JP2020000183A - 菓子パンの製造方法 - Google Patents

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順子 尾首
美友紀 金谷
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美友紀 金谷
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Abstract

【課題】時間がたっても良好なしっとり感を有する菓子パン類の製造方法の提供。【解決手段】穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加することを特徴とする、菓子パンの製造方法。【効果】時間がたっても良好なしっとり感を有する菓子パン類を提供することができる。また、得られた該菓子パンは良好なボリュームを有しており、更に口溶けも良好である。【選択図】なし

Description

本発明は、しっとり感を有する菓子パン類の製造方法に関するものである。
パン類の食感は、非常に重要な要素の一つとされる。特に、パン類が、しっとり感等の良好な食感を有することで、消費者の購買意欲や喫食意欲に影響する場合がある。
ソフトな食感のパンの製造方法に関する出願として、例えば特許文献1〜2が存在する。
特許文献1〜2では、「製菓製パン用油脂組成物およびその製造方法」に関して記載されている。
特開2016−82890号公報 特開2016−106597号公報
本発明は、従来にないような、時間が経っても良好なしっとり感を有する菓子パン類を製造することを課題とする。
パン類は、広く食され、万人が好むものであり、その風味だけでなく、食感も非常に重要なものとされる。菓子パンの代表例のひとつであるブリオッシュは、バターなどの固形油脂及び卵類の含有量が多い菓子パンであることが知られている。ブリオッシュにおいては、しっとり感は非常に重要な要素であるが、固形油脂や卵類を多く含有することから、焼成後に時間が経つと、硬くなったり、パサつくなどの問題点が生じる場合があった。
そこで、本発明では、菓子パン類において、従来にないような、焼成後から時間が経っても、良好なしっとり感を有する菓子パン類について、鋭意検討を行った。そうした中、液状油と水分を水中油型に乳化し、液状油を高含量含有した水中油型乳化油脂組成物を菓子パン生地に用いることで、従来では困難であった、良好なしっとり感を有する菓子パンを製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、
(1)穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加することを特徴とする、菓子パンの製造方法、
(2)穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油30〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加する、(1)記載の製造方法、
(3)該水中油型乳化油脂組成物が、更にHLB8〜16の乳化剤0.3〜2.0質量%を含む、(1)又は(2)記載の製造方法、
(4)該菓子パンがブリオッシュである、(1)〜(3)いずれか1項に記載の製造方法、
(5)穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加する、菓子パンのしっとり感付与方法、
(6)穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油30〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物としてブリオッシュ生地に添加する、ブリオッシュのしっとり感付与方法、
に関するものである。
なお、特許文献1及び2において、25℃で液体の液状油及び水分を、水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加することにより、菓子パンに良好なしっとり感を付与できる旨記載はない。
本発明によって、従来にないような、時間が経っても良好なしっとり感を有する菓子パン類を提供することができる。
(水中油型乳化油脂組成物)
本発明では、25℃で液体の液状油及び水分を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加することに特徴がある。また、該水中油型乳化油脂組成物が、更にHLB8〜16の乳化剤0.3〜2.0質量%を含むことが望ましい。以下に、本発明に係る水中油型乳化油脂組成物に関して詳細を記載する。
(油脂)
本発明に係る水中油型乳化油脂組成物に使用する液状油は、25℃で液体の油脂のことを言う。本発明に使用する液状油とは、具体的には菜種油、米糠油、大豆油、綿実油、コーン油、オリーブ油、紅花油、サフラワー油、ごま油、ひまわり油、パーム油、ヤシ油、シア脂等の植物性油脂、あるいはそれらのエステル交換や部分水添、水添分別、分別等の方法により製造された加工油脂を例示できるが、特に、大豆油、パーム油、ひまわり油及び菜種油よりなる群から選ばれる1種以上を使用することが好ましい。所定の液状油を使用することで、従来にないような、時間が経っても良好なしっとり感を有する菓子パン類を得ることができる。
本発明に係る水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に配合する液状油の量は、上記液状油以外の原料中に含まれる液状油も含めた量として、穀粉100質量部に対し、10質量部以上、12質量部以上、15質量部以上、18質量部以上、20質量部以上、25質量部以上、30質量部以上、又は35質量部以上などとすることができる。また、さらに100質量部以下、95質量部以下、90質量部以下、70質量部以下又は65質量部以下などとすることができる。
(水分)
本発明の水中油型乳化油脂組成物で用いることができる水分としては、飲用に適する限り特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラルウォーター等を用いることができる。本発明に係る水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に配合する水分量は、上記水以外の原料中に含まれる水分も含めた水分量として、穀粉100質量部に対し、10質量部以上、12質量部以上、15質量部以上、18質量部以上又は20質量部以上などとすることができる。また、さらに70質量部以下、65質量部以下、60質量部以下、50質量部以下又は65質量部以下などとすることができる。
(乳化剤)
本発明の水中油型乳化油脂組成物に使用する乳化剤としては、レシチン、酵素処理レシチン等の天然乳化剤、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等の合成乳化剤が挙げられる。本発明では、特に、HLBが8〜16であるショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種以上の乳化剤を配合することが好ましく、HLBが10〜14であるショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルの群から選ばれる1種以上の乳化剤を配合することがより好ましい。
更に、本発明の水中油型乳化油脂組成物の乳化剤の含量は、0.3〜2.0質量%が好ましく、0.5〜1.5質量%がより好ましく、0.8〜1.2質量%がさらに好ましい。
(他の原料)
本発明の水中油型乳化油脂組成物で用いることができる、その他の原料としては、ゲル化剤、安定剤、糖類、甘味料、塩類等が挙げられる。
ゲル化剤や安定剤としては、カラギーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、カラヤガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カシアガム、トラガントガム、タラガム、HMペクチン、LMペクチン、ファーセルラン、アラビアガム、グルコマンナン、寒天、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、水溶性大豆多糖類、難消化性デキストリン、アルギン酸、アルギン酸塩等が挙げられる。
糖類としては、ブドウ糖、果糖、乳糖、キシロース等の単糖、ショ糖、麦芽糖、トレハロース、異性化液糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノース等のオリゴ糖、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、マンニトール、還元水飴等の糖アルコールが挙げられる。上記糖類から選択される1種類、あるいは2種類以上を適宜組み合わせて用いることができる。
甘味料としては、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、アセスルファムカリウム、等が挙げられる。
(菓子パン類)
本発明に係る菓子パン類とは、小麦粉などの穀粉類、イースト、食塩及び水を主原料とし、バターなどの食用油脂類、糖類、卵類、乳製品(乳成分)などの副原料を添加し、混捏した生地を発酵、成形し、焼成、蒸し、フライ等の加熱により製造されるものを指す。
なお、本発明の菓子パン生地で用いる穀粉類としては、通常の菓子パン類の製造と同様、強力粉、薄力粉、中力粉などの小麦粉類の他、ライ麦粉、全粒粉、米粉などの穀物の粉や各種澱粉、加工澱粉類から選ばれる1種類、あるいは2種類以上を適宜組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、特に強力粉を用いることが好ましい。
本発明に係る菓子パンとしては、具体的には、ブリオッシュ、メロンパン、あんパン、クリームパン、ジャムパン等が例示することができ、本発明では、特にブリオッシュであることが好ましい。ブリオッシュは、他の菓子パンに比べ、バター等の固形油脂、卵類、砂糖などの副原料の配合量が多いことから、本発明の効果をより顕著に得ることができる。なお、本発明に係るブリオッシュとは、穀粉100質量部に対し、脂質30質量部以上配合するものを指す。
また、本発明では、上記の水中油型乳化油脂組成物を、菓子パン生地配合の穀粉100質量部に対して15〜180質量部配合することが好ましく、30〜160質量部配合することがより好ましく、40〜150質量部配合することが更に好ましく、50〜120質量部配合することが最も好ましい。所定量配合することで、従来にないような、時間がたっても良好なしっとり感を有する菓子パン類を得ることができる。
菓子パン生地に配合する卵類としては、卵黄及び/又全卵を配合することができる。卵黄は、生卵を割卵し分け取った卵黄(生卵黄)の他、液卵黄、加糖液卵黄、凍結卵黄、加糖凍結卵黄、酵素処理卵黄、乾燥卵黄、加糖乾燥卵黄などをいずれも使用することができる。全卵は、生卵を割卵した全卵の他、液卵、加糖液卵、凍結卵、加糖凍結卵、酵素処理卵、乾燥卵、加糖乾燥卵などをいずれも使用することができる。使用する量に特に制限はないが、穀粉100質量部に対して、生卵黄として50質量部以下配合することが好ましい。また、たとえば、菓子パンの代表例であるブリオッシュでは、穀粉100質量部に対して、生卵黄として30〜50質量部配合することが好ましい。
菓子パン生地に配合する乳成分とは、牛乳、全粉乳、脱脂粉乳、生クリーム、バターや、カゼイン、ホエーなどの乳蛋白質等の乳成分や、それらを含有する乳製品などをいずれも使用することができる。
なお、油脂類、糖類、卵類及び乳成分を含む複合製品として、例えば、市販加糖卵黄調製品である、不二製油株式会社製「プロダッシュ800」や、不二製油株式会社製「プロダッシュ400」を使用することができる。
菓子パン生地には、水中油型乳化油脂組成物中以外であっても、本発明の効果を妨げない範囲で、生地中に水分を配合することができる。菓子パン生地中の水分の総含有量は、製造する菓子パンの種類等に応じて適宜定めることができるが、例えばブリオッシュでは、穀粉100質量部に対して、60〜100質量部配合することが好ましく、60〜90質量部配合することがより好ましく、62〜80質量部配合することが更に好ましく、65〜75質量部配合することが最も好ましい。
また、菓子パン生地には、水中油型乳化油脂組成物中以外であっても、本発明の効果を妨げない範囲で、生地中に油脂類を配合することができる。油脂類としては、ショートニング、マーガリン、バター、コンパウンドマーガリン、ファットスプレッド、各種製パン練り込み用油脂組成物に例示される可塑性油脂類を使用することができる。これらの可塑性油脂類の原料としては、大豆油、綿実油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、菜種油、米ぬか油、ゴマ油、カポック油、ヤシ油、パーム核油、乳脂、ラード、魚油、鯨油等の各種の動植物油脂及びそれらの硬化油、分別油、エステル交換油等の加工油脂が例示でき、通常公知のパン類製造に用いられる食用油脂類を必要に応じて使用することができる。
菓子パン生地には、イースト(パン酵母)は、通常、一般のパン類製造に用いられる生イースト、ドライイーストなどのイースト類を何れも用いることができる。耐糖性の強い酵母菌株を用いてもよい。
前述の他にも、イーストフード、バイタルグルテン、生地改良材、クリーム類、色素、香料、酵素、生地改良剤、ペプチド、果汁・果肉類、ナッツ類、チョコレート類、ココア類など、通常のパン類製造に用いられる原材料を、本発明の効果を妨げない範囲で何れも使用することができる。
(菓子パンの製造)
本発明の水中油型乳化油脂組成物をパン生地に均一に練り込むことにより、従来にないような、時間が経っても良好なしっとり感を有する菓子パン類を得ることができる。
菓子パンの製造法は常法に則ればよく、一般的には、穀粉、水、イースト、糖類、食塩、油脂等を主成分とする原料を混練して生地を調製し、所望の形状に成形した後に、オーブン等により焼成したり、フライ等することにより製造される。
パン生地を調製する際に上記原料を加える順番としては、全原料を一緒に配合する直捏法(ストレート法)により生地を調製する方法でも良いし、中種法や湯種法のように、一部の原料から先に種生地を調製後、残りの原料を加えて本生地を調製する方法でも良い。
ここで、本発明の水中油型乳化油脂組成物を配合するタイミングは特に限定されず、他の原料と一緒に配合することができる。また、穀粉、水、イースト、糖類、食塩等の油脂以外の原料を先に混練してグルテンを形成させた後、マーガリン等の油脂を加えるタイミングで本発明の水中油型乳化油脂組成物を加えることもできる。
以下に、本発明に係る菓子パン類の製造方法について、ブリオッシュを例として詳細を記載する。
本発明では、水中油型乳化油脂組成物の調製は、水中油型乳化油脂組成物以外の原材料と装置を分け、予め調製する。
本発明の水中油型乳化油脂組成物は、例えば全原料を混合、乳化して原料液を得るが、必要により加熱殺菌を行うことができる。また乳化はホモゲナイザー等により行うことができ、必要により乳化の前に予め撹拌機等により水相と油相を予備乳化させておいてもよい。
水中油型乳化油脂組成物以外の原材料である、小麦粉、卵類、糖類、食塩、乳成分、イースト、水などの原材料と、水中油型乳化油脂組成物とをミキサーに入れ、混捏する。なお、前記に挙げた原材料以外であっても、本発明の効果を妨げない範囲で、適宜他の原材料を用いることができる。なお、使用する装置は、例えば、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を例示できる。
本発明では、該水中油型乳化油脂組成物を添加する際は、1回で全量添加しても良いし、2回以上に分けて添加することもできる。本発明では、特に、該水中油型乳化油脂組成物を2回以上に分けて添加することがより好ましく、このことにより、従来にないような、時間がたってもより良好なしっとり感を有するブリオッシュを得ることができる。
該水中油型乳化油脂組成物と、水中油型乳化油脂組成物以外の原材料を混捏して得られた生地を本捏生地とし、該本捏生地を、常法に従い一次発酵、ガス抜き、二次発酵、分割する。その後、丸め直してホイロ後、焼成する。
本発明に係るブリオッシュ等の菓子パン類は、焼成後、冷蔵又は常温で保管する等、時間が経っても、良好なしっとり感を有するという顕著な効果を得ることができるものである。
なお、本発明で言う「良好なしっとり感を有する」とは、従来の菓子パン類では見られないような、明らかにしっとりとした食感を有する菓子パン類のことを言う。
以下に本発明の実施例を記載する。なお、以下「%」は特に断りのない限り「質量%」を、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味する。
検討1.水中油型乳化油脂組成物の調製
下記に示す方法に従い、菓子パン生地に添加するための水中油型乳化油脂組成物を調製した。
1.表1の配合に従い、25℃で液体である菜種油に乳化剤を溶解し油相とした。
2.表1の配合に従い、油相で使用した以外の原材料を水に溶解し、60〜70℃に加温した。
3.ホモミキサーで水相を攪拌しているところへ油相を徐々に添加し、水中油型に乳化した。
4.高圧ホモゲナイザーを使用し、5000kPaにて処理した。
5.5℃24時間放置し、水中油型乳化油脂組成物とした。また、配合に用いた詳細な原料は以下の通りであった。
菜種油:不二製油株式会社製、商品名「製菓用サラダ油」
乳化剤:ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB=13)、太陽化学株式会社製、商品
名「サンソフトA-141E」
カゼインナトリウム:Fonterra Limited、商品名「SodiumCaseinate180」
表1.水中油型乳化油脂組成物の配合
Figure 2020000183
検討2.ブリオッシュの調製
菓子パンの代表例であるブリオッシュを、下記に示す方法に従い調製した。
(実施例1)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、水、先に調製した水中油型乳化油脂組成物の一部(水中油型乳化油脂組成物全量中の10質量%)を、低速で3分、中速で3分、高速で3分ミキシングした。そこへ、低速で2分、中速で6分ミキシングしている間に、残りの水中油型乳化油脂組成物(90質量%)を少量ずつ連続的に添加し、高速で3分、最高速度で2分ミキシングして本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、実施例1のブリオッシュを得た。
(実施例2)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、先に調製した水中油型乳化油脂組成物の一部(水中油型乳化油脂組成物全量中の35質量%)を、低速で3分、中速で3分、高速で3分ミキシングした。そこへ、低速で2分、中速で7分ミキシングしている間に、残りの水中油型乳化油脂組成物(65質量%)を少量ずつ連続的に添加し、合計で9分間ミキシングし、高速で3分、最高速度で2分ミキシングし、本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、実施例2のブリオッシュを得た。
(実施例3)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、先に調製した水中油型乳化油脂組成物の一部(水中油型乳化油脂組成物全量中の50質量%)を、低速で3分、中速で3分、高速で3分ミキシングした。そこへ、低速で2分及び中速で10分ミキシングしている間に、残りの水中油型乳化油脂組成物(50質量%)を少量ずつ連続的に添加し、高速で5分、最高速度で3分ミキシングして本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、実施例3のブリオッシュを得た。
(比較例1)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、水を、低速で3分、中速で3分、高速で3分ミキシングした。そこへ、低速でミキシングしながら、マーガリンを2回に分けて添加し合計で5分間ミキシングし、その後、中速で3分、高速で2分ミキシングし、本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、比較例1のブリオッシュを得た。
(比較例2)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、水を、低速で3分、中速で3分、高速で3分ミキシングした。そこへ、低速で2分、中速で3分でミキシングしている間に、25℃で液体である製菓用サラダ油を少量ずつ連続的に添加し、この工程を5回繰り返した。その後、低速で10分、中速で15分、高速で3分、最高速で2分ミキシングし、本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、比較例2のブリオッシュを得た。
(比較例3)
表2の配合に従い、縦型ミキサー「マイティS60」(株式会社 愛工舎製作所製)を使用し、強力粉、砂糖、卵黄、全卵、食塩、イースト、クリーム、水を、低速で3分、中速で3分、高速で2分ミキシングした。そこへ、低速でミキシングしながら、マーガリンを3回に分けて添加し合計で5分間ミキシングし、その後、中速で5分、高速で2分ミキシングし、本捏生地を得た。
温度28℃、湿度75%で45分間一次発酵後、ガス抜きをし、二次発酵45分間後、50gに分割して丸め、約20分間のベンチタイムをとり、生地を丸め直し、温度32℃、湿度80%にて60分間ホイロの後、上火220℃/下火190℃、10分焼成を行い、比較例3のブリオッシュを得た。
表2.配合
Figure 2020000183
・マーガリンには、市販品である不二製油株式会社製「メサージュV」を使用した。
・製菓用サラダ油には、不二製油株式会社製の製品を使用した。該製品は、25℃で液体の液状油であった。
・クリームには、乳脂肪分45%である生クリームを使用した。
○菓子パンの評価法
実施例及び比較例のブリオッシュについて、パネラー5名にて評価を行い、合議にて以下の基準で点数づけを行った。焼成後のブリオッシュを、常温で24時間保管したもの及び冷蔵(5℃)で24時間保管し、その後常温にしたものを、比較例1のブリオッシュと比較し、しっとり感について評価した。
なお、本評価におけるパネラーは、従前からパンの研究に従事し、熟練したパネラー5名であった。
5点 比較例1に比べ、明らかにしっとりとした食感であった。
3点 比較例1よりも、しっとりとした食感であった。
1点 比較例1に比べ、しっとり感が感じられず、パサつきがある食感であった。
4点及び2点については、上位の点には至らないものの、下位の点より勝ると判断される
ものとし、3点以上を合格とした。
表3.評価結果(常温保管品)
Figure 2020000183
実施例1〜3はいずれも合格であった。更に、実施例1〜3は、良好なボリュームを有しており、口溶けも良好な菓子パン類であった。
表4.評価結果(冷蔵保管品)
Figure 2020000183
実施例1〜3はいずれも合格であった。更に、実施例1〜3は、良好なボリュームを有しており、口溶けも良好な菓子パン類であった。
考察
表3及び表4の結果より、穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加し、焼成して得られた菓子パンにおいて、常温24時間保管及び冷蔵(5℃)で24時間保管した場合であっても、明らかに良好なしっとり感を有していた。また、該菓子パンは良好なボリュームを有しており、更に口溶けも良好であった。
よって、所定量の液状油及び水分を水中油型に乳化し、液状油を高含量含有した水中油型乳化油脂組成物を用いることで、従来では困難であった、特に冷蔵条件下の保管であっても、時間が経っても明らかに良好なしっとり感を有する菓子パンを製造することができることを見出した。

Claims (6)

  1. 穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加することを特徴とする、菓子パンの製造方法。
  2. 穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油30〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加する、請求項1記載の製造方法。
  3. 該水中油型乳化油脂組成物が、更にHLB8〜16の乳化剤0.3〜2.0質量%を含む、請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 該菓子パンがブリオッシュである、請求項1〜3いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油10〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物として菓子パン生地に添加する、菓子パンのしっとり感付与方法。
  6. 穀粉100質量部に対し、(A)25℃で液体の液状油30〜100質量部、及び(B)水分10〜70質量部を水中油型に乳化し、水中油型乳化油脂組成物としてブリオッシュ生地に添加する、ブリオッシュのしっとり感付与方法。
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