JP7048267B2 - 焼菓子用油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、焼菓子生地製造時の作業性が良好であるとともに、表面の白色化現象が抑制されて外観が良好であり且つ食感も良好である焼菓子を製造することができる、焼菓子用油脂組成物に関する。
クッキーやビスケット、バターケーキ等の焼菓子と、チョコレート類やクリーム類等の油性菓子とを組合せて製造される複合菓子においては、製造・流通・保存中に、焼菓子の表面が白色化し、外観が損なわれる現象や、複合させたチョコレートの軟化現象・ブルーム現象が発生しやすいことが知られている。
これらの現象の発生機序としては、焼菓子と油性菓子との間で発生する油脂移行(マイグレーション)が主因であると推定され、より詳細には、焼菓子から油性菓子への液状油成分(常温で液状の油脂成分を指す)の移行に伴って、焼菓子中の固形脂の結晶粗大化等が起こることにより焼菓子表面の白色化が発生し、またチョコレートの軟化やブルーム現象が発生すると推定されている。
このような推定に基づき、焼菓子と油性菓子との間の油脂移行の抑制に着目した、複合菓子の品質改良手法が従来より検討されてきた。
特許文献1では、トランス脂肪酸含量が5重量%以下であり、特定のSFCを有する油脂A100重量部に対し、特定の乳化剤から選択される1種以上の乳化剤Bを0.05~3重量%含有する焼き菓子練り込み用油脂組成物が提案されている。
特許文献2では、焼菓子用の油脂及び油性菓子用の油脂の双方からのアプローチにより、焼菓子の白色化現象及び油性菓子のブルーム現象の発生を抑制した複合菓子が提案されている。このうち、焼菓子に使用する油脂は、特定の炭素数を有するトリグリセリドを特定量含有すると共に、ジ飽和モノ不飽和トリグリセリド(S2U;Sは飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸)とモノ飽和ジ不飽和トリグリセリド(SU2)の和、及びS2UとSU2の和に対するSU2の比率が、それぞれ特定範囲にあることを特徴とするものである。
ここで、特許文献1の手法は、乳化剤の作用で油脂の固化温度を上昇させることによりマイグレーションを抑制するものであるところ、口溶けが不良となる場合があった。また、特許文献2の手法は、焼菓子と油性菓子との双方を調整する必要があるため汎用性に乏しく、焼菓子に含まれる油脂組成物だけではマイグレーションの発生を十分抑制できなかった。
ところで、トリグリセリドを構成する3個の脂肪酸残基のうち少なくとも1個が炭素数20~24の飽和脂肪酸であるS2Uを有効成分とするマイグレーション抑制用油脂が特許文献3及び4に開示されている。特許文献3は焼菓子中の油脂分から、特許文献4は油性菓子中の油脂分からのアプローチにより、マイグレーションの発生の抑制を図っている。
しかしながら、いずれの方法も、マイグレーション抑制効果は充分なもので無い上、上記有効成分は高融点成分であるため、このような成分を焼菓子用油脂組成物中に使用した場合には、焼菓子製造時の油脂調温やクリーミング作業等の作業性が劣りやすかった。さらに、特許文献3及び4に記載の油脂を使用すると、焼菓子や油性菓子の口溶けが悪化しやすく、複合菓子としての食感が悪化する等の問題が生じやすかった。
特開2017-093310号公報 国際公開第2014/034601号 特開昭63-126457号公報 特開平7-264983号公報
本発明は、以上の状況を鑑み、以下の点を目的とするものである。
(イ)口溶け、サクサクとした食感が良好な焼菓子が得られる油脂組成物を提供すること
(ロ)クリーミング性等の製造作業性が良好な油脂組成物を提供すること
(ハ)油脂移行を抑制でき、それに伴って、焼菓子の白色化現象等を抑制できる油脂組成物を提供すること
本発明者らは、検討の結果、トリグリセリド組成中に一定量のBO2(モノベヘニルジオレオイルグリセロール)を含む油脂組成物を焼菓子製造時に用いることで、食感を損なうことなく、焼菓子と油性菓子との間の油脂移行を抑制できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づくものであり、下記条件(1)~(3)を満たす焼菓子用油脂組成物を提供するものである。
(1)SFCが10℃で25~45%、20℃で10~30%、30℃で0~15%
(2)油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2の含量が2~12質量%(Bはベヘン酸残基、Oはオレイン酸残基)
(3)油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基が1~10質量%
また、本発明は上記焼菓子用油脂組成物を含む焼菓子、及び該焼菓子を含む複合菓子を提供するものである。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(イ)口溶け、サクサクとした食感が良好な焼菓子が得られる
(ロ)良好な製造作業性(クリーミング性等)で焼菓子を製造することができる
(ハ)油脂移行を抑制でき、それに伴って、焼菓子の白色化現象等を抑制することができる
以下、本発明の焼菓子用油脂組成物について、好ましい実施形態に基づいて詳述する。
本発明の焼菓子用油脂組成物は下記条件(1)~(3)を満たすものである。
(1)SFCが10℃で25~45%、20℃で10~30%、30℃で0~15%
(2)油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2の含量が2~12質量%(Bはベヘン酸、Oはオレイン酸)
(3)油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基が1~10質量%
<条件(1)>
本発明の焼菓子用油脂組成物は、SFC(Solid Fat Content、固体脂含量)が10℃で25~45%、20℃で10~30%、30℃で0~15%である。
SFC値が各測定温度における範囲の下限未満である場合、焼菓子用油脂組成物が過度に軟らかい物性となり、焼菓子の製造作業性が損なわれる。また、SFC値が各測定温度における範囲の上限超である場合、焼菓子の製造作業性が低下することに加えて、焼菓子の食感が、ガリガリとした硬く詰まった噛みだしとなる上、口溶けが悪化する。また、SFCが上記範囲内であることで、十分にコシのある焼菓子用油脂組成物となり、クリーミング性が良好なものとなる。
良好な製造作業性を有し、好ましい食感の焼菓子を得ることができる焼菓子用油脂組成物を得る観点から、本発明においては、焼菓子用油脂組成物のSFCが10℃で28~42%、20℃で15~30%、30℃で3~15%であることが好ましく、10℃で30~40%、20℃で15~25%、30℃で5~15%であることがより好ましい。
本発明において、SFCの値は、AOCS official methodのcd16b-93に記載のパルスNMR(ダイレクト法)にて、測定対象となる試料(油脂又は油脂組成物)のSFCを測定した後、測定値を油相量に換算した値を使用する。即ち、水相を含まない試料を測定した場合は、測定値がそのままSFCとなり、水相を含む試料を測定した場合は、測定値を油相量に換算した値をSFCとする。(以下、SFCの測定について同様である。)
上記SFCは、次のようにして測定する。即ち、測定対象となる試料を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解し、そして0℃に30分保持して固化させる。さらに、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
<条件(2)>
本発明の焼菓子用油脂組成物は、その油相を構成するトリグリセリド組成中に、BO2(モノベヘニルジオレオイルグリセロール)を2~12質量%含有する。
BO2には、1位にベヘン酸、2位と3位にオレイン酸が結合したトリグリセリド(所謂BOOの形式をとるもの)と、1位と3位にオレイン酸、2位にベヘン酸が結合したトリグリセリド(所謂OBOの形式をとるもの)の2種が存在するところ、本発明におけるBO2の含量は、BOOとOBOの双方のトリグリセリド組成中における含量の合計を示すものである。本発明においては、BOOとOBOの両者をあわせてBO2という。
本発明の焼菓子用油脂組成物において、その油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2の含量が上記範囲にある場合に、得られる焼菓子の口溶けやサクサクとした食感を損なうことなく、焼菓子-油性菓子間の油脂移行が抑制される機序については、明らかになっていないが、以下の通り推定している。
一般に、SU2は油脂の液状油成分を主に構成することが知られており、BO2はSU2のなかでも融点が比較的高いことから、特定量含有させることで、保管中の焼菓子の液状油成分に「粘り」を生じさせることができ、結果として油脂移行を好ましく抑制できると推定される。そして、油脂移行が抑制されることに伴って、焼菓子の白色化が抑制され、また、油性菓子との複合菓子に用いた場合には油性菓子のブルーム発生についても抑制されると考えられる。
本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2が2質量%以上であることにより、十分に油脂移行を抑制することができ、焼菓子の白色化現象の発生を抑制することができる。また、BO2が12質量%以下であることにより、製造作業性が良好なものとなり、口溶けが良好な焼菓子が得られる。
尚、ベヘン酸を構成脂肪酸として含有するSU2のうち、BO2の構成脂肪酸であるオレイン酸に代えて、オレイン酸以外の不飽和脂肪酸(例えばリノール酸(L))を含有するもの(例えば、BOL、BLL)であっても、焼菓子の白色化現象の発生を抑制し得るが、BO2含量が上記範囲にある場合に、油脂移行(マイグレーション)を抑制する効果が得られ、それに伴って焼菓子の白色化現象を抑制する効果が特に高く得られる。
白色化現象の発生が抑制され且つ良好な食感を有する焼菓子を得る観点から、本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2の含量が2~10質量%であることが好ましく、3~10質量%であることがより好ましい。
また、本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成するトリグリセリド組成中、B2O(ジベヘニルモノオレオイルグリセロール)が好ましくは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満、さらに好ましくは2質量%未満、最も好ましくは1.5質量%未満であると、焼菓子製造時の油脂調温やクリーミング作業等の作業性をより良好なものとし、より好ましい口溶けやサクサクとした食感を有する焼菓子が得られる。
これらのトリグリセリド組成については、例えば逆相HPLCで行われるトリグリセリド分子種分析により分析することが可能である。この逆相HPLCは、日本油化学会制定「基準油脂分析試験法2.4.6.2」に則って、任意の条件で実施することができ、例えば、次のような条件で測定することが可能である。
・検出部:示差屈折検出器
・カラム:ドコシルカラム(DCS)
・移動相:アセトン:アセトニトリル=65:35(体積比)
・流速:1ml/min
・カラム温度:40℃
・背圧:3.8MPa
<条件(3)>
本発明の焼菓子用油脂組成物においては、その油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基が1~10質量%である。本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基量が上記範囲内にあることで、焼菓子製造時の、焼菓子用油脂組成物のクリーミング性が良好となり、良好な食感の焼菓子を得ることができる。
本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基は、好ましくは1~9質量%、より好ましくは1~8質量%、最も好ましくは1.5~7質量%である。
油相の構成脂肪酸組成中のラウリン酸残基量については、例えば、「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.2.3-2013」や「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法2.4.4.3-2013」を参考に、キャピラリーガスクロマトグラフ法により測定することができる。
さらに本発明においては、保管中の油脂移行を抑制しながら、より一層、好ましい製造作業性を有し、口溶けが良好でサクサクとした噛みだしの焼菓子を得る観点から、本発明の焼菓子用油脂組成物は上記条件(1)(2)(3)に加えて、次の条件(4)を満たすことが好ましい。
<条件(4)>
(4)油相を構成するトリグリセリド組成中、LLL(トリラウリン)の含量が5質量%以下(Lはラウリン酸)
本発明においては、上記条件(3)の項で述べた通り、製造作業性を向上させると共に好ましい食感の焼菓子を得るために、焼菓子用油脂組成物の油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基を特定範囲で含有させるが、トリラウリンの含量が5質量%以下となるようにすることで、クリーミング性が一層向上すると共に、より好ましい口溶けとサクサクとした噛みだしが得られやすくなるため好ましい。
換言すると、本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成するトリグリセリドのうち、ラウリン酸残基を含有するトリグリセリドは、トリグリセリドを構成する3つの脂肪酸残基のうち、ラウリン酸残基が好ましくは2つ以下、より好ましくは1つであると、本発明の効果、特に製造作業性向上の効果が、一層得られやすくなる。
油相を構成するトリグリセリド組成中にトリラウリンを含有する場合、トリラウリンの含量は好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、最も好ましくは0.5質量%以下である。尚、好ましい下限は0質量%である。
次に、本発明で用いることのできる油脂について述べる。
本発明の焼菓子用油脂組成物の油相に用いることのできる油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、ハイエルシン菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、からし油、ヒマワリ油、ハイオレイックヒマワリ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらの油脂に水素添加、分別、エステル交換等の物理的又は化学的処理の1種又は2種以上の処理を施した油脂が挙げられ、これらから選択された2種又はそれ以上の油脂の混合物を使用することもできる。
本発明においては、これらの油脂の中から、上記条件(1)~(3)、好ましくは条件(1)~(4)を満たすように、1種又は2種以上が使用される。とりわけ、油相を構成するトリグリセリド組成中に、BO2を一定量含有させる観点や、複雑なトリグリセリド組成とすることにより、クリーミング性が良好なものになりやすい細かな油脂結晶を得る観点から、エステル交換油脂を使用することが好ましく、ランダムエステル交換油脂を使用することがより好ましい。
本発明の焼菓子用油脂組成物の油相を構成する油脂は、ランダムエステル交換油脂を好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、更に好ましくは90質量%以上含有し、最も好ましくは油相を構成する油脂がランダムエステル交換油脂のみからなる。
ここで、本発明の焼菓子用油脂組成物に好ましく用いられるランダムエステル交換油脂について詳述する。本発明の焼菓子用油脂組成物においては、以下に示すエステル交換油脂(A)及びエステル交換油脂(B)を油相中に含有することが好ましい。
エステル交換油脂(A):
構成脂肪酸組成中、オレイン酸残基を45~80質量%、炭素数20~22の脂肪酸残基を5~25質量%含有し、構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸中におけるオレイン酸含量の質量比が0.80以上である、ランダムエステル交換油脂
エステル交換油脂(B):
構成脂肪酸組成中、オレイン酸残基を5~45質量%、ラウリン酸残基を1~40質量%含有し、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含量に対するラウリン酸の質量比が0.05~0.45である、ランダムエステル交換油脂
まず、エステル交換油脂(A)について述べる。
上記エステル交換油脂(A)は、構成脂肪酸組成中にオレイン酸残基を好ましくは45~80質量%、より好ましくは47~75質量%、最も好ましくは50~70質量%含有する。
また、上記エステル交換油脂(A)は、構成脂肪酸組成中に炭素数20~22の脂肪酸残基を好ましくは5~25質量%、より好ましくは5~20質量%、最も好ましくは10~20質量%含有する。
また、上記エステル交換油脂(A)は、構成脂肪酸組成の不飽和脂肪酸中におけるオレイン酸含量の質量比が0.80以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.87以上であることが最も好ましい。
オレイン酸残基の含量、炭素数20~22の脂肪酸残基の含量、及び構成脂肪酸組成の不飽和脂肪酸残基中におけるオレイン酸残基含量の質量比が、それぞれ上記範囲内にあるエステル交換油脂を用いることで、本発明の焼菓子用油脂組成物を用いて得られる焼菓子の食感が、一層好ましいものとなる上、本発明焼菓子用油脂組成物を用いて得られる焼菓子を用いた複合菓子において、一層効果的に油脂移行を抑制することができる。
さらに、上記範囲を満たすとともに、上記エステル交換油脂(A)の構成脂肪酸組成中、炭素数12以下の脂肪酸の含量を2質量%未満とすることが好ましい。
上記エステル交換油脂(A)は、構成脂肪酸中にオレイン酸残基を多く含有する油脂と、構成脂肪酸中に炭素数20~22の脂肪酸残基を多く含有する油脂とを混合した油脂配合物(以下、単に油脂配合物(A)と記載する場合がある)をランダムエステル交換することによって得ることができる。
上記のオレイン酸残基を多く含有する油脂としては、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、オリーブ油、落花生油、ヒマワリ油、サフラワー油、ハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックキャノーラ油、ハイオレイックサフラワー油等の、常温で液体である油脂に加え、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの中から必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。尚、分別処理を施す場合は、分別軟部油を選択することが好ましい。
本発明においては、有効成分であるBO2の含量を特定の範囲まで高める観点から、油脂配合物(A)中に配合する油脂として、構成脂肪酸組成中にオレイン酸残基を70質量%以上含有する油脂を選択することが好ましく、オレイン酸残基を75質量%以上含有する油脂を選択することがより好ましい。そのため、上記に挙げた油脂群のうち、オレイン酸を多く含有するハイオレイックヒマワリ油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックキャノーラ油、及びそれらの加工油脂が好ましく選択される。
上記の炭素数20~22の脂肪酸残基を多く含有する油脂としては、ハイエルシン菜種油、魚油、サル脂、からし油、これらの油脂に水素添加、分別及びエステル交換から選択される1種又は2種以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。
上記エステル交換油脂(A)は、上記油脂配合物(A)をランダムエステル交換することにより得られる。このエステル交換反応は、例えばナトリウムメトキシド等の化学的触媒を用いる手法であっても、例えば、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、リゾープス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、ペニシリウム(Penicillium)属等に由来するリパーゼ等の酵素を用いる手法であっても行うことができ、いずれも常法に従って行うことができる。
上記エステル交換油脂(A)は、ヨウ素価が55以上であることが好ましく、より好ましくは57以上、さらに好ましくは59以上である。
また、上記エステル交換油脂(A)は、SFC(固体脂含量)が、10℃で好ましくは5~35%、より好ましくは10~33%、さらに好ましくは20~30%、20℃で好ましくは1~20%、より好ましくは5~18%、さらに好ましくは9~15%、30℃で好ましくは1~15%、より好ましくは3~12%、さらに好ましくは5~10%である。
また、上記エステル交換油脂(A)は、融点(上昇融点)が35℃以上であることが好ましく、より好ましくは37℃以上、さらに好ましくは40℃以上である。
上記融点は「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法 2.2.4.2(1996)1996年版」に準じて測定することができる(以下、融点の測定について同様である)。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、上記エステル交換油脂(A)を、油相基準で、5~70質量%含有することが好ましく、10~65質量%含有することがより好ましく、15~55質量%含有することがさらに好ましい。
次に、エステル交換油脂(B)について述べる。
上記エステル交換油脂(B)は、構成脂肪酸組成中にオレイン酸残基を好ましくは5~45質量%、より好ましくは7~40質量%、最も好ましくは10~35質量%を含有する。
また、上記エステル交換油脂(B)は、構成脂肪酸組成中にラウリン酸残基を好ましくは1~40質量%、より好ましくは3~38質量%、最も好ましくは5~36質量%含有する。
また、上記エステル交換油脂(B)は、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含量に対するラウリン酸の質量比が0.05~0.45であり、好ましくは0.07~0.45であり、より好ましくは0.09~0.45である。
上記エステル交換油脂(B)は、構成脂肪酸組成中のパルミチン酸残基含量が、好ましくは5~40質量%、より好ましくは10~35質量%であり、ステアリン酸残基含量が、好ましくは1~25質量%、より好ましくは5~20%である。これらの含量を満たすことで、本発明の焼菓子用油脂組成物を用いて焼菓子を製造する際に、適度なコシが得られ、クリーミング中のダレが抑制されるため、サクサクとした噛みだしを有する焼菓子が一層得られ易くなる。
構成脂肪酸組成中のオレイン酸残基の含量、ラウリン酸残基の含量、及び構成脂肪酸の飽和脂肪酸中におけるラウリン酸含量の比率が、上記範囲内にあるエステル交換油脂(B)を、本発明の焼菓子用油脂組成物中に含有させることで、本発明の焼菓子用油脂組成物を用いて焼菓子を製造する際のクリーミング性等の製造作業性が一層好ましいものとなる上、本発明の焼菓子用油脂組成物を用いて得られる焼菓子の口溶けや、サクサクとした噛みだしが一層良好なものとなる。
さらに、上記範囲を満たすとともに、上記エステル交換油脂(B)の構成脂肪酸組成中、炭素数20以上の脂肪酸残基の含量を2質量%未満とすることが好ましい。
上記エステル交換油脂(B)は、構成脂肪酸組成中のオレイン酸残基とラウリン酸残基の含有量が上記範囲を満たすように、1種又は2種以上の油脂を配合した油脂配合物(以下、油脂配合物(B)ということもある)をランダムエステル交換することにより得ることができる。好ましくは、油脂配合物中に、ラウリン酸残基を多く含有する油脂と、パーム系油脂とを含有する。
上記のラウリン酸残基を多く含有する油脂としては、パーム核油、ヤシ油、ババス油、乳脂等を挙げることができるが、本発明においては、特にラウリン系油脂と称される、構成脂肪酸組成中にラウリン酸残基が40質量%を超える油脂を選択し使用することが好ましい。具体的には、ヤシ油、パーム核油、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を使用することができる。
上記油脂配合物(B)に含有されるパーム系油脂としては、パーム油、並びにパーム油に水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの中から必要に応じて1種又は2種以上を使用することができる。
尚、上記油脂配合物(B)は、上記ラウリン系油脂及び上記パーム系油脂の他に、構成脂肪酸組成や後述するSFC等を好ましい範囲に調整する観点から、エステル交換油脂(B)の好ましい構成脂肪酸組成を逸脱しない範囲で、他の油脂を含有することができる。他の油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、コーン油、綿実油、オリーブ油、落花生油、米油、べに花油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、サル脂、マンゴ脂、乳脂、牛脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を使用することができる。
上記エステル交換油脂(B)は、上記油脂配合物(B)をランダムエステル交換して得ることができる。ランダムエステル交換反応は、上記エステル交換油脂(A)を得る際と同様にして行うことができる。
上記エステル交換油脂(B)は、SFC(固体脂含量)が、10℃で好ましくは50~80%、より好ましくは52~78%、さらに好ましくは54~75%であり、20℃で好ましくは25~60%、より好ましくは28~57%、さらに好ましくは30~55%であり、30℃で好ましくは10~30%、より好ましくは13~27%、さらに好ましくは15~25%である。
また、上記エステル交換油脂(B)は、焼菓子製造時の作業性と得られる焼菓子の食感を両立する観点から、融点が25~45℃であることが好ましく、より好ましくは30~40℃である。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、上記エステル交換油脂(B)を、油相基準で、5~30質量%含有することが好ましく、8~25質量%含有することがより好ましく、10~25質量%含有することがさらに好ましい。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、上記エステル交換油脂(A)及びエステル交換油脂(B)以外の油脂(以下、その他の油脂ともいう)も含有することができる。尚、その他の油脂を含有する場合には、パーム系油脂が好ましく使用される。
本発明では、その他の油脂としてのパーム系油脂として、パーム油、パーム分別軟部油、パーム分別硬部油及びパームスーパーオレイン、パーム分別軟部油のランダムエステル交換油脂、パーム分別硬部油のランダムエステル交換油脂及びパームスーパーオレインのランダムエステル交換油脂、並びに、パーム油、パーム分別軟部油、パーム分別硬部油及びパームスーパーオレインの1種又は2種以上を75質量%以上含有する油脂配合物のランダムエステル交換油脂、のうちの1種又は2種以上を使用することが好ましい。このようなパーム系油脂を使用することで、トリグリセリド組成を複雑なものとし、クリーミング性を一層向上させ、焼菓子製造時の作業性を向上させることができるため、本発明の効果をより高く引き出すことができる。尚、その他の油脂として、パーム油、パーム分別軟部油、パーム分別硬部油、パームスーパーオレイン以外の油脂を使用する場合は、後に詳述する理由から、トランス脂肪酸が実質的に含有されない油脂を選択することが好ましい。
その他の油脂としてパーム系油脂を使用する場合、本発明の焼菓子用油脂組成物におけるその含量は、油相基準で5~60質量%が好ましく、5~50質量%がさらに好ましい。
本発明の焼菓子用油脂組成物においては、上記エステル交換油脂(A)、エステル交換油脂(B)及びパーム系油脂の合計が、油相の70~100質量%を占めることが好ましく、80~100質量%を占めることがより好ましく、90~100質量%を占めることがさらに好ましい。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、実質的にトランス脂肪酸を含まないことが好ましい。ここでいう「実質的にトランス脂肪酸を含まない」とは、油相中、トリグリセリドを構成する脂肪酸残基としてのトランス脂肪酸の含量が好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、最も好ましくは2質量%以下であることを意味する。実質的にトランス脂肪酸を含まないことが好ましいのは以下の理由による。
水素添加は、油脂の融点を上昇させる典型的な方法であるが、水素添加油脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常、トランス脂肪酸が10~50質量%程度含まれている。一方、天然油脂中にはトランス脂肪酸が殆ど存在せず、反芻動物由来の油脂に10質量%未満含まれているにすぎない。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていない油脂組成物、即ち実質的にトランス脂肪酸を含まない油脂組成物であって、適切なコンシステンシーを有するものが要求されている。
本発明においては、上記のエステル交換油脂(A)、エステル交換油脂(B)、好ましくはパーム系油脂を含めた食用油脂として、天然油脂、並びに天然油脂に分別、完全水素添加及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選択される1種又は2種以上を組合せて用いることにより、実質的にトランス脂肪酸を含まない焼菓子用油脂組成物を容易に得ることができる。
本発明の焼菓子用油脂組成物には、その他の成分を含有させることができる。その他の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、クエン酸、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β-カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白等の植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物が挙げられる。
上記の乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリン酒石酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム及びポリオキシエチレンソルビタンモノグリセリド等の合成乳化剤や、例えば大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の天然乳化成分が挙げられる。
本発明においては、次の条件(5)を満たすように、乳化剤を含有させると、焼菓子製造時の抱水性やクリーミング性が一層向上し、製造作業性が向上するため好ましい。
<条件(5)>
(5)炭素数16以上の飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリドと、炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリドとを、前者:後者で、1:2~8の質量比で含有する。
炭素数16以上の飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリド(以下単にSFA-MGと記載する場合がある)については、その構成脂肪酸鎖が炭素数16~22であることが好ましく、16~20であることがより好ましい。また、炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリド(以下単にUSFA-MGと記載する場合がある)については、その構成脂肪酸鎖が炭素数16~22であることが好ましく、16~20であることがより好ましい。
また、SFA-MGとUSFA-MGの質量比(以下単にSFA-MG:USFA-MGと記載する場合がある)が、前者:後者で、1:2~8となることが好ましく、1:2.5~7となることがより好ましく、1:3~7となることが最も好ましい。
尚、本発明の焼菓子用油脂組成物中、好ましい食感を得る観点から、乳化剤の含量は0.01~5質量%であることが好ましく、0.05~4質量%であることがより好ましく、0.1~3質量%であることが最も好ましい。
上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、可塑性を有することが好ましく、その形態は、水相を含有するマーガリンタイプとすることも、水相を含有しないショートニングタイプとすることもできる。水相を含有する場合には、水分含量は25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下がより好ましい。また乳化物である場合には、その乳化形態は、油中水型及び二重乳化型のいずれでも構わない。
また、本発明の焼菓子用油脂組成物中、上記条件(1)~(3)を満たすことができる油相を、75質量%以上含有することが好ましく、85質量%以上含有することがより好ましく、95質量%以上含有することが最も好ましい。
次に、本発明の焼菓子用油脂組成物の製造方法について述べる。
本発明の焼菓子用油脂組成物は、上記条件(1)~(3)を満たすことができる油相を溶解した後、必要に応じ、水相を添加して乳化し、冷却し、結晶化させることにより製造される。
詳しくは、先ず、上記条件(1)~(3)、好ましくは(1)~(4)を満たすことができるように、各種油脂を1種又は2種以上選択して、加熱溶解し、混合・撹拌を行い、油相を調製する。尚、油溶性のその他の成分については、必要により油相に含有させることができる。また、必要に応じて、水に水溶性のその他の成分を添加した水相を調製した後、該水相を油相に添加し、乳化する。
次に、殺菌処理を行うのが好ましい。尚、殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
次に、冷却し、必要により可塑化する。本発明において、冷却条件は、好ましくは-0.5℃/分以上、さらに好ましくは-5℃/分以上とする。冷却に用いる機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
尚、本発明の焼菓子用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、任意に、窒素、空気等を含気させることができる。
次に、本発明の焼菓子について述べる。
本発明の焼菓子は、上述した本発明の焼菓子用油脂組成物を練込油脂や折込油脂として用いたものである。
上記焼菓子としては、例えば、パイやペストリー、パウンドケーキ、フルーツケーキ、マドレーヌ、バウムクーヘン、カステラ等のバターケーキ、アイスボックスクッキー、ワイヤーカットクッキー、サブレ、ラングドシャクッキー等のクッキー、ビスケット等が挙げられる。
これらの焼菓子の生地は、シュガーバッター法、フラワーバッター法、オールインミックス法等、公知の方法によって製造することができ、常法に従って焼成される。
焼菓子生地を製造する際の本発明の焼菓子用油脂組成物の使用量は、選択した焼菓子の種類によって決定されるものであり、特に限定されないが、おおよそ焼菓子生地中に5~40質量%である。
次に、本発明の複合菓子について述べる。
本発明の複合菓子は、本発明の焼菓子用油脂組成物を用いた本発明の焼菓子と、ナッツ類、チョコレート等の油性菓子が組み合わさったものであり、本発明の焼菓子用油脂組成物の効果が顕著に得られることから、焼菓子とチョコレートとが組み合わさった複合菓子が好ましい。
上記ナッツ類としては、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ピーカンナッツ、オーナッツ、マカデミアナッツ、ブラジルナッツ、ココナッツ、松、けし、ひまわり等の種実や堅果、それらのホール品・割物品・スライス品、それらを用いたペースト・ピューレ等の加工品等が挙げられる。
上記チョコレートとは、カカオマスやココアパウダー等のカカオ成分を含有し、カカオ成分にさらに粉乳等の各種粉末食品、油脂類、糖類、乳化剤、香料、色素等の中から選択した原料を任意の割合で混合し、常法によりロール掛け、コンチング処理して得たものを意味する。もちろん、気相や水相を含有するものも使用することができる。
上記各種粉末食品としては、例えば、脱脂粉乳、全粉乳、果実粉末、果汁粉末、生クリーム粉末、チーズ粉末、コーヒー粉末、ヨーグルト粉末等が例示される。各種粉末食品を使用する場合、その配合量は、チョコレート中、好ましくは0.5~60質量%、さらに好ましくは1~50質量%である。
上記油脂類としては、カカオバター、その他の動植物性油脂、及びこれらの分別油、硬化油、エステル交換油脂等が挙げられ、これらは単独で又は混合して使用することができ、好ましくはテンパリング型のものを使用する。油脂類の配合量は、チョコレート中、好ましくは20~80質量%、さらに好ましくは30~60質量%である。
上記乳化剤としては、特に限定されず、必要に応じて粘度上昇を抑制する目的で、レシチン、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル等を添加することができる。乳化剤の配合量は、チョコレート中、好ましくは0.01~10質量%、さらに好ましくは0.1~5質量%である。
本発明の複合菓子における複合方法の例としては、チョコレートの場合は、チョコレートをフィリング用、サンド用、トッピング用、コーティング用、エンローバー用等として焼菓子と組み合わせたり、砕いた焼菓子をチョコレート中に埋め込む方法が挙げられる。ナッツ類の場合についても、これに準じて複合することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳述する。
(製造例1:ランダムエステル交換油脂(1)の製造)
沃素価が3以下となるまで水素添加を行い、極度硬化油としたハイエルシン菜種油30質量部、ハイオレイックヒマワリ油(構成脂肪酸組成中のオレイン酸残基量が86.3質量%)70質量部を、それぞれ加熱溶解した状態で混合して、油脂配合物(1)を得、この油脂配合物(1)に対し、ナトリウムメトキシドを触媒として用い常法に従ってランダムエステル交換反応を行った。
この後、常法に従って、漂白(白土量は対油3質量%、処理温度85℃)及び脱臭(250℃、60分間、吹込み水蒸気量は対油5質量%)の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(1)(以下、単に、IE-1と記載する場合がある)を得た。
(製造例2:ランダムエステル交換油脂(2)の製造)
沃素価が55のパーム分別軟部油100質量部に対し、製造例1と同様に、常法に従って、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、漂白・脱臭の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(2)(以下、単にIE-2と記載する場合がある)を得た。
(製造例3:ランダムエステル交換油脂(3)の製造)
沃素価が60のパームスーパーオレイン100質量部に対し、製造例1と同様に、常法に従って、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、漂白・脱臭の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(3)(以下、単にIE-3と記載する場合がある)を得た。
(製造例4:ランダムエステル交換油脂(4)の製造)
沃素価が55のパーム分別軟部油を80質量部と、沃素価が3以下となるまで水素添加を行い、極度硬化油としたハイエルシン菜種油20質量部とを、それぞれ加熱溶解した状態で混合して、油脂配合物(4)を得た。この油脂配合物(4)に対し、製造例1と同様に、常法に従って、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、漂白・脱臭の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(4)(以下、単にIE-4と記載する場合がある)を得た。
(製造例5:ランダムエステル交換油脂(5)の製造)
パーム油60質量部、パーム核油(構成脂肪酸組成中のラウリン酸残基量50.1質量%)20質量部及び菜種油20質量部を、それぞれ加熱溶解した状態で混合して、油脂配合物(5)を得た。この油脂配合物(5)に対し、製造例1と同様に、常法に従って、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、漂白・脱臭の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(5)(以下、単にIE-5と記載する場合がある)を得た。
(製造例6:エステル交換油脂(6)の製造)
沃素価が3以下となるまで水素添加を行い極度硬化油としたパーム油25質量部、及びヤシ油(構成脂肪酸組成中のラウリン酸残基量50.3質量%)75質量部を、それぞれ加熱溶解した状態で混合して、油脂配合物(6)を得た。この油脂配合物(6)に対し、製造例1と同様に、常法に従って、ナトリウムメトキシドを触媒とするランダムエステル交換反応、漂白・脱臭の精製処理を行い、ランダムエステル交換油脂(6)(以下、単にIE-6と記載する場合がある)を得た。
得られたIE-1~6のSFC、トリグリセリド組成中のBO2、B2O及びLLLの含量、並びに構成脂肪酸組成中のラウリン酸残基量を表1に示す。
尚、IE-1は、上記エステル交換油脂(A)に該当し、IE-2~4はパーム系油脂、IE-5及びIE-6は上記エステル交換油脂(B)に該当する。
IE-1は、構成脂肪酸組成中、オレイン酸残基を60.4質量%、炭素数20~22の脂肪酸残基を17.4質量%含有し、構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸中におけるオレイン酸含量の質量比が0.93であった。
IE-5は、構成脂肪酸組成中、オレイン酸残基を31.1質量%、ラウリン酸残基を7.3質量%含有し、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含量に対するラウリン酸の質量比が0.12であり、構成脂肪酸組成中のパルミチン酸含量が29.4質量%、ステアリン酸含量が9.5質量%であった。
IE-6は、構成脂肪酸組成中、オレイン酸残基を4.5質量%、ラウリン酸残基を37.8質量%含有し、構成脂肪酸中の飽和脂肪酸の含量に対するラウリン酸の質量比が0.40であり、構成脂肪酸組成中のパルミチン酸含量が17.4質量%、ステアリン酸含量が15.5質量%であった。

Figure 0007048267000001
(実施例1)
IE-1の60質量部及びIE-5の40質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物Iを得た。
(実施例2)
IE-1の50質量部、IE-5の30質量部及びIE-6の20質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物IIを得た。
(実施例3)
IE-1の40質量部、IE-3の40質量部及びIE-5の20質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物IIIを得た。
(実施例4)
IE-1の40質量部、IE-2の20質量部、IE-3の20質量部及びIE-5の20質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物IVを得た。
(実施例5)
IE-1の40質量部、IE-3の35質量部、IE-4の10質量部及びIE-6の15質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物Vを得た。
(実施例6)
IE-1の30質量部、IE-2の20質量部、IE-3の20質量部及びIE-5の30質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物VIを得た。
(実施例7)
IE-1の60質量部、IE-3の10質量部及びIE-5の30質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物VIIを得た。
(実施例8)
レシチン0.1質量部に代えて、SFA-MG(エマルジーMP、理研ビタミン社製)0.1質量部及びUSFA-MG(エマルジーMO、理研ビタミン社製)0.4質量部(SFA-MG:USFA-MG=1:4)を加えた他は実施例4と同様にして、焼菓子用油脂組成物VIIIを得た。
(実施例9)
レシチン0.1質量部に代えて、SFA-MG(エマルジーMP、理研ビタミン社製)0.17質量部及びUSFA-MG(エマルジーMO、理研ビタミン社製)0.34質量部(SFA-MG:USFA-MG=1:2)を加えた他は実施例4と同様にして、焼菓子用油脂組成物IXを得た。
(比較例1)
IE-1の40質量部、IE-2の45質量部及びIE-4の15質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物Xを得た。
(比較例2)
IE-1の95質量部及びIE-5の5質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物XIを得た。
(比較例3)
IE-3の20質量部、IE-4の50質量部及び菜種油30質量部を、それぞれ65℃に加熱溶解された状態で混合し、更に酸化防止剤(トコフェロール)0.15質量部及びレシチン0.1質量部を加えて撹拌し、得られた油相を急冷可塑化し、焼菓子用油脂組成物XIIを得た。
得られた焼菓子用油脂組成物I~XIIの詳細を表2に示す。
Figure 0007048267000002
<チョコレート複合クッキーの製造及び評価>
得られた焼菓子用油脂組成物I~XIIを用いて、下記の製造方法により、チョコレート複合クッキーを製造し、後述の各種評価を行った。
(チョコレート複合クッキーの製造方法)
15℃に調温した焼菓子用油脂組成物(上記焼菓子用油脂組成物I~XIIのいずれか)45質量部と上白糖45質量部をミキサーボウルに投入して卓上ミキサーにセットし、軽く混合した後、高速で7分間クリーミングした。次いで、低速で混合しながら、30秒かけて水15質量部を添加し、さらに1分混合した。さらに、予め混合して篩っておいた小麦粉100質量部とベーキングパウダー1質量部の混合物を添加し、低速で1分混合して、ワイヤーカットクッキー生地を得た。得られたクッキー生地を、厚さ7ミリ、直径48ミリの丸型にワイヤーカット成型した。成型したクッキー生地をオーブン(フジサワ社製)で190℃にて13分焼成後、25℃にて40分冷却し、ワイヤーカットクッキーI~XII(英字は使用した焼菓子用油脂組成物に対応)を得た。
一方、砂糖44.6質量部、カカオマス25質量部、カカオバター30質量部及びレシチン0.4質量部からなる配合にて、常法に従い、溶解、ロール掛け、コンチング処理し、テンパー型チョコレートを得た。
続いて、テンパリングしたチョコレートを、クッキーの重量に対して3倍量をカップに量り、ここに上記ワイヤーカットクッキーI~XIIを表面が出るように浸して複合し、チョコレート複合クッキーI~XII(英字は使用した焼菓子用油脂組成物に対応)を製造した。
得られた焼菓子用油脂組成物を用いたクッキー生地製造時の作業性(クリーミング時の作業性・コシ)、チョコレート複合クッキーのクッキー部分の保存安定性(白色化現象の発生の有無)及びチョコレート部分の保存安定性(ブルーム現象の発生の有無)、チョコレート複合クッキーのクッキー部分の食感、並びにチョコレート複合クッキーの保存中の油脂移行について、下記評価基準に則って評価を行った。評価結果を表3に示す。
(クッキー生地製造時の作業性)
クッキー生地の製造時の作業性として、焼菓子用油脂組成物と上白糖とのクリーミング時の作業性及びコシを、以下の評価基準に従って4段階で評価した。
・評価基準
◎:クリーミングした際に、非常にコシが良好であり、ダレが生じない。
○:クリーミングした際に、コシが良好であり、ダレがほとんど生じない。
△:クリーミングした際に、コシが弱く、ややダレが生じる。
×:クリーミングした際に、コシが非常に弱く、ダレが生じる。
(チョコレート複合クッキーの保存安定性)
得られたチョコレート複合クッキーを25℃で保存し、保存開始から14日後、28日後及び60日後の各段階において、クッキー部分の保存安定性(白色化現象の発生の有無)及びチョコレート部分の保存安定性(ブルーム現象の発生の有無)について、下記評価基準に従って4段階で評価した。
・クッキー部分の保存安定性の評価基準
◎:白色化なし
〇:表面にやや色ムラあり
△:若干白色化
×:白色化あり
・チョコレート部分の保存安定性の評価基準
◎:ブルームなし
○:やや艶がない
△:若干ブルームあり
×:ブルームあり
(チョコレート複合クッキーのクッキー部分の食感)
得られたチョコレート複合クッキーを25℃で保存し、保存開始から14日後の段階において、クッキーの食感(口中での崩壊性)について、同一の品を喫食した際に同一の評価点を付すことができるように訓練された10人のパネラーにより、下記評価基準に従って4段階で官能評価を行った。尚、評価の際には、チョコレート複合クッキーと同一の保存条件で保存された、複合化されていないクッキーを対照品として用いた。
表3においては、パネラー10名の合計点を評価点数として、評価点数が32~40点を◎、23~31点を○、14~22点を△、13点以下を×として示した。
・評価基準
4点:非常に口溶けやバラけがよく、良好なサクサクとした噛みだしを有している。
3点:口溶け・バラけが良く、やや詰まった食感を有するが、サクサクとした噛みだしを有している。
2点:口溶けやバラけがやや悪く、詰まった食感を有し、固い噛みだしを有している。若しくは、口溶け・バラけは良いが、軟らかく、サクサクとした噛みだしが乏しかった。
1点:口どけ・バラけが悪い上、噛みだしが固く、ガリガリとした食感を有している。若しくは、口溶け・バラけは良いが、軟らかく、サクサクとした噛みだしが感じられなかった。
(チョコレート複合クッキーの保存中の油脂移行)
チョコレート複合クッキーの製造直後に、得られたチョコレート複合クッキーのクッキー部分について、SMART System5(CEM Japan社製)を使用して油分を測定した。チョコレート複合クッキーを25℃で保存し、保存開始から28日後と60日後において、チョコレート複合クッキーのクッキー部分について、製造直後と同様にして油分を測定した。製造直後及び保存後の油分の値から、油分移行率を次式により求めた。
〔(A-B)/A〕×100 (%)
(A:製造直後のクッキーの油分、B:保存後のクッキーの油分)
表3においては、油分移行率が30%以下を-、30%超35%以下を±、35%超45%以下を+、45%超を++として示した。油分移行率が高いほど、チョコレート複合クッキーにおけるクッキーからチョコレートへの油分の移行が多いことを示す。
尚、チョコレート複合クッキーの保存中の油脂移行の評価については、-又は±の評点が得られたものを合格として取り扱った。それ以外の評価については、◎又は○の評点が得られたものを合格として取り扱った。
Figure 0007048267000003
焼菓子用油脂組成物に一定量以上BO2トリグリセリドが含有されている場合に、油脂移行は抑制され、焼菓子の白色化現象や、複合させたチョコレートのブルーム現象の発生が抑制されることが分かった。一方で、比較例2の結果から、単にBO2含量を高めただけでは、食感や製造作業性が低下してしまうため、適切な範囲があることが示唆された。
尚、食感については、比較例1では硬く詰まった食感となり、口溶け・バラけが不良であった。逆に、比較例2では口溶け・バラけは良好であるが、噛みだしが軟らかくサクサクとした食感が得られなかった。
また、製造作業性については、本発明の焼菓子用油脂組成物の油相の構成脂肪酸中に、ラウリン酸残基を一定量以上含有することで製造作業性が向上することが、特に実施例5と比較例1を対比することにより示唆される。
また、SFA-MGとUSFA-MGを特定比率で含有させることで、クリーミング時の比重の減少が早まり、より一層、製造作業性が高まることが確認された。

Claims (5)

  1. 下記条件(1)、(2)及び(3)を満たす焼菓子用油脂組成物であって、油相を構成するトリグリセリド組成中、B2Oの含量が2質量%未満である、焼菓子用油脂組成物(Bはベヘン酸残基、Oはオレイン酸残基である)。
    (1)SFCが10℃で25~45%、20℃で10~30%、30℃で0~15%
    (2)油相を構成するトリグリセリド組成中、BO2の含量が2~12質量
    (3)油相を構成する脂肪酸組成中、ラウリン酸残基が1~10質量%
  2. 更に下記条件(4)を満たす、請求項1の焼菓子用油脂組成物。
    (4)油相を構成するトリグリセリド組成中、LLLの含量が5質量%以下(Lはラウリン酸残基)
  3. 更に下記条件(5)を満たす、請求項1又は請求項2記載の焼菓子用油脂組成物。
    (5)炭素数16以上の飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリドと、炭素数16以上の不飽和脂肪酸残基を有するモノグリセリドとを、前者:後者で1:2~8の質量比で含有する
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の焼菓子用油脂組成物を含む焼菓子。
  5. 請求項4に記載の焼菓子を含む複合菓子。
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