以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する
本発明の具体化を、図1に示すように、野菜類の原料食材を摂食できる加工にする工程1と、加熱調理庫内において、飽和湿り空気の基本水生成する工程2と、食品添加物成分組成水を生成する工程3と、食品添加物成分粉末を生成する工程4と、前記調理庫内で1回以上の切り替え加熱蒸気調理して加熱済み食材の一次加熱する工程5と、この食材に食品添加物成分組成水を噴霧及び/又は垂らす工程6と、食品添加物成分粉末を散布する工程7と、食品添加物成分を浸透及び付着させて下拵え済み食材にする工程8と、この食材を冷却及び包装する工程9と、こののちに食材を軟弱化の二次加熱する工程10と、また、食材を加熱殺菌の二次加熱する工程11と、この食品を冷却及び梱包する一連の工程12でなり、工程1から工程12に分けられる製造工程の概略構成図である。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている内容は、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。したがって例示した工程すべてが固定的に必要であるということはなく、一部工程を省略もしくは追加することも可能である。
ここで工程1とは、図1に示す野菜原料の受入れから洗浄、殺菌、水洗、剥皮、水洗、カット、殺菌、水洗、棚整列、搬入までの一連の工程であり、野菜類原料を、洗浄、殺菌、水洗を経たのち剥皮工程で表皮部分が除去される。しかし一部表皮をとどめたり非可食部を除去する加工もするが、これらの食素材は、水洗後に最適寸法と形状にカット、スライス、または原形の形態で、通気の良いバット容器に収めて棚に整列させて調理庫内に搬入する。また、野菜類以外の食素材においても最適な形状、形態、寸法の各加工を得たのちに調理庫内に搬入しとどめる工程は同じである。
工程2とは、基本水の水質選定、水保管、加熱条件設定、蒸気発生、蒸気配送、蒸気制御からなる一連の工程であり、基本水の基準は保健所認可の飲料水で軟質成分が望ましく、食素材に最適な加熱調理に適応した水質、すなわち基本水として蒸気化させることである。
工程3とは、食品添加物組成水は成分選定、成分量選定、成分水選定、組成水生成、組成水保管、噴霧条件設定、組成水配送、噴霧及び/又は垂らす制御からなる一連の工程であり、食品添加物成分の多様な成分を単体及び混合した組成水を事前に生成し、温度10℃〜40℃以下に保って保管と配送と噴霧制御することである。
工程3は、ここでは別のプロセスとして説明したが、水質成分の差を除けば作業可動も同じである。また、基本水の蒸気噴霧と、食品添加物成分組成水の噴霧及び/又は垂らすは同じ構造で類似しており、異質な成分水質が混合して目的外の食材になる可能性があり注意が必要である。
工程4とは、食品添加物成分粉体は成分選定、成分量選定、粉体生成、粉体保管、散布条件設定、粉体配送、散布制御からなる一連の工程であり、食品添加物成分粉体は、前記同様に多様な成分を単体及び混合成分にし、常温で最適量を2分以上の時間で散布する。ここでは、前記の液体と粉体及び噴霧と散布の差であり、また、制御条件も異なるが、食品添加物成分を浸透及び付着させることは同じである。
工程5とは、図1に示す工程1の加工済み食素材を、工程2に受け入れた基本水の飽和湿り空気で1回の初期加熱又は2回以上の切り替え噴霧して、加熱済み食材にする一連の工程である。
工程6とは、前記工程3に示す食品添加物成分組成水を温度、時間制御で前記の加熱済み食材に噴霧及び/又は垂らして浸透及び付着させる一連の工程である。
工程7とは、前記工程4に示す食品添加物成分粉体を、量と時間制御で前記同様に加熱済み食材に散布して浸透及び付着させる一連の工程である。
工程8とは、前記工程5の加熱済み食材に、工程6と工程7の各種の食品添加物成分を浸透及び付着させて下拵え済み食材にする一連の工程である。ここでは、同じ調理庫内で加熱調理と食品添加物成分を噴霧及び/又は垂らし、または、散布して下拵え済み調理が同時に行われる加熱食材調理法である。
工程9とは、前記工程5の加熱済み食材と工程8の下拵え済み食材を冷却、検査したのち、ガスバリア性袋に充填して真空包装する一連の工程である。
工程10とは、工程9で得られた加熱済み食材と下拵え済み食材の何れかを、さらに1回以上の切り替え加熱することで、各食素材もしくは食用獣肉、食用畜肉類、魚介類を軟弱化食材にする一連の工程である。
工程11とは、工程9で得られた加熱済み食材と下拵え済み食材の何れかを、さらに1回以上の切り替え加熱して、食品衛生法に準じる食品の加熱殺菌法に適用した加熱殺菌をする一連の工程である。
工程12とは、工程10と11で施された加熱済み食材及び下拵え済み食材を、冷却、梱包、保管する一連の工程である。
工程1に用いられる野菜類原料としては、アスパラガス、インゲン豆、エダ豆、えんどう、エゴマ、オクラ、蕪、かぼちゃ、カリフラワー、キャベツ、こごみ、ごぼう、小松菜、ずいき、ズッキーニ、セロリー、大根、高菜、たけのこ、玉葱、とうもろこし、ヤングコーン、白菜、人参、野沢菜、ピーマン、パプリカ、ブロッコリー、ほうれん草、芽キャベツ、モロヘイヤ、やまごぼう、レンコン、菊芋、蒟蒻芋、さつま芋、里芋、なが芋、自然薯、じゃが芋、などが該当する。
工程1に用いられる野菜類原料以外としては、キノコ類の、エノキ茸、シイタケ、シメジ、ヒラタケ、マイタケ、マッシュルームなどが該当する。
工程1に用いられる野菜類原料以外としては、穀類の米、玄米、大麦、小麦、トウモロコシなどが該当する。
工程1に用いられる野菜類原料以外としては、食用獣肉、食用肉、食用魚介類などが該当する。
図2に示すように、本発明の加熱調理食材法と他の調理法を比較した工程作業において、1ではクックサーブで従来の家庭と小規模飲食店の料理法で、2ではクックチルのホテルパン形式で大型ホテルなどの大人数向け料理法で、3では新調理システムの真空調理法で、4では本発明の加熱調理食材法で、5では一般家庭、飲食店の料理法で、6では本発明の下拵え済み食材を使用する簡便料理法の概略構成図である。この簡便料理法は、本発明が採用しうる調理及び料理の作業の比較から利便性と簡便性、また省人省力化に値するかの判定、そして各種食品添加物成分補填の説明するために用いられたものである。
図2−1は、クックサーブは従来から行われている調理、料理法で、食素材を下処理して可食食材にしたのちすぐに加熱料理することで、一般家庭及び飲食店で行われている。これらの可食食材を各種加熱料理の焼く、炒める、蒸す、煮る、茹でる、揚げる作業には、その下準備にかなりの時間と労力を要し、なお、メニュー、味付け、調味料選択、加熱状況監視、料理時間などに多種の思考と神経を注ぎ、昨今では時短料理食品の進出も珍しくない社会食生活状況である。
図2−2は、クックチルのホテルパン式で、ホテル飲食店及び給食センターなどでは、各加熱料理に応じて大小さまざまな形状の金属パンに入れ、スチコンやオーブン加熱調理などの鍋釜に値し、また保管容器として使用されている。前記同様に食素材の下処理と、各種加熱料理の作業には、その下準備にかなりの時間と労力を要し、昨今の人手不足問題などで苦慮されている。本発明では、原料価格が高く原価率は向上するが、人件費と他の間接費の調理機器、光熱費、厨房狭小化、食材在庫、保管費などの経費減少ができる、加熱調理食材法の活用で経済採算性の可能性を秘めている。
図2−3は、真空調理法で生あるいは下処理加熱した食素材に、それぞれの調味料を添加して真空包装を施して一定の温度で低温加熱調理する方式で、味、外見、重量ロス、二次汚染の減少できることで、レストラン、病院、各施設などで取り入られている。本発明の加熱調理食材法とは類似しているが、各種の食素材が同一温度帯で加熱することで、個性的な食素材の雑味などが移行して食素材本来の味覚が味えず食感も食素材ごとに違う課題も含んでいる。
図2−4は、本発明の加熱調理法であり、前記の手段と効果があるように、図2−1〜3までの調理法とは異なっており、料理及び摂食目的に応じた各種食素材の品目、品種、部位、寸法別に、食素材本来の味覚を保持することと硬軟自在な食材に対応でき、各種の食品添加物成分の浸透及び付着させて、無限の機能性食材が生まれ広範囲料理展開を可能にした加熱調理食材の製造方法である。
図2−5は、一般家庭、飲食店の通常の料理法であり、加熱料理の工程表では6種の作業であるが、この料理作業には個人、店舗、地域、風土などで嗜好が異なり、この料理を施すには添え物として他の食材も買い揃え準備と保管も伴い、調理及び料理人が作業と準備時間そしてメニューの思考などで苦慮してる料理法である。
図2−6は本発明の加熱調理食材を使用した簡便料理法で、これは前記料理法と比較して工程作業には差はないが、食材の質からは同じ料理作業であっても、すでに下拵え済みの半調理加工品で安心でき、ましてや自分好みの料理技を補う調理するだけで外食、中食、内食にも短時間で短作業ができ、その食材の良さを生かし他の料理に万能に応用でき、摂食困難者の料理人にも願望の食材に値する簡便料理法である。
図3に示すように、本発明の食品添加物成分として発酵成分、調味成分、香辛成分、生薬成分、着色成分、保存成分を選定した。これらの食品添加物成分を単体及び混合した組成水及び粉末で浸透及び付着してなる、食素材の質的機能を向上させる製造方法である。
ここでは、食品衛生法認定の食品添加物成分で指定される合成添加物と天然添加物があり、食品の製造工程で必要不可欠のもの、食品の栄養価を高めるもの、食品の腐敗、変質を防ぐもの、食品の味や香りを良くするなどの目的で使用されている。安全性については法的に定められているが、メリットもあればデメリットの功罪をあわせもっている。
ここでの天然食品添加物成分は、甘味料、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、ガムべース、苦味料等、酵素、光沢剤、酸味料、調味料、乳化剤、香辛料、製造用等剤、天然香料などがある。また、化学合成食品添加物は保存料、防ばい剤、殺菌料、酸化防止剤、漂白剤、発色剤、着色料、甘味料、調味料、酸味料、栄養強化剤、着香料、小麦処理剤、糊料、決着剤などがある。
図3−1は発酵菌成分であり、1)その成分は多種多様であり、微生物の作用で発酵させることや、酵素の働きを活用し人為的に各種の成分を添加することで、食材の原体を変質させて、保存性、風味、味覚、糖化、硬さなどの改良につながり、食材の味や匂いも変わり、嗜好性や栄養価が高まる。この作用を利して発酵成分を添加した食材を食すことで健康保持、免疫力向上、腸内環境向上、代謝向上、抗酸化作用などにも効果がある。本発明は、この微生物のチカラを味方にして、従来にない加熱済み食材加工と同時に発酵菌を浸透及び付着させる新たな加熱調理食材を創出した。2)発酵菌に係る微生物はカビ、酵母菌、細菌の3種があり、発酵を生む微生物として乳酸菌、麹菌、酢酸菌、酵母菌、納豆菌の5種が存在する。3)乳酸菌は、乳糖やブドウ糖を栄養源にし、酸性が強いと凝固作用がある。4)麹菌は、穀物に繁殖するカビの一種で、厳しい環境でも良く発酵する。5)酢酸菌は、アルコールを酢酸にする性質があり発酵の途中で膜をつくる。6)酵母菌は、自然界に存在し発酵の過程で糖を分解し二酸化炭素とアルコールをだす性質がある。7)納豆菌は、稲に生息する細菌で、加熱した大豆に加えて発酵させると糸を引き、発酵の途中でビタミンB2やK2が生まれる。この発酵菌は加熱済み食材の温度と時間により繊細に微妙に感受して効果が薄らぐ場合があり、本発明はこれらの温度管理を施して浸透及び付着させる製造方法である。
前記記載の発酵菌を摂食することで、体内で腸内細菌が生まれる。腸内細菌とは、食材に添加した発酵菌はこれらを食し体内に導入し滞留した場合は、添加した発酵菌が各種の腸内微生物が発酵菌外の腸内細菌と変質する作用がある。すなわち腸内細菌は、摂取した食材の栄養分を主な栄養源として腸内で増殖するため、自然摂取外の人為的に食材に成分添加することで、人体の腸内環境を整え免疫力と抗酸化力を高めことができる。このため不足する成分を人為的に補食すれば組成も変化するため、本発明は、腸内環境を整備し免疫の働きを高める重要な加熱調理食材の製造方法である。
図3−2は調味成分であり、五感の中の味覚は舌や口腔の感覚受容器で味蕾感覚を刺激して味覚を生じさせる物質で、甘味,酸味、塩味、苦味、うま味の五味に分類され、各味は特徴を生かし料理に使用されている。食素材本来の味覚だけではなく、五味の添加は食欲を刺激し食べる意欲を増進と促進させ、食素材の栄養素ともども摂食することで生命を維持し味覚の生理学的に大切な役割を果している。本発明は加熱調理後に各種調味成分を浸透及び付着させて味を補填する製造方法である。1)甘味成分は、食材に甘味を与える調味料で天然と人工物質があり、甘味は最も万人に快感を与える味で、味われる濃度の幅も広い。2)酸味成分は、酸味は食酢で食材に酸味を付与し、味わいを向上させ清涼感を増すための味で、低い濃度で強い刺激を感じる。3)塩味成分は、塩は鹹味物質として塩味を有し味付け剤として使われ、食物をうまくするのも、まずくするのも塩加減で決まるといわれ、塩味の強弱は食物の味の生命線である。4)苦味成分は舌根部で鋭敏に感じられ、医薬品に多い味で、単独では不快感を与えるが他の味と混じって食物の味を複雑にする働きがある。5)うま味成分は、日本人はダシがきいていないという味覚は、塩味酸味とは違う感覚で経験的に存在は気づいており、日本独特の調味料として料理の味覚を満足させるためには必要不可欠な成分で、食材が一層の価値向上につながる。
図3−3の香辛成分は、1)食品に風味を賦与して味覚を高めるが、むしろ肉類や魚介類の品質劣化の抑制や腐敗防止で使用されていた。その後は、食材の異臭を消したり刺激で食味を向上させ、単調な風味に変化を与えて食欲増進をもたらし、調理及び料理にはなくてはならない香味並びに辛味成分になった。2)香味成分は、食材や食品に、香りづけや風味づけに使われる嗜好品で主に生の植物が用いられ、この成分を抽出したエキスの液体組成物で香味づけする方法もある。3)辛味成分は、五感の痛覚と温覚を複合したような味で、口腔内を刺激し味蕾では感じなく適度に加わった辛味は、味覚神経を刺激させ食欲を増進させる。4)渋味成分は、舌粘膜の収斂によっておこる特有な物理的な味であり、渋味が強いと不快であるが、弱いと独特の風味になる。本発明は各種香辛成分を浸透及び付着させて、食素材原体に有しない味覚の変貌と斬新な香辛味で食せる下拵え済み食材の製造方法である。
図3−4は生薬成分であり、植物、動物、鉱物由来の天然物をそのまままか、加工を施し薬用に供するものである。薬草は天然物であり食品として扱われる生薬製剤と健康食品の2種類に分類され、生薬は漢方薬を構成する原料で、医薬品として扱われるが薬効の働きで薬膳料理食材にもなる。2)植物性生薬は植物のさまざまな部位とエキスが薬用にされ、これらの添加で効能効果を生む食材にする。3)動物性生薬は、一般的にはなじみが薄い生薬であるが薬用にもしている。4)鉱物性生薬とは、これも前記同様になじみが薄いが薬用にしている。5)現代は西洋医学が中心なれど、生活習慣病や化学薬の薬害問題などで、古来よりの伝統医学、すなわち天然素材由来の生薬の薬物療法も見直され、医療だけにとどまらず食品分野に活用されてきた。本発明は、生薬成分を浸透及び付着させることで、日常的な食材から薬効成分を摂取する自然の力の医食同源法につながる製造方法である。
図3−5は着色成分であり、前記同様に植物性、動物性、鉱物性から人為的に抽出したものと、本来食用植物素材に含有する着色成分を天然着色料と称している。ここでは、世界的に合成化学着色料の規制が厳しく、天然物使用の傾向が高まり、生薬に含まれる天然色素成分を使用することで、健康増進の一助になる。2)天然着色成分の特徴は、日本では規制もなく食品衛生法第4条が適用され、栄養のビタミン摂取と食品の着色の色調が自然であり、人体への安全性も高い。3)天然着色成分の短所は、供給が不安定で価格が高く、耐熱性、耐光性、耐酸化、還元性が劣り、任意の色調が出しにくく、異味、異臭を伴い溶解性を変えることもできない。4)天然着色成分の安全性は、日本はもとより、世界各国で規格、純度規定など自主規制及びWHOで定めている。また化学物質は発がん性が高い。5)天然着色成分を加熱処理後に着色することは、食素材本来の色に限らず栄養素、機能性成分などを含んでおり、本発明は、これらの相乗効果で異質で新規性を伴う新創造料理の食材に期待できる製造方法である。
図3−6は保存成分であり、食品は何より衛生的でなければならず、腐敗、変敗の原因となる有害微生物の繁殖を抑えて食中毒の予防にも役立つ。本発明は、加熱調理法と併用して同時に保存成分を浸透及び付着させることで、保存性を高めることができる製造方法である。1)防かび剤は、輸入バナナや柑橘類など表皮のかびや外観や風味の悪化を防止するために使用されている。2)酸化防止剤は、油脂食品の酸化による色調や風味の劣化や、加工食品の変色、褐変、有害な過酸化物の生成を防止して食中毒を予防する働きがある。3)漂白剤は、加工食品原料の好ましくない色素成分や着色物質を無色にして色調を白くさせ、きれいで鮮明の色調を整えるために用いられる。4)増粘安定剤は、液状食品などの粘度増強や、乳化分散の安定、ゲル化機能を有して、おいしさや品質の向上維持のために使用されている。5)乳化剤は、水と油は互いに分離する物質を二層に分離しないで乳濁するように、水の層と油の層を均一に混ぜ乳液のような働きをもち、乳濁液を均一に保つ性質をもっている。
図4には、本実施形態に係る加熱調理庫内で飽和湿り空気の噴霧の一次加熱と、食品添加物成分組成水の噴霧及び/又は垂らす、又は食品添加物成分粉末を散布して浸透及び付着する装置と、さらに軟弱化と殺菌加熱の二次加熱装置の概略図が示されている。この図において、前段の加熱調理庫は、前部が開放する中空箱型形状装置1と、指定した最適水の基本水保管容器2と、基本水蒸気発生装置3と、これを制御手段する装置4と、基本水の蒸気噴霧口装置5と、食品添加物組成水の保管容器6と、組成水を噴霧及び/又は垂らす発生装置7と、制御手段する装置8と、組成水を噴霧及び/又は垂らす口装置9と、これら2種の制御手段の導線10と、噴霧加熱の操作コントロールボックス11と、食品添加物成分粉末の保管容器12と、粉末成分の流量、計量、排出など一体化した装置と操作コントロールボックス13と、これを配送するパイプと制御導線14と、粉末を散布ノズル口装置15と、食素材を収容する調理棚16と、下温した水の排出手段の邪魔部流動構造17を備えて構成されている。
基本水保管容器2は、加熱調理対象食材に即した水質を飽和湿り空気を発生する水質保管する容器であり、蒸気量の減量に伴う補充などは事前に作成した保存水より、別途送水ポンプで送水する装置を施し加熱蒸気工程を妨げない装置にし、また必ずしも上部に設置せず下部及び側部に保管容器も備えられる。
基本水蒸気発生装置3は、公知の装置構造のものが用いられ、飽和湿り空気を発生させる。なお、蒸気発生手段としては、蒸気が発生させることができる限りにおいては、ボイラー以外の他の機器や装置に代替することも可能である。
基本水蒸気発生制御手段装置4は、公知の蒸気の温度及び時間を指示命令操作をするものが用いられ制御する。
基本水の蒸気噴霧口装置5は、この噴出口からは飽和湿り空気が調理庫内空間に噴出されるが上段、中段、下段にセットされた食素材が、どのポジションに設置しても、均等な加熱条件で庫内空間を維持することであり、そのためには噴霧口は上部、側部に複数以上設置してなる構造である。このとき上部側、側部側に飽和湿り空気の温度差と湿度量の差がない、噴霧口の方向も移動でき、庫内加熱環境の調整が可能な公知の蒸気噴霧機構とする。
食品添加物組成分水保管容器6は、加熱調理済み食材に、組成水を噴霧及び/又は垂らしてなる保管容器であり、組成水の減量に伴う補充などは前記同様に備えられる。
食品添加物成分組成水の発生装置7は、公知の装置構造のものが用いられ、食品添加物成分組成水を発生させる。
食品添加物成分の制御手段装置8は、公知の噴霧及び/又は垂らす温度及び時間を指示命令操作をするものが用いられ制御する。
食品添加物組成水噴霧口装置9は、組成水を噴霧及び/又は垂らす吹き出し口のことで、噴霧と垂らす差は、水質の分子量と水圧の違いで、これらは切替及び制御がコントロール可能範囲 の公知の機器を有してなる設備機器である。
前記2種の制御手段の導線10は、図の4と8の装置と11のコントロールボックスにつながれている公知の導線である。
前記2種装置のコントロールボックス11は、基本水噴霧と食品添加物成分の噴霧及び/又は垂らす発生装置と制御装置を併用してなる一連の操作を指示命令する装置盤である。これら2種の動作については、公知のソフトウェアーとハードウェアーで構成されたプロセッサーと、複数のプログラムモジュールの処理回路と、設定温度及び時間を入力しスタート指示し、制御装置は所定のプログラムに基づいて指令を出すことと、調理途中では湿り飽和湿り空気と食品添加物成分組成水の噴出温度と量と時間の調整は各種の機器装置を利する。
食品添加物成分粉末保管容器12は、加熱調理済み食材に、粉末成分を散布してなる保管容器であり、粉末の減量に伴う補充などは公知の機器を備えている。
食品添加物成分粉末コントロールボックス13は、公知の粉末を散布するに必要な供給、搬送、排出、流量、計量、散布、制御などの機器類を一体型の供給装置と制御装置として備えている。
食品添加物成分粉末配送パイプと制御導線14は、前記13の粉末コントロールボックスにつながれている公知の配送及び導線である。
食品添加物成分粉末の散布スプレーノズル口装置15は、公知の装置構造のものが用いられ、食品添加物成分粉末を散布する。
調理棚16は、加工済み食材を載せる設置は平面形状で底側は多数穴か網状でなり、その下段には蒸気下温水と組成水の水滴が、上段の食材に直接接触しない平面式の枠受け角皿で集積する2段式で、調理庫内には複数以上食材を載せる架台でなり、調理庫内外に随時出入移動できる棚及び台車で、その材質は耐熱、対酸、対強からなる構造を備えている。下温した水質の排出手段の邪魔部流動構造17は、前記16の角皿一か所に穴を開け、この穴部にパイプで接続可能な部材を備え、水滴を下部に流動させ一箇所に設置した容器に集積するか、調理庫外に排水からなる構造を備えている。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
図1の工程1に従い、人参10mm角カット試料1と、人参250g相当の丸物原体試料2と試料3の食素材を、軟水範囲の市水の飽和湿り空気の湿度100%に保ち、温度と時間制御で図1工程5で切替なしの1回加熱の初期加熱と2回の切り替え加熱の一次加熱し、工程9の冷蔵庫で冷却しガスバリア袋で真空充填包装したのち、工程10の切り替え2回の加熱と工程11で1回加熱した二次加熱試料を得た。この3試料とも冷蔵10℃保存で3週間、冷凍−15℃以下保存で10カ月の賞味期間を保持するためである。試料1の人参10mm角カットは70℃、60分の1回の初期加熱し、試料2の250g丸物原体人参は70℃、50分、そののち85℃、30分の2回切り替え加熱し、試料3は前記試料2に準拠して2回切り替え加熱し、この試料3体を冷却させ、そののち真空包装し、試料1と試料2は工程11に準拠し85℃、30分の殺菌加熱の二次加熱し、試料3は工程10に準拠して85℃、30分と90℃、30分の軟弱加熱の二次加熱を施した合計3試料を得た。これらの3試料を硬さ目安規準である破断応力(×105N/m2)と破断歪み(%)を測定した。試料1は平均6.784と28.67%で、試料2の人参尻部と表部は平均1.354と22.56%で、試料2の人参芯部の上部と中部は平均1.579と22.46%で、試料3の人参尻部と表部は平均0.593と21.26%で、試料3の人参芯部の上部と中部は平均0.634と21.65%であった。この試料1から試料3の破断歪みの測定値が示すように物性値の差は大きく、試料1は10mm角カットにも関わらず硬めでフレッシュ感があった。試料2は丸物の表部と芯部の2検体は物性値では差があったが、いずれも2検体は軟弱感があり俗にいう煮すぎた感であり、食しても食感の差は大きく感じなった。試料3は前記同様に表部と芯部の2検体は物性値では差があったが、いずれもとろける感があり、むしろペースト状に近い流動性食感を感じた。このように、加熱調理における温度及び時間、そして加熱条件の切り替えと回数で食素材の物性値の変化がみられることは、日本古来よりごはん炊きには、はじめちょろちょろ、なかぱっぱと言われるように、初期加熱段階から同じ一定温度帯調理法よりも、初期加熱をへて切り替え段階加熱することにより、食素材の芯部に目的温度帯に到達するまで初期加熱の影響で熱が速やかに伝導され、その効果で食素材の表部と芯部の差がない軟弱化も実現でき、食目的の物性値設定の区分にもつながる。このように大型及び寸法が大なる食素材加熱調理には温度及び時間制御と回数の工夫次第で、食素材の尻部と表部と芯部の物性値変化が少なくしたい目的食材になる証であり、この3試料の食材の物性値特性からは、それぞれの咀嚼力の個別及び個人別の摂食者には最適な食感になり満足する食材であった。
この事例は、前記記載の図1の工程5と工程10と工程11の飽和湿り空気噴霧の加熱処理して得られた、野菜食素材を加熱調理した例であり、いかに加熱調理条件次第で食素材の食感の変化で数値化もでき、今後の高齢者食、介護食向け食材に対応と提供の礎にもなり、人参丸物原体の食材が丸ごと軟弱化し、しかも丸ごとの形状の人参がスプーンで食せて安易に咀嚼でき、咀嚼困難者が若き日のかぶりつき食を思い出す驚愕の食材にもなる実施例である。昨今、国の指針で介護食のJAS規格やスマイルケア食が推奨され、特に食べやすさの4区分化は、野菜においては産地、収穫期、熟度、品種、部位、寸法、形態、形状別で生食素材の硬度などは多種多様に変動しており、これらの食材を調整及び区分別の数値化に対応するには困難が予想されるが、この実施例で対応可能な一助になる。このように、固形食の数値の選択が加熱調理条件で満たされれば、嚥下食ピラミッド、高齢者ソフト食の段階区分食も実現可能になる。この区分食の摂食から咀嚼力の低下者が上級区分食を目指した訓練食にもなり、食べる喜びも知ることになる。また、この数値化された固形食と他の葉物野菜を加熱済みペースト化して、凝集性や付着性の調整することも可能である。このことから胃瘻食者が脱皮可能な最適食にもつながり、この調整及び区分食摂食次第では経口摂取も可能になり、口から食べる喜びを支えることも可能になる。このように、食素材の数値化と食素材本来の味覚を損ねず、天然自然由来の食品添加物成分の補食との組み合わせで、食目的に合わせることができれば、高齢者、摂食困難者別に適した、メニュー展開が図られる高齢者食文化の未来につながる加熱調理食材になる。
図1の工程1に従い、牛蒡と人参を根菜洗浄機で洗浄して付着してる土泥及び異物(ひげ)を除去、水溶性殺菌水で殺菌、水洗浄したのち剥皮せずそれぞれ乱切り10gにカットし、前記記載の軟水範囲の市水の飽和湿り空気で加熱調理した。牛蒡は温度85℃、60分、さらに温度を上昇させて95℃、30分間の2段階切り替え加熱を施した。人参は少し軟らか食感である温度90℃で70分の1段階で加熱し、さらに冷蔵庫で冷却した2種の食材を得た。これらは、前記記載の真空包装充填と殺菌工程は、当日もしくは翌日に食するために行わなかった。また、2種は品種の特徴がそれぞれ違うために、個別加熱調理法であり、2種を同時に加熱調理はしていない。牛蒡は特に繊維質が多く硬く、軟弱食感にするために2段階切り替え加熱調理法を行った。それぞれ個性がある牛蒡と人参の2種の根菜野菜を比較するために、食する時に何も添加せず、付け食べもせず、素のまま試食したところ、牛蒡と人参特有の臭みも少なく、雑味もなく、まろやかな味とほどよい食感で摂食者が満足する食材になった。
前記2例の事例は、工程1で処理して得られる野菜食材を加熱調理した例であり、食素材の灰汁と雑味を減少させ、しかも、澱粉質が熱変性で糖化し甘くなり、素の味も従来にない味覚になった食材を、日常的に迅速に簡単に食せて、第六の栄養素とも言われてる食物繊維も豊富な牛蒡、人体に必要不可欠なβ一カロテンが豊富な人参を摂取することで、栄養欠乏症や生活習慣病などの効果もあがる。さらに、野菜の皮下に含まれる栄養源と栄養素も豊富に含まれているが、食素材の特徴でもある、臭い、香り、味などが多く残存してる場合は、現代の子供達には好まれず、牛蒡や人参嫌い対策としても、灰汁抜きや雑味が少ない加熱済み食材形態であれば食欲増進に繋がる。また、高齢者及び摂食困難者向けに軟弱化の実現で、懐かしい牛蒡と人参が味わうことができ、これらの食材で料理メニューの幅も広がり、味付けも和食、洋食、中華の各種料理に展開も可能になる。いかに、食素材の味と栄養成分の特徴を保持させ、また好まれない食味を減少でき、若年者から高齢者まで食素材原体を食せることができ、この野菜摂取で健全身体の育成にもつながる加熱調理食材である。
図1の工程5に準拠し、冷凍パックされた1kgの食用猪肉のスネ肉部位を、冷蔵庫内で解凍したのちに開封し、原体のまま調理棚に整列させ、前記記載の軟水範囲の市水の湿り飽和空気の湿度100%に保ち、温度と時間制御で一次加熱調理加工し、冷蔵庫で冷却したのち、ガスバリア袋で真空包装し二次加熱を得た。ここでは、一次加熱として70℃、70分で、猪肉に含まれる獣臭と飽和脂肪酸の減少を目的として加熱調理した。その後冷蔵庫15℃以下に冷却した後にバリア性フイルムで構成されるパック袋で真空包装したのち、さらに二次加熱として温度90℃で時間300分加熱し、冷蔵庫で冷まし猪肉をスライスにして得た。ここでの二次加熱時に真空パック包装することは、獣肉独特の肉の硬さを軟らかくすることと、栄養成分及び香味などが排出させない目的である。試食は前記同様に、何も添加せず、付け食べもせず、素のまま試食したところ、猪肉特有の獣臭が若干有するも減少しており、猪肉も従来にない軟らかさになった。また、獣肉の固定概念を払拭する新味と食感の実現はできたが、逆に、狩猟ハンター間では独特の獣臭が損なわれることは、好味ではないと不人気場面もあった。いずれも獣肉には、軟水範囲の飽和湿り空気で加熱調理しても、従来の加熱調理しない生食材を煮たり、または焼いて食した味覚や香りとは差があった。また、この獣類の猪肉を加熱調理することは、家畜肉には、原体の予防、治癒する注射などから肉に抗生物質が保有しており、猪肉の活用でアレルギー防止と抗生物質の弊害も避けることができ、今後の肉食料理に与える影響もでて、しかも、食用獣肉の活用から料理範囲が拡大することで需要が高まり、現在国内で深刻な害獣被害の減少にも寄与できる。
この事例で猪肉を選定した理由は、前記記載の家畜肉の食において、抗生物質が体内で反応して肉アレルギー体質者が多数存在してることを知り、この対策として豪州のカンガルーをダイスカットした肉を軟水範囲の市水で、65℃、30分と70℃、45分の2段階で一次加熱し、冷却後に真空包装したのち、85℃、400分の二次加熱し、カレー用の肉として製造したところ、今までは肉が食せなかった肉アレルギー体質者が、動物性たんぱく質摂取が可能になり、カレー成分の香味で臭が減少した影響からも好評を得て、肉を食す喜びを現実に感じた実例もある。このように、獣肉の一番欠点である獣臭を減少させることと、あわせて軟らか肉加工が可能な加熱調理法でもある。また、現在抱える食料問題の国産及び輸入家畜肉に頼らず、以前は一部マニアだけの獣肉料理であったが、この獣肉を加熱調理食材することで素材の見直しができ、それに伴って各種の味付けも多様になり料理の幅も広がり、特に肉素材に抗生物質が保有してないことで、獣肉のニーズとシーズの高まりに期待できる獣肉の加熱調理食材である。
図3の1に準拠し、これは食品添加物成分の発酵菌と出汁調味料の複合成分の事例である。こ
こでの食素材は、「0027」欄の工程を得て、「0032」欄に準拠して、前記記載の軟水範囲の市水の飽和湿り空気で加熱調理した。人参1cm角切りを85℃、60分。大根1cm角切りを85℃、40分。牛蒡ミジン切りを90℃、70分。黄色パプリカ1cm角切りを65℃、30分の4種の野菜食材の加熱を施したものである。それぞれ品種が異なる食素材であり、食感を同じにすることから、4種はそれぞれ個別での加熱調理条件で加熱した。また、これらの加熱調理済み食材に、食品添加物成分の発酵菌の麹を使用した発酵だし抽出する方法として、昆布100g、干し椎茸10g、水1リットルを容器に入れ、3日〜4日冷蔵庫保管し、常温に1日経過させた昆布液に、米麹100gを保管容器に入れ、米麹が柔らかくなる4日経過後に、昆布と椎茸は取り出した後に弱火の80℃、15分間加熱し、冷却後にミキサーで米麹を破砕し、濾紙でエキスすなわち発酵だし調味成分を抽出し、それに五味の醤油と塩を少量加えて発酵菌だし調味料とした。その後、「0033」欄と工程8に準拠して、それぞれ4種の加熱済み食材を40℃に下温させて、組成水温度が30℃で8分間噴霧した。そののち、ファスナー付きポリ袋に小分けし冷蔵庫保管し、食すときは袋ごと電子レンジで再加熱した。これらの保存期間は7日を目安にしたため真空パック包装はしなかった。また、4種を個別に食す方法と、4種を等分の割合で混ぜ高齢者に摂食してもらったところ、出汁の味が薄いとの声もあったが、全般的に評価は良かった。なかでも、ごぼうまで柔らかく、風味も存在しており、出汁のうま味も感じると高齢者が満足する食材であった。また、加熱調理と同時に調味料成分と発酵成分の食材加工ができる証になり、他の麦麹、甘酒の発酵菌と食品添加物成分との自在な組み合わせにより、食して味よし腸内細菌増殖の二兎をも追える、満足できる下拵え済み加熱調理食材になった。
この事例は、発酵菌と調味料成分の2種の成分を組み合わせて噴霧した加熱調理である。この2種を混合した理由は、調味成分の効果で食材の美味しさと旨味の味覚を味わいながら、また、発酵菌という秘めた機能成分を食すことで、唾液や膵液だけに頼らなく腸内の化学的消化作用を高め、この消化酵素で腸内環境を整える組み合わせである。なお、この効果で咀嚼と嚥下困難者の食の意欲が促進され、栄養バランスと免疫力も同時に高める食材になり、発酵菌の活用次第で摂食者の年齢、性別、職業、健康などの個別対応が自在なメニュー展開が可能になる。具体的には女性に多い便秘症を緩和するために、植物性乳酸菌を含有し日常的に毎食事ごとの食材を食すことも可能であり、腸内環境整備に苦慮したり重視する家庭人や老若人に良法な食材形態である。
図3の2に準拠し、これは食品添加物の調味成分の事例である。ここでの食素材は前記記載の 軟水範囲の市水の飽和湿り空気で加熱調理した、人参乱切り10gカットを85℃、50分。 じゃが芋乱切り10gカットを85℃、50分。牛蒡乱切り10gカットを85℃、50分後 に95℃、30分の2段階切り替え加熱し、キュウリのステック55℃、60分。南瓜乱切り 10gカットを85℃、20分の5種の野菜食素材を加熱調理食材に加工を施したものである 。それぞれ品種と形状が異なる食素材であり、食感の特徴を出すために、5種はそれぞれ個別 での加熱調理条件の操作で行った。また、図4記載における調味成分は、公知のうま味をエキ ス抽出する方法を参考にして、真昆布100gに対して市水500gに一晩浸したのち、中火 で煮立てのち昆布を取り出し、その後沸騰直前まで温めて削りかつお50gを入れぐらっと煮 立ったら止め、ペーパータオルで濾した。それに五味の醤油と塩を少量加えて基礎調味料とし て、「0029」欄と工程8に準拠して、加熱済み食材の下温を見計らって組成水温度30℃ で8分間噴霧処理をした。それぞれ品種が異なる食素材であるが、素材の味を生かしたのちに 、同じ調味成分を食材表面に浸透及び付着処理することで、食すと素材の味と出汁のうま味が 口に伝わり、食味と食感も良い食材を得た。5種の下拵え済み食材に葉物生野菜のレタス、キ ャベツ、パプリカ、タマネギなどをサラダ風にカットして入れ、ドレッシング、オリーブオイル、酢、マヨネーズ、塩コショウなどを適度に加えた食したところ、サラダで和風だし味が楽 しめ、根菜類の人参、じゃがいも、牛蒡、南瓜などは煮物用との思いが強いが、キュウリも低 温加熱処理独特の生食感にもなり、それぞれの食材に出汁のうま味がする食味は、従来にない 新感覚なサラダになり、人参、じゃがいも、牛蒡、南瓜の乱切り10gはサラダ感覚ではなか なか食せないことが実現できた。しかし、実際にはうま味野菜にはドレッシング類ではなく、 少量のマヨネーズと塩コショウ味が好まれた。さらに現在栄養成分に人気が高い、クルミ、黒 ゴマなどの粉末を振りかけるなどして、新創造のサラダで根菜野菜摂取可能の点で満足するも のである。
この事例は、調味料成分を噴霧した下拵え済み加熱調理である。本来では根菜類の出汁味がする食材は、料理時間を要する煮物用に簡便さと利便性の良さで好まれるが、ここでは出汁のうま味がする根菜食材をサラダ感覚にも適した例であり、健康のために手軽に野菜摂取の重要性から摂食量の世界的な5ADAY運動にも寄与でき、特に海外においては日本特有のうま味成分を強調した出汁成分の活用で、サラダや煮物用だけに限らない世界の料理人、摂食者の希望に応えられる新創造メニュー展開も可能である。ここでは、出汁の抽出に手間と時間を要するために、市販の好適調味液の原液もしくは希釈して基礎調味液とすることもでき、この食味は地域性、個人、家庭などで嗜好が違うため、五味の選択で千差万別な下拵え済み食材に変質させ、料理の種類と食べ方次第では良法な食形態になる。
図3の3に準拠し、これは食品添加物の香味成分の事例である。天然芳香性の香味成分をエキス抽出する方法として、青じそ原体を洗浄し、その後飽和湿り空気で45℃、15分加熱し、冷却後に摩砕方式ですりつぶしてペースト状にし、搾汁、ろ過工程で微粒固形分を除去してエキス成分を得た。ペースト状の青じそは原体保有と蒸気付着した水分以外は加水せず、原体重量と同等もしは若干重量が増す程度のものであり、ここからエキス抽出すると30%が微細固形物であった。この青じそエキスは天然物ゆえ収穫時期で香味成分の変質もあるが、冷却後に市水でエキス量15%の混合液組成水にした。ここでの食材は、「0032」欄に準拠した加熱調理条件で、鶏の胸肉部位を75℃、50分間で肉臭と飽和脂肪酸の減少をしたのちに、冷蔵庫で15℃以下に冷却し、前記の青じそエキス組成水30℃で7分間噴霧工程を得たのち真空包装し、さらに工程11の殺菌加熱として85℃で30分加熱し鶏の胸肉の下拵え済み食材を得た。そののち冷却後に開封して鶏の胸肉をスライス形状にして塩コショウを添加して食した。さらに残った胸肉をチャック付きプラスチック製袋で簡易的に酸素を除き冷蔵庫保管し、後日に電子レンジと沸騰未満の湯で5〜10分ボイル加熱する2種の方法で胸肉を加熱して、前記同様塩コショウ添加で食した。ここでの3種形態の摂食では、従来にない風味と食感で、青じそ風味、香味の鶏肉が味わうことができ、3種形態での味の変化は感じられなかった。また前記「0086」欄のサラダに加えればロース肉風にも値し、また、エキス成分の濃厚差によっては鶏肉料理の新規性にもつながり、食べなれた焼き鳥及びロースト状とも違った味わいができ、減塩食対応にも可能になった。また、加熱調理加工の食材に青じそ風味が残存してるのは、青じそを事前に加熱処理してあるため、従来の生青じそエキスと比較しても、芳香性が残存し香味成分として初期熱効果で耐熱性も良く、食味、食感、香味の点で満足できるものであった。この加熱済み青じそエキスの実例としては、ビール、焼酎、ワイン、ちくわ、そばなどにも使用され、次工程で加熱処理されても芳香性が残存すると高い評価を受けた。
この事例は、青じそエキス抽出する方法と、この成分を加熱済み食材に噴霧させた下拵え済み加熱調理例である。従来の鶏肉料理は焼く、炒める、揚げる、蒸す、生食が主であり、蒸す鶏肉食材はワサビ、ショウガ、醤油、塩、マヨネーズなどで付け食べをするが、ここでは香味エキスを付着させた鶏肉食材の加工であり、馴染み香味野菜の青じそ成分味がする香味付けで、従来と違った食味に変質した下拵え済み食材の事例である。しかし最近は鶏肉にハーブ類などを添加してレトルトパウチにされたものが販売もされているが、ここでの青じそ香味の鶏肉を素で食しても、二次料理の衣を付けて揚げても香味は残存し、鶏肉と青じそ風味の組み合わせは新たな味覚になった。香辛料と言えばトウガラシが即浮かび日常的に広く分布しており、多くの摂食者はその味は認識している。ここでは奇をてらうではなく、青じそをはじめとした他の天然自然由来の香辛料の芳香性、刺激性の香味成分、辛味成分、渋味成分の選択は豊富であるため、従来の食べなれた料理法から味と香りと風味を改良したい場合などには最適な食材である。
図3の4に準拠し、これは食品添加物の生薬成分の事例である。薬草成分をエキス抽出する方法として、天然黒クコ50gと水2000CCを土鍋で煮て、沸騰してから弱火で30分かけて水分が半分の量になるまで煮立て、黒クコ実をペーパータオルで濾し、自然冷却させて容器に保管して得た。ここでの食材は、「0032」欄に準拠した加熱調理条件、じゃがいも乱切り10gカットを85℃、50分の加工を施したものであり、これを生薬成分として「0033」欄の工程8に準拠して組成水温度30℃で8分間噴霧処理をした。加熱されたじゃがいも食材は、ふっくらと仕上がり食感も好適であり、これに黒クコエキスの付着と浸透で食材表部は薄赤色になるも、皮下及び芯部は従来のじゃがいも色で、これを食味すると若干のエグミは有るが、黒クコ成分付着で変色したが食材は何ら変質しておらず、味覚と食感の点で満足できた。
この事例は、食材の加熱調理と生薬成分浸透及び付着は他に類を見ない食形態であり、さらに加熱食材と各種の生薬エキスとの組み合わせから、食材と薬効成分が同時に摂取できる新たな食材及び食文明の展開の可能性も秘めている。しかし、生薬は本来ならば薬草本体を食材化して薬味や薬膳料理に古来より多用されているのが一般的である。ここでは、加熱済み食材の難点である、単独食素材に保有した成分以外は摂取不可能であり、これらの各種多様な効能の宝庫である生薬エキスともども普段の食事から食することが可能になれば、医食同源にも値し、生薬がもたらす自然のちからが人間の健康を守り、最近話題のサプリメント多様な摂取予防にもなる。さらに薬草は古来より発見と摂食された歴史もあり、また国内の全地域にも分布し処方され、その薬効も自然治癒力で遅効性であるが植物性食材摂取が多い日本人に適しており、さらなる健康長命を目指した予防食、健康食、医療食、美容食分野への用途開発が進み薬草需要の効果につながる。
図3の5に準拠し、これは食品添加物の着色成分の事例である。金駿眉茶を使用した着色成分の抽出する方法として、金駿眉茶20gを通常の湯600mlを磁器容器に入れ2分程度煎じて、金駿眉はステンレス網で濾し取り出し、常温に冷まし保管容器に入れ着色料とした。ここでの食材は、「0032」欄に準拠した加熱調理条件で、剥皮したMサイズ男爵ホールじゃがいもを1回加熱65℃、30分、2回加熱85℃、30分と、大根輪切り6cm厚みを1回加熱を85℃、30分、2回目加熱を95℃、30分の2段階に切り替え加熱した食材加工を施したものである。そののち品種が異なる加熱調理済み食材を冷蔵保管室から取り出し、これらを調理庫の棚に整列させて「0033」欄と工程8に準拠して組成水温度30℃で8分を、1回目噴霧終了後に2種の食材を裏返した後に2回目の噴霧をした。2回噴霧の理由は、ホール食材のため底部も平均着色させるためである。じゃがいもと大根は組成水原液色とは薄色で差があったが、裏返し作業の効果もあり全体に平均的に着色されたが、それも表部だけであり芯部まで浸透着色はされていなかった。しかし、食材は原体食素材とは違った色調で一瞬戸惑いと驚きの目もあったが、まろやかな甘みがあり、味わったことのない香りがし、従来の加熱調理済み食材と違った味であり、これが、金駿眉茶特有の食味、着色で新味覚、新視覚食材になったことに満足できた。
この事例は、通常の食材及び食品は合成着色料使用が主流である。ここでは天然及び自然由来の着色成分を主にした食材加工であり、その着色は明確で鮮やかな色調ではなく、むしろ、くすんだ色調になるが、人体への影響が少なく従来では摂取が少ない天然着色材料使用で、食素材外の成分を摂取することで相乗効果も生まれる。また、金駿眉茶は茶類では最高品で希少茶葉とも言われ、特有の紅色を浸透及び付着させて、食材の素材本来の色と違った、従来では思考できない視覚の食材に変貌と斬新さで食する目的でもある。また、各種の天然由来の着色成分を使用することは、食材に素材の味と着色成分の色に興味を持たせるためでもある。本発明で着色成分を加えることは、食材の原体に無い色を視覚で味わえる加工方法であり、昨今料理番組やレシピ公開が盛んであるが、その多くは市販の調味料を使用した着色食材であり、前述の金駿眉茶に限らず、通常の紅茶、抹茶、番茶、玄米茶、コーヒー、果実、野菜などの色素成分を使用して、従来にない見た目の変貌食材で視覚と味覚で訴え、野菜嫌いな乳幼児、若者、偏食者、高齢者層まで摂取する重要な食材にもなる。また、合成着色料摂取の弊害が学会及びマスコミで叫ばれることに基づけば、この天然由来の着色成分使用は、今後の安心安全食材の礎になり、次世代のグローバル料理展開に発信可能な食材加工分野にも寄与できる。
図1の工程5に準拠し、冷凍されたマグロ血合いブロック部位を、冷蔵庫内で解凍したのちに調理棚に整列させ、前記記載の軟水範囲の市水の湿り飽和空気の65℃、30分と75℃、20分の2回の切り替えする一次加熱調理加工し、そののちに、「0034」欄と工程8に準拠し、市販のキムチシーズニング粉末を2g/平方メートル相当を常温で5分間散布し、冷蔵庫で冷却させガスバリア袋で真空包装し、さらに85℃、25分の加熱殺菌の二次加熱を得た。ここでは、一次加熱としてマグロ血合いに含まれる生臭い魚臭の減少と、血合いの豊富な栄養素を逃さない目的として、2段切り替え加熱調理した。またキムチシーズニングを散布することで、マグロ血合い独特の味覚を払拭するためと、さらにマグロ血合い素材がシーズニングの浸透及び付着で進化した食材になり、料理メニューの広範囲展開を目指すためでもある。さらにマグロ血合いは素のまま蒸煮すると固くなる性質があり軟弱化させるためにも二次加熱を施した。これらの食材を加熱調理後の検体と冷蔵保管1週間後と冷凍保管1週間後を湯煎した合計3検体を得た。この3検体を試食したところ、血合い臭は若干残存するがキムチ独特の風味がして、通常の酒、醤油、味醂、砂糖、生姜の角煮や、竜田揚げや炒め物とは違った味覚で、特に血合い蒸しとキムチシーズニングには他の調味料も含んでおり、スパイスの風味との複合した加熱調理食材は初めて知る味であった。貯蔵した冷蔵と冷凍品の比較するとやはりキムチシーズニングが計時変化と湯煎の3回加熱する影響か浸透されて味が濃くなっていたが好味であった。試食者からはキムチ風味が薄い濃いとの両意見もあり、最適な風味には個人差が判明し、マグロの血合いとキムチ風味に驚きの声もあった。今後は従来の血合い料理に限らず、またマグロ血合いの多くは未活用で、一次加熱の切り替え調理の効果と各種のシーズニング浸透及び付着次第で新たなレシピ展開の拡大の兆しになった実施例である。
この事例でマグロ血合いを選定した理由は、血合いの身の部分には、ビタミンA、B、D、EやEPA、DHA、鉄分、亜鉛、マグネシュウムなど豊富な栄養源を保有しており、現代の女性には特に不足してる鉄分栄養源とされているためと、マグロ血合いは各水産会社でも利用価値が少なく一部では廃棄され、これらを最適食材化して資源の有効活用を目指すためでもある。また、マグロの血合いに関わらず、世界各地の川魚が独特の臭により海魚より食活用が進んでいない状況と、日本及び世界各地の農産物及びその他食素材の規格外、不要部位、廃棄部位の再活用の観点からも、本発明の、加熱温度及び時間制御の調理と、世界各地の食文化に好適なスパイスやシーズニングなどの食品添加物成分を補填する調理法で、蘇る食材になり世界的な課題の食料問題に一石を投じる加熱調理食材の製造法である。