JP7227793B2 - シート包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、シート包装体に関する。
テッシューペーパー等の衛生薄葉紙は、カートン(厚紙の箱)に収容されたものが普及している。ところが、カートンタイプの衛生薄葉紙は、持ち運びや保管の際に嵩張ることや、使用後の廃棄、環境負荷、コスト等の観点から、近年、衛生薄葉紙等のシートが可撓性のフィルム包装袋に収容されたシート包装体の需要が高まっている。このようなシート包装体には、フィルム包装袋の天面に衛生用紙を取り出すためのスリット(ミシン目等)が形成されたものがある(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2008-183034号公報 特開2018-177364号公報
しかしながら、取出口がスリットで形成されたシート包装体では、シート包装袋からシートを取り出す際に、収納された複数枚のシートの最初の1枚(または1組)が取り出しにくい。また、シートを取り出す際に、シートが取出口で詰まったり、シートが破れたり、包装袋の取出口付近が破れたりすることがある。また、スリットで形成された取出口では、使用中にシートの保持力が低下して、シートが包装袋内に落ち込むことがある。さらに、フィルム包装袋はカートンに比べて軽量なため、使用中に残りのシートが少なくなると、シートを取り出す際にフィルム包装袋ごと持ちあがり、シートが引き出せないことがある。このように、従来のシート包装体は、シートの取出し性において種々の課題がある。
本発明の課題は、シートの取出し性に優れるシート包装体を提供することである。
本発明に係る第1の態様は、積層された複数枚のシートを収容する包装袋と、前記包装袋の上面に形成され、前記シートが引き出される取出口とを有し、前記取出口は、第1方向に延びる第1スリットを含み、前記第1スリットは、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1方向に沿って前記上面の中心を通る第1中心線から前記第1中心線に対して一方の側に向かって凸となる湾曲部を少なくとも1つ含み、前記湾曲部は、前記一方の側に配置されている、シート包装体である。
本明細書において、第1方向とは、包装袋の上面上の所定の一方向に沿う方向を示す。第1方向と交差する第2方向とは、包装袋の上面上の所定の一方向に沿う方向と直交する方向または筋かいに交わる方向に沿う方向を示す。上面の中心とは、包装袋の上面の略中央または略重心(略図心)となる部分を示す。
本明細書において、第1中心線は、第2方向における包装袋の上面の略中央を第1方向に沿って延びる仮想線を示す。第1中心線に対して一方の側とは、包装袋の上面において第1中心線で隔てられた2つの領域のうちいずれか一方の領域を示す。
本明細書において、スリットは、包装袋の上面に形成され、連続する切込み、細長い開口等であり、連続する切込みはミシン目を破ることで構成してもよい。第2方向において第1中心線から一方の側に向かって凸となる湾曲部とは、第2方向に沿って第1中心線から一方の側に向かう方向に凸となるように曲がる第1スリットの一部を示す。
第1の態様では、第1方向に延びる第1スリットが、第1方向と交差する第2方向において第1中心線から一方の側に向かって凸となる湾曲部を少なくとも1つ含むことにより、該湾曲部に沿って取出口が開口し、包装袋の上面の一部が該湾曲部を端縁とするフラップ(以下、フラップまたは取出口のフラップという)を構成する。このフラップは、取出口からシートが引き出されるときの摩擦力(または抵抗力)によって上下に動くことができる。
このような構成により、第1の態様では、取出口からシートを引き出す際に、該フラップが上方に捲れ(または撓み)、取出口の開口幅が広がるため、取出口からシートをスムーズに取り出すことができる。これにより、包装袋に収容されたシートは、最初の1枚(または1組)から最後の1枚(または1組)まで取出口に詰まりにくくなる。
また、第1の態様では、第1スリットに含まれる湾曲部が、第1中心線に対して一方の側に配置されていることで、取出口のフラップを第1中心線に対して一方の側に構成することができる。これにより、フラップが可動する起点(フラップが包装袋の上面に接続する部分)を第2方向の第1中心線寄りに構成することができる。
ここで、取出口からシートを引き出す力は、シート包装体の重量に対して包装袋の上面の中央(重心または図心)付近でバランスされる傾向がある。これに対して、上述のように取出口のフラップが第1中心線に対して一方の側に構成されることで、取出口から引き出されるシートがフラップに当たりやすくなる。これにより、第1の態様では、フラップが上方に捲れやすく(または撓みやすく)になり、取出口からのシートの取出しがスムーズになる。
また、第1の態様では、上述のようにシートがスムーズに取り出されることで、取出口とシートとの擦れが緩和される。そのため、取出口からシートを取り出す際に、シート自体が破れにくい。また、引き出されるシートによる取出口の摩耗が低減されるため、包装袋が取出口付近で破れる(または破断する)ことを抑制することができる。
また、第1の態様では、シートが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップは、シートが引き出された後は自重で元の位置に戻ろうとするため、取出口の開口幅が元の幅に近いものとなる。そのため、取出口におけるシートの保持力が使用中も維持され、使用中にシートが包装袋内に落ち込むこと(以下、落ち込みまたはシートの落ち込みという)を防ぐことができる。
また、第1の態様では、上述のようにシートが取出口に詰まりにくい(取出口とシートとの擦れを緩和することができる)ため、使用中に取出口が摩耗するのを低減することができる。このような観点からも、取出口におけるシートの保持力の低下が抑制され、シートの落ち込みを防ぐことができる。
さらに、第1の態様では、フラップが緩衝部となり、シートを取り出す際に取出口にかかる摩擦力(または抵抗力)を、フラップ(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、使用中に残りのシートが少なくなっても(すなわちシート包装体の重量が軽くなっても)、シートを取り出す際に包装袋ごと持ちあがること(以下、持ち上がりまたは包装袋の持ち上がりという)を防ぐことができる。
本発明に係る第2の態様は、前記第1中心線から前記湾曲部までの最大距離が、前記第2方向に沿う前記上面の長さに対して、5%以上35%以下である、シート包装体である。本明細書において、第1中心線から湾曲部までの最大距離とは、第1中心線から第2方向に沿う湾曲部の頂部までの距離を示す。また、第2方向に沿う上面の長さとは、第2方向における包装袋の上面の寸法を示す。
第2の態様では、第1中心線から湾曲部までの最大距離を第2方向に沿う上面の長さに対して上述の割合にすることで、取出口からシートを引き出す際に、フラップが上方に捲れ(または撓み)過ぎず、取出口の開口幅を適度に広げることができる。これにより、第2の態様では、取出口からのスムーズなシートの取り出しを確実に行うことができる。
また、第2の態様では、上述の割合となるように第1スリットを配置することにより、シートが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップが、シートが引き出された後は自重で元の位置に戻りやすくなる(フラップが捲れたままになりにくい)。そのため、取出口におけるシートの保持力が維持されやすくなり、シートの落ち込みを確実に防ぐことができる。
さらに、第2の態様では、シートを取り出す際に取出口にかかる摩擦力(または抵抗力)がフラップ(緩衝部)に逃がし(または散らし)やすくなる。そのため、シート包装体の重量が軽くなっても、包装袋の持ち上がりをより確実に防ぐことができる。
本発明に係る第3の態様は、第1スリットの形状は、前記第2方向に沿って前記中心を通る第2中心線に対して線対称となる形状である、シート包装体である。本明細書において、第2中心線は、第1方向における包装袋の上面の略中央を第2方向に沿って延びる仮想線を示す。第2中心線に対して線対称となる形状とは、第2中心線を軸にして第1スリットを2つ折りにすると、第1スリットの両側が略重なる形状を示す。
第3の態様では、第1スリットの形状をこのような線対称となる形状にすることで、取出口の開口形状を第2中心線に対して線対称となる形状にすることができる。これにより、取出口からシートをバランスよく引き出すことができる。そのため、第1の態様では、取出口からシートをよりスムーズに取り出すことができる。
また、第3の態様では、このような線対称となる形状の第1スリットを配置することで、フラップの端縁形状を第2中心線に対して線対称となる形状にすることができる。これにより、使用中の取出口におけるシートの保持力をバランスよく維持することができる。そのため、第1の態様では、シートの落ち込みを抑制することができる。
さらに、第3の態様では、端縁形状がこのような線対称となるフラップが構成されることで、シートを取り出す際に取出口にかかる摩擦力(または抵抗力)を効率的にフラップ(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、シート包装体の重量が軽くなっても、包装袋の持ち上がりをさらに確実に防ぐことができる。
本発明に係る第4の態様は、前記第1スリットの形状は、前記中心に対して点対称となる形状である、シート包装体である。本明細書において、上面の中心に対して点対称となる形状とは、上面の中心を軸にして第1スリットを180°回転させると、回転前の第1スリットに回転後の第1スリットが略重なる形状を示す。
第4の態様では、第1スリットの形状をこのような点対称となる形状にすることで、取出口の開口形状を包装袋の上面の中心に対して点対称となる形状にすることができる。これにより、取出口からシートをさらにバランスよく引き出すことができる。そのため、第1の態様では、取出口からシートをさらにスムーズに取り出すことができる。
また、第4の態様では、このような点対称となる形状の第1スリットを配置することで、フラップの端縁形状を包装袋の上面の中心に対して点対称となる形状にすることができる。これにより、使用中の取出口におけるシートの保持力をさらにバランスよく維持することができる。そのため、第1の態様では、シートの落ち込みをさらに抑制しながら、包装袋の持ち上がりをさらに防ぐことができる。
さらに、第4の態様では、端縁形状がこのような点対称となるフラップが構成されることで、シートを取り出す際に取出口にかかる摩擦力(または抵抗力)を、より効率的にフラップ(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、シート包装体の重量が軽くなっても、包装袋の持ち上がりをさらに確実に防ぐことができる。
本発明に係る第5の態様は、前記第1スリットに連続して形成され、前記上面の中心側に曲がる第2スリットを有する、シート包装体である。
本明細書において、第1スリットに連続して形成されるとは、第2スリットが第1スリットの端部に繋がって形成されていることを示す。上面の中心側とは、包装袋の上面において第1スリットの端部から内側を示す。第2スリットが曲がるとは、第2スリットが延びる方向が第1スリットの端部が向く方向から逸れていくことを示す。
第5の態様では、このような第2スリットが第1スリットに連続して形成されることで、使用時に取出口に保持されるシートを第2スリットに係止することができる。そのため、取出口におけるシートの保持力が向上し、シートの落ち込みを確実に防ぐことができる。
また、第5の態様では、このようにシートが第2スリットに係止されることで、シートが立ち上がった(または上方に起立した)状態で取出口に保持することができる。これにより、取出口からシートを引き出す際に、シートが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口からのシートの取り出しが容易になる。
また、第5の態様では、第1スリットに対してこのような第2スリットを形成することで、使用時に破断しやすい取出口の端部において、端部が破断する方向を変化させることができる。そのため、取出口の端部が破断するのを抑制することができる。
本発明に係る第6の態様は、前記第2スリットは、前記第1中心線と交わるように配置されている、シート包装体である。本明細書において、第1中心線と交わるとは、第2スリットが第1中心線と一点で重なる(交差する)ことを示す。
第6の態様では、第1中心線と交わるように第2スリットを配置することにより、フラップの形成領域を広げることができる。そのため、取出口からシートを引き出す際に、フラップが上方にさらに捲れ(または撓み)、取出口の開口幅をさらに広げることができる。これにより、第6の態様では、取出口からシートをさらにスムーズに取り出すことができる。
また、第6の態様では、フラップの形成領域が広がることで、シートが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップが、シートが引き出された後は自重で元の位置にさらに戻りやすくなる(さらに取出口の開口幅が元の幅に近いものとなる)。そのため、取出口におけるシートの保持力がさらに維持され、シートの落ち込みをさらに確実に防ぐことができる。
本発明に係る第7の態様は、前記第2スリットの形状は、円弧状である、シート包装体である。本明細書において、円弧状とは、第2スリットが円の一部(円弧)を描くように曲がることを示す。
第7の態様では、このような円弧状の第2スリットが第1スリットに連続して形成されることにより、使用時に取出口に保持されるシートが第2スリットに係止されやすくなる。そのため、取出口におけるシートの保持力がさらに向上し、シートの落ち込みをより確実に防ぐことができる。
また、第7の態様では、このようにシートが第2スリットに係止されやすくなることで、シートが立ち上がった(または上方に起立した)状態で取出口に保持されやすくなる。これにより、取出口からシートを引き出す際に、シートがより掴み(または摘み)やすくなるため、取出口からのシートの取り出しがさらに容易になる。
また、第7の態様では、第1スリットに対してこのような円弧状の第2スリットを形成することで、使用時に破断しやすい取出口の端部において、端部が破断する方向を緩やかに変化させることができる。そのため、取出口の端部が破断するのを確実に抑制することができる。
本発明に係る第8の態様は、第2スリットの曲率半径が、5mm以上20mm以下である、シート包装体である。本明細書において、曲率半径とは、第2スリットの形状を構成する円弧の半径を示す。
第8の態様では、第2スリットの曲率半径をこのような範囲にすることで、使用時に取出口に保持されるシートが円弧状の第2スリットに係止しやすくなる。そのため、取出口におけるシートの保持力がさらに向上し、シートの落ち込みをより確実に防ぐことができる。
また、第8の態様では、このようにシートが第2スリットに係止されることで、シートが立ち上がった(または上方に起立した)状態で確実に取出口に保持することができる。これにより、取出口からシートを引き出す際に、シートが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口からのシートの取り出しがさらに容易になる。
また、第8の態様では、このような範囲の曲率半径を有する第2スリットを第1スリットに連続して形成することで、使用時に破断しやすい取出口の端部において、端部が破断する方向を確実に緩やかに変化させることができる。そのため、取出口の端部が破断するのをより確実に抑制することができる。
本発明に係る第9の態様は、前記第2スリットの弧度が、5π/4(225°)以上である、シート包装体である。本明細書において、弧度とは、半径の長さに等しい円弧の中心角の大きさ(ラジアン)を示す。
第9の態様では、第2スリットの弧度をこのような範囲にすることで、使用時に取出口に保持されるシートが円弧状の第2スリットにさらに係止されやすくなる。そのため、取出口におけるシートの保持力がさらに向上し、シートの落ち込みをさらに確実に防ぐことができる。
また、第9の態様では、このような範囲の弧度を有する第2スリットを第1スリットに連続して形成することで、シートが立ち上がった(または上方に起立した)状態で確実に取出口に保持することができる。これにより、取出口からシートを引き出す際に、シートが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口からのシートの取り出しがさらに容易になる。
また、第9の態様では、このような範囲の弧度を有する第2スリットを第1スリットに連続して形成することで、使用時に破断しやすい取出口の端部において、端部が破断する方向をより確実に変化させることができる。そのため、取出口の端部が破断するのをより確実に抑制することができる。
本発明の一態様によれば、シートの取出し性に優れるシート包装体を提供することができる。
本発明の実施形態(第1実施形態)に係るシート包装体を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体を上方から見た図である。 第1実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体において、取出口の一方の端部を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体において、取出口の他方の端部を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体において、開封後の取出口を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体の使用状態を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体の使用状態(取出口にシートが保持された状態)を示す図である。 第1実施形態に係るシート包装体の使用状態(取出口からシートが引き出されるときの状態)を示す図である。 第2実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。 第3実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。 従来のシート包装体を示す図である。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下に示す説明では、理解を容易にするため、各図面における各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
図1は、本発明の実施形態のうちの第1実施形態に係るシート包装体を示す図である。図2は、本実施形態に係るシート包装体を上方から見た図である。図3は、本実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。図4は、本実施形態に係るシート包装体において、取出口の一方の端部を示す図である。図5は、本実施形態に係るシート包装体において、取出口の他方の端部を示す図である。図6は、本実施形態に係るシート包装体において、開封後の取出口を示す図である。図7~図9は、本実施形態に係るシート包装体の使用状態を示す図である。
図1~7に示すシート包装体100において、長手方向(左右方向)をX方向とし、奥行方向(前後方向)をY方向とし、高さ方向(上下方向)をZ方向とする。
第1実施形態に係るシート包装体100は、図1に示すように、包装袋10及び取出口TOを有する。シート包装体100は、本発明に係るシート包装体の一例である。また、包装袋10及び取出口TOは、本発明に係るシート包装体をそれぞれ構成する包装袋、および取出口の各一例である。
包装袋10は、複数枚のシートSTが収容されている。シートSTは、図1に示すように、複数枚のシートSTが積層された積層体SLとして包装袋10に収容されている。シートSTの積層体SLは、シートSTの積層方向(SD方向)が高さ方向(Z方向)となるように、包装袋10に収容されている。シート積層体SLは、包装袋10に形成された取出口TO(開口OP)を通してシートSTが1組ずつ引き出せるようになっている(図6、図7参照)。
シートSTの積層体SLは、シートSTを1組ずつ引き出す観点から、各シートSTが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体SL)であることが好ましい。また、シートSTの積層体SLの形態は、ポップアップ式に引き出せるものに限定されず、複数枚のシートSTが単に積層されたもの、各シートSTが折り畳まれた状態で積層されたものでもよい。
また、シートSTの積層体SLの寸法は、シート包装体100の長手方向(X方向)の長さを80~250mm程度、上面視でシート包装体100の長手方向(X方向)に直交する奥行方向(Y方向)の長さを50~130mm程度、高さ方向(Z方向)の高さを10~90mm程度とすることができる。このような薄葉紙の積層体は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インタフォルダによって製造することができる。
シートSTの用途は、特に限定されず、例えば、ティシューペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル等の衛生薄葉紙に適用可能である。これらの衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートSTを構成する衛生薄葉紙の用途は、特に限定されず、産業用、家庭用、携帯用のいずれも適用できる。なお、本実施形態におけるシートとしては、これらの中でも、家庭用のティシューペーパーが好適に用いられる。
シートSTのプライ数は、特に限定されないが、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライであり、より好ましくは2プライ(2枚重ね)である。また、シートSTの形状は、特に限定されないが、例えば、2プライのシートが折り畳まれた状態で輪郭形状が長方形のものであることが好ましい。
シートSTの材質は、特に限定されないが、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙シートである。なお、シートSTが紙シートの場合、パルプを主原料とする原紙が用いられる。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
また、シートST(紙シート)におけるパルプ組成は、特に限定されない。例えば、NBKP(針葉樹クラフトパルプ)やNUKP(針葉樹未晒しパルプ)などの針葉樹パルプと、LBKP(広葉樹クラフトパルプ)やLUKP(広葉樹未晒しパルプ)などの広葉樹パルプとを任意の比率で使用することができる。これらの中でも、広葉樹パルプに対して針葉樹パルプの比率がより多いパルプ組成であることが好ましい。また、針葉樹パルプと広葉樹パルプの比は、限定されないが、10:90~80:20であるのが好ましい。なお、シートST(紙シート)のパルプ組成に含まれるパルプには、古紙パルプを用いても良い。
シートSTの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は10~80g/m、不織布の場合は20~100g/mのものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定される。
また、シートST(紙シート)の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSTを構成する紙シートの紙厚は、2プライあたり、好ましくは50μm以上500μm以下であり、より好ましくは60μm以上330μm以下である。
なお、紙厚の測定方法は、試験片をJIS P 8111(1998)の条件下で十分に調湿した後、同条件下でダイヤルシックネスゲージ(厚み測定器)「PEACOCK G型」(尾崎製作所製)を用いて2プライの状態で測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、該ダイヤルシックネスゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせる。次いで、プランジャーを上げて試料を試験台の上におき、プランジャーをゆっくりと下ろしたときのゲージを読み取る。このとき、プランジャーは載せるだけとする。プランジャーの端子は金属製で直径10mmの円形の平面が紙平面に対し垂直に当たるようにし、この紙厚測定時の荷重は、約70gfである。なお、紙厚は、測定を10回行って得られる平均値とする。
また、シートSTを構成する紙シートには、エンボス加工が施されていても良い。このようなエンボス加工は、公知のコンタクトエンボス、エッジエンボス付与方法等により、図示しないエンボスを紙シート両端に押し当て、複数枚の紙シートを積層するもの、公知のピンエンボス付与方法により、図示しないピンを紙シートに刺して、紙シートの一方の面上にピンエンボスを形成するもの、公知のエンボス付与方法により、水溶性の接着剤(デンプン等)を加熱融解して、積層された紙シート(図示せず)を接着することでエンボスを形成するもの等がある。
包装袋10の形態は、特に限定されないが、シートSTの取出し性を付与する観点から、例えば、可撓性フィルムで形成することができる。また、包装袋10は、キャラメル包装によって製造されている。具体的には、筒状の可撓性フィルムの両端部が、折り畳まれて接着(封止)されたシール部50、60で形成されている(図1参照)。なお、シート包装体100の包装形態は、このようなキャラメル包装に限定されず、筒状の可撓性フィルムの両端部またはいずれか一方の端部がヒートシールでガセット状に封止されたもの(いわゆるピロー包装で封止されたもの)でもよい。
また、包装袋10の材質に可撓性フィルムを用いる場合、可撓性フィルムの材質は、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリアミド(PA)等の樹脂を用いることができる。
なお、これらの可撓性フィルムの中でも、柔軟で取扱い性に優れ、ヒートシールした場合のシール性も高いこと、安価であること等の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等が好ましい。また、無臭であり、耐水性・耐薬品性に優れ、低コストで大量生産が可能である観点から、ポリエチレンが好ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等を用いることができる。また、堅牢であり、成形しやすく、印刷時の発色がよく、また光沢を付与できること等の観点からは、ポリプロピレンが好ましい。
包装袋10を形成する可撓性フィルムの形態は、特に限定されず、上述の樹脂が単層で形成された単層フィルム、上述の樹脂を積層したラミネートフィルム、上述の2種類以上の樹脂の混合物で形成された混合フィルムであってもよい。
包装袋10の材質に可撓性フィルムを用いる場合、可撓性フィルムの厚さは、特に限定されず、好ましくは20μm以上100μm以下、より好ましくは25μm以上70μm以下である。可撓性フィルムの厚さを20μm以上とすることで、シートSTが収容される包装袋10としての十分な強度を確保することができる。また、可撓性フィルムの厚さを100μm以下とすることで、収容体の柔軟性及び軽量性を確保できるとともに、コストを抑えることができる。
なお、包装袋10を形成する材質は、上述した可撓性フィルム等の樹脂材料に限定されず、紙材料を用いてもよい。また、包装袋10を形成する材質には、生分解性材料(生分解性プラスチック、生分解性紙等)を用いることができる。
本実施形態では、包装袋10は、上面11、下面12、正面13、背面14、側面15、側面16を有し、シートSTの積層体SLが収納される。なお、シート包装体100では、図1に示すように、上面11と下面12が上下方向(Z方向)に対向し、正面13と背面14が前後方向(Y方向)に対向し、側面15と側面16が左右方向(X方向)に対向する。そして、側面15および側面16は、上面11、下面12、正面13、および背面14のいずれにも連続する(図1参照)。
また、取出口TOは、シートSTが引き出されるように、包装袋10の上面11に形成されている。具体的には、図1、図2に示すように、取出口TOが、シート包装体100の長手方向(X方向)における包装袋10の上面11の略中央11a付近に配置されている。ここで、上面11の中心11aとは、包装袋10の上面11の略中央(略重心または図心)となる部分を示す。
そして、取出口TOは、第1方向(X方向)に延びる第1スリット20を含んで形成されている。第1スリット20は、基部21、及び端部22、23を有する。本実施形態では、第1スリット20が取出口TOの基部TBを構成している。ここで、第1スリット20が延びる第1方向は、包装袋10の上面11上の所定の一方向(X方向)に沿う方向を示す。本実施形態では、シート包装体100の長手方向が第1方向(X方向)に対応する。
第1スリット20の形態は、特に限定されず、例えば、連続する切込み、細長い開口等で構成することができる。また、第1スリット20は、複数の切込みで形成されたミシン目を破ることで構成してもよい。本実施形態では、図1~図3に示すように、包装袋10の上面11に形成される第1スリット20がミシン目で構成されている。本実施形態では、この第1スリット20(ミシン目)を破ることで、包装袋10の上面11が第1方向(X方向)に開封され、開口OPがシートSTの取出口TOを構成することができる(図6、図7参照)。
なお、第1方向(X方向)において、取出口TOの寸法(長さL2)は、包装袋10の容量やシートSTの寸法に応じて、任意に定めることができる。例えば、左右方向(X方向)における取出口TOの長さL2とシートSTが収容される包装袋10の横幅(長さL1)との差は、-100mm以上0mm以下であり、好ましくは-80mm以上0mm以下であり、より好ましくは-70mm以上-10mm以下である。これらを、左右方向(X方向)における包装袋10の横幅(長さL1)に対する取出口TOの長さL2の割合に換算すると、100%以下であり、好ましくは80%以下であり、より好ましくは10%以上75%以下である(図2参照)。
また、取出口TOの一部を構成する第1スリット20(ミシン目)は、カット部Cとタイ部Tが交互に配置されて構成されている(図3参照)。なお、タイ部Tは、隣り合う2つのカット部C間のカットされていない部分である。
第1スリット(ミシン目)において、カット部Cの長さ、及びタイ部Tの長さは、任意である。各カット部Cの長さは、0.8mm以上5.0mm以下とすることができ、好ましくは1.5mm以上4.5mm以下であり、より好ましくは2.5mm以上3.5mm以下である。また、各タイ部Tの長さは、0.3mm以上5.0mm以下とすることができ、好ましくは0.4mm以上2.0mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上1.5mm以下である。
本実施形態のシート包装体100では、図1~図3に示すように、第1スリット20が、湾曲部SBを少なくとも1つ含んで形成されている。この湾曲部SBは、第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)において、第1方向(X方向)に沿って上面11の中心11aを通る第1中心線CL1から第1中心線CL1に対して一方の側11bに向かって凸となるように形成されている。ここで、第1方向(X方向)と交差する第2方向とは、包装袋10の上面11上の所定の一方向に沿う方向と直交する方向または筋かいに交わる方向に沿う方向(Y方向)を示す。
また、第2方向(Y方向)において第1中心線CL1から一方の側11bに向かって凸となる湾曲部SBとは、第2方向(Y方向)に沿って第1中心線CL1から一方の側11bに向かう方向に凸となるように曲がる第1スリット20の一部を示す(図2参照)。湾曲部SBを少なくとも1つ含むとは、第1スリット20に含まれる湾曲部SBの個数が1つ以上であることを示す。本実施形態では、1つの湾曲部SBが第1スリット20に含まれている(図1~図3参照)。
本実施形態では、図2に示すように、湾曲部SBが、第1方向(X方向)に沿って上面11の中心11aを通る第1中心線CL1に対して一方の側11bに配置されている。ここで、第1中心線CL1は、第2方向(Y方向)における包装袋10の上面11の略中央11aを第1方向(X方向)に沿って延びる仮想線を示す(図2参照)。第1中心線CL1に対して一方の側とは、包装袋10の上面11において第1中心線CL1で隔てられた2つの領域11b、11cのうちいずれか一方の領域を示す(図2参照)。
また、本実施形態のシート包装体100において、湾曲部SBの態様は、任意である。例えば、図2に示すように、第1中心線CL1から湾曲部SBまでの最大距離W2を、第2方向(Y方向)に沿う上面11の長さW1に対して、5%以上35%以下にすることができ、好ましくは10%以上30%以下、より好ましくは15%以上25%以下である。
ここで、第1中心線CL1から湾曲部SBまでの最大距離は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)に沿う湾曲部SBの頂部FTまでの距離W2を示す(図2参照)。また、第2方向(Y方向)に沿う上面11の長さは、第2方向(Y方向)における包装袋10の上面11の幅W1を示す(図2参照)。
本実施形態のシート包装体100において、第1スリット20の形状は、任意である。第1スリット20の形状としては、例えば、図1~図3に示すように、第2方向(Y方向)に沿って中心11aを通る第2中心線CL2に対して線対称となる形状にすることができる。
ここで、第2中心線CL2は、第1方向(X方向)における包装袋10の上面11の略中央11aを第2方向(Y方向)に沿って延びる仮想線を示す(図2参照)。また、第2中心線CL2に対して線対称となる形状とは、第2中心線CL2を軸にして第1スリット20を2つ折りにすると、第1スリット20の両側が略重なる形状を示す(図2参照)。
本実施形態のシート包装体100は、第1スリット20に連続して形成された第2スリット30、40を有する。具体的には、第2スリット30は、基部31及び端部32、33を有し、第2スリット30の一方の端部32が第1スリット20の端部22に繋がって形成されている(図1~図4参照)。また、第2スリット40は、基部41及び端部42、43を有し、第2スリット40の一方の端部42が第1スリット20の端部23に繋がって形成されている(図1~図3、図5参照)。
また、第2スリット30、40は、上面11の中心11a側に曲がるように形成されている。ここで、上面11の中心11a側とは、包装袋10の上面11において第1スリット20の端部22、23から内側を示す。具体的には、第2スリット30が延びる方向は、包装袋10の上面11の内側に第1スリット20の端部22が向く方向から逸れる方向である(図1~図4参照)。また、第2スリット40が延びる方向は、包装袋10の上面11の内側に向かって第1スリット20の端部23が向く方向から逸れる方向である(図1~図3、図5参照)。
本実施形態のシート包装体100において、第2スリット30、40は、第1中心線CL1と交わるように配置されている(図2、図3、図6参照)。ここで、第1中心線CL1と交わるとは、第2スリット30、40が第1中心線CL1と一点(交点)PC1、PC2で重なる(交差する)ことを示す(図3、図6参照)。
本実施形態のシート包装体100において、第2スリット30、40の形状は、任意である。第2スリット30、40の形状としては、例えば、円弧状にすることができる(図1~6参照)。具体的には、第2スリット30は、図4に示すように、円の一部(円弧)を描くように曲がって形成されている。また、第2スリット40は、図5に示すように、円の一部(円弧)を描くように曲がって形成されている。
本実施形態のシート包装体100では、第2スリット30の曲率半径r1が、好ましくは5mm以上20mm以下、より好ましくは18mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。また、第2スリット40の曲率半径r2は、好ましくは5mm以上20mm以下、より好ましくは18mm以下、さらに好ましくは15mm以下である。ここで、曲率半径r1、r2は、第2スリットの形状を構成する円弧の半径を示す(図4、図5参照)。
また、本実施形態のシート包装体100では、第2スリット30の弧度θ1が、好ましくは5π/4以上であり、より好ましくは5π/4以上7π/4以下であり、さらに好ましくは5π/4以上8π/5以下である(図4参照)。また、第2スリット40の弧度θ2は、好ましくは5π/4以上であり、より好ましくは5π/4以上7π/4以下であり、さらに好ましくは5π/4以上8π/5以下である(図5参照)。ここで、弧度θ1、θ2は、半径の長さに等しい円弧の中心角の大きさ(ラジアン)を示す(図4、図5参照)。
また、第2スリット30の弧度θ1を角度(°)に換算すると、好ましくは225°以上であり、より好ましくは225°以上315°以下であり、さらに好ましくは225°以上288°以下である。また、第2スリット40の弧度θ2を角度(°)に換算するとが、好ましくは225°以上であり、より好ましくは225°以上315°以下であり、さらに好ましくは225°以上288°以下である。
なお、本実施形態では、第2スリット30は、端部(先端)33が延びる方向が、第1スリット20の端部22が延びる方向と交差する(略直交する)するように配置されている(図2~4参照)。また、第2スリット40は、端部(先端)43が延びる方向が、第1スリット20の端部23が延びる方向と交差する(略直交する)ように配置されている(図2、図3、図5参照)。
以下、本発明の効果について、図6~図9を用いて説明する。本実施形態では、包装袋10の上面11に形成された第1スリット20(ミシン目)が破られる(開封される)と、包装袋10の上面11の第1方向(X方向)に第1スリット20及び第2スリット30、40が連続して構成された開口OPが取出口TOとして形成される(図6、図7参照)。
第1実施形態では、上述のように、第1方向(X方向)に延びる第1スリット20が、第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)において第1中心線CL1から一方の側11bに向かって凸となる湾曲部SBを少なくとも1つ含む(図1~図5)。このような構成により、該湾曲部SBに沿って取出口TOが開口し(開口OPが形成され)、包装袋10の上面11の一部が該湾曲部SBを端縁FEとするフラップFL(以下、フラップFLまたは取出口TOのフラップFLという)を構成することができる(図6参照)。
このフラップFLは、取出口TOからシートSTが引き出されるときの摩擦力(または抵抗力)によって上下に動くことができる(図8、図9参照)。具体的には、シートSTが取出口TO(開口OP)に保持された状態(図8参照)で、取出口TO(開口OP)からシートSTを引き出すと、フラップFLが上方に捲れる(または撓む)ことができる(図9参照)。このとき、包装袋10の上面11とフラップFLの端縁FEとの間の隙間が生じ、取出口TO(開口OP)の開口幅が広がる。
本実施形態では、このように取出口TOからシートSTを引き出す際に、該フラップFLが上方に捲れる(または撓む)ことで、取出口TOの開口幅が広がるため、取出口TOからシートSTをスムーズに取り出すことができる。これにより、包装袋10に収容されたシートSTは、最初の1枚(1組)から最後の1枚(1組)まで取出口TOに詰まりにくくなる。
本実施形態では、上述のように第1スリット20に含まれる湾曲部SBが、第1中心線CL1に対して一方の側11bに配置されていることで、取出口TOのフラップFLを第1中心線CL1に対して一方の側11bに構成することができる。これにより、フラップFLが可動する起点(フラップFLが包装袋10の上面11に接続する部分または接続部)FBを第2方向(Y方向)の第1中心線CL1寄り(または第1中心線CL1付近)に構成することができる。
ここで、取出口TOからシートSTを引き出す力は、シート包装体100の重量に対して包装袋10の上面11の中央(重心または図心)付近でバランスされる傾向がある。これに対して、上述のように取出口TOのフラップFLが第1中心線CL1に対して一方の側11bに構成されることで、取出口TOから引き出されるシートSTがフラップFLに当たりやすくなる。これにより、本実施形態では、フラップFLが上方に捲れやすく(または撓みやすく)になり、取出口TOからのシートSTの取出しがスムーズになる。
本実施形態では、上述のようにシートSTがスムーズに取り出されることで、取出口TOとシートSTとの擦れが緩和される。そのため、取出口TOからシートSTを取り出す際に、シートST自体が破れにくい。また、本実施形態では、引き出されるシートSTによる取出口TOの摩耗が低減されるため、包装袋10が取出口TO付近で破れる(または破断する)ことを抑制することができる。
本実施形態では、シートSTが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップFLは、シートSTが引き出された後は自重で元の位置に戻ろうとするため、取出口TOの開口幅が元の幅に近いものとなる。そのため、本実施形態では、取出口TOにおけるシートSTの保持力が使用中も維持され、使用中にシートSTが包装袋10内に落ち込むこと(以下、落ち込みまたはシートSTの落ち込みという)を防ぐことができる。
本実施形態では、上述のようにシートSTが取出口TOに詰まりにくい(取出口TOとシートSTとの擦れを緩和することができる)ため、使用中に取出口TOが摩耗するのを低減することができる。このような観点からも、取出口TOにおけるシートSTの保持力の低下が抑制され、シートSTの落ち込みを防ぐことができる。
本実施形態では、フラップFLが緩衝部となり、シートSTを取り出す際に取出口TOにかかる摩擦力(または抵抗力)を、フラップFL(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、本実施形態では、使用中に残りのシートSTが少なくなっても(すなわちシート包装体100の重量が軽くなっても)、シートSTを取り出す際に包装袋10ごと持ちあがること(以下、持ち上がりまたは包装袋10の持ち上がりという)を防ぐことができる。
また、本実施形態では、第1中心線CL1から湾曲部SBまでの最大距離W2を第2方向(Y方向)に沿う上面11の長さW1に対して上述の割合にすることで、取出口TOからシートSTを引き出す際に、フラップFLが上方に捲れ(または撓み)過ぎず、取出口TOの開口幅を適度に広げることができる。これにより、本実施形態では、取出口TOからのスムーズなシートSTの取り出しを確実に行うことができる。
本実施形態では、上述の割合となるように第1スリット20を配置することにより、シートSTが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップFLが、シートSTが引き出された後は自重で元の位置に戻りやすくなる(フラップFLが捲れたままになりにくい)。そのため、本実施形態では、取出口TOにおけるシートSTの保持力が維持されやすくなり、シートSTの落ち込みを確実に防ぐことができる。
本実施形態では、シートSTを取り出す際に取出口TOにかかる摩擦力(または抵抗力)がフラップFL(緩衝部)に逃がし(または散らし)やすくなる。そのため、本実施形態によれば、シート包装体100の重量が軽くなっても、包装袋10の持ち上がりをより確実に防ぐことができる。
また、本実施形態では、第1スリット20の形状をこのような線対称となる形状にすることで、取出口TOの開口形状を第2中心線CL2に対して線対称となる形状にすることができる。これにより、取出口TOからシートSTをバランスよく引き出すことができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOからシートSTをよりスムーズに取り出すことができる。
本実施形態では、このような線対称となる形状の第1スリット20を配置することで、フラップFLの端縁FEの形状を第2中心線CL2に対して線対称となる形状にすることができる。これにより、使用中の取出口TOにおけるシートSTの保持力をバランスよく維持することができる。そのため、本実施形態によれば、シートSTの落ち込みを抑制することができる。
本実施形態では、端縁FEの形状がこのような線対称となるフラップFLが構成されることで、シートSTを取り出す際に取出口TOにかかる摩擦力(または抵抗力)を効率的にフラップFL(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、本実施形態によれば、シート包装体100の重量が軽くなっても、包装袋10の持ち上がりをさらに確実に防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように、第2スリット30、40が第1スリット20に連続して形成されることで、使用時に取出口TOに保持されるシートSTを第2スリット30、40に係止することができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOにおけるシートSTの保持力が向上し、シートSTの落ち込みを確実に防ぐことができる。
本実施形態では、このようにシートSTが第2スリット30、40に係止されることで、シートSTが立ち上がった(または上方に起立した)状態で取出口TOに保持することができる。これにより、本実施形態では、取出口TOからシートSTを引き出す際に、シートSTが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口TOからのシートSTの取り出しが容易になる。
本実施形態では、第1スリット20に対してこのような第2スリット30、40を形成することで、使用時に破断しやすい取出口TOの端部TE1、TE2において、端部TE1、TE2が破断する方向を変化させることができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOの端部TE1、TE2が破断するのを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1中心線CL1と交わるように第2スリット30、40を配置することにより、フラップFLの形成領域を広げることができる。そのため、取出口TOからシートSTを引き出す際に、フラップFLが上方にさらに捲れ(または撓み)、取出口TOの開口幅をさらに広げることができる。これにより、本実施形態では、取出口TOからシートSTをさらにスムーズに取り出すことができる。
また、第6の態様では、フラップFLの形成領域が広がることで、シートSTが引き出される際に捲れた(または撓んだ)フラップFLが、シートSTが引き出された後は自重で元の位置にさらに戻りやすくなる(さらに取出口TOの開口幅が元の幅に近いものとなる)。そのため、本実施形態によれば、取出口TOにおけるシートSTの保持力がさらに維持され、シートSTの落ち込みをさらに確実に防ぐことができる。
また、本実施形態では、上述のように円弧状の第2スリット30、40が第1スリット20に連続して形成されることにより、使用時に取出口TOに保持されるシートSTが第2スリット30、40に係止されやすくなる。そのため、本実施形態では、取出口TOにおけるシートSTの保持力がさらに向上し、シートSTの落ち込みをより確実に防ぐことができる。
本実施形態では、このようにシートSTが第2スリット30、40に係止されやすくなることで、シートSTが立ち上がった(または上方に起立した)状態で取出口TOに保持されやすくなる。これにより、本実施形態では、取出口TOからシートSTを引き出す際に、シートSTがより掴み(または摘み)やすくなるため、取出口TOからのシートSTの取り出しがさらに容易になる。
本実施形態では、第1スリット20に対してこのような円弧状の第2スリット30、40を形成することで、使用時に破断しやすい取出口TOの端部TE1、TE2において、端部TE1、TE2が破断する方向を緩やかに変化させることができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOの端部TE1、TE2が破断するのを確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、第2スリット30、40の曲率半径r1、r2を上述の範囲にすることで、使用時に取出口TOに保持されるシートSTが円弧状の第2スリット30、40に係止しやすくなる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOにおけるシートSTの保持力がさらに向上し、シートSTの落ち込みをより確実に防ぐことができる。
本実施形態では、このようにシートSTが第2スリット30、40に係止されることで、シートSTが立ち上がった(または上方に起立した)状態で確実に取出口TOに保持することができる。これにより、本実施形態では、取出口TOからシートSTを引き出す際に、シートSTが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口TOからのシートSTの取り出しがさらに容易になる。
本実施形態では、このような範囲の曲率半径r1、r2を有する第2スリット30、40を第1スリット20に連続して形成することで、使用時に破断しやすい取出口TOの端部TE1、TE2において、端部TE1、TE2が破断する方向を確実に緩やかに変化させることができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOの端部TE1、TE2が破断するのをより確実に抑制することができる。
また、本実施形態では、第2スリット30、40の弧度θ1、θ2を上述の範囲にすることで、使用時に取出口TOに保持されるシートSTが円弧状の第2スリット30、40にさらに係止されやすくなる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOにおけるシートSTの保持力がさらに向上し、シートSTの落ち込みをさらに確実に防ぐことができる。
本実施形態では、このような範囲の弧度θ1、θ2を有する第2スリット30、40を第1スリット20に連続して形成することで、シートSTが立ち上がった(または上方に起立した)状態で確実に取出口TOに保持することができる。これにより、本実施形態では、取出口TOからシートSTを引き出す際に、シートSTが掴み(または摘み)やすくなるため、取出口TOからのシートSTの取り出しがさらに容易になる。
本実施形態では、このような範囲の弧度θ1、θ2を有する第2スリット30、40を第1スリット20に連続して形成することで、使用時に破断しやすい取出口TOの端部TE1、TE2において、端部TE1、TE2が破断する方向をより確実に変化させることができる。そのため、本実施形態によれば、取出口TOの端部TE1、TE2が破断するのをより確実に抑制することができる。
図10は、本発明の第2実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図3で用いた符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るシート包装体は、図10に示すように、第1スリット20には3つの湾曲部(湾曲部SB1~SB3)が含まれている。そして、第1スリット20の形状が、3つの湾曲部(湾曲部SB1~SB3)を含む形で、第2方向(Y方向)に沿って中心11aを通る第2中心線CL2に対して線対称となる形状になっている。
具体的には、湾曲部SB1は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の一方の側11bに凸となるように該一方の側11bに配置されている。また、湾曲部SB2、SB3は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の他方の側11cに凸となるように湾曲部SB2、SB3の各頂部FT2、FT3が該他方の側11cに位置するように配置されている。なお、湾曲部SB1の頂部FT1は、一方の側11bに位置する。
このような構成では、第1スリット20に沿って取出口TOが開口されると、包装袋10の上面11の一部が該湾曲部SB1~SB3を端縁FE1~FE3とする3つのフラップ(フラップFL1~FL3)を構成することができる。これにより、取出口(開口)からシートを引き出すと、フラップFL1~FL3が上方に捲れ(または撓み)、包装袋10の上面11とフラップFL1~FL3の端縁FE1~FF3との間の隙間が生じ、取出口(開口)の開口幅が部分的に広がる。
第2実施形態では、このように包装袋10の上面11にフラップFL1~FL3が構成された取出口の開口幅が部分的に広がるため、シートを引き出す際に取出口に偏った力がかかっても、該偏った力に対してフラップFL1~FL3がバランスよく上下動することができる。これにより、本実施形態では、取出口からシートをバランスよくスムーズに取り出すことができ、包装袋に収容されたシートは、最初の1枚(1組)から最後の1枚(1組)まで取出口TOに詰まりにくくなる。
図11は、本発明の第3実施形態に係るシート包装体において、取出口を示す図である。なお、第3実施形態において、第1実施形態と共通する部分については、図3で用いた符号を付して説明を省略する。
第3実施形態に係るシート包装体は、図11に示すように、第1スリット20の形状が、中心11aに対して点対称となる形状になっている。ここで、上面11の中心11aに対して点対称となる形状は、第1スリット20の形状が、上面11の中心11aを軸にして第1スリット20を180°回転させると、回転前の第1スリット20に回転後の第1スリット20が略重なる形状を示す。
具体的には、図11に示すように、第1スリット20に2つの湾曲部(湾曲部SB1、SB2)が含まれている。そして、第1スリット20の形状が、湾曲部SB1、SB2を含む形で、第2中心線CL2に対して線対称となる形状になっている。湾曲部SB1は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の一方の側11bに凸となるように該一方の側11bに配置されている。また、湾曲部SB2は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の他方の側11cに凸となるように該他方の側11cに配置されている。
このような構成では、第1スリット20に沿って取出口TOが開口されると、包装袋10の上面11の一部が該湾曲部SB1、SB2を端縁FE1、FE2とする2つのフラップ(フラップFL1、FL2)を構成することができる。これにより、取出口(開口)からシートを引き出すと、フラップFL1、FL2が上方に捲れ(または撓み)、包装袋10の上面11とフラップFL1、FL2の端縁FE1、FF2との間の隙間が生じ、取出口(開口)の開口幅が部分的に広がる。
第3実施形態では、このように包装袋10の上面11にフラップFL1、FL2が構成された取出口の開口幅が部分的に広がるため、シートを引き出す際に取出口に偏った力がかかっても、該偏った力に対してフラップFL1、FL2がバランスよく上下動することができる。これにより、本実施形態では、取出口からシートをバランスよくスムーズに取り出すことができ、包装袋に収容されたシートは、最初の1枚(1組)から最後の1枚(1組)まで取出口TOに詰まりにくくなる。
本実施形態では、このような点対称となる形状の第1スリット20を配置することで、フラップFLの端縁FEの形状を包装袋10の上面11の中心11aに対して点対称となる形状にすることができる。これにより、使用中の取出口TOにおけるシートSTの保持力をさらにバランスよく維持することができる。そのため、第1の態様では、シートSTの落ち込みをさらに抑制しながら、包装袋10の持ち上がりをさらに防ぐことができる。
本実施形態では、端縁FEの形状がこのような点対称となるフラップFLが構成されることで、シートSTを取り出す際に取出口TOにかかる摩擦力(または抵抗力)を、より効率的にフラップFL(緩衝部)に逃がす(または散らす)ことができる。そのため、シート包装体100の重量が軽くなっても、包装袋10の持ち上がりをさらに確実に防ぐことができる。
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例の評価は、以下の試験により行った。
[シート包装体(試験体)]
試験体として、複数枚のシートSTが積層されたシート積層体SLが包装袋10に包装されたシート包装体100を用意した(図1、図12参照)。シート積層体SLは、シートSTが交互に折り畳まれてポップアップ式に1組ずつ引き出せるように積層されたティシューペーパー(坪量:10.7g/m、紙厚:110μm、プライ数:2プライ、組数:150組(300枚)、寸法:嵩(高さ)約40mm、長さ(横幅)約198mm、奥行(縦幅)約100mm)を用いた。シート積層体SLは、積層方向(SD方向)がシート包装体100の高さ方向(Z方向)となるように包装袋10に収容した(図1、図8参照)。包装袋10の材質は、厚み50μmのポリエチレン(PE)を用いた。包装袋10の包装形態は、シート包装体100の両側面15、16をキャラメル包装で封止した(シール部50、60を形成した)。包装袋10の寸法は、長手方向(X方向)の長さL1:約200mm、奥行方向(Y方向)の幅W1:約105mm、高さ方向(Z方向)の高さ:約40mmとした。また、包装袋10の上面11に第1方向(X方向)に延びる取出口TOを形成した。
[引き出し抵抗値]
シート包装体100の引き出し抵抗値を確認した。引き出し抵抗値の確認では、上述の試験体(シート包装体100)を平坦な載置面上に置き、包装袋10の取出口TO(開口OP)から1組目のティシューペーパー(シートST)を半分程度引出し、引き出したシートSTの上方側の先端(シート包装体100の長手方向(X方向)における中央部分)を目玉クリップ(コクヨ株式会社製、「クリ-17」)で挟んだ。目玉クリップの持ち手部分の一方の穴にプッシュプルゲージ(株式会社イマダ製、型番:Z2-20)のフックを通し、0.4~0.6秒の時間をかけて一定速度で、収容体の上面に対して垂直方向にティシューペーパーを引き出した時の抵抗値(単位:kgf)を測定した。なお、引き出し抵抗値の評価基準は、引き出した時の抵抗値が0.2kgf以下の場合は良好である(シートSTが取出しやすい)ものと判断し、0.2kgfを超えた場合は良好でない(シートSTが取り出しにくい)ものと判断した。
[取出性(初期)]
シート包装体100の初期の取出性を確認した。取出性の確認では、シート包装体100の包装袋10に収容されたシート積層体SLから、包装袋10の開封された取出口TO(開口OP)を通じてシート積層体SLの最初の1枚目(または1組目)のシートSTを取り出すとき取出しやすさを評価した。取出性(初期)の評価は、以下の基準で行った。なお、取出性の評価が3以上の場合は、良好である(取出しやすい)ものと判断した。
5:最初の1組目がとてもつまみやすい
4:最初の1組目がつまみやすい
3:最初の1組目がつまめる
2:最初の1組目がつまめるがつまみにくい
1:最初の1組目がつまめるがとてもつまみにくい
[非落ち込み性]
シート包装体100の包装袋10に収容されたシートSTの非落ち込み性を確認した。非落ち込み性の確認では、包装袋10の取出口TOを通してシート積層体SLからシートSTを引き出したときに、シートSTが包装袋10内に落ち込まないか(非落ち込み性)を評価した。非落ち込み性の評価は、以下の基準で行った。なお、非落ち込み性の評価が3以上の場合は、良好である(落ち込みにくい)ものと判断した。
5:シートの落ち込みがない
4:シートの落ち込みが1回以上3回以下
3:シートの落ち込みが4回以上6回以下
2:シートの落ち込みが7回以上9回以下
1:シートの落ち込みが10回以上
[非持ち上がり性]
シート包装体100のシートSTが収容された包装袋10の非持ち上がり性を確認した。非持ち上がり性の確認では、シート包装体100の取出口TOを通してシート積層体SLからシートSTを引き出したときに、包装袋10が持ち上がらないか(非持ち上がり性)を評価した。非持ち上がり性の評価は、以下の基準で行った。なお、非持ち上がり性の評価が3以上の場合は、良好である(持ち上がりにくい)ものと判断した。
5:包装袋の持ち上がりがない
4:シートが残り1組以上3組以下で包装袋の持ち上がりがある
3:シートが残り4組以上6組以下で包装袋の持ち上がりがある
2:シートが残り7組以上9組以下で包装袋の持ち上がりがある
1:シートが残り10組以上で包装袋の持ち上がりがある
以下、実施例及び比較例について、説明する。
[実施例1]
シート包装体100において、図1~図5に示すように、包装袋10の上面11に設けられる取出口TOの基部TBを第1方向(X方向)に延びる第1スリット20(ミシン目)で形成した。第1スリット20は、第1方向(X方向)と交差する第2方向(Y方向)において第1中心線CL1から一方の側11bに向かって凸となる1つの湾曲部SBを含み、湾曲部SBが第1方向(X方向)に沿って上面11の中心11aを通る第1中心線CL1に対して一方の側11bに配置されるように形成した。第1スリット20は、第1中心線CL1から湾曲部SBまでの最大距離W2を約20mm(第2方向(Y方向)に沿う上面11の長さW1に対して約20%)とした。第1スリット20の形状は、第2方向(Y方向)に沿って中心11aを通る第2中心線CL2に対して線対称となる形状とした。取出口TOの両端部TE1、TE2を、第1スリット20に連続する第2スリット30、40で形成した。第2スリット30、40は、上面11の中心11a側に曲がり、第1中心線CL1と交わるように円弧状に形成した。第2スリット30、40の曲率半径r1、r2をそれぞれ約5mmとし、弧度θ1、θ2をそれぞれ5π/4(225°)とした。得られたシート包装体100は、包装袋10の上面11に形成された取出口TOの第1スリット(ミシン目)を破ると、包装袋10の上面11の一部が湾曲部SBを端縁FEとするフラップFLが構成する。作製した試験体について、引き出し抵抗値、取出性(初期)、非落ち込み性、および非持ち上がり性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
シート包装体100において、図10に示すように、第1スリット20の形状を、3つの湾曲部(湾曲部SB1~SB3)を含む形で、第2方向(Y方向)に沿って中心11aを通る第2中心線CL2に対して線対称となる形状にし、湾曲部SB1を第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の一方の側11bに凸となるように該一方の側11bに配置し、湾曲部SB2、SB3は、第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の他方の側11cに凸となるように湾曲部SB2、SB3の各頂部FT2、FT3が該他方の側11cに位置するように配置し、第1スリット20に沿って取出口TOが開口されると、包装袋10の上面11の一部が該湾曲部SB1~SB3を端縁FE1~FE3とする3つのフラップ(フラップFL1~FL3)を構成する以外は、実施例1と同様に試験体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
シート包装体100において、図11に示すように、第1スリット20の形状が、湾曲部SB1、SB2を含む形で、中心11aに対して点対称となる形状にし、湾曲部SB1を第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の一方の側11bに凸となるように該一方の側11bに配置し、湾曲部SB2を第1中心線CL1から第2方向(Y方向)の他方の側11cに凸となるように該他方の側11cに配置し、第1スリット20に沿って取出口TOが開口されると、包装袋10の上面11の一部が該湾曲部SB1、SB2を端縁FE1、FE2とする2つのフラップ(フラップFL1、FL2)を構成する以外は、実施例1と同様に試験体を作製し、評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
シート包装体100において、図12に示すように、取出口TOを直線状のスリット(ミシン目)のみで形成し、取出口TO(スリット)の第1方向(X方向)の長さL2を約180mmとした以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0007227793000001
表1より、包装袋10の上面11の一部が湾曲部SBを端縁FEとするフラップFLを構成するシート包装体100は、引き出し抵抗値、取出性(初期)、非落ち込み性、及び非持ち上がり性がいずれも良好であった(実施例1~3)。
一方、包装袋の上面に、直線状のスリット(ミシン目)のみで形成された取出口を有するシート包装体は、引き出し抵抗値が0.2kgfを超え、取出性(初期)、非落ち込み性、及び非持ち上がり性がいずれも3未満であった(比較例1)。
また、第1スリット20に2つ以上の湾曲部(SB1~SB3、またはSB1、SB2)を含むシート包装体100は、さらに引き出し抵抗値、取出性(初期)が向上した(実施例2、3)。
これらの結果から、取出口が第1方向に延びる第1スリットを含み、該第1スリットが第1方向と交差する第2方向において、第1方向に沿って上面の中心を通る第1中心線から該第1中心線に対して一方の側に向かって凸となる湾曲部を少なくとも1つ含み、該湾曲部が該一方の側に配置されたシート包装体は、シートの取出し性に優れることが判った。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
100 シート包装体
ST シート(衛生薄葉紙)
SL シート積層体
10 包装袋
11 上面
11a 中心
11b 一方の側
11c 他方の側
CL1 第1中心線
CL2 第2中心線
12 下面
13 正面
14 背面
15 側面
16 側面
TO 取出口
TB 基部
TE1 端部
TE2 端部
OP 開口
20 第1スリット
21 基部
22 端部
23 端部
SB 湾曲部
FL フラップ(緩衝部)
FL1 フラップ
FL2 フラップ
FL3 フラップ
FE 端縁
FE1 端縁
FE2 端縁
FE3 端縁
FT 頂部
FT1 頂部
FT2 頂部
FT3 頂部
FB 接続部(起点)
30 第2スリット
31 基部
32 端部
33 端部(先端)
40 第2スリット
41 基部
42 端部
43 端部(先端)
PC1 交点
PC2 交点
r1 曲率半径
r2 曲率半径
θ1 弧度
θ2 弧度
50 シール部
60 シール部

Claims (8)

  1. 積層された複数枚のシートを収容する包装袋と、
    前記包装袋の上面に形成され、前記シートが引き出される取出口とを有し、
    前記取出口は、第1方向に延びる第1スリットを含み、
    前記第1スリットは、前記第1方向と交差する第2方向において、前記第1方向に沿って前記上面の中心を通る第1中心線から前記第1中心線に対して一方の側に向かって凸となる湾曲部を少なくとも1つ含み、
    前記湾曲部は、前記一方の側に配置されており、
    前記第1中心線から前記湾曲部までの最大距離が、前記第2方向に沿う前記上面の長さに対して、5%以上35%以下である、シート包装体。
  2. 第1スリットの形状は、前記第2方向に沿って前記中心を通る第2中心線に対して線対称となる形状である、請求項に記載のシート包装体。
  3. 前記第1スリットの形状は、前記中心に対して点対称となる形状である、請求項に記載のシート包装体。
  4. 前記第1スリットに連続して形成され、前記上面の中心側に曲がる第2スリットを有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載のシート包装体。
  5. 前記第2スリットは、前記第1中心線と交わるように配置されている、請求項に記載のシート包装体。
  6. 前記第2スリットの形状は、円弧状である、請求項またはに記載のシート包装体。
  7. 前記第2スリットの曲率半径が、5mm以上20mm以下である、請求項乃至のいずれか1項に記載のシート包装体。
  8. 前記第2スリットの弧度が、5π/4(225°)以上である、請求項乃至のいずれか1項に記載のシート包装体。
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