JP2019057975A - コイルの製造方法およびコイルの製造装置 - Google Patents

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真乙花 伊藤
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【課題】導線を巻回する際に、導線の張力の変動を低減することにより、スロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルを適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることが可能なコイルの製造方法およびコイルの製造装置を提供する。【解決手段】このコイル10の製造方法は、平角導線11を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円形状の中間成形コイル110を形成する工程と、中間成形コイル110の第1部分110aを、コイルエンド予定部13に成形する工程と、中間成形コイル110の第2部分110bを、スロット配置予定部12に成形する工程とを備える。【選択図】図6

Description

本発明は、コイルの製造方法およびコイルの製造装置に関する。
従来、導線が複数回巻回され、スロット配置予定部とスロット配置予定部を接続するコイルエンド予定部とを有するコイルの製造方法およびコイルの製造装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、平角導線が巻回される巻線治具を備えるステータコイルの巻線形成装置が開示されている。この巻線形成装置は、基台と、回転座とを含む。そして、巻線治具は、回転座に固定されており、巻線治具および回転座は、基台に対して一体的に回転するように構成されている。巻線治具は、トラック形状または略六角形状の外周形状を有する。この巻線形成装置は、平角導線を、回転する巻線治具の外周に沿って巻回することにより、トラック形状または略六角形状を有する中間成形コイルを形成するように構成されている。また、この巻線形成装置は、成形装置を含む。成形装置は、中間成形コイルのコイルエンド予定部をクランク状に成形して、スロット配置予定部とスロット配置予定部を接続するコイルエンド予定部とを有する同芯巻コイル(ステータコイル)を形成するように構成されている。
特開2014−209834号公報
ここで、中間成形コイルを適切に形成するためには、平角導線を巻回する間、平角導線の張力を一定以上の強さに維持する必要がある。しかしながら、上記特許文献1に記載の巻線形成装置(コイルの製造装置)では、巻線治具が、トラック形状または略六角形状の外周形状を有するように形成されているため、平角導線の張力を一定に維持することが困難であると考えられる。具体的には、巻線治具がトラック形状の場合、巻線治具は、直線状の部分と、円弧状の部分と、直線状の部分と円弧状の部分とを接続する部分とを含む。また、巻線治具が略六角形状の場合、巻線治具は、直線状の部分と、直線状の部分同士を接続する屈曲部分とを含む。このため、回転座および巻線治具を一定の速度で回転させた場合には、コイルが巻き取られる速度が変化するので、巻回する部分の形状に応じて平角導線の張力が変動してしまう。このため、巻回中のコイル(平角導線)の張力が大きくなり過ぎた時に、コイルの張力が弾性限界を超えて、コイルが伸びるように塑性変形し、コイルの断面積が減少する。
そこで、回転座および巻線治具の回転速度を変化させて、コイルが巻き取られる速度を一定にする制御を行うことが考えられるが、平角導線を巻回しながら、上記の巻線治具の複雑な形状(特に直線状の部分および屈曲部分)に合わせて回転速度を適切に変化させることは容易ではない。このため、巻線治具の回転速度を変化させることを試みても、平角導線の張力が変動してしまうと考えられる。また、巻線治具を低速で回転して平角導線の張力の変動を下げると、生産性が下がってしまう。したがって、従来のコイルの製造装置では、中間成形コイル(コイル)を形成する際に、平角導線(導線)の張力が変動することに起因して、スロット配置予定部およびスロット配置予定部を接続するコイルエンド予定部を有するステータコイル(コイル)を適切に形成することができないという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、導線を巻回する際に、導線の張力の変動を低減することにより、スロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルを適切に形成することが可能で、かつ、生産性の高いコイルの製造方法およびコイルの製造装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるコイルの製造方法は、ステータのスロットに配置されるスロット配置予定部とステータの中心軸線方向の端部に配置されるコイルエンド予定部とを有するコイルの製造方法であって、導線を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイルを形成する工程と、円状コイルの第1部分を、コイルエンド予定部に成形する工程と、円状コイルの第2部分を、スロット配置予定部に成形する工程と、を備える。なお、本願明細書では、「円形状」とは、トラック形状および多角形形状とは異なり、直線状の部分を有しない「真円形状」(実質的に真円形状のものも含む)または「楕円形状」(実質的に楕円形状のものも含む)を意味するものとして記載している。
この発明の第1の局面によるコイルの製造方法では、上記のように、導線を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイルを形成する工程を備える。これにより、平面視において円形状の巻枠に導線を巻回することにより、中間成形コイルとしての円状コイルを形成することができる。その結果、連続した弧状(円形状)部分に導線が巻回されるので、直線状の部分や円弧状の部分を有するトラック形状または多角形形状を有する巻枠(複雑な形状の巻枠)に導線を巻回する場合に比べて、張力の変動を低減することができる。この結果、巻回中に導線の張力が弾性限界を超えずに、コイルが塑性変形してコイルの断面積が減少することを極力防止することができる。すなわち、巻枠に巻回されるコイルの回転中心に対する、距離に変化が少ないので、巻回時のコイルが形成される速度の変動が少なく、張力が安定しやすくなる。この結果、巻枠を低速で回転させる必要がなく、巻枠を比較的高速に回転させることができるので、生産性の低下を防止することができる。また、トラック形状または多角形形状を有する巻枠に比べて、円形状の巻枠では、曲率半径(R)が大きくなるので低い張力により、コイルを巻枠に沿わせることができる。これにより、導線(コイル)の曲げに必要な張力を小さくすることができるので、さらに巻枠の回転を高速化できる。また、本発明では、円状コイルの第1部分をコイルエンド予定部に成形する工程と、円状コイルの第2部分をスロット配置予定部に成形する工程とを備えることにより、適切に形成された円状コイルからスロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルに成形することができる。この結果、導線を巻回する際に、導線の張力の変動を低減することにより、スロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルを適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることができる。
また、上記第1の局面によるコイルの製造方法において、好ましくは、円状コイルを形成する工程は、導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回することにより、真円形状の円状コイルを形成する工程である。なお、本願明細書では、「真円形状」とは厳密な真円形状のみならず、実質的に真円形状のものも含む広い概念である。このように構成すれば、平面視において真円形状の巻枠に導線を巻回することにより、中間成形コイルとしての真円形状の円状コイルを形成することができる。その結果、巻枠を等速で回転させれば、容易に導線の張力を一定にすることができる。そして、導線を巻回する際の導線の張力の変動をより一層低減することができるので、コイルをより適切に形成することができる。また、真円形状の巻枠を用いることにより、巻枠を低速で回転させる必要がないため、生産性が低下するのをより一層防止することができる。
ここで、巻枠に中間成形コイルが形成される際、巻枠の形状に沿って導線が成形されながら、導線が巻枠に巻回される。巻回された導線(特に平角導線)では、成形(変形)された方向とは反対方向(巻回外側方向)に向かってスプリングバック力(復元力)が生じる。そして、導線を巻回した後に中間成形コイルを巻枠から取り外した場合、真円形状ではない巻枠に巻回した導線では、このスプリングバック力に起因して、中間成形コイルが変形して、中間成形コイルの各層の向きが変化して、中間成形コイルの形状が崩れてしまうことが考えられる。この場合、中間成形コイルを巻枠から成形装置に搬送して、中間成形コイルを成形装置に配置するために、形状が崩れた中間成形コイルの形状を改めて整える工程を設けるか、または、中間成形コイルを搬送する工程を、導線の張力が維持され形状が崩れる前の中間成形コイルを搬送装置により保持するように構成する必要がある。形状を改めて整える工程を設ける場合、コイルの製造工程が複雑化する。また、導線の張力が維持され形状が崩れる前の中間成形コイルを搬送装置により保持する場合、搬送装置により中間成形コイルが保持されるまで、中間成形コイルに加わる張力を維持させる必要がある。この場合、巻枠から中間成形コイルを取り外して、中間成形コイルを保管して、この巻枠により新たな中間成形コイルを形成することができないため、中間成形コイルを搬送する工程と、中間成形コイルを形成する工程とを並行して実行することができない。したがって、中間成形コイルが真円形状に形成されない場合には、コイルの製造工程が複雑化するか、コイルの製造に要する時間が増大して生産性を向上させにくいと考えられる。
これに対して、本発明において、円状コイルを形成する工程を、導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回することにより、真円形状の円状コイルを形成する工程として構成すれば、真円形状の円状コイル(中間成形コイル)にスプリングバック力が生じた場合でも、真円形状を維持することができる。すなわち、真円形状の円状コイルでは、スプリングバック力が生じた場合に、各層の向きが変化した場合でも、直径が広がる方向に変化するのみであり、円状コイル(中間成形コイル)自体の形状は崩れることがない。これにより、形状を改めて整える工程を設ける必要がなく、かつ、導線の張力が維持され形状が崩れる前の中間成形コイルを搬送装置により保持する必要もない。この結果、コイルの製造工程の複雑化、および、コイルの製造に要する時間の増大を防止することができるので、さらに生産性を向上させることができる。
この発明の第2の局面におけるコイルの製造装置は、スロット配置予定部とスロット配置予定部を接続するコイルエンド予定部とを有するコイルの製造装置であって、導線を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイルを形成する円状コイル形成部と、円状コイルの第1部分を、コイルエンド予定部に成形するコイルエンド予定部成形部と、円状コイルの第2部分を、スロット配置予定部に成形するスロット配置予定部成形部と、を備える。
この発明の第2の局面によるコイルの製造装置では、上記のように構成することにより、導線を巻回する際に、導線の張力の変動を低減することにより、スロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルを適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることができる。
本発明によれば、上記のように、導線を巻回する際に、導線の張力の変動を低減することにより、スロット配置予定部およびコイルエンド予定部を有するコイルを適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることができる。
本発明の一実施形態による同芯巻コイルがステータに配置された状態を示す斜視断面図である。 本発明の一実施形態による同芯巻コイルの斜視図である。 本発明の一実施形態による同芯巻コイルの正面図である。 本発明の一実施形態による同芯巻コイルの第1コイルエンド予定部の上面図である。 本発明の一実施形態による同芯巻コイルの第2コイルエンド予定部の下面図である。 本発明の一実施形態による中間成形コイルおよび円状コイル形成部の斜視図である。 本発明の一実施形態による中間成形コイルおよび円状コイル形成部の平面図である。 本発明の一実施形態による張力が加わった状態の中間成形コイルおよび円状コイル形成部の断面図である。 本発明の一実施形態によるスプリングバック力により直径が拡大した状態の中間成形コイルを示す断面図である。 本発明の一実施形態によるコイル搬送装置の平面図である。 本発明の一実施形態による成形装置の斜視図である。 本発明の一実施形態による一方外側金型と他方外側金型とが噛み合う前の状態を示す図である。 本発明の一実施形態による一方外側金型と他方外側金型とが噛み合った状態を示す図である。 本発明の一実施形態による中間形成コイルを搬送する工程を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態によるコイルエンド予定部を成形する工程を説明するための平面図である。 本発明の一実施形態によるスロット配置予定部を成形する工程を説明するための平面図(1)である。 本発明の一実施形態によるスロット配置予定部を成形する工程を説明するための平面図(2)である。 本発明の一実施形態によるスロット配置予定部を成形する工程を説明するための平面図(3)である。 本発明の一実施形態による同芯巻コイルの製造工程を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態の第1変形例によるコイルセグメントを説明するための斜視図である。 本発明の一実施形態の第2変形例による中間成形コイルおよび円状コイル形成部の平面図である。 本発明の一実施形態の第3変形例によるコイル搬送部の平面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[同芯巻コイルの構造]
図1〜図5を参照して、本実施形態による同芯巻コイル10の構造について説明する。同芯巻コイル10は、たとえば、回転電機を構成するステータ100に設けられるステータコイルとして構成されている。なお、同芯巻コイル10は、特許請求の範囲の「コイル」の一例である。
図1に示すように、ステータ100は、円環状のステータコア20を備える。ステータコア20には、径方向内側に向かって開口するとともに、ステータ100の中心軸線C1方向(B方向)の両側に開口する複数のスロット21が設けられている。そして、同芯巻コイル10は、ステータ100の複数のスロット21に配置されている。たとえば、同芯巻コイル10は、スロット21にステータコア20の径方向内側から挿入されることにより、スロット21に配置されている。
図2に示すように、同芯巻コイル10は、断面が略矩形形状の平角導線11により形成されている。平角導線11は、導電性の高い金属(たとえば、銅やアルミニウムなど)に絶縁被覆が施されて形成されている。
また、同芯巻コイル10は、たとえば、1本の連続した平角導線11が複数回(たとえば、4回)巻回されることにより形成されたカセットコイルからなる。具体的には、同芯巻コイル10は、平角導線11の断面短辺方向に複数の平角導線11が積層されるように構成されている。また、積層された複数の平角導線11は、積層方向Aに互いに所定の間隔を隔てて配置されている。また、本実施形態では、円形状の中間成形コイル110(図6参照)が形成された後、円形状の中間成形コイル110に、さらにスロット配置予定部12およびコイルエンド予定部13が成形されることによって、同芯巻コイル10が形成されている。なお、中間成形コイル110は、特許請求の範囲の「円状コイル」の一例である。なお、スロット配置予定部12は、中間成形コイル110において、ステータコア20のスロット21に配置される部分(配置予定の部分)を意味する。また、コイルエンド予定部は、中間成形コイル110において、ステータコア20の中心軸線C1方向の端部20aおよび20bから外側に突出して配置される部分(配置予定の部分)を意味する。
図3に示すように、同芯巻コイル10は、矢印A2方向に見て、略六角形状を有するように形成されている。具体的には、同芯巻コイル10は、スロット配置予定部12(スロット配置予定部12aおよび12b)と、スロット配置予定部12aとスロット配置予定部12bとをB方向の両端のそれぞれで接続するコイルエンド予定部13(第1コイルエンド予定部13aおよび第2コイルエンド予定部13b)とを有する。そして、スロット配置予定部12は、スロット21に配置された状態で、スロット配置部112(スロット収容部)となる。また、コイルエンド予定部13は、ステータコア20の中心軸線C1方向の端部20aおよび20bから外側に突出して配置された状態で、コイルエンド部113となる。ここで、本願明細書では、B方向とは、スロット配置予定部12が延びる方向であり、同芯巻コイル10がステータ100に配置された場合に、ステータ100の中心軸線C1方向に沿った方向として記載している。
スロット配置予定部12は、直線形状を有し、ステータコア20のスロット21に収容されるスロット収容部として構成されている。また、スロット配置予定部12aおよび12bは、それぞれ、ステータコア20の周方向に所定の間隔を隔てた互いに異なるスロット21に収容される。第1コイルエンド予定部13aおよび第2コイルエンド予定部13bは、それぞれ、ステータコア20の中心軸線C1方向の端部20aおよび20bから外側に突出するとともに、スロット配置予定部12aおよび12bを接続するように構成されている。また、スロット配置予定部12は、矢印A2方向に見て、略三角形形状(山形状)を有する。
図4および図5に示すように、スロット配置予定部12は、スロット配置予定部12aとスロット配置予定部12bとの周方向に沿った間隔が、積層方向Aに応じて変化するように、矢印A1方向側(径方向内側)から矢印A2方向側(径方向外側)に広がるように形成されている。また、コイルエンド予定部13(第1コイルエンド予定部13a、第2コイルエンド予定部13b)には、平角導線11の1本分の幅Wを平角導線11の積層方向Aにオフセットするように屈曲するオフセット部14(第1オフセット部14a、第2オフセット部14b)が設けられている。なお、オフセット部14は、特許請求の範囲の「屈曲部」の一例である。
また、第1オフセット部14aおよび第2オフセット部14bのオフセットする方向は互いに反対方向である。具体的には、同芯巻コイル10の矢印B2方向に見て、第1オフセット部14aは、周方向の一方側(矢印R1方向側)から、他方側(矢印R2方向側)に向かって、同芯巻コイル10の外周側に、平角導線11の1本分の幅W分、オフセットしている。また、同芯巻コイル10の上方から見て、第2オフセット部14bは、周方向の一方側(矢印R2方向側)から、他方側(矢印R1方向側)に向かって、同芯巻コイル10の外周側に、平角導線11の1本分の幅W分、オフセットしている。
また、コイルエンド予定部13には、環状のステータコア20の円弧に合わせて円弧状に湾曲する第1湾曲部分15aと、第1湾曲部分15aよりも平角導線11の1本分の幅W分、積層方向Aにずらして配置される第2湾曲部分15bとを有する。そして、第1湾曲部分15aと第2湾曲部分15bとは、オフセット部14により接続されている。
また、図2および図3に示すように、コイルエンド予定部13(第1コイルエンド予定部13a、第2コイルエンド予定部13b)には、スロット配置予定部12が延びる方向(B方向)に突出する凸部16(凸部16a、16b)が設けられている。なお、オフセット部14は、凸部16の先端部に配置されている。また、同芯巻コイル10には、第1湾曲部分15aおよび第2湾曲部分15bと、スロット配置予定部12とを接続する肩部17(17a、17b)が設けられている。また、同芯巻コイル10は、リード線部となる導線11の一端部に形成される直線状の第1端部18aと、導線11の他端部に形成される直線状の第2端部18bとを有する。
[同芯巻コイルの製造装置の構造]
次に、図6〜図18を参照して、本実施形態による同芯巻コイル10の製造装置200の構造について説明する。製造装置200は、平角導線11が複数回巻回され、スロット配置予定部12とスロット配置予定部12を接続するコイルエンド予定部13とを有する同芯巻コイル10の製造装置(成形装置)として構成されている。なお、図6〜図18は、説明のために模式的に示した図であり、構成の一部を省略して記載している。
(円状コイル形成部の構造)
図6に示すように、製造装置200は、円状コイル形成部30を備える。本実施形態では、円状コイル形成部30は、平角導線11を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円形状の中間成形コイル110を形成するように構成されている。具体的には、円状コイル形成部30は、平角導線11を巻回するための巻枠31と、巻枠31が固定され、巻枠31の中心軸線C2回り(矢印E方向)に回転可能に構成された回転台32とを含む。そして、巻枠31は、回転台32の矢印G1方向側の面32aに固定されており、回転台32と一体的に回転するように構成されている。
図7に示すように、本実施形態では、巻枠31は、平面視(矢印G2方向に見て)において、真円形状(実質的に真円形状)を有する。たとえば、巻枠31は、外周面31bが真円形状を有し、回転台32から矢印G1方向に突出する円柱状または円筒状に形成されている。なお、実質的に真円形状には、たとえば、外周面31bに平角導線11の巻回を補助するための溝や突起等が設けられた形状も含まれる。
具体的には、巻枠31は、矢印G1方向側が直径D1に形成されているとともに、矢印G2方向側が直径D1よりも大きい直径D2を有するように形成されている。詳細には、巻枠31は、図8に示すように、直径D1は、巻枠31の上面31a(矢印G1方向側の面)側の外周面31b同士の距離であり、直径D2は、巻枠31の回転台32側の外周面31c同士の距離である。
そして、巻枠31には、上面31aから回転台32に向かって、複数(たとえば、巻回数と同数)の段差部31dが設けられている。そして、巻枠31は、各段差部31dに平角導線11の一部が配置された状態で、螺旋状に巻回可能に構成されている。これにより、巻枠31に形成される中間成形コイル110の内径(直径)が、最も矢印G1方向側の層において、D1となり、最も矢印G2方向側の層において、D2となる。したがって、中間成形コイル110の内径は、巻枠31に巻回された状態で、D1以上D2以下となる。なお、以下の説明において、中間成形コイル110の直径と記載した場合は、中間成形コイル110の内径を意味するものとする。また、図9は、模式図であり、平角導線11と巻枠31(直径、段差部31dの大きさ等)との大小関係は、図示に限られない。
図7に示すように、製造装置200は、導線供給部33および制御部40を備える。制御部40は、導線供給部33、回転台32、および、後述する第1移動機構部41などの動作を制御するように構成されている。たとえば、回転台32は、モータ等からなる駆動部を有し、制御部40による制御に基づいて、略一定の回転速度で回転するように構成されている。また、導線供給部33は、制御部40の指令に基づいて、平角導線11を連続的に巻枠31に供給するように構成されている。
そして、平角導線11の第1端部18aが回転台32または巻枠31に対して固定された状態で、略一定の回転速度で回転台32および巻枠31が回転されることにより、平角導線11に加わる張力F1が、略一定になるように、円状コイル形成部30が構成されている。なお、張力F1は、平角導線11が巻枠31と導線供給部33とにより引っ張られる力である。
ここで、本実施形態では、円状コイル形成部30は、中間成形コイル110が巻回される平面上(巻回方向Eに沿った平面上)において、第1端部18aの先端部18cと第2端部18bの先端部18dとの距離L1が、第1端部18aの根元部18eと第2端部18bの根元部18fとの距離L2よりも小さい状態で巻回されるように、第1端部18aが固定されるとともに、第2端部18bが配置されるように構成されている。好ましくは、距離L1は、スプリングバック力F2により第1端部18aおよび第2端部18bが移動して、第1端部18aおよび第2端部18bが略平行になるように設定されている。ここで、「根元部」とは第1端部18aまたは第2端部18bが、巻枠と接触する位置を意味し、「先端部」とは、巻枠から離間した「根元部」とは反対側の端部を意味する。
また、図9に示すように、巻枠31の直径D1は、形成する中間成形コイル110の直径D3よりも小さく、巻枠31の直径D2は、形成する中間成形コイル110の直径D4よりも小さい。すなわち、巻枠31は、平角導線11を巻回後に、巻回外側方向に加わるスプリングバック力F2により直径が拡大する分小さい、直径(直径D1および直径D2)を有するように形成されている。また、巻枠31は、直径が拡大した後の中間成形コイル110の巻回数よりも大きい巻回数で平角導線11が巻回可能に構成されている。なお、「巻回数が大きい」とは、整数としての巻回数が比較的大きいことに限らず、平角導線11同士が積層方向Aにオーバーラップしている角度が比較的大きいことも含むものとして記載している。
具体的には、導線供給部33と中間成形コイル110との接続が解除(切断)された際に、平角導線11に加わるスプリングバック力F2により、中間成形コイル110の直径D1の部分は直径D1よりも大きい直径D3に拡大し、中間成形コイル110の直径D2の部分は直径D2よりも大きい直径D4に拡大する。すなわち、中間成形コイル110と巻枠31との間には、中間成形コイル110の径方向に隙間CLが形成される。言い換えると、張力F1が平角導線11に加わっている状態の中間成形コイル110の巻回数は、スプリングバック力F2により直径が拡大した後の中間成形コイル110の巻回数よりも大きくなっている。
(コイル搬送部の構造)
図10に示すように、製造装置200は、コイル搬送部50を備える。コイル搬送部50は、たとえば、一対のロボットの把持部50aおよび50b(ロボットハンド)として構成されている。コイル搬送部50は、中間成形コイル110の一部(たとえば、後述する第2部分110b)を把持して、円状コイル形成部30(巻枠31)から、後述する成形装置60(図11参照)に搬送するように構成されている。
(成形装置の構造)
図11に示すように、製造装置200は、成形装置60を備える。成形装置60は、円形状の中間成形コイル110を同芯巻コイル10に成形するように構成されている。ここで、本実施形態では、成形装置60は、中間成形コイル110の第1部分110aを、コイルエンド予定部13に成形するコイルエンド予定部成形部70と、中間成形コイル110の第2部分110bを、スロット配置予定部12に成形するスロット配置予定部成形部80とを備える。なお、図10に示すように、中間成形コイル110の第1部分110aとは、J方向の両端部を含む部分であり、中間成形コイル110の第2部分110bとは、J方向において第1部分110aの間に設けられ、H方向の両端部を含む部分である。なお、「J方向」は、スロット配置予定部12が形成された状態で、上記「B方向」と同一の方向となり、「G方向」は、上記「A方向」と同一の方向となる。
〈コイルエンド予定部成形部の構造〉
図11に示すように、コイルエンド予定部成形部70は、外側金型70aおよび70bと、内側金型70cおよび70dとを備える。外側金型70aおよび70bと、内側金型70cおよび70dとは、それぞれ、J方向およびG方向に沿って移動可能に構成されている。外側金型70aは、第1コイルエンド予定部13a側に設けられている。また、外側金型70bは、第2コイルエンド予定部13b側に設けられる。そして、外側金型70aおよび70bには、それぞれ、G方向(積層方向A)に沿って互いに隙間71を有するように配置された弧状(円弧状)の複数のフィン72を有する。また、外側金型70aおよび70bは、それぞれ、同芯巻コイル10のスロット配置予定部12の一方のスロット配置予定部12aと他方側のスロット配置予定部12bとに対応するように、一方外側金型701および他方外側金型702に、H方向に分割されている。
複数のフィン72は、同芯巻コイル10が配置される円環状のステータコア20(図1参照)の形状に合わせて、円弧状に形成されている。そして、図12に示すように、オフセット部14を成形する前の状態において、一方外側金型701の複数のフィン72aと、他方外側金型702の複数のフィン72bとは、G方向(平角導線11の積層方向A)において略同じ高さ位置に配置されている。詳細には、図11に示すように、一方外側金型701、他方外側金型702の背面側(同芯巻コイル10が配置される側とは反対側)の面73には、複数のフィン72の間の隙間71に連通するように複数の弧状の開口部74が設けられている。
外側金型70aおよび70bには、同芯巻コイル10のスロット配置予定部12が延びる方向(J方向)に凹む凹部75が設けられている。コイルエンド予定部成形部70の凹部75は、同芯巻コイル10の凸部16に対応する形状を有する。また、コイルエンド予定部成形部70の凹部75の両側には、同芯巻コイル10の肩部17の形状に対応する形状を有する壁部76が設けられている。
ここで、図13に示すように、コイルエンド予定部成形部70は、オフセット部14を成形する際に、一方外側金型701と他方外側金型702とを、G方向(積層方向A)に沿って互いにずらして配置可能に構成されている。これにより、コイルエンド予定部成形部70は、一方外側金型701の複数のフィン72aと、他方外側金型702の複数のフィン72bの先端部とを、異なる高さ位置に移動させて、コイルエンド予定部13にオフセット部14を成形するように構成されている。詳細には、図12に示すように、一方外側金型701と他方外側金型702とが互いに対向する面701aおよび702aを有する。そして、図13に示すように、一方外側金型701と他方外側金型702とは、面701aおよび702aが互いにかみ合う(隙間を小さくする)ことにより平角導線11を屈曲させて、コイルエンド予定部13にオフセット部14を成形するように構成されている。
図11に示すように、内側金型70cおよび70dは、G方向(積層方向A)に沿って互いに隙間77を有するように配置された複数のフィン78を有する。また、複数のフィン78は、同芯巻コイル10が配置される円環状のステータコア20(図1参照)の円弧に合わせて、円弧状に形成されている。
また、フィン78は、スロット配置予定部12aおよび12bのそれぞれに対応するように設けられている。具体的には、フィン78は、H方向の一方側のフィン78aと、他方側のフィン78bとを含む。そして、フィン78aとフィン78bとは、たとえば、G方向において同じ高さ位置になるように形成されている。
また、内側金型70cは、第1コイルエンド予定部13a側に設けられている。内側金型70dは、第2コイルエンド予定部13b側に設けられている。また、図14に示すように、内側金型70cおよび内側金型70dのそれぞれには、J方向に突出する凸部79が設けられている。内側金型70cおよび70dの凸部79は、同芯巻コイル10の凸部16に対応する形状を有する。そして、凸部79が中間成形コイル110の第1部分110aを押圧することにより、凸部16が形成される。
〈スロット配置予定部成形部の構造〉
図11に示すように、スロット配置予定部成形部80は、中間成形コイル110(同芯巻コイル10)のH方向の両側でかつ外側に配置されている。本実施形態では、図16〜図18に示すように、スロット配置予定部成形型80aおよび80bは、中間成形コイル110の第2部分110bを中間成形コイル110の両外側から内側に向かって押圧することにより、第2部分110bをスロット配置予定部12に成形するように構成されている。すなわち、スロット配置予定部成形部80は、外側金型として機能する。
具体的には、図11に示すように、スロット配置予定部成形部80は、スロット配置予定部成形型80aおよび80bを含む。そして、スロット配置予定部成形型80aは、スロット配置予定部12aを成形するように構成されており、スロット配置予定部成形型80bは、スロット配置予定部12bを成形するように構成されている。詳細には、スロット配置予定部成形型80aおよび80bは、H方向に沿って移動可能に構成されている。そして、スロット配置予定部成形型80aは、中間成形コイル110の矢印H1方向側の第2部分110bを、中間成形コイル110の内側に向かって押圧するように構成されている。また、スロット配置予定部成形型80bは、中間成形コイル110の矢印H2方向側の第2部分110bを、中間成形コイル110の内側に向かって押圧するように構成されている。
詳細には、スロット配置予定部成形型80aおよび80bには、中間成形コイル110の各層の平角導線11に沿って延びる複数の溝部81が設けられている。溝部81は、中間成形コイル110の第2部分110bが嵌るように構成されている。そして、複数の溝部81の各底部は、スロット配置予定部成形型80aおよび80bが中間成形コイル110の内側方向に移動されて中間成形コイル110に接触して押圧する押圧面81aとして構成されている。
ここで、本実施形態では、押圧面81aは、弧状に形成されている。詳細には、押圧面81aは、第2部分110bを押圧した場合に第2部分110bのスプリングバック力F3により第2部分110bが変形して巻回外側に広がる大きさを相殺するように、弧状が形成されている。具体的には、押圧面81aは、J方向の中央部が両端部に比べて中間成形コイル110の内側方向に突出するように円弧状に形成されている。
これにより、図17に示すように、スロット配置予定部成形型80aおよび80bは、中間成形コイル110の第2部分110bを押圧した場合に、第2部分110bを中間成形コイル110の内側に窪むように変形させることが可能に構成されている。そして、押圧面81aによる第2部分110bの押圧が解除された後には、第2部分110bのスプリングバック力F3により、内側に窪んでいた第2部分110bの形状がスロット配置予定部12aおよび12bに変形される。
〈第1〜第4移動機構部の構成〉
図11に示すように、同芯巻コイル10の製造装置200は、図示しないモータや油圧などの駆動源を含み、制御部40の指令に基づいて動作する第1移動機構部41、第2移動機構部42、第3移動機構部および第4移動機構部44を備える。第1移動機構部41は、外側金型70aおよび70bを中間成形コイル110(同芯巻コイル10)に対して相対的に移動させるように構成されている。また、第1移動機構部41は、外側金型70aをJ方向に沿って移動させる第1移動機構部41aと、外側金型70bをJ方向に沿って移動させる第1移動機構部41bとを含む。第2移動機構部42は、一方外側金型701を他方外側金型702(図13参照)に対して、G方向(積層方向A)に沿った方向に移動させるように構成されている。第3移動機構部43は、内側金型70cをJ方向に沿って移動させる第3移動機構部43aと、内側金型70dをJ方向に沿って移動させる第3移動機構部43bとを含む。第4移動機構部44は、スロット配置予定部成形型80aをH方向に沿って移動させる第4移動機構部44aと、スロット配置予定部成形型80bをH方向に沿って移動させる第4移動機構部44bとを含む。
[同芯巻コイルの製造方法]
次に、図1、図2、図6〜図19を参照して、本実施形態による同芯巻コイル10の製造方法について説明する。本実施形態による製造方法では、平角導線11が複数回巻回され、スロット配置予定部12とスロット配置予定部12を接続するコイルエンド予定部13とを有する同芯巻コイル10が製造される。なお、図19には、同芯巻コイル10の製造方法を説明するためのフローチャートを示している。
(円状コイルの形成工程)
まず、ステップS1(図19参照)において、円状コイル形成部30により、中間成形コイル110が形成される。本実施形態では、平角導線11が螺旋状でかつ真円形状に巻回されることにより、真円形状の中間成形コイル110が形成される。また、本実施形態では、中間成形コイル110の直径D3よりも小さい直径D1を有する状態で、平角導線11を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された平角導線11のスプリングバック力F2により直径D1から直径D3に大きくなることにより、直径D3を有する中間成形コイル110が形成される。
具体的には、図6〜図8に示すように、矢印G2方向に見て、真円形状に形成されており、外周面31b同士の距離がD1(直径D1)である巻枠31に、平角導線11が巻回される。詳細には、図7に示すように、導線供給部33から平角導線11が供給され、平角導線11の第1端部18aが巻枠31または回転台32に対して固定される。そして、回転台32が巻枠31と一体的に回転されるとともに、導線供給部33から平角導線11が供給されることにより、平角導線11が巻枠31の外周面31bに巻回される。この時、回転台32は、略一定の回転速度により回転され、平角導線11に加わる張力F1が略一定となっている。そして、平角導線11は、巻枠31の回転台32側から巻枠31の上面31a側に向かって、螺旋状に巻回される。
この時、本実施形態では、中間成形コイル110が巻回される平面上(巻回方向Eに沿った平面上)において、第1端部18aの先端部18cと、第2端部18bの先端部18dとの距離L1が、第1端部18aの根元部18eと第2端部18bの根元部18fとの距離L2よりも小さい状態で、導線11を螺旋状でかつ真円形状に巻回される。すなわち、第1端部18aと第2端部18bとが、先端部同士が近付く(向き合う)ように配置される。
ここで、張力F1が加えられた状態の中間成形コイル110は、張力F1が解放され、スプリングバック力F2によりが第1端部18aと第2端部18bとが移動して互いに平行になることを見込んで、移動した後の第1端部18aの先端部18cと、第2端部18bの先端部18dとの距離L2よりも小さい状態(距離L1の状態)で、巻枠31に巻回されている。
これにより、平角導線11に張力F1が加えられた状態で、最も矢印G1方向側の層が直径D1を有するとともに、最も矢印G2方向側の層が直径D2を有する真円形状の中間成形コイル110が形成される。ここで、張力F1が加えられた状態の中間成形コイル110は、張力F1が解放され、スプリングバック力F2により直径が拡大した後の中間成形コイル110の巻回数よりも大きい巻回数で、巻枠31に巻回されている。
そして、平角導線11の巻回後、導線供給部33と中間成形コイル110との接続が解除(切断)される。これにより、図9に示すように、中間成形コイル110のスプリングバック力F2により、中間成形コイル110の直径D1の部分は直径D3に拡大し、直径D2の部分は直径D4に拡大する。また、スプリングバック力F2により、第1端部18aの先端部18cと第2端部18bの先端部18dとの距離がL1がL2に大きくなり、第1端部18aと第2端部18bとが平行(図7点線参照)になる。なお、本実施形態では、中間成形コイル110が真円形状に形成されているので、張力F1が開放されてスプリングバック力F2が中間成形コイル110に加わった場合でも、中間成形コイル110の直径、巻回数および第1端部18aおよび第2端部18bの位置のみが変化し、捻じれ(積層が崩れる状態)は生じない。また、この時、中間成形コイル110と巻枠31との間には、中間成形コイル110の径方向に隙間CLが形成される。
(円状コイルの搬送工程)
ステップS2において、中間成形コイル110がコイル搬送部50により、円状コイル形成部30から、成形装置60に搬送される。具体的には、図10に示すように、コイル搬送部50の把持部50aおよび50bにより、たとえば、中間成形コイル110の第2部分110bが把持され、巻枠31から取り出される。そして、図14に示すように、コイル搬送部50により、成形装置60において、内側金型70cおよび70dの外側で、かつ、外側金型70aおよび70b(図11参照)とスロット配置予定部成形型80aおよび80b(図11参照)との内側に、中間成形コイル110が搬送されて配置される。
(コイルエンド予定部の成形工程)
ステップS3において、コイルエンド予定部成形部70により、中間成形コイル110の第1部分110aが、コイルエンド予定部13に成形される。具体的には、図15に示すように、中間成形コイル110の第1部分110aが外側金型70aおよび70bと内側金型70cおよび70dとによりJ方向両側から挟まれるように押圧されることにより、第1部分110aがコイルエンド予定部13に成形される。
詳細には、第3移動機構部43により、内側金型70cおよび70dが互いに離れるように、J方向に沿って移動される。そして、内側金型70cおよび70dが中間成形コイル110の第1部分110aに当接する。そして、中間成形コイル110の内側から外側に向かって、第1部分110aが内側金型70cおよび70dにより押圧されることにより、円形状の中間成形コイル110がJ方向に楕円形状に広げられる。そして、第1部分110aを内側金型70cおよび70dにより押圧した状態で、第1移動機構部41により、一方外側金型701および702が中間成形コイル110に対して、近付く方向(J方向)に移動させることにより、中間成形コイル110を、外側金型70aおよび70bと、内側金型70cおよび70dとにより両側から挟み込むように、第1部分110aが押圧されて、コイルエンド予定部13に成形される。また、この時、コイルエンド予定部13がフィン72に接触することにより、フィン72の形状に沿うように、コイルエンド予定部13が湾曲されて、第1湾曲部分15aおよび第2湾曲部分15b(図2〜図5参照)が形成される。
また、内側金型70cおよび70dの凸部79により、コイルエンド予定部13を外側金型70aおよび70bの凹部75に押圧して、コイルエンド予定部13の頂部19が変形されて、凸部16(凸部16a、16b)に成形される。また、外側金型70aおよび70bの壁部76に、コイルエンド予定部13が押圧されることにより、肩部17が形成される。なお、凸部16aおよび16bの形成は、並行して行われる。
(スロット配置予定部の成形工程)
ステップS4において、スロット配置予定部成形部80により、第2部分110bがスロット配置予定部12に成形される。ここで、図15に示すように、上記のコイルエンド予定部13の成形工程の直後は、中間成形コイル110の第2部分110bは、J方向の中央部がH方向外側に広がる弧状を有する。本実施形態では、第2部分110bが中間成形コイル110の内側に撓むように、第2部分110bを中間成形コイル110のH方向の両外側から内側に向かって押圧し、中間成形コイル110のスプリングバック力F3により、撓んだ第2部分110bが直線状に変形することにより、第2部分110bがスロット配置予定部12に成形される。
詳細には、図16に示すように、本実施形態では、上記のコイルエンド予定部13を成形する工程の後、内側金型70cおよび70dをコイルエンド予定部13の内側に配置した状態で、外側金型70aおよび70bが中間成形コイル110から離間するように、J方向に移動される。そして、第2部分110bが、中間成形コイル110のJ方向と垂直な方向であるH方向の両外側から内側に向かって、スロット配置予定部成形型80aおよび80bにより押圧される。
そして、図17に示すように、中間成形コイル110の第2部分110bがスロット配置予定部成形型80aおよび80bにより押圧されることにより、第2部分110bがJ方向に沿った形状(直線状)になった後も継続して、スロット配置予定部成形型80aおよび80bにより、H方向内側に押圧される。また、この時、内側金型70cおよび70dが互いに近付くように、スロット配置予定部成形型80aおよび80bの移動に合わせて移動される。これにより、第2部分110bがスロット配置予定部成形型80aおよび80bの弧状を有する押圧面81aの形状に沿って、第2部分110bが内側に窪むように変形される。
その後、図18に示すように、スロット配置予定部成形型80aおよび80bが、それぞれ、第2部分110bから離間して互いに離れるように、H方向に移動される。また、内側金型70cおよび70dがコイルエンド予定部13を内側から外側に押圧するように、J方向に移動される。これにより、中間成形コイル110のスプリングバック力F3により、撓んだ第2部分110bが直線状に変形されて、第2部分110bがスロット配置予定部12に成形される。なお、本実施形態では、第2部分110bをスロット配置予定部12aに成形する工程と、第2部分110bをスロット配置予定部12bに成形する工程とは、それぞれ、スロット配置予定部成形型80aおよび80bにより、並行して行われる。
(オフセット部の成形工程)
ステップS5において、図12および図13に示すように、一方外側金型701と他方外側金型702とにより、コイルエンド予定部13にオフセット部14が形成される。詳細には、第2移動機構部42により、一方外側金型701を他方外側金型702に対して、平角導線11の積層方向Aに沿った方向に相対的に移動させることによって、コイルエンド予定部13に、平角導線11の1本分の幅Wを平角導線11の積層方向Aにオフセットするように屈曲するオフセット部14を形成する。具体的には、一方外側金型701と他方外側金型702とが、面701aおよび702aとの隙間が小さくなるように(噛み合うように)に移動されることにより、第1オフセット部14aおよび第2オフセット部14bが形成される。これにより、本実施形態による同芯巻コイル10が完成される。
[本実施形態の製造方法の効果]
本実施形態の製造方法では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、導線(11)を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイル(110)を形成する工程を備える。これにより、平面視において円形状の巻枠に導線(11)を巻回することにより、中間成形コイルとしての円状コイル(110)を形成することができる。その結果、連続した弧状部分である円形状に導線(11)が巻回されるので、直線状の部分や円弧状の部分を有するトラック形状または多角形形状を有する巻枠(複雑な形状の巻枠)に導線(11)を巻回する場合に比べて、張力の変動を低減することができる。この結果、巻回中に導線(11)の張力が弾性限界を超えずに、中間成形コイル(110)が塑性変形してコイル(10)の断面積が減少することを極力防止することができる。すなわち、巻枠(31)に巻回される中間成形コイル(110)の回転中心(C2)に対する、距離(D1、D2)に変化が少ないので、巻回時のコイル(110)が形成される速度の変動が少なく、張力が安定しやすくなる。この結果、巻枠(31)を低速で回転させる必要がなく、巻枠(31)を比較的高速に回転させることができるので、生産性の低下を防止することができる。また、トラック形状または多角形形状を有する巻枠に比べて、円形状の巻枠(31)では、曲率半径(R)が大きくなるので低い張力により、コイル(110)を巻枠(31)に沿わせることができる。これにより、導線(コイル)の曲げに必要な張力を小さくすることができるので、さらに巻枠(31)の回転を高速化できる。また、本実施形態では、円状コイル(110)の第1部分(110a)をコイルエンド予定部(13)に成形する工程と、円状コイル(110)の第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形する工程とを備えることにより、適切に形成された円状コイル(110)からスロット配置予定部(12)およびコイルエンド予定部(13)を有するコイル(10)に成形することができる。この結果、導線(11)を巻回する際の導線(11)の張力(F1)の変動を低減することにより、スロット配置予定部(12)およびコイルエンド予定部(13)を有するコイル(10)を適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル(110)を形成する工程は、導線(11)を螺旋状でかつ真円形状に巻回することにより、真円形状の円状コイル(110)を形成する工程である。このように構成すれば、平面視において真円形状の巻枠(31)に導線(11)を巻回することにより、中間成形コイルとしての真円形状の円状コイル(110)を形成することができる。その結果、巻枠(31)を等速で回転させれば、容易に導線(11)の張力(F1)を一定にすることができる。そして、導線(11)を巻回する際の導線(11)の張力(F1)の変動をより一層低減することができるので、コイル(10)をより適切に形成することができる。また、真円形状の巻枠(31)を用いることにより、巻枠(31)を低速で回転させる必要がないため、生産性が低下するのをより一層防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル(110)を形成する工程を、導線(11)を螺旋状でかつ真円形状に巻回することにより、真円形状の円状コイル(110)を形成する工程として構成すれば、真円形状の円状コイル(110)(中間成形コイル)にスプリングバック力(F2)が生じた場合でも、真円形状の形状を維持することができる。すなわち、真円形状の円状コイル(110)では、スプリングバック力(F2)が生じた場合に、各層の向きが変化した場合でも、直径が広がる方向に変化するのみであり、円状コイル(110)(中間成形コイル)自体の形状は崩れることない。これにより、形状を改めて整える工程を設ける必要がなく、かつ、導線(11)の張力(F1)が維持され形状が崩れる前の中間成形コイル(110)をコイル搬送部(50)により保持する必要もない。この結果、コイル(10)の製造工程の複雑化、および、コイル(10)の製造に要する時間が増大を防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル(110)を形成する工程は、円状コイル(110)の第1の直径(D3、D4)よりも小さい第2の直径(D1、D2)を有する状態で導線(11)を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された導線(11)のスプリングバック力(F2)により第2の直径(D1、D2)から第1の直径(D3、D4)に大きくなることにより、第1の直径(D3、D4)を有する円状コイル(110)を形成する工程である。このように構成すれば、円状コイル(110)が、スプリングバック力(F2)により直径が大きくなった状態で、円状コイル(110)が所望の直径(第1の直径(D3、D4))となるので、スプリングバック力(F2)に抗して円状コイル(110)の直径を小さくするための成形工程を別途設ける必要がなくなる。この結果、円状コイル(110)を形成する工程が複雑化するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル(110)は、導線(11)の一端部に形成される直線状の第1端部(18a)と、導線(11)の他端部に形成される直線状の第2端部(18b)とを有し、円状コイル(110)を形成する工程は、円状コイル(110)が巻回される平面上において、第1端部(18a)の先端部(18c)と、第2端部(18b)の先端部(18d)との距離(L1)が、第1端部(18a)の根元部(18e)と第2端部(18b)の根元部(18f)との距離(L2)よりも小さい状態で、導線(11)を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された導線(11)のスプリングバック力(F2)により、巻回時よりも第1端部(18a)の先端部(18c)と第2端部(18b)の先端部(18d)との距離が(L1がL2に)大きくなるように円状コイル(110)を形成する工程である。このように構成すれば、スプリングバック力(F2)に抗して第1端部(18a)および第2端部(18b)を成形するための成形工程を別途設ける必要がなくなる。すなわち、スプリングバック力(F2)を見込んで、円状コイル(110)を形成することができる。この結果、円状コイル(110)を形成する工程が複雑化するのをより一層防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル(110)は、導線(11)の一端部に形成される直線状の第1端部(18a)と、導線(11)の他端部に形成される直線状の第2端部(18b)とを有し、円状コイル(110)を形成する工程は、円状コイル(110)が巻回される平面上において、第1端部(18a)の先端部(18c)と、第2端部(18b)の先端部(18d)との距離(L1)が、第1端部(18a)の根元部(18e)と第2端部(18b)の根元部(18f)との距離(L2)よりも小さい状態で、導線(11)を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された導線(11)のスプリングバック力(F2)により、巻回時よりも第1端部(18a)の先端部(18c)と第2端部(18b)の先端部(18d)との距離が(L1がL2に)大きくなり、第1端部(18a)と第2端部(18b)とが平行になるように、円状コイル(110)を形成する工程である。このように構成すれば、スプリングバック力(F2)に抗して第1端部(18a)および第2端部(18b)を互いに平行に成形するための成形工程を別途設ける必要がなくなる。すなわち、スプリングバック力(F2)を見込んで、円状コイル(110)を形成することができる。この結果、円状コイル(110)を形成する工程が複雑化するのをより一層防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(110b)を成形する工程は、第2部分(110b)を円状コイル(110)の両外側から内側に向かって押圧することにより、第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形する工程である。このように構成すれば、弧状の第2部分(110b)を容易にスロット配置予定部(12)に成形することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第2部分(110b)を成形する工程は、第2部分(110b)が円状コイル(110)の内側に撓むように、第2部分(110b)を円状コイル(110)の両外側から内側に向かって押圧し、円状コイル(110)のスプリングバック力(F3)により、撓んだ第2部分(110b)が直線状に変形することにより、第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形する工程である。このように構成すれば、スプリングバック力(F3)が第2部分(110b)に加わった状態で、第2部分(110b)が直線状になるので、スロット配置予定部(12)を成形した後に、スプリングバック力(F3)に起因してスロット配置予定部(12)が弧状の第2部分(110b)の形状に復元してしまうのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1部分(110a)を成形する工程は、円状コイル(110)の内側から外側に向かって、第1部分(110a)をコイルエンド予定部成形型(70c、70d)により押圧することにより、第1部分(110a)をコイルエンド予定部(13)に成形する工程であり、第2部分(110b)を成形する工程は、第1部分(110a)を成形する工程の後、コイルエンド予定部成形型(70c、70d)をコイルエンド予定部(13)の内側に配置した状態で、第2部分(110b)を円状コイル(110)の両外側から内側に向かって、スロット配置予定部成形型(80a、80b)により押圧することにより、第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形する工程である。ここで、中間成形コイル(円状コイル(110))に寸法誤差がある場合、比較的後の工程で寸法誤差が吸収される。これに対して、上記実施形態のように構成すれば、比較的複雑な形状を有するコイルエンド予定部(13)の成形を行った後に、比較的単純な形状を有するスロット配置予定部(12)を成形することができる。その結果、中間成形コイル(円状コイル(110))に寸法誤差がある場合でも、比較的複雑な形状を有するコイルエンド予定部(13)で寸法誤差を吸収するための調整を行うことなく、比較的単純な形状を有するスロット配置予定部(12)を成形する工程で寸法誤差が吸収されるので、複雑な形状の部分の形状を崩すことなく、より適切にコイルを成形することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1部分(110a)を成形する工程は、第1の方向に沿ってコイルエンド予定部成形型(70a〜70d)を移動させることにより、第1部分(110a)を押圧して、第1部分(110a)をコイルエンド予定部(13)に成形する工程であり、第2部分(110b)を成形する工程は、第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿って、スロット配置予定部成形型(80a、80b)を移動させることにより、第2部分(110b)を押圧して、第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形する工程である。このように構成すれば、コイルエンド予定部成形型(70a〜70d)を第2の方向に移動させるように構成することなく、かつ、スロット配置予定部成形型(80a、80b)を第1の方向に移動させるように構成することなく、コイルエンド予定部(13)およびスロット配置予定部(12)を成形することができるので、成形装置(60)の構成が複雑化するのを防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、第1部分(110a)を成形する工程の後で、かつ、第2部分(110b)を成形する工程の後に、円状コイル(110)の導線(11)が巻回されて積層されている方向に沿った方向にオフセットするように屈曲する屈曲部(14)を、コイルエンド予定部(13)に形成する工程をさらに備える。このように構成すれば、円状コイル(110)を中間成形コイルとして形成する場合でも、容易に屈曲部(14)をコイルエンド予定部(13)に形成することができる。
[本実施形態の製造装置の効果]
本実施形態の製造装置では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように構成することによって、導線(11)を巻回する際に、導線(11)の張力(F1)の変動を低減することにより、スロット配置予定部(12)およびコイルエンド予定部(13)を有するコイル(10)を適切に形成することが可能で、かつ、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、円状コイル形成部(30)は、平面視において、真円形状を有する巻枠(31)を含む。このように構成すれば、スプリングバック力(F2)が生じた場合に、円状コイル(110)の各層の向きが変化した場合でも、円状コイル(110)(中間成形コイル)自体の形状は崩れることない。その結果、円状コイル(110)の形状を改めて整える工程を設ける必要がなく、かつ、導線(11)の張力(F1)が維持され形状が崩れる前の中間成形コイル(110)をコイル搬送部(50)により保持する必要もないので、コイル(10)の製造工程の複雑化、および、コイル(10)の製造に要する時間が増大を防止することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スロット配置予定部成形部(80)は、第2部分(110b)を円状コイル(110)の両外側から内側に向かって押圧することにより、第2部分(110b)をスロット配置予定部(12)に成形するスロット配置予定部成形型(80a、80b)を含む。このように構成すれば、スロット配置予定部成形型(80a、80b)を移動させることにより、第2部分(110b)を容易にスロット配置予定部(12)に成形することができる。
また、本実施形態では、上記のように、スロット配置予定部成形型(80a、80b)は、第2部分(110b)を押圧する押圧面(81a)が弧状に形成されている。このように構成すれば、第2部分(110b)を内側に窪むように押圧することができるので、押圧後に、スプリングバック力(F3)が第2部分(110b)に加わった際に、第2部分(110b)の形状が弧状に復元してしまうのを防止することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、導線として平角導線を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、断面が円形状の導線を用いてもよい。
また、上記実施形態では、同芯巻コイルを製造する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図20に示す第1変形例のセグメントコイル410を製造してもよい。
ここで、第1変形例のコイルの製造方法では、コイルエンド予定部313に成形する工程の後で、かつ、スロット配置予定部312に成形する工程の後に、コイルエンド予定部313またはスロット配置予定部312の一部を切断することにより、セグメントコイル410を形成する工程をさらに備える。
具体的には、円形状の中間成形コイル(図6参照)を形成し、図20(a)に示すように、円形状の中間成形コイルからコイルエンド予定部313およびスロット配置予定部312が成形された略六角形状の環状のコイル310を形成する。そして、図20(b)に示すように、環状のコイル310のスロット配置予定部312の中央部で、図示しない切断装置により、コイル310が2分割されることにより、一方が端部412aとして形成されたスロット配置予定部412と、スロット配置予定部412を接続するコイルエンド予定部413とを有するU字形状のセグメントコイル410を製造してもよい。
また、セグメントコイルを製造する場合、U字形状のセグメントコイル410に限られず、コイルエンド予定部を切断することにより、J字形状のセグメントコイル、または、S字形状のセグメントコイルを製造してもよい。
上記第1変形例の製造方法のように、コイルエンド予定部(313)またはスロット配置予定部(312)の一部を切断することにより、セグメントコイル(410)を形成する工程を設けることにより、セグメントコイル(410)を1つずつ個別に形成する場合に比べて、複数個のセグメントコイル(410)を1度に形成することができるので、セグメントコイル(410)の製造工程数の増大を防止することができる。
また、上記実施形態では、真円形状の中間成形コイルを形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図21に示す第2変形例の製造方法のように、短軸の長さD11を有しD11よりも大きい長軸の長さD12を有する楕円形状の中間成形コイル610を形成してもよい。この場合、円状コイル形成部530は、回転台532に固定され、平面視において楕円形状を有する巻枠531を含む。そして、楕円形状の巻枠531に平角導線11が巻回されることにより、楕円形状の中間成形コイル610が形成される。
また、上記実施形態では、巻枠を回転させることにより、平角導線を巻枠に巻回する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定された巻枠に、平角導線を螺旋状でかつ円形状に巻回してもよい。
また、上記実施形態では、スロット配置予定部成形型を、中間成形コイルを外側から押圧する外側金型として構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スロット配置予定部成形型を、中間成形コイルを外側および内側から挟むように押圧する外側金型と内側金型との組み合わせにより構成してもよい。
また、上記実施形態では、スロット配置予定部成形型を、コイル搬送部とは別個に構成する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図22に示す第3変形例のコイル搬送部750のように、把持部750aおよび750bが、スロット配置予定部成形型を兼ねてもよい。すなわち、図22(a)に示すように、把持部750aおよび750bにより、円形状の中間成形コイル110を成形装置に搬送した後、図22(b)に示すように、把持部750aおよび750bにより、円形状の中間成形コイル110の第2部分110bを押圧して、第2部分110bをスロット配置予定部12に成形してもよい。
上記第3変形例のように構成すれば、コイル搬送部が、スロット配置予定部成形型を兼ねる分、コイルの製造装置の構成を簡素化することができる。一方、上記実施形態のように、コイル搬送部と、スロット配置予定部成形型とを別個に構成すれば、コイル搬送部によるコイルを搬送する工程と、スロット配置予定部成形型によるスロット配置予定部を成形する工程とを、並行して実施することができるので、製造に要する時間の増大を防止することができる。
また、上記実施形態では、図19に示すように、コイルエンド予定部を成形する工程の後で、かつ、スロット配置予定部を成形する工程の後に、オフセット部を成形する工程を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、オフセット部を成形する工程の後に、スロット配置予定部を成形する工程を設けてもよい。
また、上記実施形態では、スロット配置予定部成形型を、中間成形コイルの両外側に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、スロット配置予定部成形型を、中間成形コイルの一方外側に配置して、スロット配置予定部のうちの一方を成形した後に、一方のスロット配置予定部を成形したスロット配置予定部成形型を、他方のスロット配置予定部側に移動させて、他方のスロット配置予定部を成形してもよい。
10 同芯巻コイル(コイル) 11 平角導線(導線)
12、12a、12b、312、412 スロット配置予定部
13、313、413 コイルエンド予定部 14 オフセット部(屈曲部)
18a 第1端部 18b 第2端部
18c 第1端部の先端部 18d 第2端部の先端部
18e 第1端部の根元部 18d 第2端部の根元部
30、530 円状コイル形成部 31、531 巻枠
70 コイルエンド予定部成形部 80 スロット配置予定部成形部
80a、80b スロット配置予定部成形型 81a 押圧面
100 ステータ 110 中間成形コイル(円状コイル)
110a 第1部分 110b 第2部分
200 製造装置(コイルの製造装置) 410 セグメントコイル(コイル)
750 コイル搬送部(スロット配置予定部成形部、スロット配置予定部成形型)

Claims (15)

  1. ステータのスロットに配置されるスロット配置予定部とステータの中心軸線方向の端部に配置されるコイルエンド予定部とを有するコイルの製造方法であって、
    導線を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイルを形成する工程と、
    前記円状コイルの第1部分を、前記コイルエンド予定部に成形する工程と、
    前記円状コイルの第2部分を、前記スロット配置予定部に成形する工程と、を備える、コイルの製造方法。
  2. 前記円状コイルを形成する工程は、前記導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回することにより、真円形状の前記円状コイルを形成する工程である、請求項1に記載のコイルの製造方法。
  3. 前記円状コイルを形成する工程は、前記円状コイルの第1の直径よりも小さい第2の直径を有する状態で前記導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された前記導線のスプリングバック力により前記第2の直径から前記第1の直径に大きくなることにより、前記第1の直径を有する前記円状コイルを形成する工程である、請求項2に記載のコイルの製造方法。
  4. 前記円状コイルは、前記導線の一端部に形成される直線状の第1端部と、前記導線の他端部に形成される直線状の第2端部とを有し、
    前記円状コイルを形成する工程は、前記円状コイルが巻回される平面上において、前記第1端部の先端部と前記第2端部の先端部との距離が、前記第1端部の根元部と前記第2端部の根元部との距離よりも小さい状態で、前記導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された前記導線のスプリングバック力により、巻回時よりも前記第1端部の先端部と前記第2端部の先端部との距離が大きくなるように前記円状コイルを形成する工程である、請求項2または3に記載のコイルの製造方法。
  5. 前記円状コイルを形成する工程は、前記円状コイルが巻回される平面上において、前記第1端部の先端部と前記第2端部の先端部との距離が、前記第1端部の根元部と前記第2端部の根元部との距離よりも小さい状態で、前記導線を螺旋状でかつ真円形状に巻回し、巻回された前記導線のスプリングバック力により、前記第1端部の先端部と前記第2端部の先端部との距離が大きくなり、前記第1端部と前記第2端部とが平行になるように前記円状コイルを形成する工程である、請求項4に記載のコイルの製造方法。
  6. 前記第2部分を成形する工程は、前記第2部分を前記円状コイルの両外側から内側に向かって押圧することにより、前記第2部分を前記スロット配置予定部に成形する工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  7. 前記第2部分を成形する工程は、前記第2部分が前記円状コイルの内側に撓むように、前記第2部分を前記円状コイルの両外側から内側に向かって押圧し、前記円状コイルのスプリングバック力により、撓んだ前記第2部分が直線状に変形することにより、前記第2部分を前記スロット配置予定部に成形する工程である、請求項6に記載のコイルの製造方法。
  8. 前記第1部分を成形する工程は、前記円状コイルの内側の外側に向かって、前記第1部分をコイルエンド予定部成形型により押圧することにより、前記第1部分を前記コイルエンド予定部に成形する工程であり、
    前記第2部分を成形する工程は、前記第1部分を成形する工程の後、前記コイルエンド予定部成形型を前記コイルエンド予定部の内側に配置した状態で、前記第2部分を前記円状コイルの両外側から内側に向かって、スロット配置予定部成形型により押圧することにより、前記第2部分を前記スロット配置予定部に成形する工程である、請求項6または7に記載のコイルの製造方法。
  9. 前記第1部分を成形する工程は、第1の方向に沿って前記コイルエンド予定部成形型を移動させることにより、前記第1部分を押圧して、前記第1部分を前記コイルエンド予定部に成形する工程であり、
    前記第2部分を成形する工程は、前記第1の方向と垂直な方向である第2の方向に沿って、前記スロット配置予定部成形型を移動させることにより、前記第2部分を押圧して、前記第2部分を前記スロット配置予定部に成形する工程である、請求項8に記載のコイルの製造方法。
  10. 前記第1部分を成形する工程の後で、かつ、前記第2部分を成形する工程の後に、前記円状コイルの前記導線が巻回されて積層されている方向に沿った方向にオフセットするように屈曲する屈曲部を、前記コイルエンド予定部に形成する工程をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  11. 前記コイルエンド予定部に成形する工程の後で、かつ、前記スロット配置予定部に成形する工程の後に、前記コイルエンド予定部または前記スロット配置予定部の一部を切断することにより、セグメントコイルを形成する工程をさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載のコイルの製造方法。
  12. スロット配置予定部と前記スロット配置予定部を接続するコイルエンド予定部とを有するコイルの製造装置であって、
    導線を螺旋状でかつ円形状に巻回することにより、円状コイルを形成する円状コイル形成部と、
    前記円状コイルの第1部分を、前記コイルエンド予定部に成形するコイルエンド予定部成形部と、
    前記円状コイルの第2部分を、前記スロット配置予定部に成形するスロット配置予定部成形部と、を備える、コイルの製造装置。
  13. 前記円状コイル形成部は、平面視において、真円形状を有する巻枠を含む、請求項12に記載のコイルの製造装置。
  14. 前記スロット配置予定部成形部は、前記第2部分を前記円状コイルの両外側から内側に向かって押圧することにより、前記第2部分を前記スロット配置予定部に成形するスロット配置予定部成形型を含む、請求項12または13に記載のコイルの製造装置。
  15. 前記スロット配置予定部成形型は、前記第2部分を押圧する押圧面が弧状に形成されている、請求項14に記載のコイルの製造装置。
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