JP2019104992A - 衣料用仕上げ剤組成物 - Google Patents

衣料用仕上げ剤組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019104992A
JP2019104992A JP2017236345A JP2017236345A JP2019104992A JP 2019104992 A JP2019104992 A JP 2019104992A JP 2017236345 A JP2017236345 A JP 2017236345A JP 2017236345 A JP2017236345 A JP 2017236345A JP 2019104992 A JP2019104992 A JP 2019104992A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
component
less
clothing
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017236345A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7051202B2 (ja
Inventor
理紗 大滝
Risa Otaki
理紗 大滝
志子 藤井
Yukiko Fujii
志子 藤井
美希 玉城
Miki Tamaki
美希 玉城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2017236345A priority Critical patent/JP7051202B2/ja
Publication of JP2019104992A publication Critical patent/JP2019104992A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7051202B2 publication Critical patent/JP7051202B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Abstract

【課題】着用や洗濯の繰り返しによって生じた、衣料の型崩れを回復させ、がさがさとしたごわつきのない風合いを付与することができる衣料用仕上げ剤組成物の提供。【解決手段】(A)酢酸ビニルからの構成単位を含む高分子重合体を5質量%以上50質量%以下、(B)ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、特定のポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合している化合物を0.05質量%以上5質量%以下、及び水を含有する、衣料用仕上げ剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、衣料用仕上げ剤組成物に関する。
衣料が着用や洗濯の繰り返しによって、新品時の外観の美しさや風合いを失うことは避けられないと言われている。特にファッション性に優れたニット衣料は、単繊維を甘く撚った糸で構成されていることから、着用や洗濯によって糸を構成する単繊維の位置ずれが発生するため外観変化や風合いの劣化が発生しやすい。即ち、着用者にとって重要とされる衣料の外観美が失われてしまう。このように、衣料が中古化することによりくたびれた外観や風合い変化が生じる。
特許文献1には、(A)特定重量平均分子量の水溶性加工澱粉及びその誘導体並びに特定重量平均分子量の水溶性セルロース誘導体からなる群から選ばれる水溶性高分子化合物、(B)シリコーン化合物及び(C)非イオン性界面活性剤を、それぞれ特定比率で含有することで、型くずれ、のび、縮み等、劣化した繊維製品の形態を回復させる繊維製品処理剤組成物が開示されている。
特許文献2には、i)特定重量平均分子量のポリ酢酸ビニルの鹸化物、ii)特定重量平均分子量のポリスチレンスルホン酸及びiii)特定重量平均分子量のN−ビニル−2−ピロリドンの重合物から選ばれる水溶性高分子化合物(A)と、4級アンモニウム化合物、3級アミンの無機又は有機の酸塩及びシリコーン化合物から選ばれる柔軟化剤(B)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型の特定の非イオン性界面活性剤(C)とを、それぞれ特定比率で含有することで、型くずれ、のび、縮み等、劣化した繊維製品の形態を回復させる繊維製品処理剤組成物が開示されている。
特許文献3には、特定重量平均分子量の水溶性高分子化合物(A)と、アミノ変性シリコーン化合物(B)とを、それぞれ特定比率で含有することで、型くずれ、のび、縮み等、劣化した繊維製品の形態を回復させる繊維製品処理剤が開示されている。
特許文献4には、(a)エステル、アミドもしくはエーテル結合を含む炭素数11〜36の炭化水素基を有する第3級アミン、それらの塩及びそれらの4級化物から選ばれる1種以上のカチオン性柔軟基剤と、(b)共有結合以外の結合による分子内及び分子間架橋を生じる、温度20℃で固体のポリシロキサンであって、その成形体が、温度20℃、相対湿度65%における伸長率0〜15%の範囲で破断又は塑性変形を生じないポリシロキサンを含有することで、優れた柔軟性付与効果を維持したまま、繊維製品に滑り性や弾力性のある風合いを付与できる柔軟剤が開示されている。
特開2000−129577号公報 特開2000−129578号公報 特開2000−239970号公報 特開平11−229273号公報
本発明は、衣料に発生した型崩れを回復させ、がさがさとしたごわつきのない風合いを付与する衣料用仕上げ剤組成物を提供する。
本発明は、(A)酢酸ビニルからの構成単位を含む高分子重合体(以下、(A)成分という)を5質量%以上50質量%以下、(B)ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合している化合物(以下、(B)成分という)を0.05質量%以上5質量%以下、及び水を含有する、衣料用仕上げ剤組成物に関する。
Figure 2019104992
〔式中、R1bは水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のシクロアルキル基、炭素数7以上22以下のアラルキル基、又は炭素数6以上22以下のアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕
本発明によれば、着用や洗濯の繰り返しによって生じた、衣料の型崩れを回復させ、がさがさとしたごわつきのない風合いを付与することができる衣料用仕上げ剤組成物が提供される。
本発明において「型崩れ」とは、衣料をハンガーにかけたり着用したりしたときに、布表面にハリ感がなく、表面が波打ってヨレやくたびれ感が生じた状態をいう。
なお、ヨレやくたびれ感は、例えば、新品の衣料と比べて身ごろ、袖口、首周りの形状が伸びたり縮んだりして当初とは異なる長さや形へと変化していることで生じると考えられる。
また本発明において、「風合い」とは、人が素肌で感じる感触的心地よさのことを指し、柔軟性だけでなく滑り、かさ高さ、弾力性、はり、こし、ぬめり等、他の多種多様の因子が混ざったものであり、心地良さのベクトルにおいて一定の方向性を示すものである。
[衣料用仕上げ剤組成物]
<(A)成分>
本発明の(A)成分は、酢酸ビニルからの構成単位を含む高分子重合体であり、酢酸ビニルからの構成単位が一部ないし全部を占める重合体である。
酢酸ビニルの割合は、重合体の重合に用いる全モノマー中に好ましくは75質量%以上、より好ましくは82質量%以上、更に好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは97質量%以下、更に好ましくは96質量%以下である。なお本発明において、製造時に用いるモノマー比率は、後述する酢酸ビニルと共重合可能なモノマーも含めて、(A)成分である高分子重合体の構成単位の比率としてもよい。
(A)成分の高分子重合体である酢酸ビニル重合体を構成するためのその他のモノマー化合物としては、酢酸ビニルと共重合可能な重合性の不飽和結合を有する、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の低級アルコール(炭素数1以上3以下のアルコール)エステル、及び不飽和カルボン酸アミドから選ばれるモノマー化合物が好ましい。
前記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、シトラコン酸を挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸が好ましい。
前記不飽和カルボン酸の割合は、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
また、前記不飽和カルボン酸の低級アルコールエステルとしては、上記不飽和カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステルを挙げることができ、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルが好ましい。
前記不飽和カルボン酸の低級アルコールエステルの割合は、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
また、前記不飽和カルボン酸アミドの例としては、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N−アルコキシアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド、N−ヒドロキシアルキルメタクリルアミド、N−アシルアルキルアクリルアミド、N−アシルアルキルメタクリルアミドから選ばれる1種以上が挙げられる。これらアミド化合物のアルキル基、アルコキシ基、アシル基の鎖長は炭素数1以上18以下が好ましい。これらの中でも、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、ダイアセトンイソアクリルアミドが好ましい。
前記不飽和カルボン酸アミドの割合は、酢酸ビニル重合体の重合に用いる全モノマー中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
(A)成分の高分子重合体は、重量平均分子量が、好ましくは50,000以上、より好ましくは150,000以上、更に好ましくは300,000以上、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは450,000以下、更に好ましくは400,000以下である。この重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されたものである。具体的には、溶離液としてクロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトン及びこれらの溶媒を組み合わせた液のいずれか、好ましくはジメチルホルムアミドを使用して測定したポリスチレン換算の分子量をいう。より具体的には、以下の方法で測定する。
(A)成分の高分子重合体5gを20mLのメスフラスコに入れ、アセトンでメスアップした後、0.5μmのPTFEメンブランフィルターでろ過する。ろ液を用いて以下の条件のGPCにより重量平均分子量を測定する。
カラム :α−M+α−M(アニオン)
溶離液 :HPO(60mmol/L)/LiBr(50mmol/L)/DMF
流速 :1.0mL/min
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
サンプル濃度:5mg/mL
サンプル量 :100μL
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(A)成分を、衣料の型崩れを回復させる観点から、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、そして、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下含有する。
<(B)成分>
本発明の(B)成分は、ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合している化合物である。
Figure 2019104992
〔式中、R1bは水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のシクロアルキル基、炭素数7以上22以下のアラルキル基、又は炭素数6以上22以下のアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕
上記ヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2以上20以下のアルキレン基を挙げることができ、その具体例としては、下記式で表されるものを挙げることができる。
Figure 2019104992
一般式(1)中のR1bで示されるアルキル基としては、炭素数1以上10以下のものが好ましく、シクロアルキル基としては、炭素数3以上6以下のものが好ましく、アラルキル基としては、フェニルアルキル基、ナフチルアルキル基が好ましく、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アルキル基置換フェニル基が好ましい。
(B)成分中、ポリシロキサン鎖部分とポリ(N-アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))は、ごわつきのない風合いを付与する観点から、好ましくは40/60以上、より好ましくは50/50以上、そして、好ましくは98/2以下、より好ましくは94/6以下、更に好ましくは90/10以下である。
ここで前記質量比は、ポリシロキサン鎖部分の含有率をプラズマ発光分析によるケイ素原子定量分析により求めた値を用いて算出することができる。
また前記質量比は、製造時において反応に使用するポリシロキサン鎖とポリ(N-アシルアルキレンイミン)の質量比としてもよい。
(B)成分の重量平均分子量は、好ましくは20,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上、そして、好ましくは500,000以下、より好ましくは300,000以下、更に好ましくは200,000以下、より更に好ましくは150,000以下である。(B)成分の重量平均分子量はクロロホルムを展開溶媒としたゲル浸透型液体クロマトグラフィーから求めたポリスチレン重量換算分子量である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(B)成分を、ごわつきのない風合いを付与する観点から、0.05質量%以上、好ましくは0.07質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、そして、5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下含有する。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物において、(A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)は、型崩れ回復性と風合いの両立の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは250以下、より好ましくは200以下である。
<(C)成分>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(A)成分の水中分散安定性の観点から、更に(C)成分として、カチオン化澱粉を含有することが好ましい。
カチオン化澱粉の主骨格を形成する澱粉類としては、特開2010−180320号公報に記載の澱粉等を用いることができる。具体的には、コーンスターチ、小麦スターチ、ポテトスターチ、タピオカスターチ等の澱粉が挙げられる。
前記澱粉にカチオン基を導入してカチオン化澱粉とする方法は特に限定されず、例えば、澱粉類と四級アンモニウムアルキル化試薬とを反応させる方法が挙げられる。
四級アンモニウムアルキル化試薬としては、例えば、特開2010−180320号公報に記載のグリシジル基を有する4級アンモニウム化合物を挙げることができ、化合物の入手の容易性の観点から、グリシジルトリメチルアンモニウムクロリドが好ましい。
四級アンモニウムアルキル化試薬の具体的な製造方法としては、例えば特開昭56−36501号公報、特開平6−100603号公報、特開2010−180320号公報、及び特開平8−198901号公報等に記載の方法が挙げられる。
カチオン化澱粉の置換度は、好ましくは0.02以上、より好ましくは0.05以上、そして、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下である。
なお、カチオン化澱粉の置換度は、CHN元素分析計(エレメンタール社製、商品名:VARIO ELIII)によって測定した、カチオン化澱粉の窒素含有量(N)質量%から下記の式より算出される。
置換度=162N/(1400−152N)
この置換度は、カチオン化の程度を示すものであり、澱粉の無水単糖ユニット当りに付加したカチオン基のモル数を示す値である。
カチオン化澱粉は、5質量%水溶液の50℃における粘度が30mPa・s以上、更に50mPa・s以上、そして、100mPa・s以下、更に90mPa・s以下のものを用いることが、(A)成分と保護コロイドを構成する観点から好ましい。粘度は、B型粘度計を用いて、No.1ローターを用い、12r/minで回転させてから、1分後の指示値とする。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(C)成分を、(A)成分の水中分散安定性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下含有する。
<高分子重合体混合物(M)>
本発明において、(A)成分と(C)成分は、混合物(以下、高分子重合体混合物(M)という場合がある)を形成していることが好ましい。すなわち、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(A)成分と(C)成分とを含む高分子重合体混合物(M)を含有することが好ましい。高分子重合体混合物(M)は、後述する(D)成分であるポリビニルアルコールを含有することが好ましい。
高分子重合体混合物(M)は、溶液に均質に溶解した状態のものではなく、一部ないし全部が水で膨潤していてもよい塊状ないし液滴的な或いは凝集的な混合物であることが好ましい。さらに高分子重合体混合物(M)が、微粒子(以下、高分子重合体混合微粒子という場合もある)を、より好ましくはカチオンを表面電荷とする保護コロイドを、形成していることがより好ましい。すなわち、本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(A)成分と(C)成分とを含む混合微粒子を含有することが好ましく、該混合微粒子は、更に、(D)成分であるポリビニルアルコールを含むことが好ましい。(A)成分、(C)成分、(D)成分は、それぞれ、一部が、高分子重合体混合物(M)を形成せずに、高分子重合体混合物(M)の分散媒体中に溶解ないし分散していてもよい。
高分子重合体混合物を微粒子、好ましくは保護コロイドにするためには、例えば、(C)成分、後述する任意の(D)成分及び(E)成分を含有する水溶液中で、(A)成分の構成単位となる酢酸ビニルを主たるモノマーとする単一又は複数モノマーを重合することで得ることができる。
従って(A)成分、(C)成分及び任意の(D)成分が高分子重合体混合物による微粒子を構成していると仮定して、(A)成分、(C)成分及び任意の(D)成分の合計に対する(A)成分の質量比は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下である。
また(A)成分、(C)成分及び任意の(D)成分の合計に対する(C)成分の質量比は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
<(D)成分>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(D)成分として、ポリビニルアルコールを含有することが好ましい。とりわけ、本発明の衣料用仕上げ剤組成物が、(A)成分と(C)成分とを含む高分子重合体混合微粒子を含有する場合、エマルジョンの貯蔵安定性をさらに向上させるための観点から、前記高分子重合体混合微粒子が、更に、(D)成分を含むことが好ましい。
(D)成分は重量平均分子量が10,000以上、そして、200,000以下、好ましくは100,000以下であるものが好適である。(D)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、アセトニトリルと水の混合溶液(リン酸緩衝液)を展開溶媒とし、ポリエチレングリコールを標準物質として測定することができる。
なお(A)成分、(C)成分及び任意の(D)成分の合計に対する(D)成分の質量比は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは4質量%以下である。
なお本発明の衣料用仕上げ剤組成物中に含有される(D)成分濃度は、(A)成分の水中分散安定性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.9質量%以下、更に好ましくは0.8質量%以下である。
<(E)成分>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(E)成分として、非イオン界面活性剤を含有することが好ましい。とりわけ、本発明の衣料用仕上げ剤組成物が、(A)成分と(C)成分とを含む高分子重合体混合物を含有する場合、高分子重合体混合物による微粒子、好ましくは保護コロイドを構成し、安定化する観点から、前記高分子重合体混合物を含む後述の液状組成物Iが、更に、(E)成分を含むことが好ましい。本発明では、高分子重合体混合物による微粒子、好ましくは保護コロイドを構成し、安定化する観点から、(E)成分は、具体的には、特開平10−195772号公報の7欄43行〜8欄40行に記載されたものを用いることが出来る、(E)成分としては、好ましくは炭素数7以上22以下の飽和又は不飽和アルコールのエチレンオキサイド付加物であるポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルである。該ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルのオキシアルキレン基の平均付加モル数は、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは20以上、そして、好ましくは60以下、より好ましくは50以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(E)成分を、(A)成分の水中分散安定性の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下含有する。
<(F)成分>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、風合いをより良好にする観点から、(F)成分として、カチオン界面活性剤を含有することが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、後述する下記一般式(F1)に包含されるアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩の他に、構造にエステル結合又はアミド結合を有するカチオン界面活性剤である、トリエタノールアミンのジ脂肪酸エステル四級アンモニウム塩、ジエタノールジメチルアミンのジ脂肪酸エステル四級アンモニウム塩、N−ヒドロキシエチル−N−メチル−プロパンジアミンの脂肪酸モノエステルモノアミド塩、またベンジル基を有するアルキルベンジルジメチル四級アンモニウム塩が挙げられ、その他にアルキルピリジニウム塩、ポリエチレンポリアミン等が挙げられる。
四級アンモニウム塩は、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸塩又は塩化塩が好ましい。またアルキル基又は脂肪酸残基(カルボニル炭素原子を含む)の炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは12以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。この段落においてカチオン界面活性剤は、アルキル基又は脂肪酸残基をアルケニル基や不飽和脂肪酸等の不飽和結合を有するものに置き換えた化合物も含まれる。
(F)成分は、下記一般式(F1)で表される4級アンモニウム塩化合物であってもよく、好ましくはモノ長鎖アルキル−トリ短鎖アルキル基の4級アンモニウム塩化合物である。
Figure 2019104992
〔式中、R1f及びR2fは、炭素数1以上22以下の炭化水素基、好ましくはR1fが炭素数8以上18以下のアルキル基又はアルケニル基であり、且つR2fが炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基である。R3f、R4fは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基、好ましくはメチル基であり、Yは陰イオンである。〕
一般式(F1)中、Yは、ハロゲンイオン、好ましくはクロロイオン、炭素数1以上3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上3以下のアルキル基が1個以上3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンから選ばれる陰イオンが好ましく、クロロイオンが好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(F)成分を、風合いをより良好にする観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下含有する。なお(F)成分の配合は、洗濯機の仕上げ剤投入口などへの(A)成分の付着性を低減させる作用も示す。
<(G)成分>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、(G)成分として、水溶性有機溶剤を含有することができる。水溶性有機溶剤としては、液体柔軟剤組成物に用いられる一般的な水溶性有機溶剤が挙げられる。なお、(G)成分における「水溶性有機溶剤」とは、20℃の脱イオン水100gに対して20g以上溶解する有機溶剤をいう。水溶性有機溶剤の具体例としては、プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、イソプロパノール、及びエタノールから選ばれる1種以上を挙げることができる。これらの中でも、グリセリン及びプロピレングリコールから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(G)成分を、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下含有する。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、(G)成分として、グリセリン(以下、(G1)成分という)及びプロピレングリコール(以下、(G2)成分という)から選ばれる1種以上を含有することが好ましく、(G1)成分と(G2)成分の両方を含有することがより好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物において、(G1)成分と(G2)成分の両方を含有する場合、(G1)成分の含有量と(G2)成分の含有量との質量比(G1)/(G2)は、仕上げ剤組成物の保存安定性の観点から、好ましくは2.0以上、より好ましくは5.0以上、そして、好ましくは30以下、より好ましくは20以下である。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、一般に浴処理用糊剤や柔軟剤組成物に含有することが知られている成分を含有することができる。例えばpH調整剤としての酸剤やアルカリ剤、香料成分、殺菌や消臭剤として知られている化合物、プロキセル名で市販されている抗菌・抗カビ剤、サニゾール名で市販されている第4級アンモニウム塩化合物等の殺菌剤、顔料染料等の着色剤、キサンタンガムのような増粘化剤、ハイドロカーボン、脂肪酸アルコールエステル、脂肪族アルコール等の油剤、ブチルカルビトールや2エチルヘキシルグリセリルエーテル等の有機溶剤、ジメチルシロキサンやその変性体等の公知のシリコーンなど(但し(A)〜(G)成分を除く)を、本効果を損なわない程度に含有することができる。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物の分散媒は水であり、次亜塩素酸で殺菌された水を用いることができ、脱イオンしたものを用いることが好ましい。水は(A)成分、任意成分の(C)成分から持ち込まれるもの以外に、好ましい組成物を調製する上で別途添加してもよい。本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、水を、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下含有する。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物のpHは、JIS K 3362;2008の項目8.3に従って25℃で測定した場合に好ましくは3以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは8以下、より好ましくは7以下である。
pHを調整するために酸剤やアルカリ剤を用いてもよく、酸剤としてはクエン酸、フマル酸等の有機酸、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸を挙げることができ、アルカリ剤としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩の他にモノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機性のアルカリ剤としてアミン化合物を用いることもできる。
<衣料用仕上げ剤組成物の製造方法>
本発明の衣料用仕上げ剤組成物は、(A)成分、及び水を含有する液状組成物(以下、液状組成物Iという場合もある)を調製する工程Iと、工程Iで得られた液状組成物Iと(B)成分とを混合する工程IIとを有する製造方法により製造することが好ましい。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法は、本発明の衣料用仕上げ剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
工程Iでは、(A)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、及び水を含有する液状組成物Iを調製することが好ましい。
工程Iでは、(A)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、及び水を含有する液状組成物Iであって、(A)成分、(C)成分、(D)成分が、高分子重合体混合物(M)として、更には高分子重合体混合物からなる微粒子として、より更には保護コロイドとして、分散している液状組成物Iを調製することがより好ましい。
工程Iでは、反応媒体、例えば水中で、(A)成分の構成単位となるモノマー化合物を、任意の(C)成分、並びに任意の(D)成分及び任意の(E)成分の存在下で、重合させることが好ましい。これにより、高分子重合体混合物(M)を含有する液状組成物Iを容易に得ることができる。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法では、工程IIにおいて、(A)成分、任意の(C)成分、及び任意の(D)成分を含む高分子重合体混合物(M)の微粒子と、(B)成分との混合時に、高分子重合体混合物の微粒子の分散性を制御する観点から、(F)成分を、更に混合することが好ましい。(F)成分は、工程Iで高分子重合体混合物の微粒子が存在する液状組成物Iに配合してもよく、(B)成分を水で溶解ないし分散させた液状組成物(以下、液状組成物IIという場合もある)に配合してもよい。工程Iで用いる水は、次亜塩素酸で殺菌した水や、脱イオン水、蒸留水、および超純水等が挙げられる。
本発明の衣料用仕上げ剤組成物の製造方法では、(A)成分、及び(B)成分を、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、型崩れ回復性と風合いの両立の観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは250以下、より好ましくは200以下となるように用いる。
<衣料の処理方法>
本発明の衣料の処理方法は、前記衣料用仕上げ剤組成物を、衣料の質量に対して0.1質量%から3質量%となるように水浴中で接触させるものであり、衣料の型崩れ回復とごわつきのない風合いを効果的に達成することができる。衣料の質量に対する衣料用仕上げ剤組成物の量が0.1質量%未満であると、前記衣料用仕上げ剤組成物を用いることによる効果を十分に得ることができず、3質量%を超えると経済的に好ましくない。衣料の質量に対する(A)成分の量は、衣料の型崩れを回復する効果の付与と、ごわつきのない風合いを付与する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
前記衣料用仕上げ剤を溶解させる水の量は、一般的に浴比で決めることができる。なお、本明細書において「浴比」とは、衣料の質量と衣料用仕上げ剤を含有する水の容量の比、[水の容量(リットル)]/[衣料の質量(kg)]をいう。洗濯機等を用いて衣料用仕上げ剤を溶解させた水を撹拌しながら衣料と衣料用仕上げ剤組成物とを接触させる場合には、衣料同士の擦れを少なくし、毛羽・毛玉の発生を抑制する観点から、浴比は好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、そして、好ましくは90以下、より好ましくは80以下、更に好ましくは60以下である。
<製造例>
(1)高分子重合体混合物(M−1)(本発明品)の調製
窒素雰囲気下で重合反応槽に、(C)成分としてカチオン化澱粉8.9質量部、及びイオン交換水100質量部を90℃にて均一溶解した後60℃まで冷却した。ここで、カチオン化澱粉は、コーンスターチと3−(N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)−1,2−プロピレンオキサイドとの反応で得たもの(表中、C−1とした)であり、カチオン置換度=0.08、5%水溶液の50℃における粘度は70mPa・sであった。
次いで、(A)成分である高分子重合体を含む高分子重合体混合物(M)を得るために、酢酸ビニルを10質量部とポリビニルアルコール(重量平均分子量66,000、表中、D−1とした)3質量部、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル(平均付加モル数40、HLB18.3)、表中、E−1とした)1.5質量部を、前記カチオン化澱粉を含む水溶液に加え、さらに、リン酸3ナトリウム0.5質量部、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩0.4質量部、イオン交換水20質量部を加え、75℃に加熱して重合を開始した。重合開始後、6時間かけて、酢酸ビニル、アクリル酸、N,N−ジメチルアクリルアミドの最終比率が95.5/2.5/2(質量比)になるように予め混合しておいたもの100質量部を、反応溶液中に滴下した。滴下終了後、80℃に昇温し、1時間そのまま攪拌を続けた。冷却後、10質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いてエマルションのpHを5に調整し、(A)成分、(C)成分及び(D)成分を含有する高分子重合体混合物(M)、(E)成分並びに水を含む液状組成物iを得た。液状組成物i中の高分子重合体混合物(M)の含有量は50質量%、(E)成分の含有量は0.6質量%であった。また、高分子重合体混合物(M)では、(A)/(C)/(D)の質量比は19/1.5/0.5であった。なお、高分子重合体混合物(M)は液状組成物i中で、高分子重合体混合微粒子、具体的には保護コロイドを形成している。
(A)成分である高分子重合体(表中、A−1とした)は、酢酸ビニル/アクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミドが95.5/2.5/2(質量比)の高分子重合体(重量平均分子量340,000)であった。
(2)(B)成分の調製(B−1〜B−3)
下記の製造方法(i)〜(iii)により、B−1〜B−3を製造した。
(i)2−エチル−2−オキサゾリン12.9g(0.13モル)と酢酸エチル27.7gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(商品名:ゼオラムA−4、東ソー(株)製)2.0gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量100,000、アミン当量20,000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル0.77g(0.005モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を白色ゴム状固体(108g、収率95%)として得た。最終生成物におけるポリシロキサン鎖部分とポリ(N−アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))は87/13、最終生成物の重量平均分子量は115,000であった。
(ii)2−エチル−2−オキサゾリン93.8g(0.95モル)と酢酸エチル203.3gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(商品名:ゼオラムA−4、東ソー(株)製)14.8gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量30,000、アミン当量2,000)100gと酢酸エチル203gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ15.2gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル6.17g(0.04モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色固体(190g、収率95%)として得た。最終生成物におけるポリシロキサン鎖部分とポリ(N−アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))は50/50、最終生成物の重量平均分子量は60,000であった。
(iii)2−エチル−2−オキサゾリン53.2(0.53モル)と酢酸エチル127.5gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ(商品名:ゼオラムA−4、東ソー(株)製)9.0gで15時間脱水を行った。また、側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(重量平均分子量50,000、アミン当量2,000)153.75gと酢酸エチル312.6gとを混合し、混合液をモレキュラーシーブ22.7gで15時間脱水を行った。上記の脱水2−エチル−2−オキサゾリンの酢酸エチル溶液に硫酸ジエチル9.98g(0.064モル)を加え、窒素雰囲気下8時間、80℃で加熱還流し、末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)を合成した。この末端反応性ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)溶液を、上記の脱水した側鎖一級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン溶液に一括して加え、10時間、80℃で加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、N−プロピオニルエチレンイミン−ジメチルシロキサン共重合体を淡黄色ゴム状固体(200g、収率92%)として得た。最終生成物におけるポリシロキサン鎖部分とポリ(N−アシルアルキレンイミン)との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))は70/30、最終生成物の重量平均分子量は70,400(計算値)であった。
<衣料用仕上げ剤組成物の調製>
実施例1〜10及び比較例1〜7
表1に示す配合量にしたがって衣料用仕上げ剤組成物を調製した。具体的には以下の通り調製した。500mLビーカーに衣料用仕上げ剤組成物の全量が400gになる量のイオン交換水(温度:25℃)を入れた。このビーカーに上記製造法で得られた(B)成分又は下記(B’)成分、及び下記(F)成分を投入して均一に溶解させた後10分間撹拌した。更に下記(G)成分を加えて均一溶解させた後に、上記合成例にて得られた高分子重合体混合物(M)を含む液状組成物iを投入して10分間撹拌した。更に香料を投入して10分間撹拌した。
表1の各組成物は、合計で100質量%となる。表1の各組成物の25℃におけるpHは5であった。得られた組成物について、後述の評価方法に沿って、型崩れ回復性効果、風合いを評価した。結果を表1に示す。なお表1において、液状組成物iに含まれる水は、衣料用仕上げ剤組成物中に含まれる水に算入して表記した。
実施例及び比較例で用いた成分は以下の通りである。
<(A)成分>
(A−1):酢酸ビニル/アクリル酸/N,N−ジメチルアクリルアミドが95.5/2.5/2(質量比)の高分子重合体(重量平均分子量340,000)
<(B)成分>
(B−1):上記製造法(i)で得られたもの
(B−2):上記製造法(ii)で得られたもの
(B−3):上記製造法(iii)で得られたもの
<(B’)成分((B)成分の比較成分)>
B’−1:ポリエーテル変性シリコーン、信越化学工業(株)製、KF−6012
B’−2:アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニングシリコーン
(株)製,SM8904
<(C)成分>
C−1:カチオン化澱粉(コーンスターチと3−(N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド)−1,2−プロピレンオキサイドとの反応で得たもの。カチオン置換度0.08、粘度70mPa・s(5%水溶液、50℃))
<(D)成分>
D−1:PVA (重量平均分子量66,000)
<(E)成分>
E−1:非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンラウリルエーテル、平均付加モル数40、HLB18.3)
<(F)成分>
F−1:ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド(一般式(F1)中、R1fがステアリル基、R2f、R3f、R4fがメチル基、Yが塩素イオンの化合物)
<(G)成分>
G−1:グリセリン
G−2:プロピレングリコール
<試験布の調製と処理方法>
T/C天竺(ニット)布(綿50質量%、ポリエステル50質量%、MVSカラーTOP天竺、サックスモク、双日ファッション(株)製)2kgを市販の液体洗剤(花王(株)製のアタックバイオジェル(登録商標)、2017年製)を用いて全自動洗濯機(日立アプライアンス(株)製、NW−7FT)で5回繰り返し洗濯した(洗剤濃度0.083質量%、水道水(20℃)40L使用、標準コース(洗濯9分−すすぎ2回−脱水6分)、浴比1/20)。
洗濯したT/Cニット布を25℃/40%RHの環境下で12時間乾燥させて6×6cm角に裁断した試験布(X1)及び、10×20cm角に裁断した試験布(X2)を得た。
次いで、500mlプラスチックカップに水道水(炭酸塩アルカリ度:37mg/l CaCO)285g、及び表1に示す実施例1〜10、比較例1〜7の衣料用仕上げ剤組成物0.12gをそれぞれ加えてマグネットスターラーと回転子(クロスヘッド回転子ダブル、型番001.1140、高さ14mm、直径40mm、アズワン製)を使用して1分間撹拌した(回転速度400rpm)。撹拌後、この溶液に試験布(X1)を6枚及び、試験布(X2)を2枚(9.5g)入れ、5分間撹拌した(回転速度400rpm)。その後、二層式洗濯機(TOSHIBA VH−52G(H))を用い、試験布(X1及びX2)を脱水槽に入れて1.5分間脱水し、布の形を元のように手で整えて25℃/40%RHの環境下で12時間乾燥させた。乾燥後、処理した試験布(X1)を試験布(X3)、処理した試験布(X2)を試験布(X4)とした。
<型崩れ回復性の評価法>
表1に示す実施例1〜10、比較例1〜7の衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X3)の型崩れ回復性を以下の基準サンプル1〜4と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価はT/C天竺布や衣類の外観状態の変化を判断するのによく訓練された専門評価者5名により評価判定した。基準サンプル1は、未処理の前記T/C天竺布を、前記の全自動洗濯機を使用して、前記のように洗剤で5回洗濯した後に、さらに洗剤なしで前記と同様の方法で2回洗濯を繰り返すことによって劣化した状態になったものを使用した。
型崩れ回復性評価は、数値が高いほど優れており、具体的には2.0以上が好ましい。
〔基準サンプル〕
基準サンプル1:未処理で型崩れしている前記T/C天竺布
基準サンプル2:比較例4の試験布(X3)
基準サンプル3:実施例4の試験布(X3)
基準サンプル4:実施例1の試験布(X3)
基準サンプル1〜4は、この順番で型崩れの程度が強かった。すなわち、基準サンプル1が最も強く型崩れがあり、基準サンプル4が最も型崩れの回復性があった。
〔判定基準〕
0 :基準サンプル1の試験布と同等の外観で、強い型崩れがあり、型崩れ回復性がない。
1.0:基準サンプル2の試験布と同等の外観で、やや型崩れが残っており、型崩れ回復性がない。
2.0:基準サンプル3の試験布と同等の外観で、僅かに型崩れがあるが、やや型崩れ回復性がある。
2.5:基準サンプル3と4の試験布の間の外観だが、どちらかというと基準サンプル3の外観に近く、基準サンプル3よりも型崩れ回復性がある。
3.0:基準サンプル4の試験布と同等の外観で、型崩れ回復性がある。
<風合いの評価法>
表1に示す実施例1〜10、比較例1〜7の衣料用仕上げ剤組成物で処理した各試験布(X4)の風合いを以下の基準サンプル1〜4と比較して下記判定基準にて得点をつけて平均点を求めることにより評価した。なお、評価はT/C天竺布や衣類の風合いの変化を判断するのによく訓練された専門評価者5名により評価判定した。
風合い評価は数値が高いほど優れており、具体的には1.5以上が好ましい。
〔基準サンプル〕
基準サンプル1:比較例1の試験布(X4)
基準サンプル2:比較例7の試験布(X4)
基準サンプル3:実施例3の試験布(X4)
基準サンプル4:未処理の前記T/C天竺布
基準サンプル1〜4は、この順番で風合いの程度が悪かった。すなわち、基準サンプル1が最もごわつきがあり、基準サンプル4が最もごわつきがなかった。
〔判定基準〕
0 :基準サンプル1の試験布と同等の風合いで、ごわつく。
1.0:基準サンプル2の試験布と同等の風合いで、ややごわつく。
2.0:基準サンプル3の試験布と同等の風合いで、僅かに風合いの変化を感じるが、ごわつきはあまりない。
2.5:基準サンプル3と4の試験布の間の風合いだが、どちらかというと基準サンプル3の風合いに近く、基準サンプル3よりもごわつきがない。
3.0:基準サンプル4の試験布と同等の風合いで、明らかにごわつきがない。
Figure 2019104992

Claims (7)

  1. (A)酢酸ビニルからの構成単位を含む高分子重合体(以下、(A)成分という)を5質量%以上50質量%以下、(B)ポリシロキサン鎖の末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して、下記一般式(B1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合している化合物(以下、(B)成分という)を0.05質量%以上5質量%以下、及び水を含有する、衣料用仕上げ剤組成物。
    Figure 2019104992

    〔式中、R1bは水素原子、炭素数1以上22以下のアルキル基、炭素数3以上22以下のシクロアルキル基、炭素数7以上22以下のアラルキル基、又は炭素数6以上22以下のアリール基を示し、nは2又は3の数を示す。〕
  2. (B)成分が、ポリシロキサン鎖部分とポリ(N−アシルアルキレンイミン)鎖部分との質量比(ポリシロキサン鎖/ポリ(N-アシルアルキレンイミン))が40/60以上98/2以下であり、重量平均分子量が20,000以上500,000以下のものである、請求項1に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  3. (A)成分の含有量と(B)成分の含有量との質量比(A)/(B)が5以上250以下である、請求項1又は2に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  4. 更に、(C)カチオン化澱粉(以下、(C)成分という)を0.1質量%以上10質量%以下含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  5. (A)成分と(C)成分とを含む高分子重合体混合微粒子を含有する、請求項4に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  6. 前記高分子重合体混合微粒子が、更に、(D)ポリビニルアルコール(以下、(D)成分という)を含む、請求項5に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
  7. 前記高分子重合体混合微粒子が保護コロイドである、請求項5又は6に記載の衣料用仕上げ剤組成物。
JP2017236345A 2017-12-08 2017-12-08 衣料用仕上げ剤組成物 Active JP7051202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017236345A JP7051202B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 衣料用仕上げ剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017236345A JP7051202B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 衣料用仕上げ剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019104992A true JP2019104992A (ja) 2019-06-27
JP7051202B2 JP7051202B2 (ja) 2022-04-11

Family

ID=67061034

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017236345A Active JP7051202B2 (ja) 2017-12-08 2017-12-08 衣料用仕上げ剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7051202B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196958A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 花王株式会社 衣料用仕上げ剤組成物

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06158549A (ja) * 1992-11-12 1994-06-07 Shin Etsu Chem Co Ltd 繊維処理剤
JPH10195772A (ja) * 1996-12-27 1998-07-28 Kao Corp 衣料用仕上剤組成物および衣料の処理方法
JP2001003270A (ja) * 1999-06-21 2001-01-09 Kao Corp 糊 剤
JP2006161197A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Kao Corp 衣料のシワ除去方法
JP2006161208A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Kao Corp しわ防止剤組成物
JP2016161197A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 株式会社日立空調Se 除湿乾燥装置、及び除湿乾燥装置の制御方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06158549A (ja) * 1992-11-12 1994-06-07 Shin Etsu Chem Co Ltd 繊維処理剤
JPH10195772A (ja) * 1996-12-27 1998-07-28 Kao Corp 衣料用仕上剤組成物および衣料の処理方法
JP2001003270A (ja) * 1999-06-21 2001-01-09 Kao Corp 糊 剤
JP2006161197A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Kao Corp 衣料のシワ除去方法
JP2006161208A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Kao Corp しわ防止剤組成物
JP2016161197A (ja) * 2015-02-27 2016-09-05 株式会社日立空調Se 除湿乾燥装置、及び除湿乾燥装置の制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020196958A (ja) * 2019-05-31 2020-12-10 花王株式会社 衣料用仕上げ剤組成物
JP7254424B2 (ja) 2019-05-31 2023-04-10 花王株式会社 衣料用仕上げ剤組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP7051202B2 (ja) 2022-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60221571T2 (de) Azetidiniummodifizierte polymere und zusammensetzung zur behandlung von textilen flächengebilden
CA2879395C (en) Consumer product compositions comprising organopolysiloxane conditioning polymers
US9580670B2 (en) Consumer product compositions comprising organopolysiloxane conditioning polymers
JP5666621B2 (ja) アミノ及び/又は四級アンモニウム基を有する新規直鎖ポリジメチルシロキサン−ポリエーテルコポリマー並びにその使用
US9080129B2 (en) Hydrophobically modified cationic polymer
WO2008041775A1 (en) Treatment composition for textile products
EP1402106A2 (de) Verfahren zur schmutzablösungsfördernden behandlung von oberflächen textiler und nicht-textiler materialien
WO2002046518A2 (de) Reaktiv modifizierte, teilchenförmige polymerisate zur behandlung der oberflächen textiler und nicht-textiler materialien
JPH02259167A (ja) 布帛しわ減少および保形用硬化性アミン官能シリコーンを含有するデンプン
EP1551947B1 (en) Liquid laundry compositions comprising silicone additives
JPH05508889A (ja) ミクロ乳化アミノシランを含有する液体布帛柔軟剤
JP2018104850A (ja) セルロース系繊維用染料固着剤
EP1667637A2 (fr) Composition aqueuse comprenant un polymere dentrique polyonique et un agent tensioactif ionique
JP2019104992A (ja) 衣料用仕上げ剤組成物
WO2004025017A1 (ja) 液体柔軟剤組成物
EP3027677B1 (en) Branched blocky cationic organopolysiloxane
JP4954506B2 (ja) 衣料用洗浄剤
EP1402104A1 (de) Verfahren zur schmutzablösungsfördernden behandlung von oberflächen textiler und nicht-textiler materialien
JP4467837B2 (ja) 繊維製品用柔軟剤組成物
JP7254424B2 (ja) 衣料用仕上げ剤組成物
JPH0215665B2 (ja)
JP4275236B2 (ja) 繊維製品処理剤
JP6779578B2 (ja) 衣料用仕上げ剤組成物
JP7432436B2 (ja) 繊維処理剤
WO2001090477A1 (fr) Recuperateur de couleur

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210727

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210916

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220329

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7051202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151