JP2020090102A - 被覆金属板 - Google Patents

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彰宏 宮脇
Akihiro Miyawaki
彰宏 宮脇
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Abstract

【課題】防藻性の高い被覆金属板を提供する。【解決手段】本発明に係る被覆金属板は、金属板と、この金属板を覆う、ピリチオン化合物を含有し、樹脂塗料を含有しない被覆層とを備える。被覆層全体に対してピリチオン化合物が0.5〜15質量%の範囲内であることが好ましい。ピリチオン化合物が、ピリチオン金属塩を含有することが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆層と金属板とを備える被覆金属板に関し、詳細には防藻性能を備える被覆金属板に関する。
被覆層と金属板とを備える被覆金属板は、広く建材に使用されている。被覆金属板が特に外装材として使用される場合には、その表面には防汚性が求められている。
被覆金属板防汚性を向上するための手法として、例えば特許文献1には、ケイ酸を含む無機化合物及び/又は加水分解性シリル基を有する化合物を有機クリヤー塗料又は有機エナメル塗料に配合し、次いでこの塗料を金属板に塗布して乾燥させることによって塗膜を形成し、その後、この塗膜に加熱処理を行うことが、開示されている。この方法では、塗膜の親水性を向上することで耐雨垂れ汚染性を向上することができる。
特開2006−102671号公報
近年、被覆金属板の使用が拡大するに伴い、塗膜の親水性を向上するだけでは防止し得ない汚染が注目されるようになってきている。例えば被覆金属板に緑色系の汚れが付着することが指摘されている。本発明者らが確認したところ、この緑色系の汚れは、塗膜に藻類が付着することによって生じていた。これにより、本発明者らは、藻類が付着しにくい性質(防藻性)を備える被覆金属板の必要性を認識するに至った。
本発明は上記事由に鑑みてなされたものであり、防藻性の高い被覆金属板を提供することを目的とする。
本発明に係る被覆金属板は、金属板と、この金属板を覆う、ピリチオン化合物を含有する被覆層とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、防藻性が高い被覆金属板が得られる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る被覆金属板は、金属板と、この金属板を覆う被覆層とを備え、被覆層がピリチオン化合物を含有する。これにより、非常に防藻性の高い被覆金属板が得られる。
金属板は、例えばステンレス鋼製などの適宜の鋼板である。金属板が、溶融亜鉛めっき鋼板、溶融アルミニウム−亜鉛めっき鋼板などの、めっき処理が施された鋼板であってもよい。
金属板に、化成処理層、樹脂塗料から形成された層等の、被覆層以外の層が形成されていてもよい。
化成処理層は公知の化成処理によって形成される層である。化成処理層を形成するための処理剤(化成処理剤)として、例えばリン酸亜鉛処理剤、リン酸鉄処理剤などのリン酸系の処理剤;コバルト、ニッケル、タングステン、ジルコニウムなどの金属酸化物を単独であるいは複合して含有する酸化物処理剤;腐食を防止するインヒビター成分を含有する処理剤;バインダー成分(有機、無機、有機―無機複合など)とインヒビター成分を複合した処理剤;インヒビター成分と金属酸化物とを複合した処理剤;バインダー成分とシリカやチタニア、ジルコニアなどのゾルとを複合した処理剤;前記例示した処理剤の成分を更に複合した処理剤などが、挙げられる。
ジルコニウムの酸化物を含有する酸化物処理剤の例としては、水及び水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂と、水分散性アクリル樹脂と、炭酸ジルコニウムナトリウムなどのジルコニウム化合物と、ヒンダードアミン類とを配合して調製される処理剤が挙げられる。水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂は、例えばポリエステルポリオールと水添型イソシアネートとを反応させるとともにジメチロールアルキル酸を共重合させることで自己乳化させることで合成される。このような水分散性のポリエステル系ウレタン樹脂によって、乳化剤を使用することなく化成処理層に高い耐水性が付与され、溶融めっき金属板の耐食性及び耐アルカリ性が向上する。
化成処理層を形成する前に、あるいは化成処理層を形成することに代えて、金属板にニッケルめっき処理、コバルトめっき処理等のめっき処理が施されてもよい。
化成処理層は、化成処理剤を用い、ロールコート法、スプレー法、浸漬法、電解処理法、エアーナイフ法など公知の方法で形成され得る。化成処理剤の金属板への塗布後、必要に応じ、更に常温放置や、熱風炉や電気炉、誘導加熱炉などの加熱装置による乾燥や焼付けなどの工程が追加されてもよい。赤外線類、紫外線類や電子線類などエネルギー線による硬化方法が適用されてもよい。乾燥時の温度や乾燥時間は、使用した化成処理剤の種類や、求められる生産性などに応じて適宜決定される。このようにして形成される化成処理層は、めっき層上で、連続状若しくは非連続状の皮膜となる。化成処理層の厚みは、処理の種類、求められる性能などに応じて、適宜決定される。
樹脂塗料から形成された層は、エポキシ樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、フッ素樹脂塗料等の公知の塗料から形成されうる。被覆金属板は、一つの樹脂塗料から形成された層を備えてもよく、複数の樹脂塗料から形成された層を備えてもよい。
被覆層は、金属板を覆うように形成される。被覆層は金属板と直接接していてもよく、被覆層と金属板との間に被覆層以外の層が介在してもよい。例えば金属板上に化成処理層が形成されている場合には、被覆層は化成処理層を覆うように形成されてよい。被覆層は、ピリチオン化合物を含有する。この被覆層は、ピリチオン化合物を含有する塗料組成物から形成される。被覆層がピリチオン化合物を含有することで、被覆層の防藻性が著しく向上する。
ピリチオン化合物は、例えば亜鉛ピリチオン、銅ピリチオン、ナトリウムオマジン(Omadine(R))、ピリジン−N−酸化物ジスルフィド、オマジン(Omadine(R))ジスルフィド、2,2’−ジチオ−ピリジン−1,1−二酸化物、及びピリジン−2−チオン−N−酸化物からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。ピリチオン化合物は、ピリチオン金属塩を含有することが好ましく、亜鉛ピリチオンを含有することが特に好ましい。亜鉛ピリチオンは、被覆金属板の防藻性を特に効果的に向上
させるだけでなく、被覆層を着色させにくいために被覆金属板の外観に影響を与えにくい。さらに、被覆金属板が屋外に曝されても、亜鉛ピリチオンは被覆層の変色を生じさせにくい。このため、亜鉛ピリチオンによって、被覆金属板の良好な耐候性が確保できる。
被覆層全体に対して、ピリチオン化合物は0.5〜15質量%の範囲内であることが好ましい。ピリチオン化合物が0.5質量%以上であることで、被覆層への藻類の付着が著しく抑制される。ピリチオン化合物が15質量%以下であることで、ピリチオン化合物を含有する塗料組成物の塗布性が良好となり、塗料組成物から被覆層を容易に形成でき、また、被覆層とその下地である金属板等との密着性が良好となる。ピリチオン化合物が0.5〜5質量%の範囲内であれば更に好ましい。ピリチオン化合物が5質量%以下であれば、ピリチオン化合物が被覆層の柔軟性を低下させにくいため、塗装金属板に折り曲げ加工などの機械的加工を施しても、被覆層にクラックが生じにくくなる。
被覆層は、ケイ素化合物を含有してもよい。被覆層がケイ素化合物を含有すると、被覆層の親水性が高くなり、このため被覆層の防汚性が向上する。被覆層全体に対して、ケイ素化合物は2.0質量%以上であることが好ましい。この場合、被覆層が特に高い防汚性を有する。特に被覆層全体に対してケイ素化合物は2.0〜2.5質量%の範囲内であることが好ましい。ケイ素化合物が2.5質量%より多くなると防汚性の向上効果は飽和してしまう。
ケイ素系化合物は、シリケート系化合物とその硬化物とのうち少なくとも一方を含有することが好ましい。シリケート系化合物とその硬化物は、被覆層の母相の少なくとも一部を構成できる。
シリケート系化合物は、加水分解性のシリル基を有する適宜の化合物を含有できる。例えばシリケート系化合物は、下記一般式(1)に示されるオルガノシリケートと、このオルガノシリケートの加水分解縮合物とのうち少なくとも一方を含有できる。
(R1m−Si−(OR24-m …(1)
式(1)中のR1及びR2はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基若しくはアリール基である。mは0又は1である。シリケート系化合物は、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ジメチルシクロロシラン、トリメチルクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルビニルトリエトキシシラン及びこれらをフッ素変性した化合物又はその縮合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン及びそのフッ素変性した化合物等のシランカップリング剤、並びにこれらの縮合物からなる群から選択される一種以上の化合物を含有できる。
シリケート系化合物は、塗料組成物中及び被覆層中で有機樹脂の骨格に組み込まれていてもよい。すなわち、塗料組成物がシリケート系化合物により変性された有機樹脂を含有し、被覆層がシリケート系化合物により変性された有機樹脂とその硬化物とのうち少なくとも一方を含有してもよい。
シリケート系化合物により変性された有機樹脂としては、シリケート変性されたポリエステル樹脂(シリケート変性ポリエステル樹脂)が挙げられる。シリケート変性ポリエステル樹脂は、例えばカルボキシル基を含有するポリエステル樹脂、水酸基を有するエポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ビニル系重合体及びシリケート系化合物等が
適正量反応することで生成する。このとき、ポリエステル樹脂のカルボキシル基と、水酸基を有するエポキシ基含有ポリエステル樹脂のエポキシ基とが反応することによりエステル結合が形成される。シリケート系化合物は、エポキシ基含有ポリエステル樹脂の水酸基と反応することにより樹脂骨格中に取り込まれる。これにより、シリケート変性ポリエステル樹脂が得られる。
エポキシ基含有ビニル系重合体は、エポキシ基を有するビニル系単量体の重合体、又はエポキシ基を有するビニル系単量体とそれ以外のビニル系単量体との重合体である。エポキシ基を有するビニル系単量体は、例えばグリシル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、グリジル(メタ)アリルエーテル及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アリルエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。特に、エポキシ基含有ビニル系重合体が、ラジカル重合及びエポキシ基/カルボキシル基間の反応性がより高い、(メタ)アクリル酸エステル体であるグリシジル(メタ)アクリレートと3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレートとのうち少なくとも一方を含有することが、より好ましい。
エポキシ基含有ビニル系重合体は、エポキシ基を有するビニル系単量体とそれ以外のビニル系単量体(以下、第二の単量体ともいう)とを共重合させることによって得られた共重合体であることが好ましい。第二の単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類等を挙げることができる。第二の単量体は、飽和炭化水素基に加えて、反応性官能基を有することが好ましく、具体的には、水酸基、アセタール基、シクロカーボネート基、及びブロック化カルボキシル基からなる群から選択される少なくとも一種の基を有することが好ましい。反応性官能基は、エポキシ基を有するビニル系単量体との共重合条件下において、エポキシ基と強い反応性を示さないことが好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル類は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
第二の単量体が、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のエステル類、スチレン、ビニルトルエン、ジメチルスチレン、エチルスチレン等の核置換スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、並びに塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有してもよい。
シリケート変性された樹脂は、シリケート変性ポリエステル樹脂以外に、シリケート変性アクリル樹脂など、種々の樹脂を含有してもよい。
塗料組成物がシリケート系化合物、あるいはシリケート変性された有機樹脂を含有する場合には、塗料組成物は、更に水とともに酸性触媒を含有することが好ましい。この場合、塗料組成物が塗布成膜される際にシリケート系化合物等の加水分解反応が促進される。酸性触媒は、例えば塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
ケイ素化合物がシリカ粒子を含有することも好ましい。すなわち、被覆層及び塗料組成物がシリカ粒子を含有することも好ましい。シリカ粒子はコロイダルシリカであることが好ましい。コロイダルシリカの具体例としては、日産化学工業株式会社製の商品名スノーテックスが挙げられる。コロイダルシリカの粒径は例えば2〜100nmの範囲内である。表面被覆の観点からはコロイダルシリカの粒径が小さいことが好ましい。ケイ素化合物
が粒子径の異なるコロイダルシリカを含有してもよい。
ケイ素化合物は、オルソケイ酸、メタケイ酸、シリカゲル等のケイ素、酸素、水素からなる化合物;アルミニウム、マグネシウム、鉄等と化合したケイ酸塩化合物、例えば長石類、雲母等の天然に存在する化合物、セメント、ガラス、ホウロウなど人為的に造られる化合物等を含有してもよい。ケイ酸塩化合物がケイ酸塩ガラスを含有してもよく、この場合、微細粉末状、繊維状などの形状のケイ酸塩ガラスを含有してもよい。
被覆層及び塗料組成物がハイドロタルサイト類を含有してもよい。この場合、被覆層の親水性が更に向上し、このため被覆層の防汚性が更に向上する。ハイドロタルサイト類は、下記一般式(2)で示される化合物である。
[M2+ 1-X3+ X(OH)2X+[An- X/n・mH2O]X- …(2)
一般式(2)において、M2+は2価の金属イオンであり、例えばMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+及びZn2+からなる群から選択される少なくとも一種の金属イオンである。M3+は3価の金属イオンであり、例えばAl3+、Fe3+、Cr3+、Co3+及びIn3+からなる少なくとも一種の金属イオンである。An-は、OH-、F-、Cl-
Br-、NO2 -、CO3 2-、SO4 2-、Fe(CN)3 3-、CH3COO-、シュウ酸イオン、サリチル酸イオンなどのn価のアニオンを示す。また、Xは0より大きく0.33以下の値を示す。ハイドロタルサイト類が、特に安定性の高い物質であるマグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)を含有することが好ましい。ハイドロタルサイト類には脱水処理がされていないことが好ましい。これにより、脱水処理がされているハイドロタルサイト類よりも、被覆層の親水性を向上させうる。
ハイドロタルサイト類は、例えば平均粒径が3μm程度のDHT−6(協和化学工業社製)、平均粒径20〜300μm程度で多結晶構造の粒子状のキョーワード100、キョーワード200、キョーワード300、キョーワード400、キョーワード500PL、キョーワード500SH、キョーワード500SN、キョーワード1000、キョーワード2000(いずれも協和化学工業社製)、平均粒径20〜300μm程度で非晶質構造のキョーワード600、キョーワード700などを含有できる。特にハイドロタルサイト類が脱水処理されていないキョーワード200及びキョーワード300のうち少なくとも一方を含有することが好ましい。この場合、ハイドロタルサイトがアニオン置換性を有し、炭酸基が他のアニオンによって置換される。ハイドロタルサイト類と塗料組成物中の別の成分との混合は、中性若しくは酸性下、好ましくは酸性下で行われる。アルカリ性下で混合されると、ハイドロタルサイト類の特性に起因して凝集が生じてしまうことがある。酸性下に制御するにはバインダーを含む酸性を呈する液体を用いることもでき、あるいは、酸性を維持するために混合時に別途、酸を添加してもよい。
被覆層は、この被覆層の母相を構成する成分として、樹脂成分とその硬化物とのうち少なくとも一方を含有してもよい。この場合、塗料組成物は、適宜の樹脂成分を含有してもよい。
樹脂成分は、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも一種の樹脂を含有できる。特に樹脂成分が、汎用性の高いポリエステル樹脂と、耐蝕性及び耐候性に優れるフッ素樹脂とのうち、少なくとも一方を含有することが好ましい。
ポリエステル樹脂は、例えばジカルボン酸及びジオールを含むモノマーの縮重合物である。
ジカルボン酸は、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸等の炭素数2〜22の脂肪酸ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;並びにテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。ジカルボン酸には、ジカルボン酸のエステル形成性誘導体(ジカルボン酸のエステルであってエステル交換反応によりポリエステル樹脂を生成する化合物、酸無水物等など)が含まれてもよい。
ジオールは、例えば炭素数2〜22の脂肪酸ジオールを含有することができ、より具体的にはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール及びペンタンジオールからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。ジオールにはジオールのエステル形成性誘導体(ジオールのエステルなどであってエステル交換反応によりポリエステル樹脂を生成する化合物)が含まれていてもよい。
ポリエステル樹脂を得るためのモノマーには、ポリエステル樹脂の結晶性を落とすため、ポリエステル樹脂にカルボキシル基を導入するためなどの目的で、3官能基以上のカルボキシル基を有する化合物とヒドロキシル基を有する化合物とのうち少なくとも一方が含まれてもよい。例えば、モノマーがトリメリット酸を含有することで、ポリエステル樹脂が、線状の分子鎖の末端に存在する水酸基にトリメリット酸が付加した構造を有するカルボキシル基含有線状ポリエステル樹脂を含有することができる。また、モノマーがトリメチロールプロパン、1,2,3−ヘキサントリオール、トリメリット酸及びピロメリット酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有することで、ポリエステル樹脂が分岐を有する樹脂を含有することもできる。モノマーがトリメリット酸、トリメチロールプロパン等の3官能のカルボン酸を含むことで、ポリエステル樹脂が結晶性が落とされた樹脂を含有することもできる。
樹脂成分がポリエステル樹脂を含有する場合、樹脂成分は、ポリエステル樹脂と熱硬化反応する硬化剤を更に含有してもよい。硬化剤は、カルボキシル基、カルボン酸無水物基及びアルキルビニルエーテル化合物でブロック化されたカルボキシル基からなる群から選ばれる少なくとも一種の反応性官能基を有する化合物であることが好ましい。カルボキシル基を有する化合物は、例えばコハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ダイマー酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びメチルヘキサヒドロフタル酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有する。
フッ素樹脂は、親水性の基を有する樹脂を含有することが好ましい。フッ素樹脂が、親水性の基を有する樹脂と親水性の基を有さない樹脂とを含有してもよい。
フッ素樹脂は、フッ素化オレフィン系重合体を含有することが好ましい。フッ素化オレフィン系重合体とは、フッ素化オレフィンモノマーの重合体である。フッ素化オレフィンモノマーは有機溶剤に分散又は溶解することが好ましい。
フッ素化オレフィン系重合体は、例えばポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、(エチレン・テトラフロロエチレン)共重合体、(フッ化ビニリデン・テトラフロロエチレン)共重合体、(テトラフロロエチレン・ヘキサフロロプロピレン)共重合体、ポリフッ化ビニルエーテル、ポリクロロトリフルオロエチレン、(エチレン・クロロトリ
フルオロエチレン)共重合体及び(フッ化ビニルエーテル・テトラフロロエチレン)共重合体からなる群から選択される少なくとも一種を含有できる。フッ素化オレフィン系重合体の市販品としては、旭ガラス株式会社製「ルミフロン」、DIC株式会社製「フルオネート」、東亜合成株式会社製「ザフロン」、ダイキン工業株式会社製「ゼッフル」等の塗料用樹脂が挙げられる。アクリル系成分との相溶性が良好な点、溶剤に対する溶解性が良好な点、並びに親水性が高い点から、フッ素樹脂がフッ化ビニリデン系重合体を含有することが好ましい。
フッ素樹脂が、フッ素化(メタ)アクリレートと、親水性構造単位含有エチレン性不飽和単量体とを含むエチレン性不飽和単量体の共重合体(以下、親水性構造含有共重合体という)を含有することも好ましい。フッ素樹脂が親水性構造含有共重合体とフッ素化オレフィン系重合体とを含有することも好ましい。
親水性構造含有共重合体において、疎水性セグメントと親水性セグメントが同一鎖内に存在する。この親水性構造含有共重合体が用いられることで、被覆層の親水性が向上する。親水性セグメントとは、分子中にポリアルキレンオキシド、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸塩、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、アンモニウム塩、各種金属塩等の親水性の基を有するセグメントである。
親水性構造含有共重合体を得るためのフッ素化(メタ)アクリレートは、アクリルエステル基及びその類縁基を有することが好ましい。フッ素化(メタ)アクリレートの具体例として、次の化合物が挙げられる。
CH2=CHCOOCH2CH2817
CH2=CHCOOCH2CH21225
CH2=CHCOOCH2CH21021
CH2=CHCOOCH2CH2613
CH2=CHCOOCH2CH249
CH2=CFCOOCH2CH2613
CH2=CHCOOCH2CF3
CH2=CHCOOCH2817
CH2=CHCOOCH220F41
CH2=CFCOOCH225
CH2=CHCOOCH2(CH26CF(CF32
CH2=CHCOOCH2(CF22
CH2=CHCOOCH2(CF24
CH2=CHCOOCH2CF3
CH2=CHCOOCH2CH(OH)CH2817
CH2=CHCOOCH2CH2N(C37)SO2817
CH2=CHCOOCH2CH2N(C25)COC715
CH2=CHCOO(CH28N(CH3)COC1225
CH2=CHCOO(CH22N(CF28CF(CF32
CH2=C(CH3)COOCH2CH2817
CH2=C(CH3)COOCH2CH21225
CH2=C(CH3)COOCH2CH21021
CH2=C(CH3)COOCH2CH2613
CH2=C(CH3)COOCH2CH22041
CH2=C(CH3)COOCH2CH249
CH2=C(CH3)COO(CH261021
CH2=C(CH3)COOCH2CF3
CH2=C(CH3)COOCH2817
CH2=C(CH3)COOCH220F41
CH2=C(CH3)COOCH2CF(CF32
CH2=C(CH3)COOCH2CFHCF3
CH2=C(CH3)COOCHCF2CFHCF3
CH2=C(CH3)COOCH2(CF22
CH2=C(CH3)COO(CF24
CH2=C(CH3)COO(CF26
CH2=C(CH3)COOCH2CH(OH)(CH241837
CH2=C(CH3)COOCH2CH2N(CH3)SO2613
CH2=C(Cl)COO(CH26NHSO21225
これらの化合物のうち、一種のみが用いられても、二種以上が併用されてもよい。
親水性構造含有共重合体を得るための親水性構造単位含有エチレン性不飽和単量体は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の一価ないし二価のカルボン酸などの、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸;2−ヒドロキシエチルエステル、2−ヒドロキシプロピルエステル、4−ヒドロキシブチルエステルなどの、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のヒドロキシルアルキルエステル;グリシジル(メタ)クリレートなどの(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル;並びに側鎖にエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の繰り返し単位などのポリアルキレンオキシドを含有するモノマーからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
親水性構造含有共重合体を得るためのエチレン性不飽和単量体は、更にスチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、酢酸ビニル等の脂肪酸ビニル、アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アルキルエステル、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸の炭素数1〜18のエーテル酸素含有アルキルエステル、並びにアルキル炭素数が1〜18のアルキルビニルエーテルからなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有してもよい。
エチレン性不飽和単量体を、例えば溶液重合法、塊状重合法、エマルジョン重合法等の公知の重合法によって、ラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合等の重合機構により重合させることで、親水性構造含有共重合体が得られる。重合法は、特にラジカル重合法が好ましい。
樹脂成分がフッ素樹脂とアクリル樹脂とを含有することも好ましい。アクリル樹脂は、フッ素化オレフィン系重合体との相溶性が高く、またこのアクリル樹脂により被覆層と金属板等との密着性が向上するという点で好ましい。アクリル樹脂は、例えば(メタ)アクリロイル基を有する単量体の単独重合体又は共重合体である。(メタ)アクリロイル基を有する単量体は、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクテル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アクリルニトリル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジブチルフマル酸エステル、ジメチルフマル酸エステル及び(メタ)アクリル酸からなる群から選択される少なくとも一種の成分を含有できる。
塗料組成物及び被覆層は、更に種々の添加物を含有してもよい。添加物としては、酸化チタン、カーボンブラック、酸化鉄、クロム酸塩、カルシウムカーボネート等の無機顔料;シアニングリーン、シアニンブルー等の有機顔料;アルミニウム粉、銅粉、ニッケル粉等の金属粉末;消臭剤;帯電防止剤;シリコンオイル;フッ素樹脂パウダー;シリコンパ
ウダー;タルク等の体質顔料;消泡剤;防錆剤;レヴェリング剤;ワックス;紫外線吸収剤;カップリング剤;界面活性剤;可塑剤;乾燥促進剤;硬化触媒;キシレン、シロキサン等の有機溶剤等が挙げられる。
塗料組成物が金属板に、適宜の手法により塗布、成膜されることで、被覆層が形成される。塗装法としては、ロールコート法、カーテンコート法、スプレー法、浸漬法、電解処理法、エアーナイフ法など公知の方法が採用され得る。塗料組成物は、金属板上、あるいは被覆層以外の層が形成されている場合には被覆層以外の層の上に、塗布される。塗料組成物の塗布後、この塗料組成物に必要に応じて、常温乾燥、熱風炉や電気炉、誘導加熱炉などの加熱装置による乾燥や焼付けなどが施されることで、被覆層が形成される。塗料組成物がエネルギー線硬化性を有する場合、塗装後の塗料組成物に、赤外線類、紫外線類や電子線類などエネルギー線の照射により塗料組成物が硬化されることで、被覆層が形成されてもよい。塗料組成物の乾燥時の温度及び乾燥時間は、使用される塗料組成物の種類、求められる生産性などに応じて適宜決定される。被覆層は連続状の皮膜であっても、非連続状の皮膜であってもよい。
塗料組成物がシリケート系化合物を含有する場合には、塗料組成物が硬化成膜する過程において、塗料組成物の塗膜の表層付近でシリケート系化合物の濃度が高くなり、更にシリケート系化合物が空気中の水分によって加水分解されることによって、被覆層の表面に多数の親水性の基(水酸基)が生成する。これにより、被覆層の親水性が高くなり、このため被覆層が特に高い防汚性を発揮する。
被覆層の厚みは、塗料組成物の種類、求められる性能などに応じて適宜決定される。例えば被覆金属板がプレコート金属板製品(塗装後に機械的な加工が施される製品)として使用される場合には、厚み5〜200μm程度の被覆層が形成されることが好ましい。金属板に機械的な加工が施された後、あるいは更に加工後の金属板が建材として施工された後に、塗装が施される場合には、被覆層の厚みが更に厚いこと、例えば数mmの厚みであることが好ましい。
1.塗料組成物の調製
表1に示す組成を有する実施例1〜14及び比較例1〜7の塗料組成物を調製した。なお、表1におけるポリエステル樹脂塗料は50質量%のポリエステル樹脂(三井化学株式会社製「アルマテックスP645」)、10質量%のメラミン樹脂硬化剤(三井サイテック株式会社製「サイメル303」)及び40質量%の酸化チタン(石原産業株式会社製「CR−95」)を含有する塗料であり、フッ素樹脂塗料は40重量%のポリフッ化ビニリデン樹脂(アルケマ株式会社製「カイナー500」)、20重量%のアクリル樹脂(メタクリル酸メチル/アクリル酸エチルの重量比70/30)及び20重量%の酸化チタン(石原産業株式会社製「CR−95」)を含有する塗料である。また、ハイドロタルサイト類は脱水処理が施されていないマグネシウム・アルミニウム・ハイドロオキサイド・カーボネート・ハイドレート(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O)(協和化学工業社製のキョーワード1000)である。
2.塗装金属板の作製
金属板として、板厚0.3mm、板幅250mmの溶融55%アルミニウム−亜鉛めっき鋼板(ガルバリウム鋼板(登録商標))を用意した。この金属板を脱脂後、塗布型クロメート処理を施した。
続いて、ポリエステル樹脂塗料をベースとして被覆層を形成する場合には、まず金属板上にエポキシ樹脂系プライマー(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会
社製「P667S」)を塗布してから、最高到達温度200℃で加熱することで、厚み4μmの下塗層を形成した。この下塗層上に塗料組成物を塗布し、最高到達温度220℃で30秒間加熱焼付することで、厚み15μmの被覆層を形成した。
フッ素樹脂塗料をベースとして被覆層を形成する場合には、まず金属板上に変性エポキシ樹脂系プライマー(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ユニフロン600」)を塗布してから、最高到達温度215℃で加熱することで、厚み5μmの下塗層を形成した。この下塗層上に塗料組成物を塗布し、最高到達温度220℃で30秒間加熱焼付することで、厚み15μmの被覆層を形成した。
ハイドロタルサイト類を含有する被覆層を形成する場合は、まず金属板上に変性エポキシ樹脂系プライマー(日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社製「ユニフロン600」)を塗布してから、最高到達温度215℃で加熱することで、厚み5μmの下塗層を形成した。この下塗層上に、塗料組成物の調製のために用いたものと同じフッ素樹脂塗料を塗布し、最高到達温度220℃で30秒間加熱焼付することで、厚み15μmの中塗層を形成した。この中塗層上に塗料組成物を塗布し、最高到達温度100℃で30秒間加熱焼付することで、被覆層を形成した。
3.評価試験
3−1.加工性
防藻剤を使用した実施例1〜14及び比較例4〜6について、加工性試験を実施した。
試験対象である各実施例及び比較例に対応する、防藻剤を含有しない被覆層を有する比較対象の塗装金属板を用意した。
各実施例及び比較例の塗装金属板、及び比較対象の塗装金属板に、20℃の雰囲気下でTベンド曲げ加工を施した。各実施例及び比較例における被覆層にクラックが発生しない最小のT数を、比較対象における被覆層にクラックが発生しない最小のT数と比較し、T数が変化しないものをA、T数が1つ増える場合をB、T数が2つ以上増える場合をCとした。
3−2.防藻性試験
各実施例及び比較例において、塗装金属板を50mm×70mmの寸法に切断することで試験サンプルを得た。この試験サンプルを深型シャーレ中の平板上に置いた。藻類の混合分散液(3ml)を吸引濾過してから、試験サンプル上に塗布接種した。接種してから24時間経過時に、窒素、リン及びカリウムを同量ずつ含む2%無機塩類水溶液を試験サンプル表面に噴霧した。続いて、8週間の間、試験サンプルを蛍光灯で照度700〜1200luxの範囲で16時間照らしてから蛍光灯を消灯した状態を8時間継続することを、繰り返し行った。続いて、試験サンプルを目視で観察した。その結果、試験サンプル上に藻類の発育が全く認められない場合をA、試験サンプルの被覆層における面積比率10%未満の領域で藻類の発育が認められた場合をB、試験サンプルの被覆層における面積比率10%以上の領域で藻類の発育が認められた場合をCと、評価した。
3−3.耐候性試験
防藻剤を使用した実施例1〜14及び比較例4〜6について、JIS Z9107の6.2.2.3(サンシャインカーボンアーク灯式デューサイクル促進耐候性試験)に準拠した耐候性試験を実施した。
試験対象である各実施例及び比較例に対応する、防藻剤を含有しない被覆層を有する比較対象の塗装金属板を用意し、各実施例及び比較例の塗装金属板、及び比較対象の塗装金
属板に、下記の条件による処理を500時間行った。
・サンシャインカーボンアーク灯の個数:1個(タイプIのフィルタを使用)
・電源の電圧:180〜230Vの単相交流
・平均放電電圧及び電流:50V(±2%)、60A(±2%)
・相対湿度:(50±5)%
・ブラックパネルの温度計の示す温度:63±3℃
・水の噴射時間:120分中、18分間照射及び噴射、102分間照射
・給水水圧:78〜127kPa
処理前後の塗装金属板の被覆層の色をコニカミノルタ製CM−3700dで測定し、各実施例及び比較例における被覆層の色差と、比較対象における被覆層の色差とを、それぞれ導出した。
その結果、各実施例及び比較例における被覆層の色差と、比較対象における被覆層の色差との差が、1以内(目視で変褪色の度合に差が見られない範囲)の場合をA、1以上3未満(目視で変褪色の度合にやや差が見られる範囲)である場合をB、3以上(目視で変褪色の度合に大きく差が見られる範囲)である場合をCと、評価した。
3−4.防汚性試験
各実施例及び比較例の塗装金属板を、曝露用架台に取り付けて、屋外に3か月間曝露した。なお、曝露用架台は、樹脂製の波板からなる模擬的な屋根を備え、降雨時に雨滴が波板から塗装金属板へ滴下する構造を有する。曝露後の塗装金属板の表面の水接触角を、水接触角計(株式会社マツボー製、接触角計PG−X)を用いて測定した。
Figure 2020090102

Claims (7)

  1. 金属板と、この金属板を覆う、ピリチオン化合物を含有し、樹脂塗料を含有しない被覆層とを備える被覆金属板。
  2. 前記被覆層全体に対して前記ピリチオン化合物が0.5〜15質量%の範囲内である請求項1に記載の被覆金属板。
  3. 前記ピリチオン化合物が、ピリチオン金属塩を含有する請求項1又は2に記載の被覆金属板。
  4. 前記ピリチオン金属塩が、亜鉛ピリチオンを含有する請求項3に記載の被覆金属板。
  5. 前記被覆層が、ケイ素化合物を含有する請求項1から4のいずれか一項に記載の被覆金属板。
  6. 前記ケイ素化合物が、シリケート系化合物とその硬化物とのうち少なくとも一方を含有する請求項5に記載の被覆金属板。
  7. 前記被覆層が、ハイドロタルサイト類を更に含有する請求項1から5のいずれか一項に記載の被覆金属板。
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