JP2020143727A - 密封装置および密封構造 - Google Patents

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祐樹 花田
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Abstract

【課題】水の排出性能が高く、密封対象への水からの保護性能が高い密封装置を提供する。【解決手段】密封装置は、相対的に回転する内側部材と外側部材との間の間隙を封止する。密封装置の第1のシール部材は、外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、環状部分が内側部材に向けて径方向内側に広がる。密封装置の第2のシール部材は、内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、フランジ部分が径方向外側に広がっており第1のシール部材の環状部分と対向する。第1のシール部材と第2のシール部材のうち回転するシール部材に、複数の水排出突起が支持されている。複数の水排出突起は、環状部分とフランジ部分の間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられている。各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有する。円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置および密封構造に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に固定される環状体と、環状体から半径方向内側に延びるラジアルリップ(グリースリップ)と、環状体から側方に延びる2つのサイドリップ(アキシャルリップ)とを備える。ラジアルリップは、軸受の内輪の外周面または内輪に固定される部品の外周面に接触して、軸受内部の潤滑剤(グリース)を密封する機能を有し、2つのサイドリップは、内輪のフランジに接触して、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特許3991200号公報
この種の密封装置については、水(泥水または塩水を含む)の多い環境で使用される場合には、水が密封対象(例えば軸受)の内部に侵入しないように保護する機能を高めることが要求される。また、たとえ水が密封装置に侵入しても、すみやかに水を排出することができるのが望ましい。
そこで、本発明は、水の排出性能が高く、密封対象への水からの保護性能が高い密封装置および密封構造を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する、第2のシール部材とを備える。前記第1のシール部材および前記第2のシール部材のうち回転するシール部材には、複数の水排出突起が支持されている。前記複数の水排出突起は、前記第1のシール部材の前記環状部分と前記第2のシール部材の前記フランジ部分の間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられている。各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有する。円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である。
この密封装置において、第1のシール部材の環状部分と第2のシール部材のフランジ部分の間の空間内には、水が侵入することがありうる。しかし、この空間内には複数の水排出突起が突出しており、内側部材と外側部材の相対回転に伴って、空間内の水は、回転する部材に支持された水排出突起に跳ねられて、空間からすみやかに排出される。このため、密封装置は、密封対象への水からの保護性能が高い。円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下であることにより、水の排出性能が高い。各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有する線対称形状を有し、部材の回転方向がいずれであっても、同等の水の排出機能を発揮することができる。複数の水排出突起は、第1のシール部材の環状部分と第2のシール部材のフランジ部分の間の空間内に突出するので、水排出突起のために密封装置を大型化する必要はない。
本発明のある態様に係る密封構造は、円筒部分と、前記円筒部分から径方向外側に広がるフランジとを有する内側部材と、前記内側部材に対して相対的に回転する外側部材と、前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材の前記円筒部分に向けて径方向内側に広がっており前記内側部材の前記フランジと対向する、シール部材とを備える。前記内側部材および前記シール部材のうち回転する部材には、複数の水排出突起が支持されている。前記複数の水排出突起は、前記シール部材の前記環状部分と前記内側部材の前記フランジの間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられている。各水排出突起は、前記シール部材の径方向に沿って延びる2つの側面を有する。円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である。
この密封構造において、シール部材の環状部分と内側部材のフランジの間の空間内には、水が侵入することがありうる。しかし、この空間内には複数の水排出突起が突出しており、内側部材と外側部材の相対回転に伴って、空間内の水は、回転する部材に支持された水排出突起に跳ねられて、空間からすみやかに排出される。このため、密封構造は、密封対象への水からの保護性能が高い。円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下であることにより、水の排出性能が高い。各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有する線対称形状を有し、部材の回転方向がいずれであっても、同等の水の排出機能を発揮することができる。複数の水排出突起は、シール部材の環状部分と内側部材のフランジの間の空間内に突出するので、水排出突起のために密封構造を大型化する必要はない。
本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 第1の実施形態に係る密封装置の一部を破断して示す部分斜視図である。 第1の実施形態に係る密封装置の第1のシール部材の一部を破断して示す部分斜視図である。 第1の実施形態に係る密封装置の第2のシール部材の一部を破断して示す部分斜視図である。 第1の実施形態に係る密封装置の第2のシール部材の正面図である。 第1の実施形態に関して、水の排出効果を調査するための試験の結果を示すグラフである。 第1の実施形態の変形例に係る密封装置の部分断面図である。 第1の実施形態の他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。 第1の実施形態のさらに他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る密封構造の部分断面図である。 第2の実施形態の変形例に係る密封構造の部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ径方向の外側、内側を意味する。
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも半径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,21の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と固定された外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aとの間に配置され、ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。密封装置21は、ハブ軸受1の回転する内輪6と固定された外輪8のインボード側の端部8Bとの間に配置され、内輪6と外輪8との間の間隙を封止する。
第1の実施形態
図2に示すように、密封装置21は、ハブ軸受1の外輪8のインボード側の端部8Bと、ハブ軸受1の内輪6との間隙内に配置される。密封装置21は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。
図3は、密封装置21の一部を破断して示す部分斜視図である。図4は、密封装置21の部分である第1のシール部材24の一部を破断して示す部分斜視図である。図5は、密封装置21の部分である第2のシール部材26の一部を破断して示す部分斜視図である。図2ないし図5から明らかなように、密封装置22は、第1のシール部材24と第2のシール部材26を備える複合構造を有する。
第1のシール部材24は、外輪8に取り付けられ、回転しない固定シール部材である。第1のシール部材24は、弾性環28および剛性環30を有する複合構造である。弾性環28は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環30は、剛性材料、例えば金属から形成されており、弾性環28を補強する。剛性環30は、ほぼL字形の断面形状を有する。剛性環30の一部は、弾性環28に埋設されており、弾性環28に密着している。
第1のシール部材24は、円筒部分24A、環状部分24B、およびリップ24C,24Dを有する。円筒部分24Aは、外輪8に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、円筒部分24Aは、外輪8の端部8Bに締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。環状部分24Bは、円環状であって、円筒部分24Aの径方向内側に配置され、内輪6に向けて径方向内側に広がる。円筒部分24Aと環状部分24Bは、剛性環30と弾性環28から構成されている。
リップ24C,24Dは、環状部分24Bの内側端から第2のシール部材26に向けて延び、リップ24C,24Dの先端は第2のシール部材26に接触する。リップ24C,24Dは、弾性環28から構成されている。
第2のシール部材26は、スリンガーすなわち回転シール部材とも呼ぶことができる。第2のシール部材26は、内輪6に取り付けられており、内輪6の回転時に、第2のシール部材26は内輪6とともに回転し、外部から飛散して来る異物を跳ね飛ばす。
この実施形態では、第2のシール部材26も、弾性環32および剛性環34を有する複合構造である。剛性環34は、剛性材料、例えば金属から形成されている。
剛性環34は、ほぼL字形の断面形状を有する。具体的には、円筒状のスリーブ部分34Aと、スリーブ部分34Aから径方向外側に広がる円環状のフランジ部分34Bを備える。スリーブ部分34Aは、内輪6に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、スリーブ部分34Aには、内輪6の端部が締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
フランジ部分34Bは、スリーブ部分34Aの径方向外側に配置され、径方向外側に広がっており、第1のシール部材24の環状部分24Bと対向する。この実施形態では、フランジ部分34Bは平板であり、スリーブ部分34Aの軸線に対して垂直な平面内にある。この実施形態では、第2のシール部材26のフランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cは、第1のシール部材24の環状部分24Bのフランジ部分34Bに対向する面24Eと平行である。
弾性環32は、剛性環34のフランジ部分34Bに密着している。この実施形態では、弾性環32は、内輪6の回転速度を計測するために設けられている。具体的には、弾性環32は、磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料で形成されており、磁性金属粉によって多数のS極とN極を有する。弾性環32においては、円周方向に等角間隔をおいて多数のS極とN極が交互に配置されている。図示しない磁気式ロータリーエンコーダーによって、弾性環32の回転角度を測定することができる。弾性環32の材料は、金属粉を含有するため、通常のエラストマー材料よりも硬度が高く、異物による損傷を受けにくい。
弾性環32は、フランジ部分34Bの両面に固着されている。すなわち、弾性環32は、フランジ部分34Bのインボード側の面を覆うだけでなく、アウトボード側の面34Cも覆う。面34Cを覆う弾性環32の部分は、第1のシール部材24の環状部分24Bのフランジ部分34Bに平行な面32Aを有する。
第1のシール部材24のリップ24Cは、環状部分24Bの内側端から半径方向内側かつアウトボード側に延びるラジアルリップである。リップ24Cは、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに向けて延び、リップ24Cの先端は、スリーブ部分34Aに接触する。リップ24Cは、半径方向内側かつアウトボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担うグリースリップである。
リップ24Dは、環状部分24Bの内側端から半径方向内側かつインボード側に延びるラジアルリップである。リップ24Dも、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに向けて延び、リップ24Dの先端は、スリーブ部分34Aに接触する。リップ24Dは、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担うダストリップである。
第1のシール部材24が固定された外輪8に取り付けられている一方、内輪6および第2のシール部材26は回転するので、リップ24C,24Dは第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに対して摺動する。
図2に示すように、第1のシール部材24の円筒部分24Aのインボード側の先端と、第2のシール部材26の外端縁との間には、環状の間隙36が設けられている。間隙36を通じて、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間42(さらに細かく言えば、第1のシール部材24の環状部分24Bの面24Eと第2のシール部材26の弾性環32の面32A間の空間)内に、異物が侵入することがある。逆に、空間42内の異物は、間隙36を通じて排出することができる。
第2のシール部材26には、第1のシール部材24の環状部分24Bに向けて突出する複数の水排出突起40が支持されている。これらの水排出突起40は、同形同大を有しており、円周方向に等角間隔をおいて並べられている。これらの水排出突起40は、空間42内に突出する。水排出突起40は、空間42から水を排出する役割を担う。水排出突起40は、水排出羽根と呼ぶこともできる。
この実施形態においては、複数の水排出突起40は、第2のシール部材26の剛性環34のフランジ部分34Bの面34Cを覆う弾性環32の部分に一体に取り付けられている。すなわち、水排出突起40は、弾性環32の部分である。したがって、水排出突起40は、弾性環32と同じ材料、すなわち磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料から形成されている。
この実施形態においては、図5および図6に示すように、各水排出突起40は、ほぼ直方体の形状を有する。より具体的には、各水排出突起40は、内側円弧面40Aと、外側円弧面40Bと、2つの側面40C,40Dとで画定されたほぼ矩形の輪郭を有する。図2は図6のII-II線矢視断面に相当する。図2に示すように、各水排出突起40の直方体の底面40Fは、フランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cと平行で、弾性環32の環状部分24Bに対向する面32Aと同一面であり、直方体の頂面40Eは、面32A,34Cと平行である。
内側円弧面40Aはスリーブ部分34Aと同心の円筒上にあり、外側円弧面40Bもスリーブ部分34Aと同心の円筒上にある。内側円弧面40Aと外側円弧面40Bは曲率半径が大きいため、ほぼ平坦面である。側面40C,40Dは、それぞれ密封装置21の径方向に沿って延びる平坦面である。具体的には、側面40C,40Dの各々は、中心軸線Axを含む平面上にある。すなわち、側面40C,40Dの各々は、第2のシール部材26の回転方向に対して直交する平坦面である。
上記の通り、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間42(図2および図3参照)内には、異物(水およびダストを含む)が侵入することがありうる。しかし、この空間42内には複数の水排出突起40が突出しており、内輪6と外輪8の相対回転に伴って、空間42内の水は、回転する部材に支持された水排出突起40に跳ねられて、空間42からすみやかに排出される。このため、密封装置21は、密封対象への水からの保護性能が高い。また、密封装置21自体についても、水(泥水または塩水を含む)の存在により加速する劣化が低減される。間隙36は環状であるため、空間42から水が間隙36の一部を介して流出する一方で、密封装置21の外側の空気が間隙36の他の一部を介して空間42の内部に流入する。空間42の内部に流入する空気は、空間42からの水の流出を促進する。また、空間42の内部が負圧になってリップ24C,24Dが予期せぬ変形をするおそれが低減される。
各水排出突起40は、密封装置21の径方向に沿って延びる2つの側面40C,40Dを有する径方向に関して線対称形状を有し、第2のシール部材26の回転方向が図6の回転方向R1と回転方向R2のいずれであっても、同等の水の排出機能を発揮することができる。したがって、密封装置21は、自動車の左右の車輪の両方に使用することができ、しかも、自動車の前進時にも後退時にも、水排出突起40によって水を排出することができる。密封装置21を自動車に組み付ける際に、作業者は、密封装置がどちらの車輪のためのものなのかを注意する必要がない。
第1の実施形態に関して、水の排出効果を調査するための試験を行った。試験における諸元は下記の通りである。
水排出突起40の個数は31であった。水排出突起40の内側円弧面40Aの曲率半径R1(図6参照)は34mmであった。水排出突起40の外側円弧面40Bの曲率半径R2は36mmであった。したがって、径方向での水排出突起40の長さWは2mmであった。水排出突起40の高さH(図2および図5参照)、すなわち面32Aから頂面40Eまでの距離は1.5mmであった。
試験においては、異なる第2のシール部材の模型(具体的には水排出突起40が異なる)を有する5つの密封装置の模型を準備した。これらの模型をサンプルと呼ぶ。サンプル1は水排出突起40を有しないが、サンプル2〜5は、異なる水排出突起40の周方向長さ比(円周方向における水排出突起40の間隔G/円周方向における各水排出突起40の長さL)を有する。周方向長さ比は、各水排出突起40の角度範囲に対する水排出突起40の角間隔の角度比と考えることもできる。サンプル2では周方向長さ比が4.7であり、サンプル3では周方向長さ比が6.3であり、サンプル4では周方向長さ比が7.4であり、サンプル5では周方向長さ比が11.6である。
試験においては、各サンプルについて、第2のシール部材26の模型を1000rpmで回転させたときの密封装置の模型からの水排出量(g/min)を測定し、第2のシール部材26の模型を回転させないときの密封装置の模型からの水排出量も測定した。そして、各サンプルについて、前者の水排出量と後者の水排出量の差分を計算した。
図7は試験の結果を示す。図7の縦軸は上記の差分を示す。図7から明らかなように、周方向長さ比(すなわち、円周方向における各水排出突起40の円周上の長さLに対する円周方向における水排出突起40の円周上の間隔G)が4.7以上、7.4以下である場合に、水の排出性能が顕著に高い。
適切な周方向長さ比を有する密封装置21は、水排出突起40による水の排出性能が高いため、異物の侵入を阻止するダストリップ24Dは必ずしも設けなくてもよい。ダストリップ24Dを設けない場合には、内輪6および第2のシール部材26の回転時に、ダストリップ24Dが第2のシール部材26に摺動することに起因するトルクが発生しない。したがって、自動車のエネルギー効率を高めることができる。
但し、この実施形態では、異物の阻止の確実性を高めるため、ダストリップ24Dが設けられている。この場合でも、水排出突起40による水の排出性能が高いため、第2のシール部材26に対するダストリップ24Dの接触圧を高める必要がない。したがって、水の排出性能を高めながら、ダストリップ24Dが第2のシール部材26に摺動することに起因するトルクを抑制または低減することができる。ダストリップ24Dが設けられる場合、この実施形態のように、水排出突起40は、ダストリップ24Dよりも間隙36の近くに配置されること(ダストリップ24Dと間隙36の間の位置に配置されること)が好ましい。換言すれば、水排出突起40は大気とつながる空間42内に突出することが好ましい。このように配置されていることによって、上記のように、密封装置21の外側の空気が間隙36を通じて、水排出突起40が配置された空間42の内部に流入することによって、空間42からの水の流出が促進される。
この実施形態では、図2に示すように、各水排出突起40は、ダストリップ24Dと重ならない位置に配置されている。したがって、内輪6が回転する際に、水排出突起40がダストリップ24Dに衝突したり摺動したりすることはなく、ダストリップ24Dの過剰な摩耗が抑制される。
また、各水排出突起40は、第1のシール部材24の円筒部分24Aおよび環状部分24Bとは、間隔をおいて配置されている。したがって、内輪6が回転する際に、水排出突起40が第1のシール部材24に衝突したり摺動したりすることはない。
この実施形態では、図2に示すように、第2のシール部材26の弾性環32の環状部分24Bに対向する面32Aは、第1のシール部材24の環状部分24Bのフランジ部分34Bに対向する面24Eと平行である。つまり、水排出突起40が形成された面32Aは、水排出突起40の先方にある面24Eと平行である。換言すれば、複数の水排出突起40が配置された空間42を画定する2つの面が平行である。
この実施形態では、各水排出突起40は、直方体の形状を有し、直方体の底面40Fは、フランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cと平行で、弾性環32の環状部分24Bに対向する面32Aと同一面であり、直方体の頂面40Eは、フランジ部分34Bの面34Cおよび弾性環32の面32Aと平行である。したがって、各水排出突起40が、例えば、底面から頂点に向けて細くなるテーパ形状である場合に比べて、水排出突起の断面積(密封装置21の径方向断面、すなわち図2の紙面での面積)を大きくすることが可能であり、水排出突起40によって水が排出される効率が良好である。
この実施形態では、各水排出突起40は、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間42(さらに細かく言えば、第1のシール部材24の環状部分24Bの面24Eと第2のシール部材26の弾性環32の面32A間の空間)内に突出する。したがって、図2および図3から明らかなように、複数の水排出突起41は、第1のシール部材24の最大直径の範囲内に配置されている。このため、密封装置21ひいてはハブ軸受1を大型化する必要はない。
この実施形態では、複数の水排出突起40は、弾性環32と同じ材料、すなわち磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料から形成されている。水排出突起40は、金属粉およびセラミックス粉を含有するので、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
この実施形態では、複数の水排出突起40は、第2のシール部材26の剛性環34のフランジ部分34Bを覆う弾性環32に一体に取り付けられている。したがって、部品点数が削減されるので、密封装置21の組み立てが容易である。
水排出突起40を形成する手法は、例えば、型を用いたプレス加工または射出成形であってよく、この場合、弾性環32を形成すると同時に水排出突起40を形成してもよい。但し、フランジ部分34Bに水排出突起40を接着で水排出突起40を接合してもよいし、弾性環32に対する切削加工で水排出突起40を形成してもよい。
図8は、第1の実施形態の変形例に係る密封装置21の第2のシール部材26を示す斜視図である。図8以降の図面において、すでに説明した構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
図8の変形例では、第1のシール部材24は、アキシャルリップであるダストリップ24Dに加えて、アキシャルリップであるダストリップ24Fを備える。ダストリップ24Fは、ダストリップ24Dよりも径方向外側に形成され、環状部分24Bの面24Eから側方に延び、その先端は、半径方向外側かつインボード側に向けて延び、第2のシール部材26のフランジ部分34Bに接触する。ダストリップ24Fは、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。
各水排出突起40は、ダストリップ24D,24Fと重ならない位置に配置されている。したがって、内輪6が回転する際に、水排出突起40がダストリップ24D,24Fに衝突したり摺動したりすることはなく、ダストリップ24D,24Fの過剰な摩耗が抑制される。
この変形例では、異物の阻止の確実性を高めるため、2つのダストリップ24D,24Fが設けられている。この場合でも、水排出突起40による水の排出性能が高いため、第2のシール部材26に対するダストリップ24D,24Fの接触圧を高める必要がない。したがって、水の排出性能を高めながら、ダストリップ24D,24Fが第2のシール部材26に摺動することに起因するトルクを抑制または低減することができる。ダストリップの数は3以上でもよい。ダストリップ24D,24Fが設けられる場合、この例のように、水排出突起40は、最も外側のダストリップ24Fよりも間隙36の近くに配置されること(最も外側のダストリップ24Fと間隙36の間の位置に配置されること)が好ましい。換言すれば、水排出突起40は大気とつながる空間42内に突出することが好ましい。このように配置されていることによって、上記のように、密封装置21の外側の空気が間隙36を通じて、水排出突起40が配置された空間42の内部に流入することによって、空間42からの水の流出が促進される。
図9は、第1の実施形態の他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。この変形例では、各水排出突起40は、第2のシール部材26の剛性環34のフランジ部分34Bに一体に取り付けられていない。フランジ部分34Bには、円環板44が重ねられており、各水排出突起40は、円環板44に一体に取り付けられている。円環板44は、剛性材料、例えば金属材料から形成され、水排出突起40は、円環板44と同じ剛性材料、例えば金属材料から形成されている。したがって、水排出突起40は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
円環板44は、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間内に配置され、フランジ部分34Bの面34Cに接触している。円環板44は、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aの径方向外側に配置され、径方向外側に広がっており、第1のシール部材24の環状部分24Bと対向する。この変形例では、円環板44の環状部分24Bに対向する面44Aは、第1のシール部材24の環状部分24Bの面24E、および第2のシール部材26のフランジ部分34Bの面34Cと平行である。
水排出突起40は、互いに平行な2つの面24E,44Aの間の空間42内に突出する。
この変形例では、円環板44ひいては水排出突起40は金属材料から形成される。但し、円環板44ひいては水排出突起40は、例えば、金属粉を含有する樹脂材料、セラミックス粉を含有する樹脂材料、金属粉とセラミックス粉の両方を含有する樹脂材料、金属粉を含有するエラストマー材料、セラミックス粉を含有するエラストマー材料、または金属粉とセラミックス粉の両方を含有するエラストマー材料から形成してもよい。これらの材料は、金属粉とセラミックス粉の少なくとも一方を含有するため、通常の樹脂材料またはエラストマー材料よりも硬度が高く、異物による損傷を受けにくい。水排出突起40は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。但し、円環板44ひいては水排出突起40は、金属粉もセラミックス粉も含有しない樹脂材料またはエラストマー材料から形成してもよい。
いずれの場合にせよ、水排出突起40を形成する手法は、例えば、型を用いたプレス加工または射出成形であってよく、この場合、円環板44を形成すると同時に水排出突起40を形成してもよい。但し、円環板44に水排出突起40を溶接、半田または接着で水排出突起40を接合してもよいし、円環板44に対する切削加工で水排出突起40を形成してもよい。
この変形例では、第2のシール部材26と分離が容易な別個の円環板44に水排出突起40が形成されている。但し、円環板44を第2のシール部材26のフランジ部分34Bに接合してもよい。
図10は、第1の実施形態のさらに他の変形例に係る密封装置の部分断面図である。この変形例では、円環板44が使用されず、各水排出突起40は、第2のシール部材26の剛性環34のフランジ部分34Bに直接的に一体に取り付けられている。すなわち、各水排出突起40は剛性環34の一部である。各水排出突起40の底面40Fは、フランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cと同一面である。水排出突起40は、剛性環34と同じ剛性材料、例えば金属材料から形成されている。したがって、水排出突起40は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
上記の実施形態および様々な変形例は、矛盾しない限り、組み合わせてよい。例えば、図2の実施形態のエラストマー製の水排出突起40は、弾性環32ではなく、剛性環34のフランジ部分34Bに一体に取り付けられてもよい。
第2の実施形態
上記の第1の実施形態は、ハブ軸受1のインボード側の密封装置21に関する。本発明の第2の実施形態は、ハブ軸受1のアウトボード側の密封装置20を含む密封構造に関する。
図11に示すように、密封装置(シール部材)20は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4との間隙内に配置される。具体的には、密封装置20は、ハブ軸受1の外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aと、ハブ軸受1のハブ4の玉10の近傍の円筒部分の外周面4Aと、ハブ4の外周面4Aよりも径方向外側に広がるフランジ面4Bと、外周面4Aとフランジ面4Bとを連結する円弧面4Cとで囲まれた空間内に配置される。フランジ面4Bはアウトボード側フランジ18のインボード側の表面である。密封装置20は環状であるが、図11においては、その左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性環164および剛性環165を有する複合構造である。弾性環164は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環165は、剛体材料、例えば金属から形成されており、弾性環164を補強する。剛性環165の一部は、弾性環164に埋設されており、弾性環164に密着している。
弾性環164は、円筒部分164A、傾斜連結部分164B、環状部分164C、およびリップ172,174,176を有する。円筒部分164Aは、外輪8の端部8Aの内周面に締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。傾斜連結部分164Bは、円筒部分164Aの半径方向内側に配置されている。環状部分164Cは、円筒部分164Aと傾斜連結部分164Bを連結する。リップ172,174,176は、傾斜連結部分164Bからハブ軸受1のハブ4に向けて延びる。
環状部分164Cは、円環状であって、円筒部分164Aの一端からハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように、ハブ4の円筒部分の外周面4Aに向けて半径方向内側に向けて広がっている。また、環状部分164Cは、アウトボード側フランジ18のフランジ面4Bと対向する。この実施形態では、環状部分164Cのフランジ面4Bに対向する面164Eは、フランジ面4Bと平行である。
この実施形態では、傾斜連結部分164Bは、環状部分164Cから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。
リップ172,174,176の各々は、弾性材料のみから形成されており、傾斜連結部分164Bから延びる薄板状の円環であって、それぞれの先端はハブ4に接触する。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ172,174,176はハブ4に対して摺動する。
リップ172は、ラジアルリップであり、グリースリップであって、傾斜連結部分164Bの最も内側の縁部から延び、ハブ4の玉10の近傍の円筒部分に向けて延び、ラジアルリップ172の先端は円筒部分の外周面4Aに接触する。ラジアルリップ172は、半径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
リップ174,176は、傾斜連結部分164Bから側方(アウトボード側)、かつ半径方向外側に向けて延びる。リップ174は、アキシャルリップまたはサイドリップであって、ハブ4のフランジ面4Bに向けて延び、アキシャルリップ174の先端はフランジ面4Bまたは円弧面4Cに接触する。リップ176は、アキシャルリップまたは中間リップと呼ばれ、円弧面4Cに向けて延び、中間リップ176の先端は円弧面4Cに接触する。リップ174,176は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担うダストリップである。中間リップ176は、アキシャルリップ174をすり抜けて流入した異物を阻止するバックアップ機能を有する。
剛性環165は、円筒部分165A、環状部分165B、連結部分165C、および環状部分165Dを有する。円筒部分165Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられる。環状部分165Bは、円筒部分165Aの半径方向内側に配置され、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するよう配置されている。連結部分165Cは、円筒部分165Aと環状部分165Bを連結する。剛性環165が外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられると、円筒部分165Aは端部8Aにより、半径方向内側に圧縮されて弾性変形する。図11は、圧縮された状態の円筒部分165Aを示す。
剛性環165の円筒部分165Aと弾性環164の円筒部分164Aは、外輪8の端部8Aの内周面に嵌め入れられる取付け部166を構成する。剛性環165の連結部分165Cは、弾性環164の円筒部分164Aに密着し、環状部分165Bは、弾性環164の環状部分164Cに密着している。
環状部分165Dは、弾性環164の傾斜連結部分164Bに密着している。環状部分165Dは、屈曲した傾斜連結部分164Bの形状にほぼ相似する屈曲した形状を有する。
この実施形態においては、外輪8の端部8Aと、ハブ4のフランジ面4Bとの間には、環状の間隙180が設けられている。間隙180を通じて、密封装置20の環状部分164Cとフランジ面4Bの間の空間182(環状部分164Cの面164Eとフランジ面4Bとの間の空間)内に、異物が侵入することがある。逆に、空間182内の異物は、間隙180を通じて排出することができる。
この実施形態においては、ハブ4のアウトボード側フランジ18に、密封装置20の環状部分164Cに向けて突出する複数の水排出突起40が支持されている。これらの水排出突起40は、同形同大を有しており、円周方向に等角間隔をおいて並べられている。これらの水排出突起40は、空間182内に突出する。
この実施形態においては、複数の水排出突起40は、密封装置20のアウトボード側フランジ18に一体に取り付けられている。すなわち、水排出突起40は、アウトボード側フランジ18の部分である。したがって、水排出突起40は、アウトボード側フランジ18と同じ剛性材料、例えば金属材料から形成されている。
この実施形態の各水排出突起40は、第1の実施形態と同じく、ほぼ直方体の形状を有する(図5および図6参照)。より具体的には、各水排出突起40は、内側円弧面40Aと、外側円弧面40Bと、2つの側面40C,40Dとで画定されたほぼ矩形の輪郭を有する。図11に示すように、各水排出突起40の直方体の底面40Fは、フランジ面4Bと同一面であり、直方体の頂面40Eは、フランジ面4Bと平行である。
上記の通り、密封装置20の環状部分164Cとハブ4のアウトボード側フランジ18の間の空間182内には、異物(水およびダストを含む)が侵入することがありうる。しかし、空間182内には複数の水排出突起40が突出しており、ハブ4と外輪8の相対回転に伴って、空間182内の水は、回転する部材に支持された水排出突起40に跳ねられて、空間182からすみやかに排出される。このため、密封構造は、密封対象への水からの保護性能が高い。また、密封装置20についても、水(泥水または塩水を含む)の存在により加速する劣化が低減される。間隙180は環状であるため、空間182から水が間隙180の一部を介して流出する一方で、密封装置20の外側の空気が間隙180の他の一部を介して空間182の内部に流入する。空間182の内部に流入する空気は、空間182からの水の流出を促進する。また、空間182の内部が負圧になってリップ174,176が予期せぬ変形をするおそれが低減される。
第1の実施形態と同様に、各水排出突起40は、密封装置20の径方向に沿って延びる2つの側面40C,40Dを有する径方向に関して線対称形状を有し、第2のシール部材26の回転方向が図6の回転方向R1と回転方向R2のいずれであっても、同等の水の排出機能を発揮することができる。したがって、密封装置20は、自動車の左右の車輪の両方に使用することができ、しかも、自動車の前進時にも後退時にも、水排出突起40によって水を排出することができる。密封装置20を自動車に組み付ける際に、作業者は、密封装置がどちらの車輪のためのものなのかを注意する必要がない。
第1の実施形態と同様に、周方向長さ比(すなわち、円周方向における各水排出突起40の長さLに対する円周方向における水排出突起40の間隔G)が4.7以上、7.4以下である場合に、水の排出性能が顕著に高い。
適切な周方向長さ比を有する水排出突起40を持つ密封構造は、水排出突起40による水の排出性能が高いため、異物の侵入を阻止するアキシャルリップ174および中間リップ176は必ずしも設けなくてもよい。アキシャルリップ174および中間リップ176を設けない場合には、ハブ4の回転時に、アキシャルリップ174および中間リップ176がハブ4に摺動することに起因するトルクが発生しない。したがって、自動車のエネルギー効率を高めることができる。
但し、この実施形態では、異物の阻止の確実性を高めるため、アキシャルリップ174および中間リップ176が設けられている。この場合でも、水排出突起40による水の排出性能が高いため、ハブ4に対するアキシャルリップ174および中間リップ176の接触圧を高める必要がない。したがって、水の排出性能を高めながら、アキシャルリップ174および中間リップ176がハブ4に摺動することに起因するトルクを抑制または低減することができる。アキシャルリップ174および中間リップ176が設けられる場合、この実施形態のように、水排出突起40は、最も外側のアキシャルリップ174よりも間隙180の近くに配置されること(アキシャルリップ174と間隙180の間の位置に配置されること)が好ましい。換言すれば、水排出突起40は大気とつながる空間182内に突出することが好ましい。このように配置されていることによって、上記のように、密封装置20の外側の空気が間隙180を通じて、水排出突起40が配置された空間182の内部に流入することによって、空間182からの水の流出が促進される。
この実施形態では、図11に示すように、各水排出突起40は、アキシャルリップ174および中間リップ176と重ならない位置に配置されている。したがって、ハブ4が回転する際に、水排出突起40がアキシャルリップ174および中間リップ176に衝突したり摺動したりすることはなく、アキシャルリップ174および中間リップ176の過剰な摩耗が抑制される。
また、各水排出突起40は、密封装置20の円筒部分164Aおよび環状部分164Cとは、間隔をおいて配置されている。したがって、ハブ4が回転する際に、水排出突起40が密封装置20に衝突したり摺動したりすることはない。
この実施形態では、図11に示すように、ハブ4のフランジ面4Bは、密封装置20の環状部分164Cのフランジ面4Bに対向する面164Eと平行である。つまり、水排出突起40が形成されたフランジ面4Bは、水排出突起40の先方にある面164Eと平行である。換言すれば、複数の水排出突起40が配置された空間182を画定する2つの面が平行である。
この実施形態では、各水排出突起40は、直方体の形状を有し、直方体の底面40Fはフランジ面4Bと同一面であり、直方体の頂面40Eはフランジ面4Bと平行である。したがって、各水排出突起40が、例えば、底面から頂点に向けて細くなるテーパ形状である場合に比べて、水排出突起の断面積(密封装置20の径方向断面、すなわち図11の紙面での面積)を大きくすることが可能であり、水排出突起40によって水が排出される効率が良好である。
この実施形態では、各水排出突起40は、密封装置20の環状部分164Cとハブ4のアウトボード側フランジ18の間の空間182内に突出する。したがって、図11から明らかなように、複数の水排出突起40は、密封装置20の最大直径の範囲内に配置されている。このため、密封構造ひいてはハブ軸受1を大型化する必要はない。
この実施形態では、複数の水排出突起40は、アウトボード側フランジ18と同じ剛性材料、例えば金属材料から形成されている。したがって、水排出突起40は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
この実施形態では、複数の水排出突起40は、アウトボード側フランジ18に一体に取り付けられている。したがって、部品点数が削減されるので、この密封構造の組み立てが容易である。
水排出突起40を形成する手法は、例えば、型を用いたプレス加工または射出成形であってよく、この場合、アウトボード側フランジ18を形成すると同時に水排出突起40を形成してもよい。但し、アウトボード側フランジ18に水排出突起40を溶接、半田または接着で水排出突起40を接合してもよいし、アウトボード側フランジ18に対する切削加工で水排出突起40を形成してもよい。
第1の実施形態および第1の実施形態に関する上記の様々な変形例は、矛盾しない限り、単独または組み合わせて、第2の実施形態に取り入れてよい。例えば、図11の実施形態の水排出突起40は、アウトボード側フランジ18に直接ではなく、アウトボード側フランジ18に取り付けられた弾性環(図示せず)に一体に取り付けられてもよい。この場合、水排出突起40は、弾性材料、例えばエラストマー材料から形成されてもよい。
中間リップ176を排除してもよいし、中間リップ176を含むアキシャルリップの数は3以上でもよい。
図9に示す変形例と同様に、アウトボード側フランジ18に重ねられた円環板44に、各水排出突起40を一体に取り付けてもよい。円環板44ひいては水排出突起40は金属材料から形成してもよい。但し、円環板44ひいては水排出突起40は、例えば、金属粉を含有する樹脂材料、セラミックス粉を含有する樹脂材料、金属粉とセラミックス粉の両方を含有する樹脂材料、金属粉を含有するエラストマー材料、セラミックス粉を含有するエラストマー材料、または金属粉とセラミックス粉の両方を含有するエラストマー材料から形成してもよい。これらの材料は、金属粉とセラミックス粉の少なくとも一方を含有するため、通常の樹脂材料またはエラストマー材料よりも硬度が高く、異物による損傷を受けにくい。いずれの場合にせよ、水排出突起40は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。但し、円環板44ひいては水排出突起40は、金属粉もセラミックス粉も含有しない樹脂材料またはエラストマー材料から形成してもよい。水排出突起40を形成する手法は、例えば、型を用いたプレス加工または射出成形であってよく、この場合、円環板44を形成すると同時に水排出突起40を形成してもよい。但し、円環板44に水排出突起40を溶接、半田または接着で水排出突起40を接合してもよいし、円環板44に対する切削加工で水排出突起40を形成してもよい。円環板44は、アウトボード側フランジ18と分離が容易な別個の部材でもよいし、アウトボード側フランジ18に接合してもよい。
第2の実施形態において、密封装置20の全体が外輪8の端部8Aの内側に配置されているが、密封装置20の一部が端部8Aの外側に配置されてもよい。例えば、剛性環165の円筒部分165Aを端部8Aの外側に配置してもよい。この場合には、好ましくは、剛性環165の円筒部分165Aに、端部8Aが締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
図12は、第2の実施形態の変形例に係る密封構造を示す。この変形例においては、不可欠ではないが、ハブ4の周囲には、ハブ4とともに回転する回転シール部材167が固定されている。回転シール部材167は、剛性材料、例えば金属から形成されている。密封装置20と回転シール部材167は環状であるが、図12においては、それらの左側部分のみが示されている。
密封装置20は、弾性環168および剛性環169を有する複合構造である。弾性環168は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環169は、剛体材料、例えば金属から形成されており、弾性環168を補強する。
剛性環169の一部は、弾性環168に埋設されており、弾性環168に密着している。剛性環169の断面U字形の部分は、外輪8の端部8Aの内周面に締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
弾性環168は、環状部分168A、傾斜連結部分168B、およびリップ172,174を有する。環状部分168Aは、円環状であって、外輪8の端部8Aの端面に接触させられており、ハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように、ハブ4の円筒部分の外周面4Aに向けて半径方向内側に向けて広がっている。また、環状部分168Aは、アウトボード側フランジ18のフランジ面4Bと対向する。
傾斜連結部分168Bは、環状部分168Aの半径方向内側に配置されている。この変形例では、傾斜連結部分168Bは、環状部分168Aから半径方向内側かつインボード側に向けて斜めに延び、屈曲して、さらにハブ軸受1の中心軸線Axに対して直交するように半径方向内側に向けて延びている。
リップ172,174は、傾斜連結部分168Bからハブ軸受1のハブ4に向けて延びる。リップ172,174の各々は、弾性材料のみから形成されており、傾斜連結部分168Bから延びる薄板状の円環であって、それぞれの先端は回転シール部材167に接触する。密封装置20が固定された外輪8に取り付けられている一方、ハブ4は回転するので、リップ172,174はハブ4に固定された回転シール部材167に対して摺動する。リップ172は、ラジアルリップすなわちグリースリップであって、半径方向内側かつインボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。リップ174は、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担うダストリップである。
この変形例においては、外輪8の端部8Aと、ハブ4のフランジ面4Bとの間には、環状の間隙180が設けられている。間隙180を通じて、密封装置20の環状部分168Aとフランジ面4Bの間の空間182(この変形例では、環状部分168Aと回転シール部材167の間の空間)内に、異物が侵入することがある。逆に、空間182内の異物は、間隙180を通じて排出することができる。
この変形例においては、ハブ4のアウトボード側フランジ18に、密封装置20の環状部分168Aに向けて突出する複数の水排出突起40が支持されている。これらの水排出突起40は、同形同大を有しており、円周方向に等角間隔をおいて並べられている。これらの水排出突起40は、空間182内に突出する。
この変形例においては、複数の水排出突起40は、アウトボード側フランジ18に取り付けられた弾性環186に一体に取り付けられている。水排出突起40および弾性環186は、弾性材料、例えばエラストマー材料から形成されている。水排出突起40および弾性環186は、樹脂材料、エラストマー材料、金属粉とセラミックス粉の少なくとも一方を含有する樹脂材料、または金属粉とセラミックス粉の少なくとも一方を含有するエラストマー材料から形成されてもよい。水排出突起40および弾性環186が金属粉とセラミックス粉の少なくとも一方を含有する場合には、水排出突起40および弾性環186は、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
弾性環186は、回転シール部材167の外側端縁を覆い、さらに回転シール部材167のフランジ面4B側の面の一部を覆う。弾性環186のこの部分には、環状シール突起188が形成されている。環状シール突起188は、回転シール部材167とフランジ面4Bに挟まれ、水がフランジ面4Bに接触することを防止または低減する。これにより、ハブ4の錆の発生が抑制される。
この変形例の各水排出突起40の基本形状および配置は、第2の実施形態の水排出突起40と同じでよい。水排出突起40の底面40Fは、弾性環186の表面と同一面であり、頂面40Eは、フランジ面4Bと平行である。但し、この変形例の各水排出突起40は、頂面40Eと外側円弧面40Bを連結する湾曲面40Gを有する。湾曲面40Gは、径方向内側に向かうほど、フランジ面4Bから遠ざかるよう円弧状に湾曲している。
密封装置20は、環状の外側ラビリンスリップ192を有する。外側ラビリンスリップ192は、弾性環168の環状部分168Aからハブ4のアウトボード側フランジ18に向けて突出するが、ハブ4にも回転シール部材167にも接触しない。外側ラビリンスリップ192は、複数の水排出突起40に径方向において揃えられ、複数の水排出突起40よりも径方向外側に配置されている。
外側ラビリンスリップ192は、径方向内側に向かうほど、フランジ面4Bから遠ざかる湾曲面192Aを有する。各水排出突起40の湾曲面40Gは外側ラビリンスリップ192の湾曲面192Aに対向し、湾曲面192Aにほぼ並行に形成されている。湾曲面192Aは、湾曲面40Gを有する水排出突起40が回転可能な狭い空間182を画定する。水排出突起40の湾曲面40Gの代わりに、径方向内側に向かうほど、フランジ面4Bから遠ざかるよう傾斜する傾斜面を設けてもよい。この場合、外側ラビリンスリップ192には、フランジ面4Bから遠ざかるよう傾斜し、水排出突起40の傾斜面にほぼ並行な傾斜面を設けてもよい。
上記の通り、密封装置20の環状部分168Aとハブ4のアウトボード側フランジ18の間の空間182内には、異物(水およびダストを含む)が侵入することがありうる。しかし、空間182内には複数の水排出突起40が突出しており、ハブ4と外輪8の相対回転に伴って、空間182内の水は、回転する部材に支持された水排出突起40に跳ねられて、空間182からすみやかに排出される。このため、密封構造は、密封対象への水からの保護性能が高い。また、密封装置20についても、水(泥水または塩水を含む)の存在により加速する劣化が低減される。間隙180は環状であるため、空間182から水が間隙180の一部を介して流出する一方で、密封装置20の外側の空気が間隙180の他の一部を介して空間182の内部に流入する。空間182の内部に流入する空気は、空間182からの水の流出を促進する。また、空間182の内部が負圧になってリップ174,176が予期せぬ変形をするおそれが低減される。
この変形例では、ハブ4の周囲に回転シール部材167が固定されているが、回転シール部材167を排除し、リップ172,174がハブ4に接触するようにしてもよい。この場合、複数の水排出突起65は、密封装置20のアウトボード側フランジ18に直接的に一体に取り付けられてもよい。この場合、水排出突起65は、アウトボード側フランジ18と同じ剛性材料、例えば金属材料から形成されてもよい。
他の変形例
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
例えば、上記の実施形態においては、内側部材であるハブ4および内輪6が回転部材であり、外側部材である外輪8が静止部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が静止し、外側部材が回転してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。この場合、水排出突起40は、回転する部材に支持される。
本発明の用途は、ハブ軸受1の密封に限定されない。例えば、自動車の差動歯車機構またはその他の動力伝達機構、自動車の駆動シャフトの軸受またはその他の支持機構、ポンプの回転軸の軸受またはその他の支持機構などにも本発明に係る密封装置または密封構造を使用することができる。
第1の実施形態の密封装置21の剛性環30は、単一の部品であるが、剛性環30を径方向に互いに分離した複数の剛性環に置換してもよい。第2の実施形態の密封装置20の剛性環165は、単一の部品であるが、剛性環165を径方向に互いに分離した複数の剛性環に置換してもよい。
水排出突起40の頂面40Eは平坦面であるが、平坦面でなくてもよい。
本発明の態様は、下記の番号付けされた条項にも記載される。
条項1. 相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、
前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する、第2のシール部材とを備え、
前記第1のシール部材および前記第2のシール部材のうち回転するシール部材には、複数の水排出突起が支持されており、前記複数の水排出突起は、前記第1のシール部材の前記環状部分と前記第2のシール部材の前記フランジ部分の間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられており、
各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有しており、
円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である
ことを特徴とする密封装置。
条項2. 前記複数の水排出突起が突出する前記空間は、大気とつながっている
ことを特徴とする条項1に記載の密封装置。
この条項によれば、空間の内部に流入する空気が、空間からの水の流出を促進する。
条項3. 円筒部分と、前記円筒部分から径方向外側に広がるフランジとを有する内側部材と、
前記内側部材に対して相対的に回転する外側部材と、
前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材の前記円筒部分に向けて径方向内側に広がっており前記内側部材の前記フランジと対向する、シール部材と
を備え、
前記内側部材および前記シール部材のうち回転する部材には、複数の水排出突起が支持されており、前記複数の水排出突起は、前記シール部材の前記環状部分と前記内側部材の前記フランジの間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられており、
各水排出突起は、前記シール部材の径方向に沿って延びる2つの側面を有しており、
円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である
ことを特徴とする密封構造。
条項4. 前記複数の水排出突起が突出する前記空間は、大気とつながっている
ことを特徴とする条項3に記載の密封構造。
この条項によれば、空間の内部に流入する空気が、空間からの水の流出を促進する。
1 ハブ軸受
4 ハブ(内側部材)
4A 円筒部分の外周面
4B フランジ面
4C 円弧面
6 内輪(内側部材)
8 外輪(外側部材)
18 アウトボード側フランジ
20 密封装置(シール部材)
21 密封装置
24 第1のシール部材
24A 円筒部分
24B 環状部分
24C グリースリップ
24D ダストリップ
26 第2のシール部材
34 剛性環
34A スリーブ部分
34B フランジ部分
36 間隙
40 水排出突起
42 空間
164 弾性環
164A 円筒部分
164B 傾斜連結部分
164C 環状部分
164E 面
165 剛性環
165A 円筒部分
165B 環状部分
165C 連結部分
165D 環状部分
166 取付け部
172 ラジアルリップ
174 アキシャルリップ
176 中間リップ
180 間隙
182 空間
168 弾性環
169 剛性環
168A 環状部分
168B 傾斜連結部分
186 弾性環

Claims (2)

  1. 相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、
    前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する、第2のシール部材とを備え、
    前記第1のシール部材および前記第2のシール部材のうち回転するシール部材には、複数の水排出突起が支持されており、前記複数の水排出突起は、前記第1のシール部材の前記環状部分と前記第2のシール部材の前記フランジ部分の間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられており、
    各水排出突起は、密封装置の径方向に沿って延びる2つの側面を有しており、
    円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 円筒部分と、前記円筒部分から径方向外側に広がるフランジとを有する内側部材と、
    前記内側部材に対して相対的に回転する外側部材と、
    前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材の前記円筒部分に向けて径方向内側に広がっており前記内側部材の前記フランジと対向する、シール部材と
    を備え、
    前記内側部材および前記シール部材のうち回転する部材には、複数の水排出突起が支持されており、前記複数の水排出突起は、前記シール部材の前記環状部分と前記内側部材の前記フランジの間に位置する空間内に突出し、円周方向に並べられており、
    各水排出突起は、前記シール部材の径方向に沿って延びる2つの側面を有しており、
    円周方向における各水排出突起の長さに対する円周方向における前記水排出突起の間隔が4.7以上、7.4以下である
    ことを特徴とする密封構造。
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