JP2020136602A - エッチング方法 - Google Patents

エッチング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020136602A
JP2020136602A JP2019031576A JP2019031576A JP2020136602A JP 2020136602 A JP2020136602 A JP 2020136602A JP 2019031576 A JP2019031576 A JP 2019031576A JP 2019031576 A JP2019031576 A JP 2019031576A JP 2020136602 A JP2020136602 A JP 2020136602A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
etching
oxide film
film
general formula
compound represented
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019031576A
Other languages
English (en)
Inventor
章浩 西田
Akihiro Nishida
章浩 西田
敦史 山下
Atsushi Yamashita
敦史 山下
佐藤 晴義
Haruyoshi Sato
晴義 佐藤
雅子 畑▲瀬▼
Masako Hatase
雅子 畑▲瀬▼
智晴 吉野
Tomoharu Yoshino
智晴 吉野
正揮 遠津
Masaki Enzu
正揮 遠津
奈奈 岡田
Nana Okada
奈奈 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2019031576A priority Critical patent/JP2020136602A/ja
Publication of JP2020136602A publication Critical patent/JP2020136602A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は基体や半導体製造装置のステンレス材などに損傷を与えずにALE法によるエッチング方法を提供することを目的とする。【解決手段】上記課題を解決するため、酸化コバルト膜または酸化銅膜を含む基体を下記一般式(1)で表される化合物をエッチャント材料として用い、特定の温度条件でエッチングする方法を提供する。【化1】(式中、R1は水素原子またはフッ素原子を表す。)【選択図】図1

Description

本発明は、原子層エッチング法を用いたエッチング方法に関する。具体的には、特定のエッチングガスのみを用いて、酸化コバルト膜または酸化銅膜を選択的にエッチングすることができるエッチング方法に関する。
半導体装置などの装置を製造する際に、微細なパターンを形成することが必要になる。微細なパターンを得るためには、まず良質な薄膜を形成することが必要であり、例えば原子層体積法(ALD法という場合もある)が製造プロセスとして使用されている。ALD法によって形成された良質な薄膜をさらに薄くするためには、これをエッチングする必要があるが、このような場合には、数ナノメートルオーダーのエッチング量の制御が要求される。
このようなエッチングを可能にする技術として、原子層エッチング法(ALE法ともいう場合もある。)が注目されている。ALE法はAtomic Layer Etchingの略語である。ALE法はエッチャントガスにより基体上に形成された金属原子を含有する膜を原子層レベルでエッチングする技術である。
このようなALE法に基づく技術については、例えば、特許文献1〜3に記載されている。
米国特許公開第2012/0048831号明細書 米国特許公開第2018/0047577号明細書 特開2018−41898号公報
特許文献1には、エッチャント材料として塩素ガスを用いたALE法が開示されている。特許文献2では、エッチャント材料としてフッ化水素ガスを用いたALE法が実施されている。しかしながら、これらのエッチングガスは、基体上に形成された金属原子を含有する膜だけではなく、基体や周辺の部材にダメージを加えてしまうことが多い。また、半導体装置を製造するために用いられる装置ではその部材としてステンレス材が用いられているが、エッチングガスはこのようなステンレス材を腐食させてしまうため生産性に問題があった。
特許文献3では、β−ジケトンガスと一酸化窒素ガスを組み合わせて用いコバルト膜をALE法によりエッチングしたことが記載されている。しかしながら、この一酸化窒素も金属腐食性が強く、基体や半導体装置の製造装置のステンレス材などに損傷を与えることがある。
また、これらのALE法において用いられるエッチングガスは、エッチングの対象に対して選択性がなく、例えば積層体に金属銅や金属コバルトが存在する場合に全てをエッチングしてしまい、特定の部分のみを選択的にエッチングすることができなかった。
従って、本発明は基体や半導体製造装置のステンレス材などに損傷を与えずにALE法を実施することができるエッチング方法を提供することを第1の目的とする。
次に、酸化コバルト膜または酸化銅膜を含む積層体に他の金属が存在しても選択的に酸化コバルト膜または酸化銅膜をALE法によりエッチングすることができるエッチング方法を提供することを第2の目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造を有する化合物をエッチャント材料として用いて、特定の温度領域で酸化コバルト膜や酸化銅膜を含む積層体と反応させることで、他の金属腐食性のエッチャント材料を用いなくても、酸化コバルト膜や酸化銅膜に対してALE法によるエッチングを選択的に行うことができることを見出した。
本発明はこのような知見に基づく。
具体的に、本発明は
(1)基体および酸化コバルト膜を含む積層体から原子層エッチング法により酸化コバルト膜をエッチングする方法であって、
該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
第1の工程の後に、処理雰囲気内を少なくとも350℃に加熱する第2の工程
を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法、
Figure 2020136602
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
(2)基体、金属コバルト膜および酸化コバルト膜をこの順で含む積層体から原子層エッチング法により酸化コバルト膜を選択的にエッチングする方法であって、
該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
第1の工程の後に、処理雰囲気内を350℃〜600℃に加熱する第2の工程
を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法、
Figure 2020136602
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
(3)基体および酸化銅膜を含む積層体から原子層エッチング法により酸化コバルト膜をエッチングする方法であって、
該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
第1の工程の後に、処理雰囲気内を200℃〜300℃に加熱する第2の工程
を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法、
Figure 2020136602
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
並びに、(4)基体、金属銅膜および酸化銅膜をこの順で含む積層体から原子層エッチング法により酸化銅膜を選択的にエッチングする方法であって、
該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
第1の工程の後に、処理雰囲気内を200℃〜300℃に加熱する第2の工程
を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法である。
Figure 2020136602
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
本発明によるエッチング方法は、基体や半導体装置の製造装置の部材となるステンレス材などに損傷を与えることがない。また、本発明で使用するエッチングガスと酸化コバルトまたは酸化銅を特定の温度に調整して反応させるので、他の金属が存在していても酸化コバルトまたは酸化銅のみを選択的にエッチングすることができる。
本発明に係る原子層エッチング法によってエッチングする方法に用いられる装置の一例を示す概略図である。具体的に、本発明で使用するエッチャント材料が貯蔵される容器(以下、単に「原料容器」と記載することもある)中で加熱及び/又は減圧することにより気化させて蒸気となし、必要に応じて用いられるアルゴン、窒素、ヘリウム等のキャリアガスと共に、該蒸気を積層体が設置されたチャンバー内(以下、「処理雰囲気」と記載することもある)へと導入する気体輸送法を示した図である。 本発明に係る原子層エッチング法によってエッチングする方法に用いられる装置の別の例を示す概略図である。具体的に、本発明で使用するエッチャント材料を液体又は溶液の状態で気化室まで輸送し、気化室で加熱及び/又は減圧することにより気化させて蒸気となし、該蒸気を処理雰囲気へと導入する液体輸送法を示した図である。 本発明の積層体の一実施態様を表した図である。 本発明の積層体の別の実施態様を表した図である。
本発明のエッチング方法は、処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有し、他の金属腐食性ガスを含まないエッチングガスを使用することを特徴とする。つまり、エッチングに一般的に使用される金属腐食性ガスとして、本発明において、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスは使用されない。
Figure 2020136602
(式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
上記一般式(1)において、Rは、水素原子またはフッ素原子を表す。複数あるRは各々同じでもよいし、異なっていてもよいが、全て同じであるものが好ましい。
上記一般式(1)において、R1が全てフッ素原子であるものは、1サイクルにエッチングできる厚みが大きいことから、好ましい。1サイクルにエッチングできる厚みが大きい場合は、生産性よく微細なパターンを形成することができることを意味する。
上記一般式(1)で表される化合物の具体例としては、下記化合物No.1およびNo.2が挙げられる。
Figure 2020136602
上記一般式(1)で表される化合物は、ケト型構造やエノール型構造である場合があることが知られている。上記一般式(1)で表される化合物は、便宜上ケト型構造で表したが、上記一般式(1)で表される化合物のような1,3−ジケトン化合物は、ケト型構造とエノール型構造が互変異性であり平衡を有していることから、上記一般式(1)で表される化合物は、エノール型構造であってもよい。よって、エノール型構造であるものは上記一般式(1)と区別されるものではなく、上記一般式(1)はケト型構造およびエノール型構造の両方を含む概念である。また、上記一般式(1)で表される化合物の合成方法は特に限定されるものではなく、周知一般のジケトン化合物の合成方法を用いて合成することができる。また、試薬として市販されているものを用いることもできる。
本発明で使用するエッチングガスは、上記一般式(1)で表される1,3−ジケトン化合物を含むエッチャント材料から生成することができる。
上記エッチャント材料は、上記一般式(1)で表される1,3−ジケトン化合物からなるエッチャント材料でもよく、また、輸送性を良好にし生産性を向上させる目的で、さらに有機溶媒や水を含有してもよい。
上記の有機溶剤としては、特に制限を受けることはなく周知一般の有機溶剤を用いることができる。該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等の酢酸エステル類;テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン類;ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素類;1−シアノプロパン、1−シアノブタン、1−シアノヘキサン、シアノシクロヘキサン、シアノベンゼン、1,3−ジシアノプロパン、1,4−ジシアノブタン、1,6−ジシアノヘキサン、1,4−ジシアノシクロヘキサン、1,4−ジシアノベンゼン等のシアノ基を有する炭化水素類;ピリジン、ルチジン等が挙げられ、これらは、溶質の溶解性、使用温度と沸点、引火点の関係等により、単独又は二種類以上の混合溶媒として用いられる。
本発明で使用するエッチャント材料には、不純物金属元素分、これを構成する成分以外の不純物フッ素などの不純物ハロゲン分、及び不純物有機分が極力含まれないようにする。不純物金属元素分は、元素毎では100ppb以下が好ましく、10ppb以下がより好ましく、総量では、1ppm以下が好ましく、100ppb以下がより好ましい。特に、LSIのゲート絶縁膜、ゲート膜、バリア層として用いる場合は、得られる薄膜の電気的特性に影響のあるアルカリ金属元素及びアルカリ土類金属元素の含有量を少なくすることが必要である。不純物ハロゲン分は、100ppm以下が好ましく、10ppm以下がより好ましく、1ppm以下が最も好ましい。不純物有機分は、総量で500ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、10ppm以下が最も好ましい。
また、本発明で使用するエッチャント材料は、積層体へのパーティクル汚染を低減又は防止するために、パーティクルが極力含まれないようにするのが好ましい。具体的には、液相での光散乱式液中粒子検出器によるパーティクル測定において、0.3μmより大きい粒子の数が液相1mL中に100個以下であることが好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1mL中に1000個以下であることがより好ましく、0.2μmより大きい粒子の数が液相1mL中に100個以下であることが最も好ましい。
本発明で使用するエッチャント材料は、一般式(1)で表される1,3−ジケトン化合物以外に金属腐食性ガスの発生源となる物質は含まない。
ここでの金属腐食性ガスは具体的に塩素ガス、フッ化水素、臭化水素、一酸化窒素などが挙げられる。従って、本発明ではこのような金属腐食性ガスを発生させるエッチャント材料は使用しない。
本発明で使用する基体の材質については特に限定されない。上記基体の材質としては、例えば、シリコン;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタル、酸化チタン、窒化チタン、酸化ルテニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ランタン等のセラミックス(但し、酸化コバルトや酸化銅を除く);ガラス;金属(但し、金属コバルトや金属銅は除く)が挙げられる。基体の形状としては、板状、球状、繊維状、鱗片状が挙げられる。基体表面は、平面であってもよく、トレンチ構造等の三次元構造となっていてもよい。
本発明で使用する積層体は、その表面に酸化コバルト膜または酸化銅膜を含む。また任意で、金属コバルト膜または金属銅膜を含む。これらの酸化金属膜や金属層の形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、塗布熱分解法やゾルゲル法等のMOD法、CVD法、ALD法などを挙げることができるが、膜の純度が高く、エッチング速度が安定することからALD法で形成された薄膜であることが好ましい。
また、酸化コバルト膜または酸化銅膜は、予め基体の表面に金属コバルト膜または金属銅膜を上述の方法で形成し、オゾンなどの酸化性ガスを用いてこれらの金属膜を酸化させて得ることも可能である。
本発明のある実施態様において、積層体が酸化コバルト膜を含む場合に、その下層に金属コバルト膜を含みうる(図3)。また、別の実施態様において、積層体が酸化銅膜を含む場合に、その下層に金属銅膜を含みうる(図4)。
上記の酸化コバルト膜の厚さは特に限定されないが、通常0.01nm〜10.0nmで、その下層となる金属コバルト膜の厚さも特に限定されないが、通常0.1nm〜100nmである。
上記の酸化銅膜の厚さは特に限定されないが、通常0.01nm〜10.0nmで、その下層となる金属銅膜の厚さも特に限定されないが、通常0.1nm〜100nmである。
本発明は、酸化コバルト膜が350℃以上に加熱されると、一般式(1)で表されるβ−ジケトン化合物によるエッチングが開始されるという知見を利用する発明であり、積層体が酸化コバルト膜を含む場合は、反応温度が少なくとも350℃以上となる環境が必要である。
一方で、反応温度の上限値は特に限定されないが、エネルギー効率や他の製造機器への影響を考慮すると反応温度は1000℃以下とすることが好ましく、800℃以下とすることが好ましい。特に、酸化コバルト膜の下層として金属コバルト膜が存在する場合は、金属コバルト膜は反応温度が600℃以上となると一般式(1)で表されるβ−ジケトン化合物によるエッチングが開始されるため、酸化コバルト膜の選択的なエッチングを可能とするために、反応温度の上限を600℃とすることが好ましい。
また、本発明は、酸化銅膜が200℃〜300℃の範囲に加熱されると、一般式(1)で表されるβ−ジケトン化合物によるエッチングが開始されるという知見を利用する発明であり、積層体が酸化銅膜を含む場合は、反応温度を200℃〜300℃となる環境が必要である。
また、酸化銅膜の下層として金属銅膜を含む基体おいて、金属銅は600℃以上になるまで一般式(1)で表される化合物によってエッチングされないため、反応温度が200℃〜300℃の間に設定することで、基体の酸化銅膜が選択的にエッチングされる。
本発明のエッチング方法は、以下に示す原子層エッチング法に包含される。
具体的に、酸化コバルト膜または酸化銅膜を含む基体をチャンバーなどの処理雰囲気内に導入する工程(以下、工程Aと略す場合がある)、一般式(1)で表される化合物を含むエッチャント材料を処理雰囲気内に導入する工程(以下、工程Bと略す場合がある)、および未反応のエッチャント材料や副生したガスを処理雰囲気内から排気する工程(以下、工程Cと略す場合がある)を含有する方法である。なお、所望の厚さの膜が得られるまで、工程Bおよび工程Cを繰り返すこともできる。また、金属コバルト膜または金属銅膜を酸化させて得られた酸化コバルト膜または酸化銅膜を含む基体を利用する場合、金属原子を含有する膜中の金属を酸化させておく工程、工程Bおよび工程Cを繰り返すこともできる。前記原子層エッチング法は、ALD法による薄膜形成と組み合わせて実施することができ、この場合は上記金属酸化膜を有する基体をチャンバーなどの処理雰囲気内に導入する工程を省略することができる。
前記原子層エッチング法における工程Aは、特に限定されるものではなく、周知な方法で酸化コバルト膜や酸化銅膜が形成された基体をチャンバーなどの処理雰囲気内に導入すればよい。なお、金属コバルト膜または金属銅膜を利用する場合、予め酸素やオゾン等の酸化性ガスを用いて、金属原子を含有する膜中の金属を酸化させておく。なかでも、酸素またはオゾンで酸化することが好ましい。この場合、工程Bに入る前にアルゴンや窒素などの不活性ガスでパージし、処理雰囲気内から酸化性ガスをできるだけ無くすことが好ましい。
前記原子層エッチング法におけるB工程は、本発明で使用するエッチャント材料を処理雰囲気内に導入する工程である。工程Bにおいて、本発明で使用するエッチャント材料は、液状、気体状のいずれの形状で処理雰囲気内に導入されてもよいが、処理雰囲気内では、気体状で、酸化コバルト膜または酸化銅膜を含有する基体に作用させる。前記エッチャント材料を液状で処理雰囲気内に導入する場合は、処理雰囲気内を加熱及び/又は減圧して、導入されたエッチャント材料を気化させる。
気体状で導入する場合は、前記エッチャント材料が貯蔵される原料容器又は前記エッチャント材料とチャンバーとをつなぐ連結部分で、加熱及び/又は減圧により気体状として気化して処理雰囲気内に導入する。必要に応じて、アルゴン、窒素、ヘリウム等不活性ガスをキャリアガスとしても用いてもよい。
なお、工程Aで酸化性ガスを用いた場合には、本発明で用いるエッチャントガスと酸化性ガスが混ざらないようにすることが好ましい。工程Bの際に酸化性ガスが混在していると、エッチング速度が安定化せず、縞状にエッチングムラが発生する場合が多く、精密なエッチングが困難となる。
本工程が行われる際の処理雰囲気内の圧力は1Pa〜10000Paが好ましく、10Pa〜1000Paがより好ましい。
また、本工程において、基体が酸化コバルト膜を含む場合、基体の温度は少なくとも350℃であることを要する。さらに、基体が酸化コバルト膜の下層に金属コバルト膜を含む場合は、本工程における温度は酸化コバルト膜を選択的にエッチングさせるため350℃〜600℃であることを要する。
さらに、また、本工程において、基体が酸化銅膜を含む場合、基体の温度は200℃〜300℃の範囲内であることを要する。
本工程において、一般式(1)で表される化合物以外に、塩素ガスや一酸化窒素などの金属腐食性を有し、エッチングガスとして利用されている化合物は一切用いられない。
前記原子層エッチング法における工程Cでは、未反応のエッチャント材料や副生したガスは、成膜チャンバーから完全に排気されるのが理想的であるが、必ずしも完全に排気される必要はない。排気方法としては、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスにより系内をパージする方法、系内を減圧することで排気する方法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。減圧する場合の減圧度は、0.01Pa〜300Paが好ましく、0.01Pa〜100Paがより好ましい。前記原子層エッチング法では、所望の厚さの膜が得られるまで、工程Bおよび工程Cを繰り返すこともできる。前記原子層エッチング法は、ALD法による薄膜形成と組み合わせて実施することができ、この場合は上記金属酸化膜が形成された基体をチャンバーなどの処理雰囲気内に導入する工程を省略することができる。
以下、実施例及び比較例をもって本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。
[実施例1]
上記化合物No.1を原子層エッチング法用エッチャント材料とし、図1に示す装置を用いて以下の条件のALE法により、シリコンウェハ上の酸化コバルト膜(厚さ100nm)を原子層エッチングした。ALE前後の膜厚変化は蛍光X線分析法、走査型電子顕微鏡によって確認した。ALE法前後の膜厚の変化を測定したところ、酸化コバルト膜の膜厚は40nm薄くなっており、ALE法の1サイクル当たりにエッチングできる膜厚は0.067nmであることがわかった。また、装置に用いられているステンレス部材への腐食は全く確認されなかった。
(ALE条件)
基板:シリコンウェハ
被エッチング膜:酸化コバルト
反応温度(シリコンウエハ温度):350℃
下記(1)〜(2)からなる一連の工程を1サイクルとして、600サイクル繰り返した。
(1)気化させた上記化合物No.1を成膜チャンバーに導入し、系圧力:100Paで30秒間反応させる。
(2)30秒間のアルゴンパージにより、未反応の原子層エッチング法用エッチャント材料及び副生物を除去する。
[比較例1(250℃)、比較例2(300℃)]
実施例1の反応温度を250℃、300℃にした場合、酸化コバルト膜の膜厚に変化がなかった。
[比較例3]
被エッチング膜が金属コバルト膜(厚さ20nm)であること以外、実施例1と同様に原子層エッチングを行った。その結果、金属コバルト膜の膜厚に変化はなかった。
[比較例4]
被エッチング膜が金属コバルト膜(厚さ20nm)であること、および反応温度が500℃であること以外、実施例1と同様に原子層エッチングを行った。その結果、金属コバルト膜の膜厚に変化はなかった。
以上の結果から、基体に金属コバルト膜および酸化コバルト膜を有する積層体を本発明で使用するエッチングガスでALE法によるエッチングを行うと、反応温度が350℃以上で酸化コバルト膜が選択的にエッチング可能であることが理解できる。
[実施例2、3]
上記化合物No.1を原子層エッチング法用エッチャント材料とし、図1に示す装置を用いて以下の条件のALE法により、シリコンウェハ上の酸化銅膜(厚さ400nm)を原子層エッチングした。ALE前後の膜厚変化は蛍光X線分析法、走査型電子顕微鏡によって確認した。ALE法前後の膜厚の変化を測定したところ、酸化銅膜の膜厚は10nm(反応温度250℃でも300℃でも10nm減少)薄くなっており、ALE法の1サイクル当たりにエッチングできる膜厚は0.025nmであることがわかった。また、装置に用いられているステンレス部材への腐食は全く確認されなかった。
(ALE条件)
基板:シリコンウェハ
被エッチング膜:酸化銅
反応温度(シリコンウエハ温度):250℃(実施例2)、300℃(実施例3)
下記(1)〜(2)からなる一連の工程を1サイクルとして、400サイクル繰り返した。
(1)気化させた上記化合物No.1を成膜チャンバーに導入し、系圧力:100Paで30秒間反応させる。
(2)30秒間のアルゴンパージにより、未反応の原子層エッチング法用エッチャント材料及び副生物を除去する。
[比較例5]
実施例2の反応温度を350℃にした場合、酸化銅膜の膜厚も変化がなかった。
[比較例6、7]
実施例2、3の被エッチング膜を金属銅に変更したこと以外は実施例2,3と同様に原子層エッチングを行った。その結果、いずれの金属銅膜の膜厚に変化はなかった。
[比較例8、9]
実施例2の被エッチング膜を金属銅膜に変更し、反応温度を350℃、500℃にした場合、いずれも金属銅膜の膜厚に変化は生じなかった。
以上の結果から、金属銅膜は反応温度が200℃〜300℃の範囲内で本発明で使用するエッチングガスではエッチングされないことがわかった。そのため、基体に金属銅膜および酸化銅膜を有する積層体では、本発明で使用するエッチングガスにより反応温度が上記範囲内で酸化銅膜のみが選択的にエッチングされることが分かった。

Claims (4)

  1. 基体および酸化コバルト膜を含む積層体から原子層エッチング法により酸化コバルト膜をエッチングする方法であって、
    該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
    第1の工程の後に、処理雰囲気内を少なくとも350℃に加熱する第2の工程
    を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法。
    Figure 2020136602
    (式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
  2. 基体、金属コバルト膜および酸化コバルト膜をこの順で含む積層体から原子層エッチング法により酸化コバルト膜を選択的にエッチングする方法であって、
    該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
    第1の工程の後に、処理雰囲気内を350℃〜600℃に加熱する第2の工程
    を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法。
    Figure 2020136602
    (式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
  3. 基体および酸化銅膜を含む積層体から原子層エッチング法により酸化銅膜をエッチングする方法であって、
    該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
    第1の工程の後に、処理雰囲気内を200℃〜300℃に加熱する第2の工程
    を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法。
    Figure 2020136602
    (式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
  4. 基体、金属銅膜および酸化銅膜をこの順で含む積層体から原子層エッチング法により酸化銅膜を選択的にエッチングする方法であって、
    該積層体を収容した処理雰囲気内に下記一般式(1)で表される化合物を含有するエッチングガスを導入する第1の工程、および
    第1の工程の後に、処理雰囲気内を200℃〜300℃に加熱する第2の工程
    を含み、下記一般式(1)で表される化合物以外の金属腐食性ガスを使用しない、該エッチング方法。
    Figure 2020136602
    (式中、Rは水素原子またはフッ素原子を表す。)
JP2019031576A 2019-02-25 2019-02-25 エッチング方法 Pending JP2020136602A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019031576A JP2020136602A (ja) 2019-02-25 2019-02-25 エッチング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019031576A JP2020136602A (ja) 2019-02-25 2019-02-25 エッチング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020136602A true JP2020136602A (ja) 2020-08-31

Family

ID=72279099

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019031576A Pending JP2020136602A (ja) 2019-02-25 2019-02-25 エッチング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020136602A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001003186A (ja) * 1999-05-10 2001-01-09 Air Prod And Chem Inc 銅の異方性エッチング方法
JP2010027788A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Tokyo Electron Ltd 銅の異方性ドライエッチング方法および装置
JP2017028198A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法及びエッチング装置
JP2017063186A (ja) * 2015-08-19 2017-03-30 ラム リサーチ コーポレーションLam Research Corporation タングステンおよび他の金属の原子層エッチング
JP2018500767A (ja) * 2014-12-18 2018-01-11 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド,ア ボディー コーポレイトTHE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF COLORADO,a body corporate 逐次的な自己制御熱反応を使用する原子層エッチング(ale)の新規の方法
US20180163312A1 (en) * 2016-12-09 2018-06-14 Asm Ip Holding B.V. Thermal atomic layer etching processes

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001003186A (ja) * 1999-05-10 2001-01-09 Air Prod And Chem Inc 銅の異方性エッチング方法
JP2010027788A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Tokyo Electron Ltd 銅の異方性ドライエッチング方法および装置
JP2018500767A (ja) * 2014-12-18 2018-01-11 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ コロラド,ア ボディー コーポレイトTHE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF COLORADO,a body corporate 逐次的な自己制御熱反応を使用する原子層エッチング(ale)の新規の方法
JP2017028198A (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 東京エレクトロン株式会社 エッチング方法及びエッチング装置
JP2017063186A (ja) * 2015-08-19 2017-03-30 ラム リサーチ コーポレーションLam Research Corporation タングステンおよび他の金属の原子層エッチング
US20180163312A1 (en) * 2016-12-09 2018-06-14 Asm Ip Holding B.V. Thermal atomic layer etching processes

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
ELHAM MOHIMI ET AL.: "Thermal Atomic Layer Etching of Copper by Sequential Steps Involving Oxidation and Exposure to Hexaf", ECS JOURNAL OF SOLID STATE SCIENCE AND TECHNOLOGY, vol. Volume 7, Number 9, JPN7022005568, 29 August 2018 (2018-08-29), US, pages 491 - 495, ISSN: 0005063363 *
JING ZHAO ET AL.: "Surface Chemistry of Thermal Dry Etching of Cobalt Thin Films Using Hexafluoroacetylacetone (hfacH)", APPLIED SURFACE SCIENCE, vol. 455, JPN6022050608, 15 October 2018 (2018-10-15), ISSN: 0005063364 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10714331B2 (en) Method to fabricate thermally stable low K-FinFET spacer
KR102506509B1 (ko) 전도성 표면들 상에 차단 층들을 증착시키기 위한 방법들
JP6106278B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置およびプログラム
KR20190094366A (ko) 기판 상에 구조물을 형성하는 방법
TW201809333A (zh) 相對於基板的第二表面選擇性沈積在基板的第一表面上的製程與方法
TW201712140A (zh) 選擇性地沉積材料的方法及選擇性地沉積金屬氧化物膜的方法
TWI647333B (zh) 利用硼成核層之低溫鉬膜沉積
TW201638377A (zh) 選擇性地在基板上沈積材料的方法
JP4425194B2 (ja) 成膜方法
JP2018110230A (ja) ドライエッチング方法及びβ−ジケトン充填済み容器
US20160079070A1 (en) Method of manufacturing semiconductor device and substrate processing apparatus
TW201715603A (zh) 乾蝕刻方法、半導體元件之製造方法以及腔室清潔方法
WO2017203775A1 (ja) 薄膜形成用原料及び薄膜の製造方法
WO2022050099A1 (ja) エッチング方法
JP2016046339A (ja) 半導体デバイスの製造方法、基板処理装置およびプログラム
JP7146287B2 (ja) アンモニアの製造方法およびアンモニア製造のための装置
JP2020136602A (ja) エッチング方法
WO2020203636A1 (ja) 原子層エッチングのためのエッチング材料
JP6087023B2 (ja) 半導体装置の製造方法、基板処理装置および記録媒体
JP6272033B2 (ja) 原子層堆積法による酸化ケイ素又は酸窒化ケイ素薄膜の製造方法
WO2021079624A1 (ja) ドライエッチング方法、半導体デバイスの製造方法及びエッチング装置
WO2021117540A1 (ja) 銅含有層の製造方法
US11926903B2 (en) Etching of alkali metal compounds
JP2003138378A (ja) 薄膜形成方法
JP4745137B2 (ja) 薄膜形成用原料、薄膜の製造方法及びハフニウム化合物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230523