JP2020060222A - 筒型防振装置 - Google Patents

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JP2020060222A JP2018190575A JP2018190575A JP2020060222A JP 2020060222 A JP2020060222 A JP 2020060222A JP 2018190575 A JP2018190575 A JP 2018190575A JP 2018190575 A JP2018190575 A JP 2018190575A JP 2020060222 A JP2020060222 A JP 2020060222A
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祐樹 八幡
Yuki Yahata
祐樹 八幡
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Abstract

【課題】ホルダへの装着の作業性を大きく損なうことなく、ホルダからの抜けを効果的に防止することのできる、新規な構造の筒型防振装置を提供する。【解決手段】筒型防振装置10が、インナ軸部材16と、合成樹脂製のアウタ筒部材18と、インナ軸部材16とアウタ筒部材18とを連結する本体ゴム弾性体20と、アウタ筒部材18から軸方向外方に延び出して形成されて、アウタ筒部材18が圧入される装着孔48の開口端縁に係止される係止爪28が設けられた係止片26と、係止片26の内周側に離隔して位置せしめられた規制部材16と、規制部材16と係止片26との間に配された弾性補助部60とを、有する。【選択図】図1

Description

本発明は、合成樹脂製のアウタ筒部材を備えた筒型防振装置に関するものである。
従来から、防振装置の一種として、インナ軸部材とアウタ筒部材とが本体ゴム弾性体で連結された筒型防振装置が知られている。このような筒型防振装置は、例えば自動車のメンバマウントやエンジンマウント、ボデーマウント、デフマウントなどに用いられている。
そして、かかる筒型防振装置は、一般に、防振連結される一方の部材に対してインナ軸部材がボルト等で固定されると共に、防振連結される他方の部材に設けられた筒状のホルダ部へアウタ筒部材が圧入されることによって装着される。
ところで、近年では、軽量化や製造コスト低減などの理由から、実開平5−77637号公報(特許文献1)に記載されているように、従来の金属製のアウタ筒部材に代えて、合成樹脂製のアウタ筒部材の採用が検討されている。
ところが、合成樹脂製のアウタ筒部材は、熱や経時的変化によるヘタリに起因して、ホルダへの圧入固定力を長期間に亘って安定して得難く、軸方向の抜け抗力の確保が難しかった。
なお、上記の特許文献1にも示されているように、合成樹脂製のアウタ筒部材において軸方向の抜け抗力を確保するために、アウタ筒部材の外周面に設けた係止突部を、装着孔の端面へ係止させた構造も提案されている。しかしながら、係止突部の突出高さを大きくして抜け抗力を増大させようとすると、アウタ筒部材を装着孔へ挿入して装着する際に係止突部が邪魔になることもあって、係止突部では十分な抜け抗力を得ることが難しかった。
実開平5−77637号公報
本発明の解決課題とするところは、ホルダへの装着の作業性を大きく損なうことなく、ホルダからの抜けを効果的に防止することのできる、新規な構造の筒型防振装置を提供することにある。
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。
本発明の第一の態様は、インナ軸部材と、合成樹脂製のアウタ筒部材と、前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材とを連結する本体ゴム弾性体と、前記アウタ筒部材から軸方向外方に延び出して形成されて、該アウタ筒部材が圧入される装着孔の開口端縁に係止される係止爪が設けられた係止片と、前記係止片の内周側に離隔して位置せしめられた規制部材と、前記規制部材と前記係止片との間に配された弾性補助部とを、有することを特徴とする筒型防振装置である。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、アウタ筒部材のホルダへの装着時において、係止片が弾性補助部を介して規制部材に当接することで係止片の内周側への変位が制限的に規制されることから、弾性補助部により、係止爪の、装着孔の開口端縁への係止力が補助的に向上され得る。
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に係る筒型防振装置において、前記規制部材が、前記インナ軸部材によって構成されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、別途規制部材を設ける必要がなく、一般に剛性が比較的大きい強度部材とされるインナ軸部材を利用して規制部材が有利に構成され得る。
本発明の第三の態様は、前記第一の態様に係る筒型防振装置において、前記規制部材が、前記アウタ筒部材と一体形成されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、別途規制部材を設ける必要がなく、一般に剛性が比較的大きい強度部材とされるアウタ筒部材を利用して規制部材が有利に構成され得る。
本発明の第四の態様は、前記第一〜第三の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材との軸方向の相対変位を緩衝的に制限するストッパ機構を構成するストッパゴムを有しており、該ストッパゴムから軸方向内方に延び出して前記弾性補助部が一体形成されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、ストッパ機構を構成するストッパゴムを巧く利用して弾性補助部を設けることができて、部品点数の低減等が図られ得る。
本発明の第五の態様は、前記第一〜第四の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記係止片が前記アウタ筒部材の周方向で部分的に形成されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、周方向での係止片の分断構造を利用して、例えば係止片の撓み易さ、ひいては係止片の装着孔への挿入作業性などのチューニングが可能となる。
本発明の第六の態様は、前記第一〜第五の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記弾性補助部が、前記係止片の基端側に向かって先細形状とされているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、弾性補助部を規制部材と係止片との間に差し入れて組み付ける操作が容易とされ得る。
本発明の第七の態様は、前記第一〜第六の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記弾性補助部には、前記係止片の先端に当たって軸方向内方への差し入れ端を規定する肉厚部が設けられているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、肉厚部が係止片の先端に当接することで、弾性補助部の軸方向内方への差し入れ深さを目的とする大きさに安定して設定することが可能になる。
本発明の第八の態様は、前記第一〜第七の何れか一つの態様に係る筒型防振装置において、前記アウタ筒部材の軸方向一方の端部から内周側に広がる段差状部が設けられていると共に、前記係止片が該段差状部から軸方向外方に向かって突設されているものである。
本態様に従う構造とされた筒型防振装置によれば、段差状部による補強作用でアウタ筒部材そのものの剛性の向上が図られることに加えて、アウタ筒部材においてホルダに装着される筒状部から係止片に伝達される熱や変形が両者間に介在する段差状部で軽減されることで、係止爪の装着孔への係止状態の更なる安定化も図られ得る。
また、本態様に係るアウタ筒部材を採用することで、円筒形状のパイプ状ホルダだけでなく、例えば略有底筒形状の底部中央に孔を設けたカップ状ホルダ等に対しても、アウタ筒部材を圧入固定して係止爪をカップ状ホルダにおける底部中央の孔の開口端縁に引っ掛けるようにして装着することが可能となる。
本発明に従う構造とされた筒型防振装置によれば、ホルダへの良好な挿入性を確保しつつ、装着孔の開口端縁に対する係止爪の係止状態が弾性補助部によって一層安定して維持されて、ホルダからの意図しない抜けが効果的に防止され得る。
本発明の第一の実施形態としての筒型防振装置を示す縦断面図であって、図2におけるI−I断面図。 図1におけるII−II断面図。 図1に示された筒型防振装置の分解斜視図。 図1に示された筒型防振装置を構成するストッパ部材を示す平面図。 図4に示されたストッパ部材の底面図。 図1に示された筒型防振装置をホルダへの装着状態で示す斜視図。 本発明の第二の実施形態としての筒型防振装置を示す縦断面図。 本発明の第三の実施形態としての筒型防振装置を示す縦断面図。
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1〜3には、本発明に係る筒型防振装置の第一の実施形態として、自動車用のメンバマウント10が示されている。このメンバマウント10は、マウント本体12に対して別体のストッパ部材14が組み付けられた構造を有している。なお、以下の説明において、上下方向乃至軸方向とは、原則として、車両装着状態で略上下方向とされる図1中の上下方向をいう。
より詳細には、マウント本体12は、互いに所定距離を隔てて内外挿配置されたインナ軸部材16とアウタ筒部材18を有している。また、互いに略同一中心軸上に配されたインナ軸部材16とアウタ筒部材18との軸直角方向対向面間に本体ゴム弾性体20が設けられており、インナ軸部材16とアウタ筒部材18が本体ゴム弾性体20で弾性連結されている。
インナ軸部材16は、金属や合成樹脂等の剛性の大きい材料で形成されており、上下方向に略ストレートに延びる中空の円筒形状とされている。
アウタ筒部材18は、必要に応じて繊維補強された合成樹脂材料で形成されており、大径の略円筒形状をもって上下方向に略ストレートに延びる本体部分22を有している。
そして、かかる本体部分22の軸方向下端には、外周に広がる円環板状のストッパフランジ18Aが一体形成されている。
一方、アウタ筒部材18の本体部分22の軸方向上端には、内周側に広がる段差状部24が設けられている。本実施形態では、段差状部24が、周方向で部分的に形成されており、一対の段差状部24,24が、軸直角方向で対向して形成されている。具体的には、段差状部24の形成部分と非形成部分とが、周方向で略等間隔(略90度毎)に、略90度の周方向寸法をもって交互に形成されている。また、段差状部24は、内周側に位置するインナ軸部材16には至らない大きさで内周側に突出しており、段差状部24とインナ軸部材16との径方向間には隙間が設定されている。
さらに、段差状部24には、軸方向外方(上方)に向かって突出する係止片26が設けられており、本実施形態では、係止片26が、段差状部24の内周縁部において周方向の略全長に亘って一体形成されている。これにより、本実施形態では、係止片26が、インナ軸部材16の外周側に離隔して設けられているとともに、アウタ筒部材18の周方向で部分的に形成されており、一対の係止片26,26が、軸直角方向で対向して形成されている。この係止片26は、上方に向かって略ストレートに延びており、略一定の厚さ寸法を有するか突出先端に向かって僅かに薄肉となるようにされて、外力を加えることで内周側へ撓むように弾性的に変形可能とされている。特に本実施形態では、係止片26が周方向で部分的に形成されていることで内周側への撓み変形が比較的容易とされている。
そして、係止片26の突出先端には、外周側に突出する係止爪28が設けられている。本実施形態では、係止爪28が、係止片26の周方向の略全長に亘って形成されており、係止爪28の下端面が軸直角方向に広がる平坦面30とされている一方、外周面が、上方に向かって係止爪28の厚さ寸法が次第に小さくなる方向に傾斜する傾斜面32とされている。なお、本実施形態の係止片26は、係止爪28を含む上端がインナ軸部材16の上端面までは至らない上方への突出寸法をもって形成されている。
本体ゴム弾性体20は、厚肉の略円筒形状を有するゴム弾性体であって、内周面がインナ軸部材16の外周面に重ね合わされて固着されていると共に、外周面がアウタ筒部材18の内周面に重ね合わされて固着されている。また、本体ゴム弾性体20には、アウタ筒部材18のストッパフランジ18A上で下方に向かって突出する下側ストッパゴム36が一体的に形成されている。なお、本体ゴム弾性体20は、インナ軸部材16とアウタ筒部材18とを備えた一体加硫成形品として形成されている。なお、本実施形態では、アウタ筒部材18の軸方向寸法よりもインナ軸部材16の軸方向寸法の方が大きくされており、アウタ筒部材18の軸方向両側からインナ軸部材16が外方に突出している。
また、本実施形態では、本体ゴム弾性体20の軸方向両側の端面には、軸方向外方に開口して周方向に延びる凹溝状の上側すぐり部38および下側すぐり部40が、インナ軸部材16の周囲に形成されている。
更にまた、アウタ筒部材18において段差状部24が形成されている周方向部分には、上側すぐり部38と下側すぐり部40の両底面をつなぐように軸方向に貫通して延びるスリット孔42が形成されている。スリット孔42は、インナ軸部材16の外周面に沿って形成されており、図2に示されているように、スリット孔42の周方向両端部分が、アウタ筒部材18の段差状部24の周方向両端縁に沿って径方向外方に延びて、アウタ筒部材18において円筒形状とされた本体部分22の内周面近くにまで達している。
これにより、インナ軸部材16を挟んだ左右両側のゴム弾性体部分20a,20aと、上下両側のゴム弾性体部分20b,20bとの間で、弾性変形や応力の伝達が軽減されており、図2中の左右方向の振動入力に際しては本体ゴム弾性体20が主に圧縮変形される一方、図2中の上下方向の振動入力に際しては本体ゴム弾性体20が主に剪断変形されるようになっている。その結果、互いに直交する軸直角二方向でのばね比が大きく設定されていると共に、本体ゴム弾性体20において、一対の段差状部24,24の形成部分と非形成部分との境界付近における応力集中の緩和が図られている。
なお、本実施形態では、段差状部24の下面(軸方向内面)にも本体ゴム弾性体20が固着されており、段差状部24の形成位置では、本体ゴム弾性体20が段差状部24の内周縁まで至っていること、およびスリット孔42が形成されていることによって、段差状部24が形成された周上の領域では、実質的に上側すぐり部38が存在しない状態となっている。また、スリット孔42は、段差状部24とインナ軸部材16との間を通じて軸方向外方(上方)に開口している。さらに、スリット孔42の径方向寸法は下方に向かって次第に大きくなっている。
上記の如き構造とされたマウント本体12は、車両への装着に際して、図1に仮想線で示されているように、インナ軸部材16が軸方向上端面に重ね合わされる車両ボデー側部材Xに対して、内挿される固定ボルトによって固定的に取り付けられる。なお、インナ軸部材16の軸方向下端面にも、外周に広がるワッシャ状のストッパ金具が重ね合わされて、インナ軸部材16に内挿される固定ボルトによって固定的に取り付けられる。一方、アウタ筒部材18は、サスペンションメンバ等のサブフレームに一体的に設けられたホルダYに圧入固定される。
本実施形態では、略筒状の周壁部44の上方開口部に円環板形状の上底壁部46が設けられた逆向きカップ状のホルダYとされており、上底壁部46の中央に装着孔としての挿通孔48が形成されていると共に、周壁部44の下端開口部に鍔部50が形成されている。そして、ホルダYの周壁部44へアウタ筒部材18の本体部分22が圧入固定されて取り付けられている。
また、ホルダYにおける上底壁部46の挿通孔48には、アウタ筒部材18の係止片26が挿し入れられ、係止爪28が挿通孔48の開口端縁の外面(上面)に係止されることで、アウタ筒部材18のホルダYからの下方への抜止機構が構成されている。なお、挿通孔48への挿入時には、係止爪28の傾斜面32が挿通孔48の内周縁に当接して係止片26が内周側へ押されて撓み、係止爪28が挿通孔48を乗り越えた時点で、係止片26が弾性的に復元変形して、係止爪28がホルダYの上底壁部46への係止が実現される。
一方、上述の如きマウント本体12と共にメンバマウント10を構成するストッパ部材14は、図4,5に単品図も示されているように、全体として円環形状とされており、本実施形態において規制部材を構成するインナ軸部材16の軸方向上端近くに外挿状態で組み付けられて上側のストッパ機構を構成している。
ストッパ部材14は、硬質の合成樹脂等で形成されたリング状の保持部材52を有しており、かかる保持部材52に対してストッパゴム54が固着されている。本実施形態では、保持部材52が径方向一方向で対向する部分において内周側に広がって、一対の板状支持部56,56が形成されている。そして、各板状支持部56に対してストッパゴム54が固着されており、板状支持部56の表面を被覆して且つ上方に突出する形態でストッパゴム54が設けられている。また、板状支持部56,56の内周面上には、インナ軸部材16への当接によって弾性的に位置決め嵌合される内方突部58が、ストッパゴム54と一体形成されている。
なお、本実施形態では、一対のストッパゴム54,54が、マウント本体12のアウタ筒部材18における一対の段差状部24,24の非形成部分に納まる周方向の位置と寸法をもって形成されている。
また、保持部材52の周方向において、板状支持部56の形成されていない部分では、保持部材52から内周側に離隔して周方向に延びる弾性補助部60が設けられている。要するに、一対のストッパゴム54,54と直交する径方向で対向位置して、一対の弾性補助部60,60が設けられている。なお、これら一対の弾性補助部60,60は、一対のストッパゴム54,54の周方向両端部間に跨がって延びる状態で、一対のストッパゴム54,54と一体成形されている。
なお、本実施形態では、一対の弾性補助部60,60が、マウント本体12のアウタ筒部材18における一対の段差状部24,24の形成部分に対応する周方向の位置と寸法をもって形成されている。
弾性補助部60は、インナ軸部材16の外周面に沿って湾曲して、ストッパゴム54から軸方向内方(下方)に延びる比較的薄肉の略湾曲板形状とされている。また、弾性補助部60の径方向厚さ寸法は、インナ軸部材16とアウタ筒部材18の係止片26との隙間に挿し入れ可能な厚さとされている。本実施形態では、弾性補助部60が、上下方向で略一定の厚さ寸法か或いは下方(係止片26の基端側)に向かって次第に小さくなる先細の断面形状とされている。更にまた、弾性補助部60の上端部分には、厚さ寸法が外周側へ大きくされた肉厚部62が、周方向の全長に亘って設けられている。肉厚部62の外径寸法は、係止片26の突出先端部の内径寸法よりもδ(図1参照)だけ大きくされている。また、弾性補助部60の軸方向中間部分には、肉厚部62の下端によって段差面が形成されており、かかる段差面が、下方に向かって外径寸法が次第に小さくなるテーパ面64とされている。
上記の如き構造とされたストッパ部材14は、インナ軸部材16へ外挿されて、ホルダYの上底壁部46に対して、保持部材52とストッパゴム54,54が載置された状態で、マウント本体12へ組み付けられている(図6の参考組付状態図も参照)。そして、軸方向荷重による本体ゴム弾性体20の弾性変形に伴うインナ軸部材16とアウタ筒部材18との軸方向のバウンド方向の相対変位量(車両ボデーに対するサブフレームの上方への相対変位量)を緩衝的に制限するストッパ機構が、ストッパ部材14を含んで構成されている。なお、ストッパ部材14のマウント本体12への組付けは、例えばマウント本体12をホルダYへ圧入した後、車両ボデー側部材Xへ取り付ける前に行ない得る。
また、ストッパ部材14の車両への装着状態では、一対の弾性補助部60,60が、一対の係止片26,26とインナ軸部材16との間へ、上方から挿し入れられて配置されている。なお、ホルダYの挿通孔48から上方に突出した係止片26の上端部は、保持部材52から内周側へ離隔位置していると共に、車両ボデー側部材Xに対しても振動入力によって当接しないように軸方向下方に離隔位置している。
さらに、ストッパ部材14の肉厚部62は、係止片26の上方に配置されており、図1の部分拡大図に示されているように、係止片26の上端が肉厚部62の下端のテーパ面64へ当接されている。これにより、係止片26の軸方向内方(下方)への弾性補助部60の挿し入れ端が規定されている。特に本実施形態では、肉厚部62の上端が車両ボデー側部材Xへ当接することで、振動荷重の入力で車両ボデー側部材Xに対してホルダYが上方へ変位した際には、係止片26の上端に対して肉厚部62による外周側への押圧力が及ぼされて、係止片26の内周側への撓み変形が抑えられることとなる。その結果、係止爪28のホルダYへの係止状態の安定化が図られて、アウタ筒部材18のホルダYからの下方への抜け出しがより効果的に防止されるようになっている。なお、係止片26の内周面と弾性補助部60の外周面との間には、部材の寸法誤差等を考慮して僅かな径方向隙間66が設定されている。
上述の如き構造とされた本実施形態のメンバマウント10では、車両装着状態において、ホルダYに係止された係止片26とインナ軸部材16との間に弾性補助部60が差し入れられることから、例えば係止片26に対して内周側への力が及ぼされた場合にも、係止片26が弾性補助部60を介してインナ軸部材16に当接することで係止片26の内周側への変位が制限されるとともに、弾性補助部60の反発力により係止片26には外周側への付勢力が及ぼされる。この結果、弾性補助部60により、係止片26の、挿通孔48の開口端縁への係止力が補助的に向上せしめられて、係止状態が安定して維持されることから、ホルダYからのマウント本体12の抜けが防止され得る。
特に本実施形態では、肉厚部62のテーパ面64によって係止片26の外周側への押圧作用が発揮されることに加えて、車両ボデー側部材Xへの当接で肉厚部62が外周へ膨出変形して係止片26の外周側への押圧作用が一層効果的に発揮されることから、係止片26の係止爪28によるホルダYに対する係止状態がより安定して維持され得る。
また、本実施形態では、アウタ筒部材18において、本体部分22と係止片26との間に段差状部24が設けられていることから、ホルダYへ圧入固定される本体部分22に及ぼされる外力や熱の係止片26への伝達が軽減される。それ故、係止片26の外力や熱等によるヘタリが軽減されて、係止爪28のホルダYへの係止作用によるアウタ筒部材18のホルダYからの抜け防止効果がより安定して発揮され得る。
次に、図7には、本発明に係る筒型防振装置の第二の実施形態として、自動車用のメンバマウント78が示されている。本実施形態においても、前記実施形態と同様に、ホルダYがカップ状のホルダとされており、マウント本体80のアウタ筒部材82において段差状部84および係止片86が設けられて、当該係止片86に設けられた係止爪88が、ホルダYの挿通孔48における開口端縁に係止されている。なお、以下の説明において、前記実施形態と実質的に同一の部材および部位には、図中に、前記実施形態と同一の符号を付すことで詳細な説明を省略する。
本実施形態におけるアウタ筒部材82では、段差状部84が、周方向で全周に亘って連続する円環板状をもって形成されている。また、係止片86は、周方向の全周に亘って連続した略円筒形状をもって形成されており、段差状部84の内周縁部から上方に向かって突出している。更に、係止片86の突出先端には、周方向の全周に亘って連続した円環形状をもって、外周面上に略鉤形の断面形状で突出する係止爪88が一体形成されている。なお、本体ゴム弾性体90は、段差状部84の下面に対して略全面に亘って固着されている。これにより、本体ゴム弾性体90の上方端部における内周縁部には、段差状部84とインナ軸部材16との隙間における径方向寸法と略等しい径方向寸法とされた開口部を有する環状の上側すぐり部92が形成されている。要するに、本実施形態のマウント本体80は、インナ軸部材16だけでなく、アウタ筒部材82と本体ゴム弾性体90を含む全体が、中心軸回りの回転対称形状とされている。
また、本実施形態は、上側のストッパ機構を備えておらず、ゴム弾性体の一体成形品としての弾性補助部94が採用されている。かかる弾性補助部94は、上端部に肉厚部96とテーパ面98を一体的に備えており、一定の断面形状をもって中心軸回りで周方向の全周に亘って連続した略円筒形状とされている。
本実施形態のメンバマウント78においても、弾性補助部94により、係止爪88の、挿通孔48の開口端縁への係止力が補助的に向上され得て、第一の実施形態と同様の効果が発揮され得る。
次に、図8には、本発明に係る筒型防振装置の第三の実施形態として、自動車用のメンバマウント100が示されている。本実施形態では、ホルダY′が軸方向の全長に亘って一定の円形断面で延びるスレートのパイプ形状とされている。これに対応して、アウタ筒部材102には、前記第一および第二の実施形態における段差状部(24,84)が設けられておらず、アウタ筒部材102の外周面が、圧入固定されるホルダY′における装着孔としての内孔104の内周面形状に対応して、上下方向の略全長に亘ってストレートに延びる円筒形状とされている。
また、アウタ筒部材102の上端部分には、軸方向上方に向かって延びる薄肉の略円筒形状とされた係止片106が一体形成されている。かかる係止片106は、第一及び第二の実施形態の係止片(26,86)と同様に、上端部分において外周面上に突出する係止爪108を一体的に備えている。また、アウタ筒部材102の上端部分には、内周側に控える状態で軸方向上方に向かって略円筒形状で延びる規制壁部110が、規制部材として一体形成されている。なお、本実施形態では、かかる規制壁部110が、係止片106よりも厚肉とされており、アウタ筒部材102における筒状の本体部分22よりも更に厚肉とされている。
規制壁部110は、係止片106の内周側に所定距離を隔てて略平行に配されており、係止片106と略同じ軸方向上方への突出高さを有している。そして、これら係止片106と規制壁部110との径方向間に形成された周溝状の凹所112に対して、上方から弾性補助部114が差し入れられた状態で組み付けられている。
本実施形態の弾性補助部114は、第二の実施形態と同様に、中心軸回りで回転対称となる略薄肉の円筒形状を有するゴム弾性体の一体成形品にて構成されており、凹所112の内外径寸法と略同じ内外径寸法を有している。また、弾性補助部114の上端部には、肉厚部116およびテーパ面118が一体的に形成されている。そして、弾性補助部114は、凹所112の底部までは僅かに至らない深さまで差し入れられて組み付けられている。
本実施形態のメンバマウント100では、ホルダY′の内孔104の上端の開口端縁に対して、係止片106の係止爪108が抜け止め係止されている。そして、弾性補助部114で係止片106の内周側への変形が弾性的に抑えられることにより、係止爪88の挿通孔48の開口端縁への係止力が補助的に向上されて、前記第一及び第二の実施形態と同様の効果が発揮され得る。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はかかる実施形態における具体的な記載によって限定的に解釈されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良などを加えた態様で実施可能である。
たとえば、前記実施形態では、係止片26,86,106の内周側に離隔して位置する規制部材が、インナ軸部材16又はアウタ筒部材102により構成されていたが、インナ軸部材やアウタ筒部材から独立した別部材にて構成することも可能である。例えば第一の実施形態のメンバマウント10において、インナ軸部材16の外周に配される筒状の規制部材を、ストッパ部材14を構成する保持部材52に一体形成しても良い。なお、その場合には、保持部材52に一体形成された規制部材に対して弾性補助部を固着して形成することも可能である。また、第三の実施形態における規制壁部110を、アウタ筒部材102から独立した別体構造として規制部材を構成することも可能である。
さらに、前記第一の実施形態では、ストッパゴム54と弾性補助部60とが一体的に形成されていたが、別体として形成されてもよい。尤も、ストッパゴムと弾性補助部とが一体的に形成されることで部品点数の削減が図られる。また、前記第一の実施形態では、ストッパ部材14においてストッパゴム54が周方向で部分的に設けられていたが、ストッパゴムは全周に亘って連続して設けられてもよい。なお、インナ軸部材とアウタ筒部材の相対変位を緩衝的に制限するストッパ機構は必須なものではない。
更にまた、前記実施形態では、弾性補助部60,94,114の上端部に肉厚部62,116が設けられていたが、肉厚部は必須なものではなく、例えば弾性補助部は単なる筒形状であってもよい。
また、本体ゴム弾性体に設けられる上下のすぐり部やスリット孔の形状や個数などは何等限定されるものではなく、要求される防振特性に応じて適宜設定され得る。
なお、本発明に係る筒型防振装置は、前記実施形態に記載の如き自動車用のサスペンションメンバマウントに限定されるものではなく、例えば自動車用のエンジンマウント、ボデーマウント、デフマウントなどに適用されてもよいし、自動車以外の防振装置に適用されてもよい。
10,78,100:メンバマウント(筒型防振装置)、16:インナ軸部材(剛性部材)、18,82,102:アウタ筒部材、20,90:本体ゴム弾性体、24,84:段差状部、26,86,106:係止片、28,88,108:係止爪、48:挿通孔(装着孔)、54:ストッパゴム、60,94,114:弾性補助部、62,96,116:肉厚部、104:内孔(装着孔)

Claims (8)

  1. インナ軸部材と、
    合成樹脂製のアウタ筒部材と、
    前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材とを連結する本体ゴム弾性体と、
    前記アウタ筒部材から軸方向外方に延び出して形成されて、該アウタ筒部材が圧入される装着孔の開口端縁に係止される係止爪が設けられた係止片と、
    前記係止片の内周側に離隔して位置せしめられた規制部材と、
    前記規制部材と前記係止片との間に配された弾性補助部と
    を、有することを特徴とする筒型防振装置。
  2. 前記規制部材が、前記インナ軸部材によって構成されている請求項1に記載の筒型防振装置。
  3. 前記規制部材が、前記アウタ筒部材と一体形成されている請求項1に記載の筒型防振装置。
  4. 前記インナ軸部材と前記アウタ筒部材との軸方向の相対変位を緩衝的に制限するストッパ機構を構成するストッパゴムを有しており、該ストッパゴムから軸方向内方に延び出して前記弾性補助部が一体形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  5. 前記係止片が前記アウタ筒部材の周方向で部分的に形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  6. 前記弾性補助部が、前記係止片の基端側に向かって先細形状とされている請求項1〜5の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  7. 前記弾性補助部には、前記係止片の先端に当たって軸方向内方への差し入れ端を規定する肉厚部が設けられている請求項1〜6の何れか一項に記載の筒型防振装置。
  8. 前記アウタ筒部材の軸方向一方の端部から内周側に広がる段差状部が設けられていると共に、前記係止片が該段差状部から軸方向外方に向かって突設されている請求項1〜7の何れか一項に記載の筒型防振装置。
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