以下、添付図面に従って本発明に係る例示的実施形態の一例について説明する。
本発明の一実施形態は、眼科装置の一例である眼底観察装置を提供し、この眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
本発明の第1の実施形態の眼底観察装置は、被検眼の眼底の撮像用の光を照射する照射部により照射された光を反射すると共に、向きを変更することで光を特定方向に走査する反射面と、反射面で反射された光を眼底に入射させ、且つ、反射面で反射された光に基づく焦点が被検眼に位置するように配置された凹状の鏡面と、固視標を示す光である固視標光を反射面及び鏡面を介して眼底に対して正対した状態で照射する複数の光源であって、反射面の向きが、眼底の中央領域の特定方向における一方の端部である第1端部に光を照射させる第1の向きの場合に点灯する第1の光源と、反射面の向きが、中央領域の特定方向の他方の端部である第2端部に光を照射させる第2の向きの場合に点灯する第2の光源とを含む複数の光源と、を含む。したがって、この眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
第1の実施形態の眼底観察装置において、光が第1端部及び第2端部を通るように特定方向に往復して中央領域に対して光が走査される場合の反射面の向きの変更速度は、第1の光源の点灯及び第2の光源の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼を通して被検者に知覚させる速度以上の速度であってもよい。したがって、本発明の第2の態様に係る眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光を眼底の中央領域に照射させて撮像を行う場合に、被検者に対して固視標を途切れることなく視認させることができる。
上記記載の眼底観察装置のいずれかの変形形態において、複数の光源は、反射面の向きが、中央領域の周辺領域の特定方向における一方の端部である第3端部に光を照射させる第3の向きの場合に点灯する第3の光源と、反射面の向きが、周辺領域の他方の端部である第4端部に光を照射させる第第4の向きの場合に点灯する第4の光源と、をさらに含んでもよい。したがって、眼底観察装置は、眼底の中央領域の周辺領域に対応した固視標の提示を実現することができる。
さらに、上記変形形態の眼底観察装置において、光が第3端部及び第4端部を通るように特定方向に往復して中央領域及び周辺領域に対して光が走査される場合の反射面の向きの変更速度は、第3の光源の点灯及び第4の光源の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼を通して被検者に知覚させる速度以上の速度であってもよい。したがって、眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光を眼底の中央領域の周辺領域に照射させて撮像を行う場合に、被検者に対して固視標を途切れることなく視認させることができる。
本発明の第2の実施形態に係る眼底観察装置は、被検眼の眼底の撮像用の光を照射する照射部により照射された光を反射すると共に、向きを変更することで光を特定方向に走査する第1反射面と、第1反射面で反射された光を眼底に入射させ、且つ、第1反射面で反射された光に基づく焦点が被検眼に位置するように配置された凹状の鏡面と、光の光路から外れた位置に配置され、固視標を示す光である固視標光を照射する光源と、眼底の中央領域の周辺領域に光が照射される場合の光の光路から外れた位置に配置され、第1の位置において、光源から照射された固視標光を反射し、反射した固視標光を鏡面を介して眼底に対して正対した状態で照射可能な第2反射面と、駆動源からの動力を受けることにより、第1の位置と中央領域に光が照射される場合の光の光路から外れた第2の位置との間で第2反射面を移動させる移動機構と、第1反射面の向きが周辺領域に光を照射させる向きの場合に第2反射面が第1の位置に配置され、且つ、光源を点灯させ、第1反射面の向きが中央領域に光を照射させる向きの場合に第2反射面が第2の位置に配置され、且つ、光源を点灯させるように駆動源及び光源を制御するように構成された制御部と、を含む。したがって、本発明の第2の実施形態に係る眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
本発明の第3の実施形態に係る眼底観察装置は、被検眼の眼底の撮像用の光を照射する照射部により照射された光を反射すると共に、向きを変更することで光を特定方向に走査する第1反射面と、第1反射面で反射された光を眼底に入射させ、且つ、第1反射面で反射された光に基づく焦点が被検眼に位置するように配置された凹状の鏡面と、眼底の中央領域の周辺領域に光が照射される場合の光の光路から外れた位置に配置され、第1の位置において、固視標を示す光である固視標光を鏡面を介して眼底に対して正対した状態で照射可能な光源と、駆動源からの動力を受けることにより、第1の位置と中央領域に光が照射される場合の光の光路から外れた第2の位置との間で光源を移動させる移動機構と、第1反射面の向きが眼底の中央領域の周辺領域に光を照射させる向きの場合に光源が第1の位置に配置され、且つ、光源を点灯させ、第1反射面の向きが中央領域に光を照射させる向きの場合に光源が第2の位置に配置され、且つ、光源を点灯させるように駆動源及び光源を制御するように構成された制御部と、を含む。したがって、本発明の第3の実施形態に係る眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
本発明の第4の実施形態に係る眼底観察装置は、被検眼の眼底の撮像用の光を照射する反射部により反射された光を眼底に入射させ、光に基づく焦点が被検眼に位置するように配置された凹状の鏡面と、光の光路から外れた位置に配置され、固視標を示す光である固視標光を照射する光源と、眼底の中央領域の周辺領域に光が照射される場合の光の光路から外れた位置に配置され、第1の位置において、光源から照射された固視標光を反射し、反射した固視標光を鏡面を介して眼底に対して正対した状態で照射可能な反射面と、第1の位置と中央領域に光が照射される場合の光の光路から外れた第2の位置との間で反射面を移動させる移動機構と、を含む。したがって、本発明の第4の実施形態に係る眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
本発明の第5の実施形態に係る眼底観察装置は、被検眼の眼底の撮像用の光を照射する反射部により反射された光を眼底に入射させ、光に基づく焦点が被検眼に位置するように配置された凹状の鏡面と、眼底の中央領域の周辺領域に光が照射される場合の光の光路から外れた位置に配置され、第1の位置において、固視標を示す光である固視標光を鏡面を介して眼底に対して正対した状態で照射可能な光源と、第1の位置と中央領域に光が照射される場合の光の光路から外れた第2の位置との間で光源を移動させる移動機構と、を含む。したがって、本発明の第5の実施形態に係る眼底観察装置は、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる。
本発明の例示的実施形態によれば、眼底の撮像用の光源から眼底に照射される光の照射領域の広角化に対応した固視標の提示を実現することができる、という有利な効果が得られる。
以下の例示的実施形態において、「垂直」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの垂直を指し、「平行」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。また、例示的実施形態において、「正対」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの正対を指す。また、「同一」とは、許容される範囲内の誤差を含めた意味合いでの同一を指す。
例示的実施形態では、説明の便宜上、スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode)を「SLD」と称する。また、説明の便宜上、インタフェース(Interface)を「I/F」と称する。また、赤(Red)を「R」と称し、緑(Green)を「G」と称する。
第1例示的実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る眼科装置の一例である眼底観察装置10Aは、装置本体12及び制御装置13を含む。
装置本体12は、SLOユニット32、OCTユニット34、及び共通光学系36を含む。なお、SLOユニット32及びOCTユニット34は、本開示の技術に係る「照射部」の一例である。
眼底観察装置10Aは、SLOによる撮像を行う機能であるSLO撮像系機能と、OCTによる撮像を行う機能であるOCT撮像系機能とを有する。SLO撮像系機能は、制御装置13、SLOユニット32、及び共通光学系36によって実現される。OCT撮像系機能は、制御装置13、OCTユニット34、及び共通光学系36によって実現される。
眼底観察装置10Aは、SLO撮影系機能を働かせる動作モードであるSLOモードと、OCT撮像系機能を働かせる動作モードであるOCTモードとを含んでいる。SLOモード及びOCTモードは、ユーザの指示、又はシーケンス制御によって選択的に設定される。
SLOユニット32は、被検眼38の眼底の表面の2次元画像を生成するために用いられる、射出部40、ビームスプリッタ42、ポリゴンミラー44、光検出器46、及びモータ48を含む。
以下では、説明の便宜上、被検眼38の眼底を単に「眼底」とも称する。また、以下では、説明の便宜上、例えば眼底観察装置10Aが水平面(図示省略)に設置された場合の水平面に対する垂直方向を「Y方向」と称する。また、以下では、説明の便宜上、例えば眼底観察装置10Aが水平面に設置された場合の水平面に対して平行で、且つ、眼底観察装置10Aの接眼レンズ(図示省略)に対して前眼部が正対した状態で配置された被検眼38の奥行き方向である方向を「Z方向」と称する。また、以下では、説明の便宜上、Y方向及びZ方向の双方に対して垂直な方向を「X方向」と称する。
射出部40は、光源40A及びバンドパスフィルタ40Bを含む。光源40Aは、SLOによる撮影用の光源であり、約400ナノメートル〜約900ナノメートルの範囲内の波長の光を射出する。光源40Aから射出された光はバンドパスフィルタ40Bを透過することで、特定の波長を有する光のみがビームスプリッタ42に射出される。
本第1例示的実施形態では、射出部40から射出される光は、可視光であるRG光と、近赤外領域の波長の光である近赤外光とに大別される。
本例示的第1実施形態では、光源40Aから発せられる光の波長を変更し、且つ、光源40Aから発せられた光に対してバンドパスフィルタ40Bを作用させることで、射出部40からRG光及び近赤外光が選択的に射出される。
以下では、説明の便宜上、射出部40から射出される光としてのRG光と近赤外光とを区別して説明する必要がない場合、単に「SLO光」と称する。また、SLO光は、本開示の技術に係る「被検眼の眼底の撮像用の光」(「走査光」とも呼ぶ)の一例である。
ビームスプリッタ42は、SLO光を透過させることでポリゴンミラー44に導き、第1眼底反射光を光検出器46に導く。ここで、第1眼底反射光とは、SLO光に起因する眼底反射光を指す。眼底反射光とは、眼底で反射して共通光学系36に入射した光を指す。
ポリゴンミラー44は、ビームスプリッタ42からのSLO光を共通光学系36に送り出す。そして、一例として図2に示すように、ポリゴンミラー44は、モータ48の駆動力を受けて矢印A方向に回転することでSLO光をY方向に走査する。
光検出器46は、フォトディテクタ46A及び光学フィルタ46Bを含む。光学フィルタ46Bは、フォトディテクタ46Aの受光面46A1とビームスプリッタ42の反射面42Aとの間で受光面46A1を覆う位置に配置される。近赤外光による第1眼底反射光とRG光による第1眼底反射光とを選択的に受光面46A1に入射させる。
フォトディテクタ46Aは、光学フィルタ46Bを経て入射された第1眼底反射光に基づく画像信号であるSLO画像信号を生成し、生成したSLO画像信号を出力する。
OCTユニット34は、眼底の断層画像を生成するために用いられ、SLD50、光カプラ52、参照光光学系54、分光器56、ラインセンサ58、V−ガルバノミラー60、及びモータ62を含む。
SLD50は、低コヒーレンス光を射出する。低コヒーレンス光とは、例えば、射出部40から射出される近赤外光よりも長い波長の近赤外領域の光を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する光を指す。
SLD50から射出された低コヒーレンス光は、第1の光ファイバ(図示省略)を経由して光カプラ52に取り込まれ、参照光と信号光とに分割される。参照光は、第2の光ファイバ(図示省略)を経由して参照光光学系54に導かれ、信号光は、第3の光ファイバ(図示省略)を経由してV−ガルバノミラー60に導かれる。なお、信号光は、本開示の技術に係る「被検眼の眼底の撮像用の光」(「走査光」とも呼ぶ)の一例である。
参照光光学系54は、コリメータレンズ(図示省略)、分散補償ガラス(図示省略)、及び参照ミラー(図示省略)を含んでいる。参照光は、コリメータレンズ及び分散補償ガラスを経由して参照ミラーに導かれる。
参照ミラーは、参照光を反射することで同一の光路を経由させて光カプラ52に戻す。参照ミラーは、参照光の光軸方向に移動可能な可動式ミラーであり、参照ミラーの位置を光軸上で移動させることで参照光の光路長が調節される。参照ミラーを移動させることで、Z方向の異なる位置における眼底の画像を取得することが可能となる。
V−ガルバノミラー60は、信号光を共通光学系36に送り出す。そして、一例として図2に示すように、V−ガルバノミラー60は、モータ62の駆動力を受けて矢印B方向に回転振動することで信号光をY方向に走査する。
また、V−ガルバノミラー60は、第2眼底反射光を第4の光ファイバを経て光カプラ52に導く。ここで、第2眼底反射光とは、信号光に起因する眼底反射光を指す。
光カプラ52によって導かれた第2眼底反射光は、光カプラ52によって参照光光学系から光カプラ52に導かれた参照光と光カプラ52で重畳され、干渉が起こる。干渉が起こることで得られた干渉光は、分光器56により分光され、分光された干渉光は、ラインセンサ58に導かれる。
ラインセンサ58は、入射された干渉光に基づく画像信号であるOCT画像信号を生成し、生成したOCT画像信号を出力する。
共通光学系36は、ダイクロイックミラー64、楕円状の凹面反射面を有するスリットミラー66、H−ガルバノミラー68、楕円面鏡70、及びモータ72を含む。
ダイクロイックミラー64は、SLOユニット32のポリゴンミラー44からのSLO光を透過させることで、SLO光をスリットミラー66に導き、OCTユニット34のV−ガルバノミラー60からの信号光を反射することで、信号光をスリットミラー66に導く。
以下では、説明の便宜上、信号光及びSLO光を区別して説明する必要がない場合、「照射光」又は「走査光」と称する。
スリットミラー66は、入射された照射光をH−ガルバノミラー68に向けて反射する。H−ガルバノミラー68は、スリットミラー66からの照射光を反射して楕円面鏡70の鏡面70Aに送り出す。そして、一例として図2に示すように、H−ガルバノミラー68は、モータ72の駆動力を受けて矢印C方向に回転振動することで照射光をX方向に走査する。なお、X方向は、本開示の技術に係る「特定方向」の一例である。鏡面70Aは、本開示の技術に係る「凹状の鏡面」の一例である。
楕円面鏡70は、鏡面70Aに入射された照射光を反射することで照射光を眼底に導く。楕円面鏡70は、鏡面70Aで反射された照射光に基づく焦点が被検眼38に位置するように配置されている。換言すると、楕円面鏡70は、その焦点が眼底観察装置10Aの使用時に被検眼38の瞳孔に位置するように配置されている。楕円面鏡70によって眼底に導かれた照射光は、眼底で反射する。そして、眼底反射光は、共通光学系36において、照射光と同一の光路を辿ってダイクロイックミラー64に導かれる。ダイクロイックミラー64は、第1眼底反射光をSLOユニット32に導き、第2眼底反射光をOCTユニット34に導く。2つの楕円面による眼底撮像光学系の基本構成については、国際出願PCT/GB94/02465(WO95/13012)及び国際出願PCT/GB2007/002208(WO2008/009877)に記載されている構成と同様であり、各文献の開示は参照により本明細書に取り込まれる。さらに、本明細書の実施形態は、構造面及び動作面の双方において、例えば、米国特許第7,959,290号、米国特許出願公開第2015/0216408号、米国特許出願公開第2014/0327882号、米国特許出願公開第2013/0135583号、及び米国特許出願公開第2013/0335703号に開示されている、技術的に関連するシステム及び方法論と組み合わせることが可能であり、各文献の開示も参照により本明細書に取り込まれる。
眼底観察装置10Aでは、一例として図1に示すように、眼底での照射光の照射領域は、本開示の技術に係る「眼底の中央領域」の一例である第1照射領域αと、本開示の技術に係る「周辺領域」の一例である第2照射領域βとに大別される。照射光は、眼38に±30度よりも大きい角度で入射したときに網膜の周辺部を照明することができる。
第1照射領域αとは、例えば、被検眼38の中心OからZ方向側の45度の角度範囲、換言すると、被検眼38の中心Oを基準点として眼底の中心から眼底の周辺方向にかけて45度の角度で広がった領域を指す。第2照射領域βとは、例えば、被検眼38の中心OからZ方向側の45度を超え且つ200度以下の角度範囲、換言すると、被検眼38の中心Oと共に眼底の中心から眼底の周辺方向にかけて45度を超え且つ200度以下の角度範囲に広がった領域を指す。
制御装置13は、装置本体12と各種情報の授受を行うことで装置本体12の動作を制御する。また、制御装置13は、フォトディテクタ46Aから得られたSLO画像信号に基づいて眼底の表面の態様を示す2次元画像を生成する。また、制御装置13は、ラインセンサ58から得られたOCT画像信号に基づいて眼底の断層画像を生成する。
なお、この第1例示的実施形態では、SLOユニット32を用いて得られる2次元画像が、RG光に基づく有彩色の画像と近赤外光に基づく無彩色の画像とに大別される。また、OCTユニット34を用いて得られる断層画像は、無彩色の画像である。SLOユニット32を用いて得られる2次元画像及びOCTユニット34を用いて得られる断層画像は共に、静止画像として表示され、ライブビュー画像としても表示される。
制御装置13は、主制御部14、OCT画像生成部16、SLO画像生成部18、受付I/F20、受付デバイス22、表示制御部24、ディスプレイ26、通信I/F28、及びバスライン30を含む。
主制御部14、OCT画像生成部16、SLO画像生成部18、受付I/F20、表示制御部24、及び通信I/F28は、バスライン30により互いと接続されている。したがって、主制御部14は、OCT画像生成部16、SLO画像生成部18、受付I/F20、表示制御部24、及び通信I/F28との間で各種情報の授受を行うことができる。
主制御部14は、モータ48、62、72の各々に対応する各モータ駆動回路(図示省略)を通信I/F28を介して制御することで、モータ48、62、72の駆動を制御する。
また、主制御部14は、光源40Aに対応する光源駆動回路(図示省略)を通信I/F28を介して制御することで、光源40Aの点灯及び消灯の切り替え、光量の調節、及び光源40Aから発せられる光の波長の変更等を行う。
また、主制御部14は、SLD50に対応するSLD駆動回路(図示省略)を通信I/F28を介して制御することで、SLD50の点灯及び消灯の切り替え、光量の調節、及びSLD50から発せられる光の波長の変更等を行う。
さらに、主制御部14は、バンドパスフィルタ40Bの動作、光学フィルタ46Bの動作、及び参照光光学系54の参照ミラーの動作を、通信I/F28を介して制御する。
受付デバイス22は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等を含み、ユーザによる各種指示を受け付ける。
受付デバイス22は、受付I/F20に接続されており、受け付けた指示の内容を示す指示内容信号を受付I/F20に出力する。主制御部14は、受付I/F20から入力された指示内容信号に応じた処理を実行する。
ディスプレイ26は、例えば、LCDやOELD(Organic Electroluminescence Display)である。ディスプレイ26は、表示制御部24に接続されている。表示制御部24は、主制御部14の制御下で、ディスプレイ26を制御することにより、SLOユニット32を用いて得られる2次元画像及びOCTユニット34を用いて得られる断層画像を静止画像やライブビュー画像としてディスプレイ26に表示する。また、表示制御部24は、主制御部14の制御下で、ディスプレイ26を制御することにより、メニュー画面等の各種画面も表示する。
通信I/F28は、装置本体34の電気系と接続されており、主制御部14の制御下で動作して、主制御部14と装置本体34との間での各種情報の授受を司る。
SLO画像生成部18は、SLOユニット32のフォトディテクタ46AからのSLO画像信号を通信I/F28を介して取得し、取得したSLO画像信号に基づく2次元画像を生成する処理を行う専用回路である。
SLO画像生成部18は、生成した2次元画像を、例えば、数十フレーム/秒などの特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部24に出力する。表示制御部24は、SLO画像生成部18から入力された2次元画像を、主制御部14の指示に従って、ライブビュー画像としてディスプレイ26に表示する。また、表示制御部24は、SLO画像生成部18から入力された2次元画像を、主制御部14の指示に従って、静止画像としてディスプレイ26に表示する。
OCT画像生成部16は、OCTユニット34のラインセンサ58からのOCT画像信号を通信I/F28を介して取得し、取得したOCT画像信号に基づく断層画像を生成する処理を行う専用回路である。
OCT画像生成部16は、生成した断層画像を、例えば、数十フレーム/秒などの特定のフレームレートで1フレーム毎に表示制御部24に出力する。表示制御部24は、OCT画像生成部16から入力された断層画像を、主制御部14の指示に従って、ライブビュー画像としてディスプレイ26に表示する。また、表示制御部24は、OCT画像生成部16から入力された断層画像を、主制御部14の指示に従って、静止画像としてディスプレイ26に表示する。
なお、この第1例示的実施形態では、OCT画像生成部16及びSLO画像生成部18の各々が、FPGA(Field−Programmable Gate Array)によって実現される場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、OCT画像生成部16及びSLO画像生成部18の各々は、CPU、ROM、及びRAMを含むコンピュータによって実現されてもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)によって実現されてもよい。また、OCT画像生成部16及びSLO画像生成部18の各々は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
一例として図3に示すように、主制御部14は、CPU(Central Processing Unit)74、一次記憶部76、及び二次記憶部78を含む。CPU74、一次記憶部76、及び二次記憶部78は、バスライン30により互いと接続されている。
本開示の技術に係る「制御部」の一例であるCPU74は、眼底観察装置10Aの全体を制御する。一次記憶部76は、各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。一次記憶部76の一例としては、RAM(Random Access Memory)が挙げられる。二次記憶部78は、眼底観察装置10Aの基本的な動作を制御するプログラムや各種パラメータ等を記憶する不揮発性のメモリである。二次記憶部78の一例としては、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等が挙げられる。
二次記憶部78は、後述の固視標光制御処理(図8参照)を実現するためにCPU74実行されるプログラム80Aを記憶している。
CPU74は、二次記憶部78からプログラム80Aを読み出してプログラム80Aを一次記憶部76に展開し、プログラム80Aを実行することで、本開示の技術に係る制御部として動作する。
一例として図4に示すように、スリットミラー66には、本開示の技術に係る「第1の光源」の一例である第1固視標光源82、及び本開示の技術に係る「第2の光源」の一例である第2固視標光源84が隣接している。第1固視標光源82は、フレーム86等によって筐体(図示省略)に固定されており、第2固視標光源84は、フレーム88等によって筐体に固定されている。
ここで、第1固視標光源82及び第2固視標光源84はどちらも、光量、波長、及びビーム径等の光の特性が同一の固視標光を射出するLED(Light−Emitting−Diode)であり、どちらも制御装置13の制御下で点灯及び消灯が選択的に行われる。なお、固視標光とは、SLOモードで眼底の撮像を行う場合及びOCTモードで眼底の撮像を行う場合に、被検眼38の視線を特定の位置に固定させるために被検眼38に提示する固視標を示す光を指す。固視標は、したがって、被検者には固定された位置にあるように知覚され、その結果、被検眼38の視線を特定の方向に固定する役割を果たす。
本第1例示的実施形態において、固視標光は、第1固視標光源82から射出される第1固視標光と第2固視標光源84から射出される第2固視標光とに大別される。なお、本第1例示的実施形態では、説明の便宜上、第1固視標光と第2固視標光とを区別せずに説明する場合、単に「固視標光」と称する。図4〜図7において、一点鎖線で示す光路は照射光(又は「走査光」)の光路であり、固視標光の光路は二点鎖線で示している。以下で説明するように、眼底観察装置10Aは、眼底観察装置10Aの使用時に被検眼38が凹面鏡70の焦点に置かれて、固視標光源82及び84のどちらかが固視標光を照射したときに、固視標光と走査光が、両方とも凹状の鏡面70A及び焦点を経由して伝搬する異なる光路を経て同時に眼底に(例えば異なる箇所に)入射するように構成され、固視標光は、被検眼38の視線を固定するための予め定められた光路を辿る。
一例として図5〜図7に示すように、第1端部α1と第2端部α2との間で往復して信号光が照射される場合、H−ガルバノミラー68の1秒間当たりの回転数、すなわち、H−ガルバノミラー68の振動数は、例えば、25Hz(ヘルツ)である。なお、ここで、第1端部α1とは、第1照射領域αのX方向における一方の端部を指し、第2端部α2とは、第1照射領域αのX方向における他方の端部を指す。
一例として図5に示すように、第1固視標光源82は、H−ガルバノミラー68の鏡面68Aの向きが第1の向きの場合に第1固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部(例えば中心窩)に照射されるように配置されている。なお、H−ガルバノミラー68の鏡面68Aは、本開示の技術に係る「反射面」及び「第1反射面」の一例である。
第1固視標光源82は、鏡面68Aの向きが第1の向きの場合にのみ点灯される。したがって、第1固視標光源82は、鏡面68Aの向きが第1の向きのときに点灯され、鏡面68Aがすべての他の向きであるときには点灯されない。なお、ここで、第1の向きとは、例として、一例として図5に示すように第1端部α1に照射光が照射される場合の鏡面68Aの向きを指す。第1固視標光源82は、より一般的には、鏡面68Aが予め定められた向きに向けられているときにのみ点灯させることができ、前記予め定められた向きは、眼底における固視標光の照射箇所を変えるように調節可能である。
鏡面68Aの向きが第1の向きの場合、第1固視標光は、鏡面68A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部(例えば中心窩)に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第1の向きの場合、第1固視標光は、鏡面68Aで反射し、反射した第1固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第1固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
一例として図7に示すように、第2固視標光源84は、鏡面68Aの向きが第2の向きの場合に第2固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射されるように配置されている。第2固視標光源84は、鏡面68Aの向きが第2の向きの場合にのみ点灯される。したがって、第2固視標光源84は、鏡面68Aの向きが第2の向きのときに点灯され、鏡面68Aが第2の向き以外のいずれの向きにあるときには点灯されない。なお、ここで、第2の向きとは、例として、一例として図7に示すように第2端部α2に照射光が照射される場合の鏡面68Aの向きを指す。第2固視標光源84は、より一般的には、鏡面68Aが予め定められた向きに向けられているときにのみ点灯させることができ、前記予め定められた向きは、眼底における固視標光の照射箇所を変えるように調節可能である。
鏡面68Aの向きが第2の向きの場合、第2固視標光は、鏡面68A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第2の向きの場合、第2固視標光は、鏡面68Aで反射し、反射した第2固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第2固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
一例として図6に示すように、鏡面68Aの向きが第1の向きでも第2の向きでもない場合、すなわち、照射光が第1端部α1又は第2端部α2に照射されない場合、第1固視標光源82及び第2固視標光源84は消灯される。なお、図6に示す例では、信号光(走査光)が第1照射領域αの中央部に照射された状態が示されている。
なお、本第1例示的実施形態では、上述したように、H−ガルバノミラー68が25Hzで回転動作するので、第1固視標光源82の点灯及び第2固視標光源84の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させることができる。このように、本第1例示的実施形態では、OCTモードにおいて、H−ガルバノミラー68が25Hzで回転動作する場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、H−ガルバノミラー68の向きの変更速度は、第1固視標光源82の点灯及び第2固視標光源84の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させる速度であればよい。ただし、H−ガルバノミラー68の向きの変更速度に関係なく、第1及び第2の固視標光源82及び84は、上記のH−ガルバノミラー68が第1及び第2の向きにあるときにのみ点灯されて被検者の眼底に各自の第1及び第2の固視標光をそれぞれ照射するようにCPU74によって制御され、その結果、被検者は固視標を1つの場所に固定されたものとして知覚する。固視標は、(H−ガルバノミラー68の向きの変更速度に応じて)点滅するか又は連続的に点灯されるように被検者に見え得るが、両方の場合とも固定されて見える。
次に、眼底観察装置10Aの本開示の技術に係る部分の作用として、OCTモードで眼底の撮像が行われる場合にプログラム80Aに従うことでCPU74によって実行される固視標光制御処理について図8を参照して説明する。
図8に示す固視標光制御処理では、ステップ100で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1か否かを判定する。ステップ100において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ102へ移行する。ステップ100において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ106へ移行する。
ステップ102で、CPU74は、第1固視標光源82を既定時間だけ点灯させ、その後、処理がステップ104へ移行する。なお、本ステップ102において、既定時間とは、第1固視標光源82を点灯させる最低限必要な時間を意味する。第1固視標光源82を点灯させる最低限必要な時間は、実機による試験又はコンピュータシミュレーション等の結果に基づいて被検眼38を通して第1固視標光源を被検者に知覚させることが可能な、予め定められた時間であればよい。
ステップ106で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2か否かを判定する。ステップ106において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ108へ移行する。ステップ106において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ104へ移行する。
ステップ106で、CPU74は、第2固視標光源84を既定時間(例えば、第1固視標光源82の点灯時間と同じ時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ104へ移行する。なお、本ステップ106において、既定時間とは、第2固視標光源84を点灯させる最低限必要な時間を意味する。第2固視標光源84を点灯させる最低限必要な時間は、実機を使った試験又はコンピュータシミュレーション等の結果に基づいて被検眼38を通して第2固視標光源を被検者に知覚させることが可能な、予め定められた時間であればよい。
ステップ104で、CPU74は、固視標光制御処理を終了する条件を満足したか否かを判定する。なお、以下では、説明の便宜上、固視標光制御処理を終了する条件を単に「終了条件」と称する。
ここで、終了条件の一例としては、固視標光制御処理の制御を終了する指示又はOCTモードを終了する指示が受付デバイス22によって受け付けられたとの条件や、OCTモード下で、指定された範囲内の断層画像の取得が終了したとの条件等が挙げられる。
ステップ104において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、処理がステップ100へ移行する。ステップ104において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本固視標光制御処理を終了する。
以上説明したように、眼底観察装置10Aは、鏡面68Aの向きが第1の向きの場合に点灯する第1固視標光源82と、鏡面68Aの向きが第2の向きの場合に点灯する第2固視標光源84とを備えている。より詳細には、第1固視標光源82は、鏡面68Aの向きが第1の向きに達したときにのみ、予め定められた時間(例えば、第1固視標光を被検者に知覚させるために第1固視標光源82を点灯させる最低限必要な時間であり、最低限の時間は、例えば、実機による試験又はコンピュータシミュレーション等を通じて決定される)だけ点灯し、第2固視標光源84は、鏡面68Aの向きが第2の向きに達したときにのみ上記予め定められた時間だけ点灯する。したがって、眼底観察装置10Aによれば、第1照射領域αに対応した固視標の提示を実現することができる。
また、眼底観察装置10Aでは、鏡面68Aの向きの変更速度が、第1固視標光源82の点灯及び第2固視標光源84の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させる速度とされている。したがって、眼底観察装置10Aによれば、照射光(ここでは一例として信号光)を第1照射領域αに照射させて撮像を行う場合に、被検者に対して固視標を固定された位置で途切れることなく視認させることができる。
第2例示的実施形態
上記の第1例示的実施形態では、第1固視標光源82及び第2固視標光源84の2つの固視標光源を用いて固視標を被検者に提示する場合を例示した。しかし、固視標光源の数は2つに限定されず、単一の固視標光源又は3つ以上の固視標光源が代替として設けられてもよい。いずれの場合も、固視標光の(1つ又は複数の)供給源は、走査光の(1つ又は複数の)供給源、すなわち、本実施形態におけるSLOユニット32及びOCTユニット34とは異なる。本第2例示的実施形態では、4つの固視標光源を用いて固視標を被検者に提示する場合について説明する。
なお、本第2例示的実施形態では、上記第1例示的実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。説明では、主として、上記の第1の例示的実施形態と異なる部分を取り上げる。
本第2例示的実施形態に係る眼底観察装置10B(図1参照)は、上記第1例示的実施形態で説明した眼底観察装置10Aに比べ、一例として図9に示すように、第3固視標光源120、第4固視標光源122、及びフレーム124、126を有する点が異なる。
また、眼底観察装置10Bは、眼底観察装置10Aに比べ、一例として図3に示すように、二次記憶部78がプログラム80Aに代えてプログラム80Bを記憶している点が異なる。
第3固視標光源120は、本開示の技術に係る「第3の光源」の一例であり、第4固視標光源122は、本開示の技術に係る「第4の光源」の一例である。
一例として図9に示すように、第3固視標光源120及び第4固視標光源122は、スリットミラー66を挟んでZ方向で対峙する箇所に配置されており、第4固視標光源122は、第3固視標光源120よりも鏡面70A側に配置されている。
第3固視標光源120は、第1固視標光源82に隣り合うように配置されており、第1固視標光源82よりも鏡面70AからZ方向に離れた箇所に配置されている。また、第3固視標光源120は、フレーム124等によって筐体に固定されている。
第4固視標光源122は、第2固視標光源84に隣り合うように配置されており、第2固視標光源84よりもZ方向に鏡面70A寄りに配置されている。また、第4固視標光源122は、フレーム126等によって筐体に固定されている。
ここで、第3固視標光源124及び第4固視標光源122はどちらも、光量、波長、及びビーム径等の光の特性が第1固視標光源82及び第2固視標光源84と同一の固視標光を射出するLEDである。また、第3固視標光源124及び第4固視標光源122はどちらも、制御装置13の制御下で、点灯及び消灯が選択的に行われる。
本第2例示的実施形態において、固視標光は、第1固視標光と、第2固視標光と、第3固視標光源120から射出される第3固視標光と、第4固視標光源122から射出される第4固視標光とに大別される。なお、本第2例示的実施形態では、説明の便宜上、第1〜第4固視標光を区別せずに説明する場合、単に「固視標光」と称する。また、図9〜図11において、一点鎖線で示す光路は照射光の光路であり、固視標光の光路は二点鎖線で示している。
一例として図10及び図11に示すように、第3端部β1と第4端部β2との間で往復して信号光が照射される場合、H−ガルバノミラー68の振動数は、例えば、25Hz(ヘルツ)である。なお、ここで、第3端部β1とは、一例として、第2照射領域βのX方向における一方の最外端部を指し、第4端部β2とは、一例として、第2照射領域βのX方向における他方の最外端部を指す。
一例として図10に示すように、第3固視標光源120は、H−ガルバノミラー68の鏡面68Aの向きが第3の向きの場合に第3固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射されるように配置されている。第3固視標光源120は、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合にのみ点灯される。したがって、第3固視標光源120は、鏡面68Aの向きが第3の向きのときに点灯され、鏡面68Aがすべての他の向きであるときには点灯されない。なお、ここで、第3の向きとは、例として、一例として図10に示すように第3端部β1に照射光が照射される場合の鏡面68Aの向きを指す。第3固視標光源120は、より一般的には、鏡面68Aが予め定められた向きに向けられているときにのみ点灯させることができ、前記予め定められた向きは、眼底における固視標光の照射箇所を変えるように調節可能である。
鏡面68Aの向きが第3の向きの場合、第3固視標光は、鏡面68A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合、第3固視標光は、鏡面68Aで反射し、反射した第3固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第3固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
一例として図11に示すように、第4固視標光源122は、鏡面68Aの向きが第4の向きの場合に第4固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射されるように配置されている。第4固視標光源122は、鏡面68Aの向きが第4の向きの場合にのみ点灯される。したがって、第4固視標光源122は、鏡面68Aの向きが第4の向きのときに点灯され、鏡面68Aがすべての他の向きであるときには点灯されない。なお、ここで、第4の向きとは、一例として図11に示すように、第4端部β2に照射光が照射される場合の鏡面68Aの向きを指す。第4固視標光源122は、より一般的には、鏡面68Aが予め定められた向きに向けられているときにのみ点灯させることができ、前記予め定められた向きは、眼底における固視標光の照射箇所を変えるように調節可能である。
鏡面68Aの向きが第4の向きの場合、第4固視標光は、鏡面68A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第4の向きの場合、第4固視標光は、鏡面68Aで反射し、反射した第4固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第4固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
なお、鏡面68Aの向きが第3の向きでも第4の向きでもない場合、すなわち、照射光が第3端部β1又は第4端部β2に照射されない場合、第3固視標光源120及び第4固視標光源122は消灯される。
なお、本第2例示的実施形態では、上述したように、H−ガルバノミラー68が25Hzで回転動作するので、第3固視標光源120の点灯及び第4固視標光源122の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させることができる。本第2例示的実施形態では、OCTモードにおいて、H−ガルバノミラー68が25Hzで回転動作する場合を例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、H−ガルバノミラー68の向きの変更速度は、第3固視標光源120の点灯及び第4固視標光源122の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させる速度であればよい。ただし、H−ガルバノミラー68の向きの変更速度に関係なく、第3及び第4の固視標光源120及び122は、上記のH−ガルバノミラー68が第3及び第4の向きにあるときにのみ点灯されて被検者の網膜に各自の第3及び第4の固視標光を照射するようにCPU74によって制御され、その結果、被検者は固視標を1つの場所に固定されたものとして知覚する。
次に、眼底観察装置10Bの本開示の技術に係る部分の作用として、OCTモードで眼底の撮像が行われる場合にプログラム80Bに従うことでCPU74によって実行される固視標光制御処理について図12を参照して説明する。
図12に示す固視標光制御処理では、ステップ150で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1か否かを判定する。ステップ150において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ152へ移行する。ステップ150において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ156へ移行する。
ステップ152で、CPU74は、第1固視標光源82を既定時間(例えば、上記第1例示的実施形態で説明した第1固視標光源82と同一の点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ154へ移行する。
ステップ156で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2か否かを判定する。ステップ156において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ158へ移行する。ステップ156において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ160へ移行する。
ステップ158で、CPU74は、第2固視標光源84を既定時間(例えば、第1固視標光源82と同じ点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ154へ移行する。
ステップ160で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第3端部β1か否かを判定する。ステップ160において、信号光の眼底での照射位置が第3端部β1の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ162へ移行する。ステップ160において、信号光の眼底での照射位置が第3端部β1でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ164へ移行する。
ステップ162で、CPU74は、第3固視標光源120を既定時間(例えば、第1固視標光源82と同じ点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ154へ移行する。
ステップ164で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第4端部β2か否かを判定する。ステップ164において、信号光の眼底での照射位置が第4端部β2の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ166へ移行する。ステップ164において、信号光の眼底での照射位置が第4端部β2でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ150へ移行する。
ステップ166で、CPU74は、第4固視標光源122を既定時間(例えば、第1固視標光源82と同じ点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ154へ移行する。
ステップ154で、CPU74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ154において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、処理がステップ150へ移行する。ステップ154において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本固視標光制御処理を終了する。
以上説明したように、眼底観察装置10Bは、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合に点灯する第3固視標光源120と、鏡面68Aの向きが第4の向きの場合に点灯する第4固視標光源122とを備えている。したがって、眼底観察装置10Bによれば、第2照射領域βに対応した固視標の提示を実現することができる。
また、眼底観察装置10Bでは、鏡面68Aの向きの変更速度が、第3固視標光源120の点灯及び第4固視標光源122の点灯を残像現象により連続した点灯として被検眼38を通して被検者に知覚させる速度とされている。したがって、眼底観察装置10Bによれば、照射光(ここでは一例として信号光)を第2照射領域βに照射させて撮像を行う場合に、被検者に対して固視標を途切れることなく視認させることができる。
第3例示的実施形態
上記の第2例示的実施形態では、撮像エリアを第1照射領域αから第2照射領域βに拡張した場合の被検者への固視標の提示を実現すべく、4つの光源を用いた。しかし、網膜の周辺領域を撮像する際に視線の固定を維持するために、さらなる固視標光源を追加することは、眼底観察装置内の空間の制約から実際的でない場合もある。そのような場合に有用であり得る、3つの光源を用いて被検者へ固視標を表示する第3の例示的実施形態について以下説明する。
なお、本第3例示的実施形態では、上記第1及び第2例示的実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。説明では、主に上記の各例示的実施形態と異なる部分を取り上げる。
本第3例示的実施形態に係る眼底観察装置10C(図1参照)は、上記第2例示的実施形態で説明した眼底観察装置10Bに比べ、一例として図13に示すように、第4固視標光源122、及びフレーム124、126を含まない点が異なる。
また、眼底観察装置10Cは、眼底観察装置10Bに比べ、一例として図13に示すように、平面ミラー182を有する点、及び第3固視標光源120に代えて第3固視標光源180を有する点が異なる。
また、眼底観察装置10Cは、本実施形態のように、眼底観察装置10Bに比べ、一例として図14〜図16に示すように、リンク機構181及び駆動源186を含んでもよい点が異なる。
さらに、眼底観察装置10Cは、眼底観察装置10Bに比べ、一例として図3に示すように、二次記憶部78がプログラム80Bに代えてプログラム80Cを記憶している点が異なる。
第3固視標光源180は、本開示の技術に係る「光源」の一例である。第3固視標光源180は、光量、波長、及びビーム径等の光の特性が第1固視標光源82及び第2固視標光源84と同一の固視標光を射出するLEDである。第3固視標光源180は、制御装置13の制御下で、点灯及び消灯が選択的に行われる。
本第3例示的実施形態において、固視標光は、第1固視標光と、第2固視標光と、第3固視標光源180から射出される第3固視標光とに大別される。なお、本第3例示的実施形態では、説明の便宜上、第1〜第3固視標光を区別せずに説明する場合、単に「固視標光」と称する。また、図13〜図16において、一点鎖線で示す光路は照射光の光路であり、固視標光の光路は二点鎖線で示している。
一例として図13に示すように、第3固視標光源180は、楕円面鏡70の鏡面70Aにおいて、照射(走査)光の光路から外れた位置に配置され、鏡面70Aに固定されている。特に、第3固視標光源180からの第3固視標光の光路は、鏡面68Aを経由して被検眼38の眼底まで通るものではない。
一例として図14〜図16に示すように、眼底観察装置10Cは、本実施形態のように、本開示の技術に係る「移動機構」の一例であるリンク機構181を含むことができる。また、眼底観察装置10Cは、制御装置13の制御下で動力を生成して出力する駆動源186を含んでもよい。なお、本第3例示的実施形態では、駆動源186の一例としてソレノイドを採用しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではく、例えば、ステッピングモータ等の他の駆動源でも代替可能である。
リンク機構181は、動力伝達アーム184及び回転部材183を含む。一例として図15及び図16に示すように、回転部材183の基端部は、回転軸Pによって動力伝達アーム184の先端部に軸支されており、回転部材183の先端には、平面ミラー182が固定されている。
動力伝達アーム184の基端部は駆動源186に接続されており、動力伝達アーム184は、駆動源186によって生成された動力を回転部材183に伝達することで、平面ミラー182の鏡面182Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる。なお、鏡面182Aは、本開示の技術に係る「第2反射面」の一例である。ここでは、一例として、平面状に形成された鏡面182Aを有する平面ミラー182を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、平面ミラー182に代えて、固視標光を眼底の中央部に正対した状態で照射可能に形成された凸面状又は凹面状等の鏡面を有するミラーであってもよい。
なお、本第3例示的実施形態において、第1の位置とは、鏡面68Aの向きが上記第2例示的実施形態で説明した第3の向き又は第4の向きの場合に、鏡面182Aが第3固視標光を反射し、反射した第3固視標光を鏡面70Aを介して眼底に正対した状態で照射させる位置を指す。第2の位置とは、第1照射領域αに照射光が照射される場合の照射光の光路から外れた位置を指す。
本第3例示的実施形態では、駆動源186としてソレノイドが採用されているので、ソレノイドの鉄芯の直進力をリンク機構181で回転力に変換することで鏡面182Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる。
一例として図14に示すように、第3固視標光源180は、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合に第3固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射されるように配置されている。
鏡面68Aの向きが第3の向きの場合、第3固視標光は、鏡面68A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合、第3固視標光は鏡面182Aで反射し、反射した第3固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第3固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。このように、第3固視標光は鏡面68Aで反射しない。
一例として図15に示すように、第3固視標光源180は、鏡面68Aの向きが上記第2例示的実施形態で説明した第4の向きの場合に第4固視標光が眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射されるように配置されている。
鏡面68Aの向きが第4の向きの場合、第4固視標光は、鏡面182A及び鏡面70Aを介して眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に照射される。つまり、鏡面68Aの向きが第4の向きの場合、第4固視標光は、鏡面182Aで反射し、反射した第4固視標光は鏡面70Aでさらに反射し、鏡面70Aで反射した第4固視標光は、眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。このように、第4固視標光は鏡面68Aで反射しない。
第3固視標光源180は、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きの場合にのみ点灯される。
一例として図16に示すように、鏡面68Aの向きが第3の向きでも第4の向きでもない場合、すなわち、例えば、照射光が第3端部β1又は第4端部β2に照射されない場合、鏡面182Aは、第2の位置から退避した状態となり、第3固視標光源180は消灯される。
次に、眼底観察装置10Cの本開示の技術に係る部分の作用として、OCTモードで眼底の撮像が行われる場合にCPU74がプログラム80Cに従うことでCPU74によって実行される固視標光制御処理について図17を参照して説明する。
図17に示す固視標光制御処理では、先ず、ステップ200で、CPU74は、H−ガルバノミラー68の位置が第2照射範囲対応位置か否かを判定する。ここで、第2照射範囲対応位置とは、信号光が第2照射範囲βに照射される場合のH−ガルバノミラー68の位置を指す。
ステップ200において、H−ガルバノミラー68の位置が第2照射範囲対応位置の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ202へ移行する。ステップ200において、H−ガルバノミラー68の位置が第2照射範囲対応位置でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ214へ移行する。
ステップ202で、CPU74は、平面ミラー182の鏡面182Aの位置が第2の位置か否かを判定する。ステップ202において、平面ミラー182の鏡面182Aの位置が第2の位置の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ204へ移行する。ステップ202において、平面ミラー182の鏡面182Aの位置が第2の位置でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ208へ移行する。
ステップ204で、CPU74は、駆動源186を制御することで、平面ミラー182の鏡面182Aを第1の位置に移動させ、その後、処理がステップ206へ移行する。
ステップ206で、CPU74は、第3固視標光源180を既定時間(例えば、上記の第1例示的実施形態で説明した第1固視標光源82と同一の点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ208へ移行する。
ステップ208で、CPU74は、既定時間内に信号光が第1照射領域α内に照射されるか否かを判定する。なお、本ステップ208での「既定時間」とは、平面ミラー182の鏡面182Aを第1の位置から第2の位置に退避させる迄に要する時間として実機による試験又はコンピュータシミュレーション等の結果から予め定められた時間を指す。
ステップ208において、既定時間内に信号光が第1照射領域α内に照射される場合は、判定が肯定されて、処理がステップ210へ移行する。ステップ208において、既定時間内に信号光が第1照射領域α内に照射されない場合は、判定が否定されて、処理がステップ212へ移行する。
ステップ210で、CPU74は、駆動源186を制御することで、平面ミラー182の鏡面182Aを第2の位置に退避させ、その後、処理がステップ212へ移行する。
ステップ214で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1か否かを判定する。ステップ214において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ216へ移行する。ステップ214において、信号光の眼底での照射位置が第1端部α1でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ218へ移行する。
ステップ216で、CPU74は、第1固視標光源82を既定時間(例えば、第3固視標光源180と同じ点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ212へ移行する。
ステップ218で、CPU74は、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2か否かを判定する。ステップ218において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ220へ移行する。ステップ218において、信号光の眼底での照射位置が第2端部α2でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ212へ移行する。
ステップ220で、CPU74は、第2固視標光源84を既定時間(例えば、第3固視標光源180と同じ点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ212へ移行する。
ステップ212で、CPU74は、終了条件を満足したか否かを判定する。ステップ212において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、処理がステップ200へ移行する。ステップ212において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、本固視標光制御処理を終了する。
以上説明したように、眼底観察装置10Cでは、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きの場合に鏡面182Aが第1の位置に配置され、第3固視標光を鏡面182Aで反射させて眼底の中心部に照射させている。また、眼底観察装置10Cは、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きでない場合に鏡面182Aを第2の位置に退避させる。したがって、眼底観察措置10Cによれば、第2照射領域βに対応した固視標の提示を実現することができる。
制御装置13は、すべての走査視野に対して(好ましくは中央の)視線固定を提供するために、眼底観察装置10Cによって眼底のどの部分が撮像されるのかに応じて、光源82、84、及び180のうち1つの光源を選択するように構成されてもよい。より詳細には、制御装置13は、例えば、眼底観察装置10Cで眼底を撮像する前に被検眼38の視線を固定するために、先ずは静的固定モードで動作して患者アライメントモジュール(PAM)を制御することができる。制御装置13は次いで、眼底観察装置10Cによって眼底が撮像される間、動的固定モードでの動作に切り替わり、眼底の中央領域又は周辺領域の撮像中に(中央の)視線固定を提供するために固視標光源82、84、及び180の少なくとも1つを選択し、選択された(1つ又は複数の)光源による固視標光の照射を制御し、(i)鏡面68Aの向き、(ii)走査中に鏡面68Aの向きが変化する範囲、(iii)鏡面68Aの向きの変更速度、のうち少なくとも1つを示す情報に基づいて、選択された光源によって照射された固視標光が被検眼38の視線を固定するための予め定められた光路を辿るように、移動機構による鏡面182Aの位置決めを制御する処理を行うことができる。
制御装置13は、固視標光源を選択し、鏡面182Aの位置を設定するために、本明細書に記載されるような「固定制限マップ」を使用してもよい。固定制限マップは、H−ガルバノミラーの向きが範囲とする2次元空間内の領域(本明細書では「走査オフセット」とも呼ぶ)を第1の変数として定義し、走査中に実現されるH−ガルバノミラー68の向きの範囲(本明細書では「走査幅」とも呼ぶ)を第2の変数として定義し、各領域は、その領域を範囲とする走査オフセット及び走査幅の範囲で使用するのに適した固視標光源のうちの1つ又は複数に関連付けられる。例えば、第2の実施形態の4つの固視標光源28、28、120、及び122を本実施形態の固視標光源180と組み合わせる実施形態では、制御装置13は、図18に示されるような記憶された固定制限マップを使用して、視線固定のための固視標光源を選択することができる。固定制限マップは、固視標光源からの固定光が、被検眼の視線を固定するための予め定められた個々の光路を辿ることを可能にするH−ガルバノミラー68の個々の向きを求めることによって、且つこの情報を使用して、走査中に実現されるH−ガルバノミラーの向き(走査オフセット)とH−ガルバノミラー68の向きの範囲(走査幅)との各検討される組み合わせに対して、(1つ又は複数の)固視標光源のうちどれを使用できるかを決定することによって得られる。図18に示す例示的固定制限マップは、固視標光源82、84、120、及び122のうちの1つ又は複数を使用する中央固定を使用できる領域(図18では網がけされている)と、平面ミラー182を第1の位置にして固視標光源180を使用する周辺固定を使用できる領域(図18では網がけしていない)と、固視標光源180及び第1の位置にある平面ミラー182との組み合わせで固視標光源82、84、120、及び122のうちの2つ以上を使用できる領域(図18では網がけしていない部分と破線との間に示している)と、を有する。固定制限マップに従って2つ以上の固視標光源を使用した視線固定が可能である場合、それらの固視標光源のうちの1つ又は複数を、予め定められた階層(換言すると、割り当てられた優先順位)に応じて選択することができる。各固視標光源82、84、120、122、及び180のオン期間も決定することができ、最小の「オン」期間は、固視標の明るさによって決定され、最大の「オン」期間は、H−ガルバノミラー68の移動によるボケ効果によって決定される。
制御装置13は、記憶された固定制限マップを使用して、走査パラメータ(走査オフセット及び走査幅)が中央固定及び/又は周辺固定の条件を満たすかどうかを判定することができる。周辺固定の条件が満たされる場合、制御装置13は、移動機構を制御して鏡面182Aを第1の位置に設定し、第3固視標光源180をオンにすることができる。一方、固定制限マップ及び予め定められた階層を使用して固視標光源82、84、120、及び122のうち1つを使用した中央固定が選択される場合は、上記のように、選択された固視標光源が、制御装置13によって制御されて、該当するH−ガルバノミラーの向きでオンになる。視線固定に使用されている固視標光源は、被検眼38の撮像中に走査箇所が変わるのに伴って動的に変更することができる。
なお、上記第3例示的実施形態では、駆動源186で生成された駆動力をリンク機構181に伝達することで鏡面182Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにしたが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、図21に示すように、駆動源186に代えて手動式のレバー270を採用してもよい。
この場合、手動式のレバー270の一端部は、リンク機構181の動力伝達アーム184の基端部に固定されており、レバー270を破線矢印方向に移動させることで回転部材183を回転させ、鏡面182Aを第1の位置と第2の位置との間で移動させる。そして、鏡面182Aを第1の位置に配置した状態で第3固視標光源180を点灯させる。なお、鏡面182Aが第1の位置に移動した場合に平面ミラー182がセンサ(図示省略)によって検知され、平面ミラー182がセンサによって検知された場合に制御装置13の制御下で第3固視標光源180が点灯されるようにすればよい。また、受付デバイス22によって受け付けられた特定の指示に応じて第3固視標光源180が点灯されるようにしてもよい。一例として図21に示す構成によれば、SLOモードで眼底を撮像する場合、撮像に先立って被検者に第3固視標光を視認させることで、被検者の視線を固定させることが可能となる。
第4例示的実施形態
上記第3例示的実施形態では、第3固視標光源180の位置が固定されている場合について説明したが、本第4例示的実施形態では、可動式の第3固視標光源232(図19参照)を適用した場合について説明する。
なお、本第4例示的実施形態では、上記第1〜第3例示的実施形態で説明した構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。説明では、主に上記の各例示的実施形態と異なる部分を取り上げる。
本第4例示的実施形態に係る眼底観察装置10D(図1参照)は、上記第3例示的実施形態に係る眼底観察装置10Cに比べ、一例として図19に示すように、平面ミラー182に代えて台座230を有する点が異なる。
また、眼底観察装置10Dは、眼底観察装置10Cに比べ、第3固視標光源180に代えて第3固視標光源232を有する点が異なる。
また、眼底観察装置10Dは、眼底観察装置10Cに比べ、一例として図3に示すように、二次記憶部78がプログラム80Cに代えてプログラム80Dを有する点が異なる。
一例として図19に示すように、眼底観察装置10Dは、本実施形態のように、回転部材183の先端に固定された台座230を備えることができ、台座230の中央部には第3固視標光源232を固定することができる。
第3固視標光源232の固視標光の特性は、上記第3例示的実施形態で説明した第3固視標光源180の固視標光の特性と同一であり、第3固視標光源232は、制御装置13の制御下で、点灯及び消灯が選択的に行われる。
本第4例示的実施形態において、固視標光は、第1固視標光と、第2固視標光と、第3固視標光源232から射出される第3固視標光とに大別される。なお、本第4例示的実施形態では、説明の便宜上、第1〜第3固視標光を区別せずに説明する場合、単に「固視標光」と称する。また、図19において、一点鎖線で示す光路は照射光の光路であり、固視標光の光路は二点鎖線で示している。
動力伝達アーム184は、駆動源186によって生成された動力を回転部材183に伝達することで、第3固視標光源232を第1の位置(例えば、図19に示す位置)と第2の位置との間で移動させることができる。ここで、第1の位置とは、鏡面68Aの向きが上記第2例示的実施形態で説明した第3の向き又は第4の向きの場合に第3固視標光源232から射出した第3固視標光を鏡面70Aが反射し、反射した第3固視標光を眼底に正対した状態で照射させる位置を指す。第2の位置とは、第1照射領域αに照射光が照射される場合の照射光の光路から外れた位置を指す。
鏡面68Aの向きが第3の向きの場合、第3固視標光源232は第1の位置に配置され、第3固視標光源232からの第3固視標光は、鏡面70Aで反射し、鏡面70Aで反射した第3固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
鏡面68Aの向きが第4の向きの場合、第3固視標光源232は第1の位置に配置され、第3固視標光源232からの第3固視標光は、鏡面70Aで反射し、鏡面70Aで反射した第3固視標光は眼底に対して正対した状態で第1照射領域αの中央部に到達する。
第3固視標光源232は、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きの場合にのみ点灯される。
なお、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きでない場合、すなわち、例えば、照射光が第3端部β1又は第4端部β2に照射されない場合、第3固視標光源232は、第2の位置から退避した状態となり、第3固視標光源232は消灯される。
次に、眼底観察装置10Dの本開示の技術に係る部分の作用として、OCTモードで眼底の撮像が行われる場合にCPU74がプログラム80Dに従うことでCPU74によって実行される固視標光制御処理について図20を参照して説明する。なお、図17に示すフローチャートのステップと同一のステップについては同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図29に示す固視標光制御処理は、図17に示す固視標光制御処理に比べ、ステップ202〜206に代えてステップ250〜254を有する点、及びステップ210に代えてステップ256を有する点が異なる。
ステップ250で、CPU74は、第3固視標光源232の位置が第2の位置か否かを判定する。ステップ250において、第3固視標光源232の位置が第2の位置の場合は、判定が肯定されて、処理がステップ252へ移行する。ステップ250において、第3固視標光源232の位置が第2の位置でない場合は、判定が否定されて、処理がステップ208へ移行する。
ステップ252で、CPU74は、駆動源186を制御することで、第3固視標光源232を第1の位置に移動させ、その後、処理がステップ254へ移行する。
ステップ254で、CPU74は、第3固視標光源232を既定時間(例えば、上記第1例示的実施形態で説明した第1固視標光源82と同一の点灯時間)だけ点灯させ、その後、処理がステップ208へ移行する。
ステップ256で、CPU74は、駆動源186を制御することで、第3固視標光源232を第2の位置に退避させ、その後、処理がステップ212へ移行する。
以上説明したように、眼底観察装置10Dでは、鏡面68Aの向きが第3の向きの場合又は第4の向きの場合に第3固視標光源232が第1の位置に配置され、第3固視標光を鏡面70Aで反射させて眼底の中心部に照射させている。また、眼底観察装置10Dは、鏡面68Aの向きが第3の向き又は第4の向きでない場合に第3固視標光源232を第2の位置に退避させる。したがって、眼底観察措置10Dによれば、眼底の周辺部である第2照射領域βに対応した固視標の提示を実現することができる。
上記の第3の実施形態と同様に、制御装置13は、図18に示す種類の固定制限マップを使用して、光源82、84、及び232のうちから光源を選択し、選択された光源による固視標光の照射を制御し、(i)鏡面68Aの向き、(ii)鏡面68Aの向きの範囲、(iii)鏡面68Aの向きの変更速度、のうちの少なくとも1つを示す情報に基づいて、選択された光源によって照射された固視標光が被検眼38の視線を固定するための予め定められた光路を辿るように、移動機構による第3固視標光源232の位置決めを制御するように構成されてもよい。
なお、上記の第4例示的実施形態では、駆動源186で生成された駆動力をリンク機構181に伝達することで第3固視標光源232を第1の位置と第2の位置との間で移動させるようにしたが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、図22に示すように、駆動源186に代えて手動式のレバー270を採用してもよい。
この場合、手動式のレバー270の一端部は、リンク機構181の動力伝達アーム184の基端部に固定されており、レバー270を破線矢印方向に移動させることで回転部材183を回転させ、第3固視標光源232を第1の位置と第2の位置との間で移動させる。そして、第3固視標光源232を第1の位置に配置した状態で第3固視標光源232を点灯させる。なお、第3固視標光源232が第1の位置に移動した場合、第3固視標光源232又は台座230がセンサ(図示省略)によって検知され、第3固視標光源232又は台座230がセンサによって検知された場合に制御装置13の制御下で第3固視標光源232が点灯されるようにすればよい。また、受付デバイス22によって受け付けられた特定の指示に応じて第3固視標光源232が点灯されるようにしてもよい。一例として図22に示す構成によれば、SLOモードで眼底を撮像する場合、撮像に先立って被検者に第3固視標光を視認させることで、被検者の視線を固定させることが可能となる。
上記各例示的実施形態では、スリットミラー66及び楕円面鏡70による一対の凹面鏡を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スリットミラー66に代えて、傾斜球面鏡、非球面鏡、一対のパラボラ鏡、一対の放物面鏡、若しくはレンズ系、又はこれらを適宜に組み合わせた光学系を適用してもよい。
上記各例示的実施形態ではプログラム80A、80B、80C、80D(以下、単に「プログラム80A等」と称する)を二次記憶部78から読み出す場合を例示したが、必ずしも最初から二次記憶部78に記憶させておく必要はない。例えば、図23に示すように、SSD(Solid State Drive)USB(Universal Serial Bus)メモリ、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの任意の可搬型の記憶媒体300に先ずはプログラム80A等を記憶させておいてもよい。この場合、記憶媒体300のプログラム80A等が眼底観察装置10A(10B、10C、10D)(以下、「眼底観察装置10A等」と称する)にインストールされ、インストールされたプログラムがCPU74によって実行される。
通信網(図示省略)を介して眼底観察装置10A等に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部にプログラム80A等を記憶させておき、プログラム80A等が眼底観察装置10A等の要求に応じてダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされたプログラム80A等がCPU74によって実行される。
また、上記各例示的実施形態で説明した固視標光制御処理はあくまでも一例である。したがって、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。また、固視標光制御処理に含まれる各処理は、FPGA又はASIC等のハードウェア構成のみで実現されてもよいし、コンピュータを利用したソフトウェア構成とハードウェア構成との組み合わせで実現されてもよい。
また、上記各例示的実施形態では、Y方向の走査を行うポリゴンミラー44及びY方向の走査を行うV−ガルバノミラー60を、ダイクロイックミラー64の光入射側に配置する例について説明したが、ダイクロイックミラー64を光軸方向にスリットミラーの焦点から離れた位置に配置し、Y方向の走査を行うポリゴンミラー44又はV−ガルバノミラー60をスリットミラーの焦点位置に配置してもよい。この場合、ポリゴンミラー44又はV−ガルバノミラー60は、SLO画像取得時及びOCT画像取得時に共通に使用される走査光学系として機能する。
また、SLO用の光及びOCT用の光が通過する共通の光軸をダイクロイックミラー64により生成する例について説明したが、ダイクロイックミラー64に代えて偏光ビームスプリッタ等のビームスプリッタ、又はハーフミラーなどの光学部材を用いてもよい。
上記各例示的実施形態では、図1に示すように、ポリゴンミラー44及びV−ガルバノミラー60を、ダイクロイックミラー64の光入射側に配置し、SLO及びOCTのX方向の走査を共通に行うH−ガルバノミラー68を、ダイクロイックミラー64の光出射側に配置した例について説明した。図24には、図1に示すSLOユニット32、OCTユニット34、及び共通光学系36に対応する構成が示されている。一例として図24に示すように、装置本体は、ダイクロイックミラー(Dichroic mirror)1064、SLOエンジン(engine)1032A、及びOCTエンジン(engine)1034Aを備えている。ダイクロイックミラー1064とSLOエンジン1032Aとの間には、走査システム(Scanning system)1044が配置されている。また、ダイクロイックミラー1064とOCTエンジン1034Aとの間には、走査システム1060が配置されている。ダイクロイックミラー1064と被検眼1038との間には、走査システム1068が配置されている。
なお、走査システム1044は、ポリゴンミラー44に対応し、SLOエンジン1032Aは、図1におけるSLOユニット32からポリゴンミラー44を除いた部分である。走査システム1060は、V−ガルバノミラー60に対応し、OCTエンジン1034Aは、図1におけるOCTユニット34からV−ガルバノミラー60を除いた部分である。走査システム1068は、H−ガルバノミラー68に対応する。
上記走査光学系としては、以下のように変形することができる。
図25には、走査光学系の第1の変形例が示されている。一例として図25に示すように、ダイクロイックミラー1064の一方(SLOエンジン1032A側)の光入射側に、SLO用の二次元走査光学系1104を配置し、ダイクロイックミラー1064の他方(OCTエンジン1034A側)の光入射側に、OCT用の二次元走査光学系1102を配置する。
図26には、走査光学系の第2の変形例が示されている。一例として図26に示すように、ダイクロイックミラー64の光出射側に、SLO及びOCTに共通に使用される二次元走査光学系1200を配置する。
また、上記で説明したいずれの走査光学系においても、X方向とY方向とを入れ替えても同様の走査が行えることは言うまでもない。
走査を中継する光学部材として楕円面鏡を使用する例について説明したが、放物面鏡などの他の凹面鏡を使用することができ、凹面鏡に代えてレンズ等の光学部材を使用することもできる。走査を中継する光学部材としては、複数の焦点を含む光学部材を使用することができる。この場合、光学部材、走査光学系、及び被検眼の位置関係は、以下の態様をとることができる。
第1態様では、1つの焦点位置f1に被検眼が配置され、他の1つの焦点位置f2にSLO及びOCTに共通に使用される二次元走査光学系が配置される。
第2態様では、1つの焦点位置f1に被検眼が配置され、他の1つの焦点位置f2にSLOに使用される二次元走査光学系が配置され、さらに他の1つの焦点位置f3にOCTに使用される二次元走査光学系が配置される。
第3態様では、1つの焦点位置f1に被検眼が配置され、他の1つの焦点位置f2にSLO及びOCTの両方に共通に使用される第1の方向に光を走査する一次元走査光学系が配置され、さらに他の1つの焦点位置f3にSLOに使用される第1の方向と交差する第2の方向(例えば、直交する方向)に光を走査する一次元走査光学系が配置され、さらに他の1つの焦点位置f3と光学的に等価な位置にOCTに使用される第2の方向に光を走査する一次元走査光学系が配置される。
なお、上記の各態様では、焦点位置に代えて、焦点位置と光学的に等価な位置に被検眼及び走査光学系を配置してもよい。
また、上記第2例示的実施形態では、第1固視標光源82、第2固視標光源84、第3固視標光源120、及び第4固視標光源122が選択的に使用される場合を例示したが、本開示の技術は、これに限定されるものではない。例えば、図27に示すように、第1固視標光源82及び第2固視標光源84を設けずに、第3固視標光源120及び第4固視標光源122を設けるようにしてもよい。なお、この場合、第1照射領域α及び第2照射領域βにより規定される領域、すなわち、第3端部β1から第4端部β2までの領域が本開示の技術に係る「中央領域」に相当し、第3固視標光源120は、本開示の技術に係る「第1の光源」として動作し、第4固視標光源122は、本開示の技術に係る「第2の光源」として動作する。
また、上記第3例示的実施形態では、リンク機構181を例示したが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、リンク機構181に代えて、第3及び第4固視標光を眼底に対して正対した状態で照射可能な第1の位置と照射光の光路から外れた第2の位置との間で鏡面182Aを移動させることが可能なシフト機構を用いてもよい。シフト機構の一例としては、ソレノイド又はステッピングモータの動力を受けて直進運動する機構が挙げられる。シフト機構は、鏡面182AをZ方向に移動させるものであってもよいし、鏡面182AをX方向に移動させるものであってもよいし、鏡面182AをY方向に移動させるものであってもよい。
同様に、第4例示的実施形態についても、第3及び第4固視標光を眼底に対して正対した状態で照射可能な第1の位置と照射光の光路から外れた第2の位置との間で第3固視標光源232を移動させることが可能なシフト機構を用いてもよい。
上記の第1の実施形態では、H−ガルバノミラー68の鏡面68A(反射面の一例)の第1の向きは、特定方向における眼底の中央領域の一方の端部である第1端部α1に光を照射させる。しかし、第1の光源82は、鏡面68Aの向きがこの特定の形になっているときに第1固視標光を照射するように構成する必要はなく、それに代えて、反射面が、眼底における固視標光の照射箇所を変えるように調節可能な事前定義された向きに向けられたときに点灯するように構成されてもよい。被検眼38の視線方向は、このため、いくつかの異なる方向に変化させてその方向に維持することができ、そのため、異なる視線方向に関連する、被検眼の眼底の異なる領域を撮像することができる。
本明細書に記載されたすべての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的且つ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。