JP2020015933A - ベルレス高炉の装入方法 - Google Patents
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Abstract
Description
混合原料を2バッチに分割した上で、混合原料へのコークス混合量を60〜75質量%と非常に多くし、2バッチ目を炉壁側に装入する方法も知られている(特許文献4)。
混合原料を2バッチに分割した上で、1バッチ目を炉中心側に、2バッチ目を炉壁側に、逆傾動で装入する方法も知られている(特許文献5)。
特許文献1に記載の技術は、装入途中でホッパーの排出口の開閉が必要となる。このような機械的な動作を伴う装入では、機械的の構造上の精度の限界があり、正確な装入が難しいという問題があった。また、機械的な故障が起こりやすい問題もあった。
本発明によれば、混合原料を、炉壁近傍から炉中心近傍まで順傾動で装入する工程と、炉壁近傍から炉内の中間部まで順傾動で装入する2つのバッチに分けて装入を行う。そのため、1バッチ目と2バッチ目のコークス分布が極端な2つのピークとなることはなく、径方向に均一にコークスを装入できる。また、2つのバッチはいずれも順傾動であるため、鉱石の粒度分布の調整も容易である。
本発明では、混合原料に小塊コークスを混合するので、無次元排出時間が0.5のときの積算無次元装入量が0.1〜0.45という条件を満たすのが容易である。
本発明では、第2の混合原料装入工程の後で、前記混合層の上にコークスを混合させない鉱石を装入して鉱石層を形成する、鉱石装入工程を実施することが好ましい。
また、本発明では、第2の混合原料装入工程の後で、前記混合原料よりも低い混合比でコークスを混合させた鉱石を前記混合層の上に装入して鉱石層を形成する、鉱石装入工程を実施することが好ましい。
本発明によれば、混合層の上に、コークスを混合しない、または、コークスの混合比の少ない鉱石層を形成するため、混合層内のコークスがコークス層のコークスと接触し難くなる。そのため、コークス混合による、鉱石層の通気性確保や反応性向上という効果を、より高めることができ、さらに安定した高還元率の操業が実現できる。
まず、図1を参照して、本実施形態に係るベルレス高炉の装入方法の概要を説明する。
以上が本実施形態に係るベルレス高炉の装入方法の概要である。
<対象高炉>
本実施形態に係る装入方法は、ベルレス高炉であれば、対象とする高炉の構造や寸法は特に限定しない。ベルレス高炉とは、ベルレス装入装置を有する高炉をいう。
本実施形態に係る装入方法は、混合原料を炉頂ホッパーに一時貯留し、炉頂ホッパーから旋回シュートにより炉内に装入して混合層を形成する場合に限定される。混合原料を炉頂ホッパーに一時貯留しない場合、すなわち、別々のホッパーに貯蔵された鉱石とコークスとを同時切り出しにより炉内に装入する場合には、上述した炉頂ホッパー内での偏析の影響がなく、高炉内へのコークス装入のタイミングを任意に制御でき、炉径方向において混合層中のコークス分布が偏るという問題が生じないためである。
操業条件も、鉱石とコークスの混合原料を装入すること以外は特に限定しない。
このようなコークスとしては、小塊コークスが好ましい。ここでいう小塊コークスとは、コークス層を形成するコークスの篩下であり、例えば粒子径10〜40mm程度のコークスである。以下の説明では、小塊コークスを用いた例を説明する。また、鉱石とは、高炉に装入される鉄含有原料の総称であり、焼結鉱、塊鉱石、ペレット及び含炭塊成鉱、並びにそれらの混合物をいう。
1チャージのバッチ数も、鉱石とコークスの粒度も、S1〜S3に規定する要件以外は限定しない。混合比も特に限定しない。出銑比も特に限定しない。
コークス層を形成するコークスの粒度や装入条件も特に限定しない。中心コークスを装入してもよいし、装入しなくてもよい。
S1では、中心コークスを装入しない場合は、図2(A)に示すように、炉口無次元半径0.7〜1.0の位置から、炉口無次元半径0〜0.2の位置P1まで、混合層202を構成する混合原料の一部を、順傾動で装入する。中心コークスを装入する場合は、炉口無次元半径0.7〜1.0の位置から、中心コークスの一部または全部と重なる位置P1まで、混合層202を構成する混合原料の一部を順傾動で装入する。
ここでは、S1で装入する混合原料をO1バッチと称す。
炉口無次元半径とは、炉中心を0、炉壁を1、炉径をR、炉径方向の半径位置Pにおける炉中心からの距離をrとした場合に、位置Pをr/Rで表した値である(図2(A)(B)参照)。
S2では、炉口無次元半径0.8〜1.0の位置から炉口無次元半径0.3〜0.5の位置まで、混合層202を構成する混合原料のうち、S1で装入しなかった残りを順傾動で装入する(図1のS2、第2の混合原料装入工程)。
ここでは、S2で装入する混合原料をO2バッチと称す。
S2終了後の混合原料の、高炉内における装入物分布を図2(B)に示す。
また、O1バッチとO2バッチはいずれも順傾動で装入するため、鉱石の粒度分布の調整も容易となる。
まず、混合層202の層厚の絶対値の分布、ここでは図2(B)の混合層202の表面の層厚分布を設定する。操業条件として、コークス層と鉱石層の質量比(O/C)が予め決まっているため、混合層202の層厚はコークス層201の層厚との関係で定まる。
求めた混合原料の無次元排出時間と混合原料中の小塊コークスの積算無次元装入量との関係の例を図3に示す。
S3は、混合層202の上に鉱石を装入して鉱石層203を形成する工程であり、必要に応じて実施される(図2(C)参照)。ここではS3で装入される鉱石をO3バッチと称す。
混合層202の上に鉱石層203が形成されることにより、混合層202の直上に次チャージのコークス層201が形成されなくなるため、混合層202内の小塊コークス100がコークス層201のコークスと接触し難くなる。そのため、混合層202に小塊コークス100を混合することによる、混合層202及び鉱石層203の通気性確保や反応性向上という効果を、より高めることができ、さらに安定した高還元率の操業が実現できる。
O3バッチの鉱石の粒度も特に規定しないが、O1バッチおよびO2バッチの鉱石の粒度と同程度であるのが好ましい。
以上が本実施形態に係るベルレス高炉の装入方法の詳細の説明である。
高炉の1/3縮尺模型実験装置を用いて、本実施形態の高炉装入分布実験を行った。具体的な手順は以下の通りである。
まず、実験装置として、図6に示す模型実験装置11を用意した。
装入コンベア2は、サージホッパー1から切り出した装入原料を炉頂ホッパー3まで搬送するコンベアである。炉頂ホッパー3は、装入直前の原料を一時的に貯蔵するホッパーである。旋回シュート4は、炉頂ホッパー3から排出された原料を装入するシュートである。炉体シャフト部5は、高炉のシャフト部までを模擬した筒状の模型である。切り出し装置6は、炉体シャフト部5の下端に設けられ、装入された原料を切り出して、炉内の荷下がりを再現するための装置である。
装入質量は、実炉で想定される質量の約1/33=約1/27とした。
O1バッチを炉口無次元半径0.05〜0.95の範囲に順傾動で堆積させ、O2バッチを炉口無次元半径0.4〜1.0の範囲に順傾動で堆積させた。
装入後の原料を、円周方向の幅20cm、径方向に15cm間隔でサンプリングし、混合原料中の小塊コークス100の径方向分布を実測した。
結果を図5(B)に示す。
実施例1において、小塊コークス100の平均粒子径を、より小さく変更し、実施例1と同じ高炉の1/3縮尺模型実験装置を用いて、本実施形態の高炉装入分布実験を行った。
O1バッチを炉口無次元半径0.05〜1.0の範囲に順傾動で堆積させ、O2バッチを炉口無次元半径0.4〜1.0の範囲に順傾動で堆積させた。
装入後の原料を、円周方向の幅20cm、径方向に15cm間隔でサンプリングし、混合原料の径方向の小塊コークス分布を実測した。結果を図9(B)に示す。
実施例1において、特許文献5に記載の方法に従い、O1バッチを炉口無次元半径0〜0.8の範囲に逆傾動で装入し、O2バッチを炉口無次元半径0.6〜1.0の範囲に逆傾動で装入したこと以外は、実施例1と同じ条件で装入を行った。混合原料の径方向の小塊コークス分布を実測した結果を図10に示す。
図10に示すように、実施例1および実施例2と比べると、無次元半径0.3付近と0.8付近に大きなピークが現れていた。そのため、半径方向に均一に小塊コークス100が配置されていないことが分かった。
Claims (4)
- 鉱石とコークスの混合原料を炉頂ホッパーに一時貯留し、炉頂ホッパーから旋回シュートにより炉内に装入して混合層を形成するベルレス高炉の装入方法において、
前記コークスは、混合原料の無次元排出時間が0.5のときの積算無次元装入量が0.1〜0.45であり、
中心コークス層を形成する場合は、炉口無次元半径0.7〜1.0の位置から、前記中心コークス層の一部または全部と重なる位置まで、順傾動で前記混合原料を堆積させ、
中心コークス層を形成しない場合は、炉口無次元半径0.7〜1.0の位置から、炉口無次元半径0〜0.2の位置まで順傾動で前記混合原料を堆積させる第1の混合原料装入工程と、
炉口無次元半径0.8〜1.0の位置から炉口無次元半径0.3〜0.5の位置まで順傾動で前記混合原料を堆積させる第2の混合原料装入工程と、
を実施することを特徴とする、ベルレス高炉の装入方法。 - 前記コークスは小塊コークスであることを特徴とする請求項1記載のベルレス高炉の装入方法。
- 第2の混合原料装入工程の後で、コークスを混合させない鉱石を前記混合層の上に装入して鉱石層を形成する、鉱石装入工程を実施することを特徴とする、請求項1または2に記載のベルレス高炉の装入方法。
- 第2の混合原料装入工程の後で、前記混合原料よりも低い混合比でコークスを混合させた鉱石を前記混合層の上に装入して鉱石層を形成する、鉱石装入工程を実施することを特徴とする、請求項1または2に記載のベルレス高炉の装入方法。
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