JP2020056119A - エアレイド不織布及びその製法 - Google Patents
エアレイド不織布及びその製法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2020056119A JP2020056119A JP2018185215A JP2018185215A JP2020056119A JP 2020056119 A JP2020056119 A JP 2020056119A JP 2018185215 A JP2018185215 A JP 2018185215A JP 2018185215 A JP2018185215 A JP 2018185215A JP 2020056119 A JP2020056119 A JP 2020056119A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- nonwoven fabric
- fibers
- air
- inclined surface
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Nonwoven Fabrics (AREA)
- Absorbent Articles And Supports Therefor (AREA)
Abstract
Description
他方、傾斜面が凹弧状に形成されると、凹弧状の底面付近では、濾過が集中し捕集物が集中蓄積し、流体の流動方向と略平行な垂直面付近では、濾過速度が著しく低下する。このため、傾斜面が凹弧状では、濾過性能を完全に発揮できない。
本発明の立体模様を有するエアレイド不織布の製法には、多数の凸部及び凹部を有しかつ通気性を有する繊維捕集ネットを用いる。又は金属製又はプラスチック製のネット上に多数の凹部又は開口を有する空気透過性シートを積層した二層構造の繊維捕集ネットも使用できる。繊維捕集ネットの凹部に熱接着性繊維を堆積させることにより、凹凸の立体模様を有するシート状のエアレイド不織布が製造される。二層構造の捕集ネットのネットと空気透過性シートとの接合方法は、縫い合わせ、接着剤による接合、熱によるヒートシールが可能だが、接着剤及びヒートシールによる接合では繊維捕集ネットの再利用が困難となる他、接着剤では、ネットと空気透過性シートの少なくとも何れかが熱接着性を有する素材に限定されるため、縫い合わせによる接合が望ましい。
所定量の解繊された熱接着性繊維を主成分として空気流に均一分散させながら、図示しない噴出装置の細孔から放出して、多数のネット凸部(21)及びネット凹部(22)を有する単層又は二層以上の構造の繊維捕集ネット(27)上に落とし、繊維捕集ネット(27)の他面(27b)方向(矢印26)に空気を吸引しながら、熱接着性繊維を繊維捕集ネット(27)上に堆積させる。必要に応じて本操作を複数回繰り返して繊維ウェブを積層すれば、前記二層又は三層構造のエアレイド不織布(20,30)が得られる。
吸引、送風等による図11に示す気体の流れ(8)は、凸部(2)の頂部(4b)に衝突したとき、均等に分散され、傾斜面(4a)に沿って流動する。傾斜面(4a)は、多数の突毛繊維(5)を有し、特に、傾斜面(4a)の垂線(V)(図3)に対し***面(4)の頂部(4b)側に傾く第2の突毛繊維(5b)を数多く含むため、突毛繊維(5)が、粘性を有するオイルミストの抵抗体となり、気体の流動(8)を抑制する。このとき、傾斜面(4a)の空隙(15)を通じて気体の一部がオイルミストを濾別しながら、凸部(2)内に導入される(8a)。気体の他の部分は、傾斜面(4a)に沿って引き続き流動し(8b)、傾斜面(4a)の突毛繊維(5)により、オイルミストを濾別して空隙(15)から凸部(2)内に侵入する(8a’)。残りの気体は傾斜面(4a)を更に流動し(8b’)、一部は傾斜面(4a)から凸部(2)内に、他の残りは少量の気体流となって、凹部(1)の谷面(3)に到達する(8b”)。
本発明によるエアレイド不織布(10,20)の実施例を比較例と対比しながら説明する。
<実施例1>
ネット凹部(22)を有する樹脂製の繊維捕集ネット(27)上に、ポリエチレンの鞘及びポリエチレンテレフタレートの芯(PE/PET)を有する繊度1.7dtex及び繊維長3mmの熱接着性繊維(熱接着性芯鞘型複合繊維)(帝人(株)製、品名TJ04V4)を堆積させ、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、凹部(1)及び凸部(2)を一方の主面(7a)に有するエアレイド不織布(10)を製造した(実施例1)。実施例1は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.97及び表面積比1:1.65、凹部(1)繊維密度0.033、目付80g/m2、厚み1.8mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有する図6(b)と同等のエアレイド不織布(10)である。厚みは(株)大栄科学精器製作所製、デジタル厚み測定器FS-60DS(測定端子50mmφ、測定荷重3g/cm2)にて測定した。「目付」は凹部(1)及び凸部(2)を含む目付、「厚み」はシート全体の厚さ、「高さ」は凹部(1)谷面(3)から凸部(2)頂部(4b)までの高さを各々表し、以下同様である。
実施例1同様の方法及び熱接着性繊維により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例2)。実施例2は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1.03及び表面積比1:1.57、凹部(1)繊維密度0.062、目付80g/m2、厚み2.4mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ2mmの菱形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有する図6(a)と同等のエアレイド不織布(10)である。
イソフタル酸共重合ポリエステルの鞘及びポリエチレンテレフタレートの芯(低融点PET/PET)を有する繊度1.7dtex及び繊維長5mmの熱接着性繊維(帝人(株)製、品名TJ04B5)を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例3)。実施例3は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1.05及び表面積比1:1.51、凹部(1)繊維密度0.123、目付80g/m2、厚み2.2mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ1.7mmの菱形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
ポリエチレンの鞘及びポリプロピレンの芯(PE/PP)を有する繊度0.2dt及び繊維長3mmの熱接着性繊維(宇部エクシモ(株)製、品名エアリモQCE-K)を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例4)。実施例4は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1.04及び表面積比1:3.94、凹部(1)繊維密度0.183、目付80g/m2、厚み1.1mmのシートであり、長径5mm、短径3mm、高さ0.8mmの楕円形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
ポリエチレンの鞘及びポリプロピレンの芯(PE/PP)を有する繊度35dt及び繊維長5mmの熱接着性繊維(ESファイバービジョンズ製、品名ESC090)を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例5)。実施例5は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.82及び表面積比1:9.36、凹部(1)繊維密度0.026、目付80g/m2、厚み3mmのシートであり、長径5mm、短径3mm、高さ1.9mmの楕円形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
実施例1同様の方法及び熱接着性繊維を使用して、目付がそれぞれ16.0g/m2、17.6g/m2、19.2g/m2、20.8g/m2及び22.4g/m2となるようにエアレイド不織布(10)を製造した(実施例6g、6h、6i、6j及び6k)。実施例6gは、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1.17及び表面積比1:1.65、凹部(1)繊維密度0.032、目付16g/m2、厚み1mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
実施例1同様の方法及び熱接着性繊維を使用して、目付が800g/m2となるようにエアレイド不織布(10)を製造した(実施例7)。実施例7は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1及び表面積比1:1.87、凹部(1)繊維密度0.102、厚み12mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ3mmの楕円形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
実施例1に使用した熱接着性繊維35重量%と粉砕パルプ((株)インターナショナル・ペーパー・ジャパン社製、品名NF405)65重量%との混合繊維を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例8)。実施例8は、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.99及び表面積比1:1.84、凹部(1)繊維密度0.032、目付80g/m2、厚み1.9mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ1mmの楕円形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(10)である。
<比較例1a>
ネット凹部を有しない樹脂製の繊維捕集ネット上に、実施例1の熱接着性繊維を堆積させ、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、平面(フラット)状のエアレイド不織布を製造した(比較例1a)。比較例1aは、目付80g/m2、厚み1.3mmである。
比較例1aの平面状のエアレイド不織布に対し、エンボスロール及び弾性ロールを組み合わせてエンボス加工を施し、凸凹状の不織布を製造した(比較例1b)。比較例1bは、凹部と凸部との繊維密度比1:4、凹部(1)繊維密度0.405、目付80g/m2、厚み0.9mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ0.7mmの矩形凸部を有する不織布である。
ネット凹部を有しない樹脂製の繊維捕集ネット上に、ポリエチレンの鞘及びポリエチレンテレフタレートの芯(PE/PET)を有する繊度1.7dtex及び繊維長44mmの熱接着性繊維(帝人(株)製、品名TJ04CE)を堆積させたカードウエブを熱風加熱処理して、平面(フラット)状のサーマルボンド(エアスルー)不織布を製造した(比較例1c)。比較例1cは、目付80g/m2、厚み1mmである。
従来技術の特許文献4に記載の方法により実施例1の熱接着性繊維を使用して凹凸状のエアレイド不織布を製造した(比較例1d)。比較例1dは、凹部と凸部との繊維密度比1:1.05及び表面積比1:1.65、凹部繊維密度0.038、目付80g/m2、厚み1.7mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円形凸部を有しかつ凸部が平坦上面及び凹状傾斜面を有するエアレイド不織布である。
実施例2のエアレイド不織布(10)を平型オートプレス機(HASHIMA社 品番HP-125FA)により135℃、40g/cm2で1分間プレスして、熱プレス不織布を製造した(比較例2)。比較例2は、凹部と凸部との表面積比1:1.32、凹部繊維密度0.246、目付80g/m2、厚み0.5mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ0.25mmの楕円形凸部を有する不織布である。
実施例3の熱接着性繊維を使用した以外、比較例1a同様の方法により、平面状(フラット)のエアレイド不織布(10)を製造した(比較例3)。比較例3は、目付80g/m2、厚み1.4mmである。
ポリエチレンの鞘及びポリプロピレンの芯(PE/PP)を有する繊度0.1dt及び繊維長3mmの熱接着性繊維を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布を製造した(比較例4)。比較例4は、凹部と凸部との繊維密度比1:1.07及び表面積比1:2.64、凹部繊維密度0.31、目付80g/m2、厚み0.7mmのシートであり、長径5mm、短径3mm、高さ0.5mmの楕円形凸部を有しかつ傾斜面及び突毛繊維を有するエアレイド不織布である。
ポリエチレンの鞘及びポリプロピレンの芯(PE/PP)を有する繊度72dt及び繊維長5mmの熱接着性繊維(ESファイバービジョンズ製、品名ES)を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布を製造した(比較例5)。比較例5は、凹部と凸部との繊維密度比1:0.79及び表面積比1:8.38、凹部(1)繊維密度0.025、目付80g/m2、厚み2.8mmのシートであり、長径5mm、短径3mm、高さ1.7mmの楕円形凸部を有しかつ傾斜面及び突毛繊維を有するエアレイド不織布である。
実施例1同様の方法及び熱接着性繊維を使用して、目付がそれぞれ6.4g/m2、8.0g/m2、9.6g/m2、11.2g/m2、12.8g/m2及び14.4g/m2となるようにエアレイド不織布を製造した(比較例6a、6b、6c、6d、6e及び6f)。比較例6fは、凹部と凸部との繊維密度比1:1.23及び表面積比1:1.65、凹部繊維密度0.029、目付14.4g/m2、厚み1mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円形凸部を有しかつ傾斜面及び突毛繊維を有するエアレイド不織布である。
実施例1同様の方法及び熱接着性繊維を使用して、目付が900g/m2となるようにエアレイド不織布を製造した(比較例7)。比較例7は、凹部と凸部との繊維密度比1:1及び表面積比1:1.87、凹部繊維密度0.108、厚み13mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ3mmの楕円形凸部を有しかつ傾斜面及び突毛繊維を有するエアレイド不織布である。
実施例1の熱接着性繊維25重量%と実施例8の粉砕パルプ75重量%との混合繊維を使用した以外、実施例1同様の方法により、エアレイド不織布を製造した(比較例8)。比較例8は、凹部と凸部との繊維密度比1:1.01及び表面積比1:2.02、凹部繊維密度0.031、目付80g/m2、厚み2mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ1.1mmの楕円形凸部を有しかつ傾斜面を有するエアレイド不織布である。
<実施例9a>
実施例1同様の方法により熱接着性繊維を堆積させた後、更に実施例4の熱接着性繊維を積層し、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、凹部(1)及び凸部(2)を一方の主面(7a)に有する二層構造のエアレイド不織布(20)を製造した(実施例9a)。実施例9aは、第1の層(11)と第2の層(12)との重量比62.5:37.5、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.88及び表面積比1:1.65、凹部(1)繊維密度0.114、目付80g/m2、厚み1.2mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(20)である。
実施例9a同様の方法及び熱接着性繊維により、エアレイド不織布(10)を製造した(実施例9b)。実施例9bは、第1の層(11)と第2の層(12)との重量比62.5:37.5、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.97及び表面積比1:1.5、凹部(1)繊維密度0.085、目付80g/m2、厚み2.1mmのシートであり、長径15mm、短径7mm、高さ1.3mmの菱形凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(20)である。
ネット凹部(22)を有する樹脂製の繊維捕集ネット(27)上に、ポリエチレンの鞘及びポリプロピレンの芯(PE/PP)を有する繊度11dtex及び繊維長5mmの熱接着性繊維(小山化学(株)製、品名S/S 006-1)を堆積させ、更に実施例1の熱接着性繊維を積層し、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、凹部(1)及び凸部(2)を一方の主面(7a)に有する二層構造のエアレイド不織布(20)を製造した(実施例10)。実施例10は、第1の層(11)と第2の層(12)との重量比62.5:37.5、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:0.95及び表面積比1:3.31、凹部(1)繊維密度0.03、目付80g/m2、厚み2.7mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ1.8mmの楕円凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(20)である。
実施例1同様の方法により熱接着性繊維を堆積させた後、更に実施例10の第1の層(11)に使用した熱接着性繊維を積層し、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、凹部(1)及び凸部(2)を一方の主面(7a)に有する二層構造のエアレイド不織布(20)を製造した(実施例11)。実施例11は、第1の層(11)と第2の層(12)との重量比62.5:37.5、凹部(1)と凸部(2)との繊維密度比1:1.19及び表面積比1:1.65、凹部(1)繊維密度0.027、目付80g/m2、厚み1.8mmのシートであり、長径3mm、短径2.5mm、高さ0.9mmの楕円凸部(2)を有しかつ傾斜面(4a)及び突毛繊維(5)を有するエアレイド不織布(20)である。
比較例1a同様の方法により熱接着性繊維を堆積させた後、更に実施例4の熱接着性繊維を積層し、147℃で加熱して繊維間を熱融着し、平面(フラット)状の二層構造のエアレイド不織布を製造した(比較例9)。比較例9は、第1の層と第2の層との重量比62.5:37.5、目付80g/m2、厚み0.9mmである。
実施例及び比較例について、下記方法により試験した。
[5−1]通気試験
(株)大栄科学精器製作所製AP-360SMを用い、日本工業規格L1096A法(フラジール法)に従い通気度を測定した。即ち、実施例及び比較例から採取した約200mm×200mm各試験片をフラジール形試験機の円筒の一端に取り付けた後、加減抵抗器により傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファン及び空気孔を調整し、そのときの垂直形気圧計の示す圧力を測る。測定した圧力と使用した空気孔の種類とから試験機に附属の換算表により試験片を通過する空気量(cm3/cm2・s)を求めた。
東京ダイレック社製DFT-3T1Nを用い、実施例及び比較例のシートに気体を通過させて、圧力損失が150Paに達したときの捕捉した粉塵の重量を測定し保持容量(mg)とした。粉塵にはJIS試験用粉体(JIS Z 8901 11種、関東ローム焼成製品)を用いた。
実施例及び比較例の各試料を直径13cmの円形に打ち抜き、凸部を有する面又は凸部がないものは毛羽を有する面に、JIS試験用粉体11種3gを付着させて平らにならした後、10mmピッチの金網で粉体の付着面を下にして1分後に、粉体の保持量を測定した。
5cm×5cmの実施例及び比較例のシートを1分間油に漬け、1分間水平金網で油を切った後、シートの油保持重量を測定した。
未使用のサラダ油1kgを鍋に入れ、IHクッキングヒータ及び鍋の上部及び四辺をアルミ枠で囲い、鍋より高さ70cmの高さのアルミ枠の上部に水平に25cm×40cmの実施例及び比較例の各シートを取り付け、上部の20cm×20cmの開口部を換気扇で排気をしながら、出力1400WのIHクッキングヒータで180℃、6時間加熱し、シートの吸着した油の量を測定し、1m2当たりに換算してミスト捕集量とした。
日本工業規格の繊維製品の燃焼性試験方法(JIS L-1091)の45°ミクロバーナ法(A−1法)に基づき、実施例及び比較例について燃焼の広がりの程度(燃焼長さ及び燃焼面積)、残炎及び残じん時間を測定し、測定値から燃焼性の区分を算出した。ここで「燃焼面積」は、規定された試験条件において、燃焼又は熱分解によって破壊された部分の総面積、「燃焼長さ」は、燃焼又は熱分解によって破壊された部分の最大長さ、「残炎時間+残じん時間」は、加熱終了時から試験片の赤熱が停止するまでの時間をそれぞれ表す。
実施例及び比較例について、試料幅50mm、チャック間100mm、引張速度300m/minにてフォーステスター((株)エー・アンド・デイ 品番MCT-2150)により引張強度を測定した。
各実施例及び比較例の組成並びに試験結果を表1〜表4に示し以下考察する。表中の「繊維構成」の欄に示す繊度単位「t」は全て「dtex」を意味する。
表1、2及び4より、本発明による実施例1、2、5、6g、10及び11は、170cc/cm2/sec以上の優れた通気度を示し、エアフィルターに好適である。他方、低繊度(0.1dtex)の比較例4、高目付(900g/m2)の比較例7及びフラット二層構造の比較例9は、35cc/cm2/sec以下の低通気度の値を示し、フィルターには適さない。
表1より、実施例1及び2は、588mg以上の優れた保持容量値を示し、比較例1bは、140mgの低保持容量の値を示した。即ち、熱エンボスの比較例1bでは、従来技術(図15)に説明した通り、凹部に流れが集中するが、加熱圧縮されているため、早期に目詰まりが生じフィルターには適さない。これに対し、本発明のエアレイド不織布(10)は、表面が圧縮されていないため、全面及び全体積を利用して濾過するため、目詰まりが生じず高い保持容量値を示す。
表1、2及び4より、実施例8、9a及び9bが1.23g/枚以上の特に優れた粉塵保持量の値を示し、実施例1、2、3、7、11も0.61g/枚以上の良好な粉塵保持量の値を示した。前記本発明では、表面が毛羽立ち、凸部(2)の傾斜面(4a)には突毛繊維(5)が多く突出するため、粉塵を捕獲保持し易い。フラットの比較例1a、3及び9、熱エンボス及びプレスの比較例1b及び2、平坦な凸部上面と凹状傾斜面とを有する比較例1d、低繊度(0.1dtex)及び高繊度(72dtex)の比較例4及び5、並びに低目付(14.4g/m2)の比較例6fは、0.39g/枚以下の低粉塵保持量の値を示した。
表1、2及び4より、目付が800g/m2と大きい実施例7と、第1の層(11)に繊度11dtexの繊維を使用する実施例10とが、2154g/m2以上の特に優れた保油量の値を示した。実施例1、2、3、5、8、9b及び11も1016g/m2以上の良好な保油量の値を示した。前記実施例では、相当量の油を保持できるため、油吸収材又はオイルミストを捕捉する換気扇用フィルターとして好ましい。比較例1b、2、4及び6fは、488g/m2以下の低保油量の値を示し、換気扇用フィルターに使用する場合、保油力が無いため、一旦保持しても早期に油が落下するおそれがあり換気扇には不適である。
表1、2及び4より、実施例1、2、3、8、9a及び9bは、0.11g/枚以上の優れたミスト捕集量の値を示し、換気扇フィルターとして好ましい。熱エンボスの比較例1b及び熱プレスの比較例2は、製造時に表面及び内部が圧縮されているため、油を不織布表面から十分に導入及び吸収できず、また保持できないため、0.05g/枚以下の低ミスト捕集量の値を示した。
表1及び2より、実施例1、2、3及び6gは、燃焼長さが7.6cm以下、燃焼面積が10.9cm2以下、燃焼区分が3の何れも優れた燃焼性能の数値を示した。これは、凹部(1)の繊維本数が少ないため、炭化距離及び炭化面積が小さいと予想される。熱エンボスの比較例1b及び熱プレスの比較例2は、燃焼長さが26.5cm以上、燃焼面積が46m2以上、燃焼区分が1の何れも燃焼性能が低い数値を示した。繊維が密集し繊維間距離が短いためと考えられる。
以下、引張強度を乾燥(DRY)状態の不織布の縦方向(MD:Machine Direction)にて考察する。表3より、実施例6g〜6kは、1.05kgf/50mm以上の優れた引張強度の値を示し、実施例6a〜6fは、0.58kgf/50mm以下の低引張強度の値を示した。このため、高引張強度のエアレイド不織布の目付の下限値は、16.0g/m2(実施例6g)と考えられる。表1、2及び4より、実施例7は、50kgf/50mm以上の特に優れた引張強度値を示し、実施例1〜4、9a及び9bは、8.9kgf/50mm以上の良好な引張強度値を示した。比較例5、6f及び8は、0.9kgf/50mm以下のの低引張強度値を示した。比較例8はまた、短繊維及びパルプの脱落が多くフィルターに適さない。
前記試験結果及び考察より、実施例1及び2は、[6−1]〜[6−7]の全試験項目において、また、実施例3は、通気度を除き全試験項目において優れた値を示し、極めて高性能な濾過材料であることが判明した。実施例7、8、9a、9b及び11も、試験した全5項目中3項目で、優れた値を示したので、高性能の濾過材料であることが判明した。以上の実施例は、あらゆる用途の濾過材料として万能的に使用できると考える。実施例4は、引張強度が強く繊維が細いので、業務用(クリーンルーム等の空調設備用、防塵マスク用、集塵用又は掃除機用)フィルターに適し、実施例5及び10は、通気度及び保油量が高いため、油を多く使用する工場等の換気扇フィルターに適し、実施例6gは、通気度が高く、優れた燃焼性能を示すため、火を使う厨房、台所等の換気扇フィルターに適し、更に、実施例6g〜6kは、比較例6a〜6fに比べて高引張強度のため、高圧力又は高水圧条件下における業務用フィルターに適することが判明した。以上より、凸部(2)の傾斜面(4a)に突毛繊維(5)を備え特に第1の突毛繊維(5)を多数備えかつ頂部(4b)を有する本発明の全実施例1〜11は、優れた濾過特性を有することが判明した。実施例に従い、本発明のエアレイド不織布の各物性の好適な範囲を以下に示す。
[実施例B]
<ドライ状の対物ワイパーの評価>
ドライ状の対物ワイパーとして、下記のフローリングワイパーの試験方法に基づき、床拭き試験を行った。試験方法は、下記の実施例、比較例の不織布シートを200mm×300mmにカットし、フローリングワイパーとした。それを同じ品種の掃除具に別々に展張し、その後、床面に0.2gずつ散布したJIS試験用粉体4種と、JIS試験用粉体7種と、コットンリンター、及び10本ずつ散布した毛髪を、それぞれ拭き掃除し、掃除具を2往復させた前後の各物質の重量(毛髪においては本数)を測定し、削減率を測定した。試験は各3回実施し、平均値を算出した。尚、不織布シートの諸物性については表5に記載した。
吸着性シートとして、下記の試験方法に基づき、アンモニアガスの吸着試験を行った。まず、下記の実施例及び比較例として、エアレイド不織布のシートを製作した。次いで20Lのテドラー(R)バッグに9%のアンモニア水溶液を30μl滴下し、次いでこれを密閉して24時間放置し、アンモニアを気化させた。初期アンモニア濃度、及び実施例及び比較例のシートを各々、65mm×160mm×2枚ずつを、3Lのテドラー(R)バッグに封入し室温で24時間放置後のバッグから採取した気体中の残存アンモニア濃度を、ガス検知管を用いて測定した。以下の式から消臭率を求めた。試験は各3回実施し、平均値を算出した。
消臭率={1−(残存アンモニア濃度)/(初期アンモニア濃度)}×100(%)
不織布シートの諸物性については表6に記載した。
また、灰汁とりシートとして、下記の試験方法に基づき、試験を行った。直径20cm、深さ8.5cmのアルミ鍋に水500ccと、獣脂(牛)20g、赤身の牛肉180gとを入れ、更にこの上に表7に示す直径20cmの円形の灰汁とりシートを半円に断裁し実施例と比較例の2種類を同時に乗せた。この状態を1回目として、10分間煮込んだあと、調理シートを取り出し、風乾して灰汁固形分の付着量を計測後、下記の(1)式により算出した。次に2回目として、灰汁とりシートを交換して、1回目と同様に、10分間煮込んだあと、調理シートを取り出し、風乾して灰汁固形分の付着量を計測後、下記の(1)式により算出した。ここで、灰汁捕捉量W(g/m2)は、次式より算出した。
W=(W2−W1) ・・・・・ (1)
ここで、
W1:使用前の灰汁とりシートの重量(g)
W2:使用後の灰汁とりシートを風乾した重量(g)
尚、不織布シートの諸物性については表7に記載した。
図3〜4(但し、便宜上、凸部は球状)に示した形状となるよう、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の捕集ネットに、市販のトリコット編物(図1参照(但し、便宜上、開口部は球状)、開口部が楕円球状で長径が3.0mmで短径が2.5mmであり、開口部が千鳥状に配列され、その数が6.60個/cm2)を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人(株)製、品名TJ04V4、1.7dtex×3mm)が70重量%、粉砕パルプ(Weyerhaeuser社製、品名NB−405)を30重量%の比率で混合し、45g/m2となるようエアレイド法で、熱オーブンにより147℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凹部と凸部を片面に有し、凸部の高さが1.1mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。得られたシートを実測した結果、凹部と凸部の繊維密度の比が1:0.94であり、凹部と凸部の目付けの比が1:1.9であった。また、楕円球状である凸部の長径が3.0mmで短径が2.5mm、高さは1.1mmより計算した結果、凹部と凸部の表面積比は1:1.6、凹部と凸部の投影面積比が1:0.63であった。ここで、市販の生理用品の表面シートを剥がしてから、凸部を表面にしてこのシートに取替えて用いたところ、経血は素早く吸収でき、且つ逆戻りし難いものであった。しかも、肌のサラッとした感じは良好で、肌触りも良く、有用であった。
トリコット編物の開口部が楕円球状で長径が5.5mmで、短径が2.2mmであり、開口部が千鳥状に配列され、その数が4.41個/cm2であること以外は、条件を実施例B1と同一にして、凸部の高さが2.6mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。得られたシートを実測した結果、凹部と凸部の繊維密度の比が1:1.02であり、凹部と凸部の目付けの比が1:4.5であった。また、楕円球状である凸部の長径が5.5mmで短径が2.2mm、高さは2.6mmより計算した結果、凹部と凸部の表面積比は1:9.5、凹部と凸部の投影面積比が1:0.72であった。ここで、市販の生理用品の表面シートを剥がしてから、凸部を表面にしてこのシートに取替えて用いたところ、経血は素早く吸収でき、且つ逆戻りしにくいものであった。しかも、肌のサラッとした感じは良好で、肌触りも良く、有用であった。
エアレイド捕集ネットとして、トリコット編物を積層していない通常のネット(図2の繊維捕集ネット11のみ)を用い、その他の条件は実施例B1に同じとした。両面ともにフラットな、厚み0.8mmのシートが得られた。実施例B1と同様に市販の生理用品から表面シートを剥がして取り替えて用いたところ、経血の吸収が実施例B1及びB2に比べて遅く、凸部と凹部が無いので肌にまとわりつく感触があって、サラッとした感じは小さかった。
エアレイド捕集ネットとして、特許第5024833号公報に記載の「所定量の解繊された熱接着性繊維を主成分とする繊維を空気流に均一分散させながら搬送し、吐出部に設けた細孔から吹き出した該繊維を、下部に設置された金属又はプラスチックの繊維捕集ネットであって、該ネット上には、局部的に合成樹脂による突起を設けた繊維捕集ネット上に落とし、該ネット下部で空気をサクションしながら、上記繊維を該ネット上に堆積させ、必要に応じて、この操作を複数回繰り返したのち、更に熱接着性繊維の接着成分の融点よりも15〜40℃高い温度で加熱処理する」方法を用い、その他の条件は実施例B1に同じとした。片面の陥没部が楕円球状である、厚み1.0mmのシートが得られた。実施例B1と同様に市販の生理用品から表面シートを剥がして取り替えて用いたところ、実施例B1に比べて、陥没部に若干保水し、サラッとした感じは小さかった。これは、実施例B1が多数の凸部を有するのに比べて、比較例B2は多数の凹部を有するため、肌への接触面積が大きいためと思われる。
比較例B1と同じものを、後工程でエンボスロールと弾性ロールの組み合わせによるエンボス加工をして、凸凹のシートを得た。尚、エンボス形状は実施例B1と同一とした。実施例B1と同様に市販の生理用品から表面シートを剥がして取り替えて用いたところ、実施例B1に比べて、凹部が凸部に比べて密度が高いため、凹部にて若干保水し、サラッとした感じは小さかった。
実施例B1と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人(株)製、品名TJ04V4、1.7dtex×3mm)が70重量%、粉砕パルプ(Weyerhaeuser社製、品名NB−405)を30重量%の比率で混合し、30g/m2となるようエアレイド法で、熱オーブンにより147℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが1.0mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。ここで、上記に示す方法でフローリングワイパーとしての評価を実施した。結果は表1に示すが、比較例B4及び比較例B5に比べて凸面による掻き取り性の効果で各物質の削減率、即ち塵の除去率に優位性が見られた。
実施例B2と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。その他の条件は実施例B3に同じとした。凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが1.9mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。ここで、上記に示す方法でフローリングワイパーとしての評価を実施した。結果は表5に示すが、比較例B4及び比較例B5に比べて凸面による掻き取り性の効果で各物質の削減率、即ち塵の除去率に優位性が見られた。尚、実施例B3に比べても塵の除去率に優位性が見られたが、これは凹凸形状が実施例B3より大きいためと考えられる。
実施例B2と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人(株)製、品名TJ04C2、56dtex×5mm)が70重量%、粉砕パルプ(Weyerhaeuser社製、品名NB−405)を30重量%の比率で混合し、30g/m2となるようエアレイド法で、熱オーブンにより147℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが1.9mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。上記に示す方法でフローリングワイパーとしての評価を実施した。結果は表1に示すが、比較例B4及び比較例B5に比べて凸面による掻き取り性の効果で各物質の削減率、即ち塵の除去率に優位性が見られた。尚、実施例B4に比べると、繊維が太いため、コットンリンターと毛髪においてはても塵の除去率に優位性がみられたが、細かい塵であるJIS試験用粉体4種とJIS試験用粉体7種においては劣っていた。
エアレイド捕集ネットとして、トリコット編物を積層していない通常のネット(図2の繊維捕集ネット11のみ)を用い、その他の条件は実施例B3に同じとした。両面ともにフラットな、厚み0.7mmのシートが得られた。ここで、上記に示す方法でフローリングワイパーとしての評価を実施した。結果は表5に示すが、実施例B3〜B5に比べて各物質の削減率、つまり塵の除去率が劣るものであった。
比較例B4と同じものを、後工程でエンボスロールと弾性ロールの組み合わせによるエンボス加工をして凸凹のシートを得た。尚、エンボス形状は実施例B3と同一とした。ここで、上記に示す方法でフローリングワイパーとしての評価を実施した。結果は表5に示すが、比較例B4に比べて各物質の削減率は若干勝ったが、実施例B3〜B5に比べて各物質の削減率つまり塵の除去率が劣るものであった。
実施例B1と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、品名TJ04V4、1.7dtex×3mm)が50重量%、粉砕パルプ(Weyerhaeuser社製、品名NB−405)を50重量%の比率で混合し、60g/m2となるようエアレイド法で、熱オーブンにより147℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが1.2mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。ここで、上記に示す方法でアンモニアガスの吸着性能の評価を実施した。結果は表6に示すが、比較例B6及び比較例B7に比べてアンモニアガスの吸着性能に優位性が見られた。これは凸凹面による表面積の増大によるものと考える。
エアレイド捕集ネットとして、トリコット編物を積層していない通常のネット(図2の繊維捕集ネット11のみ)を用い、その他の条件は実施例B6に同じとした。両面ともにフラットな、厚み0.9mmのシートが得られた。ここで、上記に示す方法でアンモニアガスの吸着性能の評価を実施した。結果は表6に示すが、実施例B6に比べてアンモニアガスの吸着性能は劣るものであった。
比較例B6と同じものを、後工程でエンボスロールと弾性ロールの組み合わせによるエンボス加工をして凸凹のシートを得た。尚、エンボス形状は実施例B6と同一とした。ここで、上記に示す方法でアンモニアガスの吸着性能の評価を実施した。結果は表2に示すが、実施例B6に比べてアンモニアガスの吸着性能は劣るものであった。比較例B6に対してもアンモニアガスの吸着性能は劣るものであったが、エンボス加工により凹部の密度が高くなったことによるものと考える。
実施例B1と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。この上に、鞘PE(ポリエチレン)/芯PETからなる熱接着性複合繊維(帝人ファイバー(株)製、品名TJ04V4、1.7dtex×3mm)が100重量%で、40g/m2となるようエアレイド法で、熱オーブンにより147℃で加熱し繊維間結合を生じさせて、凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが1.0mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。ここで、上記に示す方法で灰汁とりシートとしての評価を実施した。結果は表7に示すが、比較例B8に比べて灰汁捕捉量の点で優位性が見られた。
実施例B2と同一の捕集ネット及びトリコット編物を用いて、両者を積層して一体化させたネットを用いた。その他の条件は実施例B7に同じとした。凹部と凸部を片面に有し、凸部の厚みが2.0mmである、片面に立体模様を有するエアレイド不織布シートを得た。ここで、上記に示す方法で灰汁とりシートとしての評価を実施した。結果は表7に示すが、比較例B8に比べて灰汁捕捉量の点で優位性が見られた。尚、実施例B7に比べても灰汁捕捉量の点で優位性が見られたが、これは凹凸形状が実施例B7より大きいためと考えられる。
エアレイド捕集ネットとして、トリコット編物を積層していない通常のネット(図2の繊維捕集ネット11のみ)を用い、その他の条件は実施例B7に同じとした。両面ともにフラットな、厚み0.8mmのシートが得られた。ここで、上記に示す方法で灰汁とりシートとしての評価を実施した。結果は表7に示すが、実施例B7及び実施例B8に比べて灰汁捕捉量の点で劣るものであった。
Claims (9)
- 熱接着性繊維から形成された短繊維を含むシート本体と、
シート本体の一方の主面に互いに隣接して交互に設けられた多数の谷面及び***面と、
谷面を有しシート本体を構成する凹部と、
***面を有し凹部と一体にシート本体を構成する凸部とを備え、
凹部と凸部との繊維密度比が1:0.8〜1.2であるエアレイド不織布において、
***面は、***面の中央と谷面との間に形成された傾斜面と、シート本体を構成する短繊維が傾斜面から外側に突出する突毛繊維とを有することを特徴とするエアレイド不織布。 - 傾斜面は、複数の突毛繊維と複数の突毛繊維間の空隙とにより濾過面を構成し、
突毛繊維は、傾斜面の垂線に対し谷面側に傾く第1の突毛繊維と、第1の突毛繊維より多数存在しかつ傾斜面の垂線に対し***面中央側に傾く第2の突毛繊維とを備え、
第2の突毛繊維は、傾斜面を流動する流体の抵抗体を構成し、流体を空隙からシート本体内部に導く請求項1に記載のエアレイド不織布。 - 傾斜面の縦断面形状は、直線状又は凸弧状である請求項1又は2に記載のエアレイド不織布。
- 各***面の略中央には、シート本体の一方の主面から垂直方向に最も高い頂部を備え、
頂部は、尖形状又は曲面形状の頂部であり、
尖形状の頂部は、傾斜面が集中する頂点を有し、
曲面形状の頂部は、傾斜面より小さい表面積を有する請求項3に記載のエアレイド不織布。 - シート本体の一方の主面に多数の谷面を連結した直線路を備え、
直線路は、少なくとも一端に開放端を有し、
直線路を構成する凹部の繊維密度は、0.02〜0.2である請求項1〜4の何れか1項に記載のエアレイド不織布。 - シート本体は、単糸繊度0.2〜60dtex及び繊維長2〜15mmの熱接着性繊維から形成された短繊維を30〜100重量%含む単一層である請求項1〜5の何れか1項に記載のエアレイド不織布。
- シート本体は、***面の一部又は全部を含みかつシート本体の一方の主面を形成する第1の層と、シート本体の一方の主面と反対側の第1の層の接合面上に積層された第2の層とを少なくとも備え、
第1の層及び第2の層の何れか一方は、単糸繊度1.5〜60dtex及び繊維長2〜15mmの熱接着性繊維から形成された短繊維を30〜100重量%含み、
第1の層及び第2の層の何れか他方は、単糸繊度0.2〜60dtex及び繊維長2〜15mmの熱接着性繊維から形成された短繊維を30〜100重量%含む請求項1〜5の何れか1項に記載のエアレイド不織布。 - 解繊された熱接着性繊維を空気流に分散させて噴出装置から放出する工程と、
放出された熱接着性繊維を、通気性を有しかつ多数のネット凹部及びネット凸部を有する単層又は二層以上の繊維捕集ネット上に、吸引力を加えながら堆積させる工程と、
堆積させた熱接着性繊維を加熱溶融して、互いに熱融着した短繊維を含むシート本体を形成する工程とを含み、
シート本体は、ネット凸部及びネット凹部にそれぞれ対応する形状の凹部及び凸部を含み、凹部と凸部との繊維密度比が1:0.8〜1.2であり、
凸部の***面は、***面の中央と谷面との間に形成された傾斜面と、シート本体を構成する短繊維が傾斜面から外側に突出する突毛繊維とを有することを特徴とするエアレイド不織布の製法。 - 吸引力を加えながら熱接着性繊維を堆積させる工程は、
ネット凸部と比較してネット凹部に強い吸引力が加えられる工程と、
傾斜面の垂線に対し谷面側に傾く第1の突毛繊維と、傾斜面の垂線に対し***面中央側に傾く第2の突毛繊維とを形成する工程とを含み、
ネット凹部に強い吸引力が加えられる工程は、第1の突毛繊維よりも多数の第2の突毛繊維を傾斜面に形成する工程を含む請求項8に記載のエアレイド不織布の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018185215A JP6585259B1 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | エアレイド不織布及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018185215A JP6585259B1 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | エアレイド不織布及びその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6585259B1 JP6585259B1 (ja) | 2019-10-02 |
JP2020056119A true JP2020056119A (ja) | 2020-04-09 |
Family
ID=68095367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018185215A Active JP6585259B1 (ja) | 2018-09-28 | 2018-09-28 | エアレイド不織布及びその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6585259B1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6880338B1 (ja) * | 2020-04-06 | 2021-06-02 | 三菱電機株式会社 | フィルタ、空気調和機およびフィルタの製造方法 |
Citations (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20020106478A1 (en) * | 2000-12-01 | 2002-08-08 | Taeko Hayase | Cleaning sheet |
JP2003061885A (ja) * | 2000-12-01 | 2003-03-04 | Kao Corp | 清掃用シート |
JP2009215682A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Kinsei Seishi Kk | 立体模様を有する不織布シート |
JP2009539660A (ja) * | 2006-06-14 | 2009-11-19 | マーケティング テクノロジー サービス, インコーポレイテッド | 一体化複合体における平坦面に結合した波様構造物及びその製造方法 |
JP2012162823A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Kinsei Seishi Kk | 凸状の立体模様を有する不織布シート |
JP2012197530A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Kinsei Seishi Kk | クッション性を有する不織布シート、およびその製造方法 |
JP2013057151A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Kao Corp | 不織布 |
US20130101805A1 (en) * | 2010-07-07 | 2013-04-25 | 3M Innovative Properties Company | Patterned air-laid nonwoven fibrous webs and methods of making and using same |
JP2013126455A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-27 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2014004328A (ja) * | 2012-05-28 | 2014-01-16 | Kao Corp | 清掃用シート及びその製造方法 |
-
2018
- 2018-09-28 JP JP2018185215A patent/JP6585259B1/ja active Active
Patent Citations (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20020106478A1 (en) * | 2000-12-01 | 2002-08-08 | Taeko Hayase | Cleaning sheet |
JP2003061885A (ja) * | 2000-12-01 | 2003-03-04 | Kao Corp | 清掃用シート |
JP2009539660A (ja) * | 2006-06-14 | 2009-11-19 | マーケティング テクノロジー サービス, インコーポレイテッド | 一体化複合体における平坦面に結合した波様構造物及びその製造方法 |
JP2009215682A (ja) * | 2008-03-12 | 2009-09-24 | Kinsei Seishi Kk | 立体模様を有する不織布シート |
US20130101805A1 (en) * | 2010-07-07 | 2013-04-25 | 3M Innovative Properties Company | Patterned air-laid nonwoven fibrous webs and methods of making and using same |
JP2013538297A (ja) * | 2010-07-07 | 2013-10-10 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | パターン付きエアレイド不織布繊維ウェブ、並びにこれらの製造及び使用方法 |
JP2012162823A (ja) * | 2011-02-07 | 2012-08-30 | Kinsei Seishi Kk | 凸状の立体模様を有する不織布シート |
JP2012197530A (ja) * | 2011-03-22 | 2012-10-18 | Kinsei Seishi Kk | クッション性を有する不織布シート、およびその製造方法 |
JP2013057151A (ja) * | 2011-09-09 | 2013-03-28 | Kao Corp | 不織布 |
JP2013126455A (ja) * | 2011-12-16 | 2013-06-27 | Kao Corp | 吸収性物品 |
JP2014004328A (ja) * | 2012-05-28 | 2014-01-16 | Kao Corp | 清掃用シート及びその製造方法 |
US20150327745A1 (en) * | 2012-05-28 | 2015-11-19 | Kao Corporation | Cleaning sheet and manufacturing method therefor |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6880338B1 (ja) * | 2020-04-06 | 2021-06-02 | 三菱電機株式会社 | フィルタ、空気調和機およびフィルタの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6585259B1 (ja) | 2019-10-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5154048B2 (ja) | 不織布 | |
JP3734407B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5069891B2 (ja) | 不織布 | |
JP5123511B2 (ja) | 不織布 | |
JP5328088B2 (ja) | 不織布 | |
JP5069890B2 (ja) | 不織布 | |
JP5123505B2 (ja) | 不織布 | |
JP3987684B2 (ja) | 吸収性物品 | |
JP5123512B2 (ja) | 不織布 | |
JP4894977B2 (ja) | 表面凹凸構造を有する不織布及びそれを用いた製品 | |
JP4979863B2 (ja) | 不織布と繊維ウェブの複合体シート、吸収体製品、および複合体シートの製造方法 | |
WO2014068492A1 (en) | Fluid-entangled laminate webs having hollow projections and a process and apparatus for making the same | |
WO2000020675A1 (en) | Differential basis weight nonwoven webs | |
JP6607609B2 (ja) | 極細繊維不織布 | |
SK4922001A3 (en) | Perforated bonded fiber fabric | |
JP6259365B2 (ja) | クッキングペーパーとその製造方法 | |
JP5024833B2 (ja) | 立体模様を有する不織布シート | |
JP2005509468A (ja) | パーソナルケア製品のカバーシート | |
JP6585259B1 (ja) | エアレイド不織布及びその製法 | |
US20060194498A1 (en) | Dry-process nonwoven pulp fabric composed of united layer structures | |
JP5067808B2 (ja) | 有孔不織布シートおよびその製造方法 | |
KR20230169896A (ko) | 3d 엠보싱을 갖는 셀룰로오스 부직포 라미네이트 | |
JP3450691B2 (ja) | 液吸放出性シート及びその製造方法 | |
JPH09324354A (ja) | 掃除用シート | |
JP2018172803A (ja) | 立体模様を有するエアレイド不織布シート、およびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181012 |
|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20181026 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190624 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190702 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190805 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190827 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6585259 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |