成物は、前記光硬化性単量体混合物(A)を反応させるための光重合開始剤を使用することが好ましい。前記光重合開始剤としては、光重合を開始するものであれば特に制限されず、通常用いられる光重合開始剤を用いることができ、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤などが挙げられる。前記光重合開始剤は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の使用量は、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、通常、0.1〜10質量部程度である。
<シリカ(C)>
本発明の防曇剤組成物は、シリカ(C)を含有していても良い。前記シリカ(C)は、防曇膜の強度を向上させたり、光硬化性単量体混合物(A)の硬化収縮を抑制することによって、基材への密着性を向上させたりすることができる。
前記シリカ(C)は、特定の種類に限定されず、適宜選択可能である。前記シリカ(C)としては、例えば、ヒュームドシリカ、水分散シリカ、有機溶剤分散シリカなどが挙げられる。また、そのシリカ表面は、エポキシ基、(メタ)アクリル基などの官能基で修飾された変性シリカであってもよい。これらの中でも、光硬化性樹脂(A)との相溶性が良好である観点から、有機溶剤分散シリカがより好ましい。
前記シリカ(C)を使用する場合、前記シリカ(C)は、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。また、前記シリカ(C)は、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、光硬化性単量体混合物(A)の硬化収縮を抑制する観点から、1質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。
<その他の成分>
本発明の防曇剤組成物には、その他の成分として、必要に応じ、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などの慣用の各種添加剤を配合することができる。前記その他の成分の添加量は、それぞれの添加剤につき慣用的な添加量で配合することができるが、通常、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、10質量部以下程度である。
<有機溶剤>
本発明の防曇剤組成物には、粘度や塗装性、防曇膜の平滑性の改良のため、更に有機溶剤を加えることもできる。前記有機溶剤は、光硬化性単量体混合物(A)、界面活性剤(B)などの成分を、溶解または分散することができるものであり、乾燥温度において揮発する溶剤であれば、特に制限されるものではない。
前記有機溶剤としては、例えば、アルコール系、カルボン酸エステル系、ケトン系、アミド系、エーテル系、脂肪族および芳香族炭化水素系の溶剤などが挙げられる。前記アルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール、2−メトキシエタノール(メチルセロソルブ)、2−エトキシエタノール(エチルセロソルブ)、2−ブトキシエタノール(ブチルセロソルブ)、ターシャリーアミルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールなどが挙げられる。前記カルボン酸エステル系溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸ブチル、ギ酸ブチルなどが挙げられる。前記ケトン系溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。前記アミド系溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。前記エーテル系溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、メトキシトルエン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。前記脂肪族および芳香族炭化水素系溶剤としては、例えば、ヘキサン、ペンタンキシレン、トルエン、ベンゼンなどが挙げられる。前記有機溶剤は、少なくとも1種を用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記有機溶剤を使用する場合、前記有機溶剤の使用量は、前記防曇剤組成物の固形分100質量部に対して、通常、0.5から1000質量部程度である。
<防曇性物品>
本発明の防曇性物品は、基材上に、前記防曇剤組成物から形成される防曇膜を有する。当該防曇膜は、前記防曇剤組成物を、通常の塗料において行われる塗装方法により基材上に塗装し、活性エネルギー線を照射する工程により形成できる。活性エネルギー線としては、電子線、紫外線、可視光線、放射線などが挙げられる。
前記基材としては、その種類は問わず、例えば、ガラス、シリコンウエハ、金属、プラスチックなどのフィルムやシート、および立体形状の成形品などが挙げられ、基材の形状が制限されることは無い。前記プラスチックとしては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アセテート樹脂、ABS樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
前記基材への塗装の際には、基材に対する防曇剤組成物の濡れ性を高め、はじきを防止する目的で、塗装前における基材表面の付着異物除去を行うことが好ましい。当該方法としては、高圧エア、イオン化エアによる除塵;洗剤水溶液、アルコール溶剤による超音波洗浄;アルコール溶剤などを使用したワイピング;紫外線、オゾンによる洗浄などが挙げられる。また、塗装方法としては、例えば、グラビア法、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、スピンコート法などが挙げられる。
前記活性エネルギー線の照射の光源としては、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、紫外線無電極ランプ、365nm、385nm、395nm、405nmなどの波長の光を発する発光ダイオード(LED)、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、太陽光、YAGレーザーなどの固体レーザー、半導体レーザー、アルゴンレーザーなどのガスレーザーなどを使用することができる。前記活性エネルギー線の露光量は、活性エネルギー線の波長や強度、光重合性組成物の組成に応じて適宜設定すべきである。
また、塗装直後の塗膜中に含まれる溶剤などを揮発乾燥させることを目的として、活性エネルギー線を照射する工程の前に乾燥工程を設けることができる。前記乾燥は、通常、20〜150℃の温度で0.5〜60分間の条件下で行われる。
前記防曇膜の膜厚は、防曇性を向上させる観点から、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、そして、平滑性を高める観点から、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
前記防曇性物品は、眼鏡、窓、鏡などに用いることが好ましい。具体的な眼鏡としては、例えば、視力矯正用眼鏡、保護眼鏡、保護面体などが挙げられる。
以下に本発明を実施例などによって説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
<実施例1>
<防曇剤組成物の調製>
水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)として、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを20質量部、多官能チオール化合物(a2)として、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)を20質量部、多官能(メタ)アクリレート(a3)として、エポキシ樹脂変性ジアクリレート(アミン変性ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、商品名:EBECRYL3703、ダイセル・オルネクス(株)製)を30質量部およびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート(ビス−(アクリルオキシエチル)イソシアヌレート)を30質量部、光重合開始剤として、2−ヒドロキシ−4‘−(2‐ヒドロキシエトキシ)−2−メチルプロピオフェノンを1質量部、界面活性剤(B)として、フルオロアルキル基含ノニオン系界面活性剤(商品名:サーフロン S242、AGCセイミケミカル(株)製、有効成分100質量%)を1質量部、有機溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルを100質量部、とを加え、さらに、表面調整剤として、アクリルポリマー(商品名:BYK−358 N、ビックケミー・ジャパン(株)社製)を0.2質量部とを混合し、防曇剤組成物を得た。
<防曇性物品の作製>
上記で得られた防曇剤組成物を、ポリカーボネート基材(5cm×5cm×1mm、商品名:ユーピロンシートNF−2000、MGCフィルシート(株)社製)にバーコーターを用いて塗布した。そして、ポリカーボネート基材を、60℃で10分間保持することによって乾燥することにより、ポリカーボネート基材上に、厚さが約20μmの防曇剤組成物の層を形成した。次いで、120Wの高圧水銀灯(日本電池(株)製)を用い、1J/cmの紫外線を照射することにより、防曇膜を有する防曇性物品(試験片)を作製した。
上記で得られた試験片を用い、下記の(1)〜(5)の評価を行った。結果を表1に示す。
<(1)呼気防曇性の評価>
温度が20℃、相対湿度が50%RHの恒温室内で、上記で得られた試験片の防曇膜面に息を吹きかけ、曇りの状態を目視によって判定した。呼気防曇性の判定基準は以下のとおりである。
◎:全く曇らない
○:一瞬曇りが観察される
×:全面が曇る
<(2)蒸気防曇性の評価>
温度が50℃の恒温水槽上の水面から1cmの位置に、防曇膜面が下になるように上記で得られた試験片を固定し、曇りの状態を目視によって判定した。蒸気防曇性試験の判定基準は以下のとおりである。
◎:試験片を固定後、10分以上曇りが生じない
○:試験片を固定後、5分以上10分未満の間に曇りが生じない
×:試験片を固定後、すぐに曇りが生じる
<(3)密着性の評価>
上記で得られた試験片の防曇膜に1mm幅間隔で縦横の切り込みを入れて碁盤目100個マスを作り、セロハンテープを完全に密着させた。セロハンテープを瞬間的に引き離し、目視により碁盤目の状態を確認し、次の3段階で評価した。なお、評価が○以上であれば実用上問題なく、◎であればより好ましい。
◎:剥離がまったく見られない
○:剥離が僅かに見られる
×:剥離が明らかに見られる
<(4)耐水性の評価>
上記で得られた試験片を25℃の水に1時間浸漬後、25℃環境下にて12時間乾燥させた後、上記の蒸気防曇性試験を実施した。判定基準は以下のとおりである。なお、評価が○以上であれば実用上問題なく、◎であればより好ましい。
◎:試験片を固定後、10分以上曇りが生じない
○:試験片を固定後、5分以上10分未満の間に曇りが生じない
×:試験片を固定後、すぐに曇りが生じる
<(5)耐アルコール性の評価>
エタノール1mLに染み込ませたウェス(クレシアテクノワイプ C100−S(日本製紙クレシア(株))で、上記で得られた試験片の防曇膜面を3回拭いた後、25℃環境下にて1時間乾燥させた後、外観観察、および上記の蒸気防曇性試験を実施した。判定基準は以下のとおりである。なお、評価が○以上であれば実用上問題なく、◎であればより好ましい。
◎:サンプル表面に傷がなく、試験片を固定後10分以上曇りが生じない
○:サンプル表面に傷がなく、試験片を固定後5分以上10分未満の間に曇りが生じない
×:サンプル表面に傷が見られ、試験片を固定後すぐに曇りが生じる
<実施例2〜15、および比較例1〜7>
<防曇剤組成物の調製、および防曇性物品の作製>
各実施例および比較例において、各原料の種類とその配合量を表1〜2に示すように変えたこと以外は、実施例1と同様の方法により、防曇剤組成物を調製し、さらにポリカーボネート基材上に防曇膜を有する防曇性物品(試験片)を作製した。
上記で得られた試験片を用い、上記の評価方法により、呼気防曇性、蒸気防曇性、密着性、耐水性、および耐アルコール性を評価した。結果を表1〜2に示す。
Figure 2020152751
Figure 2020152751
表1〜2中、
NKエステル A−BPE−10は、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名:NKエステル A−BPE−10、新中村化学(株)製);
ニューフロンティア BPEM−10は、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジメタクリレート(商品名:ニューフロンティア BPEM−10、第一工業製薬(株)製);
EBECRYL3700は、エポキシ樹脂変性ジアクリレート(ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、商品名:EBECRYL3700、ダイセル・オルネクス(株)製);
EBECRYL3703は、エポキシ樹脂変性ジアクリレート(アミン変性ビスフェノールAタイプエポキシアクリレート、商品名:EBECRYL3703、ダイセル・オルネクス(株)製);
イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートは、ビス−(アクリルオキシエチル)イソシアヌレート;
イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートは、トリス−(アクリルオキシエチル)イソシアヌレート;
イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリメタアクリレートは、トリス−(メタクリルオキシエチル)イソシアヌレート;
1,6−ヘキサンジオールビス[オキシ(2−ヒドロキシプロパン1,3−ジイル)]ジアクリレートは、前記一般式(2)(Rは水素原子、Rは炭素数6のアルキレン基)で表される水酸基含有ジアクリレート;
KAYARAD HX−620は、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジアクリレート(カプロラクトン変性ネオペンチルグリコールモノヒドロキシピバレートのアクリル酸付加物、商品名:KAYARAD HX−620、日本化薬(株)製);
ノニオン E−202は、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(商品名:ノニオン E−202、日油(株)製、有効成分100質量%);
ノニオン E−205は、ポリエチレングリコールオレイルエーテル(商品名:ノニオン E−205、日油(株)製、有効成分100質量%);
フタージェント 215Mは、フルオロアルキル基含ノニオン(商品名:フタージェント 215M、(株)ネオス製、有効成分100質量%);
サーフロン S242は、フルオロアルキル基含ノニオン(商品名:サーフロン S242、AGCセイミケミカル(株)製、有効成分100質量%);
MIBK−STは、メチルイソブチルケトン分散シリカゾル(商品名:MIBK−ST、日産化学(株)製、有効成分30質量%);
MIBK−SDは、メチルイソブチルケトン分散アクリル変性シリカゾル(商品名:MIBK−SD、日産化学(株)製、有効成分30質量%);
BYK−358 Nは、アクリルポリマー系表面調整剤(商品名:BYK−358 N、ビックケミー・ジャパン(株)社製);を示す。
実施例1〜15の防曇剤組成物から形成された防曇膜は、防曇性および密着性を発現しつつ、かつ耐水性および耐アルコール性も発現することが確認された。特に、実施例2〜4、8〜10、12〜15では、防曇性、密着性、耐水性、および耐アルコール性において優れた結果が得られている。
一方、比較例1では、光硬化性単量体混合物(A)中の水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)の割合が多いため、密着性の低下が見られた。また、比較例2では、水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)を用いていないため、耐水性の低下が見られた。
比較例3では、光硬化性単量体混合物(A)中の多官能チオール化合物(a2)の割合が多いため、耐水性の低下が見られた。また、比較例4および7では、多官能チオール化合物(a2)を用いていないため、耐アルコール性の低下が見られた。
比較例5では、光硬化性単量体混合物(A)中の多官能(メタ)アクリレート(a3)の割合が多いため、耐水性および耐アルコール性の低下が見られた。また、比較例6では、多官能(メタ)アクリレート(a3)を用いていないため、密着性の低下が見られた。

Claims (5)

  1. 光硬化性単量体混合物(A)および界面活性剤(B)を含有する防曇剤組成物であって、
    前記光硬化性単量体混合物(A)は、一般式(1):
    Figure 2020152751
    (一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rは炭素数2以上6以下の直鎖または分岐のアルキレン基、Xは酸素原子または−NH−である。)で表される水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)と、多官能チオール化合物(a2)と、多官能(メタ)アクリレート(a3)を含有し、
    前記光硬化性単量体混合物(A)中、前記水酸基含有(メタ)アクリレート(a1)が20〜70質量%であり、前記多官能チオール化合物(a2)が1〜20質量%であり、前記多官能(メタ)アクリレート(a3)が20〜70質量%であることを特徴とする防曇剤組成物。
  2. 前記界面活性剤(B)がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の防曇剤組成物。
  3. シリカ(C)を含有することを特徴とする請求項1または2記載の防曇剤組成物。
  4. 前記シリカ(C)は、前記光硬化性単量体混合物(A)100質量部に対して、100質量部以下であることを特徴とする請求項3記載の防曇剤組成物。
  5. 基材上に、請求項1〜4のいずれかに記載の防曇剤組成物から形成される防曇膜を有することを特徴とする防曇性物品。
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