JP2020138749A - シート包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの取出し性に優れるシート包装体を提供すること。【解決手段】積層された複数枚のシートと、前記シートが収容された包装袋と、前記包装袋の上面に形成され、前記シートが引き出される取出口とを有し、前記取出口は、第1方向に延びるスリットで形成され、前記スリットの少なくとも一部が波線形状である、シート包装体。【選択図】図1

Description

本発明は、シート包装体に関する。
テッシュペーパー等の衛生薄葉紙は、カートン(厚紙の箱)に収容されたものが普及している。ところが、カートンタイプの衛生薄葉紙は、持ち運びや保管の際に嵩張ることや、使用後の廃棄、環境負荷、コスト等の観点から、近年、衛生薄葉紙等のシートが可撓性のフィルム包装袋に収容されたシート包装体の需要が高まっている。このようなシート包装体には、フィルム包装袋に衛生用紙を取り出すためのスリット(ミシン目等)が形成されたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2018−177364号公報 特開2016−188092号公報
しかしながら、取出口がスリットで形成されたシート包装体では、取出口が開きにくく、包装袋内からシートが取り出しにくい。また、包装袋内からシートを取り出す際に、シートが取出口で詰まったり、シートが破れたりすることがある。また、フィルム包装袋にスリットで形成された取出口では、使用中にシートの保持力が低下して、シートが包装袋内に落ち込むことがある。さらに、フィルム包装袋はカートンに比べて軽量なため、使用中に残りのシートが少なくなると、シートを取り出す際にフィルム包装袋ごと持ちあがり、シートが引き出せないことがある。このように、従来のシート包装体は、シートの取出し性において種々の課題がある。
本発明の課題は、シートの取出し性に優れるシート包装体を提供することである。
本発明に係る第1の態様は、積層された複数枚のシートと、前記シートが収容された包装袋と、前記包装袋の上面に形成され、前記シートが引き出される取出口とを有し、前記取出口は、第1方向に延びるスリットで形成され、前記スリットの少なくとも一部が波線形状である、シート包装体である。
本明細書において、第1方向とは、包装袋の上面上の所定の一方向に沿う方向を示す。また、スリットの少なくとも一部とは、スリットの全部または一部を示す。さらに、波線形状とは、波形にうねった線状の形状を示す。
第1の態様では、包装袋の上面に形成されたスリットが開封されると、包装袋の上面の第1方向に該スリットに対応した波線形状の取出口が形成される。このような構成では、取出口の波線形状を有する部分がめくれやすいため、取出口が指先で開けやすい。そのため、第1の態様では、取出口に指先が挿入しやすく、包装袋に収容されたシートの最初の1枚目を取り出す場合でも、シートの取り出しが容易である。
また、第1の態様では、取出口の波線形状を有する部分が、上述のようにめくれやすいため、取出口が開き易い。そのため、第1の態様では、包装袋内のシートを取り出す(または引き出す)際に、シートが取出口に詰まりにくい。また、シートが取出口に詰まりにくいことで、取出口とシートとの擦れが緩和されるため、取出口からシートを取り出す際に、シートが破れにくい。
また、第1の態様では、取出口の波線形状を有する部分が緩衝部となり、使用時に取出口に保持されたシートの自重に応じて、取出口が変形することができる。これにより、第1の態様では、取出口におけるシートの保持力が使用中も維持され、使用中にシートが包装袋内に落ち込むこと(以下、落ち込みまたはシートの落ち込みという場合がある)を防ぐことができる。
また、第1の態様では、上述のようにシートが取出口に詰まりにくい(取出口とシートとの擦れを緩和することができる)ため、使用中に取出口が摩耗するのを低減することができる。このような観点からも、取出口におけるシートの保持力の低下が抑制され、シートの落ち込みを防ぐことができる。
また、第1の態様では、シートを取り出す際に取出口にかかる摩擦力(または抵抗力)を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。これにより、第1の態様では、使用中に残りのシートが少なくなっても(すなわちシート包装体の重量が軽くなっても)、シートを取り出す際に包装袋ごと持ちあがること(以下、持ち上がりまたは包装袋の持ち上がりという)を防ぐことができる。
本発明に係る第2の態様は、前記波線形状が、前記第1方向に山部と谷部が交互に並ぶ形状である、シート包装体である。本明細書において、山部と谷部の関係は、波線形状を構成する波線において一方の側に凸となる凸部を山部としたとき、該一方の側と対向する他方の側に凸となる凸部が相対的に谷部となる関係を示す。また、山部と谷部が交互に並ぶとは、波線形状を構成する複数の山部と複数の谷部が、第1方向に沿って1つおきに配置されていることを示す。
第2の態様では、このように波線形状の山部と谷部が第1方向に交互に並ぶことにより、取出口及びその周辺にかかる応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第2の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをバランスよく防ぐことができる。
本発明に係る第3の態様は、前記波線形状を有する前記一部が、前記取出口の中央部である、シート包装体である。本明細書において、取出口の中央部とは、スリットの略中央で第1方向に延びるスリット全体の3分の1程度を占める部分を示す。また、取出口の中央部は、取出口からシートを取り出す際に応力が集中する部分である。
第3の態様では、取出口の中央部がスリットの波線形状となることで、取出口内で応力が集中する部分に取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)を設けることができる。これにより、取出口の一部に集中する応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。
本発明に係る第4の態様は、前記波線形状を有する前記一部が、前記取出口の少なくとも一方の端部である、シート包装体である。本明細書において、取出口の少なくとも一方の端部とは、取出口の両端部またはいずれか一方の端部を示す。また、取出口の両端部は、取出口からシートを取り出す際にかかる摩擦力(または抵抗力)が大きく、破れ易い部分である。
第4の態様では、取出口の少なくとも一方の端部が波線形状となることで、取出口内でシートによる摩擦力(または抵抗力)が大きい部分に波線形状を有する部分(緩衝部)を設けることができる。これにより、取出口の一部にかかる摩擦力(または抵抗力)を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に効率的に逃がす(または分散させる)ことができるため、使用時に取出口の端部が破れるのを抑制することができる。
本発明に係る第5の態様は、前記波線形状の波高は、前記上面の前記第1方向と交差する第2方向の幅に対して1〜20%である、シート包装体である。本明細書において、上面の第1方向と交差する第2方向の幅とは、スリットが延びる方向と交差する方向に沿う包装袋の上面の幅を示す。
また、波線形状の波高とは、スリットが延びる方向と交差する方向に沿った波線形状の山部の頂部と谷部の頂部(底部)との距離を示す。ここで、山部の頂部は、山部の頂点およびその近傍を示し、谷部の頂部(底部)は、谷部の頂点(谷底)およびその近傍を示す。
第5の態様では、スリットの波線形状がこのような範囲の波高を有することにより、取出口及びその周辺にかかる応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対して効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第5の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをよりバランスよく防ぐことができる。
本発明に係る第6の態様は、前記波線形状は、2つ以上の波高を有し、前記2つ以上の波高のうち最も大きい波高を有する部分が、前記取出口の中央部に配置されている、シート包装体である。本明細書において、2つ以上の波高を有するとは、波線形状を構成する波線が、少なくとも寸法が2種類の波高を有することを示す。
第6の態様では、このように取出口の中央部が2つ以上の波高のうち最も大きい波高を有する波線形状となることで、取出口の一部に集中する応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してより効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第6の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
本発明に係る第7の態様は、前記最も大きい波高は、前記上面の前記第1方向と交差する第2方向の幅に対して20〜40%である、シート包装体である。第7の態様では、スリットの波線形状の2つ以上の波高のうち最も大きい波高をこのような範囲にすることで、取出口の一部に集中する応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第7の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
本発明に係る第8の態様は、前記波線形状の波長は、前記取出口の前記第1方向の長さに対して10〜40%である、シート包装体である。本明細書において、取出口の前記第1方向に沿った長さとは、スリットが延びる方向に沿った取出口の長さを示す。また、波線形状の波長とは、スリットが延びる方向に沿った波線形状の隣り合う山部の頂部間の距離または隣り合う谷部の頂部間の距離を示す。
第8の態様では、取出口の波線形状の波長をこのような範囲にすることで、取出口の一部に集中する応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第8の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
本発明に係る第9の態様は、前記波線形状の波長は、前記上面の前記第1方向の長さに対して5〜45%である、シート包装体である。本明細書において、上面の第1方向の長さとは、スリットが延びる方向に沿った包装袋と交差する方向に沿う包装袋の上面の長さを示す。
第9の態様では、取出口における波線形状の波長をこのような範囲にすることで、取出口の一部に集中する応力を、取出口の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第9の態様では、シートの取出しを容易にしながら、シートの落ち込みと、包装袋の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、シートの取出し性に優れるシート包装体を提供することができる。
本発明の実施形態(第1実施形態)に係るシート包装体を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体を、高さ方向の上方から見た図である。 第1実施形態に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。 第1実施形態に係るシート包装体の使用状態を示す図である。 第1実施形態の変形例に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。 第2実施形態に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。 第2実施形態の変形例に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。 従来のシート包装体を示す図である。 従来のシート包装体において、取出口を拡大した図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下に示す説明では、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態のうちの第1実施形態に係るシート包装体を示す図である。図2は、第1実施形態に係るシート包装体を高さ方向の上方から見た図である。図3は、第1実施形態に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。図4は、第1実施形態に係るシート包装体の使用状態を示す図である。なお、図1〜4に示すシート包装体100においては、長手方向(左右方向)をX方向とし、奥行方向(前後方向)をY方向とし、高さ方向(上下方向)をZ方向とする。
第1実施形態に係るシート包装体100は、図1に示すように、シートST、包装袋10、および取出口20を有する。シート包装体100は、本発明に係るシート包装体の一例である。また、シートST、包装袋10、および取出口20は、本発明に係るシート包装体をそれぞれ構成するシート、包装袋、および取出口の各一例である。
シートSTは、図1に示すように、複数枚のシートSTが積層された積層体SLとして包装袋10に収容されている。シートSTの積層体SLは、シートSTの積層方向(SD方向)が高さ方向(Z方向)となるように、包装袋10に収容されている。シート積層体SLは、包装袋10に形成された取出口20(OP)を通してシートSTが1組ずつ引き出せるようになっている(図4参照)。
シートSTの積層体SLは、シートSTを1組ずつ引き出す観点から、各シートSTが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体SL)であることが好ましい。また、シートSTの積層体SLの形態は、ポップアップ式に引き出せるものに限定されず、複数枚のシートSTが単に積層されたもの、各シートSTが折り畳まれた状態で積層されたものでもよい。
また、シートSTの積層体SLの寸法は、シート包装体100の長手方向(X方向)の長さを80〜250mm程度、上面視でシート包装体100の長手方向(X方向)に直交する奥行方向(Y方向)の長さを50〜130mm程度、高さ方向(Z方向)の高さを10〜90mm程度とすることができる。このような薄葉紙の積層体は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インタフォルダによって製造することができる。
シートSTの用途は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙に適用可能である。これらの衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートSTを構成する衛生薄葉紙の用途は、特に限定されず、産業用、家庭用、携帯用のいずれも適用できる。なお、本実施形態のシート包装体100は、これらの中でも、家庭用のティシューペーパーに好適に用いられる。
シートSTのプライ数は、特に限定されないが、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライ(1枚重ね)であり、より好ましくは2プライ(2枚重ね)である。また、シートSTの形状は、特に限定されないが、例えば、2プライのシートが折り畳まれた状態で輪郭形状が長方形のものであることが好ましい。
シートSTの材質は、特に限定されないが、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙シートである。なお、シートSTが紙シートの場合、パルプを主原料とする原紙が用いられる。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
また、シートST(紙シート)におけるパルプ組成は、特に限定されない。例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを任意の比率で使用することができるが、広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成であることが好ましい。また、針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、限定されないが、10:90〜80:20であるのが好ましい。なお、シートST(紙シート)のパルプ組成に含まれるパルプには、古紙パルプを用いても良い。
シートSTの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は10〜80g/m、不織布の場合は20〜100g/mのものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定される。
また、シートST(紙シート)の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSTを構成する紙シートの紙厚は、2プライあたり、好ましくは50μm以上500μm以下であり、より好ましくは60μm以上330μm以下である。
なお、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて2プライの状態で測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーは載せるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は、測定を10回行って得られる平均値とする。
また、シートSTを構成する紙シートには、エンボス加工が施されていても良い。このようなエンボス加工は、公知のコンタクトエンボス、エッジエンボス付与方法等により、図示しないエンボスを紙シート両端に押し当て、複数枚の紙シートを積層するもの、公知のピンエンボス付与方法により、図示しないピンを紙シートに刺して、紙シートの一方の面上にピンエンボスを形成するもの、公知のエンボス付与方法により、水溶性の接着剤(デンプン等)を加熱融解して、積層された紙シート(図示せず)を接着することでエンボスを形成するもの等がある。
シート包装体100を構成する包装袋10は、特に限定されず、例えば、可撓性フィルムで形成することができる。また、包装袋10は、キャラメル包装によって製造されている。具体的には、筒状の可撓性フィルムの両端部が、折り畳まれて接着(封止)されたシール部30、40で形成されている(図1参照)。なお、シート包装体100の包装形態は、このようなキャラメル包装に限定されず、筒状の可撓性フィルムの両端部またはいずれか一方の端部がヒートシールでガセット状に封止されたもの(いわゆるピロー包装で封止されたもの)でもよい。
また、包装袋10を形成する可撓性フィルムの材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。
なお、これらの可撓性フィルムの中でも、柔軟で取扱い性に優れ、ヒートシールした場合のシール性も高いこと、安価であること等の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である観点から、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
包装袋10を形成する可撓性フィルムの形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
包装袋10を形成する可撓性フィルムの厚さは、特に限定されず、好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上70μm以下である。可撓性フィルムの厚さを20μm以上とすることで、シートSTが収容される包装袋10としての十分な強度を確保することができる。また、可撓性フィルムの厚さを100μm以下とすることで、収容体の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストを抑えることができる。
なお、包装袋10を形成する材質は、上述した樹脂材料に限定されず、紙材料を用いてもよい。また、包装袋10を形成する材質には、生分解性材料(生分解性プラスチック、生分解性紙等)を用いることができる。
本実施形態では、包装袋10は、上面11、下面12、正面13、背面14、側面15、側面16を有し、シートSTの積層体SLが収納される。なお、シート包装体100では、図1に示すように、上面11と下面12が上下方向(Z方向)に対向し、正面13と背面14が前後方向(Y方向)に対向し、側面15と側面16が左右方向(X方向)に対向する。そして、側面15および側面16は、上面11、下面12、正面13、および背面14のいずれにも連続する(図1参照)。
また、取出口20は、包装袋10の上面11に形成されている。具体的には、取出口20は、シート包装体100の長手方向(X方向)における包装袋10の上面11の中央11aに配置され、取出口20からはシートSTが引き出される。そして、取出口20は、第1方向(X方向)に延びるスリットMで形成されている。
なお、スリットMが延びる第1方向(X方向)は、包装袋10の上面11上の所定の一方向に沿う方向を示す。具体的には、シート包装体100の長手方向(X方向)に対応する。
スリットMの形態は、特に限定されず、例えば、図1、図2に示すように、包装袋10の上面11にミシン目を形成することにより構成することができる。図1、図2に示す例では、スリットM(ミシン目)で形成された取出口20を破ることで、包装袋10の上面11が第1方向(X方向)に開封され、破れた(開封された)取出口20がシートSTの取出口OPを構成する(図4参照)。
なお、第1方向(X方向)において、取出口20(スリットM)の寸法(長さL2)は、取り出されるシートSTの寸法に応じて、任意に定めることができる。例えば、左右方向(X方向)における取出口OPの長さL2とシートSTが収容される包装袋10の幅寸法(長さL1)との差は、−100mm以上0mm以下であり、好ましくは−80mm以上0mm以下であり、より好ましくは−70mm以上−10mm以下である。これらを、左右方向(X方向)における包装袋10の幅寸法(長さL1)に対する取出口OPの長さL2の割合に換算すると、100%以下であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは10%以上75%以下である。
また、取出口20(スリットM)を構成するミシン目は、カット部Cとタイ部Tが交互に配置されて構成されている(図2、図3参照)。なお、タイ部Tは、隣り合う2つのカット部C間のカットされていない部分である。
スリットM(ミシン目)において、カット部Cの長さ、及びタイ部Tの長さは、任意である。各カット部Cの長さは、0.8mm以上5.0mm以下とすることができ、好ましくは1.5mm以上4.5mm以下であり、より好ましくは2.5mm以上3.5mm以下である。また、各タイ部Tの長さは、0.3mm以上5.0mm以下とすることができ、好ましくは0.4mm以上2.0mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。
本実施形態のシート包装体100は、図1〜図3に示すように、取出口20を形成するスリットMの少なくとも一部が波線形状を有する。ここで、スリットMの少なくとも一部とは、スリットMの全部または一部を示す。また、波線形状は、波形にうねった線状の形状を示す。本実施形態では、取出口20を形成するスリットMの全部が波線形状になっている。
また、本実施形態のシート包装体100は、取出口20を形成するスリットMの波線形状が、第1方向(X方向)に山部21と谷部22が交互に並ぶ形状になっている(図2、図3参照)。
取出口20(スリットM)の波線形状において、山部21と谷部22の関係は、波線形状を構成する波線において一方の側(包装袋10の背面14側)に凸となる凸部を山部21としたとき、該一方の側と対向する他方の側(包装袋10の正面13側)に凸となる凸部が相対的に谷部22となる関係を示す。また、山部21と谷部22が交互に並ぶことは、波線形状を構成する複数の山部21と複数の谷部22が、第1方向(X方向)に沿って1つおきに配置されていることを示す(図2、図3参照)。
また、本実施形態のシート包装体100では、図2、図3に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状において、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部(底部)22aの少なくともいずれかが丸まっている。すなわち、本実施形態では、取出口20(スリットM)の波線形状が略正弦波の形状になっている。
ここで、山部21の頂部21aは、山部21の頂点およびその近傍を示し、谷部22の頂部(底部)22aは、谷部22の頂点(谷底)およびその近傍を示す。また、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aの少なくともいずれかが丸まっていることは、山部21の頂部21aの一部または全部ならびに/あるいは谷部22の頂部22aの一部または全部が曲線状になっている(カーブしている)ことを示す。
また、本実施形態のシート包装体100では、波線形状を有するスリットMの少なくとも一部が、取出口20の中央部20aを構成している。ここで、取出口20の中央部20aは、取出口20の略中央で第1方向(X方向)に延びるスリットM全体の3分の1程度を占める部分を示す。また、取出口20の中央部20aは、取出口20からシートSTを取り出す際に応力が集中する部分である。
本実施形態では、取出口20の中央部20aを含む全てが、スリットMの波線形状で構成されている。すなわち、取出口20の全体が波線形状で構成されている(図1〜図3参照)。なお、取出口20(スリットM)の態様は、本実施形態の態様に限定されず、例えば、取出口20の中央部20aのみが波線形状で構成され、取出口20の両端部20b、20cが直線で構成されていてもよい。
また、本実施形態のシート包装体100では、波線形状を有するスリットMの少なくとも一部が、取出口20の少なくとも一方の端部に配置されている。ここで、取出口20の少なくとも一方の端部は、第1方向(X方向)に延びる取出口20の両端部20b、20cまたはいずれか一方の端部20b、20cを示す。取出口20の両端部20b、20cは、取出口20からシートSTを取り出す際にかかる摩擦力(または抵抗力)が大きく、破れ易い部分である。
本実施形態では、取出口20の両端部20b、20cを含む全てが、スリットMの波線形状で構成されている。すなわち、上述のように取出口20の全体が波線形状で構成されている(図1〜図3参照)。なお、取出口20(スリットM)の態様は、本実施形態の態様に限定されず、例えば、取出口20の両端部20b、20cのみが波線形状で構成され、取出口20の中央部20aが直線で構成されていてもよい。また、取出口20のいずれか一方の端部20bのみが波線形状で構成され、取出口20の中央部20a及び他方の端部20cが直線で構成されていてもよい。
また、本実施形態のシート包装体100では、波線形状の波高W2が、上面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の幅W1に対して、1%以上20%以下であり、好ましくは3%以上18%以下、より好ましくは5%以上15%以下である。
ここで、上面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の幅W1は、スリットMが延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿う包装袋10の上面11の幅W1を示す。また、波線形状の波高W2は、スリットMが延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った波線形状の山部21の頂部21aと谷部22の頂部22aとの距離を示す。
また、本実施形態のシート包装体100では、波線形状の波長L3は、取出口20の第1方向(X方向)の長さL2に対して10%以上40%以下であり、好ましくは15%以上35%以下、より好ましくは20%以上30%以下である。
ここで、取出口20の第1方向(X方向)の長さL2は、スリットMが延びる方向(X方向)に沿った取出口20の長さL2を示す。また、波線形状の波長L3は、スリットMが延びる方向(X方向)に沿った波線形状の隣り合う山部21の頂部21a間の距離または隣り合う谷部22の頂部22a間の距離を示す。
さらに、本実施形態のシート包装体100では、波線形状の波長L3は、上面11の第1方向(X方向)の長さL1に対して5%以上45%以下であり、好ましくは10%以上40%以下、より好ましくは15%以上35%以下である。ここで、上面11の第1方向(X方向)の長さL1は、スリットMが延びる方向(X方向)に沿った包装袋10と交差する方向(Y方向)に沿う包装袋10の上面11の長さL1を示す。
第1実施形態では、上述のように、包装袋10の上面11に形成されたスリットM(ミシン目)が開封されると、包装袋10の上面11の第1方向(X方向)にスリットM(ミシン目)に対応した波線形状の取出口20(OP)が形成される(図4参照)。このような構成では、取出口20の波線形状を有する部分がめくれやすいため、取出口20が指先で開けやすい。そのため、本実施形態では、取出口20に指先が挿入しやすく、包装袋10に収容されたシートSTの最初の1枚目を取り出す場合でも、シートSTの取り出しが容易である。
また、本実施形態では、取出口20の波線形状を有する部分が、上述のようにめくれやすいため、取出口20が開き易い(図4参照)。そのため、本実施形態では、包装袋10内のシートSTを取り出す(または引き出す)際に、シートSTが取出口20に詰まりにくい。また、シートSTが取出口20に詰まりにくいことで、取出口20とシートSTとの擦れが緩和される。そのため、本実施形態では、取出口20からシートSTを取り出す際に、シートSTが破れにくい。
また、本実施形態では、取出口20の波線形状を有する部分が緩衝部となり、使用時に取出口20に保持されたシートSTの自重に応じて、取出口20が変形することができる。すなわち、取出口20の波線形状を構成する山部21および/または谷部22がシートSTに対して一種の逆止作用を生じさせる。これにより、本実施形態では、取出口20におけるシートSTの保持力が使用中も維持され、使用中にシートSTが包装袋10内に落ち込むこと(以下、シートSTの落ち込みという)を防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のようにシートSTが取出口20に詰まりにくい(取出口20とシートSTとの擦れを緩和することができる)ため、使用中に取出口20が摩耗するのを低減することができる。このような観点からも、取出口20におけるシートSTの保持力の低下が抑制され、シートSTの落ち込みを防ぐことができる。
さらに、本実施形態では、シートSTを取り出す際に取出口20にかかる摩擦力(または抵抗力)を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。これにより、本実施形態では、使用中に残りのシートSTが少なくなっても(すなわちシート包装体100の重量が軽くなっても)、シートSTを取り出す際に包装袋10ごと持ちあがること(以下、包装袋10の持ち上がりという)を防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように、波線形状の山部21と谷部22が第1方向(X方向)に交互に並ぶことにより、取出口20及びその周辺にかかる応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、本実施形態では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをバランスよく防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aの少なくともいずれかが丸まっていることで、一部が波線形状のスリットM(ミシン目)を複数のカット部Cで構成する場合に、各カット部の寸法を小さくしても、スリットMに対応して取出口20を波線形状に開封することができる。
また、本実施形態では、取出口20の中央部20aがスリットMの波線形状となることで、取出口20内で応力が集中する部分に取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)を設けることができる。これにより、本実施形態では、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。
また、本実施形態では、取出口20の少なくとも一方の端部20b、20cがスリットMの波線形状となることで、内でシートSTによる摩擦力(または抵抗力)が大きい部分に取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)を設けることができる。これにより、取出口20の一部にかかる摩擦力(または抵抗力)を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。そのため、本実施形態によれば、使用時に取出口20の端部20b、20cが破れるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、スリットMの波線形状の波高W2を上面11の幅W1に対して上述の範囲とすることで、取出口20及びその周辺にかかる応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対して効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、本実施形態では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをよりバランスよく防ぐことができる。
また、本実施形態では、取出口20の波線形状の波長L3を取出口20の長さL2に対して上述の範囲とすることで、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、本実施形態では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
また、本実施形態では、取出口20における波線形状の波長L3を上面11の長さL1に対して上述の範囲とすることで、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、本実施形態では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
図5は、第1実施形態の変形例に係るシート包装体100において、取出口20を拡大した図である。第1実施形態の変形例では、図5に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状において、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aがいずれも角張っている(丸まっていない)。すなわち、第1実施形態の変形例では、取出口20(スリットM)の波線形状が略三角波の形状になっている(図5参照)。
第1実施形態の変形例では、上述の第1実施形態と同様に、取出口20を形成するスリットMの波線形状が、第1方向(X方向)に山部21と谷部22が交互に並ぶ形状となっている。
これにより、第1実施形態の変形例においても、取出口20及びその周辺にかかる応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に逃がす(または分散させる)ことができる。そのため、第1実施形態の変形例によっても、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをバランスよく防ぐことができる。
なお、第1実施形態の変形例では、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aがいずれも角張っている(丸まっていない)が、この形態に限定されるものではない。したがって、例えば、山部21の頂部21aの全部または一部、もしくは、谷部22の頂部22aの全部または一部が、丸まっていてもよい(角張っていなくてもよい)
図6は、第2実施形態に係るシート包装体において、取出口を拡大した図である。第2実施形態では、取出口20(スリットM)の波線形状は、2つ以上の波高を有し、2つ以上の波高のうち最も大きい波高を有する部分が、取出口20の中央部20aに配置されている。本実施形態では、図6に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状が、2つの波高W2、W3を有し、波高W2よりも大きい波高W3を有する部分が、取出口20の中央部20aに配置されている。
ここで、波線形状の波高W3は、スリットMが延びる方向(X方向)と交差する方向(Y方向)に沿った波線形状の山部23の頂部23aと谷部24の頂部24aとの距離を示す。また、2つ以上の波高を有するとは、波線形状を構成する波線が、少なくとも寸法が2種類の波高を有することを示す。
また、第2実施形態では、2つ以上の波高のうち最も大きい波高W3は、上面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の幅W1に対して20%以上40%以下であり、好ましくは23%以上37%以下、より好ましくは25%以上35%以下である。本実施形態では、図6に示すように、波高W2よりも大きい波高W3は、上面11の第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)の幅W1に対して20以上40%以下となっている。
第2実施形態では、上述のように、取出口20の中央部20aが2つ以上の波高W2、W3のうち最も大きい波高W3を有する波線形状となることで、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してより効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第2実施形態では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
また、第2実施形態では、スリットMの波線形状の2つ以上の波高W2、W3のうち最も大きい波高W3を、上面11の幅W1に対して上述の範囲にすることで、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してさらに効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。これにより、第2の態様では、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
図7は、第2実施形態の変形例に係るシート包装体100において、取出口20を拡大した図である。第2実施形態の変形例では、図7に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状において、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22a、並びに山部23の頂部23a及び谷部24の頂部24aがいずれも角張っている(丸まっていない)。すなわち、第2実施形態の変形例では、取出口20(スリットM)の波線形状が略三角波の形状になっている(図7参照)。
第2実施形態の変形例では、上述の第2実施形態と同様に、取出口20(スリットM)の波線形状が、2つの波高W2、W3を有し、2つの波高W2、W3のうち最も大きい波高W3を有する部分が、取出口20の中央部20aに配置されている。
これにより、第2実施形態の変形例においても、取出口20の一部に集中する応力を、取出口20の波線形状を有する部分(緩衝部)全体に対してより効率的に逃がす(または分散させる)ことができる。そのため、第2実施形態の変形例によっても、シートSTの取出しを容易にしながら、シートSTの落ち込みと、包装袋10の持ち上がりをさらにバランスよく防ぐことができる。
なお、第2実施形態の変形例では、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22a、並びに山部23の頂部23a及び谷部24の頂部24aがいずれも角張っている(丸まっていない)が、本実施形態は、この形態に限定されない。したがって、本実施形態は、例えば、山部21の頂部21aの全部または一部、谷部22の頂部22aの全部または一部、山部23の頂部23aの全部または一部、もしくは、谷部24の頂部24aの全部または一部が、丸まっていてもよい(角張っていなくてもよい)。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[シート包装体(試験体)]
試験体として、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLが包装袋10に包装されたシート包装体100を用意した(図1、図8参照)。シート積層体SLは、シートSTが交互に折り畳まれてポップアップ式に1組ずつ引き出せるように積層されたティシューペーパー(坪量:10.7g/m、紙厚:110μm、プライ数:2プライ、組数:150組(300枚)、寸法:嵩(高さ)約40mm、長さ(横)約198mm、幅(縦)約100mm)を用いた。また、シート積層体SLは、積層方向(SD方向)がシート包装体100の高さ方向(Z方向)となるように包装袋10に収容した(図1、図8参照)。また、包装袋10の材質は、厚み50μmのポリエチレン(PE)を用いた。包装袋10の包装形態は、シート包装体100の両側面15、16をキャラメル包装で封止した(シール部30、40を形成した)。シート包装体100の寸法は、包装袋10の上面11の長さL1(X方向の長さ)約200mm、幅W1(Y方向の幅)約100mm、高さ(Z方向の高さ)約40mmとした。また、包装袋10の上面11に第1方向(X方向)に延びる取出口20(スリットM)をミシン目で形成した。スリットM(ミシン目)は、各カット部Cの長さを約3.0mm、タイ部Tの長さを約1.0mmとした。
[引き出し抵抗値]
シート包装体100の引き出し抵抗値を確認した。引き出し抵抗値の確認では、上述の試験体(シート包装体100)を平坦な載置面上に置き、包装袋10の取出口20(OP)から1組目のティシュペーパー(シートST)を半分程度引出し、引き出したシートSTの上方側の先端(シート包装体100の長手方向(X方向)における中央部分)を目玉クリップ(コクヨ株式会社製、「クリ−17」)で挟んだ。目玉クリップの持ち手部分の一方の穴にプッシュプルゲージ(株式会社イマダ製、型番:Z2−20)のフックを通し、0.4〜0.6秒の時間をかけて一定速度で、収容体の上面に対して垂直方向にティシュペーパーを引き出したときの抵抗力(単位:kgf)を測定した。なお、引き出し抵抗値の評価基準は、引き出したときの抵抗力が0.2kgf以下の場合は良好(シートSTが取出しやすい)ものとし、0.2kgfを超えた場合は良好でない(シートSTが取り出しにくい)ものとした。
[取出性(初期)]
シート包装体100の初期の取出性を確認した。取出性の確認では、シート包装体100の包装袋10に収容されたシート積層体SLから、包装袋10の開封された取出口20(OP)を通じてシート積層体SLの最初の1枚目のシートSTを取り出すとき取出しやすさを評価した。取出性(初期)の評価は、以下の基準で行った。
5:最初の1組目がとてもつまみやすい
4:最初の1組目がつまみやすい
3:最初の1組目がつまめる
2:最初の1組目がつまめるがつまみにくい
1:最初の1組目がつまめるがとてもつまみにくい
[非落ち込み性]
シート包装体100の包装袋10に収容されたシートSTの非落ち込み性を確認した。非落ち込み性の確認では、包装袋10の取出口20を通してシート積層体SLからシートSTを引き出したときに、シートSTが包装袋10内に落ち込まないか(非落ち込み性)を評価した。非落ち込み性の評価は、以下の基準で行った。
5:シートSTの落ち込みがない
4:シートSTの落ち込みが1回以上3回以下
3:シートSTの落ち込みが4回以上6回以下
2:シートSTの落ち込みが7回以上9回以下
1:シートSTの落ち込みが10回以上
[非持ち上がり性]
シート包装体100のシートSTが収容された包装袋10の非持ち上がり性を確認した。非持ち上がり性の確認では、シート包装体100の取出口20を通してシート積層体SLからシートSTを引き出したときに、包装袋10が持ち上がらないか(非持ち上がり性)を評価した。非持ち上がり性の評価は、以下の基準で行った。
5:包装袋10の持ち上がりがない
4:シートSTが残り1組以上3組以下で包装袋10の持ち上がりがある
3:シートSTが残り4組以上6組以下で包装袋10の持ち上がりがある
2:シートSTが残り7組以上9組以下で包装袋10の持ち上がりがある
1:シートSTが残り10組以上で包装袋10の持ち上がりがある
[引張強度]
シート包装体100の引張強度を確認した。引張強度の確認では、厚み50μmのポリエチレン(PE)フィルムを幅(縦)約60mm、長さ(横)約50mmに切り取った試験片を用意した。試験片の中央には、所定のタイカット(カット:約3.0mm、タイ:約1.0mm)で試験片の長さ方向に約40mmの間隔で延びるミシン目を形成した。ミシン目の形状は、実施例1では曲線形状とし、比較例1では直線形状とした。ミシン目の位置は、実施例1では試験片の幅方向の両端から約25mmの位置とし、比較例1ではミシン目の両端部が試験片の幅方向の両端から約25mmの位置で、ミシン目の中央部(湾曲部の頂部)が試験片の幅方向の一方の端部から約10mmの位置とした。引張強度の測定は、計測スタンド(IMADA社製 MX−500N)にセットしたプッシュプルゲージ(IMADA社製、Z2−20)にフィルムクリップ(IMADA社製、FC−40)を取付け、試験片の幅方向の一方の端部の略中央をフィルムクリップで挟み、試験片の幅方向の他方の端部の略中央を計測スタンドに固定し、100mm/minの速度で試験片を引っ張り、破断時の強度(引張強度、単位:gf)を測定した。
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
シート包装体100において、図1〜図3に示すように、包装袋10の上面11に形成される取出口20を、全体が波線形状のスリットMで形成した。取出口20(スリットM)の波線形状は、第1方向(X方向)に山部21と谷部22が交互に並び、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aが全て丸まった形状(略正弦波の形状)にした。取出口20(スリットM)の第1方向(X方向)の長さL2は、約185mmとした。取出口20(スリットM)の波線形状は、波高W2を約10mm(包装袋10の上面11の幅W1に対して約10%)とし、波長L3を約46mm(取出口20の長さL2に対して約25%)とした。この試験体について、引き出し抵抗、取出性(初期)、非落ち込み性、および非持ち上がり性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
シート包装体100において、図5に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状を、山部21の頂部21a及び谷部22の頂部22aが全て角張った形状(略三角波の形状)にした以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
シート包装体100において、図6に示すように、取出口20(スリットM)の波線形状が2つの波高W2、W3を有し、波高W2よりも大きい波高W3を有する部分を取出口20の中央部20aに配置した以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
シート包装体100において、図7示すように、取出口20(スリットM)の波線形状が2つの波高W2、W3を有し、波高W2よりも大きい波高W3を有する部分を取出口20の中央部20aに配置した以外は、実施例3と同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
シート包装体100において、図8、図9に示すように、取出口20を直線形状のスリットMで形成し、取出口20(スリットM)の第1方向(X方向)の長さL2を約185mmとした以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2020138749
表1より、包装袋10の上面11に全体が波線形状のスリットMで形成された取出口20を有するシート包装体100は、取出性(初期)、非落ち込み性、及び非持ち上がり性がいずれも3以上の評価となった(実施例1〜4)。
一方、直線形状のスリットMで形成された取出口20を有するシート包装体100は、取出性(初期)、非落ち込み性、及び非持ち上がり性がいずれも2以下の評価となった(比較例1)。
また、取出口20(スリットM)の波線形状が2つの波高W2、W3を有し、波高W2よりも大きい波高W3を有する部分を取出口20の中央部20aに配置したシート包装体100は、取出性(初期)が向上した(実施例3、実施例4)。
さらに、取出口20(スリットM)の波線形状を、山部21の頂部21a、谷部22の頂部22a、山部23の頂部23a、谷部24の頂部24aを全て角張った形状のシート包装体100は、取出性(初期)とともに非落ち込み性、及び非持ち上がり性も向上した(実施例4)。
また、取出口20のスリットM(ミシン目)の引張強度は、スリットM(ミシン目)の形状が直線形状の場合(比較例1)と波線形状の場合(実施例1)とで殆ど差がないものとなった。これにより、取出口20を波線形状のスリットM(ミシン目)で形成した場合も、取出口20を波線形状に開封することができる(開封性は低下しない)ものと考えられる。
これらの結果から、包装袋の上面に形成された取出口が、第1方向に延びるスリットで形成され、スリットの少なくとも一部が波線形状であるシート包装体は、シートの取出し性および開封性に優れることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 シート包装体
ST シート(衛生薄葉紙)
SL シート積層体
10 包装袋
11 上面
11a 中央
11b 端部
12 下面
13 正面
14 背面
15 側面
16 側面
20 取出口
M スリット
C カット部
T タイ部
21 山部
21a 頂部
22 谷部
22a 頂部
23 山部
23a 頂部
24 谷部
24a 頂部

Claims (9)

  1. 積層された複数枚のシートと、
    前記シートが収容された包装袋と、
    前記包装袋の上面に形成され、前記シートが引き出される取出口とを有し、
    前記取出口は、第1方向に延びるスリットで形成され、
    前記スリットの少なくとも一部が波線形状である、シート包装体。
  2. 前記波線形状が、前記第1方向に山部と谷部が交互に並ぶ形状である、請求項1に記載のシート包装体。
  3. 前記波線形状を有する前記一部が、前記取出口の中央部である、請求項1または2に記載のシート包装体。
  4. 前記波線形状を有する前記一部が、前記取出口の少なくとも一方の端部である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシート包装体。
  5. 前記波線形状の波高は、前記上面の前記第1方向と交差する第2方向の幅に対して1〜20%である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート包装体。
  6. 前記波線形状は、2つ以上の波高を有し、
    前記2つ以上の波高のうち最も大きい波高を有する部分が、前記取出口の中央部に配置されている、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート包装体。
  7. 前記最も大きい波高は、前記上面の前記第1方向と交差する第2方向の幅に対して200〜40%である、請求項6に記載のシート包装体。
  8. 前記波線形状の波長は、前記取出口の前記第1方向の長さに対して10〜40%である、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート包装体。
  9. 前記波線形状の波長は、前記上面の前記第1方向の長さに対して5〜45%である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のシート包装体。
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