JP2020082989A - 車両側部構造 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、本発明の車両側部構造では、車両側突時に、センタピラーインナパネルが車両内側へ入り込み、該センタピラーインナパネルに押圧されてシートベルトリトラクタが車両内側へ変位した場合、シートベルトリトラクタが最初に板状部材に接触することになるので、シートベルトリトラクタの車両内側への変位を板状部材が止めることになり、シートベルトリトラクタによるセンタピラートリムの割れを防止することができる。
また、本発明の車両側部構造においては、センタピラーインナパネルからシートベルトリトラクタに加わる荷重が大きくなって、板状部材がセンタピラートリムに接触する場合でも、当該荷重を板状部材が面で受けてセンタピラートリムに伝達することになるので、局所的な荷重伝達を無くすことが可能となり、センタピラートリムの割れを防止する効果を有することができる。
さらに、本発明の車両側部構造では、センタピラートリムの車両外側の面に取付けられる板状部材により、車両幅方向外側から加わる荷重に対してセンタピラートリム自体の剛性が向上することになるので、車両側突時などにおけるセンタピラートリムの割れを防ぐことができる。
なお、図において、矢印Fr方向は車両前方を示し、矢印I方向は車両内側を示し、矢印O方向は車両外側を示している。
図1〜図6は、本発明の第1実施形態に係る車両側部構造を示すものである。本実施形態の車両側部構造は、図1に示すように、車両側面視で車両前後方向の中間に位置し、車両上下方向に沿って設けられる左右両側のセンタピラー(Bピラー)1を有しており、該センタピラー1の車両内側には、センタピラーインナパネル11が配置されている。そして、センタピラーインナパネル11の車両内側の下部には、図2〜図5に示すように、前席乗員用のシートベルトウェビング21を巻き取るシートベルトリトラクタ2が設けられている。さらに、センタピラーインナパネル11及びシートベルトリトラクタ2の車両内側には、当該センタピラーインナパネル11及びシートベルトリトラクタ2を覆うセンタピラートリム3が設けられている。しかも、センタピラートリム3は、センタピラーインナパネル11及びシートベルトリトラクタ2に対し、車両幅方向で所定の間隔を空けて配置され、センタピラー1の所定の高さ位置まで車両上下方向に延びている。
本実施形態の板状部材4は、図3及び図6に示すように、センタピラートリム3の車両外側の面に設けられた複数の取付部31,32に取付けられている。これら取付部31,32は、板状部材4がセンタピラートリム3の別々の離れた箇所に取付けられるように配置されており、センタピラートリム3との取付強度が高められている。
第1の取付部31は、接着剤や帯状の両面テープなどを用いて構成されており、板状部材4の前辺部4a及び上辺部4cに沿って設けられているとともに、後辺部4bの上下中間位置から前辺部4aへ向かって設けられている。
一方、第2の取付部32は、車両外側へ向かって突出し、板状部材4の孔(図示せず)に挿入するボスによって構成されており、板状部材4の中間部4e、後辺部4b側及び下辺部4dに設けられている。しかも、第2の取付部32は、板状部材4の孔(図示せず)にボスを挿入することによって、板状部材4の位置決めを行う機能も有している。そして、ボスの挿入後に、ボスと板状部材4を溶着することによって、板状部材4をセンタピラートリム3に固定するようになっている。
このよう位置に膨出部33を設けることにより、車両側突時において、板状部材4のセンタピラートリム3への接触までの変位ストロークを確保し、センタピラートリム3の接触までの衝撃吸収量を大きくするように構成されている。しかも、膨出部33の存在により、センタピラートリム3自体が車両幅方向からの荷重に対して高い剛性を有するようにしている。
また、板状部材4の下辺部4dとセンタピラーリンフォースメント6の下部6aとは、図4及び図5に示すように、車両幅方向の位置が一致するように配置されており、車両側突によるシートベルトリトラクタ2の車両内側への変位時に、センタピラーリンフォースメント6と板状部材4とが協働してシートベルトリトラクタ2の車両内側への変位が抑えられ、センタピラートリム3の割れが起こらないようになっている。
そのため、本実施形態の車両側部構造では、車両側突時に、車両幅方向からの荷重がセンタピラー1に加わり、センタピラーインナパネル11が車両内側へ入り込み、センタピラーインナパネル11に押圧されてシートベルトリトラクタ2が車両内側へ変位した場合、シートベルトリトラクタ2が最初に板状部材4に接触することになる。したがって、本実施形態の車両側部構造によれば、シートベルトリトラクタ6の車両内側への変位を板状部材4が止めることになるので、シートベルトリトラクタ6の接触によるセンタピラートリム3の割れを防止することができる。
また、本実施形態の車両側部構造においては、センタピラーインナパネル11からシートベルトリトラクタ6に加わる荷重が更に大きくなって、板状部材4がセンタピラートリム3に接触する場合でも、当該荷重を板状部材4が面で受けてセンタピラートリム3の全体に伝達することになるので、センタピラートリム3への局所的な荷重伝達を無くすことができ、センタピラートリム3の割れを防止する効果を有することができる。
さらに、本実施形態の車両側部構造では、板状部材4が複数の第1及び第2取付部31,32においてセンタピラートリム3の車両外側の面に取付けられており、当該板状部材4によって、車両幅方向外側から加わる荷重に対してセンタピラートリム3自体の剛性が向上しているので、車両側突時などにおけるセンタピラートリム3の割れを効果的に防ぐことができる。
したがって、本実施形態の車両側部構造で、車両側突時に車両幅方向外側からの荷重がシートベルトリトラクタ2に加わった場合でも、局所的な荷重がセンタピラートリム3に加わることを防ぐことが可能になるので、センタピラートリム3の割れ防止効果をより促進することができる。
図7〜図10は、本発明の第2実施形態に係る車両側部構造を示すものである。なお、上述した第1実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複した説明は省略する。
この第2実施形態の車両側部構造が上記第1実施形態と異なる点は、センタピラートリム3への板状部材40の固定手段と位置関係である。すなわち、センタピラートリム3は、図7、図8及び図10に示すように、車両内側を向く意匠壁部34の車両前端から車両外側へ向かって延びる前壁部35と、前壁部35の車両外側端がさらに車両後方へ向かって延びる第1外壁部36を有している。また、センタピラートリム3の車両前方側には、意匠壁部34、前壁部35及び前記第1外壁部36に跨って複数の第1リブ8が設けられており、これら第1リブ8は、センタピラートリム3の下部で車両上下方向に間隔を空けて設けられている。さらに、第1リブ8は、板状部材40の前端部40aを挟持する溝8aが設けられている。
また、センタピラートリム3は、図7及び図9に示すように、車両内側を向く意匠壁部34の車両後端から車両外側へ向かって延びる後壁部37と、後壁部37の車両外側端がさらに車両前方へ向かって延びる第2外壁部38を有している。そして、センタピラートリムの車両後方側には、意匠壁部34、後壁部37及び第2外壁部38に跨って複数の第2リブ9が設けられており、これら第2リブ9は、センタピラートリム3の下部で車両上下方向に間隔を空けて設けられている。さらに、第2リブ9は、板状部材40の後端部40bを挟持する溝9aが設けられている。
なお、本実施形態のセンタピラートリム3の下端部には、センタピラートリム3の下端と当接可能な突起部39が設けられており、該突起部39によって板状部材40の取付強度が増すように構成されている。このような突起部39は、センタピラートリム3の車両後方側だけでなく、車両前方側や前後中間にも設けられていても良い。
したがって、本実施形態の車両側部構造によれば、車両側突時に車両幅方向からの荷重がシートベルトリトラクタ2に加わった場合でも、当該車両幅方向からの荷重を、板状部材40、第1リブ8及び第2リブ9を介してセンタピラートリム3の全体で受けることが可能となるので、局所的な荷重伝達を無くし、センタピラートリム3の割れを効果的に防止することができる。また、本実施形態の車両側部構造によれば、板状部材40とセンタピラートリム3との間に隙間Sが存在しているので、車両側突時に車両幅方向外側からの荷重が板状部材40に加わった際に、板状部材4のセンタピラートリム3への接触までの変位ストロークを稼ぐことができるとともに、衝撃荷重吸収量を増大させることができ、センタピラートリム3の割れ防止効果を高めることができる。その他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
2 シートベルトリトラクタ
3 センタピラートリム
4 板状部材
5 サイドシル
6 センタピラーリンフォースメント
6a 下部
6b 上端部
7 締結ボルト
8 第1リブ
8a 溝
9 第2リブ
9a 溝
31 第1取付部
32 第2取付部
33 膨出部
34 意匠壁部
35 前壁部
36 第1外壁部
37 後壁部
38 第2外壁部
40 板状部材
40a 前端部
40b 後端部
41 差込孔
61 ボルト孔
S 隙間
Claims (4)
- 車両上下方向に沿って設けられるセンタピラーを有し、該センタピラーのセンタピラーインナパネルの車両内側には、シートベルトリトラクタが設けられ、前記センタピラーインナパネル及び前記シートベルトリトラクタの車両内側には、前記センタピラーインナパネル及び前記シートベルトリトラクタを覆うセンタピラートリムが設けられている車両側部構造において、
前記シートベルトリトラクタと前記センタピラートリムとの間には、車両側面視で、前記シートベルトリトラクタと少なくとも一部重なって位置する板状部材が設けられ、
前記板状部材は、前記センタピラートリムの車両外側の面に設けられた複数の取付部に取付けられていることを特徴とする車両側部構造。 - 前記センタピラートリムのうち、車両側面視で前記シートベルトリトラクタと重なる位置には、車両内側へ向かって膨出する膨出部が設けられ、該膨出部の一部は、車両側面視で、前記板状部材と重なって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両側部構造。
- 車両前後方向に沿って設けられるサイドシルを有し、該サイドシルまたは前記センタピラーインナパネルの車両内側の面には、センタピラーリンフォースメントが接合されており、前記シートベルトリトラクタは、前記センタピラーリンフォースメントと前記センタピラーインナパネルとの間において、前記センタピラーリンフォースメントに固定されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両側部構造。
- 前記センタピラートリムは、車両内側を向く意匠壁部の車両前端から車両外側へ向かって延びる前壁部と、該前壁部の車両外側端がさらに車両後方へ向かって延びる第1外壁部を有し、前記センタピラートリムの車両前方側には、前記意匠壁部、前記前壁部及び前記第1外壁部に跨って第1リブが設けられ、
前記センタピラートリムは、車両内側を向く意匠壁部の車両後端から車両外側へ向かって延びる後壁部と、該後壁部の車両外側端がさらに車両前方へ向かって延びる第2外壁部を有し、前記センタピラートリムの車両後方側には、前記意匠壁部、前記後壁部及び前記第2外壁部に跨って第2リブが設けられ、
前記板状部材の前後端部は、前記第1リブと前記第2リブにそれぞれ挟持されて固定され、固定された状態にある前記板状部材は、前記センタピラートリムの車両外側の面から離れて位置していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両側部構造。
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