JP2020109811A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】非飽和特性を改善してスイッチング時間の短時間化によりスイッチング損失の低減を図る。【解決手段】電界ブロック層4を形成することで低飽和電流かつ低オン抵抗を得つつ耐量を得るようにした構造において、ドレイン電圧Vdがゲートチャネルのピンチオフ電圧になるまでJFET部3がピンチオフされないようにする。これにより、ゲートチャネルでピンチオフされるようになり、縦型MOSFETのピンチオフ電圧をゲートチャネルのピンチオフ電圧とすることが可能となる。このため、飽和領域において非飽和特性になることを抑制できる。したがって、ミラー期間中のミラー電圧がほぼ一定になるようにでき、スイッチング時間を短時間化することができて、スイッチング損失を低減することが可能となる。【選択図】図1

Description

本発明は、MOS構造の半導体素子を有した半導体装置に関し、特に半導体材料として炭化珪素(以下、SiCという)を用いたSiC半導体装置に適用されると好適なものである。
従来より、MOS構造の半導体素子を有した半導体装置が提案されている。例えば、MOS構造の半導体素子として、大電流が流せるようにチャネル密度を高くしたトレンチゲート構造を有するMOSFETがある。このMOSFETは、n型基板上に形成したn型ドリフト層の上にp型ベース領域とn型ソース領域とが順に形成され、n型ソース領域の表面からp型ベース領域を貫通してn型ドリフト層に達するように複数本のトレンチゲート構造が形成された構造とされる。
このようなトレンチゲート構造のMOSFETにおいて、p型ベース領域からトレンチゲート構造よりも深い位置まで形成されたp型電界緩和層をトレンチゲート構造に対して交差するように備えた構造が提案されている(特許文献1参照)。このような構造とする場合、p型電界緩和層の間におけるn型ドリフト層をJFET部として、半導体素子のオン時には、JFET部を通じて電流が流れるようにできる。そして、JFET部の両側がp型電界緩和層で挟まれた構造であるため、電界のせり上がりを抑制して耐圧を向上させることができ、JFET部およびp型電界緩和層のピッチを狭ピッチ化することができる。このため、JFET部とp型電界緩和層を合わせた面積に対するJFET部の割合を高くすることができ、JFET抵抗の低減を図ることができて、オン抵抗の低減を図ることが可能となる。
また、JFET部の幅を狭くすることでより電界のせり上がりが抑制されるようにしつつ、JFET抵抗の低減のためにJFET部のn型不純物濃度を高くすることで、耐圧向上とオン抵抗の低減の両立が図れるようにしている。
特許第4793437号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意検討を行った結果、MOSFETのピンチオフ電圧が通常期待される電圧よりも低い電圧になることが確認された。具体的には、ピンチオフ電圧は通常はチャネル部分がピンチオフされる際のドレイン電圧Vdとして決まり、10〜15[V]程度になるが、シミュレーションにより、それよりも低い電圧になることが確認された。図8は、その結果を示した図である。この図に示されるように、ドレイン電圧Vdが6[V]程度となるときがピンチオフ電圧となっていた。
ピンチオフ電圧がドレイン電圧Vd<10[V]になっていることから、ピンチオフ電圧の低下は、チャネルよりも先にJFET部がピンチオフされていることを意味している。つまり、JFET部がチャネルとして機能していると考えられる。以下、トレンチゲート構造の側面に形成される通常のチャネルをゲートチャネルと呼び、JFET部が構成するチャネルをJFETチャネルと呼ぶ。
JFETチャネルは、ノーマリオン型のため、MOSFETのしきい値電圧Vthに影響を及ぼさないが、飽和電流に大きな影響を及ぼす。すなわち、JFETチャネルは、ゲートチャネルよりも短チャネル化し易く、短チャネル効果の影響を受け易い。具体的には、JFET部の両側にp型電界緩和層が形成されているが、p型電界緩和層の内部に空乏層が広がることにより、実質的にp型電界緩和層として機能するソース電位となる部分における電流の流れ方向の寸法が小さくなる。このため、JFETチャネルにおいて短チャネル効果が生じる。
この短チャネル効果により、本来は、ピンチオフ電圧を超えると、ドレイン電圧Vdが上昇してもドレイン電流Idが殆ど上昇しなくなるという飽和特性を示すのに、図8に示すようにドレイン電流Idが増加するという非飽和特性になり易くなる。飽和電流が非飽和特性になると、ゲート電圧の立上り時もしくは立下り時のミラー期間が平らにならず、余分にゲート−ソース間にチャージが為されて、スイッチング時間が長時間になることが知られている。このため、オン抵抗を低減したにも関わらず、スイッチング損失が増加してしまうという課題が発生する。
本発明は上記点に鑑みて、非飽和特性を改善してスイッチング時間の短時間化によりスイッチング損失の低減を図ることが可能なトレンチゲート構造の半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の半導体装置は、第1または第2導電型の半導体基板(1)と、半導体基板の上に形成され、半導体基板よりも低不純物濃度の第1導電型半導体で構成された第1導電型層(2)と、第1導電型層の上に形成されていると共に半導体基板の法線方向から見て少なくとも一方向を長手方向とする線状部分を有して構成された第2導電型の半導体からなる第2導電型の電界ブロック層(4)と、第1導電型層上に形成され、電界ブロック層に挟まれて配置されている第1導電型の半導体からなるJFET部(3)と、電界ブロック層およびJFET部の上に形成され、第1導電型層よりも高濃度の第1導電型の半導体からなる電流分散層(5)と、電流分散層の上に形成された第2導電型の半導体からなるベース領域(6)と、ベース領域の上に形成され、第1導電型層よりも第1導電型不純物濃度が高くされた第1導電型の半導体からなるソース領域(8)と、ソース領域の表面からベース領域よりも深く形成されたゲートトレンチ(11)内に、該ゲートトレンチの内壁面を覆うゲート絶縁膜(12)と該ゲート絶縁膜の上に配置されたゲート電極(13)とを備えて構成され、一方向と交差する方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられたトレンチゲート構造と、ゲート電極およびゲート絶縁膜を覆うと共にコンタクトホールが形成された層間絶縁膜(14)と、コンタクトホールを通じて、ソース領域にオーミック接触させられたソース電極(15)と、半導体基板の裏面側に形成されたドレイン電極(16)と、を含む半導体素子を備えられている。このような構成において、ゲート電極へのゲート電圧の印加に基づいてトレンチゲート構造の側面に位置するベース領域にチャネル領域が形成されて半導体素子をオンさせ、ゲート電圧の印加を停止することで半導体素子をオフする動作を行う。そして、JFET部の幅LJFETおよび第1導電型不純物濃度NJFETは、チャネル領域でのピンチオフ電圧をVp、半導体の内蔵電圧をVbi、素電荷をq[C]、該JFET部を構成する半導体の誘電率をε、電界ブロック層の第2導電型不純物濃度をNDP[cm−3]、半導体素子の通常作動時にゲート電極に対して印加されるゲート電圧よりも大きな値とされる設定値をVgxとして、次式を満たす値に設定されている。
Figure 2020109811
このような構成とすることで、電界ブロック層を形成することで低飽和電流かつ低オン抵抗を得つつ耐量を得るようにした構造において、ドレイン電圧Vdがゲートチャネルのピンチオフ電圧になるまでJFET部がピンチオフされないようにしている。これにより、ゲートチャネルでピンチオフされるようになり、縦型MOSFETのピンチオフ電圧をゲートチャネルのピンチオフ電圧とすることが可能となる。このため、飽和領域において非飽和特性になることを抑制できる。
したがって、ミラー期間中のミラー電圧がほぼ一定になるようにでき、スイッチング時間を短時間化することができて、スイッチング損失を低減することが可能となる。よって、非飽和特性を改善してスイッチング時間の短時間化によりスイッチング損失の低減を図ることが可能なトレンチゲート構造の半導体装置にできる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかるSiC半導体装置の断面図である。 図1に示すSiC半導体装置の斜視断面図である。 図1に示すSiC半導体装置のドレイン電圧Vd−ドレイン電流Id特性を示した図である。 従来構造および第1実施形態の構造それぞれについて、シミュレーションによりターンオフ波形を調べた結果を示した図である。 p型ベース領域のp型不純物濃度を変えてJFET部の幅LJFETとピンチオフ電圧Vpとの関係について調べた結果を示す図である。 ピンチオフしないようにできるJFET部の幅LJFETとn型不純物濃度NJFETとの関係を示す図である。 図1に示すSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Aに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Bに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Cに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Dに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Eに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 図7Fに続くSiC半導体装置の製造工程を示した斜視断面図である。 従来のSiC半導体装置のドレイン電圧Vd−ドレイン電流Id特性を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態では、半導体材料としてSiCを用いたSiC半導体装置を例に挙げて説明する。本実施形態のSiC半導体装置は、半導体素子として、図1および図2に示すトレンチゲート構造の反転型の縦型MOSFETが形成されたものである。これらの図に示す縦型MOSFETは、SiC半導体装置のうちのセル領域に形成されており、そのセル領域を囲むように外周耐圧構造が形成されることでSiC半導体装置が構成されているが、ここでは縦型MOSFETのみ図示してある。なお、以下では、図1および図2に示すように、縦型MOSFETの幅方向をX方向、X方向に対して交差する縦型MOSFETの奥行方向をY方向、縦型MOSFETの厚み方向もしくは深さ方向、つまりXY平面に対する法線方向をZ方向として説明する。
図1および図2に示されるように、SiC半導体装置には、SiCからなるn型基板1が半導体基板として用いられている。n型基板1の主表面上にSiCからなるn型層2が形成されている。n型基板1は、表面が(0001)Si面とされ、例えばn型不純物濃度が5.9×1018/cmとされ、厚さが100μmとされている。n型層2は、例えばn型不純物濃度が7.0×1015〜1.0×1016/cmとされ、厚さが8.0μmとされている。
型層2の上には、SiCからなるJFET部3と電界ブロック層4が形成されており、n型層2は、n型基板1から離れた位置においてJFET部3と連結されている。
JFET部3と電界ブロック層4は、飽和電流抑制層を構成するものであり、共に、X方向に延設され、Y方向において交互に繰り返し並べられて配置された線状部分を有している。つまり、n型基板1の主表面に対する法線方向から見て、JFET部3の少なくとも一部と電界ブロック層4は、それぞれ複数の短冊状、つまりストライプ状とされ、それぞれが交互に並べられたレイアウトとされている。
なお、本実施形態の場合、JFET部3が電界ブロック層4よりも下方まで形成されたものとされている。このため、JFET部3のうちストライプ状とされている部分は電界ブロック層4の下方において連結した状態になっており、JFET部3のうちストライプ状とされている各部はそれぞれ複数の電界ブロック層4の間に配置された状態となっている。
JFET部3のうちストライプ状とされている部分の各部、つまり各短冊状の部分は、幅が例えば0.4μm以上、好ましくは0.8μm以上、形成間隔となるピッチが例えば0.6〜2.0μmとされている。また、JFET部3の厚みは、例えば0.8μmとされており、n型不純物濃度は、n型層2よりも高くされていて、例えば0.5×1017〜2.0×1017/cmとされている。このJFET部3は、ノーマリオン型となっており、縦型MOSFETをオンさせる際に電流が流れる部分となる。このため、JFET部3もチャネルと見做すことができる。このJFET部3が構成するチャネルがJFETチャネルに相当するものである。
電界ブロック層4は、電界緩和層の一部となる下部を構成する部分であり、p型不純物層によって構成されている。上記したように、電界ブロック層4は、ストライプ状とされている。このストライプ状とされた電界ブロック層4の各短冊状の部分は、MOSFETのオンオフ切替えの際などにドレイン電圧Vdが高電圧となっても完全空乏化しないように幅や深さおよびp型不純物濃度が設定されている。たとえば、電界ブロック層4の各短冊状の部分は、幅が0.6μm、厚みが0.8μm、p型不純物濃度が5.0×1017〜1.0×1018/cmとされている。本実施形態の場合、電界ブロック層4は、深さ方向においてp型不純物濃度が一定とされている。また、電界ブロック層4は、n型層2と反対側の表面がJFET部3の表面と同一平面とされている。
さらに、JFET部3および電界ブロック層4の上には、SiCからなるn型電流分散層5が形成されている。n型電流分散層5は、後述するようにチャネルを通じて流れる電流がX方向に拡散できるようにする層であり、例えば、n型層2よりもn型不純物濃度が高くされている。本実施形態では、n型電流分散層5は、Y方向を長手方向として延設されており、n型不純物濃度がJFET部3と同じかそれよりも高くされ、例えば厚みが0.5μmとされている。また、n型電流分散層5は、n型不純物濃度が2.0×1016〜5.0×1017/cmとされている。
なお、ここでは、ドリフト層を、便宜的にn型層2、JFET部3およびn型電流分散層5に分けて説明しているが、これらは共にドリフト層を構成する部分であり、互いに連結されている。
n型電流分散層5の上にはSiCからなるp型ベース領域6が形成されている。また、p型ベース領域6の下方において、具体的にはJFET部3と電界ブロック層4の表面からp型ベース領域6の間であって、n型電流分散層5が形成されていない部分に、p型ディープ層7が形成されている。p型ディープ層7は、電界緩和層のうち一部となる上部を構成する部分である。本実施形態では、p型ディープ層7は、JFET部3のうちのストライプ状の部分や電界ブロック層4の長手方向に対して交差する方向、ここではY方向を長手方向として延設され、X方向においてn型電流分散層5と交互に複数本並べられたレイアウトとされている。このp型ディープ層7を通じて、p型ベース領域6や電界ブロック層4が電気的に接続されている。n型電流分散層5やp型ディープ層7の形成ピッチは、後述するトレンチゲート構造の形成ピッチに合わせてある。
さらに、p型ベース領域6の上にはn型ソース領域8が形成されている。n型ソース領域8は、p型ベース領域6のうち後述するトレンチゲート構造と対応する部分に形成されており、トレンチゲート構造の両側それぞれに形成されている。
p型ベース領域6は、電界ブロック層4よりも厚みが薄く、かつ、p型不純物濃度が低くされており、例えばp型不純物濃度が3×1017/cmとされ、厚さが0.4〜0.6μmとされている。p型ディープ層7は、厚みがn型電流分散層5と等しくされており、p型不純物濃度は任意であるが、例えば電界ブロック層4と等しくされている。
n型ソース領域8は、後述するソース電極15とのコンタクトを取るための領域であり、n型層2よりもn型不純物が高濃度とされている。n型ソース領域8は、例えばn型不純物濃度が1.0×1018〜5.0×1019/cmとされ、厚みが0.3〜0.7μmとされている。
さらに、p型ベース領域6上のうちp型ディープ層7と対応する位置、換言すればn型ソース領域8と異なる位置であってn型ソース領域8を挟んでトレンチゲート構造と反対側の位置に、p型連結層10が形成されている。p型連結層10は、p型ベース領域6と後述するソース電極15とを連結することで電気的に接続するための層である。
p型連結層10は、コンタクト領域としてソース電極15に接触させられる部分である。例えば、p型連結層10は、p型不純物濃度が5.0×1017〜1.0×1020/cmと高濃度に設定され、厚みが0.2〜0.3μmとされている。
さらに、n型ソース領域8およびp型ベース領域6を貫通してn型電流分散層5に達するように、例えば幅が0.4μm、深さがp型ベース領域6とn型ソース領域8の合計膜厚よりも0.2〜0.4μm深くされたゲートトレンチ11が形成されている。このゲートトレンチ11の側面と接するように上述したp型ベース領域6およびn型ソース領域8が配置されている。ゲートトレンチ11は、図2のX方向を幅方向、JFET部3や電界ブロック層4の長手方向と交差する方向、ここではY方向を長手方向、Z方向を深さ方向とする短冊状のレイアウトで形成されている。そして、ゲートトレンチ11は、複数本がX方向に等間隔に配置されたストライプ状とされており、それぞれの間にp型ベース領域6およびn型ソース領域8が配置されている。また、各ゲートトレンチ11の中間位置に、p型ディープ層7やp型連結層10が配置されている。
このゲートトレンチ11の側面の位置において、p型ベース領域6は、縦型MOSFETの作動時にn型ソース領域8とn型電流分散層5との間を繋ぐチャネル領域を形成する。このチャネル領域がゲートチャネルに相当するものである。このチャネル領域を含むゲートトレンチ11の内壁面は、ゲート絶縁膜12で覆われている。ゲート絶縁膜12の表面にはドープドPoly−Siにて構成されたゲート電極13が形成されており、これらゲート絶縁膜12およびゲート電極13によってゲートトレンチ11内が埋め尽くされ、トレンチゲート構造が構成されている。
また、n型ソース領域8の表面やゲート電極13の表面には、層間絶縁膜14を介してソース電極15や図示しないゲート配線層などが形成されている。ソース電極15やゲート配線層は、複数の金属、例えばNi/Al等にて構成されている。そして、複数の金属のうち少なくともn型SiC、具体的にはn型ソース領域8と接触する部分は、n型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。また、複数の金属のうち少なくともp型SiC、具体的にはp型連結層10と接触する部分は、p型SiCとオーミック接触可能な金属で構成されている。なお、ソース電極15は、層間絶縁膜14上に形成されることでSiC部分と電気的に絶縁されているが、層間絶縁膜14に形成されたコンタクトホールを通じて、n型ソース領域8およびp型連結層10と電気的に接触させられている。そして、p型連結層10を通じてp型ベース領域6やp型ディープ層7および電界ブロック層4が接続されていることから、これらがすべてソース電位とされるようになっている。
一方、n型基板1の裏面側にはn型基板1と電気的に接続されたドレイン電極16が形成されている。このような構造により、nチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造の縦型MOSFETが構成されている。このような縦型MOSFETが複数セル配置されることでセル領域が構成されている。そして、このような縦型MOSFETが形成されたセル領域を囲むように図示しないガードリングなどによる外周耐圧構造が構成されることでSiC半導体装置が構成されている。
このように構成される縦型MOSFETを有するSiC半導体装置は、例えば、ソース電圧Vsを0V、ドレイン電圧Vdを1〜1.5Vとした状態で、ゲート電極13に対して20Vのゲート電圧Vgを印加することで動作させられる。すなわち、縦型MOSFETは、ゲート電圧Vgが印加されることにより、ゲートトレンチ11に接する部分のp型ベース領域6にチャネル領域を形成する。これにより、n型ソース領域8とn型電流分散層5との間が導通する。したがって、縦型MOSFETがオンし、n型基板1より、n型層2とJFET部3およびn型電流分散層5にて構成されるドリフト層を通じ、さらにチャネル領域からn型ソース領域8を通じて、ドレイン−ソース間に電流を流すという動作を行う。また、ゲート電圧Vgへの印加を停止することでチャネル領域が無くなり、n型ソース領域8とn型電流分散層5との間が非導通となって、縦型MOSFETがオフされ、ドレイン−ソース間への電流の流れが停止される。
このとき、本実施形態のSiC半導体装置には、JFET部3および電界ブロック層4を備えてある。このため、縦型MOSFETの動作時には、JFET部3および電界ブロック層4が飽和電流抑制層として機能し、飽和電流抑制効果を発揮することで低オン抵抗を図りつつ、低飽和電流を維持できる構造とすることが可能となる。具体的には、JFET部3のうちストライプ状とされた部分と電界ブロック層4とが交互に繰り返し形成された構造とされていることから、次に示すような作動を行う。
まず、ドレイン電圧Vdが例えば1〜1.5Vのように通常作動時に印加される電圧である場合には、電界ブロック層4側からJFET部3へ伸びる空乏層は、JFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅よりも小さい幅しか伸びない。このため、JFET部3内へ空乏層が伸びても電流経路が確保される。そして、JFET部3のn型不純物濃度がn型層2よりも高くされていて、電流経路を低抵抗に構成できるため、低オン抵抗を図ることが可能となる。
また、負荷短絡などによってドレイン電圧Vdが通常作動時の電圧よりも高くなると、電界ブロック層4側からJFET部3へ伸びる空乏層がJFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅よりも伸びる。そして、n型電流分散層5よりも先にJFET部3が即座にピンチオフされる。このとき、JFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅およびn型不純物濃度に基づいてドレイン電圧Vdと空乏層の幅との関係が決まる。このため、通常作動時のドレイン電圧Vdよりも少し高い電圧となったときにJFET部3がピンチオフされるように、JFET部3のうちストライプ状とされた部分の幅およびn型不純物濃度を設定している。したがって、低いドレイン電圧VdでもJFET部3をピンチオフすることが可能となる。このように、ドレイン電圧Vdが通常作動時の電圧よりも高くなったときにJFET部3が即座にピンチオフされるようにすることで、低飽和電流を維持することができ、更に負荷短絡等によるSiC半導体装置の耐量を向上することが可能となる。
このように、JFET部3および電界ブロック層4が飽和電流抑制層として機能し、飽和電流抑制効果を発揮することで、更に低オン抵抗と低飽和電流を両立することができるSiC半導体装置とすることが可能となる。
さらに、JFET部3を挟み込むように電界ブロック層4を備えることで、JFET部3のうちストライプ状とされた部分と電界ブロック層4とが交互に繰り返し形成された構造とされている。このため、ドレイン電圧Vdが高電圧になったとしても、下方からn型層2に伸びてくる空乏層の伸びが電界ブロック層4によって抑えられ、トレンチゲート構造に延伸することを防ぐことができる。したがって、ゲート絶縁膜12に掛かる電界を低下させる電界抑制効果を発揮させられ、ゲート絶縁膜12が破壊されることを抑制できるため、高耐圧化で信頼性の高い素子とすることが可能となる。そして、このようにトレンチゲート構造への空乏層の延伸を防げるため、ドリフト層の一部を構成するn型層2やJFET部3のn型不純物濃度を比較的高くすることができ、低オン抵抗化を図ることが可能となる。
また、本実施形態のSiC半導体装置では、JFET部3および電界ブロック層4の幅や不純物濃度について、ドレイン電圧Vdがゲートチャネルのピンチオフ電圧になるまでは、JFETチャネルがピンチオフされないように設定してある。つまり、上記したように、負荷短絡などによってドレイン電圧Vdが通常作動時の電圧よりも高くなったときにはJFET部3が即座にピンチオフされるが、通常作動時の電圧においてはピンチオフされない条件に設定してある。具体的には、次式を満たすようにしている。
Figure 2020109811
なお、数式1において、Vpはピンチオフ電圧である。Vbiは半導体材料の内蔵電圧であり、本実施の場合はJFET部3において電界ブロック層4とのPN接合による空乏層広がり分相当の電圧である。qは素電荷[C]、NJFETはJFET部3のn型不純物濃度[cm−3]である。LJFETはJFET部3のうちのストライプ状とされている部分の各部の幅[cm]である。εsicは、SiCの誘電率である。NDPは電界ブロック層4のp型不純物濃度[cm−3]である。また、Vgxは、通常作動時に印加されるゲート電圧を想定した設定値である。設定値は、縦型MOSFETの駆動時にゲート電極13に対して印加されるゲート電圧よりも大きな電圧としてあるが、仕様に応じて適宜設定されれば良い。例えば、縦型MOSFETの駆動時にゲート電極13に印加されるゲート電圧が15[V]とされるのであれば、例えばVgxを20[V]に設定している。
このように、数式1を満たすようにJFET部3および電界ブロック層4の幅や不純物濃度を設定することで、ゲートチャネルでピンチオフされるようになり、縦型MOSFETのピンチオフ電圧をゲートチャネルのピンチオフ電圧とすることが可能となる。このため、飽和領域において非飽和特性になることを抑制できる。
具体的には、図3に示されるように、ピンチオフ電圧がゲート電圧Vgに対応して上昇していく値になり、ドレイン電圧Vdがピンチオフ電圧を超えてからはそれ以上に上昇してもドレイン電流Idがあまり上昇しないという飽和特性を示す。これは、ゲートチャネルでピンチオフされていることを表しており、飽和領域において非飽和特性になっていないことを表している。
そして、このようにゲートチャネルでピンチオフされるようになると、ゲート電圧の立上り時もしくは立下り時のミラー期間が平らになるようにできると共にその時間を短くすることができる。例えば、特許文献1の従来構造および本実施形態の構造それぞれについて、シミュレーションによりターンオフ波形を調べたところ図4に示す結果となった。
理想的には、ミラー期間中にミラー電圧が一定値をとり、かつ、ミラー期間が短いことが良好なスイッチング特性の条件となる。しかしながら、図4に示されるように、特許文献1の構造の場合、ミラー期間中にミラー電圧が一定にならずに傾斜した状態となり、ミラー期間も長時間となっている。このような状態になると、スイッチング時間が長時間化してしまい、スイッチング損失を増大させることになる。
これに対して、本実施形態の構造の場合には、図4に示されるように、特許文献1の場合と比較してミラー期間中のミラー電圧がほぼ一定となっており、ミラー期間も短くなっていた。
具体的には、ドレイン電圧Vdが立上がり始めたタイミングがミラー期間の開始タイミングとなるが、そこからゲート電圧Vgが一定状態となって、さらに低下し始めるときがミラー期間の終了タイミングとなる。なお、一定状態の際のゲート電圧Vgについて、ゲート電圧Vgが厳密には一定値にならずに変化することから、その変化の中央値と想定している。このミラー期間の開始タイミングと一定状態のときのゲート電圧Vgの電位差ΔVgを比較すると、本実施形態の構造の方が特許文献1の構造よりも電位差ΔVgが小さくなっている。このことは、ミラー期間中のミラー電圧の変動が小さく、ミラー電圧がほぼ一定になっていることを示している。また、ゲート電圧Vgの単位時間当たりの変化量に相当するdVg/dtも高くなっており、より早くミラー電圧に移行してミラー期間が短くなることが判る。
このように、ミラー期間中のミラー電圧がほぼ一定になるようにすることで、スイッチング時間を短時間化することができ、スイッチング損失を低減することが可能となる。よって、非飽和特性を改善してスイッチング時間の短時間化によりスイッチング損失の低減を図ることが可能なトレンチゲート構造のSiC半導体装置にできる。
このような効果が得られるようなJFET部3の幅LJFETやn型不純物濃度NJFETについては、p型ベース領域6のp型不純物濃度によって若干変化する。しかしながら、基本的には、JFET部3の幅LJFETとn型不純物濃度NJFETのいずれか一方が決まれば他方も決まる関係となる。例えば、JFET部3のn型不純物濃度NJFETを1.0×1017/cmとした場合において、内蔵電圧Vbiを3[V]一定と想定して、JFET部3の幅LJFETとピンチオフ電圧Vpとの関係について調べた。p型ベース領域6のp型不純物濃度については、5.0×1017/cmと1.0×1018/cmとした。図5は、その結果を示した図である。
この図に示される関係は、p型ベース領域6の変化に応じて若干変化するものの概ね同じになり、JFET部3の幅LJFETが大きくなるほどピンチオフ電圧Vpが大きくなる。そして、例えば、設定値Vgx=20と想定すると、JFET部3の幅LJFETが0.4μm以上であれば、JFET部3がピンチオフされないようにすることができる。
また、ピンチオフしないようにできるJFET部3の幅LJFETについては、JFET部3のn型不純物濃度NJFETに応じて変化する。図6は、これらの関係をシミュレーションにより調べた結果を示している。この図に示されるように、JFET部3の幅LJFETは、JFET部3のn型不純物濃度NJFETが高くなるほど小さくても良い。したがって、図6において、シミュレーションで得られた設定値Vgx=20となるときをプロットした点を結ぶ曲線よりも上の領域となるようにJFET部3の幅LJFETやn型不純物濃度NJFETが設定されれば、JFET部3がピンチオフしないようにできる。
そして、JFET部3のn型不純物濃度NJFETとして最も低い値として想定されるのが5.0×1016/cmであるが、このときに必要とされる幅LJFETが0.8μmであった。このため、JFET部3のn型不純物濃度NJFETとして想定される範囲内においては、幅LJFETが0.8μm以上あれば、本実施形態の構造の縦型MOSFETにおいて、JFET部3がピンチオフしないようにできる。
以上説明したように、本実施形態では、電界ブロック層4を形成することで低飽和電流かつ低オン抵抗を得つつ耐量を得るようにした構造において、ドレイン電圧Vdがゲートチャネルのピンチオフ電圧になるまでJFET部3がピンチオフされないようにしている。これにより、ゲートチャネルでピンチオフされるようになり、縦型MOSFETのピンチオフ電圧をゲートチャネルのピンチオフ電圧とすることが可能となる。このため、飽和領域において非飽和特性になることを抑制できる。
したがって、ミラー期間中のミラー電圧がほぼ一定になるようにでき、スイッチング時間を短時間化することができて、スイッチング損失を低減することが可能となる。よって、非飽和特性を改善してスイッチング時間の短時間化によりスイッチング損失の低減を図ることが可能なトレンチゲート構造のSiC半導体装置にできる。
次に、本実施形態にかかるnチャネルタイプの反転型のトレンチゲート構造の縦型MOSFETを備えたSiC半導体装置の製造方法について、図7A〜図7Gに示す製造工程中の断面図を参照して説明する。
〔図7Aに示す工程〕
まず、半導体基板として、n型基板1を用意する。そして、図示しないCVD(chemical vapor deposition)装置を用いたエピタキシャル成長により、n型基板1の主表面上にSiCからなるn型層2を形成する。このとき、n型基板1の主表面上に予めn型層2を成長させてある所謂エピ基板を用いても良い。そして、n型層2の上にSiCからなるJFET部3をエピタキシャル成長させるか、もしくはn型層2に対してn型不純物をイオン注入することでJFET部3を形成する。このとき、JFET部3部3の幅LJFETやn型不純物濃度NJFETについて、上記した数式1を満たすように設定している。
なお、エピタキシャル成長については、SiCの原料ガスとなるシランやプロパンに加えて、n型ドーパントとなるガス、例えば窒素ガスを導入することで行っている。
〔図7Bに示す工程〕
JFET部3の表面に、マスク17を配置したのち、マスク17をパターニングして電界ブロック層4の形成予定領域を開口させる。そして、p型不純物をイオン注入することで、電界ブロック層4を形成する。その後、マスク17を除去する。
なお、ここでは、電界ブロック層4をイオン注入によって形成しているが、イオン注入以外の方法によって電界ブロック層4を形成しても良い。例えば、JFET部3を選択的に異方性エッチングすることで電界ブロック層4と対応する位置に凹部を形成し、この上にp型不純物層をエピタキシャル成長させた後、JFET部3の上に位置する部分においてp型不純物層を平坦化して電界ブロック層4を形成する。このように、電界ブロック層4をエピタキシャル成長によって形成することもできる。p型SiCをエピタキシャル成長させる場合、SiCの原料ガスに加えて、p型ドーパントとなるガス、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)を導入すれば良い。
〔図7Cに示す工程〕
引き続き、JFET部3および電界ブロック層4の上にn型SiCをエピタキシャル成長させることで、n型電流分散層5を形成する。そして、n型電流分散層5の上に、p型ディープ層7の形成予定領域が開口する図示しないマスクを配置する。その後、マスクの上からp型不純物をイオン注入することでp型ディープ層7を形成する。
なお、p型ディープ層7についてもイオン注入によって形成する例を示したが、イオン注入以外の方法によって形成することもできる。例えば、電界ブロック層4と同様に、n型電流分散層5に対して凹部を形成したのち、p型不純物層をエピタキシャル成長させ、さらにp型不純物層の平坦化を行うことで、p型ディープ層7を形成するようにしても良い。また、p型ディープ層7を形成してからイオン注入等によってn型電流分散層5を形成しても良い。
〔図7Dに示す工程〕
図示しないCVD装置を用いて、n型電流分散層5およびp型ディープ層7の上にp型ベース領域6およびn型ソース領域8を順にエピタキシャル成長させる。例えば、同じCVD装置内において、まずはp型ドーパントとなるガスを導入したエピタキシャル成長によってp型ディープ層7を形成する。続いて、p型ドーパントとなるガスの導入を停止したのち、今度はn型ドーパントとなるガスを導入したエピタキシャル成長によってn型ソース領域8を形成する。
〔図7Eに示す工程〕
n型ソース領域8の上にp型連結層10の形成予定位置を開口させた図示しないマスクを配置する。そして、マスクの上からp型不純物をイオン注入したのち、活性化のために1500℃以上の熱処理を行う。イオン注入する元素としては、ボロン(B)とアルミニウム(Al)のいずれか一方もしくは両方を用いている。これにより、n型ソース領域8をp型不純物のイオン注入によって打ち返してp型連結層10を形成することができる。
〔図7Fに示す工程〕
n型ソース領域8などの上に図示しないマスクを形成したのち、マスクのうちのゲートトレンチ11の形成予定領域を開口させる。そして、マスクを用いてRIE(Reactive Ion Etching)等の異方性エッチングを行うことで、ゲートトレンチ11を形成する。
〔図7Gに示す工程〕
その後、マスクを除去してから例えば熱酸化を行うことによって、ゲート絶縁膜12を形成し、ゲート絶縁膜12によってゲートトレンチ11の内壁面上およびn型ソース領域8の表面上を覆う。そして、p型不純物もしくはn型不純物がドープされたPoly−Siをデポジションした後、これをエッチバックし、少なくともゲートトレンチ11内にPoly−Siを残すことでゲート電極13を形成する。これにより、トレンチゲート構造が完成する。
この後の工程については図示しないが、以下のような工程を行う。すなわち、ゲート電極13およびゲート絶縁膜12の表面を覆うように、例えば酸化膜などによって構成される層間絶縁膜14を形成する。また、図示しないマスクを用いて層間絶縁膜14にn型ソース領域8およびp型ディープ層7を露出させるコンタクトホールを形成する。そして、層間絶縁膜14の表面上に例えば複数の金属の積層構造により構成される電極材料を形成したのち、電極材料をパターニングすることでソース電極15やゲート配線層を形成する。さらに、n型基板1の裏面側にドレイン電極16を形成する。このようにして、本実施形態にかかるSiC半導体装置が完成する。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)例えば、上記実施形態で示したSiC半導体装置を構成する各部の不純物濃度や厚み、幅等の各種寸法については一例を示したに過ぎない。
(2)また、電界ブロック層4については、どこかの部位と接続されることでソース電位とされれば良く、縦型MOSFETの各セルにおいて、p型ディープ層7やp型ベース領域6およびp型連結層10を介してソース電極15に接続してなくても良い。ただし、このような構成とすれば、各セルにおいて、電界ブロック層4をソース電位に固定することが可能となる。
仮に、電界ブロック層4をソース電位に固定するための接続される部位が遠くなると、縦型MOSFETを高速スイッチング駆動した際に、電界ブロック層4からソース電極15に抜ける電流経路が長くなり、電界ブロック層4を通じての充放電時間が長くなる。これにより、スイッチング時間が長くなり、スイッチング損失を増大させてしまう。これに対して、電界ブロック層4を各セルでソース電位に固定すれば、電界ブロック層4からソース電極15に抜ける電流経路を短くでき、電界ブロック層4を通じての充放電時間を短くできる。よって、スイッチング時間を短くできて、スイッチング損失を低減することが可能となる。
(3)また、上記実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプの縦型MOSFETを例に挙げて説明したが、各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプの縦型MOSFETとしても良い。また、上記説明では、半導体素子として縦型MOSFETを例に挙げて説明したが、同様の構造のIGBTに対しても本発明を適用することができる。nチャネルタイプのIGBTの場合、上記各実施形態に対してn型基板1の導電型をn型からp型に変更するだけであり、その他の構造や製造方法に関しては上記各実施形態と同様である。
(4)上記実施形態では、半導体材料としてSiCを用いた半導体装置について説明したが、SiC以外の半導体材料、例えばIV属半導体であるSiやGe、C等やGaN、AlNを用いた半導体装置に対しても本発明を適用可能である。その場合、上記した数式1については、SiCの誘電率εsicに代えて、使用される半導体材料に応じた誘電率εを適用すれば良い。
3 JFET部
4 電界ブロック層
5 n型電流分散層
6 p型ベース領域
8 n型ソース領域
11 ゲートトレンチ
13 ゲート電極
15 ソース電極
16 ドレイン電極

Claims (3)

  1. 反転型の半導体素子を備えている半導体装置であって、
    第1または第2導電型の半導体基板(1)と、
    前記半導体基板の上に形成され、前記半導体基板よりも低不純物濃度の第1導電型半導体で構成された第1導電型層(2)と、
    前記第1導電型層の上に形成されていると共に前記半導体基板の法線方向から見て少なくとも一方向を長手方向とする線状部分を有して構成された第2導電型の半導体からなる第2導電型の電界ブロック層(4)と、
    前記第1導電型層上に形成され、前記電界ブロック層に挟まれて配置されている第1導電型の半導体からなるJFET部(3)と、
    前記電界ブロック層および前記JFET部の上に形成され、前記第1導電型層よりも高濃度の第1導電型の半導体からなる電流分散層(5)と、
    前記電流分散層の上に形成された第2導電型の半導体からなるベース領域(6)と、
    前記ベース領域の上に形成され、前記第1導電型層よりも第1導電型不純物濃度が高くされた第1導電型の半導体からなるソース領域(8)と、
    前記ソース領域の表面から前記ベース領域よりも深く形成されたゲートトレンチ(11)内に、該ゲートトレンチの内壁面を覆うゲート絶縁膜(12)と該ゲート絶縁膜の上に配置されたゲート電極(13)とを備えて構成され、前記一方向と交差する方向を長手方向として複数本がストライプ状に並べられたトレンチゲート構造と、
    前記ゲート電極および前記ゲート絶縁膜を覆うと共にコンタクトホールが形成された層間絶縁膜(14)と、
    前記コンタクトホールを通じて、前記ソース領域にオーミック接触させられたソース電極(15)と、
    前記半導体基板の裏面側に形成されたドレイン電極(16)と、を含む前記半導体素子を備え、
    前記ゲート電極へのゲート電圧の印加に基づいて前記トレンチゲート構造の側面に位置する前記ベース領域にチャネル領域が形成されて前記半導体素子をオンさせ、前記ゲート電圧の印加を停止することで前記半導体素子をオフする動作を行い、
    前記JFET部の幅LJFETおよび第1導電型不純物濃度NJFETは、前記チャネル領域でのピンチオフ電圧をVp、前記半導体の内蔵電圧をVbi、素電荷をq[C]、該JFET部を構成する半導体の誘電率をε、前記電界ブロック層の第2導電型不純物濃度をNDP[cm−3]、前記半導体素子の通常作動時に前記ゲート電極に対して印加されるゲート電圧よりも大きな値とされる設定値をVgxとして、
    Figure 2020109811
    を満たす値に設定されている半導体装置。
  2. 前記半導体素子が複数セル配置されることでセル領域が構成されており、
    前記複数セルの前記半導体素子それぞれにおいて、
    前記電流分散層と共に前記電界ブロック層および前記JFET部の上に形成され、前記電界ブロック層と電気的に接続された第2導電型のディープ層(7)と、
    前記ソース領域を挟んで前記トレンチゲート構造と反対側に形成され、前記ベース領域を前記ソース電極に連結させる第2導電型の半導体で構成された連結層(10)と、が備えられ、
    前記ベース領域は、前記電流分散層および前記ディープ層の上に形成されていて、
    前記複数セルぞれぞれで、前記電界ブロック層が前記ディープ層と電気的に接続されている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記JFET部は、前記第1導電型不純物濃度NJFETが0.5×1017〜2.0×1017/cmとされ、前記幅LJFETが0.8μm以上とされている請求項1または2に記載の半導体装置。
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