JP2019077961A - 合成皮革 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然皮革以上に柔らかな新触感を有する合成皮革を提供する。【解決手段】繊維質基材に、ゲル状物質からなる触感付与層と、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層とを順次積層してなる合成皮革。前記触感付与層のアスカーC硬度が0〜15であることが好ましい。前記触感付与層の厚みが100〜1500μmであることが好ましい。前記表皮層の厚みが1〜100μmであることが好ましい。前記表皮層の上に表面処理層を積層していることが好ましい。前記表皮層と前記表面処理層の厚みの合計が2〜150μmであることが好ましい。前記合成皮革において、下記条件にて測定される荷重値が294Pa以上であることが好ましい。【選択図】 なし
Description
本発明は合成皮革に関する。
従来、合成皮革は天然皮革の代替品として、あるいは、天然皮革以上に良好な物性を備えた皮革素材として、様々な用途に用いられている。このような合成皮革は、天然皮革調の触感や風合いを得るために、一般に、繊維質からなる基材(例えば、不織布、織物、編物など)にポリウレタン樹脂層を積層して形成される。
例えば、特許文献1には、立体構造経編地と銀面層からなる合成皮革であって、銀面層が多孔質樹脂層、接着層、無孔質樹脂層が順に設けられた構成であり、合成皮革の圧縮仕事量が5〜20g・cm/cm2であり、且つ逆R値が80mm以下であることにより、天然皮革に近い柔らかで弾力のある触感、摩擦耐久性を併せ持ち、且つ折れシワや座屈シワの生じにくい合成皮革が開示されている。しかしながら、触感に改善の余地があるものである。
本発明は、天然皮革以上に柔らかな新触感を有する合成皮革を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る合成皮革は、繊維質基材に、ゲル状物質からなる触感付与層と、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層とを順次積層してなる合成皮革である。
前記触感付与層のアスカーC硬度が0〜15であることが好ましい。
前記触感付与層の厚みが100〜1500μmであることが好ましい。
前記表皮層の厚みが1〜100μmであることが好ましい。
前記表皮層の上に表面処理層を積層していることが好ましい。
前記表皮層と前記表面処理層の厚みの合計が2〜150μmであることが好ましい。
前記合成皮革において、下記条件にて測定される荷重値が294Pa以上であることが好ましい。
(測定条件)
圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHの試験環境下において、測定条件を、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定する。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出する。
前記触感付与層の厚みが100〜1500μmであることが好ましい。
前記表皮層の厚みが1〜100μmであることが好ましい。
前記表皮層の上に表面処理層を積層していることが好ましい。
前記表皮層と前記表面処理層の厚みの合計が2〜150μmであることが好ましい。
前記合成皮革において、下記条件にて測定される荷重値が294Pa以上であることが好ましい。
(測定条件)
圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHの試験環境下において、測定条件を、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定する。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出する。
本発明によれば、天然皮革以上に柔らかな新触感を有する合成皮革を提供することができる。
本実施形態の合成皮革は、繊維質基材に、ゲル状物質からなる触感付与層と、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層とを順次積層してなるものである。
ゲル状物質からなる触感付与層を有することにより、天然皮革以上に柔らかな新触感を有する合成皮革を得ることができる。
触感付与層の表面にポリウレタン系樹脂からなる表皮層を有することにより、耐久性を高めることができる。
触感付与層の表面にポリウレタン系樹脂からなる表皮層を有することにより、耐久性を高めることができる。
本実施形態に用いられる繊維質基材としては、織物、編物、不織布などの布帛や、天然皮革(床革含む)を用いることができる。なかでも、触感向上の観点から、厚みのあるものが好ましく、多層織物、多層編物、または、不織布などが好ましく用いられる。また、繊維質基材に、公知の無溶剤系、溶剤系または水系の高分子化合物、例えば、ポリウレタン樹脂やその共重合体を主成分とする液を塗布または含浸し、乾式凝固または湿式凝固にて固化させたものを用いることができる。
また、繊維質基材を構成する繊維素材は特に限定されず、例えば、天然繊維、再生繊維、半合成繊維、合成繊維などを用いることができ、これらの繊維のいずれか1種単独でも、あるいはまた2種以上を混紡、混繊、交撚、交織、交編などの手法により組み合わせて用いてもよい。なかでも、強度や加工性の観点から、合成繊維が好ましく、ポリエステル繊維がより好ましい。また、繊維質基材は、染料または顔料により着色されたものであってもよい。着色に用いられる染料や顔料は特に限定されない。
また、繊維質基材の厚み、目付、硬度は特に限定されず、所望の触感が得られるように適宜設定すればよい。
本実施形態に係る合成皮革は、上述の繊維質基材表面に、第1の樹脂層として、ゲル状物質からなる触感付与層が、第2の樹脂層として、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層が積層されてなるものであり、繊維質基材に直接または接着層を介して触感付与層および表皮層が積層されてなるものである。
本実施形態の触感付与層は、触感向上の観点から、ゲル状物質からなることが肝要である。本実施形態において、ゲル状物質とは、高分子が架橋されることで三次元的な網目構造を形成し、その内部に溶媒を吸収し膨潤した、固体と液体の中間的な性質を併せ持つ物質をいう。
ゲル状物質は、天然ゲル状物質であっても、合成ゲル状物質であってもよい。また、物理ゲルであっても、化学ゲルであってもよい。ここで、物理ゲルとは、水素結合、ファンデルワールス力、疎水性相互作用、イオン結合、キレート形成などの非共有結合性の相互作用により高分子間に架橋構造が形成されることにより生成されるゲルのことをいう。これに対し、化学ゲルとは、共有結合により高分子間に架橋構造が形成されて生成されるゲルのことをいう。なかでも、ゲル骨格を構成する物質の構造が共有結合で構成された化学ゲルは、非共有結合で構成された物理ゲルよりも構造が安定しているため、化学ゲルを用いることが好ましい。
化学ゲルとしては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ウレタンゲル、シリコーンゲル、アクリルゲルなどを用いることができる。
触感付与層のアスカーC硬度は、0〜15であることが好ましい。アスカーC硬度が0以上であることにより、合成皮革の耐摩耗性を高めることができる。アスカーC硬度が15以下であることにより、合成皮革の触感を向上させることができる。アスカーC硬度は、ゲル状物質、ゴム状物質など柔軟性に富む物質の硬度を測定することに適しており、柔軟性の指標となるものである。なお、触感付与層のアスカーC硬度は、以下のように求めることができる。すなわち、SRIS0101(日本ゴム協会標準規格)に規定されたデュロメータ(アスカーゴム硬度計C型、高分子計器株式会社製)を用いて、JIS K7312に基づいて測定する。なお、試料5点作製、測定し、これらの平均値を算出することで求めることができる。
触感付与層の厚みは、100〜1500μmであることが好ましい。厚みが100μm以上であることにより、合成皮革の触感を向上させることができる。繊維質基材の質感が表面にあらわれることを防ぎ、意匠性が損なわれることを抑制することができる。厚みが1500μm以下であることにより、合成皮革の耐摩耗性を向上させることができる。
本実施形態に係る合成皮革は、繊維質基材表面に積層されたゲル状物質からなる触感付与層の表面に、第2の樹脂層として、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層が積層されてなるものである。表皮層は、合成皮革に意匠性を付与したり、耐摩耗性、耐熱性、耐久性を向上させたりする目的で、触感付与層の表面に形成される層である。そのため、表皮層は無孔質であることが好ましい。
本実施形態の表皮層は、耐摩耗性の観点から、ポリウレタン系樹脂からなることが肝要である。ポリウレタン系樹脂とは、ポリウレタン樹脂やその共重合体、またはポリウレタン樹脂を主成分とする混合物をいう。ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などを挙げることができ、これらを1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。なかでも、耐摩耗性および耐光堅牢性の観点から、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が好ましい。樹脂のタイプは、無溶剤系、溶剤系または水系など特に限定されない。
表皮層には、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、着色剤、平滑剤、架橋剤、艶消し剤、レベリング剤等を用いることができる。
表皮層の厚みは、特に限定されず、例えば1〜100μmが好ましく、より好ましくは5〜40μmである。厚みが1μm以上であることにより、耐摩耗性を向上させることができる。厚みが100μm以下であることにより、触感付与層の効果の低下を抑えることができる。
各層の積層は、例えば、次の方法で行われる。(A)触感付与層を形成する樹脂液を繊維質基材の片面に塗布後、乾式凝固させることにより、触感付与層を繊維質基材に積層した後、表皮層を形成する樹脂液を触感付与層上に塗布後、乾式凝固させて、触感付与層、表皮層を積層した後、エンボス加工により表面に凹凸模様を形成する。他の方法例としては、(B)表皮層を形成する樹脂液を凹凸模様を有する離型性基材に塗布後、乾式凝固させることにより表皮層を形成し、その後、表皮層上に、触感付与層を形成する樹脂液を塗布後、粘着性を有するうちに、これを繊維質基材の片面に圧着することにより、触感付与層、表皮層を積層する。さらに他の方法例としては、(C)表皮層を形成する樹脂液を凹凸模様を有する離型性基材に塗布後、乾式凝固させることにより表皮層を形成し、その後、表皮層上に、触感付与層を形成する樹脂液を塗布後、乾式凝固して、離型性基材上に触感付与層、表皮層を形成する。そして、触感付与層と繊維質基材の片面を接着剤にて貼り合わせることにより、触感付与層、表皮層を積層する。なお、ここでは表皮層の表面に凹凸模様を形成する方法を挙げたが、凹凸模様は必要に応じて形成すればよい。
なお、各樹脂液の塗布方法は、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、またはスプレーコーティング等公知の方法が挙げられる。
本実施形態に係る合成皮革は、耐摩耗性の観点から、表皮層上にさらに表面処理層を設けてもよい。
表面処理層を構成する樹脂としては、表皮層と同様の樹脂を用いることができる。なかでも、耐摩耗性の観点から、ポリウレタン系樹脂が好ましく、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂がより好ましい。樹脂のタイプは、無溶剤系、溶剤系、水系など特に限定されない。
表面処理層へは、必要に応じて、公知の添加剤、例えば、平滑剤、架橋剤、艶消し剤、レベリング剤等を用いることができる。
表面処理層の厚みは、特に限定されず、例えば1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは5〜20μmである。厚みが1μm以上であることにより、耐摩耗性を向上させることができる。厚みが50μm以下であることにより、触感付与層の効果の低下を抑えることができる。
また、表皮層と表面処理層の厚みの合計は、特に限定しないが、触感の観点から、2〜150μmであることが好ましく、より好ましくは10〜60μmであり、さらに好ましくは20〜50μmである。厚みの合計が2μm以上であることにより、耐摩耗性を向上させることができる。厚みの合計が150μm以下であることにより、触感付与層の効果の低下を抑えることができる。
表面処理層の積層は、例えば次の方法で行われる。上記(A)〜(C)の方法により繊維質基材に触感付与層と表皮層を積層した後、表皮層上に、表面処理層を形成する樹脂液を塗布し乾式凝固して表面処理層を形成する。他の方法例として、上記(A)の方法において、表皮層の形成後かつエンボス加工前に、表皮層上に、表面処理層を形成する樹脂液を塗布し乾式凝固して表面処理層を形成し、その後、エンボス加工により表面に凹凸模様を形成する。さらに他の方法例として、上記(B)及び(C)の方法において、離型性基材上にまず、表面処理層を形成する樹脂液を塗布し乾式凝固して表面処理層を形成した後に、表皮層を形成する樹脂液を塗布して表皮層を形成する。なお、ここでは表皮層の表面に凹凸模様を形成する方法を挙げたが、凹凸模様は必要に応じて形成すればよい。また、表面処理層の樹脂液の塗布方法は、ナイフコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、またはスプレーコーティング等公知の方法が挙げられる。
本発明が対象とする合成皮革は、繊維質基材と触感付与層と表皮層とを必須の構成部材とするものであるが、必要に応じて、各層の間に、1層または2層以上の層を備えていてもよい。
本実施形態に係る合成皮革の最表面になる層は、多孔質でないこと、すなわち無孔質であることが好ましい。最表面層が無孔質であることにより、耐摩耗性を向上させることができる。
このようにして得られた合成皮革は、下記条件にて測定される荷重値が294Pa以上であることが好ましい。荷重値が294Pa以上であることにより、触感を向上させることができる。なお、合成皮革にかかる荷重値は、以下のように求めることができる。すなわち、圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて測定する。なお、試験環境は、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHとした。測定条件は、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定した。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出することで求めることができる。
本発明の合成皮革の用途は、特に限定されないが、例えば、自動車用シート、天井材、ダッシュボード、ドア内張材またはハンドルなどの自動車内装材をはじめとする各種車両のための内装材用途の他、ソファーや椅子のための表皮などのインテリア用途に用いることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
各評価は、以下の方法に従った。
[合成皮革にかかる荷重値]
圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて測定した。試験環境は、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHとした。測定条件は、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定した。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出することで求めた。
圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて測定した。試験環境は、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHとした。測定条件は、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定した。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出することで求めた。
[触感]
次の評価基準に従い、官能評価を実施した。
(評価基準)
◎:非常に柔らかく、マシュマロの様な触感である
○:柔らかく、マシュマロの様な触感である
△:天然皮革の様な触感である
×:粗硬な触感である
次の評価基準に従い、官能評価を実施した。
(評価基準)
◎:非常に柔らかく、マシュマロの様な触感である
○:柔らかく、マシュマロの様な触感である
△:天然皮革の様な触感である
×:粗硬な触感である
[実施例1]
[繊維質基材]
ダブルラッセル編地(密度:47ウェール/25.4mm、68コース/25.4mm、目付780g/m2、厚み4.75mm)を使用した。
なお、厚みは、PEACOCK H−30(株式会社尾崎製作所製)を用いて、編地の中央部の任意の3カ所についての厚みを測定し、これらの平均値を算出した。
ダブルラッセル編地(密度:47ウェール/25.4mm、68コース/25.4mm、目付780g/m2、厚み4.75mm)を使用した。
なお、厚みは、PEACOCK H−30(株式会社尾崎製作所製)を用いて、編地の中央部の任意の3カ所についての厚みを測定し、これらの平均値を算出した。
[処方1(表皮層用)]
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(クリスボンNY−328、固形分20質量%):100質量部
ジメチルホルムアミド:40質量部
カーボンブラック顔料(DIALAC BLACK L−1770S、固形分20質量%):15質量部
架橋剤(バーノックDN950、固形分50質量%):2質量部
原料は、ジメチルホルムアミドを除き全てDIC株式会社製である。
調製法:粘度を2,000mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4、12rpm、23℃)に調整した。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(クリスボンNY−328、固形分20質量%):100質量部
ジメチルホルムアミド:40質量部
カーボンブラック顔料(DIALAC BLACK L−1770S、固形分20質量%):15質量部
架橋剤(バーノックDN950、固形分50質量%):2質量部
原料は、ジメチルホルムアミドを除き全てDIC株式会社製である。
調製法:粘度を2,000mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4、12rpm、23℃)に調整した。
[処方2(触感付与層用)]
人肌のゲル原液(ウレタンゲル、株式会社エクシール製)の主剤(ポリオール)と硬化剤(イソシアネート)を3:1の配合で混合した。
人肌のゲル原液(ウレタンゲル、株式会社エクシール製)の主剤(ポリオール)と硬化剤(イソシアネート)を3:1の配合で混合した。
[処方3(表面処理層用)]
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(RU−40−350、固形分40質量%):100質量部
平滑剤(HM−183、固形分30質量%):5質量部
架橋剤(XR−78−017、固形分50質量%):2質量部
増粘剤(DF−2569、固形分50質量%):0.1質量部
原料は、全てスタール・ジャパン株式会社製である。
調製法:粘度を1,500mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4、12rpm、23℃)に調整した。
ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(RU−40−350、固形分40質量%):100質量部
平滑剤(HM−183、固形分30質量%):5質量部
架橋剤(XR−78−017、固形分50質量%):2質量部
増粘剤(DF−2569、固形分50質量%):0.1質量部
原料は、全てスタール・ジャパン株式会社製である。
調製法:粘度を1,500mPa・s(B型粘度計、ローターNo.4、12rpm、23℃)に調整した。
上述の処方1に従い調製した表皮層用ポリウレタン樹脂組成物を、シボ調の凹凸模様を有する離型紙(R−86、リンテック株式会社製)に、コンマコーターにて塗布厚みが平均150μmになるようにシート状に塗布し、乾燥機にて130℃で3分間処理して、表皮層を形成した。表皮層の厚みは30μmであった。なお、層の厚みは、合成皮革の垂直断面をマイクロスコープ(キーエンス株式会社製、デジタルHFマイクロスコープVH−8000)で観察し、任意の10カ所についての厚みを測定し、これらの平均値を算出した。
次いで、上述の処方2に従い調製した触感付与層用樹脂組成物を、離型紙上に形成された表皮層表面に、コンマコーターにて塗布厚みが平均600μmになるようにシート状に塗布し、乾燥機にて100℃で60分間処理して、触感付与層を形成した。層の厚みは600μmであった。触感付与層のアスカーC硬度は7であった。
離型紙上に形成された触感付与層表面に、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂(DIC株式会社製、クリスボンTA−205)を100質量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(DIC株式会社製、バーノックDN−950)10質量部、架橋促進剤(DIC株式会社製、アクセルT−81)1質量部にジメチルホルムアミドを加え粘度5,000mPa・s(B型粘度計、ローターNo4、12rpm、23℃)に調製した接着剤を、ナイフコーターを用いて塗布厚みが平均200μmとなるように塗布した後、100℃で2分間熱処理して予備乾燥し、繊維質基材のダブルラッセル編地と重ねて0.39MPaで1分間加圧した後、離型紙を剥離した。
次いで、上述の処方3に従い調製した表面処理層用ポリウレタン樹脂組成物を、離型紙を剥離した後の表皮層表面に、リバースコーターにて厚みが平均50μmになるようにシート状に塗布し、乾燥機にて100℃で3分間処理して、厚み10μmの表面処理層を形成し、実施例1の合成皮革を得た。
得られた合成皮革の触感は非常に柔らかく、マシュマロの様な触感であった。また、繊維質基材の質感は表面にあらわれず意匠性も良好で、合成皮革にかかる荷重値は882Paであった。
得られた合成皮革の触感は非常に柔らかく、マシュマロの様な触感であった。また、繊維質基材の質感は表面にあらわれず意匠性も良好で、合成皮革にかかる荷重値は882Paであった。
[比較例1]
触感付与層を形成しない以外は、全て実施例1と同様にして、合成皮革を得た。
得られた合成皮革の触感は実施例1に比べやや硬く、天然皮革の様な触感であった。また、繊維質基材の質感が表面にあらわれて意匠性に劣り、合成皮革にかかる荷重値は24Paであった。
触感付与層を形成しない以外は、全て実施例1と同様にして、合成皮革を得た。
得られた合成皮革の触感は実施例1に比べやや硬く、天然皮革の様な触感であった。また、繊維質基材の質感が表面にあらわれて意匠性に劣り、合成皮革にかかる荷重値は24Paであった。
Claims (7)
- 繊維質基材に、ゲル状物質からなる触感付与層と、ポリウレタン系樹脂からなる表皮層とを順次積層してなる合成皮革。
- 前記触感付与層のアスカーC硬度が0〜15である、請求項1に記載の合成皮革。
- 前記触感付与層の厚みが100〜1500μmである、請求項1または2に記載の合成皮革。
- 前記表皮層の厚みが1〜100μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の合成皮革。
- 前記表皮層の上に表面処理層を積層している、請求項1〜4のいずれか1項に記載の合成皮革。
- 前記表皮層と前記表面処理層の厚みの合計が2〜150μmである、請求項5記載の合成皮革。
- 前記合成皮革において、下記条件にて測定される荷重値が294Pa以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の合成皮革。
(測定条件)
圧縮試験機(KES−G5、カトーテック株式会社製)を用いて、温度20±1℃、相対湿度65±3%RHの試験環境下において、測定条件を、最大荷重49KPa、圧縮面積2cm2、圧縮速度0.02cm/sとし、0.8mm押し込んだ際の荷重値を測定する。なお、20cm四方の試料の任意の3カ所を測定し、これらの平均値を算出する。
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