JP2020133739A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】異物に対する封止性能が高く、回転部材に与えるトルクが小さく、水の排出性能が高く、密封対象への水からの保護性能が高い密封装置を提供する。【解決手段】相対的に回転する内側部材と外側部材との間の間隙を封止する密封装置は、外側部材に取り付けられる第1のシール部材と、内側部材に取り付けられる第2のシール部材を備える。第2のシール部材は、複数の水排出突起を有し、水排出突起は、第1のシール部材の環状部分に向けて突出し、円周方向に並べられている。第2のシール部材は、周方向に連続する円周突起を有し、円周突起は、第1のシール部材の環状部分に向けて突出し、水排出突起より径方向外側にある。第1のシール部材は、周方向に連続する環状のラビリンスリップを有し、ラビリンスリップは、第2のシール部材のフランジ部分に向けて突出し、第2のシール部材に接触せず、水排出突起と円周突起の間の間隙内に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、密封装置に関する。
例えば玉軸受のような転がり軸受は周知であり、例えば自動車のハブに使用されている。転がり軸受の内部を密封する密封装置としては、特許文献1に記載されたものがある。この密封装置は、転がり軸受の外輪に圧入される取付環と、取付環に一体に設けられたシールリングと、内輪に装着されるスリンガを有し、シールリングに形成された複数のリップがスリンガに接触する。複数のリップは、軸受内部の潤滑剤(グリース)を密封する機能と、外部から水やダスト等の異物が軸受内部へ侵入しないように封止する機能を有する。
特開2005−331002号公報
この種の密封装置は、異物に対する高い封止性能が要求される一方、回転軸に与えるトルクの低減が要求される。
また、この種の密封装置については、水(泥水または塩水を含む)の多い環境で使用される場合には、水が密封対象(例えば軸受)の内部に侵入しないように保護する機能を高めることが要求される。また、たとえ水が密封装置に侵入しても、すみやかに水を排出することができるのが望ましい。
そこで、本発明は、異物に対する封止性能が高く、回転部材に与えるトルクが小さく、水の排出性能が高く、密封対象への水からの保護性能が高い密封装置を提供する。
本発明のある態様に係る密封装置は、相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する第2のシール部材とを備える。前記第2のシール部材は、複数の水排出突起を有しており、前記複数の水排出突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、互いに間隔をおいて円周方向に並べられている。前記第2のシール部材は、周方向に連続する円周突起を有しており、前記円周突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、前記水排出突起より径方向外側に配置されている。前記第1のシール部材は、周方向に連続する環状のラビリンスリップを有しており、前記ラビリンスリップは、前記環状部分から前記第2のシール部材の前記フランジ部分に向けて突出し、前記第2のシール部材に接触せず、前記第2のシール部材の前記複数の水排出突起と前記円周突起の間の間隙内に配置されている。
この密封装置において、第1のシール部材の環状部分と第2のシール部材のフランジ部分の間の空間内には、水が侵入することがありうる。しかし、この空間内には複数の水排出突起が突出しており、内側部材と外側部材の相対回転に伴って、空間内の水は、水排出突起に沿って流れて空間からすみやかに排出される。このため、密封装置は、密封対象への水からの保護性能が高い。また、複数の水排出突起の径方向外側には円周突起が配置され、複数の水排出突起と前記円周突起の間の間隙内にはラビリンスリップが配置されており、円周突起とラビリンスリップが外部からの異物の侵入を阻害する。すなわち、円周突起とラビリンスリップと水排出突起が径方向において重なるため、外部からの異物の侵入経路が複雑になり、異物に対する封止性能を高める。円周突起とラビリンスリップと水排出突起のいずれかで堰き止められた異物は、内側部材と外側部材の相対回転に起因する遠心力によって、水排出突起に沿って排出される。第1のシール部材に設けられたラビリンスリップは、第2のシール部材には接触しない。このため、回転部材(すなわち内側部材と外側部材の少なくとも一方)に与えるトルクが小さい。
本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例の部分断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る密封装置の部分断面図である。 第1の実施形態に係る密封装置の第2のシール部材の正面図である。 図3のIV-IV線矢視断面に相当する密封装置の部分断面図である。 第1の実施形態に係る密封装置の第2のシール部材の斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る密封装置の部分断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。図面の縮尺は必ずしも正確ではなく、一部の特徴は誇張または省略されることもある。
図1は、本発明の実施形態に係る密封装置が使用される転がり軸受の一例である自動車用のハブ軸受を示す。但し、本発明の用途はハブ軸受には限定されず、他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、以下の説明では、ハブ軸受は、玉軸受であるが、本発明の用途は玉軸受には限定されず、他の種類の転動体を有する、ころ軸受、針軸受などの他の転がり軸受にも本発明は適用可能である。また、自動車以外の機械に使用される転がり軸受にも本発明は適用可能である。
このハブ軸受1は、スピンドル(図示せず)が内部に挿入される孔2を有するハブ(内側部材)4と、ハブ4に取り付けられた内輪(内側部材)6と、これらの外側に配置された外輪(外側部材)8と、ハブ4と外輪8の間に1列に配置された複数の玉10と、内輪6と外輪8の間に1列に配置された複数の玉12と、これらの玉を定位置に保持する複数の保持器14,15とを有する。
外輪8が固定されている一方で、ハブ4および内輪6は、スピンドルの回転に伴って回転する。
スピンドルおよびハブ軸受1の共通の中心軸線Axは、図1の上下方向に延びている。図1においては、中心軸線Axに対する左側部分のみが示されている。詳細には図示しないが、図1の上側は自動車の車輪が配置される外側(アウトボード側)であり、下側は差動歯車などが配置される内側(インボード側)である。図1に示した外側、内側は、それぞれ径方向の外側、内側を意味する。
ハブ軸受1の外輪8は、ハブナックル16に固定される。ハブ4は、外輪8よりも半径方向外側に張り出したアウトボード側フランジ18を有する。アウトボード側フランジ18には、ハブボルト19によって、車輪を取り付けることができる。
外輪8のアウトボード側の端部の付近には、外輪8とハブ4との間の間隙を封止する密封装置20が配置されており、外輪8のインボード側の端部の内側には、外輪8と内輪6との間の間隙を封止する密封装置21が配置されている。これらの密封装置20,21の作用により、ハブ軸受1の内部からのグリース、すなわち潤滑剤の流出が防止されるとともに、外部からハブ軸受1の内部への異物(水(泥水または塩水を含む)およびダストを含む)の流入が防止される。図1において、矢印Fは、外部からの異物の流れの方向の例を示す。
密封装置20は、ハブ軸受1の回転するハブ4と、固定された外輪8のアウトボード側の円筒状の端部8Aとの間に配置され、ハブ4と外輪8との間の間隙を封止する。密封装置21は、ハブ軸受1の回転する内輪6と固定された外輪8のインボード側の端部8Bとの間に配置され、内輪6と外輪8との間の間隙を封止する。
第1の実施形態
図2に示すように、密封装置21は、ハブ軸受1の外輪8のインボード側の端部8Bと、ハブ軸受1の内輪6との間隙内に配置される。密封装置21は環状であるが、図2においては、その左側部分のみが示されている。図2から明らかなように、密封装置22は、第1のシール部材24と第2のシール部材26を備える複合構造を有する。
第1のシール部材24は、外輪8に取り付けられ、回転しない固定シール部材である。第1のシール部材24は、弾性環28および剛性環30を有する複合構造である。弾性環28は、弾性材料、例えばエラストマーで形成されている。剛性環30は、剛性材料、例えば金属から形成されており、弾性環28を補強する。剛性環30は、ほぼL字形の断面形状を有する。剛性環30の一部は、弾性環28に埋設されており、弾性環28に密着している。
第1のシール部材24は、円筒部分24A、環状部分24B、およびラジアルリップ24C,24Dを有する。円筒部分24Aは、外輪8に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、円筒部分24Aは、外輪8の端部8Bに締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。環状部分24Bは、円環状であって、円筒部分24Aの径方向内側に配置され、内輪6に向けて径方向内側に広がる。円筒部分24Aと環状部分24Bは、剛性環30と弾性環28から構成されている。
ラジアルリップ24C,24Dは、環状部分24Bの内側端から第2のシール部材26に向けて延び、ラジアルリップ24C,24Dの先端は第2のシール部材26に接触する。ラジアルリップ24C,24Dは、弾性環28から構成されている。
第2のシール部材26は、スリンガーすなわち回転シール部材とも呼ぶことができる。第2のシール部材26は、内輪6に取り付けられており、内輪6の回転時に、第2のシール部材26は内輪6とともに回転し、外部から飛散して来る異物を跳ね飛ばす。
この実施形態では、第2のシール部材26も、弾性環32および剛性環34を有する複合構造である。剛性環34は、剛性材料、例えば金属から形成されている。
剛性環34は、ほぼL字形の断面形状を有する。具体的には、円筒状のスリーブ部分34Aと、スリーブ部分34Aから径方向外側に広がる円環状のフランジ部分34Bを備える。スリーブ部分34Aは、内輪6に取り付けられる取付け部を構成する。具体的には、スリーブ部分34Aには、内輪6の端部が締まり嵌め方式で嵌め入れられる(すなわち圧入される)。
フランジ部分34Bは、スリーブ部分34Aの径方向外側に配置され、径方向外側に広がっており、第1のシール部材24の環状部分24Bと対向する。この実施形態では、フランジ部分34Bは平板であり、スリーブ部分34Aの軸線に対して垂直な平面内にある。
弾性環32は、剛性環34のフランジ部分34Bに密着している。この実施形態では、弾性環32は、内輪6の回転速度を計測するために設けられている。具体的には、弾性環32は、磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料で形成されており、磁性金属粉によって多数のS極とN極を有する。弾性環32においては、円周方向に等角間隔をおいて多数のS極とN極が交互に配置されている。図示しない磁気式ロータリーエンコーダーによって、弾性環32の回転角度を測定することができる。弾性環32の材料は、金属粉を含有するため、通常のエラストマー材料よりも硬度が高く、異物による損傷を受けにくい。
第1のシール部材24のラジアルリップ24Cは、環状部分24Bの内側端から半径方向内側に延びるグリースリップである。グリースリップ24Cは、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに向けて延び、グリースリップ24Cの先端は、スリーブ部分34Aに接触する。グリースリップ24Cは、半径方向内側かつアウトボード側に向けて延び、主にハブ軸受1の内部からの潤滑剤の流出を阻止する役割を担う。
ラジアルリップ24Dは、環状部分24Bの内側端から側方に延びるダストリップである。ダストリップ24Dは、半径方向外側かつインボード側に向けて延びる。ダストリップ24Dも、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに向けて延び、ダストリップ24Dの先端は、スリーブ部分34Aに接触する。ダストリップ24Dは、主に外部からハブ軸受1の内部への異物の流入を阻止する役割を担う。
第1のシール部材24が固定された外輪8に取り付けられている一方、内輪6および第2のシール部材26は回転するので、ラジアルリップ24C,24Dの各々は第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに対して摺動する。
第1のシール部材24の円筒部分24Aのインボード側の先端と、第2のシール部材26の外端縁との間には、環状の間隙36が設けられている。間隙36を通じて、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間38内に、異物が侵入することがある。逆に、空間38内の異物は、間隙36を通じて排出することができる。
図3は第2のシール部材26の正面図であり、図4は図3のIV-IV線矢視断面に相当する密封装置21の部分断面図である。図2は、図3のII-II線に沿って見た密封装置21の断面図である。図5は第2のシール部材26の斜視図である。
図2から図5に示すように、第2のシール部材26は、フランジ部分34Bから第1のシール部材24の環状部分24Bに向けて突出する複数の水排出突起40を有する。これらの水排出突起40は、同形同大を有しており、円周方向に互いに等角間隔をおいて並べられている。図2に示すように、これらの水排出突起40は、フランジ部分34Bに支持されており、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間38内に突出する。
この実施形態においては、複数の水排出突起40は、フランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cを覆う弾性環32の部分に一体に取り付けられている。すなわち、水排出突起40は、弾性環32の部分である。したがって、水排出突起40は、弾性環32と同じ材料、すなわち磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料から形成されている。但し、水排出突起40は、剛性材料から形成されてもよく、この場合には、フランジ部分34Bに一体に成形されてもよい。
この実施形態においては、図3に示すように、各水排出突起40は、第2のシール部材26の軸線方向に沿って見た場合、ほぼ四角形、具体的にはほぼ平行四辺形の輪郭を有する。より具体的には、図3に示すように、各水排出突起40は、第2のシール部材26の周方向および径方向に対して傾斜した2つの側面40A,40Bを有する。各水排出突起40の側面40A,40Bは互いにほぼ平行である。
図3において、矢印R1は、ハブ軸受1が設けられた自動車の前進時の第2のシール部材26の回転方向(内輪6の回転方向)を示す。水排出突起40の側面40Aは、回転方向R1に対して鋭角をもって交差し、側面40Bは、回転方向R1に対して鈍角をもって交差する。
但し、変形例として、図3の円A内に示すように、各水排出突起40は、第2のシール部材26の径方向に沿って(周方向に対して垂直に)延びる2つの側面40A,40Bを有していてもよい。図3の円Aは、仮想線の円で囲んだ領域に相当する。この場合、各水排出突起40の傾斜側面40A,40Bの間隔は、第2のシール部材26の径方向内側ほど小さくなる。
あるいは、他の変形例として、図3の円B内に示すように、各水排出突起40は、第2のシール部材26の軸線方向に沿って見た場合、ほぼ台形の輪郭を有してもよい。図3の円Bは、仮想線の円で囲んだ領域に相当する。この場合、各水排出突起40の傾斜側面40A,40Bの間隔は、第2のシール部材26の径方向外側ほど小さくなる。図示しないが、各水排出突起40は、第2のシール部材26の軸線方向に沿って見た場合、ほぼ二等辺三角形の輪郭を有してもよい。
図2および図4に示すように、各水排出突起40は、第2のシール部材26の側方から見た場合、フランジ部分34Bから先端に向けて先細となる断面形状を有し、傾斜または湾曲した外周面40Cを有する。外周面40Cは、第1のシール部材24の環状部分24Bから離れるほど径方向外側に位置するよう傾斜または湾曲している。
第2のシール部材26は、周方向に連続する円周突起42をさらに有する。円周突起42は、フランジ部分34Bから第1のシール部材24の環状部分24Bに向けて突出する。円周突起42は、水排出突起40より径方向外側に配置されている。この実施形態では、円周突起42は第2のシール部材26の最外端縁に設けられている。
この実施形態においては、円周突起42は、フランジ部分34Bの環状部分24Bに対向する面34Cを覆う弾性環32の部分に一体に取り付けられている。すなわち、円周突起42は、弾性環32の部分である。したがって、円周突起42は、弾性環32と同じ材料、すなわち磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料から形成されている。但し、円周突起42は、剛性材料から形成されてもよく、この場合には、フランジ部分34Bに一体に成形されてもよい。
円周突起42は、フランジ部分34Bから先端に向けて先細となる断面形状を有する。具体的には、この実施形態では、円周突起42の内周面は、フランジ部分34Bから離れるほど大きい直径を有し、円周突起42の外周面は、フランジ部分34Bから離れるほど小さい直径を有する。
他方、水排出突起40および円周突起42が対向する第1のシール部材24の環状部分24Bは、概略的には(後述するラビリンスリップ46を除いて)、インボード側に向かうほど、径方向外側に位置して、円筒部分24Aの内周面に到達する面を有する。より詳細には、環状部分24Bは、第2のシール部材26のフランジ部分34Bに向かうほど、径方向外側に位置するよう傾斜または湾曲しているほぼ円錐台状の内周面44を有する。内周面44には、複数の水排出突起40の外周面40Cが対向し、内周面44と外周面40Cの間には狭い間隙が設けられている。
第1のシール部材24は、周方向に連続する環状のラビリンスリップ46をさらに有する。ラビリンスリップ46は、環状部分24Bから第2のシール部材26のフランジ部分34Bに向けて突出し、第2のシール部材26に接触せず、第2のシール部材26の複数の水排出突起40と円周突起42の間の間隙内に配置されている。
ラビリンスリップ46は、環状部分24Bから径方向外側に向けて斜めに突出する円錐台形状を有する。ラビリンスリップ46の内周面は、内周面44と面一であって(すなわち内周面44と滑らかに連なっており)、フランジ部分34Bに向かうほど、径方向外側に位置するよう傾斜している。ラビリンスリップ46の外周面も、フランジ部分34Bに向かうほど、径方向外側に位置するよう傾斜している。
第1のシール部材24の円筒部分24Aは、第2のシール部材26のフランジ部分34Bと円周突起42の径方向外側に配置されている。円筒部分24Aの内周面の少なくとも一部は、インボード側ほど直径が大きくなるよう傾斜しており、この部分と第2のシール部材26の円周突起42の間に、ほぼ一様な間隔を持つ傾斜間隙48が設けられている。傾斜間隙48は、環状部分24Bから離れるほど径方向外側に位置するよう傾斜している。
図2および図4に示すように、第1のシール部材24の水排出突起40および円周突起42は、第2のシール部材26に接触せず、第2のシール部材26のラビリンスリップ46は、第1のシール部材24に接触しない。したがって、これらは、第2のシール部材26ひいては内輪6に与えられるトルクの上昇要因にならない。また、水排出突起40および円周突起42は、第2のシール部材26に衝突することがなく、ラビリンスリップ46は、第1のシール部材24に衝突することがない。
上記の通り、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bを覆う弾性環32の間の空間38(図2参照)内には、異物(水およびダストを含む)が侵入することがありうる。しかし、空間38内には複数の水排出突起40が突出しており、内輪6と外輪8の相対回転に伴って、空間38内の水は、水排出突起40に沿って流れて空間38から傾斜間隙48と間隙36を通じてすみやかに排出される。このため、密封装置21は、密封対象であるハブ軸受1への水からの保護性能が高い。密封装置21自体についても、水(泥水または塩水を含む)の存在により加速する劣化が低減される。傾斜間隙48と間隙36は環状であるため、空間38から水が傾斜間隙48と間隙36の一部を介して流出する一方で、密封装置21の外側の空気が傾斜間隙48と間隙36の他の一部を介して空間38の内部に流入する。空間38の内部に流入する空気は、空間38からの水の流出を促進するとともに、空間38の内部が負圧になることを防止してリップ24C,24Dが予期せぬ変形をするおそれを低減する。
複数の水排出突起40の径方向外側には円周突起42が配置され、複数の水排出突起40と円周突起42の間の間隙内にはラビリンスリップ46が配置されており、円周突起42とラビリンスリップ46が外部からの異物の侵入を阻害する。すなわち、円周突起42とラビリンスリップ46と水排出突起40が径方向において重なるため、外部からの異物の侵入経路が複雑になり、異物に対する封止性能を高める。円周突起42とラビリンスリップ46と水排出突起40のいずれかで堰き止められた異物は、内輪6と外輪8の相対回転に起因する遠心力によって、水排出突起40に沿って傾斜間隙48と間隙36を通じて排出される。
第1のシール部材24には、ラジアルリップ24C,24Dが設けられていることにより、異物の阻止の確実性を高めることができる。上記のように、密封装置21は、水排出突起40による異物の排出性能が高いため、第2のシール部材26のスリーブ部分34Aに対するラジアルリップ24C,24Dの接触圧を高める必要がない。したがって、水の排出性能を高めながら、ラジアルリップ24C,24Dが第2のシール部材26に摺動することに起因するトルクを抑制または低減することができる。
上記のように、密封装置21は、水排出突起40による異物の排出性能が高いため、第1のシール部材24は、第2のシール部材26のフランジ部分34Bに接触する部分、例えば、異物の侵入を阻止するためのアキシャルリップを有しない。このため、第1のシール部材24の部分が第2のシール部材26に摺動することに起因するトルクを排除することができる。したがって、自動車のエネルギー効率を高めることができる。
上記のように、第1のシール部材24の環状部分24Bの内周面44は、円錐台状であり、内周面44の延長線上のラビリンスリップ46は、環状部分24Bから径方向外側に向けて斜めに突出する円錐台形状を有する。したがって、内輪6と外輪8の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、環状部分24Bの内周面44に沿って移動し、内周面44に滑らかに連なるラビリンスリップ46の内周面に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、環状部分24Bの内周面44に沿って移動し、内周面44に滑らかに連なるラビリンスリップ46の内周面に沿ってすみやかに排出される(図2および図4を反時計方向に90度回転させれば、この効果は明確に理解できよう)。
また、円周突起42は、フランジ部分34Bから先端に向けて先細となる断面形状を有する。したがって、内輪6と外輪8の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、先細な円周突起42に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、先細な円周突起42に沿ってすみやかに排出される(図2および図4を反時計方向に90度回転させれば、この効果は明確に理解できよう)。
さらに、第1のシール部材24の円筒部分24Aと第2のシール部材26の円周突起42の間に、傾斜間隙48が設けられ、傾斜間隙48は、環状部分24Bから離れるほど径方向外側に位置するよう傾斜している。したがって、内輪6と外輪8の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、傾斜間隙48に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、傾斜間隙48に沿ってすみやかに排出される(図2および図4を反時計方向に90度回転させれば、この効果は明確に理解できよう)。
この実施形態では、図3に示すように、内輪6の回転方向での各水排出突起40の長さは、第1のシール部材24と第2のシール部材26の径方向での各水排出突起40の長さより大きい。したがって、水排出突起40に硬い異物が衝突して水排出突起40が損傷したり、水流によって水排出突起40が摩耗したりしても、水排出突起40全体が短期間で消滅することがない。すなわち、水排出突起40は長い寿命を有する。
この実施形態では、各水排出突起40は、第1のシール部材24の環状部分24Bと第2のシール部材26のフランジ部分34Bの間の空間38内に突出する。したがって、図2および図4から明らかなように、複数の水排出突起40は、第1のシール部材24の最大直径の範囲内に配置されている。このため、密封装置21ひいてはハブ軸受1を大型化する必要はない。
この実施形態では、水排出突起40および円周突起42は、弾性環32と同じ材料、すなわち磁性金属粉およびセラミックス粉を含有するエラストマー材料から形成されている。水排出突起40は、金属粉およびセラミックス粉を含有するので、硬い異物の衝撃への耐久性が高く、耐摩耗性が高い。
この実施形態では、水排出突起40および円周突起42は、第2のシール部材26の剛性環34のフランジ部分34Bを覆う弾性環32に一体に取り付けられている。したがって、部品点数が削減されるので、密封装置21の組み立てが容易である。
水排出突起40および円周突起42を形成する手法は、例えば、型を用いたプレス加工または射出成形であってよく、この場合、弾性環32を形成すると同時に水排出突起40および円周突起42を形成してもよい。但し、フランジ部分34Bに水排出突起40および円周突起42を接着で接合してもよいし、弾性環32に対する切削加工で水排出突起40および円周突起42を形成してもよい。
第2の実施形態
図6は、本発明の第2の実施形態に係る密封装置21を示す部分断面図である。図6において、すでに説明した構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
この実施形態においては、第1のシール部材24は、環状の第2のラビリンスリップ50をさらに有する。第2のラビリンスリップ50は、環状部分24Bから第2のシール部材26のフランジ部分34Bに向けて突出するが、第2のシール部材26に接触しない。第2のラビリンスリップ50は、弾性環28から構成されている。第2のラビリンスリップ50は、複数の水排出突起40に径方向において重なり、複数の水排出突起40よりも径方向内側に配置されている。
第2のラビリンスリップ50は、複数の水排出突起40に径方向において重なるため、外部からの異物の侵入経路がさらに複雑になり、異物に対する封止性能を高める。第2のラビリンスリップ50は、第1のシール部材24に設けられ、第2のシール部材26には接触しない。このため、第2のラビリンスリップ50は、第2のシール部材26ひいては内輪6に与えられるトルクの上昇要因にならない。第2のラビリンスリップ50は、複数の水排出突起40よりも径方向内側に配置されており、第2のラビリンスリップ50で堰き止められた異物は、内輪6と外輪8の相対回転に伴って、水排出突起40の傾斜側面に沿って空間42から排出される。
他の変形例
以上、本発明の好ましい実施形態を参照しながら本発明を図示して説明したが、当業者にとって特許請求の範囲に記載された発明の範囲から逸脱することなく、形式および詳細の変更が可能であることが理解されるであろう。このような変更、改変および修正は本発明の範囲に包含されるはずである。
例えば、上記の実施形態においては、内側部材であるハブ4および内輪6が回転部材であり、外側部材である外輪8が静止部材である。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、互いに相対回転する複数の部材の密封に適用されうる。例えば、内側部材が静止し、外側部材が回転してもよいし、これらの部材のすべてが回転してもよい。
本発明の用途は、ハブ軸受1の密封に限定されない。例えば、自動車の差動歯車機構またはその他の動力伝達機構、自動車の駆動シャフトの軸受またはその他の支持機構、ポンプの回転軸の軸受またはその他の支持機構などにも本発明に係る密封装置または密封構造を使用することができる。
実施形態の密封装置21の剛性環30は、単一の部品であるが、剛性環30を径方向に互いに分離した複数の剛性環に置換してもよい。
本発明の態様は、下記の番号付けされた条項にも記載される。
条項1. 相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、
前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する第2のシール部材とを備え、
前記第2のシール部材は、複数の水排出突起を有しており、前記複数の水排出突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、互いに間隔をおいて円周方向に並べられており、
前記第2のシール部材は、周方向に連続する円周突起を有しており、前記円周突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、前記水排出突起より径方向外側に配置されており、
前記第1のシール部材は、周方向に連続する環状のラビリンスリップを有しており、前記ラビリンスリップは、前記環状部分から前記第2のシール部材の前記フランジ部分に向けて突出し、前記第2のシール部材に接触せず、前記第2のシール部材の前記複数の水排出突起と前記円周突起の間の間隙内に配置されている
ことを特徴とする密封装置。
条項2. 前記ラビリンスリップは、前記環状部分から径方向外側に向けて斜めに突出する円錐台形状を有する
ことを特徴とする条項1に記載の密封装置。
この条項によれば、内側部材と外側部材の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、斜めに突出するラビリンスリップに沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、斜めに突出するラビリンスリップに沿ってすみやかに排出される。
条項3. 前記第1のシール部材の前記環状部分は、円錐台形状の内周面を有し、前記内周面は前記ラビリンスリップの内周面に滑らかに連なる
ことを特徴とする条項2に記載の密封装置。
この条項によれば、内側部材と外側部材の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、環状部分の内周面に沿って移動し、内周面に滑らかに連なるラビリンスリップの内周面に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、環状部分の内周面とラビリンスリップの内周面に沿ってすみやかに排出される。
条項4. 前記円周突起は、前記フランジ部分から先端に向けて先細となる断面形状を有する
ことを特徴とする条項1から3のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、内側部材と外側部材の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、先細な円周突起に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、先細な円周突起に沿ってすみやかに排出される。
条項5. 前記第1のシール部材は、前記環状部分の外側に配置された円筒部分を有しており、
前記円筒部分は、前記第2のシール部材の前記フランジ部分と前記円周突起の径方向外側に配置され、前記円筒部分と前記円周突起の間に、傾斜間隙が設けられ、前記傾斜間隙は、前記環状部分から離れるほど径方向外側に位置するよう傾斜している
ことを特徴とする条項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
この条項によれば、内側部材と外側部材の相対回転に起因する遠心力によって、異物は、傾斜間隙に沿ってすみやかに排出される。また、相対回転停止後、重力によって、異物は、傾斜間隙に沿ってすみやかに排出される。
1 ハブ軸受
2 孔
4 ハブ(内側部材)
6 内輪(内側部材)
8 外輪(外側部材)
21 密封装置
24 第1のシール部材
24A 円筒部分
24B 環状部分
24C,24D ラジアルリップ
26 第2のシール部材
34A スリーブ部分
34B フランジ部分
40 水排出突起
42 円周突起
44 内周面
46 ラビリンスリップ
48 傾斜間隙
50 第2のラビリンスリップ

Claims (5)

  1. 相対的に回転する内側部材と外側部材との間に配置され、前記内側部材と前記外側部材との間の間隙を封止する密封装置であって、
    前記外側部材に取り付けられ、環状部分を有しており、前記環状部分が前記内側部材に向けて径方向内側に広がる、第1のシール部材と、
    前記内側部材に取り付けられ、フランジ部分を有しており、前記フランジ部分が径方向外側に広がっており前記第1のシール部材の前記環状部分と対向する第2のシール部材とを備え、
    前記第2のシール部材は、複数の水排出突起を有しており、前記複数の水排出突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、互いに間隔をおいて円周方向に並べられており、
    前記第2のシール部材は、周方向に連続する円周突起を有しており、前記円周突起は、前記フランジ部分から前記第1のシール部材の前記環状部分に向けて突出し、前記水排出突起より径方向外側に配置されており、
    前記第1のシール部材は、周方向に連続する環状のラビリンスリップを有しており、前記ラビリンスリップは、前記環状部分から前記第2のシール部材の前記フランジ部分に向けて突出し、前記第2のシール部材に接触せず、前記第2のシール部材の前記複数の水排出突起と前記円周突起の間の間隙内に配置されている
    ことを特徴とする密封装置。
  2. 前記ラビリンスリップは、前記環状部分から径方向外側に向けて斜めに突出する円錐台形状を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記第1のシール部材の前記環状部分は、円錐台形状の内周面を有し、前記内周面は前記ラビリンスリップの内周面に滑らかに連なる
    ことを特徴とする請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記円周突起は、前記フランジ部分から先端に向けて先細となる断面形状を有する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の密封装置。
  5. 前記第1のシール部材は、前記環状部分の外側に配置された円筒部分を有しており、
    前記円筒部分は、前記第2のシール部材の前記フランジ部分と前記円周突起の径方向外側に配置され、前記円筒部分と前記円周突起の間に、傾斜間隙が設けられ、前記傾斜間隙は、前記環状部分から離れるほど径方向外側に位置するよう傾斜している
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の密封装置。
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