JP2019065187A - 粘着テープ及び建築用面構造 - Google Patents
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Abstract
Description
このような技術に関して様々な開発が行われている。例えば、施工の容易性を考慮して、接着剤の代わりに粘着テープを用いて、構造用面材を支持体に貼付することが検討されている。また、石膏ボードなどに多数の小径の貫通孔を形成した有孔ボードを構造用面材として用いて、遮音する技術が検討されている(特許文献1)。このような技術は、例えば、音楽室の壁構造などに利用され、外部への音漏れを有効に防止している。
したがって、有孔ボードを用いて遮音する場合には、支持体との間に空気層が必要なるため、空気層を形成するための特定の治具が必要となる。そのため、遮音性を有する壁構造を製造する場合は、施工が煩雑となる傾向があり、また上記のとおり空気層を要するため、その分、壁構造自体のサイズが大きくなりやすいため、部屋のスペースが狭くなるという問題もある。
一方、施工が容易であることで知られる通常の粘着テープを用いて、有孔ボートと支持体とを接着させる場合には、有孔ボードと粘着テープ間に空気層が形成されないため、良好な遮音性を得ることができない。
以上より、本発明の課題は、被着体(例えば、建築材など)に対する粘着性を維持したまま、遮音性を併せ持つ粘着テープ、及び該粘着テープを用いた遮音性の良好な建築用面構造を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]を提供するものである。
[1]下記の(1)〜(3)を満足する粘着テープ。(1)厚みが0.03〜7mm
(2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mm(3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm2以上
[2]粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が30万〜50万Paである、上記[1]に記載の粘着テープ。
[3]前記粘着テープが両面粘着テープである、上記[1]又は[2]に記載の粘着テープ。
[4]前記粘着テープが、基材を含まない両面粘着テープである、上記[3]に記載の粘着テープ。
[5]構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる上記[3]又は[4]に記載の粘着テープとを備える、建築用面構造。
[6]前記構造用面材が、有孔ボードである、上記[5]に記載の建築用面構造。
本発明の粘着テープは、基材の両面に粘着剤層が設けられた両面粘着テープであってもよいし、基材を含まない粘着テープであってもよい。基材を含まない粘着テープは、粘着剤層単体からなるものであるため、両面粘着テープの概念に含まれる。
この中でも、例えば後述する建築用面構造を作製する観点から、両面粘着テープが好ましく、両面粘着テープの中でも、コスト、製造上の容易性の観点から、基材を含まない両面粘着テープがより好ましい。
なお、粘着テープの粘着剤層上(両面粘着テープである場合には、両面の粘着剤層上)には、一般的に、剥離シートが貼付されており、その剥離シートを剥離した後に被着体に貼着されるものである。剥離シートとしては、樹脂フィルムの一方の面にシリコーン剥離剤等の剥離剤により剥離処理したものなどが使用され、剥離シートは剥離処理面が粘着剤層に接触するように貼付される。
また、粘着テープの粘着剤層を構成する粘着剤は、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤などが挙げられる。これらは単独で使用してよいし、組み合わせて使用してもよい。これらの中では、アクリル系粘着剤を使用することが好ましい。アクリル系粘着剤を使用すると、ピール粘着力、貯蔵弾性率を後述する所望の範囲に調整しやすくなる。
なお、粘着テープの厚さとは、粘着テープが粘着剤層単体からなる場合には、粘着剤層単体の厚さを意味し、基材の一方又は両方の面に粘着剤層が設けられた粘着テープの場合は、基材と粘着剤層とを含む全体の厚さを意味する。
厚みは、実施例に記載の方法により測定することができる。
粘着テープの90°ピール粘着力は、好ましくは15〜90N/25mmであり、より好ましくは50〜80N/25mmである。
粘着テープを幅25mm×長さ150mmに切断し、その後SUS板を貼り合わせる。この際、両面粘着テープの場合は、一方の面にPETフィルム(厚さ25μm)を貼り合わせ、他方の面をSUS板に貼り合わせればよい。その後、2kgの圧着ローラーを2往復させて粘着テープをSUS板に接合し、25℃で1時間放置する。
次いで、25℃、50%RHの環境下、引張速度300mm/minで90°方向に引っ張ることでピール粘着力として測定することができる。同様の測定を3回行い、3点平均を90°ピール粘着力とすることができる。
本発明の粘着テープが有する貫通孔の直径は0.04〜2.2mmである。貫通孔の直径が0.04mm未満であると、遮音性が悪くなる傾向がある。一方、貫通孔の直径が2.2mmを超えると、粘着テープの粘着力が低下する傾向にある。粘着テープの貫通孔の直径は、好ましくは0.045〜2.1mm、より好ましくは0.05〜2.0mmである。
なお貫通孔の直径とは、粘着テープの厚さ方向に垂直な断面の孔に外接する円の直径と定義する。
また、上記断面の孔に外接する円の直径が、厚さ方向によって異なる場合は、例えば、厚さ方向に等間隔の10個の断面における、各断面の孔に外接する円の直径の平均値を貫通孔の直径とする。
本発明の粘着テープは、上記した特定の直径を有する貫通孔の面密度が0.2個/mm2以上である。面密度が0.2個/mm2未満であると、遮音性が悪くなる傾向がある。また、粘着性を良好とする観点から、貫通孔の数は多すぎないほうがよく、粘着性と遮音性のバランスを良好とする観点から、貫通孔の面密度は、好ましくは0.3個/mm2以上5個/mm2以下であり、より好ましくは0.5個/mm2以上3個/mm2以下である。
また、粘着剤層の貯蔵弾性率を50万Pa以下とすることにより、被着体に対する接着性が良好になりやすい。
これらの観点から、粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率は、より好ましくは30万〜45万Paであり、さらに好ましくは35万〜40万Paである。
貯蔵弾性率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
以下、粘着剤層に使用されるアクリル系粘着剤の一実施形態についてより詳細に説明する。アクリル系粘着剤は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)を含む重合性モノマーを重合したアクリル系重合体を含有する粘着剤である。
なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸アルキルエステル」とは、アクリル酸アルキルエステル、及びメタクリル酸アルキルエステルの両方を含む概念を指すものであり、他の類似の用語も同様である。また、用語「重合性モノマー」は、繰り返し単位を有しない化合物のみならず、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)と共重合する化合物であれば、後述するオレフィン重合体(C)などのモノマー自身が繰り返し単位を有するものも含みうる概念を指す。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)は、(メタ)アクリル酸と脂肪族アルコールとのエステルであって、脂肪族アルコールのアルキル基の炭素数が、好ましくは2〜14、より好ましくは4〜10である脂肪族アルコールに由来するアルキルエステルが好ましい。アルキル基の炭素数がこの範囲内であると、粘着剤層のガラス転移温度(Tg)を適切な温度範囲にして、ピール粘着力及び貯蔵弾性率を上記した範囲に調整しやすくなる。
これらの中でも、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレートが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート又はこれらの組み合わせがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位の含有量は、後述する粘着剤組成物における(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)の含有量と実質的に同じであるので、置き換えて表すことができる。以下で説明する(B)(C)成分など、(A)成分以外の成分も同様である。
重合性モノマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)に加えて、極性基含有ビニルモノマー(B)を含有することが好ましい。極性基含有ビニルモノマー(B)は、極性基とビニル基を有するものである。粘着剤層に極性基含有モノマー(B)を用いることで、粘着剤層の貯蔵弾性率、ピール粘着力などを調整しやすくなる。
極性基含有ビニルモノマー(B)としては、例えば、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等の水酸基を有するビニルモノマー;(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルラウリロラクタム、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、及びジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等の窒素含有ビニルモノマーが挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸、及びイタコン酸等のビニル基を含有するカルボン酸、及びその無水物が好ましく、(メタ)アクリル酸がより好ましく、アクリル酸がさらに好ましい。これらの極性基含有ビニルモノマー(B)は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合性モノマーは、さらに末端に重合性結合を有するオレフィン重合体(C)を含むことが好ましい。このようなオレフィン重合体(C)を使用することで、両面粘着テープの貯蔵弾性率及びピール粘着力を上記した所望の範囲に調整しやすくなる。なお、重合性結合は、重合性モノマーと重合することが可能な不飽和の炭素−炭素結合を意味し、例えば不飽和二重結合が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基などが挙げられる。
オレフィン重合体(C)としては、(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられ、例えば、片末端のみに(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィン、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンが挙げられる。なお、ポリオレフィンとは、エチレン、プロピレン、ブタン、ブタジエン、イソプレンなどの二重結合を有する脂肪族炭化水素化合物の重合体、又はその水素添加物である。
オレフィン重合体(C)は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、オレフィン重合体(C)として、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリオレフィンなどを使用すると、アクリル系重合体を網目状に重合することが可能となる。そのため、粘着剤の凝集力を高めやすくなり、ピーク粘着力を上記所望の範囲に調整しやすくなる。
さらに、凝集力、貯蔵弾性率、ピール粘着力などを良好にする観点から、オレフィン重合体(C)としては、片末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体と、両末端に(メタ)アクリロイル基を有するオレフィン重合体とを併用することが好ましい。
また、粘着剤においてオレフィン重合体(C)由来の構成単位の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、2〜15質量部がより好ましく、4〜12質量部がさらに好ましい。
重合性モノマーは、多官能モノマー(D)を含有することが好ましい。多官能モノマー(D)を含有させることで、重合時に分子鎖が架橋されて、粘着剤層の貯蔵弾性率を高めることができる。
多官能モノマー(D)としては、ビニル基を2つ以上有するモノマーが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。
具体的な多官能モノマーとしては、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトシキ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、エトシキ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロキシ化グリセリルトリアクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジアクリレート等が挙げられる。
具体的な商品としては、例えば、日本曹達製TEAI−1000、新中村化学製NKエステルA−HD−N(1,6−ヘキサンジオールジアクリレート)などが挙げられる。
多官能モノマー(D)を使用する場合、多官能モノマー由来の構成単位の含有量は、粘着剤層の貯蔵弾性率を所望の範囲に調整する観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、0.5〜15質量部、より好ましくは0.4〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜3質量部である。
重合性モノマーは、上記した(A)〜(D)以外のその他のモノマーを含んでいてもよい。その他のモノマーとしては、例えば、スチレン系モノマーなどが挙げられる。スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン等が挙げられる。
アクリル系粘着剤は、粘着力を向上させる観点から、粘着付与樹脂を含有してもよい。粘着付与樹脂としては、水添テルペン樹脂、水添ロジン、不均化ロジン樹脂、石油樹脂等の重合阻害性の低い粘着付与樹脂が好ましい。これらの中でも、粘着付与樹脂が二重結合を多く有していると重合反応を阻害することから、水添系のものが好ましく、中でも水添石油樹脂が好ましい。
粘着付与樹脂の軟化点は、粘着剤の凝集力及び粘着力を向上させる観点から、95℃以上程度であればよいが、120℃以上のものを含むことが好ましく、例えば、95℃以上120℃未満のものと、120℃以上150℃以下のものとを併用してもよい。なお、軟化点は、JISK2207に規定される環球法により測定すればよい。
アクリル系粘着剤における粘着付与樹脂の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは5〜40質量部、より好ましくは7〜35質量部、さらに好ましくは10〜25質量部である。
アクリル系粘着剤は、微粒子を含有してもよい。微粒子を含有させることで、被着体に対する粘着力、並びに、粘着剤の凝集力を向上させることができる。
微粒子としては、ガラスバルーン、シラスバルーン、及びフライアッシュバルーン等の無機質中空粒子、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ポリスチレン、及びフェノール樹脂等からなる有機質中空粒子、ガラスビーズ、シリカビーズ、及び合成雲母等の無機質微粒子、ポリアクリル酸エチル、ポリウレタン、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の有機質微粒子が挙げられる。
アクリル系粘着剤における微粒子の含有量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル系モノマー(A)由来の構成単位100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは0.7〜5質量部である。
本発明において用いるアクリル系粘着剤は、前述した成分以外にも、可塑剤、軟化剤、顔料、染料、光重合開始剤、難燃剤等の粘着剤に従来使用されている各種の添加剤を含有してもよい。
上記アクリル系粘着剤のゲル分率は、45〜80質量%が好ましい。ゲル分率を下限値以上とすることで、粘着剤の凝集力及び貯蔵弾性率を高めやすくなる。また、上限値以下とすることで、粘着剤のピール粘着力を高めやすくなる。これら観点からゲル分率は、40〜70質量%がさらに好ましく、50〜60質量%がより好ましい。
ゲル分率は、例えば、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有するオレフィン重合体(C),多官能モノマーの配合の有無、及び配合量を適宜調整することで上記した範囲内に調整することが可能である。なお、ゲル分率は下記式(1)より算出することができる。
ゲル分率(質量%)=(B/A)×100 式(1)
A:粘着剤層(試験片)の重量
B:40℃のテトラヒドロフランに粘着剤層(試験片)を48時間浸漬し、その後の粘着剤層の不溶解分の乾燥重量
より具体的に説明すると、まず、重合性モノマー、さらに必要に応じて配合される粘着付与樹脂、微粒子、その他の成分を、ガラス容器等の反応容器に投入して混合して、粘着剤組成物を得る。
次いで、粘着剤組成物中の溶存酸素を除去するために、一般に窒素ガス等の不活性ガスを供給して酸素をパージする。そして、粘着剤組成物を剥離シート上に塗布するか、又は、樹脂フィルム、織布、不織布等の支持体などに塗布した後、光を照射し重合性モノマーを重合することにより粘着剤層を得ることができる。
前記粘着剤組成物の塗布もしくは含浸から光を照射する工程までは、不活性ガス雰囲気下、又はフィルム等により酸素が遮断された状態で行うことが好ましい。
なお、本製造方法では、各成分を混合して得た粘着剤組成物は、粘度を高くするために、剥離シート又は支持体などに塗布する前に予備重合をしてもよい。
ゴム系粘着剤は、ゴム成分と、粘着付与樹脂を含有するものであり、ゴム成分としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体を使用することが好ましい。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック率が好ましくは25〜70質量%、より好ましくは30〜65質量%、さらに好ましくは45〜60重量%である。ここでジブロックとは、スチレンとイソプレンとからなるジブロックのことをいう。スチレン−イソプレンブロック共重合体は、ジブロック以外にも、スチレン、イソプレン、スチレンブロックからなるトリブロックなどブロックを3つ以上有するものも含有する。
スチレン−イソプレンブロック共重合体の分子量は、特に限定されないが、質量平均分子量で100,000〜400,000が好ましく、150,000〜250,000がより好ましい。なお、ここでいう質量平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)法によりポリスチレン換算分子量として測定されるものをいう。
石油系樹脂としては、脂肪族系石油樹脂(C5系石油樹脂)、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、スチレン−イソプレンブロック共重合体との相溶性の観点から脂肪族系石油樹脂が好ましい。また、石油系樹脂は、軟化点が90〜120℃程度のものを使用することが好ましい。
また、テルペン樹脂としては、軟化点が80〜120℃程度のものが使用可能であるが、粘着力確保の観点から100℃未満のものが好ましい。また、クマロン樹脂としては、凝集力確保のために、軟化点が好ましくは110〜130℃、より好ましくは115〜125℃のものを使用する。
また、石油系樹脂と、テルペン樹脂及びクマロン樹脂から選択される少なくとも1種とを併用する場合、石油系樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、50〜200質量部が好ましく、60〜150質量部が好ましく、60〜110質量部がより好ましい。一方で、テルペン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜70質量部が好ましく、20〜60質量部がより好ましく、30〜50質量部がさらに好ましい。さらに、クマロン樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、10〜60質量部が好ましく、15〜50質量部がより好ましく、20〜40質量部がさらに好ましい。
ゴム系粘着剤は、アクリル系粘着剤と同様に上記した微粒子を含有してもよく、また、ゴム系粘着剤は、必要に応じて、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
また、ウレタン系粘着剤としては、ポリウレタンポリオールと多官能イソシアネート系硬化剤とを反応させて得られるウレタン系樹脂を使用してもよい。ポリウレタンポリオールは、上記したポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応したもの、又はポリオールとポリイソシアネート化合物とジアミンなどの鎖延長剤とを反応させたものが挙げられる。多官能イソシアネート系硬化剤としては、2以上のイソシアネート基を有する化合物であればよく、上記したイソシアネート化合物を使用可能である。
ウレタン系粘着剤は、ウレタン系樹脂に加えて、上記した微粒子を含有してもよく、また、ウレタン系粘着剤は、必要に応じて、粘着付与樹脂、軟化剤、酸化防止剤、充填剤等を含有してもよい。
また、シリコーン系粘着剤としては、例えば、付加反応型、過酸化物硬化型又は縮合反応型のシリコーン系粘着剤等が挙げられる。なかでも、低温短時間で硬化可能という観点から、付加反応型シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。なお、付加反応型シリコーン系粘着剤は粘着剤層の形成時に硬化するものである。シリコーン系粘着剤として、付加反応型シリコーン系粘着剤を用いる場合、上記シリコーン系粘着剤は白金触媒等の触媒を含んでいてもよい。
また、シリコーン系粘着剤は、微粒子を含有してもよく、また、架橋剤、粘着力を制御するための各種添加剤を加えたりしてもよい。
本発明の粘着テープは、あらゆる用途に使用可能であるが、建築用途に使用することが好ましい。建築用途に使用する場合、本発明の粘着テープは、両面粘着テープ、特に基材を含まない両面粘着テープとして使用することが好ましい。
本発明の粘着テープは、被着体に対する粘着性が良好であるため、両面粘着テープとして使用することで、建築材同士を強固に接着できる。この場合、特殊な治具あるいは接着剤を用いる必要がないため、施工性が良好である。さらに、本発明の粘着テープは遮音性も有しているため、建築材同士が接着され、固定化された建築用面構造の遮音性も良好となる。
<建築用面構造>
本発明の建築用面構造は、構造用面材と、支持体と、構造用面材と支持体の間に配置され、構造用面材を支持体に固定させる粘着テープとを備える。該粘着テープは、上記で説明した通りの両面粘着テープであり、基材を含まない両面粘着テープが好ましい。
また、有孔ボード12及び粘着テープ13は、一方の面から他方の面に貫通している貫通孔12A、13Aをそれぞれ複数有しており、有孔ボード12と粘着テープ13の界面において、互いの孔同士が連通している箇所が複数存在している。これにより、有孔ボード12の表面から、粘着テープ内部に渡って音の減衰が生じやすくなり、遮音性が効果的に高まる。
また、支持体としては、壁面以外も使用可能であり、鉄骨などの金属からなるものでもよいし、木枠材などであってもよい。また、支持体は、平面状の壁面でなくても、曲面を有するものであってもよい。
なお、本発明における各物性の測定方法、評価方法は以下のとおりである。
ダイヤルゲージで計測したものを厚さとした。
測定装置:DVA−200(アイティー計測制御株式会社製)を用いて、せん断モード:10Hz、歪み量:0.1%、温度範囲:−100℃〜100℃、昇温速度:10℃/minの条件下で、25℃における貯蔵弾性率を求めた。試料サイズは、長さ40mm(但し、つかみ間距離25mm)、幅5mmであった。
一方の面にPETフィルム(厚さ25μm)を貼り合わせた両面粘着テープを幅25mm×長さ150mmに切断し、その後SUS板を貼り合わせ2kgの圧着ローラーを2往復させて接合し、25℃で1時間放置した。その後、25℃、50%RHの環境下、引張速度300mm/minで90°方向に引っ張ることでピール粘着力として測定した。なお、同様の測定を3回行い、3点平均を90°ピール粘着力とした。
粘着テープを幅120mm×長さ120mmに切断し、同じサイズの石膏ボード(有孔ボード)に貼り付けて、遮音性の評価試料とした。遮音性の評価は「D値」により行った。なお、D値は数値が大きい方が、遮音性能が高いことを示す。
表1に記載の配合にしたがって、粘着剤組成物を調製した。この粘着剤組成物に窒素をパージして溶存酸素を除去した。次いで、剥離シートの剥離処理面上に厚さ50μmのスペーサーを設置し、粘着剤組成物を剥離シートの剥離処理面上に塗布した。次いで、塗布した粘着剤組成物の上に、剥離処理面が粘着剤組成物に接するように、別の剥離シートを被覆した。なお、剥離シートとしては、シリコーン離型処理されたPETフィルム(厚み50μm)を使用した。
この状態で被覆側の剥離シートにおける紫外線照射強度が5mW/cm2となるようにケミカルランプのランプ強度を調整し、15分間紫外線を照射し、粘着剤層単体からなり、両面に剥離シートが貼付された両面粘着テープを得た。
次いで、複数の突起を備えたロールを用いて、両面粘着テープに複数の貫通孔を形成させた。
なお、各測定は、剥離シートを剥がした上で行った。
[実施例2]
粘着剤組成物の組成を表1に記載のとおり変更し、スペーサーの厚さを5mmに変更した以外は実施例1と同様に両面粘着テープを得た。
次いで、複数の突起を備えたロールを用いて、両面粘着テープに複数の貫通孔を形成させた。
なお、各測定は、剥離シートを剥がした上で行った。
[比較例1]
粘着剤組成物の組成を表1に記載のとおり変更し、スペーサーの厚さを5mmに変更した以外は実施例1と同様に両面粘着テープを得た。
※表1における各成分は、以下のとおりである。
オレフィン重合体:商品名「L−1253」、株式会社クラレ製、(メタ)アクリロイル基を片末端に有する水素化ポリブタジエン
多官能アクリレート:日本曹達製TEAI-1000
粘着付与樹脂:商品名「アルコンP140」、荒川化学工業株式会社製、水添石油樹脂、軟化点140℃
微粒子:商品名「セルスターZ−27」、東海工業株式会社製、ガラスバルーン
重合開始剤:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン
11 壁面(支持体)
12 有孔ボード(構造用面材)
12A 貫通孔
13 粘着テープ
13A 貫通孔
Claims (6)
- 下記の(1)〜(3)を満足する粘着テープ。
(1)厚みが0.03〜7mm
(2)25℃での90°ピール粘着力が15〜100N/25mm
(3)直径0.04〜2.2mmの貫通孔を複数有し、該貫通孔の面密度が0.2個/mm2以上 - 粘着テープの粘着剤層の25℃における貯蔵弾性率が30万〜50万Paである、請求項1に記載の粘着テープ。
- 前記粘着テープが両面粘着テープである、請求項1又は2に記載の粘着テープ。
- 前記粘着テープが、基材を含まない両面粘着テープである、請求項3に記載の粘着テープ。
- 構造用面材と、支持体と、前記構造用面材と前記支持体の間に配置され、前記構造用面材を前記支持体に固定させる請求項3又は4に記載の粘着テープとを備える、建築用面構造。
- 前記構造用面材が、有孔ボードである、請求項5に記載の建築用面構造。
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