JP2020019510A - 巻きラベル及びラベル付きボトル状容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度保持性に優れた巻きラベル及びラベル付きボトル状容器を提供する。【解決手段】本発明の巻きラベルは、帯状のラベルであり、前記帯状のラベルを巻き回して始端部上に終端部を重ねて接着することで鉢巻き状となる巻きラベルであって、前記鉢巻き状となったときの前記巻きラベルの径方向外側から内側に向かって、表面層(C)及び基材層(A)をこの順に有し、前記表面層(C)及び前記基材層(A)のいずれもが、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムであり、前記巻きラベルの厚みが、50〜200μmである。【選択図】図2

Description

本発明は、巻きラベル及びラベル付きボトル状容器に関する。
商品、商品の容器等の物品には、商品の表示や説明等のため、紙製又は樹脂製のラベルが装着されることがある。なかでも、樹脂製のラベルは、樹脂、ガラス、金属等の物品の各種材料との密着性が高く、耐水性、耐久性等にも優れることから、利用性が高い。樹脂製のラベルの装着方法としては、装着する物品の外周に筒状のフィルムラベルを装填した後、熱収縮させて物品に密着させるシュリンク方式、筒状のフィルムラベルを引き伸ばして物品の外周に装着するストレッチ方式等がある(例えば、特許文献1〜3参照。)。
ラベルは、物品の外周を覆うため、商品の表示以外の機能を有することもある。例えば、遮光のために着色されたラベルが用いられることがある。また、飲料等のボトル状容器は加温されることがあるが、容器の材質が熱伝導性の高い材質であると、加温したときに容器自体が高温になり、容器を手で持つことが難しくなる。そこで、不織布や紫外線又は電子線硬化型樹脂被膜で被覆された発泡ポリスチレンシート等からなるラベルを、容器の手で持つ部分に装着することが提案されている(例えば、特許文献4及び5参照。)。
特開昭56−48941号公報 実開平2−37837号公報 特開平1−99935号公報 特開2004−198467号公報 特開2004−70077号公報
上記のように熱伝導性が高い材質のボトル状容器は、内部から外部へ熱が伝導しやすいため、内容物の温度が外部の温度によって変化しやすい。特に、飲料を収容するボトル状容器は、温度が高い時期には冷やし、温度が低い時期には温めることが多い。外気温との温度差が大きく、冷蔵庫や加温庫から取り出した後の飲料の温度が変化しやすいため、本発明者らは、ラベルによって飲料の温度を長時間保持できないか、検討を重ねていた。
本発明は、温度保持性に優れた巻きラベル及びラベル付きボトル状容器を提供することを目的とする。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、多孔質の熱可塑性樹脂フィルムの積層体の厚みを特定の厚みとした巻きラベルであれば、特定の被覆率となるようにボトル状容器の外周面に巻き回して鉢巻き状に装着したときに、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の1つの側面によれば、
(1)帯状のラベルであり、前記帯状のラベルを巻き回して始端部上に終端部を重ねて接着することで鉢巻き状となる巻きラベルであって、
前記鉢巻き状となったときの前記巻きラベルの径方向外側から内側に向かって、表面層(C)及び基材層(A)をこの順に有し、
前記表面層(C)及び前記基材層(A)のいずれもが、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムであり、
前記巻きラベルの厚みが、50〜200μmである、
巻きラベルが提供される。
(2)前記巻きラベルの空孔率が、10〜50%であることが好ましい。
(3)前記巻きラベルの全層の厚みに対する前記基材層(A)の厚みの割合が、30〜80%であることが好ましい。
(4)前記基材層(A)が、前記熱可塑性樹脂20〜100質量%と、無機微細粉末(D1)0〜80質量%及び有機フィラー(D2)0〜50質量%の少なくとも一方と、を含有することが好ましい。
(5)前記表面層(C)が、前記熱可塑性樹脂20〜100質量%と、無機微細粉末(D1)0〜80質量%及び有機フィラー(D2)0〜50質量%の少なくとも一方と、を含有することが好ましい。
(6)前記無機微細粉末(D1)及び前記有機フィラー(D2)の平均粒子径が、0.1〜20μmであることが好ましい。
また、本発明の他の側面によれば、
(7)外周面にラベルが装着されたラベル付きボトル状容器であって、
前記ラベルが、(1)〜(6)のいずれか一つに記載の巻きラベルをボトル状容器の外周面に沿って巻き回し、前記巻きラベルの始端部上に終端部を重ねて接着することで鉢巻き状に装着されたラベルであり、
前記ラベル付きボトル状容器の外周面に対する前記巻きラベルの被覆率が、50%以上である、
ラベル付きボトル状容器が提供される。
(8)前記ラベル付きボトル状容器が、飲料用容器であることが好ましい。
本発明によれば、温度保持性に優れた巻きラベル及びラベル付きボトル状容器を提供することができる。
本発明の一態様の巻きラベルを示す上面図である。 本発明の一態様の巻きラベルを示す断面図である。 本発明の一態様のラベル付きボトル状容器を示す斜視図である。
以下、本発明の巻きラベル及びラベル付きボトル状容器について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の一実施態様としての一例(代表例)であり、これらの内容に特定されるものではない。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」の記載は、アクリルとメタアクリルの両方を示す。
(巻きラベルの構造)
本発明の巻きラベルは、始端部と終端部を有する帯状のラベルである。本発明の巻きラベルは、始端部を起点として帯状のラベルを物品の外周面に沿って巻き回し、始端部上に終端部を重ねて接着することで、鉢巻き状のラベルとなる。
巻きラベルの始端部と終端部は、互いに重ね合わせて接着できるのりしろである。巻きラベルの全面積に対する始端部又は終端部の面積は、通常は3〜30%であり、接着を容易にする観点からは、5〜20%であることが好ましく、より好ましくは7〜15%である。のりしろとして必要な面積は、巻きラベルの形状、使用する接着剤の種類と量、装着する物品の形状、表面状態等によって異なるため、巻きラベルの全面積に対する始端部又は終端部の面積は接着条件等に応じて選択すればよい。
本発明の巻きラベルには、タブが設けられることが好ましい。物品に装着された巻きラベルのタブをつまみ、引っ張ることで、巻きラベルを引き裂くことができ、物品からの巻きラベルの剥離が容易になる。
タブは、巻きラベルのいずれの端部にも設けることができるが、引き裂きやすさの観点からは、始端部と終端部以外の端部、すなわち巻き方向と略直交する方向に位置する端部に設けられることが好ましい。本発明において略直交する方向とは、直交する方向から±20°の範囲内の方向を意味し、好ましくは±10°の範囲内の方向であり、より好ましくは±5°の範囲内の方向であり、さらに好ましくは±3°の範囲内の方向である。
タブの幅は、つかみやすさの観点からは、0.5cm以上であることが好ましく、0.7cm以上であることがより好ましい。引き裂きやすさの観点からは、タブの幅は、5cm以下が好ましく、より好ましくは3cm以下である。
剥離をより容易にする観点からは、巻きラベルのタブが設けられた一端側から対向する他端側へ、タブから延びるミシン目が設けられることが好ましい。ミシン目が伸びる方向が巻きラベルの巻き方向と略直交する方向であると、タブを引っ張ったときに巻きラベルを引き裂きやすくなり、好ましい。
図1は、本発明の一態様の巻きラベル1を示す。
図1に示すように、巻きラベル1は、長方形の帯状であり、長手方向の両端にそれぞれ始端部2と終端部3を有する。長手方向は、巻きラベル1の巻き方向xと同じである。巻きラベル1の形状は、始端部2と終端部3を重ねることができる帯状であれば長方形に限らず、台形、平行四辺形、扇形等の他の形状であってもよい。また、巻きラベル1の4隅は、直角でもよいし、円弧状でもよい。巻きラベル1のサイズは、装着する物品の外周面のサイズ、巻きラベル1により物品の外周面を被覆する被覆率等に応じて選択すればよい。
巻きラベル1の始端部2及び終端部3以外の端部、すなわち巻き方向xと略直交する方向yにおける端部には、2つの切り欠き5を設けることにより、タブ4が設けられている。例えば、間隔を1cm空けて2つの切り欠き5を設けることにより、幅1cmのタブ4を設けることができる。なお、タブ4の形成位置や形成方法はこれに限定されない。また、巻きラベル1には、切り欠き5が設けられた一端側から他端側へ向かう方向yに、2つの切り欠き5の先端から延びる2つのミシン目6が設けられている。
(巻きラベルの層構成)
本発明の巻きラベルは、基材層(A)及び表面層(C)を有する積層体である。表面層(C)及び基材層(A)は、本発明の巻きラベルが鉢巻き状のラベルとなったとき、この鉢巻き状のラベルの径方向外側から内側に向かって、表面層(C)、基材層(A)の順に位置する。
図2は、本発明の一態様である巻きラベル1の層構成を示す。
図2に示すように、巻きラベル1は、基材層A上に表面層Cが設けられている。
基材層(A)及び表面層(C)は、いずれも多孔質の熱可塑性樹脂フィルムである。また、本発明の巻きラベルの厚みは、50〜200μmである。このように、断熱性が高い空気を多く内包できる多孔質の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、さらに積層体を特定の厚みとすることにより、断熱効果が高い巻きラベルを得ることができる。この巻きラベルを物品の外周面に巻き回して鉢巻き状のラベルとして物品に装着すれば、物品とラベル間に適度な空隙が生じ、ラベルだけでなくこの空隙による断熱性によって、物品と外部間の熱伝導を減らすことができる。したがって、本発明の巻きラベルによれば、物品の温度変化を効果的に抑えることができる。特に、物品が、加温又は冷却されることが多い飲料用のボトル状容器である場合、本発明の巻きラベルを装着することにより、加温後又は冷却後の飲料の温度を保持することができ、有用性が高い。さらに、巻きラベルによる被覆率を特定の被覆率とすることにより、長時間温度を保持することが可能となる。
巻きラベルの厚みは、上述のように50μm以上であると優れた温度保持性が得られ、200μm以下であるとラベルのコシが抑えられて、巻き回しが容易になるとともに巻き回した後の鉢巻き状の形状の維持が容易になる。200μmよりも厚くしたときの温度保持効果は、200μm以下の温度保持効果と同程度であるため、200μm以下の厚みとすることで高い温度保持効果を得ながら生産コストも減らすことができる。巻きラベルの厚みは、温度保持性を高める観点からは60μm以上が好ましい。一方で、巻きラベルの厚みは、巻き回しと鉢巻き状の形状維持の容易性の観点からは130μm以下が好ましく、95μm以下がより好ましい。よって、巻きラベルの厚みは、60〜130μmが好ましく、60〜95μmがより好ましい。
(熱可塑性樹脂)
基材層(A)及び表面層(C)に使用できる熱可塑性樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等の結晶性ポリエチレン系樹脂、結晶性ポリプロピレン系樹脂、ポリメチル−1−ペンテン等の結晶性ポリオレフィン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,10、ナイロン−6,12等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート、脂肪族ポリエステル等の熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アタクティックポリスチレン、シンジオタクティックポリスチレン、ポリフェニレンスルフィド等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは2種以上混合して用いることもできる。
これらのなかでも、耐薬品性や生産コスト等の観点から、結晶性ポリオレフィン系樹脂が好ましく、結晶性ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。結晶性ポリオレフィン系樹脂は、示差走査熱量計(DSC: Differential Scanning Calorimeter)により融点が観測されるポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂が結晶性を示すことにより、延伸により熱可塑性樹脂フィルム表面に空孔(開口)が十分に形成されやすくなる。X線回折法による結晶性ポリオレフィン系樹脂の結晶化度は、通常20%以上が好ましく、35〜75%がより好ましい。結晶化度はX線回折法の他、赤外線スペクトル分析等によって測定することができる。
結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンを単独重合させたアイソタクティック重合体又はシンジオタクティック重合体を用いることが好ましい。また、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンとプロピレンとを共重合させた、様々な立体規則性を有するプロピレンを主成分とする共重合体を使用することもできる。共重合体は、2元系でも3元系以上の多元系でもよく、またランダム共重合体でもブロック共重合体でもよい。
(無機微細粉末(D1)及び有機フィラー(D2))
基材層(A)及び表面層(C)は、内部の空孔を増やして断熱性を高める観点から、無機微細粉末(D1)と有機フィラー(D2)の少なくとも一方を含有することが好ましい。
基材層(A)及び表面層(C)に使用できる無機微細粉末(D1)としては、例えば重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、焼成クレー、タルク、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、珪藻土、酸化珪素等の無機微細粉末、無機微細粉末の核の周囲にアルミニウム酸化物又は水酸化物を有する複合無機微細粉末、中空ガラスビーズ等を例示することができる。なかでも、重質炭酸カルシウム、焼成クレー又は珪藻土は、安価で延伸によって多くの空孔を形成できるため、好ましい。
基材層(A)及び表面層(C)に使用できる有機フィラー(D2)としては、上記熱可塑性樹脂よりも融点又はガラス転移点が高く、上記熱可塑性樹脂と非相溶性の樹脂が、空孔形成の観点から好ましい。有機フィラー(D2)の具体例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体、メラミン樹脂、ポリエチレンサルファイト、ポリイミド、ポリエチルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、環状オレフィンの単独重合体、環状オレフィンとエチレン等との共重合体(COC)等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂として結晶性ポリオレフィン系樹脂を使用する場合には、有機フィラー(D2)として、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、環状オレフィンの単独重合体及び環状オレフィンとエチレン等の共重合体(COC)を用いることが好ましい。
基材層(A)又は表面層(C)に使用する無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)は、上記の中から1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上を組み合わせて使用する場合には、無機微細粉末(D1)と有機フィラー(D2)の組み合わせであってもよい。得られる巻きラベルの白色度や不透明度、強度向上の観点から、無機微細粉末(D1)の方がより好ましい。
基材層(A)及び表面層(C)のいずれにおいても、無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)の平均粒子径は、0.1μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であれば、熱可塑性樹脂との混合及び延伸による空孔形成が容易になり、目的のサイズ及び数の空孔を有する多孔質の熱可塑性樹脂フィルムが得られやすい傾向がある。また、無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)の平均粒子径は、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。平均粒子径が20μm以下であれば、延伸性が良好で延伸時のフィルムの裂け又は穴あきが抑えられやすい傾向がある。よって、基材層(A)又は表面層(C)中の無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)の平均粒子径は、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.5〜15μmである。
無機微細粉末(D1)の平均粒子径は、粒子計測装置、例えばレーザー回折式粒子計測装置(株式会社日機装製、商品名:マイクロトラック)により累積で50%にあたる粒子径(累積50%粒子径)を測定することにより求めることができる。
また、有機フィラー(D2)の平均粒子径は、溶融混練と分散により熱可塑性樹脂中に分散した平均分散粒子径として求めることができる。具体的には、電子顕微鏡観察により巻きラベルの断面を観察し、巻きラベル中の少なくとも10個の有機フィラーの粒子径を測定して、その粒子径の平均値を平均粒子径として求めることができる。
(空孔率)
巻きラベルの空孔率は、10%以上が好ましい。空孔率が10%以上であると空気を保持する空孔の数が増え、温度保持性が向上しやすい。一方、巻きラベルの空孔率は、50%以下が好ましい。空孔率が50%以下であるとラベルの耐久性が向上しやすく、ラベルを装着した物品の移送時の擦過等による破損を抑えやすい。
よって、巻きラベルの空孔率は、10〜50%が好ましい。
基材層(A)の空孔率は、温度保持性の向上の観点から10%以上が好ましく、ラベルの耐久性の観点から50%以下が好ましい。よって、基材層(A)の空孔率は、10〜50%が好ましい。
表面層(C)の空孔率は、5%以上が好ましい。空孔率が5%以上であると、表面層(C)に印刷されたインクの吸収性又はトナーの定着性が十分に得られやすく、印刷性が向上しやすい。また、表面層(C)の空孔率は、35%以下が好ましい。空孔率が35%以下であるとラベルの耐久性が向上しやすく、ラベルを装着した物品の移送時の擦過等による破損を抑えやすい。よって、表面層(C)の空孔率は、5〜35%が好ましい。
巻きラベルの空孔率は、無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)の平均粒子径、無機微細粉末(D1)又は有機フィラー(D2)を含有する熱可塑性樹脂フィルムの組成、例えばポリプロピレン樹脂とポリエチレン樹脂との比率、延伸温度、延伸倍率等の延伸条件によって調整することができる。
上記空孔率(%)は、電子顕微鏡で観察したフィルムの断面の一定領域において、空孔が占める面積の比率より求めることができる。具体的には、測定対象のフィルムの任意の一部を切り取り、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて測定対象のフィルムの面方向に垂直に切断し、その切断面が観察面となるように観察試料台に貼り付ける。観察面に金又は金−パラジウム等を蒸着し、電子顕微鏡にて観察しやすい任意の倍率(例えば、500倍〜3000倍の拡大倍率)においてフィルムの空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込む。得られた画像データに対して画像解析装置にて画像処理を行い、フィルムの一定領域における空孔部分の面積率(%)を求めて、空孔率(%)とする。巻きラベルの空孔率を求める場合は、巻きラベルの厚さ方向全体において任意の10箇所以上の観察における測定値を平均して、空孔率とすることができる。基材層(A)及び表面層(C)の各層の空孔率を求める場合は、各層の厚さ方向の範囲内で任意の10か所以上の測定値を平均して、空孔率とすればよい。
(配合量)
基材層(A)又は表面層(C)中の熱可塑性樹脂の含有量は、機械的強度の向上の観点から、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、40質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。また、基材層(A)又は表面層(C)中の熱可塑性樹脂の含有量は、空孔の形成性の観点から、80質量%以下が好ましく、70質量%がより好ましい。よって、基材層(A)又は表面層(C)中の熱可塑性樹脂の含有量は、20〜100質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜80質量%、さらに好ましくは40〜70質量%である。
基材層(A)又は表面層(C)中の無機微細粉末(D1)の含有量は、空孔形成の観点からは、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上がより好ましい。また、基材層(A)又は表面層(C)中の無機微細粉末(D1)の含有量は、フィルムの膜厚の均一化の観点から、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下がより好ましく、60質量%以下がさらに好ましく、0質量%であってもよい。よって、基材層(A)又は表面層(C)中の無機微細粉末(D1)の含有量は、0〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
基材層(A)又は表面層(C)中の有機フィラー(D2)の含有量は、空孔形成の観点からは、0質量%より大きいことが好ましい。また、基材層(A)又は表面層(C)中の有機フィラー(D2)の含有量は、フィルムの膜厚の均一化の観点から、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、0質量%であってもよい。よって、基材層(A)又は表面層(C)中の有機フィラー(D2)の含有量は、0〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは0〜40質量%、さらに好ましくは0〜30質量%である。
したがって、フィルムの機械的強度、空孔の形成及び膜厚の均一化の観点から、基材層(A)又は表面層(C)は、熱可塑性樹脂20〜100質量%と、無機微細粉末(D1)0〜80質量%及び有機フィラー(D2)0〜50質量%の少なくとも一方と、を含有することが好ましい。
なお、無機微細粉末(D1)と有機フィラー(D2)を両方含有する場合、基材層(A)又は表面層(C)における両方の合計含有量は10〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%である。
基材層(A)又は表面層(C)は、温度保持性を損なわない範囲で必要に応じて、熱安定剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、核剤、滑剤、着色剤等の添加剤を含有してもよい。基材層(A)又は表面層(C)中の添加剤の含有量は、通常5質量%以下であり、3質量%以下が好ましい。
(厚み)
上述のように、本発明の巻きラベルの全層の厚みは、50〜200μmであり、好ましくは60〜95μmである。
本発明の巻きラベルの全層の厚みに対する基材層(A)の厚みの割合は、30〜80%であることが好ましい。厚みの割合が30%以上であると、巻きラベルの十分なコシが得られやすく、ボトル状容器等の物品に巻き回すときの作業性が向上しやすい。また、厚みの割合が80%以下であると、表面層(C)より空孔率が高い基材層(A)が裂けたときにその裂けが表面層(C)に伝搬しにくく、巻きラベルの強度が向上しやすい。
基材層(A)の厚みは、30μm以上が好ましく、40μm以上がより好ましい。厚みが30μm以上であると、巻きラベルの十分なコシが得られやすく、ボトル状容器等の物品に巻き回すときの作業性が向上しやすい。また、基材層(A)の厚みは、120μm以下が好ましく、90μm以下がより好ましい。厚みが120μm以下であると、表面層(C)より空孔率が高い基材層(A)が裂けたときにその裂けが表面層(C)に伝搬しにくく、ラベルの強度が向上しやすい。よって、基材層(A)の厚みは、30〜120μmが好ましく、40〜90μmがより好ましい。
表面層(C)の厚みは、15μm以上が好ましく、24μm以上がより好ましい。厚みが15μm以上であると、表面の平滑性が高く、印刷性、特にグラビア印刷に対する印刷適性が向上しやすい。また、表面層(C)の厚みは、62μm以下が好ましく、57μm以下がより好ましい。厚みが62μm以下であると、表面強度が保ちやすく、またコシのあるラベルが得やすい。よって、表面層(C)の厚みは、15〜62μmが好ましく、24〜57μmがより好ましい。
(巻きラベルの製造方法)
本発明の巻きラベルは、公知の方法によって製造することができる。例えば、本発明の巻きラベルは、基材層(A)及び表面層(C)のフィルムをそれぞれ形成した後、積層してもよい。フィルムの成形方法としては、スクリュー型押出機に接続されたTダイ、Iダイ等により、熱可塑性樹脂、無機微細粉末(D1)、有機フィラー(D2)等を含む樹脂組成物を溶融してシート状に押し出すキャスト成形、カレンダー成形、圧延成形、インフレーション成形等が挙げられる。また、フィードブロック、マルチマニホールドを使用した多層ダイス方式、複数のダイスを使用する押出しラミネーション方式等の通常の手法を使用して、基材層(A)と表面層(C)のフィルム成形と積層を並行して行うこともできる。
多孔質の熱可塑性樹脂フィルムの形成方法としては特に制限はなく、無機微細粉末(D1)、有機フィラー(D2)等を含む熱可塑性樹脂フィルムを延伸することにより形成することもできるし、発泡剤や溶媒等を用いて発泡させる等の他の公知の手法により形成することもできる。製造が容易で空孔を形成及び維持しやすい点からは、延伸によって多孔質の熱可塑性樹脂フィルムを形成することが好ましい。
基材層(A)及び表面層(C)は、無延伸フィルムであってもよいし、1軸方向又は2軸方向に延伸された延伸フィルムであってもよい。空孔の形成性及び機械的強度の向上の観点からは、基材層(A)及び表面層(C)は、延伸フィルムであることが好ましい。
例えば、基材層(A)上に表面層(C)を積層し、各層に使用される熱可塑性樹脂の融点より低い温度で1軸方向又は2軸方向に延伸することにより、全層を1軸方向又は2軸方向に延伸した延伸フィルムを得ることができる。また、1軸方向に延伸した基材層(A)に、表面層(C)を積層し、基材層(A)と異なる軸方向に1軸延伸することにより、1軸/2軸の延伸フィルムを得ることもできる。基材層(A)と表面層(C)を個別に延伸して積層してもよいが、各層を積層した後にまとめて延伸する方が簡便で生産コストを下げることができ、好ましい。
使用できる延伸方法としては、例えばロール群の周速差を利用したロール間延伸、テンターオーブンを利用したクリップ延伸等が挙げられる。ロール間延伸によれば、延伸倍率を任意に調整して、目的の剛性、不透明度、平滑度、光沢度等が得られやすく、好ましい。
延伸温度は、通常、樹脂の融点より5〜60℃低い温度である。2種以上の樹脂を用いる場合、延伸温度は、配合量の最も多い樹脂の融点より通常5℃以上低い温度であることが好ましい。
延伸倍率は特に限定されるものではなく、本発明の巻きラベルの使用目的と、用いる樹脂の特性を考慮して決定する。ロール間延伸の場合、延伸倍率は、通常2〜11倍が好ましく、3〜10倍であることがより好ましく、4〜7倍であることがさらに好ましい。テンターオーブンを利用したクリップ延伸の場合、延伸倍率は、4〜11倍が好ましい。
フィルムの流れ方向(MD)と流れ方向に直交する幅方向(TD)の各延伸倍率の積である面積倍率としては、通常は2〜80倍であり、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50倍である。面積倍率が2倍以上であると、延伸ムラを防いでフィルムの膜厚の均一化が容易になる傾向がある。また、面積倍率が80倍以下であると、延伸切れ又は粗大な穴あきが抑えられる傾向がある。
延伸後のフィルムは、熱処理(アニーリング)されることが好ましい。熱処理の温度は、延伸温度より30℃高い温度を選択することが好ましい。熱処理により、延伸による潜在応力が緩和して延伸方向の熱収縮率が低減し、製品保管時の巻き締まり、熱による収縮で生じる波打ち等が減りやすい。熱処理の方法は、ロール又はオーブンで加熱する方法が一般的であり、これらを組み合わせてもよい。延伸したフィルムにテンションを加えた状態で熱処理すると、熱処理の効果が向上しやすく、好ましい。
印刷性の向上の観点からは、熱処理後に巻きラベルの表面にコロナ放電処理やプラズマ処理等の表面処理を施すことが好ましい。
本発明の巻きラベルは、両面に印刷することができる。例えば、巻きラベルを鉢巻き状に巻き回したときに、径方向外側に向く表面にはラベルの商品名、商品の使用方法等の各種情報を印刷することができ、径方向内側に向く表面にはくじ、クーポン、応募券等として利用できる情報を印刷することができる。径方向内側に向く表面の印刷内容は、透明な物品に巻きラベルを装着した場合は物品を通して視認することができるし、不透明な物品に装着した場合は剥離時に初めて視認することができ、くじ等の場合には有効である。印刷方法は特に制限されず、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷等、通常用いられている方法を採用することができる。
(巻きラベルの物品への装着)
本発明の巻きラベルは、始端部を起点として物品の外周面に沿って巻き回し、始端部上に終端部を重ねて接着剤で接着することにより、物品に鉢巻き状に装着することができる。このように、接着剤を使用するグルー方式は、接着剤の塗工と貼り合わせの処理のみで大きな製造設備を必要とせず、処理速度も高速化できるため、生産コストを減らすことができる。また、接着剤の種類や、エマルジョン系の接着剤の場合は相転移温度を適宜選択することにより、種々の材質の物品に巻きラベルを装着することができる。
本発明の巻きラベルを装着可能な物品の材料としては、例えばアルミニウム、ステンレス等の金属;ガラス;陶磁器;ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック等を挙げることができる。なかでも、巻き付けたときの密着性の観点からは、金属、ガラス、陶磁器、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はポリスチレンが適しているが、とりわけPETボトル等のポリエステルが適している。
本発明の巻きラベルを装着する物品は、巻きラベルを巻き回して鉢巻き状とすることが可能であれば、物品の形状は特に制限されない。例えば、物品の巻きラベルを巻き付ける部分の断面が円、楕円、矩形等のいずれの形状であってもよい。巻き回しの容易性の観点からは、巻き付ける部分の断面形状は、好ましくは円又は楕円であり、より好ましくは円である。また、本発明の巻きラベルを装着する物品は、中空部を有する筒状、ボトル状等の物品であってもよいし、中空部を有しない物品であってもよい。物品の巻きラベルを巻き付ける部分の径が、当該部分に隣接する部分よりも小さくてもよいし、同じであってもよい。物品の巻きラベルを巻き回す部分の径がその隣接部分よりも径が小さい場合、つまり物品の外周面に設けられた凹部に巻きラベルが巻き回されると、擦れ等による巻きラベルの剥がれが抑えられやすく、好ましい。
本発明の巻きラベルを装着する物品の用途についても特に限定されず、例えば容器、配管、広告用物品、バトン、ポール、照明具等が挙げられる。なかでも、巻きラベルを装着する物品としては容器が適しており、容器のなかでも飲料用容器が適している。飲料用容器としては、例えば水(ミネラルウォーター)、清涼飲料水、炭酸飲料、ジュース、乳飲料、乳酸飲料、ビール、ワイン、日本酒、各種蒸留酒、栄養ドリンク、調味料、医療用薬品、化粧品、化学薬品等の容器が挙げられる。
(接着剤)
巻きラベルの始端部と終端部の接着方法については特に限定されず、始端部及び終端部の一方又は両方にあらかじめ接着剤を塗工しておいて巻き回した後に貼り合わせてもよいし、巻き回した後に始端部と終端部の間に接着剤を挿入して貼り合わせてもよい。あらかじめ接着剤を塗工する方が、作業が容易であり、好ましい。
巻きラベルの始端部と終端部の接着に使用する接着剤の種類としては特に制限はなく、水性形接着剤、感圧形接着剤、ホットメルト形接着剤等から適宜選択して使用することができる。なかでもホットメルト形接着剤が好ましい。ホットメルト形接着剤としては、例えばEVA樹脂系ホットメルト形接着剤、合成ゴム系ホットメルト形接着剤、ポリオレフィン系ホットメルト形接着剤、ポリアミド系ホットメルト形接着剤、飽和ポリエステル系ホットメルト形接着剤、ポリウレタン樹脂系ホットメルト形接着剤等を使用することができる。本発明の巻きラベルの接着には合成ゴム系ホットメルト形接着剤を使用することが好ましい。始端部に塗工する接着剤と終端部に塗工する接着剤の種類及び量は、同一であっても異なっていてもよい。
本発明の巻きラベルの剥離力又は接着力は、接着剤の種類を選択することによって調整できるし、接着剤の塗工パターンによって調整することもできる。始端部における接着剤の塗工パターンとしては、例えば網点状、格子状、縞模様、市松模様等の接着部と非接着部が混在するパターンが挙げられる。接着部と非接着部が混在するパターンの接着部/非接着部の面積割合を変化させることで、接着力の調整が容易になる。また、終端部における接着剤の塗工パターンは、巻き付け方向に略直交する方向に長い帯状のパターンであることが好ましい。
始端部又は終端部のうち、接着剤を塗工する面積の割合は、通常10%以上であり、好ましくは30〜90%、さらに好ましくは50〜80%である。塗工面積の割合が10%以上であれば、容器等の物品と巻きラベルとの間に高い密着性を付与しやすい傾向がある。塗工面積の割合が、100%であれば十分な接着力が得られ、90%以下であれば、ラベルと物品との間に隙間が形成されやすく、接着剤の乾燥時間が短くなりやすい傾向があり、剥離強度及び接着剤の残量の調整も容易である。
(ラベル付きボトル状容器)
本発明のラベル付きボトル状容器は、外周面に上述した本発明の巻きラベルが装着された容器である。すなわち、本発明のラベル付きボトル状容器には、本発明の巻きラベルをボトル状容器の外周面に沿って巻き回し、巻きラベルの始端部上に終端部を重ねて接着することで、鉢巻き状のラベルが装着されている。
本発明のラベル付きのボトル状容器の外周面に対する巻きラベルの被覆率は、50%以上である。
多孔質の熱可塑性樹脂フィルムの積層体であり、厚みが50〜200μmの巻きラベルを使用して、50%以上の被覆率でボトル状容器の外周面を被覆することにより、ボトル状容器の内部と外部の間の熱伝導を効果的に抑えることができる。これにより、ボトル状容器の内容物の温度変化が長時間抑えられ、温度保持性に優れたラベル付きボトル状容器を得ることができる。特に、ラベル付きボトル状容器が飲料用容器である場合は、加温した又は冷却した飲料の温度を長く保持することができる。
巻きラベルの被覆率が高いほど、温度を長く保持しやすくなる。被覆率は100%であってもよいが、被覆率が67%以下の場合と67%を超えた場合とで温度保持性が同程度であるため、ラベルの巻き回しの作業性及びコストの観点から、被覆率は67%以下が好ましい。
上記巻きラベルの被覆率(%)は、巻きラベルが装着されるボトル状容器の側面の面積に対する、巻きラベルの面積の割合として求められる。例えば、ボトル状容器の胴部が円柱体である場合は、ボトル状容器の胴部の直径と、ボトル状容器の底部からキャップの下部までの高さと、から円柱体の側面の面積を求め、この側面の面積に対する巻きラベルの面積の割合を被覆率として求める。胴部の径が高さによって異なる場合は、胴部のうちの最大径を直径とする円柱体とみなして、側面の面積を求める。また、ボトル状容器の胴部が角柱体である場合は、ボトル状容器の胴部の各側面の辺の長さと、ボトル状容器の底部からキャップの下部までの高さと、から側面の面積を求め、求めた側面の面積に対する巻きラベルの面積の割合を被覆率として求める。胴部の辺の長さが高さによって異なる場合は、胴部の各側面における最大の長さの辺を有する角柱体とみなして、側面の面積を求める。
図3は、本発明の一態様のラベル付きボトル状容器の一例を示す。
図3に示すように、ラベル付きボトル状容器10は、ボトル状容器20の円筒状の胴部21の外周面に、図1に示す巻きラベル1が装着されている。巻きラベル1は、始端部2を起点として、ボトル状容器20の外周面に沿って周方向に巻き回された後、始端部2の上に終端部3が重ねられて接着されている。胴部21の外周面には、胴部21よりも径が小さい凹部22が設けられ、この凹部22の外周面に巻きラベル1が巻き回されている。巻きラベル1に設けられたタブ4をつまみ、ミシン目6に沿って矢印の方向へ引っ張ることにより、ボトル状容器20から巻きラベル1を容易に剥離することができる。
ボトル状容器20を円柱体とみなし、円筒状の胴部21の直径をd1、胴部21の底面からキャップ30の下部までの高さをd2とすると、ラベル付きボトル状容器10の側面の面積は、π×d1×d2と表すことができる。この側面の面積に対して側面を被覆する巻きラベル1の面積の割合が、巻きラベル1の被覆率(%)である。
以下に、製造例、実施例、比較例及び試験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。製造例及び実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は本発明を逸脱しない限り適宜変更できる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
(熱可塑性樹脂フィルムの製造)
表1に記載の配合物(a)を250℃に設定された押出機で溶融混練して、押出成形し、冷却装置にて70℃まで冷却して単層の無延伸フィルムを得た。この無延伸フィルムを140℃に加熱した後、縦方向にロール間で5倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムを得た。配合物(b)及び(c)を250℃に設定された押出機で各々溶融混練して、縦1軸延伸フィルムの両面にそれぞれ積層した。得られた積層フィルムを155℃に加熱後、テンター延伸機を用いて横方向に8倍延伸し、165℃で熱処理を行った。この積層フィルムの両面に、放電処理機(春日電機(株)製)を用いて40W/m・分のコロナ処理を行って、表面層(C1)/基材層(A)/表面層(C2)からなる3層延伸フィルム(各層厚み:15/30/15μm、総厚み:60μm、基材層(A)の厚みの割合:50%、各層延伸軸数:1軸/2軸/1軸)である熱可塑性樹脂フィルムを得た。
(巻きラベルの製造と容器への装着)
得られた熱可塑性樹脂フィルムから、横225mm×縦90mの巻きラベルを切り出した。この巻きラベルに、図1に示すタブ4と同様にしてタブを設けた。
次いで、ラベリングマシンLNS型(光洋自動機(株)製)を使用して、350ml用のPETボトル(直径67mmの円筒状のPET製ボトル)の胴部に、接着剤を使用して巻きラベルの始端部を貼り合わせた。次いで、巻きラベルの始端部を起点として巻きラベルを胴部の外周面に鉢巻き状に巻き付け、始端部と重なる巻きラベルの終端部の幅20mmの重なり部分に接着剤を塗工して、始端部上に終端部を接着し、ラベル付きボトルを得た。容器であるPETボトルと巻きラベルの始端部との貼合部分における接着剤の塗工面積は横10mm×縦90mmとし、鉢巻状に巻き付けた後の終端部における接着剤の塗工面積も横10mm×縦90mmとした。ラベル付きボトルにおける巻きラベルの被覆率は、67%であった。
[実施例2〜7]
配合物(a)〜(c)の配合割合、各層の厚み及び被覆率等を表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に熱可塑性樹脂フィルムを製造し、これを用いて巻きラベルの製造と容器への装着を行った。
[比較例1]
実施例1と同じPETボトルに、ラベルを装着せず後述する評価を行った。
[比較例2]
熱可塑性樹脂フィルムとして、フタムラ化学(株)製のポリプロピレンフィルム「FOS#50」(厚さ50μm)を使用した以外は、実施例1と同様に巻きラベルの製造と容器への装着を行った。
<空孔率の測定>
実施例1〜7にて得られた熱可塑性樹脂フィルムと比較例2で使用した熱可塑性樹脂フィルムの一部を切り取り、エポキシ樹脂で包埋して固化させた後、ミクロトームを用いて測定対象のフィルムの面方向に垂直に切断し、その切断面が観察面となるように観察試料台に貼り付けた。観察面に金を蒸着し、電子顕微鏡にて拡大倍率500倍で各フィルムの空孔を観察し、観察した領域を画像データとして取り込んだ。得られた画像データに対してニレコ(株)製の画像解析装置(型式 ルーゼックスIID)にて画像処理を行い、フィルムの一定領域(縦は測定する熱可塑性樹脂フィルムの厚さ、横は190μmの矩形領域)における空孔部分の面積率(%)を求めた。
上述の測定を熱可塑性樹脂フィルムの厚さ方向において任意の10箇所について行い、その測定値を平均して、熱可塑性樹脂フィルムの空孔率(%)とした。
<温度保持性評価1>
(水温の変化の測定)
20℃に温調された室内で、実施例及び比較例にて得られたラベル付きボトルに60℃の温水を充填し、30分後のボトル内の水温を計測した。比較例1のボトル内の水温を基準とし、各実施例及び比較例にて得られたラベル付きボトル内の水温を相対比較した。結果を表1に示す。
(ラベル表面温度の測定)
20℃に温調された室内で、各実施例及び比較例にて得られたラベル付きボトルに60℃の温水を充填し、水温が55℃まで低下した時のラベル表面温度を、サーモグラフィカメラ(FLIR製「CPA−E50」)で測定した。結果を表1に示す。
Figure 2020019510
下記原料は、表1に記載の原料の詳細である。
<原料>
・ノバテックPP FY4(商品名):日本ポリプロ(株)製、ポリプロピレン単独重合体、メルトフローレート(MFR)5g/10min(230℃、2.16kg荷重)、融点164℃(DSCピーク温度)
・ノバテックHD HJ360(商品名):日本ポリプロ(株)製、エチレン単独重合体(高密度ポリエチレン)、MFR 5.5g/10min(230℃、2.16kg荷重)、融点132℃(DSCピーク温度)
・ソフトン1800(商品名):備北粉化工業(株)製、重質炭酸カルシウム、空気透過法により測定された平均粒子径が1.25μmの乾式粉砕された炭酸カルシウム
[実施例8,9及び参考例1]
配合物(a)〜(c)の配合割合、各層の厚み及び被覆率等を表2に記載のように変更した以外は、実施例1と同様に熱可塑性樹脂フィルムを製造し、これを用いて巻きラベルの製造と容器への装着を行った。
[比較例3]
実施例1と同じPETボトルに、ラベルを装着せず後述する評価を行った。
<温度保持性評価2>
20℃に温調された室内で、実施例及び比較例にて得られたラベル付きボトルに60℃の温水を充填し、内容物の温度が55℃に低下した時点から、さらに44℃に低下するまでの所要時間(分)と、30分後の温度(℃)と、を計測した。結果を表2に示す。
Figure 2020019510
1 巻きラベル
2 始端部
3 終端部
4 タブ
10 ラベル付きボトル状容器
20 ボトル状容器
本発明は、物品の表面に巻き付けることにより装着する巻きラベルと、その巻きラベルを付した容器等の物品に利用できる。特に、水、清涼飲料水、炭酸飲料、ジュース、乳飲料、乳酸飲料、ビール、ワイン、日本酒、各種蒸留酒、栄養ドリンク、調味料、医療用薬品、化粧品、化学薬品等の容器の表面に使用され、商品名等の各種情報の表示を主な目的として利用できる。

Claims (8)

  1. 帯状のラベルであり、前記帯状のラベルを巻き回して始端部上に終端部を重ねて接着することで鉢巻き状となる巻きラベルであって、
    前記鉢巻き状となったときの巻きラベルの径方向外側から内側に向かって、表面層(C)及び基材層(A)をこの順に有し、
    前記表面層(C)及び前記基材層(A)のいずれもが、熱可塑性樹脂を含有する多孔質フィルムであり、
    前記巻きラベルの厚みが、50〜200μmである、
    巻きラベル。
  2. 前記巻きラベルの空孔率が、10〜50%である、
    請求項1に記載の巻きラベル。
  3. 前記巻きラベルの全層の厚みに対する前記基材層(A)の厚みの割合が、30〜80%である、
    請求項1又は2に記載の巻きラベル。
  4. 前記基材層(A)が、前記熱可塑性樹脂20〜100質量%と、無機微細粉末(D1)0〜80質量%及び有機フィラー(D2)0〜50質量%の少なくとも一方と、を含有する、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の巻きラベル。
  5. 前記表面層(C)が、前記熱可塑性樹脂20〜100質量%と、無機微細粉末(D1)0〜80質量%及び有機フィラー(D2)0〜50質量%の少なくとも一方と、を含有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の巻きラベル。
  6. 前記無機微細粉末(D1)及び前記有機フィラー(D2)の平均粒子径が、0.1〜20μmである、
    請求項4又は5に記載の巻きラベル。
  7. 外周面にラベルが装着されたラベル付きボトル状容器であって、
    前記ラベルが、請求項1〜6のいずれか一項に記載の巻きラベルをボトル状容器の外周面に沿って巻き回し、前記巻きラベルの始端部上に終端部を重ねて接着することで鉢巻き状に装着されたラベルであり、
    前記ラベル付きボトル状容器の外周面に対する前記巻きラベルの被覆率が、50%以上である、
    ラベル付きボトル状容器。
  8. 前記ラベル付きボトル状容器が、飲料用容器である、
    請求項7に記載のラベル付きボトル状容器。

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