JP2019137172A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供すること。【解決手段】5°テーパーの規定リムRに装着される空気入りタイヤ1において、ビードコア21は、ビードコア底23が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に0°以上5°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜しており、ビード部20は、ビードベース部30が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に8°以上12°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜しており、タイヤ子午断面におけるビードコア中心CCを通り、且つ、ビードベース部30に平行な直線PL上でのタイヤ内面65とタイヤ外面60との距離をビード幅BWとする場合に、ビードコア21は、最大幅CWが(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内である。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
空気入りタイヤは、複数のビードワイヤを束ねてなる環状部材であるビードコアを有するビード部がリムホイールのリムに嵌合することにより、リムホイールに装着される。ビード部は、空気入りタイヤをリムホイールに装着する際に、リムホイールに対して実際に装着される部分であるため、従来の空気入りタイヤの中には、ビード部に種々の工夫を施すことにより、所望の性能の実現を図っているものがある。
例えば、特許文献1に記載された空気入りタイヤは、ビードコアをタイヤ幅方向に幅広の形状にすることにより、局所的な圧力を軽減してリムの損傷を抑制している。また、特許文献1に記載されたタイヤは、子午断面におけるビードベース部のビードヒール部を、曲率半径の大きな丸形輪郭にすることにより、リムへの装着の容易性を確保している。また、特許文献2に記載された重荷重用ラジアルタイヤは、ビードコアより半径方向内側のゴムの部分だけのリム装着前の総厚さとリム装着後の総厚さとの差である圧縮代をリム装着前の総厚さで除することによって定義されるコンプレッションファクターと、ビードコア最大幅に対するビードコア有効幅の比とを、それぞれ所定の範囲内にすることにより、重量増加を招くことなく耐リム滑り性を向上させている。
特許第5629275号公報 特開2010−188818号公報
ここで、空気入りタイヤは、様々なタイプの車両に装着されるが、そのうちの1つの種類である建設車両は、建設作業時には大きなトルクが車輪に伝達されることがある。例えば、建設車両の一例であるホイールローダーは、車両の前端に備えられるバケットによって土砂等を掬い上げた際に、前輪に大きな荷重が作用するため、この状態で走行をすると、前輪に大きなトルクが伝達される。このようなホイールローダーは、近年では高馬力化が図られており、車輪に伝達されるトルクが大きくなる傾向にあるため、車輪にとっては厳しい条件下で使用されることが多くなっている。このため、ホイールローダーのような建設車両に装着される車輪では、車両の高馬力化や、さらに使用条件の過酷化も伴って、リムとビード部との間の滑りである、いわゆるリム滑りが発生することがある。つまり、車輪に伝達されるトルクは、リムホイールからビード部を介して空気入りタイヤに伝達されるが、リムホイールからビード部に伝達されるトルクが大き過ぎる場合には、リムとビード部との間で滑りが発生してしまうことがある。このようにリムホイールと空気入りタイヤとの間でリム滑りが発生した場合、ビード部の内周面でありリムに接触する部分であるビードベース部のゴムが摩滅し、ビードベース部が損傷することがある。
このようなリム滑りの原因の1つとしては、ビード部によるリムの締め付け力不足が考えられる。ビード部の締め付け力を増加させるための手法としては、ビード部が有するビードコアの内径を小さくしたり、ビードベース部のビードヒール部の周長を小さくしたりすることが考えられる。しかし、ビードコアの内径やビードヒール部の周長を小さくした場合、ビード部の締め付け力は上がるものの、ビードベース部を構成するゴムの歪みのピークが局所的に大きくなり易くなる。この場合、ゴムが大きく歪むことに起因してビード部が損傷し易くなり、ビード耐久性が低下する虞がある。また、ビードベース部とリムとの間の一部の圧力が高くなり過ぎる場合、空気入りタイヤをリムホイールに装着する際におけるリム組み性が低下する虞がある。
一方で、ビードベース部とリムとの間の局所的な圧力を軽減する手法としては、特許文献1のようにビードコアを幅広にする手法が挙げられるが、ビードコアの幅を大きくし過ぎると、ビードコア周りでの歪みが大きくなり過ぎる虞がある。この場合、ビード部を構成する部材同士の間でセパレーションが発生し易くなり、耐久性が悪化する虞がある。これらのように、ビード耐久性を悪化させることなく、リム滑りを抑制するのは、大変困難なものとなっていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る空気入りタイヤは、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面の両側に配設される一対のビード部と、一対の前記ビード部のそれぞれに設けられるビードコアと、前記ビードコアのタイヤ径方向内側を通って前記ビードコアのタイヤ幅方向における内側と外側との間にかけて配設される補強層と、を備え、5°テーパーの規定リムに装着される空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ子午断面における形状が六角形で形成されると共に、前記ビードコアの内周面であるビードコア底が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に0°以上5°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜しており、前記ビード部は、前記ビード部の内周面であるビードベース部における少なくとも前記ビードコア底のタイヤ径方向内側に位置する部分が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に8°以上12°以下の範囲内で前記タイヤ回転軸に対して傾斜しており、タイヤ子午断面における前記ビードコアの中心を通り、且つ、前記ビードベース部に平行な直線上でのタイヤ内面とタイヤ外面との距離をビード幅BWとする場合に、前記ビードコアは、タイヤ子午断面における最大幅CWが、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内であることを特徴とする。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ビード幅BWは、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアは、タイヤ子午断面における最大幅CWとタイヤ径方向における高さCHとの関係が、1.0≦(CW/CH)<1.5の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記補強層は、コード部材をゴム部材によって被覆することにより構成され、前記ビード部は、タイヤ子午断面における前記ビードコア底の中心から、前記補強層における前記ビードコアのタイヤ径方向内側に位置する部分の前記コード部材の表面までのタイヤ径方向における距離が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記空気入りタイヤを前記規定リムに装着した場合における、前記ビードコアのタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率は、タイヤ子午断面における前記ビードコア底の中心のタイヤ径方向内側の位置で45%以上55%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ビードコア底の幅は、前記ビードベース部の幅の33%以上40%以下の範囲内であることが好ましい。
また、上記空気入りタイヤにおいて、前記ビードコアの最大幅の位置での前記ビードコアとタイヤ外面とのタイヤ幅方向における距離は、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]以上{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]以下の範囲内であることが好ましい。
本発明に係る空気入りタイヤは、ビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる、という効果を奏する。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤの要部を示す子午断面図である。 図2は、図1のA部詳細図である。 図3は、ビードコア底の傾斜についての説明図である。 図4は、ビードコアのタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率についての説明図である。 図5Aは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。 図5Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。
以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ1の回転軸であるタイヤ回転軸(図示省略)と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう側、タイヤ径方向外側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる側をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心軸とする周り方向をいう。また、タイヤ幅方向とは、タイヤ回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面(タイヤ赤道線)CLに向かう側、タイヤ幅方向外側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから離れる側をいう。タイヤ赤道面CLとは、タイヤ回転軸に直交すると共に、空気入りタイヤ1のタイヤ幅の中心を通る平面であり、タイヤ赤道面CLは、空気入りタイヤ1のタイヤ幅方向における中心位置であるタイヤ幅方向中心線と、タイヤ幅方向における位置が一致する。タイヤ幅は、タイヤ幅方向において最も外側に位置する部分同士のタイヤ幅方向における幅、つまり、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面CLから最も離れている部分間の距離である。タイヤ赤道線とは、タイヤ赤道面CL上にあって空気入りタイヤ1のタイヤ周方向に沿う線をいう。また、以下の説明では、タイヤ子午断面とは、タイヤ回転軸を含む平面でタイヤを切断したときの断面をいう。
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ORタイヤ(Off the Road Tire)と呼ばれる、建設車両用ラジアルタイヤになっている。本実施形態として図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ子午断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2は、ゴム組成物であるトレッドゴム2aによって構成されている。トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、接地面3として形成されている。
トレッド部2の接地面3には、タイヤ周方向に延びる周方向溝15やタイヤ幅方向に延びるラグ溝等の溝が複数形成されており、トレッド部2には、これらの溝によって複数の陸部10が区画形成されている。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端は、ショルダー部4として形成されており、ショルダー部4から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部5が配設されている。つまり、サイドウォール部5は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されている。サイドウォール部5は、ゴム組成物であるサイドゴム5aによって構成されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部5のタイヤ径方向内側には、ビード部20が位置しており、ビード部20は、サイドウォール部5と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されている。即ち、ビード部20は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に一対が配設されている。一対のビード部20のそれぞれにはビードコア21が設けられており、それぞれのビードコア21のタイヤ径方向外側にはビードフィラー50が設けられている。ビードコア21は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー50は、後述するカーカス6のタイヤ幅方向端部がビードコア21の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。また、ビードフィラー50は、ビードコア21の外周面に当接して配設されるローアーフィラー51と、ローアーフィラー51よりもタイヤ径方向外側寄りの位置に配設されるアッパーフィラー52とを有している。
ビード部20は、5°テーパーの規定リムRを有するリムホイールに装着することができるように構成されている。即ち、本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ビード部20と嵌合する部分がリムホイールの回転軸に対して5°±1°の傾斜角でタイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に向かう方向に傾斜する規定リムRに装着することが可能になっている。なお、規定リムRとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、或いはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。
トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、3枚以上のベルトプライを積層する多層構造をなし、一般的なORタイヤでは、4枚〜8枚のベルトプライが積層される。本実施形態では、ベルト層7は5層のベルトプライ7a,7b,7c,7d,7eが積層されている。このようにベルト層7を構成するベルトプライ7a,7b,7c,7d,7eは、スチール或いは有機繊維材からなる複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。また、ベルトプライ7a,7b,7c,7d,7eは、タイヤ周方向に対するベルトコードのタイヤ幅方向の傾斜角が互いに異なっており、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。これにより、ベルト層7は、構造強度が高められている。5層のベルトプライ7a,7b,7c,7d,7eは、例えば、高角度ベルト7aと、一対の交差ベルト7b、7cと、ベルトカバー7dと、周方向補強層7eとから構成される。
このベルト層7のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部5のタイヤ赤道面CL側には、補強層であるカーカス6が連続して設けられている。このカーカス6は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア21間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。詳しくは、カーカス6は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部20のうち、一方のビード部20から他方のビード部20にかけて配設されており、ビードコア21及びビードフィラー50を包み込むようにビード部20でビードコア21に沿ってタイヤ幅方向外側に巻き返されている。即ち、カーカス6は、ビードコア21のタイヤ幅方向内側からビードコア21のタイヤ径方向内側を通り、ビードコア21のタイヤ幅方向外側にかけて配設されるように、ビード部20でビードコア21周りに折り返されており、これによりカーカス6は、ビードコア21のタイヤ幅方向における内側と外側との間にかけて配設されている。
このように配設されるカーカス6のカーカスプライは、スチール、或いはアラミド、ナイロン、ポリエステル、レーヨン等の有機繊維材から成るコード部材である複数のカーカスコード6aをゴム部材であるコートゴム6bで被覆して圧延加工して構成されている(図2参照)。また、カーカス6は、タイヤ周方向に対するカーカスコード6aの傾斜角であるカーカス角度が、85°以上95°以下となっている。
また、カーカス6の内方側、或いは、当該カーカス6の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ8がカーカス6に沿って形成されている。
図2は、図1のA部詳細図である。カーカス6におけるビードコア21周りに折り返されている部分には、カーカス6を補強する補強層であるチェーファーが配設されている。チェーファーとしては、例えばコード部材としてスチールコードが用いられるスチールチェーファーや、有機繊維材からなるコード部材が用いられるナイロンチェーファーが適用される。ナイロンチェーファーは、例えば、複数の有機繊維コードを配列して圧延加工して成るシート状部材、複数の有機繊維コードを織り上げて成る織物、これらのシート状部材あるいは織物をゴム引きして成る複合材などから構成される。本実施形態では、チェーファーとして、スチールコードが用いられるスチールチェーファー55と、ナイロンチェーファーであるサブチェーファー56,57との3枚が用いられており、これらの3枚のチェーファーは、積層されて配設されている。
このうち、スチールチェーファー55は、カーカス6における折り返されている部分のカーカス6の外側でカーカス6に重ねられて配設され、カーカス6と同様にビードコア21周りにタイヤ幅方向における内側から外側に折り返されてタイヤ周方向に連続的に配設されている。つまり、スチールチェーファー55は、カーカス6がビードコア21よりもタイヤ幅方向内側に位置している部分ではカーカス6のタイヤ幅方向内側に位置し、カーカス6がビードコア21よりもタイヤ径方向内側に位置している部分では、カーカス6のタイヤ径方向内側に位置し、カーカス6がビードコア21よりもタイヤ幅方向外側に位置している部分ではカーカス6のタイヤ幅方向外側に位置している。
また、サブチェーファー56,57は、スチールチェーファー55の厚さ方向におけるカーカス6が位置する側の反対側に、2枚が重ねられて配設されている。つまり、サブチェーファー56,57は、スチールチェーファー55と同様に、ビードコア21周りにタイヤ幅方向における内側から外側に折り返されてタイヤ周方向に連続的に配設されている。3枚のチェーファーは、空気入りタイヤ1の子午断面であるタイヤ子午断面において、チェーファーの厚さ方向におけるビードコア21が位置する側を内側、ビードコア21が位置する側の反対側を外側とする場合に、これらのようにスチールチェーファー55が一番内側に配置され、その外側にサブチェーファー56が配置され、さらにその外側にサブチェーファー57が配置されている。スチールチェーファー55の外側に配置されるサブチェーファー56,57は、補助的な補強層になっている。
また、カーカス6と、スチールチェーファー55との間には、緩衝ゴム41が挟み込まれて配設されている。詳しくは、緩衝ゴム41は、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ幅方向外側に位置する部分と、スチールチェーファー55におけるビードコア21のタイヤ幅方向外側に位置する部分との間に配設されている。また、緩衝ゴム41は、タイヤ子午断面において、スチールチェーファー55やサブチェーファー56,57よりも、タイヤ径方向外側の領域にも配設されている。つまり、緩衝ゴム41は、タイヤ径方向におけるスチールチェーファー55が配設されている範囲では、カーカス6とスチールチェーファー55との間に配設され、且つ、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ幅方向外側に位置する部分に沿って、スチールチェーファー55やサブチェーファー56,57よりもタイヤ径方向外側の領域にかけて配設されている。
さらに、スチールチェーファー55やサブチェーファー56,57の外側には、リムクッションゴム40が配設されており、リムクッションゴム40は、サブチェーファー57の外側に配設されている。リムクッションゴム40は、スチールチェーファー55やサブチェーファー56,57と同様に、ビードコア21のタイヤ幅方向内側からタイヤ径方向内側、タイヤ幅方向外側に亘って配設されており、タイヤ周方向に連続的に設けられている。このように配設されるリムクッションゴム40は、規定リムRのフランジに対するビード部20の接触面を構成している。
また、ビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されているビードコア21は、タイヤ子午断面で見た場合における形状が、略六角形の形状で形成されている。具体的には、ビードコア21は、ビードコア21全体で見た場合におけるビードコア21の内周面であるビードコア底23とビードコア21の外周面22とが略平行に形成されており、タイヤ幅方向における両端側の位置に、タイヤ幅方向に突出する角部を有する、略六角形の形状で形成されている。
なお、この場合におけるビードコア21のビードコア底23とは、タイヤ子午断面において、ビードコア21のタイヤ径方向内側の位置で一列に並んでビードコア21の表面を構成する複数のビードワイヤにおける、ビードコア21の表面側に露出する部分に接する仮想の直線によって示される面をいう。同様に、ビードコア21の外周面22とは、空気入りタイヤ1をタイヤ子午断面で見た場合において、ビードコア21のタイヤ径方向外側の位置で一列に並んでビードコア21の表面を構成する複数のビードワイヤにおける、ビードコア21の表面側に露出する部分に接する仮想の直線によって示される面をいう。
また、ビード部20は、ビード部20の内周面であり、本実施形態に係る空気入りタイヤ1を規定リムRに装着する際における嵌合部であるビードベース部30が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に、タイヤ回転軸に対して傾斜している。また、ビードベース部30は、タイヤ幅方向における内側の端部であるビードトウ31と、タイヤ幅方向における外側の端部であるビードヒール32との間の位置で、タイヤ回転軸に対する傾斜角度が変化している。詳しくは、ビードベース部30は、タイヤ幅方向におけるビードトウ31寄りの所定の位置よりもタイヤ幅方向内側の部分が、当該位置よりもタイヤ幅方向外側の部分よりも、タイヤ回転軸に対する傾斜角度が大きくなっている。
また、ビードベース部30は、ビードヒール32の部分が曲面状に形成されている。つまり、ビードベース部30は、ビード部20のタイヤ幅方向における外側の表面であるタイヤ外面60とビードベース部30とが、タイヤ子午断面視において円弧によって接続されている。
また、ビード部20は、ビード部20の内周面であるビードベース部30における少なくともビードコア底23のタイヤ径方向内側に位置する部分が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に8°以上12°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜している。即ち、ビードベース部30における少なくともビードコア底23のタイヤ径方向内側に位置する部分は、タイヤ回転軸と平行な線となす角度A2が、8°以上12°以下の範囲内となって形成されている。
なお、このビードベース部30の角度A2は、タイヤ外面60をタイヤ径方向内側へ延ばした延長線60aと、ビードベース部30をタイヤ幅方向外側へ延ばした延長線30aとの交点61のタイヤ幅方向における位置が、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における交点61のタイヤ幅方向における位置に位置する状態での角度になっている。
つまり、空気入りタイヤ1は撓むため、ビードベース部30の角度も空気入りタイヤ1の撓みの状態に応じて変化するが、ビードベース部30は、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着しない状態において、タイヤ外面60の延長線60aとビードベース部30の延長線30aとの交点61のタイヤ幅方向における位置が、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における交点61のタイヤ幅方向における位置に位置する状態にした場合の、ビードコア底23のタイヤ径方向内側に位置する部分の角度A2が、タイヤ回転軸に対して8°以上12°以下の範囲内になっている。換言すると、ビードベース部30は、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着しない状態において、タイヤ幅方向の両側に位置するビード部20の交点61同士の間隔を、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における交点61同士の間隔にした状態での、ビードコア底23のタイヤ径方向内側に位置する部分の角度A2が、タイヤ回転軸に対して8°以上12°以下の範囲内になっている。
図3は、ビードコア底23の傾斜についての説明図である。断面形状が六角形の形状で形成されるビードコア21は、ビードコア底23が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に、0°以上5°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜している。即ち、ビードコア底23は、タイヤ回転軸と平行に形成されているか、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に僅かに傾斜して形成されており、タイヤ回転軸に平行な線とのなす角度A1が、0°以上5°以下の範囲内になっている。このビードコア底23の角度A1も、ビードベース部30の角度A2と同様に、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着しない状態において、タイヤ幅方向の両側に位置するビード部20の交点61同士の間隔を、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における交点61同士の間隔にした状態での角度になっている。
このように形成されるビードコア底23の幅CBWは、ビードベース部30の幅BBWの33%以上40%以下の範囲内になっている(図2参照)。この場合におけるビードコア底23の幅CBWは、タイヤ子午断面におけるビードコア底23の端部同士の距離になっている。また、ビードベース部30の幅BBWは、タイヤ子午断面におけるビードトウ31とビードヒール32との距離になっている。なお、ビードヒール32が曲面状に形成される場合には、ビードベース部30の幅BBWは、タイヤ外面60の延長線60aとビードベース部30の延長線30aとの交点61と、ビードトウ31との距離になっている。
また、ビードコア21は、タイヤ子午断面における最大幅CWが、ビード部20の幅であるビード幅BWに対して、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内になっている。この場合におけるビード幅BWは、タイヤ子午断面におけるビードコア21の中心であるビードコア中心CCを通り、且つ、ビードベース部30に平行な直線PL上でのタイヤ内面65とタイヤ外面60との距離になっている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ビード幅BWは、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内になっている。
なお、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、或いはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
また、ビードコア21の最大幅CWは、ビードコア21のタイヤ幅方向における内側端部であるビードコア内側端部26と、ビードコア21のタイヤ幅方向における外側端部であるビードコア外側端部27との距離になっている。
また、ビードコア中心CCは、タイヤ子午断面視におけるビードコア21の外周面22のタイヤ幅方向外側の端部とビードコア底23のタイヤ幅方向内側の端部とを結ぶ仮想線L1と、外周面22のタイヤ幅方向内側の端部とビードコア底23のタイヤ幅方向外側の端部とを結ぶ仮想線L2との交差部になっている。具体的には、仮想線L1は、タイヤ子午断面視において、ビードコア21の外周面22を構成するビードワイヤのうち最もタイヤ幅方向外側に位置するビードワイヤの中心と、ビードコア底23を構成するビードワイヤのうち最もタイヤ幅方向内側に位置するビードワイヤの中心とを結ぶ仮想線になっている。同様に、仮想線L2は、タイヤ子午断面視において、ビードコア21の外周面22を構成するビードワイヤのうち最もタイヤ幅方向内側に位置するビードワイヤの中心と、ビードコア底23を構成するビードワイヤのうち最もタイヤ幅方向外側に位置するビードワイヤの中心とを結ぶ仮想線になっている。
また、ビードベース部30に平行な直線PLは、ビードベース部30におけるビードコア中心CCのタイヤ径方向内側の位置に対して平行な直線、つまり、ビードベース部30における、ビードコア中心CCのタイヤ幅方向における位置と同じ部分に対して平行な直線になっている。
また、ビードコア21は、タイヤ子午断面における最大幅CWとタイヤ径方向における高さCHとの関係が、1.0≦(CW/CH)<1.5の範囲内になっている。なお、ビードコア21の高さCHは、タイヤ子午断面における外周面22とビードコア底23との距離を、ビードコア21の高さCHとしてもよい。
また、ビード部20は、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着しない状態での、タイヤ子午断面におけるビードコア底23の中心であるビードコア底中心24から、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のカーカスコード6aの表面までのタイヤ径方向における距離BD1が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内になっている。詳しくは、距離BD1は、ビードコア底中心24と、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のビードコア21側のカーカスコード6aの表面のうち、ビードコア底中心24のタイヤ幅方向における位置との距離になっている。つまり、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するカーカス6とビードコア21との間に、僅かにゴム部材が存在しているが、ビード部20は、タイヤ子午断面におけるビードコア底中心24から、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のカーカスコード6aの表面までのゴム部材の厚さGa1が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内になっている。
図4は、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率についての説明図である。規定リムRへの空気入りタイヤ1の装着時は、ビード部20は、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムが圧縮されることにより、規定リムRに対してタイヤ径方向における外側から内側への押圧力を付与することができ、規定リムRに対する嵌合力を発生することが可能になっている。このように、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率は、タイヤ子午断面におけるビードコア底中心24のタイヤ径方向内側の位置で45%以上55%以下の範囲内になっている。
この場合におけるゴムの圧縮率は、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着する前のタイヤ子午断面におけるビードコア底中心24とビードベース部30とのタイヤ径方向における距離BD2からカーカス6やチェーファーのコード部材等のゴム部材以外の部材の厚さを引いた厚さGa2に対する、規定リムRへの空気入りタイヤ1の装着時にタイヤ径方向に圧縮されるゴム部材の厚さGa3になっている。つまり、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率Zは、下記の式(1)で算出する値になっている。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、下記の式(1)で算出する圧縮率Zが、45%以上55%以下の範囲内になっている。
圧縮率Z=(Ga3/Ga2)×100・・・(1)
なお、式(1)で用いる、規定リムRへの空気入りタイヤ1の装着時にタイヤ径方向に圧縮されるゴム部材の厚さGa3は、具体的には、ビードベース部30におけるビードコア底中心24のタイヤ幅方向における同じ位置となる部分である基準位置33の、規定リムRへの空気入りタイヤ1の装着前と装着後のタイヤ径方向の変位量になっている。
さらに、ビード部20は、ビードコア21の最大幅CWの位置でのビードコア21とタイヤ外面60とのタイヤ幅方向における距離DSが、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]以上{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]以下の範囲内になっている。この場合における距離DSは、ビードコア外側端部27のタイヤ径方向における位置での、ビードコア外側端部27とタイヤ外面60とのタイヤ幅方向における距離になっている。つまり、距離DSは、規定荷重x[kN]に対して、DS=(0.004x+13.5)mmで、許容差が0[%]以上20[%]以下となる大きさになっている。
これらのように構成される空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、まず、リムホイールが有する規定リムRに対してビードベース部30を嵌合させることにより、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着し、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みをする。空気入りタイヤ1をリム組みしたらインフレートし、車両には、リム組みしてインフレートした状態の空気入りタイヤ1を装着する。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、例えば、ホイールローダー等の建設車両に装着する建設車両用の空気入りタイヤ1として用いられる。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、接地面3のうち下方に位置する接地面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。車両は、接地面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。例えば、駆動力を路面に伝達する際には、車両が有するエンジン等の原動機で発生した動力がリムホイールに伝達され、リムホイールから空気入りタイヤ1に伝達される。
ここで、リムホイールと空気入りタイヤ1とは、リムホイールの規定リムRに対する、空気入りタイヤ1のビード部20の嵌合力である締め付け力によって装着されており、即ち、ビード部20とリムホイールとの間に摩擦力によって装着されている。このビード部20による締め付け力は、ビードワイヤがリング状に巻かれることにより形成されたビードコア21によって確保される。
つまり、空気入りタイヤ1をリムホイールに装着する際には、ビード部20におけるビードコア21よりもタイヤ径方向内側に位置するリムクッションゴム40等のゴム部材が、ビードコア21と規定リムRに挟まれて圧縮されることにより、空気入りタイヤ1から規定リムRに対してタイヤ径方向内側への押圧力が発生する。この押圧力は、ビード部20による規定リムRへの締め付け力となり、空気入りタイヤ1は、この締め付け力によって規定リムRとの間に大きな摩擦力が発生することにより規定リムRに嵌合し、リムホイールに装着される。
空気入りタイヤ1は、このようにビード部20の締め付け力に伴う摩擦力によりリムホイールに装着されるため、空気入りタイヤ1とリムホイールとの間に、摩擦力と比較して大きな回転トルクが発生した場合には、空気入りタイヤ1とリムホイールとの間で滑りが発生することがある。例えば、ビード部20の締め付け力が弱く、且つ、リムホイールから空気入りタイヤ1に伝達される回転トルクが大きい場合は、ビード部20とリムホイールとの間に摩擦力による拘束力に回転トルクが打ち勝ち、ビード部20とリムホイールとの間で滑りが発生することがある。本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、このようなビード部20とリムホイールとの間の滑りを抑制することができるように構成されている。
具体的には、リムホイールの規定リムRは、空気入りタイヤ1のビードベース部30と嵌合する部分が、リムホイールの回転軸に対して5°±1°の角度で傾斜しているのに対し、ビードコア21は、ビードコア底23がタイヤ回転軸に対して0°以上5°以下の範囲内の傾斜角A1で形成されている。これにより、ビードコア21は、5°テーパーの規定リムRと当該ビードコア21との間に位置するリムクッションゴム40等のゴム部材を、タイヤ幅方向における所定の範囲に亘って適切に圧縮することができ、規定リムRに対して適切な締め付け力を発生させることができる。
また、ビード部20は、規定リムRに対して実際に接触するビードベース部30における少なくともビードコア底23のタイヤ径方向内側に位置する部分が、タイヤ回転軸に対して8°以上12°以下の範囲内で傾斜しているため、リム組み性を悪化させることなく、適切な締め付け力を確保することができる。つまり、タイヤ回転軸に対するビードベース部30の傾斜角A2が8°未満の場合は、ビードベース部30におけるビードトウ31側のタイヤ径方向の径が大きくなることにより、ビードトウ31側の締め付け力が弱くなり易くなる。また、タイヤ回転軸に対するビードベース部30の傾斜角A2が12°を超える場合は、ビードベース部30におけるビードトウ31側のタイヤ径方向の径が小さくなることにより、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みする際に、リム組みし難くなる。これに対し、タイヤ回転軸に対するビードベース部30の傾斜角A2を8°以上12°以下にした場合は、リム組み性を確保しつつ、ビード部20による規定リムRの締め付け力を確保することができる。
また、ビード部20は、タイヤ子午断面におけるビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対して、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内であるため、リムクッションゴム40等のゴム部材の損傷やビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。つまり、ビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対してCW<(BW×0.54)である場合は、ビードコア21の最大幅CWが小さ過ぎるため、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みした際に、ビードベース部30の締め付け力が局所的に高くなる虞があり、即ち、ビードベース部30の、規定リムRへの接触圧が局所的に高くなる虞がある。この場合、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するリムクッションゴム40等のゴム部材の歪みが局所的に大きくなり、これに起因してゴム部材が損傷し易くなると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを効果的に抑制するのが困難になる虞がある。また、ビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対してCW>(BW×0.58)である場合は、ビードコア21の最大幅CWが大き過ぎるため、ビード部20に大きな負荷が作用した際にビードコア21の周囲に発生する歪みが、大きくなり過ぎる虞がある。この場合、大きな歪みに起因して、ビードコア21とその周囲のゴム部材との間でセパレーションが発生したり、ビードコア21の周囲に位置するカーカス6やスチールチェーファー55等の部材とその周囲のゴム部材との間でセパレーションが発生したりする虞がある。
これに対し、ビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対して、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内である場合は、ビードベース部30の締め付け力が局所的に高くなることを抑制することができ、また、ビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎることを抑制することができる程度の広い範囲に亘って、規定リムRに対するビードベース部30の締め付け力を発生させることができる。これにより、リムクッションゴム40等のゴム部材の損傷を抑制し、また、ビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。この結果、ビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
また、ビード部20は、ビード幅BWが、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内であるため、リム組み性の悪化と、ビードコア21の周囲の部材のセパレーションとを、共に抑制することができる。つまり、ビード幅BWが、規定荷重x[kN]に対してBW<(0.265x+20.5)[mm]である場合は、ビード幅BWが規定荷重x[kN]に対して小さ過ぎる虞があり、これに起因して、大きな荷重が作用した際におけるビード部20を構成する部材の応力が大きくなり過ぎる虞がある。この場合、大きな荷重が作用した際にビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎる虞があり、ビードコア21の周囲の部材でセパレーションが発生し易くなる虞がある。また、ビード幅BWが、規定荷重x[kN]に対してBW>(0.265x+26.5)[mm]である場合は、ビード幅BWが大き過ぎる虞があり、規定リムRに対してビードベース部30が締め付け力を発生する範囲が、大きくなり過ぎる虞がある。この場合、締め付け力全体の大きさが大きくなることに繋がるため、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みする際に、リム組みし難くなる虞がある。
これに対し、ビード幅BWが、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内である場合は、ビード幅BWの大きさを、締め付け力を発生する範囲が大きくなり過ぎず、且つ、ビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎない程度の大きさにすることができる。これにより、リム組み性の悪化と、ビードコア21の周囲の部材のセパレーションとを、共に抑制することができる。この結果、リム組み性を確保しつつ、より確実にビード耐久性を向上させることができる。
また、ビードコア21は、タイヤ子午断面における最大幅CWとタイヤ径方向における高さCHとの関係が、1.0≦(CW/CH)<1.5の範囲内であるため、リムクッションゴム40等のゴム部材の損傷やビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。つまり、ビードコア21の最大幅CWと高さCHとの関係が、(CW/CH)<1.0である場合は、ビードコア21の最大幅CWが小さ過ぎるため、空気入りタイヤ1をリム組みした際における規定リムRへのビードベース部30の接触圧が局所的に高くなる虞がある。この場合、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するリムクッションゴム40等のゴム部材の歪みが局所的に大きくなり、これに起因してゴム部材が損傷し易くなると共に、規定リムRに対して締め付け力を発生する範囲が小さくなり過ぎるため、リム滑りを効果的に抑制するのが困難になる虞がある。また、ビードコア21の最大幅CWと高さCHとの関係が、(CW/CH)≧1.5である場合は、ビードコア21の最大幅CWが大き過ぎるため、大きな荷重が作用した際にビードコア21の周囲に発生する歪みが、大きくなり過ぎる虞がある。この場合、大きな歪みに起因して、ビードコア21の周囲の部材でセパレーションが発生し易くなる虞がある。
これに対し、ビードコア21の最大幅CWと高さCHとの関係が、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内である場合は、ビードベース部30の締め付け力が局所的に高くなることを抑制することができ、また、ビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎることを抑制することができる程度の広い範囲に亘って、ビードベース部30の締め付け力を発生させることができる。これにより、リムクッションゴム40等のゴム部材の損傷や、ビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。この結果、より確実にビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
また、ビード部20は、タイヤ子午断面におけるビードコア底中心24から、カーカス6におけるビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のカーカスコード6aの表面までのタイヤ径方向における距離BD1が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内であるため、補強層が損傷し易くなることを抑制しつつ、より確実にビードベース部30の締め付け力を確保することができる。つまり、ビードコア底中心24からカーカスコード6aの表面までのタイヤ径方向における距離BD1が、2.0[mm]未満である場合は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のカーカスコード6aとの間に位置するゴム部材の厚さGa1が薄過ぎるため、空気入りタイヤ1をリムホイールに対してリム組みした際に圧縮される部材の厚さが薄くなり、ビードベース部30の締め付け力を確保し難くなる虞がある。この場合、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、効果的に抑制するのが困難になる虞がある。また、ビードコア底中心24からカーカスコード6aの表面までのタイヤ径方向における距離BD1が、3.5[mm]を超える場合は、ビードコア21と、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のカーカスコード6aとの間に位置するゴム部材の厚さGa1が厚過ぎるため、これに伴って、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のリムクッションゴム40の厚さが薄くなり過ぎる虞がある。つまり、サブチェーファー57のタイヤ径方向内側に位置するリムクッションゴム40の厚さが薄くなり過ぎる虞がある。この場合、リム滑りが発生してリムクッションゴム40が摩耗した際に、サブチェーファー57等の補強層が露出し易くなり、補強層が損傷し易くなる虞がある。
これに対し、ビードコア底中心24からカーカスコード6aの表面までのタイヤ径方向における距離BD1が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内である場合は、カーカス6等の補強層におけるビードコア21のタイヤ径方向内側に位置する部分のタイヤ径方向両側のゴム部材の厚さを、それぞれ適度な厚さにすることができる。これにより、補強層が損傷し易くなることを抑制しつつ、より確実にビードベース部30の締め付け力を確保することができる。この結果、より確実にビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
また、ビード部20は、空気入りタイヤ1を規定リムRに装着した場合における、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率Zが、タイヤ子午断面におけるビードコア底中心24のタイヤ径方向内側の位置で45%以上55%以下の範囲内であるため、リムクッションゴム40の損傷を抑制しつつ、より確実にビードベース部30の締め付け力を確保することができる。つまり、圧縮率Zが45%未満である場合は、圧縮率Zが低過ぎるため、ビードベース部30の締め付け力を確保し難くなる虞がある。この場合、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、効果的に抑制するのが困難になる虞がある。また、圧縮率Zが55%を超える場合は、圧縮率Zが高過ぎるため、ビードベース部30を構成するリムクッションゴム40の変形が過大になり過ぎ、リムクッションゴム40が損傷し易くなる虞がある。
これに対し、圧縮率Zが45%以上55%以下の範囲内である場合は、圧縮率Zが高過ぎることに起因するリムクッションゴム40の損傷を抑制しつつ、より確実にビードベース部30の締め付け力を確保することができる。この結果、より確実にビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
また、ビード部20は、ビードコア底23の幅CBWが、ビードベース部30の幅BBWの33%以上40%以下の範囲内であるため、ゴム部材の損傷やビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。つまり、ビードコア底23の幅CBWが、ビードベース部30の幅BBWの33%未満である場合は、ビードベース部30の幅BBWに対してビードコア底23の幅CBWが小さ過ぎるため、ビードコア21によってリムクッションゴム40等のゴム部材の圧縮率を高くする範囲が狭くなり過ぎる虞があり、空気入りタイヤ1をリム組みした際におけるビードベース部30の締め付け力が局所的に高くなる虞がある。この場合、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するリムクッションゴム40等のゴム部材の歪みが局所的に大きくなり過ぎる虞があり、これに起因してゴム部材が損傷し易くなると共に、規定リムRに対して締め付け力を発生する範囲が小さくなり過ぎるため、リム滑りを効果的に抑制するのが困難になる虞がある。また、ビードコア底23の幅CBWが、ビードベース部30の幅BBWの40%を超える場合は、ビードベース部30の幅BBWに対してタイヤ幅方向におけるビードコア21の幅が大きくなり過ぎるため、大きな荷重が作用した際にビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎる虞があり、ビードコア21の周囲の部材でセパレーションが発生し易くなる虞がある。
これに対し、ビードコア底23の幅CBWが、ビードベース部30の幅BBWの33%以上40%以下の範囲内である場合は、ビードベース部30の締め付け力が局所的に高くなることを抑制することができ、また、ビードコア21の周囲に発生する歪みが大きくなり過ぎることを抑制することができる程度の広い範囲に亘って、規定リムRに対するビードベース部30の締め付け力を発生させることができる。これにより、リムクッションゴム40等のゴム部材の損傷や、ビードコア21の周囲の部材のセパレーションを抑制すると共に、ビード部20とリムホイールとの間の滑りを、より確実に抑制することができる。また、締め付け力が局所的に高くなることを抑制することにより、締め付け力を全体的に増加させることができるため、タイヤ周方向における位置ごとの締め付け力の差を小さくすることができ、より確実にリム滑りを抑制することができる。これらの結果、より確実にビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
また、ビード部20は、ビードコア21の最大幅CWの位置でのビードコア21とタイヤ外面60とのタイヤ幅方向における距離DSが、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]以上{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]以下の範囲内であるため、ビードベース部30全体での規定リムRに対する締め付け力を、より適切に発生することができる。つまり、ビードコア21とタイヤ外面60との距離DSが、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]未満である場合は、ビードコア21のタイヤ幅方向における位置がタイヤ幅方向外側に寄り過ぎる虞があり、規定リムRに対するビードベース部30の接触圧の分布が、ビードヒール32側に寄り過ぎる虞がある。この場合、ビードトウ31寄りの位置での規定リムRへの接触圧が低くなり過ぎる虞があり、ビードベース部30全体での規定リムRに対する締め付け力を、適切に発生し難くなる虞がある。また、ビードコア21とタイヤ外面60との距離DSが、規定荷重x[kN]に対して、{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]を超える場合は、ビードコア21のタイヤ幅方向における位置がタイヤ幅方向内側に寄り過ぎる虞があり、規定リムRに対するビードベース部30の接触圧の分布が、ビードトウ31側に寄り過ぎる虞がある。この場合、ビードヒール32寄りの位置での規定リムRへの接触圧が低くなり過ぎる虞があり、ビードベース部30全体での規定リムRに対する締め付け力を、適切に発生し難くなる虞がある。
これに対し、ビードコア21とタイヤ外面60との距離DSが、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]以上{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]以下の範囲内である場合は、ビードコア21のタイヤ幅方向における位置を適切な位置にすることができ、ビードベース部30全体での規定リムRに対する締め付け力を、より適切に発生することができる。この結果、より確実にビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、ビード部20には補強層として1枚のカーカス6と、スチールチェーファー55及びサブチェーファー56,57の3枚のチェーファーとが配設されているが、補強層はこれ以外の構成でもよい。例えば、カーカス6が2枚以上配設されていてもよく、または、チェーファーが2枚以下であったり、チェーファーが設けられなかったりしてもよい。
[実施例]
図5A、図5Bは、空気入りタイヤの性能評価試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する比較例の空気入りタイヤとについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、リム滑りに対する性能である耐リム滑り性と、ビード部20の耐久性であるビード耐久性とについての試験を行った。
性能評価試験は、タイヤの呼びが29.5R25サイズで、TRAコードがL−3の空気入りタイヤ1を試験タイヤとして使用し、この試験タイヤをTRA規格に準拠するリムホイールにリム組みし、空気圧をTRA規格で規定される空気圧に調整し、試験車両として用いられるホイールローダーに装着してTRA規格で規定される荷重を付与してテスト走行することにより行った。
各試験項目の評価方法は、耐リム滑り性については、試験車両で走行する前に、試験タイヤとリムホイールとに目印を付け、24時間走行後の試験タイヤとリムホイールとのタイヤ周方向のズレ量を計測することにより評価した。耐リム滑り性は、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほど試験タイヤとリムホイールとがタイヤ周方向にずれ難く、耐リム滑り性が優れていることを示している。
また、ビード耐久性については、試験車両で2000時間走行した後に試験タイヤをリムホイールから取り外し、ビードベース部30の損傷やビード部20でのセパレーションの発生の有無を確認することにより評価した。ビード耐久性は、後述する従来例を100とする指数で表し、数値が大きいほどビードベース部30の損傷やビード部20でのセパレーションが発生しておらず、ビード耐久性が優れていることを示している。
性能評価試験は、従来の空気入りタイヤの一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例1〜13と、本発明に係る空気入りタイヤ1と比較する空気入りタイヤである比較例との15種類の空気入りタイヤについて行った。このうち、従来例の空気入りタイヤは、ビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対して、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内になっておらず、また、ビード幅BWが、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内になっていない。なお、本性能評価試験で用いられる試験タイヤの規定荷重xは、176.52[kN]であり、この規定荷重xより算出されるビード幅BWは、67.2mm以上71.2mm以下の範囲内になっている。また、比較例の空気入りタイヤは、ビード幅BWについては、規定荷重x[kN]に対して(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内になっているが、ビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対して(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内になっていない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例1〜13は、全てビードコア21の最大幅CWが、ビード幅BWに対して(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内になっている。さらに、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、ビード幅BWや、ビードコア21の最大幅CW/ビードコア21の高さCH、ビードコア底中心24からカーカスコード6aの表面までの距離BD1、ビードコア21のタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率Z、ビードコア底23の幅CBW/ビードベース部30の幅BBW、ビードコア21とタイヤ外面60との距離DSが、それぞれ異なっている。なお、本性能評価試験で用いられる試験タイヤの規定荷重xより算出されるビードコア21とタイヤ外面60との距離DSは、14mm以上16.9mm以下の範囲内になっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて性能評価試験を行った結果、図5A、図5Bに示すように、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、従来例や比較例に対して、耐リム滑り性とビード耐久性とを、共に向上させることができることが分かった。つまり、実施例1〜13に係る空気入りタイヤ1は、ビード耐久性及び耐リム滑り性を向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 接地面
5 サイドウォール部
6 カーカス(補強層)
6a カーカスコード
6b コートゴム
7 ベルト層
7a、7b、7c、7d、7e ベルトプライ
10 陸部
20 ビード部
21 ビードコア
23 ビードコア底
24 ビードコア底中心
30 ビードベース部
31 ビードトウ
32 ビードヒール
40 リムクッションゴム
50 ビードフィラー
55 スチールチェーファー(補強層)
56 サブチェーファー(補強層)
57 サブチェーファー(補強層)
60 タイヤ外面
65 タイヤ内面

Claims (7)

  1. タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面の両側に配設される一対のビード部と、
    一対の前記ビード部のそれぞれに設けられるビードコアと、
    前記ビードコアのタイヤ径方向内側を通って前記ビードコアのタイヤ幅方向における内側と外側との間にかけて配設される補強層と、
    を備え、
    5°テーパーの規定リムに装着される空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードコアは、タイヤ子午断面における形状が六角形で形成されると共に、前記ビードコアの内周面であるビードコア底が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に0°以上5°以下の範囲内でタイヤ回転軸に対して傾斜しており、
    前記ビード部は、前記ビード部の内周面であるビードベース部における少なくとも前記ビードコア底のタイヤ径方向内側に位置する部分が、タイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に向かうに従ってタイヤ径方向外側に広がる方向に8°以上12°以下の範囲内で前記タイヤ回転軸に対して傾斜しており、
    タイヤ子午断面における前記ビードコアの中心を通り、且つ、前記ビードベース部に平行な直線上でのタイヤ内面とタイヤ外面との距離をビード幅BWとする場合に、
    前記ビードコアは、タイヤ子午断面における最大幅CWが、(BW×0.54)≦CW≦(BW×0.58)の範囲内であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記ビード幅BWは、規定荷重x[kN]に対して、(0.265x+20.5)[mm]≦BW≦(0.265x+26.5)[mm]の範囲内である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ビードコアは、タイヤ子午断面における最大幅CWとタイヤ径方向における高さCHとの関係が、1.0≦(CW/CH)<1.5の範囲内である請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層は、コード部材をゴム部材によって被覆することにより構成され、
    前記ビード部は、タイヤ子午断面における前記ビードコア底の中心から、前記補強層における前記ビードコアのタイヤ径方向内側に位置する部分の前記コード部材の表面までのタイヤ径方向における距離が、2.0[mm]以上3.5[mm]以下の範囲内である請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記空気入りタイヤを前記規定リムに装着した場合における、前記ビードコアのタイヤ径方向内側に位置するゴムの圧縮率は、タイヤ子午断面における前記ビードコア底の中心のタイヤ径方向内側の位置で45%以上55%以下の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記ビードコア底の幅は、前記ビードベース部の幅の33%以上40%以下の範囲内である請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記ビードコアの最大幅の位置での前記ビードコアとタイヤ外面とのタイヤ幅方向における距離は、規定荷重x[kN]に対して、(0.004x+13.5)[mm]以上{(0.004x+13.5)×1.2}[mm]以下の範囲内である請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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