JP2019167430A - 超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法 - Google Patents

超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械強度、耐摩耗性に優れる成形体を提供できる超高分子量ポリエチレン系共重合体、それを効率良く製造することが可能となる触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法を提供する。【解決手段】 特定の構造を有する遷移金属化合物(A)、特定の構造を有する脂肪族塩で変性された有機変性粘土(B)及び有機アルミニウム化合物(C)を含むメタロセン系触媒であり、それぞれの成分が特定の割合である超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、超高分子量ポリエチレン系共重合体、それを効率良く製造することが可能となる触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法に関するものであり、より詳細には、機械強度、耐摩耗性に優れる成形体を供給できる超高分子量ポリエチレン系共重合体、それを効率良く製造することが可能となる新規なメタロセン系の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法に関するものである。
従来、超高分子量ポリエチレンは、汎用のポリエチレンに比べ、耐衝撃性、自己潤滑性、耐摩耗性、摺動性、耐候性、耐薬品性、寸法安定性等に優れており、エンジニアリングプラスチックに匹敵する物性を有するものとして知られている。
しかし、超高分子量ポリエチレンは、その高い分子量故に、溶融時の流動性が低く、分子量が数万から約50万の範囲にある通常のポリエチレンのように混練押出により成形することは困難である。そこで、超高分子量ポリエチレンは、重合により得られた重合体粉末を直接焼結する方法、圧縮成形する方法、間歇圧縮させながら押出成形するラム押出機による押出成形方法、溶媒等に分散させた状態で押出成形した後、溶媒を除去する方法等の方法により成形されている。しかし、これらの成形加工法は、技術的難易度が高く、成形体を得るのが困難であるという課題、さらには、高分子鎖の絡み合いによる局部的な高粘度部位の存在やポリマー粒子の流動性不足等に起因して圧縮時に疎な部分が形成されることにより強度的に弱くなる部分が発生するため、得られる成形体が本来有するはずであろう機械的強度を発現することができず、機械的強度が比較的低くなるという課題があった。
そして、成形体とした際の機械的強度を上げる手段として、メタロセン触媒等の触媒を用いた分子量分布の狭い超高分子量ポリエチレンが提案されている(例えば特許文献1、2参照。)。
特許4868853号公報(例えば特許請求の範囲参照。) 特開2006−36988号公報(例えば特許請求の範囲参照。)
しかし、特許文献1、2に提案された超高分子量ポリエチレンにおいても、成形品としての性能向上は見られるものの、機械強度、耐摩耗性という点では、まだ満足できるものではなかった。
また、一般的な超高分子量ポリエチレンは分子量が高くなるほど、分子鎖どうしの絡み合いが解けにくくなるため、分子量が高くなることにより期待される効果を十分発現することができず、例えば、引張破断強度は、分子量300万程度で最大となり、それ以上に分子量を高くしても、逆に引張破断強度が低下するという課題があった。
さらには、ポリエチレンを改質する別の方策として、超高分子量ポリエチレンに短鎖分岐を導入することが考えられる。しかし、短鎖分岐を導入するために、エチレン/α−オレフィンの共重合を行った場合、α−オレフィンの供給に伴い、エチレン濃度が低下するため、分子量の低下が顕著となり、超高分子量化を達成することが困難となるという課題があった。
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、機械強度、耐摩耗性に優れる超高分子量ポリエチレン系共重合体の提供を目的とした、新規な超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法に関するものである。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の構造を有する遷移金属化合物(A)、特定の構造を有する脂肪族塩で変性した有機変性粘土(B)、及び特定の構造を有する有機アルミニウム化合物(C)を含むメタロセン系触媒により、α−オレフィンの供給による分子量の低下を抑制し、短鎖分岐導入量の多い超高分子量ポリエチレン系共重合体を効率良く製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、下記一般式(1)または(2)で表される遷移金属化合物(A)、
Figure 2019167430
Figure 2019167430
(式中、Rは各々独立して炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20の炭化水素置換基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルシリル基を有する炭素数6〜30のアリール基である。)
下記一般式(3)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
Figure 2019167430
(式中、Rは各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、Rは炭素数10以上のアルキル基であり、[A]はアニオンである。)
及び、下記一般式(4)で表される有機アルミニウム化合物(C)
Figure 2019167430
(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。)
を含むメタロセン系触媒であり、遷移金属化合物(A)と有機アルミニウム化合物(C)の金属原子当たりのモル比が遷移金属化合物(A):有機アルミニウム化合物(C)=1:10〜1:10000の範囲、また遷移金属化合物(A)と有機変性粘土(B)の重量比が遷移金属化合物(A):有機変性粘土(B)=1:5〜1:300の範囲であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒は、上記一般式(1)または(2)で表される遷移金属化合物(A)(以下、(A)成分と略記する場合がある。)、上記一般式(3)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)(以下、(B)成分と略記する場合がある。)、上記一般式(4)で表される有機アルミニウム化合物(C)(以下、(C)成分と略記する場合がある。)を含むメタロセン系触媒からなるものである。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を構成する遷移金属化合物(A)は、上記一般式(1)または(2)で示される遷移金属化合物であり、これら特定の構造であることにより、機械強度、耐摩耗性に優れた超高分子量ポリエチレン系共重合体を効率良く製造することが可能となる。そして、遷移金属はハフニウムである。ハフニウム以外の遷移金属である場合、ポリエチレン系共重合体の分子量を極めて高いものとすることが困難となる。また、フルオレニル基の2位及び/又は7位には特定のアミノ基を有するものであり、該アミノ基のRは各々独立して炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20の炭化水素置換基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルシリル基を有する炭素数6〜30のアリール基である。これら特定のアミノ基以外の置換基である場合、又は2位及び/又は7位以外の位置に該アミノ基が置換するものである場合、ポリエチレン系共重合体の分子量を極めて高いものとすることが困難となる。
そして、遷移金属化合物(A)の具体的例示として、例えばジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2、7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ビス(3,5−ジメチルベンゼンメタン)アミノ−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル){2,7−ビス[ビス(3,5−ジメチルベンゼンメタン)アミノ]−9−フルオレニル}ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ビス(4−tert−ブチルベンゼンメタン)アミノ−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル){2、7−ビス[ビス(4−tert−ブチルベンゼンメタン)アミノ]−9−フルオレニル}ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ビス(1−ナフタレンメタン)アミノ−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル){2、7−ビス[ビス(1−ナフタレンメタン)アミノ]−9−フルオレニル}ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ビス(9−アントラセンメタン)アミノ−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル){2、7−ビス[ビス(9−アントラセンメタン)アミノ]−9−フルオレニル}ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ビス(9−フェナントレンメタン)アミノ−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル){2、7−ビス[ビス(9−フェナントレンメタン)アミノ]−9−フルオレニル}ハフニウムジクロライド等を例示することができる。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を構成する有機変性粘土(B)は、上記一般式(3)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土であり、Rの具体的例示としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等の炭素数1〜30のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、イソプロポキシ基等の炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等の炭素数1〜30のアルキルアミノ基;トリメチルシリル基、トリtert−ブチルシリル基等炭素数1〜30のアルキルシリル基等を挙げることができ、Rの具体的例示としては、例えばデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、オレイル基、ベヘニル基等を挙げることができる。これら以外のものである場合、ポリエチレン系共重合体の分子量を極めて高いものとすることが困難となる。
また、[A]はアニオンであり、具体的例示としては、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、過塩素酸イオン、シュウ酸イオン、クエン酸イオン、コハク酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオンまたはヘキサフルオロリン酸イオン等を挙げることがきる。
該脂肪族塩の具体的例示としては、例えばN,N−ジメチル−デシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−テトラデシルアミン塩酸塩N,N−ジメチル−ヘキサデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−オクタドデシルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン塩酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンフッ化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミン臭化水素酸塩、N,N−ジメチル−ベヘニルアミンヨウ化水素酸塩等を挙げることができる。
また、有機変性粘土(B)を構成する粘土化合物としては、粘土化合物の範疇に属するものであればよく、中でも入手のしやすさと有機変性の容易さからスメクタイトが好ましく、特にスメクタイトのなかでもヘクトライト及び/又はモンモリロナイトがさらに好ましい。
有機変性粘土(B)が、これら特定の構造であることにより、機械強度、耐摩耗性に優れる超高分子量ポリエチレン系共重合体を効率良く製造することが可能となる触媒となる。
有機変性粘土(B)は、粘土化合物の層間に該脂肪族塩を導入し、イオン複合体を形成することにより得る事が可能である。有機変性粘土(B)を調製する際には、粘土化合物の濃度0.1〜30重量%、処理温度0〜150℃の条件を選択して処理を行うことが好ましい。また、該脂肪族塩は固体として調製して溶媒に溶解させて使用しても良いし、溶媒中での化学反応により脂肪族塩の溶液を調製してそのまま使用しても良い。粘土化合物と脂肪族塩の反応量比については、粘土化合物の交換可能なカチオンに対して当量以上の脂肪族塩を用いることが好ましい。処理溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;エチルアルコール、メチルアルコール等のアルコール類;エチルエーテル、n−ブチルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;アセトン;1,4−ジオキサン;テトラヒドロフラン;水、等を用いることができる。そして、好ましくは、アルコール類または水を単独もしくは溶媒の一成分として用いることである。
また、有機変性粘土(B)の粒径に制限はなく、その中でも触媒調製時の効率、超高分子量ポリエチレン系共重合体製造時の効率に優れるものとなることから1〜100μmであることが好ましい。その際の粒径を調節する方法にも制限はなく、大きな粒子を粉砕して適切な粒径にしても、小さな粒子を造粒して適切な粒径にしても良く、あるいは粉砕と造粒を組み合わせても良い。また、粒径の調節は有機変性前の粘土に行っても、変性後の有機変性粘土に行っても良い。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を構成する有機アルミニウム化合物(C)は、上記一般式(4)で表される有機アルミニウム化合物であり、Rはメチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素数1〜20の炭化水素基を挙げることができる。ここで、20を越える炭化水素基である場合、ポリエチレン系共重合体の分子量を極めて高いものとすることが困難となる。また、有機アルミニウム化合物以外の化合物、例えばホウ素系化合物、メチルアルモキサン系化合物を用いた場合、触媒により得られるポリエチレン系重合体は、成形加工性に劣るなどの課題を有するものとなる。
そして、有機アルミニウム化合物(C)としては、遷移金属化合物(A)を容易にアルキル化することが可能となることから、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
該超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を構成する該(A)成分、該(B)成分、および該(C)成分の使用割合は、(A)成分と(C)成分の金属原子当たりのモル比は(A)成分:(C)成分=1:10〜1:10000の範囲、特に生産効率に優れるものとなることから1:20〜1:500であることが好ましい。また、(A)成分と(B)成分の重量比が(A)成分:(B)成分=1:5〜1:300にある。これら範囲以外のものである場合、超高分子量化、共重合化を達成することが困難となる。
該超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の調製方法に関しては、該(A)成分、該(B)成分および該(C)成分を含む超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を調製することが可能であれば如何なる方法を用いてもよく、例えば(A)成分、(B)成分、(C)成分に関して不活性な溶媒中あるいは重合を行うモノマーを溶媒として用い、混合する方法などを挙げることができる。また、これらの成分を反応させる順番に関しても制限はなく、この処理を行う温度、処理時間も制限はない。また、(A)成分、(B)成分、(C)成分のそれぞれを2種類以上用いて超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を調製することも可能である。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体用製造触媒を用い、超高分子量ポリエチレン系共重合体を製造する際の重合温度、重合時間、重合圧力、モノマー濃度などの重合条件については任意に選択可能であり、その中でも、重合温度30〜90℃、重合時間10秒〜20時間、重合圧力常圧〜100MPaの範囲で行うことが好ましい。また、重合時に水素などを用いて分子量の調節を行うことも可能である。重合はバッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法でも行うことが可能であり、重合条件を変えて、2段以上に分けて行うことも可能である。また、重合終了後に得られるエチレン系重合体は、従来既知の方法により重合溶媒から分離回収され、乾燥して得ることができる。
超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法としては、本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒を用い、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合を行う方法を挙げることができ、その際のα−オレフィンとしては、例えばプロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を挙げることができる。また、重合方法としては、例えば溶液重合法、塊状重合法、気相重合法、スラリー重合法等の方法を挙げることができ、その中でも、特に超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造が可能となると共に、超高分子量ポリエチレン系共重合体を効率よく安定的に製造することが可能となることからスラリー重合法であることが好ましい。また、スラリー重合法に用いる溶媒としては、一般に用いられている有機溶媒であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等が挙げられ、プロピレン、ブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1などのオレフィンを溶媒として用いることもできる。
そして、本発明により得られる超高分子量ポリエチレン系共重合体は、例えばエチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−ペンテン−1共重合体等のエチレン−α−オレフィン共重合体等を挙げることができる。
また、該超高分子量ポリエチレン系共重合体は、必要に応じて公知の各種添加剤を含んでいても良く、熱安定剤としては、例えば、テトラキス(メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート)メタン、ジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤、あるいはビス(2,2’,6,6’−テトラメチル−4−ピペリジン)セバケート、2−(2−ヒドロキシ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の耐候安定剤等が挙げられる。また、着色剤として無機系、有機系のドライカラーを添加しても良い。また、滑剤や塩化水素吸収剤等として公知であるステアリン酸カルシウム等のステアリン酸塩も、好適な添加剤として挙げることができる。
本発明により得られる超高分子量ポリエチレン系共重合体は、固有粘度が、25dl/g以上であることが好ましい。固有粘度が25dl/g以上であることにより、機械強度、耐摩耗性に優れた超高分子量ポリエチレン系共重合体となる。
また、本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体は、短鎖分岐数が5個/1000炭素数以上であることが好ましい。短鎖分岐数が5個/1000炭素数以上であることにより、機械強度、耐摩耗性に優れた超高分子量ポリエチレン系共重合体となる。
さらに、分子量分布(Mw/Mn)が3を越えて6以下、特に3を越えて5以下であることが好ましい。
本発明の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒およびそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法によって得られる超高分子量ポリエチレン系共重合体は、特定の固有粘度、融点を有することから、それより得られる成形体は、機械強度、耐摩耗性に優れるものとなる。
以下に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。なお、断りのない限り、用いた試薬等は市販品、あるいは既知の方法に従って合成したものを用いた。
有機変性粘土の粉砕にはジェットミル(セイシン企業社製、(商品名)CO−JET SYSTEM α MARK III)を用い、粉砕後の粒径はマイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製、(商品名)MT3000)を用いてエタノールを分散剤として測定した。
超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の調製、超高分子量ポリエチレン共重合体の製造および溶媒精製は全て不活性ガス雰囲気下で行った。トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(20wt%)は、東ソーファインケム(株)製を用いた。
さらに、実施例における超高分子量ポリエチレン系共重合体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
〜短鎖分岐数(SCB)の測定〜
ポリエチレン分子鎖中の短鎖分岐数(SCB)は、フーリエ変換型赤外吸収スペクトル装置(パーキンエルマー(株)製 FT−IRスペクトロメーター1760X)を用いて、1378cm−1に位置するメチル基に対応する吸収バンドの強度と4515〜3735cm−1に位置するメチレン連鎖に対応する強度の比を換算し求めた。
〜固有粘度の測定〜
ウベローデ型粘度計を用い、デカリンを溶媒として、135℃において、超高分子量ポリエチレン系共重合体濃度0.005wt%〜0.01wt%で測定した。
〜分子量分布の測定〜
分子量分布すなわち重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)は、GPCによって測定した。GPC装置(東ソー(株)製(商品名)HLC−8121GPC/HT)およびカラム(東ソー(株)製(商品名)TSKgel GMHhr−H(20)HT)を用い、カラム温度を140℃に設定し、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いて測定した。測定試料は1.0mg/mlの濃度で調製し、0.3ml注入して測定した。分子量の検量線は、分子量既知のポリスチレン試料を用いて校正した。
調製例1
[ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライド]の合成
(1)2−(ジベンジルアミノ)フルオレンの合成
反応器に2−アミノフルオレン(和光純薬工業株式会社製品)を9.1g/50mmol、炭酸カリウム(和光純薬工業株式会社製品)を41.5g/300mmol、ベンジルブロミド(東京化成工業株式会社製品)を28.2g/165mmol、および蒸留水を225mL仕込み、加熱することにより、環流を3時間行った。反応器を室温まで冷却し、酢酸エチル抽出、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、および溶媒除去を行うことにより、茶色油状のクルード反応生成物を得た。得られた反応生成物をメタノール洗浄することにより、ベージュ粉末の2−(ジベンジルアミノ)フルオレンを11.2g/31mmol得た。
(2)配位子の合成
窒素雰囲気下、反応器へ(1)により得られた2−(ジベンジルアミノ)フルオレンを9.0g/25.0mmol、THF(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を85mL仕込み、−50℃に冷却する。そこへ、n−ブチルリチウム(ヘキサン希釈品)(関東化学株式会社製品)を27.5mmolゆっくり加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。0℃に冷却し、6,6−ジフェニルフルベン(和光純薬工業株式会社製品)を5.8g/25.0mmol加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。水を30mL加え、2時間撹拌し、トルエン抽出、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、および溶媒除去を行うことにより、茶色油状のクルード反応生成物を得た。得られた反応生成物をヘキサン/メタノール混合液にて洗浄することにより、ベージュ粉末の配位子を8.9g/15.0mmol得た。
(3)ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドの合成
窒素雰囲気下、反応器へ(2)により得られた配位子を5.9g/10mmol、トルエン(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を100mL、THF(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を10mL仕込み、−50℃に冷却する。そこへ、n−ブチルリチウム(ヘキサン希釈品)(関東化学製品)22mmolをゆっくり加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。0℃に冷却し、塩化ハフニウム(和光純薬工業株式会社製品)を3.2g/10mmol加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。ろ過、濃縮した後、熱トルエンにてろ過、濃縮、および析出物の回収をすることにより、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを4.2g/5.0mmol得た。
調製例2
[ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル]ハフニウムジクロライド]の合成
(1)2,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオレンの合成
反応器に2,7−ジアミノフルオレン(和光純薬工業株式会社製品)を9.8g/50mmol、炭酸カリウム(和光純薬工業株式会社製品)を44.9g/325mmol、ベンジルブロミド(東京化成工業株式会社製品)を51.3g/300mmol、蒸留水を500mL、およびトルエンを250mL仕込み、その容器を加熱することにより、環流を3時間行った。反応器を室温まで冷却し、塩化メチレン抽出、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、および溶媒除去を行うことにより、茶色油状のクルード反応生成物を得た。得られた反応生成物をメタノール洗浄することにより、ベージュ粉末の2,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオレンを17.3g/31mmol得た。
(2)配位子の合成
窒素雰囲気下、反応器へ(1)により得られた2,7−ビス(ジベンジルアミノ)フルオレンを13.9g/25mmol、THF(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を85mL仕込み、−50℃に冷却する。そこへ、n−ブチルリチウム(ヘキサン希釈品)(関東化学製品)を27.5mmolゆっくり加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。0℃に冷却し、6,6−ジフェニルフルベンを5.8g/25mmol加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。水を30mL加え、2時間撹拌し、トルエン抽出、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥、ろ過、および溶媒除去を行うことにより、茶色油状のクルード反応生成物を得た。得られた反応生成物をヘキサン/メタノール混合液にて洗浄することにより、ベージュ粉末の配位子を11.8g/15mmol得た。
(3)ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル]ハフニウムジクロライドの合成
窒素雰囲気下、反応器へ(2)により得られた配位子を7.9g/10mmol、トルエン(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を100mL、THF(超脱水)(和光純薬工業株式会社製品)を10mL仕込み、−50℃に冷却する。そこへ、n−ブチルリチウム(ヘキサン希釈品)(関東化学製品)を22mmolゆっくり加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。0℃に冷却し、塩化ハフニウム(和光純薬工業株式会社製品)を3.2g/10mmol加え、室温に昇温後、24時間撹拌する。ろ過、濃縮した後、熱トルエンにてろ過、濃縮、および析出物回収の回収をすることにより、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル]ハフニウムジクロライドを5.2g/5.0mmol得た。
実施例1
(1)有機変性粘土の調製
1リットルのフラスコに工業用アルコール(日本アルコール販売社製、(商品名)エキネンF−3)300ml及び蒸留水300mlを入れ、濃塩酸15.0g及びジオレイルメチルアミン(ライオン株式会社製品)64.2g(120mmol)を添加し、45℃に加熱して合成ヘクトライト(Rockwood Additives社製、(商品名)ラポナイトRDS)を100g分散させた後、60℃に昇温させてその温度を保持したまま1時間攪拌した。このスラリーを濾別後、60℃の水600mlで2回洗浄し、85℃の乾燥機内で12時間乾燥させることにより160gの有機変性粘土を得た。この有機変性粘土はジェットミル粉砕して、メジアン径を15μmとした。
(2)超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いで調製例1にて得られたジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[2−(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル]ハフニウムジクロライドを0.84g(Hf原子換算にて1.0mmol)、及び20%トリイソブチルアルミニウム142ml(Al原子換算にて100mmol)を添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン7.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで54gの超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体を得た(活性:540g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体の物性を表1に示す。
実施例2
(1)有機変性粘土の調製
(2)超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
実施例1と同様に実施した。
(3)超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン15.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで87gの超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体を得た(活性:870g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体の物性を表1に示す。
実施例3
(1)有機変性粘土の調製
実施例1と同様に実施した。
(2)超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いで調製例2にて得られたジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)[2,7−ビス(ジベンジルアミノ)−9−フルオレニル]ハフニウムジクロライドを1.03g(Hf原子換算にて1.0mmol)、及び20%トリイソブチルアルミニウム142ml(Al原子換算にて100mmol)を添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン7.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られた超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで45gの超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体を得た(活性:450g/g触媒)。得られた超高分子量エチレン−1−ブテン共重合体の物性を表1に示す。
比較例1
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
(2)ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2−(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.72g(Hf原子換算にて1.0mmol)、及び20%トリイソブチルアルミニウム142ml(Al原子換算にて100mmol)を添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン7.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで53gのポリエチレン系共重合体を得た(活性:530g/g触媒)。得られたポリエチレン系共重合体の物性を表1に示す。
得られたポリエチレン系共重合体は、短鎖分岐数が少ないものであり、機械強度、耐摩耗性に期待できないものであった。
比較例2
(1)有機変性粘土の調製
実施例1の(1)と同様に行った。
(2)ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
温度計と還流管が装着された300mlのフラスコを窒素置換した後に(1)で得られた有機変性粘土25.0gとヘキサンを108ml入れ、次いでジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ビス(ジエチルアミノ)−9−フルオレニル)ハフニウムジクロライドを0.79g(Hf原子換算にて1.0mmol)、及び20%トリイソブチルアルミニウム142ml(Al原子換算にて100mmol)を添加して60℃で3時間攪拌した。45℃まで冷却した後に上澄み液を抜き取り、200mlのヘキサンにて2回洗浄後、ヘキサンを200ml加えて触媒懸濁液を得た(固形重量分:12wt%)。
(3)ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン7.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで42gのポリエチレン系共重合体を得た(活性:420g/g触媒)。得られたポリエチレン系共重合体の物性を表1に示す。
得られたポリエチレン系共重合体は、短鎖分岐数が少ないものであり、機械強度、耐摩耗性に期待できないものであった。
比較例3
(1)有機変性粘土の調製
(2)ポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液の調製
比較例2と同様に行った。
(3)ポリエチレン系共重合体の製造
2リットルのオートクレーブにヘキサンを1.2リットル、1−ブテン7.9g、20%トリイソブチルアルミニウムを1.0ml、(2)で得られたポリエチレン系共重合体製造用触媒の懸濁液を833mg(固形分100mg相当)加え、60℃に昇温後、分圧が0.87MPaになるようにエチレンを連続的に供給し、エチレン/1−ブテンの共重合をスラリー重合にて行った。180分経過後に脱圧し、スラリーを濾別後、乾燥することで660gのポリエチレン系共重合体を得た(活性:660g/g触媒)。得られたポリエチレン系共重合体の物性を表1に示す。
得られたポリエチレン系共重合体は、短鎖分岐数が少ないものであり、機械強度、耐摩耗性に期待できないものであった。
Figure 2019167430
本発明は、機械強度、耐摩耗性に優れる成形体を提供できる超高分子量ポリエチレン系共重合体、それを効率良く製造することが可能となる触媒、及びそれを用いてなる超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法を提供するものであり、各産業分野における新規な素材を提供するものとしてその可能性は極めて高いものである。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)または(2)で表される遷移金属化合物(A)、
    Figure 2019167430
    Figure 2019167430
    (式中、Rは各々独立して炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20の炭化水素置換基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルアミノ基を有する炭素数6〜30のアリール基、炭素数1〜20のアルキルシリル基を有する炭素数6〜30のアリール基である。)
    下記一般式(3)で表される脂肪族塩にて変性した有機変性粘土(B)、
    Figure 2019167430
    (式中、Rは各々独立して炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のアルキルアルコキシ基、炭素数1〜30のアルキルアミノ基、炭素数1〜30のアルキルシリル基であり、Rは炭素数10以上のアルキル基であり、[A]はアニオンである。)
    及び、下記一般式(4)で表される有機アルミニウム化合物(C)
    Figure 2019167430
    (式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。)
    を含むメタロセン系触媒であり、遷移金属化合物(A)と有機アルミニウム化合物(C)の金属原子当たりのモル比が遷移金属化合物(A):有機アルミニウム化合物(C)=1:10〜1:10000の範囲、また遷移金属化合物(A)と有機変性粘土(B)の重量比が遷移金属化合物(A):有機変性粘土(B)=1:5〜1:300の範囲であることを特徴とする超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒。
  2. 超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体製造用触媒であることを特徴とする請求項1に記載の超高分量ポリエチレン系共重合体製造用触媒。
  3. 請求項1又は2に記載の超高分子量ポリエチレン系共重合体製造用触媒の存在下、エチレン系単量体の重合を行うことを特徴とする超高分子量ポリエチレン系共重合体の製造方法。
  4. 固有粘度が25dl/g以上、短鎖分岐数が5個/1000炭素数以上であることを特徴とする超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体。
  5. 分子量分布が3を越え6以下であることを特徴とする請求項4に記載の超高分子量エチレン−α−オレフィン共重合体。
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