JP2020074736A - ホワイトルウ用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な乳風味があり、ルウとして保管しても油分離がなく安定しており、牛乳でのばすとき分散性がよく、ダマになりにくく、ホワイトソースなどにしたとき適度の粘性があり、且つ、口溶けが良好であるホワイトソースを得ることができるホワイトルウを製造することができる、ホワイトルウ用油脂組成物を提供すること。【解決手段】エステル交換油脂を含有し、油相のSFCが10℃で15〜50%、20℃で5〜20%、30℃で0〜13%、40℃で0〜5%であることを特徴とするホワイトルウ用油脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ベシャメルソース、シチュー、グラタン、クリームコロッケ等のホワイトソースの調製に用いるホワイトルウに使用するための、ホワイトルウ用油脂組成物に関する。
ホワイトルウは、ベシャメルソース、シチュー、グラタン、クリームコロッケ等のホワイトソースの調製に用いる中間原料であり、小麦粉と油脂を均一に混合したものを着色しない温度で加熱焙焼して得られる。そして、ホワイトソースはこのホワイトルウに液状の乳や乳製品を添加してのばしながら炊き上げていくことで得られる。この際に各種の副原料や調味料を添加・混合することで各種のホワイトソースを得る。このホワイトソースは濃厚な乳風味と、とろみのある滑らかな口溶けのよい食感が特徴である。
そしてこのホワイトソースはその乳風味が特徴であることから、ホワイトルウを製造する際に使用する油脂は、通常はバターが使用され、また、添加する液状の乳や乳製品としては、通常は牛乳が使用される。
このホワイトルウは、カレーやシチューに使用するブラウンルウと異なり調整時の加熱温度が低いため、上記のようにバターと牛乳を使用した場合、牛乳添加時のルウの分散性が悪く、得られるホワイトソースはダマが残りやすく、また、ざらつきを感じやすい問題、香味が不足して生臭くなってしまいやすい問題や乳風味の発現性が悪化しやすいという問題があった。
この問題の解決のためには、バターに代えて大豆サラダ油などの液状油を使用することが行われる。液状油を使用することで小麦粉の分散性が高まるために、得られるホワイトソースのダマやざらつきの発生は低減される。しかし、バターを使用した場合に比べてホワイトソースの粘性が不足し、いわゆるトロ味不足になってしまう。そして当然のことながらホワイトソースの乳風味が弱くなってしまう。また更には、ホワイトルウからの油分離が発生しやすく、ルウの状態での保存や流通が困難であるという問題もあった。
上記のような問題を解決するための方法として、油脂の面からの改良として、油脂と小麦粉を混合する際にグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ポリグリセロールポリリシノール酸エステルを乳化剤として添加する方法(例えば特許文献1参照)や、HLBが10以上の乳化剤を使用する方法(例えば特許文献2参照)、油脂としてヨウ素価65〜95のナタネ水添油脂を使用する方法(例えば特許文献3参照)、パーム油を使用する方法(例えば特許文献4参照)などが提案されている。
しかし、乳化剤を使用する方法には、乳風味をマスキングしてしまうおそれがあるという問題がある。ヨウ素価65〜95のナタネ水添油脂を使用する方法には、口溶けが若干バターに比べて劣るという問題がある。パーム油を使用する方法には、乳脂に比べて低温で硬いことから低温下での混合性はむしろ悪化してしまうという問題がある。これらの問題に加え、昨今の乳化剤の使用を控えることが多く望まれる状況や、部分水素添加油脂由来のトランス脂肪酸をなるべく含まない食品が望まれる状況から、これらの方法は好ましくない方法であるといえる。
特公平4−16132号公報 特開2003−310155号公報 特開平10−337166号公報 特開平07−107946号公報
したがって、本発明の目的は、トランス脂肪酸を使用することなく、良好な乳風味があり、ルウとして保管しても油分離がなく安定しており、牛乳でのばすとき分散性がよく、ダマになりにくく、ホワイトソースなどにしたとき適度の粘性があり、且つ、口溶けが良好であるホワイトソースを得ることができるホワイトルウを製造することができる、ホワイトルウ用油脂組成物を提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく種々検討した結果、エステル交換油を含有する特定のSFCの油脂、とくに該エステル交換油を特定のものとした場合に上記問題をすべて解決可能であることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されたものであり、エステル交換油脂を含有し、油相のSFCが10℃で15〜43%、20℃で5〜20%、30℃で0〜13%、40℃で0〜5%であることを特徴とするホワイトルウ用油脂組成物を提供するものである。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物を使用して得られたホワイトソースは、良好な乳風味があり、適度の粘性があり、且つ、口溶けが良好である。また、ホワイトルウからホワイトソースを得る際に分散性がよく、ダマになりにくい。さらには、ホワイトルウとして保管しても油分離がなく安定である。
以下、本発明のホワイトルウ用油脂組成物について詳述する。
先ず本発明のホワイトルウ用油脂組成物で使用されるエステル交換油脂について述べる。
上記エステル交換油脂は、油脂をランダムエステル交換(非選択的エステル交換)して得られる油脂である。該ランダムエステル交換の対象となる油脂としては、食用に使用可能な油脂であれば特に制限なく使用することができ、その代表例としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。以下、ランダムエステル交換の対象となる油脂を被交換油脂ともいう。
本発明では、濃厚な乳風味と、適度の粘性のあるホワイトソースを求める場合は、上記油脂の中でも乳脂、牛脂、豚脂等の動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を被交換油脂中の好ましくは40質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、最も好ましくは100質量%使用することが好ましい。
本発明では、ホワイトルウとして保管する際の油分離耐性に加え、口溶けに優れたホワイトソースを求める場合は、上記油脂の中でもパーム油、パームオレイン油に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を被交換油脂中の好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは80質量%、最も好ましくは100質量%使用することが好ましい。
さらに、本発明では、ホワイトルウとして保管する際の油分離耐性に加え、ホワイトソース製造時にホワイトルウを牛乳でのばすときの分散性や、ホワイトソースなどにしたときに適度の粘性を付与することができる点で、ヨウ素価を5以下、好ましくは3以下となるまで水素添加した水素添加油脂、すなわち極度硬化油を、被交換油脂中の20質量%以上使用することが好ましく、30質量%以上使用することがより好ましい。尚、上限については好ましくは70質量%、より好ましくは60質量%である。
上記エステル交換の反応は、化学的触媒による方法でも位置選択性のない酵素による方法でもよい。
上記化学的触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート等のアルカリ金属系触媒が挙げられ、また、上記酵素としては、位置選択性のない酵素、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼが挙げられる。なお、該リパーゼは、イオン交換樹脂或いはケイ藻土及びセラミック等の担体に固定化して、固定化リパーゼとして用いることもできるし、粉末の形態で用いることもできる。
本発明ではエステル交換処理の後、さらに水素添加や分別を行っていてもよく、本発明ではこの場合もエステル交換油脂として以後扱う。
また上記エステル交換油脂の好ましい融点は30℃〜60℃であり、より好ましくは33℃〜55℃である。
融点が30℃以上且つ60℃以下のエステル交換油脂を用いることで本発明の効果、とくにルウとして保管する際の油分離耐性の効果が高く奏される。また、融点が30℃以上とすることにより、得られるホワイトソースに適度の粘性が付与されやすく、またエステル交換油脂の融点を60℃以下とすることにより、得られるホワイトソースの口溶けが向上し、乳風味を一層向上させることができる。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物は上記エステル交換油脂を油相中に、油相基準で好ましくは1〜35質量%、より好ましくは3〜10質量%含有する。上記エステル交換油脂の含有量を1質量%以上とすることで、本発明の効果が一層得られやすい。また、35質量%以下とすることで、得られるホワイトソースの口溶けを優れたものとしやすく、良好な乳風味が一層得やすい。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物は、上記エステル交換油脂に加え、その他の油脂を含有することができる。上記その他の油脂としては、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂を挙げることができる。本発明においては、これらの油脂を単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なかでも本発明のホワイトルウ用油脂組成物では、油相中にパーム系油脂を好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上含有するものであると、乳風味を生かしながらコクのある味わいのホワイトソースが得られる点で好ましい。
上記のパーム系油脂としては、パーム油、パーム分別油を挙げることができる。
上記のパーム分別油としては、例えば1段分別油であるパームオレイン及びパームステアリン;パームオレインの2段分別油であるパームオレイン(パームスーパーオレイン)及びパームミッドフラクション;パームステアリンの2段分別油であるパームオレイン(ソフトパーム)及びパームステアリン(ハードステアリン)等を用いることができる。
パーム油を分別する方法には特に制限はなく、溶剤分別、乾式分別、乳化分別の何れの方法を用いてもよい。本発明では上記のパーム系油脂の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
上記のパーム系油脂としては、油相のSFCを下記の範囲にすることが容易である点、さらには、良好な口溶けのホワイトソースが得られることから、ヨウ素価が50〜65であることが好ましく、ヨウ素価が56〜65であることが更に好ましく、ヨウ素価が56〜65であるパームオレインやパームスーパーオレインを使用することが最も好ましい。
なお、上記パーム系油脂の含有量には、上記エステル交換の被交換油脂に使用したパーム系油脂の含有量も含めて算出するものとする。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物は、実質的にトランス脂肪酸を含まないことが好ましい。
上記エステル交換油脂が天然の動物油脂よりもトランス脂肪酸含量が少なく、実質的にトランス脂肪酸を含まない。このため、油相に使用する上記エステル交換油脂以外の油脂として、部分水素添加油脂を使用せずに、実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂を使用することにより、本発明のホワイトルウ用油脂組成物を、部分水素添加油脂を含まずとも適切なコンステンシーを有するものとすることができる。なお、ここでいう「実質的にトランス脂肪酸を含まない」とは、トランス脂肪酸の含有量が、本発明のホワイトルウ用油脂組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10質量%未満、さらに好ましくは5質量%以下、最も好ましくは1質量%以下であることを意味する。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物における油脂の含量は50〜100質量%、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%であり、最も好ましくは98〜100質量%である。なお、この油脂分含量は直接配合する油脂以外に油脂分を含有する食品素材や食品添加物を使用した場合には、それらに含まれる油脂分を合わせて算出するものとする。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物の油相のSFC(固体脂含量)は、10℃で15〜43%、20℃で5〜20%、30℃で0〜13%、40℃で0〜5%であることが必要であり、好ましくは10℃で15〜40%、20℃で5〜16%、30℃で0〜10%、40℃で0〜3%であり、より好ましくは、10℃で20〜40%、20℃で5〜10%、30℃で0〜5%、40℃で0〜3%である。このSFC範囲であることで、適度の粘性があり、且つ、口溶けが良好であるホワイトソースを得ることができ、且つ、ホワイトルウからホワイトソースを得る際に分散性がよく、ダマになりにくいという特徴を有するホワイトルウを得ることができる。またルウとして保管する際の油分離耐性の効果を得ることができる。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、油脂を60℃に30分保持して完全に融解した後、0℃に30分保持して固化させる。次いで、25℃に30分保持し、テンパリングを行ない、その後、0℃に30分保持する。これを各測定温度に順次30分保持した後、SFCを測定する。
次に本発明のホワイトルウ用油脂組成物で使用される水について述べる。
上記水としては特に限定されず、通常の水道水、ミネラルウォーター、イオン交換処理水、蒸留水等の何れであってもよい。これらの水は、単独で用いることもでき、又は二種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物における水の含量は下記のその他の成分に含まれる水分をあわせた合計量として、好ましくは0〜50質量%、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜20質量%、最も好ましくは0〜2質量%である。
水の含量を50質量%以下とすることで、ホワイトルウ製造時における増粘を容易に防止できる。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物には、必要に応じ、一般的にホワイトルウ用油脂組成物に使用されている他の原料、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、リン脂質等の乳化剤、トコフェロール、L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル、茶抽出物等の酸化防止剤、カロチン等の着色料、脱脂粉乳、クリーム等の乳成分、蔗糖、液糖、はちみつ、ブドウ糖、果糖、黒糖、麦芽糖、乳糖、水飴、ソルビトール、エリスリトール、異性化液糖、ショ糖結合水飴、オリゴ糖、トレハロース、ヘミセルロース等の糖類、食塩、酸味料、調味料、香料、重合リン酸塩等の乳化安定剤、ローカストビーンガム、カラギーナン、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等の増粘安定剤等を、適宜使用することができる。これらの他の原料の配合量は、特に制限されるものではなく、適宜選択することができるが、好ましくは合計量としてホワイトルウ用油脂組成物中、30質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
次に本発明のホワイトルウ用油脂組成物の製造方法について述べる。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物は、エステル交換油脂を少なくとも含有し、必要に応じその他の油脂を添加、混合し、油相のSFCが10℃で15〜43%、20℃で5〜20%、30℃で0〜13%、40℃で0〜5%になるように調整することによって得ることができる。そして、好ましくは急冷可塑化する。
なお、水相を含む場合は、上記油相に乳化するが、その際は水中油型乳化であっても油中水型乳化であってもよいが、好ましくは油中水型乳化とする。
上記急冷可塑化時の冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明のホワイトルウ用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に、本発明のホワイトルウについて説明する。
なお、ルウとは、一般的には、油脂及び小麦粉を混合加熱した調理用食品素材であって、必要に応じ香辛料、その他の成分を含有するものである。
そしてホワイトルウはこの一種であり、ベシャメルソース、シチュー、グラタン、クリームコロッケ等のホワイトソースの調製に用いるルウであり、小麦粉と油脂を均一に混合したものを着色しない温度で加熱焙焼して得られる。
そして小麦粉に代えてその一部または全部を他の穀物湖や澱粉に置換することも行われている。
本発明のホワイトルウは、本発明のホワイトルウ用油脂組成物を用いたものであり、本発明のホワイトルウ用油脂組成物を、好ましくは25〜70質量%、更に好ましくは、30〜60質量%含有するものである。
本発明のホワイトルウ用油脂組成物の配合量を25質量%以上とすることで本発明の効果、特に最終的に得られるホワイトソースにおいて本発明の効果を一層確実に奏させることができる。
また、本発明のホワイトルウ用油脂組成物の配合量を70質量%以下とすることで、ルウを用いたホワイトソースの粘度の低下が容易に防止され、また油っぽくなることを防止できる。
また、本発明のホワイトルウにおいて、小麦粉及び又は澱粉(以下澱粉類という)の配合量は、特に限定はないが、好ましくは30〜75質量%、更に好ましくは40〜70質量%である。澱粉類の配合量が75質量%以下とすることで、ホワイトソースに適度な粘性を付与でき、なめらかな食感とすることができる。また、澱粉類の配合量を30質量%以下とすることで、ホワイトソースの粘度の低下が容易に防止され、得られるホワイトソースをコク味の良好なものとできる。
また、本発明のホワイトルウには、本発明のホワイトルウ用油脂組成物、上記の澱粉類以外に、必要により、副原料として、水、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物等を使用することができる。本発明のホワイトルウにおいて、これらの副原料の配合量は、特に制限されるものではなく、ホワイトルウを使用するホワイトソースの種類や用途等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは合計量として30質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
次に、上記本発明のホワイトルウの製造方法について説明する。本発明のホワイトルウを製造するに当たっては、まず、ホワイトルウ用油脂組成物を加熱溶融して、これに所定量の澱粉類を加えて混合して炒め、冷却する。このとき澱粉類は篩でふるうのが好ましいが、澱粉類として、小麦粉と澱粉の混合物、あるいは澱粉類のみを使用する場合はふるわなくてもよい。また、ホワイトルウ用油脂組成物と澱粉類を同時に加熱釜に投入し、或はホワイトルウ用油脂組成物と澱粉類とを同時に加熱釜に投入し、加熱してホワイトルウ用油脂組成物を溶融し撹拌混合して炒めてもよい。また、炒めるとき、その到達品温が100〜180℃になるまで加熱して炒めるのが好ましい。このとき100℃より低いと澱粉類、とくに小麦粉の生臭さが残るので好ましくなく、180℃より高いとホワイトソースにしたときの粘度が低かったり、コゲ色が付いてしまうので好ましくない。
本発明のホワイトソースは、上述した本発明のホワイトルウを使用して製造されたものである。なお、このようにして得られたホワイトルウをホワイトソースにする場合、常法にしたがって調理すればよい。具体的には、ホワイトルウを牛乳、濃縮乳、生クリームなどの乳や乳製品、さらには水や水を含む食品素材に分散することによって得られる。なお、該分散時は加温しておくことが好ましい。また、本発明のホワイトルウを用いて製造した上記本発明のホワイトソースは、グラタン、ドリア、コロッケの中身、スープ、シチューなどに使用することができる。
以下、実施の一例を示し詳述するが、下記記述により本発明は何ら限定されるものではない。
<エステル交換油脂の製造>
(製造例1)エステル交換油脂Aの調製
牛脂60質量%と、牛脂にヨウ素価が1以下となるまで水素添加を行った極度硬化油40質量%からなる油脂配合物を、四口フラスコ内で液温110℃で真空下30分加熱した。この後、対油0.2質量%の割合でランダムエステル交換触媒のナトリウムメトキシドを加え、液温85℃に調整し更に真空下1時間加熱、ランダムエステル交換を行った。この後、クエン酸を添加しナトリウムメトキシドを中和した後、白土を加え漂白し、これを濾別することでエステル交換油脂A(融点50℃)を得た。
(製造例2)エステル交換油脂Bの調製
製造例1で使用した油脂配合物に代えて、パーム油70質量%と、パーム油にヨウ素価が1以下となるまで水素添加を行った極度硬化油30質量%からなる油脂配合物を使用した以外は、製造例1と同様にしてエステル交換油脂B(融点50℃)を得た。
(製造例3)エステル交換油脂Cの調製
製造例1で使用した油脂配合物に代えて、パームスーパーオレイン(ヨウ素価60)100質量%からなる油脂を使用した以外は、製造例1と同様にしてエステル交換油脂C(融点34℃)を得た。
<ホワイトルウ用油脂組成物の調製>
〔実施例1〕
上記エステル交換油脂A、及び、パームオレイン(ヨウ素価56)を3:97の質量比で混合した油脂混合物を十分に溶解混合後、急冷可塑化し、本発明のホワイトルウ用油脂組成物Aを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物AのSFCは10℃で36%、20℃で7%、30℃で2%、40℃で0.9%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
〔実施例2〕
上記エステル交換油脂Aをエステル交換油脂Bに変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により本発明のホワイトルウ用油脂組成物Bを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物BのSFCは10℃で36%、20℃で7%、30℃で2%、40℃で0.9%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
〔実施例3〕
上記エステル交換油脂Aとパームオレインの混合比を10:90に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により本発明のホワイトルウ用油脂組成物Cを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物CのSFCは10℃で39%、20℃で12%、30℃で6%、40℃で2.9%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
〔実施例4〕
実施例1における油脂混合物を全量エステル交換油脂Cに変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により本発明のホワイトルウ用油脂組成物Dを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物DのSFCは10℃で30%、20℃で14%、30℃で6%、40℃で1.7%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
〔比較例1〕
実施例1における油脂混合物を牛脂、及び、パームオレインを20:80の質量比で混合した油脂混合物に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により比較例のホワイトルウ用油脂組成物Eを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物EのSFCは10℃で35%、20℃で8%、30℃で3%、40℃で0.4%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1.4質量%であった。
〔比較例2〕
実施例1における油脂混合物を全量パームスーパーオレインに変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により比較例のホワイトルウ用油脂組成物Fを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物FのSFCは10℃で0%、20℃で0%、30℃で0%、40℃で0%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
〔比較例3〕
実施例1におけるエステル交換油脂Aを、ハイエルシン菜種油にヨウ素価が1以下となるまで水素添加を行った極度硬化油に変更した以外は実施例1と同様の配合及び製法により比較例のホワイトルウ用油脂組成物Gを得た。得られたホワイトルウ用油脂組成物GのSFCは10℃で36%、20℃で9%、30℃で4%、40℃で3%であった。また、トランス脂肪酸含量は、全構成脂肪酸中、1質量%以下であった。
<ホワイトルウ、及び、ホワイトソースの調製>
加熱した鍋にホワイトルウ用油脂組成物50質量部を入れて溶解し、ここに、小麦粉(薄力粉)25質量部及び化工澱粉(イングレディオン社製:「IF131」)25質量部を投入し、混合しながら130℃になるまで炒め、これを冷蔵庫内で冷却しホワイトルウを調製した。
1週間冷却後、ホワイトルウ10質量部、胡椒0.1質量部及びチキンブイヨン0.7質量部を厚手の平鍋に入れ、牛乳89.2質量部を加え、ゆるやかにかき混ぜながら火にかけ沸騰したら火を止め、ホワイトソース(ベシャメルソース)を得た。
上記ホワイトソース調製時のホワイトルウ用油脂組成物の分散性、及び、上記ホワイトソースの食感(乳風味、口溶け)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。その結果を表1に記載した。
<分散性の評価>
◎:極めて良好
○:良好
△:やや悪い(撹拌時間が長い、または強力な撹拌が必要)
×:悪い(撹拌しても乳化しない)
<ホワイトソースの評価>
評価試験は20人のパネラーに、ホワイトソースを試食させ、食感(乳風味、口溶け)について、下記の3点評価をさせ、その合計点を評価点数とし、下記評価基準に当てはめ評価結果とした。
食感(口溶け)
5点:極めて良好な口溶けである
3点:ほぼ良好な口溶けである
1点:ワキシーであり、不良である
食感(乳風味)
5点:乳風味をはっきりと感じる
3点:乳風味を若干感じる
1点:乳風味が感じられない
(評価基準)
◎ :合計点/人数が4.1点以上5.0点以下
○ :合計点/人数が3.1点以上4.0点以下
△ :合計点/人数が2.1点以上3.0点以下
× :合計点/人数が2.0点以下
Figure 2020074736

Claims (7)

  1. エステル交換油脂を含有し、油相のSFCが10℃で15〜43%、20℃で5〜20%、30℃で0〜13%、40℃で0〜5%である、ホワイトルウ用油脂組成物。
  2. 上記エステル交換油脂の融点が30℃以上である請求項1記載のホワイトルウ用油脂組成物。
  3. 上記エステル交換油脂を油相中に、油相基準で1〜35質量%含有する、請求項1又は2記載のホワイトルウ用油脂組成物。
  4. パーム系油脂を50質量%以上含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホワイトルウ用油脂組成物。
  5. 実質的にトランス脂肪酸を含まない、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホワイトルウ用油脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のホワイトルウ用油脂組成物を用いたホワイトルウ。
  7. 請求項6記載のホワイトルウを用いたホワイトソース。
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