JP2019124608A - 化学分析装置、及び、当該化学分析装置に用いる音波攪拌機構 - Google Patents

化学分析装置、及び、当該化学分析装置に用いる音波攪拌機構 Download PDF

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Abstract

【課題】液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行う。【解決手段】化学分析装置は、分析対象となるサンプルと試薬が注入された反応容器に音波を照射して分析対象を攪拌する音波攪拌機構12と、分析対象の物性を測定する測定器(測光機構)と、を備えている。音波攪拌機構は、反応容器の側面に音波を照射する圧電素子22と、圧電素子の厚み振動波形が基本周波数の振動波形となるように、圧電素子を駆動する第1波形発生器(基本周波数波形発生器32)と、圧電素子の厚み振動波形が基本周波数よりも高い周波数である高調波周波数の振動波形となるように、圧電素子を駆動する第2波形発生器(高調波周波数波形発生器33)と、第1波形発生器及び第2波形発生器のいずれか一方の波形発生器に圧電素子の駆動を切り替える切替器35と、を有している。【選択図】図3

Description

本発明は、化学分析装置、及び、当該化学分析装置に用いる音波攪拌機構に関する。
化学・医用分析の分野では、サンプルや試薬等の液の微量化が進んでいる。それに関連して、微量なサンプルと試薬の攪拌・混合技術として、特許文献1には、ヘラやスクリューを用いずに、サンプルと試薬を入れた容器の下方から容器の開放口に向けて超音波を照射してサンプルと試薬を非接触で攪拌・混合する技術が記載されている。この技術に係る装置は、容器の下方から容器の開放口に向けて超音波を照射する構成になっている。また、特許文献1には、容器の下方と容器の側方とから容器に向けて超音波を照射してサンプルと試薬を非接触で攪拌・混合する技術も記載されている。この技術に係る装置は、容器の下方と容器の側方とから容器に向けて超音波を照射する構成になっている。
また、特許文献2には、反応容器の外部に音源と反射板とを設けると共に、音源と反射板との間に反応容器を配置し、複数の方向から反応容器に向けて音波を間欠的に照射して反応容器内の液体を効率よく攪拌・混合する技術が記載されている。この技術に係る装置は、壁面摩擦の影響を受けない気液界面付近において音響放射圧が支配的な流動である音響流を利用して、反応容器内に水面に対して垂直方向の旋回流(攪拌流)を発生させる構成になっている。
また、特許文献3には、サンプル内に音波発生体を浸漬させてサンプルと試薬を攪拌する技術が記載されている。また、特許文献1には、反応容器に音波発生体を接触させてサンプルと試薬を攪拌する技術も記載されている。これらの技術に係る装置は、圧電基板に櫛歯状電極が形成された音波発生体を用いている。そして、特許文献3には、攪拌性能を向上させるために、櫛歯状電極のピッチによって定義される基本周波数f0に対して1.5倍〜2.5倍の駆動周波数を櫛歯状電極に与えて高調波周波数を利用する技術も記載されている。ただし、特許文献3には、音響流の発生方向については説明されているものの、基本周波数と高調波周波数の発生タイミングと音響流による攪拌作用の関係性については説明されておらず、不明になっている。
特開平8−146007号公報 特開2006−234839号公報 特開2009−2918号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来技術は、サンプルや試薬等の液量が少ない場合に、強い攪拌力を得ようとして、下方の音波発生手段から強い超音波を照射すると、サンプルの液面が盛り上がり、サンプル液等が飛散する可能性があった。また、特許文献1に記載された従来技術は、サンプルや試薬等の液量が少ない場合に、下方の音波発生手段から照射する超音波が弱すぎると、十分な攪拌を行うことができない可能性があった。
また、特許文献2に記載された従来技術は、強い攪拌力を得ることができるものである。しかしながら、それでも、特許文献2に記載された従来技術は、サンプルや試薬等の液量が少ない場合に、十分な旋回流の発生を得ることができず、十分な攪拌を行えない可能性があるため、攪拌性能の向上が望まれていた。
また、特許文献3に記載された従来技術は、サンプル内に音波発生体を浸漬させる構成になっている場合に、他のサンプルへのキャリーオーバー(混入現象)が発生する可能性があった。また、特許文献3に記載された従来技術は、反応容器に音波発生体を接触させる構成になっている場合に、反応容器の数だけ音波発生体を用意したり、又は、反応容器に音波発生体を接触させるプロセスが増えたりする。そのため、特許文献3に記載された従来技術は、作業効率が低かった。また、特許文献3に記載された従来技術は、基本周波数f0に対して1.5倍〜2.5倍の駆動周波数を櫛歯状電極に与えて高調波周波数を利用する構成になっている場合に、基本周波数と高調波周波数の発生タイミングと音響流による攪拌作用の関係性については不明である。そのため、特許文献3に記載された従来技術は、攪拌性能を向上させる余地があった。
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行う化学分析装置、及び、当該化学分析装置に用いる音波攪拌機構を提供することを主な目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、化学分析装置であって、分析対象となるサンプルと試薬が注入された反応容器に音波を照射して前記分析対象を攪拌する音波攪拌機構と、前記分析対象の物性を測定する測定器と、を備え、前記音波攪拌機構は、前記反応容器の側面に音波を照射する圧電素子と、前記圧電素子の厚み振動波形が基本周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第1波形発生器と、前記圧電素子の厚み振動波形が前記基本周波数よりも高い周波数である高調波周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第2波形発生器と、前記第1波形発生器及び前記第2波形発生器のいずれか一方の波形発生器に前記圧電素子の駆動を切り替える切替器と、有する構成とする。
その他の手段は、後記する。
本発明によれば、液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行うことができる。
実施形態1に係る化学分析装置の全体構成を概略的に示す構成図である。 実施形態1に係る音波攪拌機構の構成を概略的に示す縦断面図である。 実施形態1に係る音波攪拌機構の駆動回路の構成を概略的に示す概略図である。 実施形態1に係る音波攪拌機構の切替器の構成を概略的に示す概略図である。 実施形態1に係る音波攪拌機構の動作例を概略的に示す上面図である。 実施形態1に係る音波攪拌機構による音響流の発生距離と共振周波数との関係を示すグラフ図である。 実施形態2に係る音波攪拌機構の動作例の説明図である。 実施形態3に係る音波攪拌機構の動作例の説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
[実施形態1]
<化学分析装置の構成>
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る化学分析装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態1に係る化学分析装置1の全体構成を概略的に示す構成図である。
図1に示す例では、本実施形態1に係る化学分析装置1は、反応ディスク3と、恒温槽4と、反応ディスク用ターンテーブル5と、サンプル用ターンテーブル7と、試薬用ターンテーブル9と、サンプリング分注機構10と、試薬分注機構11と、音波攪拌機構12と、測光機構13と、洗浄機構14と、コンソール15と、コントローラ16と、を備えている。
反応ディスク3は、反応容器2を格納する格納部である。反応容器2は、分析対象(攪拌対象)となるサンプルや試薬等が注入される容器である。
恒温槽4は、反応ディスク3に格納されている反応容器2を恒温状態に保つ水槽である。反応ディスク3は、恒温槽4の内部に設置されている。
反応ディスク用ターンテーブル5は、反応ディスク3を回転自在に収納する収納部である。反応ディスク用ターンテーブル5は、反応ディスク3を回転させることにより、反応容器2の配置位置を変更する。
サンプル用ターンテーブル7は、サンプルカップ6を収納する収納部である。サンプルカップ6は、サンプルが収容されている容器である。
試薬用ターンテーブル9は、試薬ボトル8を収納する収納部である。試薬ボトル8は、試薬が収容されている容器である。
サンプリング分注機構10は、サンプルを反応容器2に分注(供給)する機構である。
試薬分注機構11は、試薬を反応容器2に分注(供給)する機構である。
音波攪拌機構12は、反応容器2内に分注されたサンプルと試薬の混合物を攪拌する機構である。音波攪拌機構12は、反応容器2に音波を照射することにより、反応容器2内に分注されたサンプルと試薬の混合物を非接触で攪拌することができる。反応容器2内に分注されたサンプルと試薬の混合物は、攪拌対象であると共に、分析対象でもある。
なお、反応容器2内に分注されたサンプルと試薬の混合物は、液状になっている。サンプルと試薬は、共に液状になっている場合もあれば、いずれか一方又は双方が粉体になっていて、それが液状の溶剤に混入されている場合がある。
測光機構13は、サンプルや試薬等の物性として、反応容器2内のサンプルと試薬の混合物(分析対象)の吸光度を測定する測定器である。測光機構13は、サンプルと試薬の反応過程中の吸光度及び反応後の吸光度を測定する。ただし、化学分析装置1は、測光機構13の代わりに、又は、測光機構13に加えて、サンプルや試薬等の物性を測定する他の測定器を備える構成であってもよい。
洗浄機構14は、測定(分析)終了後の反応容器2を洗浄する機構である。
コンソール15は、分析項目や分析対象の液量等の情報を設定する設定部である。
コントローラ16は、各構成要素の動作をコントロールする制御部である。
コンソール15では、測定(分析)を開始する前に、分析項目や分析対象の液量等の情報が設定される。コントローラ16は、設定された情報に基づいて、予め用意された制御プログラムに従って、各構成要素の動作を制御する。
<化学分析装置の動作>
係る構成において、化学分析装置1は、以下のように動作する。なお、ここでは、サンプルがサンプルカップ6に収容されていると共に、試薬が試薬ボトル8に収容されているものとして説明する。
まず、サンプリング分注機構10が、サンプルカップ6に収容されたサンプルを反応容器2内に分注する。
次に、反応ディスク用ターンテーブル5が、反応ディスク3を回転させて、サンプルが分注された反応容器2を試薬分注位置に配置する。
次に、試薬分注機構11が、試薬ボトル8に収容された試薬を反応容器2内に分注する。
次に、反応ディスク用ターンテーブル5が、反応ディスク3を回転させて、サンプルと試薬が分注された反応容器2を音波攪拌機構12の設置位置に配置する。
次に、音波攪拌機構12が、音波を反応容器2に照射して、反応容器2内のサンプルと試薬の攪拌混合を行う。
次に、反応ディスク用ターンテーブル5が、反応ディスク3を回転させて、サンプルと試薬の攪拌混合が行われた反応容器2を測光機構13の設置位置に配置する。
次に、測光機構13が、反応容器2内のサンプルと試薬の混合物(分析対象)の吸光度を測定する。測定は、攪拌が終了した時点から開始され、サンプルと試薬の反応が終了するまで行われる。
次に、反応ディスク用ターンテーブル5が、反応ディスク3を回転させて、サンプルと試薬の混合物(分析対象)が収容された反応容器2を洗浄機構14の設置位置に配置する。
次に、洗浄機構14が、反応容器2内のサンプルと試薬の混合物(分析対象)を吸引して、反応容器2の洗浄処理を行う。
化学分析装置1は、コントローラ16の制御によって、このような一連のプロセスを複数のサンプルに対して逐一バッチ処理的に行う。
<音波攪拌機構の構成>
化学分析装置1は、以下に説明する音波攪拌機構12を備えることを特徴にしている。以下、図2乃至図4を参照して、音波攪拌機構12の構成について説明する。図2は、音波攪拌機構12の構成を概略的に示す縦断面図である。図3は、音波攪拌機構12の駆動回路25の構成を概略的に示す概略図である。図4は、音波攪拌機構12の切替器35の構成を概略的に示す概略図である。
図2に示すように、音波攪拌機構12は、恒温槽4と、音波発生手段20と、音波反射手段41と、を有している。
恒温槽4は、内部に恒温水18が満たされる水槽である。恒温水18の中には、反応容器2の一部が沈め込まれている。恒温槽4は、恒温水18で反応容器2を恒温状態に保っている。
音波発生手段20は、反応容器2に照射される音波を発生する機構である。
音波反射手段41は、音波を反射する部材である。
音波発生手段20は、攪拌素子21と、駆動回路25と、を有している。
攪拌素子21は、反応容器2に音波を照射する音源として機能する素子である。攪拌素子21は、その側面21fを音波の放射面とし、側面21fから音波を放射する。
駆動回路25は、攪拌素子21を駆動する回路である。駆動回路25は、恒温槽4の外部に配置され、配線を介して攪拌素子21と接続されている。
攪拌素子21は、圧電素子22と、アース側電極23と、セグメント電極24と、を有している。
圧電素子22は、電圧をかけると応力変化(厚み振動現象)を生じて、電機振動を機械振動に変換する素子である。攪拌素子21は、圧電素子22の厚み振動現象を利用して音波を発生させる。
アース側電極23は、アースに接続される側の電極である。
セグメント電極24は、複数に分割され、アレイ状に配置された電極である。セグメント電極24は、それぞれを独立して駆動することができる。
本実施形態1では、アース側電極23は、単体電極として構成されており、圧電素子22の反応容器2に対向する側の面に配置されている。一方、セグメント電極24は、複数に分割された電極として構成されており、圧電素子22の反応容器2に対向しない側の面にアレイ状に配置されている。したがって、攪拌素子21は、片側電極が分割された構成になっている。
攪拌素子21と音波反射手段41は、反応容器2を介して互いに対向するように、恒温水18が満たされた恒温槽4の内壁に沿って設けられている。
本実施形態1では、音波攪拌機構12は、攪拌素子21の圧電素子22で音波を発生させて、攪拌素子21の側面21fから反応容器2に向けて音波を照射すると共に、反応容器2を通過した音波を音波反射手段41で反射させて反応容器2に再び照射する構成になっている。
なお、音波反射手段41は、音波反射手段41で反射した音波の進行方向が液面のない方向になるように、反射面が傾斜された構成になっている。
攪拌素子21から照射された音波は、反応容器2の側面に向かって照射される。音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、反応容器2に伝達され、反応容器2内に入射する。また、反応容器2を通過した音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、音波反射手段41に到達し、音波反射手段41で反射する。そして、反射した音波は、反応容器2に再び照射される。このとき、反射した音波は、反応容器2の側面の下方側に向かって照射される。その際に、反射した音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、反応容器2に伝達され、反応容器2内に入射する。
反応容器2内に入射された音波は、反応容器2内に満たされている被測定液17の内部を伝搬して気液界面で音響流61(音響直進流)を発生させる。被測定液17は、攪拌対象(分析対象)となる、サンプルと試薬の混合物の液体である。音響流61は、被測定液17を白抜き矢印の方向に押圧することによって、位置62sで攪拌流62を生じさせる。攪拌流62は、被測定液17を実線矢印の方向に押圧することによって、被測定液17内のサンプルと試薬の攪拌を行う。
本実施形態1では、圧電素子22で発生される音波が1万6千HZ以上の超音波であり、音波攪拌機構12がその超音波を用いて反応容器2内のサンプルと試薬の混合物(攪拌対象)の攪拌を行うものとして説明する。ただし、音波攪拌機構12は、攪拌対象の攪拌を十分に行うことができるのであれば、超音波に限らず、1万6千HZ未満の音波も用いることができる。したがって、本発明は、1万6千HZ未満の音波を用いて攪拌対象の攪拌を行う場合を含むものである。
図3は、音波攪拌機構12の駆動回路25の具体的な構成を示している。図3に示すように、駆動回路25は、制御器31と、基本周波数波形発生器32と、高調波周波数波形発生器33と、増幅器34と、切替器35と、を有している。
制御器31は、駆動回路25の全体の動作を制御する機能手段である。制御器31は、コントローラ16(図1参照)に接続されている。
基本周波数波形発生器32は、基本周波数の波形の電圧信号を発生する機能手段である。
高調波周波数波形発生器33は、基本周波数よりも高い高調波周波数の波形の電圧信号を発生する機能手段である。
増幅器34は、基本周波数波形発生器32又は高調波周波数波形発生器33から出力された電圧信号を増幅する機能手段である。
切替器35は、基本周波数波形発生器32及び高調波周波数波形発生器33のいずれか一方の波形発生器に圧電素子22の駆動を切り替える機能手段である。
基本周波数波形発生器32は、圧電素子22の厚み振動波形が基本周波数の振動波形となるように、圧電素子22を駆動する第1波形発生器として機能する。
また、高調波周波数波形発生器33は、圧電素子22の厚み振動波形が基本周波数よりも高い周波数である高調波周波数の振動波形となるように、圧電素子22を駆動する第2波形発生器として機能する。
図4は、切替器35の具体的な構成を示している。図4に示すように、切替器35は、それぞれ複数の配線35aとスイッチ35bと配線35cとを有している。配線35a,35cとスイッチ35bのそれぞれは、攪拌素子21のセグメント電極24のそれぞれに対応しており、並列に配列されている。配線35aは、増幅器34とスイッチ35bとに接続されている。配線35c、スイッチ35bとセグメント電極24とに接続されている。
切替器35は、図示せぬ配線を介して制御器31から切替信号が入力されることにより、各スイッチ35bのON/OFFを切り替える。これにより、攪拌素子21の任意の箇所のセグメント電極24に電圧信号を出力(印加)する。なお、スイッチ35bは、MOSFET等のトランジスタが用いられる。
係る構成において、駆動回路25の制御器31は、コントローラ16(図1参照)から制御に関する情報101(図2参照)を受け取る。情報101(図2参照)は、例えば、反応容器2内の攪拌対象(分析対象)の液量(すなわち、反応容器2内に分注されているサンプルと試薬の量)や、攪拌対象(分析対象)を攪拌するタイミング等の情報である。
制御器31(図3及び図4参照)は、情報101(図2参照)から反応容器2内に満たされている攪拌対象(分析対象)である被測定液17(図2参照)の液面高さを計算し、その液面を含めた最適な音波51の照射領域52を決定する。
制御器31は、照射領域52を決定すると、複数のセグメント電極24の中から、照射領域52に対応するセグメント電極24を選択する。選択されたセグメント電極24は、音波を出力させる部位の電極である。制御器31は、攪拌素子21の圧電素子22に対し、選択されたセグメント電極24の部位を集中的に駆動する。
制御器31は、照射領域52に対応するセグメント電極24を選択すると、基本周波数波形発生器32を制御して、所望のタイミングで基本周波数の電圧信号を生成させて増幅器34に出力させる。また、制御器31は、高調波周波数波形発生器33を制御して、所望のタイミングで高調波周波数の電圧信号を生成させて増幅器34に出力させる。
増幅器34は、基本周波数波形発生器32又は高調波周波数波形発生器33から出力された電圧信号を増幅して切替器35に出力する。制御器31は、切替器35を制御して、増幅器34から出力された電圧信号を、照射領域52に対応するセグメント電極24に出力(印加)させる。攪拌素子21の圧電素子22は、厚み振動現象により、電圧信号が入力(印加)されたセグメント電極24の配置箇所で振動する。これにより、攪拌素子21は、反応容器2(特に、照射領域52)に向けて音波を照射する。
攪拌素子21は、基本周波数波形発生器32から出力され増幅器34で増幅された基本周波数の電圧信号が入力(印加)されると、基本周波数の電圧信号の振幅に応じた波形の音波を照射する。以下、基本周波数の電圧信号の振幅に応じた波形の音波を照射する期間を「基本モード」と称する。
また、攪拌素子21は、高調波周波数波形発生器33から出力され増幅器34で増幅された高調波周波数の電圧信号が入力(印加)されると、高調波周波数の電圧信号の振幅に応じた波形の音波を照射する。以下、高調波周波数の電圧信号の振幅に応じた波形の音波を照射する期間を「高調波モード」と称する。
駆動回路25から圧電素子22に入力(印加)される電圧信号は、基本モードと高調波モードとで、振幅変調された波形になっている。そのため、照射された音波の波形は、基本モードと高調波モードとで、電圧信号の振幅の変化に応じて変化したものとなっている。
前記したように、攪拌素子21から照射された音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、反応容器2に伝達され、反応容器2内に入射する。また、反応容器2を通過した音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、音波反射手段41に到達し、音波反射手段41で反射する。そして、反射した音波は、反応容器2に再び照射される。その際に、反射した音波は、恒温槽4内の恒温水18の内部を伝搬して、反応容器2に伝達され、反応容器2内に入射する。
ところで、図2乃至図4に示すように、音波攪拌機構12は、一枚の圧電素子22に対して複数のセグメント電極24がアレイ状に配置された攪拌素子21を音源として用いる構成になっている。
そして、図3及び図4に示すように、音波攪拌機構12は、切替器35を用いて、所望の照射領域52に対応するセグメント電極24に選択的に電圧信号(発生波形)を印加することによって、圧電素子22の任意の箇所を選択的に振動させることができる。
このような音波攪拌機構12は、単一の攪拌素子21で、複数の圧電素子22をアレイ状に配置した構成の音源と機能的に等価な音源を実現している。また、本実施形態1の攪拌素子21は、容易に量産することができると共に、スクリーン印刷等で電極パターンを成形すれば製作時間を短縮することも可能である。そのため、音波攪拌機構12は、低コスト化を実現することができる。
また、攪拌素子21は、構造が極めて単純であるため、音波攪拌機構12の信頼性を向上させることができる。また、攪拌素子21は、例えば、旧来のヘラ等の攪拌棒をロボットアームで動かす攪拌機構に比べてサイズが大幅に小型化されるため、音波攪拌機構12全体の小型化を実現することができる。
<音響流が発生する原理>
ここで、反応容器2内で音響流61が発生する原理について説明する。
図2に示すように、音波が反応容器2内に入射されると、音波は、反応容器2内に満たされている被測定液17の内部を伝搬して気液界面(自由液面)に達する。一般に液体中を伝搬してきた音波が自由液面に達すると、液体には気体側に飛び出させる力(音響放射圧が主要因)が作用する。これにより、気液界面(自由液面)で音響流61が発生する。その音響流61は、さらに位置62sで攪拌流62を生じさせる。
なお、本実施形態に係る音波攪拌機構12は、基本モードと高調波モードとを切り替えて、音波の波形を変化させることにより、液体を気体側に飛び出させる力を制御することができる。
音響流61の発生には、基本モードと高調波モードで発生する電圧信号を大振幅で励振することや、音波の伝搬過程で非線形現象により生じる気液界面の波形の歪みが大きくなるように高調波モードのエネルギー比率を高くすること等が必要である。
ここで、音響流61の発生距離Xsは、以下の式(1)で与えられる。音響流61の発生距離Xsは、音波の放射面である攪拌素子21の側面21fから音響流61の発生位置までの距離である。発生距離Xsがどのような距離であるのかについては、図5と図6を用いて後記する。
Xs=C0/(βωM) …(1)
ここで、C0は伝搬媒質の音速である。また、βは非線形係数である。また、ωは角周波数(ただし、ω=2πf:fは音波の共振周波数)である。また、Mはマッハ数(音響マッハ数)である。
式(1)から分かるように、音響流61の発生距離Xsは、角周波数ω(すなわち、音波の共振周波数f)を変化させることにより、変化させることができる。
以下、図5と図6を参照して、音響流61の発生距離Xsと音波の共振周波数fとの関係について説明する。図5は、本実施形態1に係る音波攪拌機構12の動作例を概略的に示す上面図である。図6は、音波攪拌機構12による音響流61の発生距離Xsと音波の共振周波数fとの関係を示すグラフ図である。
図5は、上方から見た音波攪拌機構12の動作状態を示している。なお、図5に示す長方形は、反応容器2を模式的に示している。ここでは、攪拌素子21は、均一な厚みの圧電素子22を有しているものとして説明する。また、x方向を音波の伝搬方向とし、y方向を攪拌素子21(圧電素子22)の側面21f(音波の放射面)の延在方向として説明する。
ここで、仮想的な比較例の音波攪拌機構として、駆動回路25から圧電素子22に基本周波数f1の1種類の電圧信号しか印加することができない構成の音波攪拌機構を想定したとする。
このような仮想的な比較例の音波攪拌機構は、駆動回路25から圧電素子22に基本周波数f1の電圧信号を印加することにより、基本周波数f1に対応する波形の音波51を発振する。音波51は、x方向に同位相かつ同波長で反応容器2に照射される。
このとき、比較例では、反応容器2の内部での音響流61の発生位置は、y方向の位置y1から位置y2に亘って、x方向に一定の位置x2となる。したがって、比較例では、攪拌素子21の側面21fから音響流61の発生位置x2までの距離Loldが、音響流61の発生距離Xsとなる。
これに対し、本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、駆動回路25から圧電素子22に基本周波数f1と高調波周波数f2との2種類の電圧信号を印加することができる構成になっている。
このような本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、基本モード時に、駆動回路25から圧電素子22に基本周波数f1の電圧信号を印加することにより、基本周波数f1に対応する波形の音波51を発振する。基本周波数f1に対応する波形の音波51は、x方向に同位相かつ同波長で反応容器2に照射される。また、本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、高調波モード時に、駆動回路25から圧電素子22に高調波周波数f2の電圧信号を印加することにより、高調波周波数f2に対応する波形の音波51を発振する。高調波周波数f2に対応する波形の音波51は、x方向に同位相かつ同波長で反応容器2に照射される。
本実施形態1では、基本モード時において、比較例と同様に、反応容器2の内部での音響流61の発生位置は、y方向の位置y1から位置y2に亘って、x方向に一定の位置x2となる。したがって、比較例では、攪拌素子21の側面21fから音響流61の発生位置x2までの距離Loldが、音響流61の発生距離Xsとなる。
前記した通り、音響流61の発生距離Xsは、角周波数ω(すなわち、音波の共振周波数f)を変化させることにより、変化させることができる。音響流61の発生距離Xsと音波の共振周波数fとの関係は、図6に示すような関係になっている。つまり、音波の共振周波数fが高いほど、音響流61の発生距離Xsが短くなる関係になっている。
そのため、本実施形態1では、高調波モード時において、反応容器2の内部での音響流61の発生位置は、y方向の位置y1から位置y2に亘って、x方向に、位置x2よりも攪拌素子21(圧電素子22)に近い、一定の位置x1となる。したがって、本実施形態1では、攪拌素子21の側面21fから音響流61の発生位置x1までの距離Lnewが、音響流61の発生距離Xsとなる。
したがって、図5に示すように、本実施形態1では、音響流61の発生距離Xsは、音波の共振周波数fが高いほど、攪拌素子21(圧電素子22)に近くなる。つまり、本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、高調波モード時に、基本モード時よりも音響流61の発生距離Xsを短くすることができる。その結果、本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、高調波モード時に、基本モード時よりも反応容器2の内部での音響流61の発生位置を攪拌素子21(圧電素子22)に近づけることができる。
このような本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、駆動回路25から圧電素子22に印加する音波の周波数を基本周波数f1又は高調波周波数f2のいずれか一方に変更する。これにより、音波攪拌機構12は、基本モードと高調波モードとを使い分けることができる。そして、音波攪拌機構12は、基本モード時に、音響流61の発生位置を、攪拌素子21(圧電素子22)から遠い側の位置x2に設定することができる。また、音波攪拌機構12は、高調波モード時に、音響流61の発生位置を、攪拌素子21(圧電素子22)に近い遠い側の位置x1に設定することができる。
このような本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、基本モードと高調波モードとを使い分けることにより、音響流61の発生距離Xsに幅を持たせることができる。例えば、一例として、攪拌素子21の側面21fを原点とし、側面21fからの位置x1が約7mmとなり、側面21fからの位置x2が約12mmとなる場合に、音波攪拌機構12は、音響流61の発生距離Xsに対して、「(x2−x1)」で約5mmの幅を持たせることができる。
なお、本実施形態1において、駆動回路25から圧電素子22に印加される電圧信号の波形は、基本モードと高調波モードとでそれぞれ単一周波数f1,f2の波形であることが望ましい。また、高調波周波数が基本周波数の整数倍(例えば2倍)であることが望ましい。これにより、音波攪拌機構12は、攪拌に利用する音波エネルギーの変化量を効率よく制御することができ、攪拌力を向上させることができる。
このような本実施形態1に係る音波攪拌機構12は、基本モードと高調波モードとを使い分けることにより、音響流61の発生距離Xsを変化させて、反応容器2の内部での音響流61の発生位置を変化させることができる。これにより、音波攪拌機構12は、反応容器2の内部で十分な旋回流を得ることができる。その結果、音波攪拌機構12は、液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行うことができる。また、本実施形態1に係る化学分析装置1は、その音波攪拌機構12を用いることにより、液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行うことができる。
なお、音波攪拌機構12は、運用次第で、基本モードと高調波モードとを交互に実行する構成にすることができる。また、音波攪拌機構12は、停止期間を間に挟みながら基本モードを断続的に連続して実行する構成にすることもできる。さらに、音波攪拌機構12は、停止期間を間に挟みながら高調波モードを断続的に連続して実行する構成にすることもできる。
以上の通り、本実施形態1に係る音波攪拌機構12及びその音波攪拌機構12を用いる化学分析装置1によれば、液量の少ないサンプルや試薬等に対して良好に攪拌を行うことができる。
[実施形態2]
本実施形態2は、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17t(図7参照)の高さに合わせて、気液界面17t付近に集中的に音波を照射する音波攪拌機構12Aを提供するものである。
以下、図7を参照して、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aの詳細について説明する。図7は、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aの動作例の説明図である。ここでは、x方向を音波の伝搬方向とし、z方向を上下方向(気液界面17tの高さ方向)として説明する。
本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、実施形態1の音波攪拌機構12(図1乃至図4参照)と同じ構成になっている。
ただし、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、実施形態1の音波攪拌機構12と異なり、攪拌素子21から音波を発振する方向を限定することができる。そして、図7に示すように、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17tの高さに合わせて、気液界面17t付近に集中的に音波を照射するように、攪拌素子21を駆動する。以下、攪拌素子21の中で集中的に駆動される部分を「集中駆動部21Co」と称する。
図7に示すように、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、集中駆動部21Coの攪拌素子21から反応容器2に向けて音波51を照射する。照射された音波51は、反応容器2に到達すると、反応容器2内に入射する。反応容器2内に入射された音波は、反応容器2内に満たされている被測定液17の内部をx方向の位置xb及びz方向の位置z1の方向に向けて伝搬する。そして、音波51は、被測定液17の気液界面17tに衝突して、気液界面17tで音響流61を発生させる。
このとき、被測定液17の気液界面17tに衝突した音波51は、被測定液17の気液界面17tを実線矢印の方向に押圧して被測定液17を効率的に圧縮する。これにより、被測定液17は、気液界面17t付近で圧縮状態になると共に、他の部分で非圧縮状態となる。その結果、圧縮状態の気液界面17t付近から非圧縮状態の反応容器2の底面付近に向けて、音響流61が流れ込む。これにより、音響流61の攪拌力が増大する。
つまり、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、被測定液17の気液界面17t付近に音波を集中的に照射することにより、気液界面17tを効率よく揺らすことができる。そのため、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、実施形態1の音波攪拌機構12よりも攪拌力を向上させることができる。その結果、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aは、液量の少ないサンプルや試薬等に対して、実施形態1の音波攪拌機構12よりもさらに良好に攪拌を行うことができる。
以上の通り、本実施形態2に係る音波攪拌機構12Aによれば、液量の少ないサンプルや試薬等に対して、実施形態1の音波攪拌機構12よりもさらに良好に攪拌を行うことができる。
[実施形態3]
本実施形態3は、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17tに形成される凹部Bt(図8参照)の位置に合わせて、異なる位置で音響流61を発生させる音波攪拌機構12Bを提供するものである。
以下、図8を参照して、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bの詳細について説明する。図8は、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bの動作例の説明図である。ここでは、x方向を音波の伝搬方向とし、z方向を上下方向(気液界面17tの高さ方向)として説明する。
本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、実施形態2の音波攪拌機構12Aと同じ構成になっている。
ただし、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、実施形態2の音波攪拌機構12Aと異なり、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17tに形成される凹部Btの位置に合わせて、異なる位置で音響流61を発生させる構成になっている。
つまり、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、被測定液17の気液界面17tに形成される凹部Btの位置に合わせて、基本周波数f1の音波と高調波周波数f2の音波の発生タイミングを時間的に分離する。そして、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、音波の出力強度を制御しながら、音波を発振することにより、音響流61の発生位置を制御する構成になっている。
例えば、図8(a)に示すように、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17tが揺れて、気液界面17tの凹部Btがx方向の位置xaとz方向の位置z1で発生したとする。x方向の位置xaとz方向の位置z1は、攪拌素子21に近い側の位置である。この場合に、音波攪拌機構12Bは、モードを高調波モードとし、高調波周波数f2の音波を発生させる。そして、音波攪拌機構12Bは、音響流61がx方向の位置xaとz方向の位置z1で発生するように、音波の発生タイミングと出力強度を制御する。
なお、ここでは、音波攪拌機構12Bが、音波の周波数を高調波周波数f2に設定して、音波の発生タイミングを制御することで、音響流61の発生位置を制御している。しかしながら、音波攪拌機構12Bは、音波の発生タイミングに合わせて、音波の音圧を増大させることで、音響流61の発生位置を制御することもできる。
また、例えば、図8(b)に示すように、反応容器2内に収容された被測定液17の気液界面17tが揺れて、気液界面17tの凹部Btがx方向の位置xcとz方向の位置z1で発生したとする。x方向の位置xcとz方向の位置z1は、攪拌素子21から遠い側の位置である。この場合に、音波攪拌機構12Bは、モードを基本モードとし、基本周波数f1の音波を発生させる。そして、音波攪拌機構12Bは、音響流61がx方向の位置xcとz方向の位置z1で発生するように、音波の発生タイミングと出力強度を制御する。
なお、ここでは、音波攪拌機構12Bが、音波の周波数を基本周波数f1に設定して、音波の発生タイミングを制御することで、音響流61の発生位置を制御している。しかしながら、音波攪拌機構12Bは、音波の発生タイミングに合わせて、音波の音圧を低減させることで、音響流61の発生位置を制御することもできる。
このような本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、気液界面17tの凹部Btの位置(つまり、被測定液17の液面の形状)に合わせて、音響流61の発生位置を制御する。これにより、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、実施形態2の音波攪拌機構12Aよりもさらに攪拌力を向上させることができる。そのため、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、液量の少ないサンプルや試薬等に対して、実施形態2の音波攪拌機構12Aよりもさらに良好に攪拌を行うことができる。
なお、前記した特許文献2に記載された装置は、壁面摩擦の影響を受けない気液界面付近において音響放射圧が支配的な流動である音響流を利用して、気液界面が音響流の発生位置に収まった場合に、音波を照射させる構成になっている。
これに対し、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、気液界面17tの流動に合わせて、時間的に音波の共振周波数fを変化させる。これにより、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、前記した特許文献2に記載された装置よりも攪拌に利用する音波エネルギーを増大させることができる。そのため、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、前記した特許文献2に記載された装置よりも攪拌力を向上させることができる。
なお、気液界面17tの流動特性は、反応容器2の大きさや形状、被測定液17の音速や粘性、試薬の量等で決まる。そこで、本実施形態3では、事前に、これらの要因に応じて、音波の周波数や照射タイミング等の攪拌仕様情報が、コンソール15(図1参照)に入力されるものとする。そして、攪拌時に、コントローラ16(図1参照)が、コンソール15(図1参照)から攪拌仕様情報を適宜読み出して、読み出された攪拌仕様情報に基づいて、音波攪拌機構12Bに所望の攪拌制御を行わせる構成にするとよい。
又は、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、ハイスピードカメラ等で反応容器2の被測定液17の液面を検出する検出機構(図示せず)を設け、この検出機構で読み取った液面の情報を制御器31で処理して、音波の発振制御にフィードバックする構成してもよい。
なお、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、例えば、ハイスピードカメラ等で反応容器2内での気泡の位置を監視し、攪拌を終了する際に、反応容器2内での気泡の位置に合わせて、攪拌の最後に、基本周波数f1の音波又は高調波周波数f2の音波を照射する構成にするとよい。
例えば、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、攪拌を終了する際に、反応容器2内において気泡が圧電素子22から遠い側に発生している場合に、基本周波数波形発生器32に圧電素子22を一時的に駆動させた後、駆動を停止する構成にするとよい。
つまり、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、攪拌を終了する際に、反応容器2内において気泡が圧電素子22から遠い側に発生している場合に、最後に基本周波数f1で圧電素子22を振動させる構成にするとよい。
また、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、攪拌を終了する際に、反応容器2内において気泡が圧電素子22に近い側に発生している場合に、高調波周波数波形発生器33に圧電素子22を一時的に駆動させた後、駆動を停止する構成にするとよい。
つまり、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、攪拌を終了する際に、反応容器2内において気泡が圧電素子22に近い側に発生している場合に、最後に高調波周波数f2で圧電素子22を振動させる構成にするとよい。
これらの構成の場合に、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bは、攪拌を終了する際に、反応容器2内での気泡の位置に合わせて、攪拌の最後に、基本周波数f1の音波又は高調波周波数f2の音波を照射することができる。これにより、これらの構成の場合に、音波攪拌機構12Bは、気泡付近の液面に振動を集中的に与えることができるため、気泡を効率よく除去することができる。
以上の通り、本実施形態3に係る音波攪拌機構12Bによれば、液量の少ないサンプルや試薬等に対して、実施形態2の音波攪拌機構12Aよりもさらに良好に攪拌を行うことができる。
本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成を加えることも可能である。また、各構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、例えば、音波攪拌機構12は、化学分析装置1以外の装置に用いることができる。
また、例えば、前記した実施形態では、攪拌素子21は、電圧素子22の反応容器2に近い側の面にアース側電極23を配置し、電圧素子22の反応容器2から遠い側の面にセグメント電極24を配置した構成になっている。しかしながら、攪拌素子21は、防水を十分に施すことができるのであれば、アース側電極(単体電極)とセグメント電極とを逆に配置することができる。つまり、攪拌素子21は、電圧素子22の反応容器2に近い側の面にセグメント電極24を配置し、電圧素子22の反応容器2から遠い側の面にアース側電極23を配置した構成することができる。
1 化学分析装置
2 反応容器
3 反応ディスク
4 恒温槽(水槽)
5 反応ディスク用ターンテーブル
6 サンプルカップ
7 サンプル用ターンテーブル
8 試薬ボトル
9 試薬用ターンテーブル
10 サンプリング分注機構
11 試薬分注機構
12 音波攪拌機構
13 測光機構(測定器)
14 洗浄機構
15 コンソール
16 コントローラ
17 被測定液
17t 気液界面
18 恒温水
20 音波発生手段
21 攪拌素子(音源)
21co 集中駆動部
21f 音源の側面
22 圧電素子
23 アース側電極(単体電極)
24 セグメント電極
25 駆動回路
31 制御器
32 基本周波数波形発生器(第1波形発生器)
33 高調波周波数波形発生器(第2波形発生器)
34 増幅器
35 切替器
35a 配線
35b スイッチ
35c 配線
41 音波反射手段
51 音波
52 照射領域
61 音響流
62 攪拌流
62s 攪拌流の発生位置
101 情報
Bt 凹部
Lold 音響流の発生距離
Lnew 音響流の発生距離

Claims (6)

  1. 分析対象となるサンプルと試薬が注入された反応容器に音波を照射して前記分析対象を攪拌する音波攪拌機構と、
    前記分析対象の物性を測定する測定器と、を備え、
    前記音波攪拌機構は、
    前記反応容器の側面に音波を照射する圧電素子と、
    前記圧電素子の厚み振動波形が基本周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第1波形発生器と、
    前記圧電素子の厚み振動波形が前記基本周波数よりも高い周波数である高調波周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第2波形発生器と、
    前記第1波形発生器及び前記第2波形発生器のいずれか一方の波形発生器に前記圧電素子の駆動を切り替える切替器と、を有する
    ことを特徴とする化学分析装置。
  2. 請求項1に記載の化学分析装置において、
    前記音波攪拌機構は、前記反応容器内の気液界面付近に音波を集中的に照射することができる
    ことを特徴とする化学分析装置。
  3. 請求項2に記載の化学分析装置において、
    前記音波攪拌機構は、前記気液界面付近の凹部の位置に合わせて基本周波数の音波と高調波周波数の音波の発生タイミングを時間的に分離して出力強度を制御しながら音波を発振することにより、音響流の発生位置を制御する
    ことを特徴とする化学分析装置。
  4. 請求項3に記載の化学分析装置において、
    前記音波攪拌機構は、攪拌を終了する際に、前記反応容器内において気泡が前記圧電素子から遠い側に発生している場合に、前記第1波形発生器に前記圧電素子を一時的に駆動させた後、駆動を停止する
    ことを特徴とする化学分析装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の化学分析装置において、
    前記音波攪拌機構は、攪拌を終了する際に、前記反応容器内において気泡が前記圧電素子に近い側に発生している場合に、前記第2波形発生器に前記圧電素子を一時的に駆動させた後、駆動を停止する
    ことを特徴とする化学分析装置。
  6. 攪拌対象が収容された反応容器の側面に音波を照射する圧電素子と、
    前記圧電素子の厚み振動波形が基本周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第1波形発生器と、
    前記圧電素子の厚み振動波形が前記基本周波数よりも高い周波数である高調波周波数の振動波形となるように、前記圧電素子を駆動する第2波形発生器と、
    前記第1波形発生器及び前記第2波形発生器のいずれか一方の波形発生器に前記圧電素子の駆動を切り替える切替器と、を有する
    ことを特徴とする音波攪拌機構。
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