JP2019052592A - エンジンの潤滑装置、及び、携帯型作業機 - Google Patents

エンジンの潤滑装置、及び、携帯型作業機 Download PDF

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洋輔 原田
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Abstract

【課題】エンジンのクランクケースの構造を簡素化する。【解決手段】エンジン1の潤滑装置100は、シリンダブロック3と、シリンダブロック3の下部に上部が取り付けられてシリンダブロック3と共にクランク室4を形成するクランクケース5と、クランクケース5の下部に上部が取り付けられて潤滑用のオイルを貯留するオイルパン7と、クランク室4内が負圧であるときに、オイルパン7内のオイルを吸引してクランク室4に供給するオイル供給通路80とを有する。オイル供給通路80は、オイルパン7内に位置する第1通路81と、シリンダブロック3に設けられた第2通路82と、第1通路81と第2通路82と接続する第3通路83とを含む。第1通路81と第2通路82と第3通路83とのうち、少なくとも第3通路83が、可撓性を有する管状部材85によって形成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、エンジン(内燃機関)の潤滑装置、及び、この潤滑装置を備える携帯型作業機に関する。
特許文献1に開示の携帯型作業機では、その駆動源となるエンジンが、シリンダブロックと、シリンダブロックの下部に上部が取り付けられてシリンダブロックと共にクランク室を形成するクランクケースと、クランクケースの下部に上部が取り付けられて潤滑用のオイルを貯留するオイルパンとを有している。また、このエンジンは、クランク室内が負圧であるときに、オイルパン内のオイルを吸引してクランク室に供給するオイル供給通路を有している。
特許第4496177号公報
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、前述のオイル供給通路の一部がクランクケース自体に孔や溝として形成されているので、クランクケースの構造が複雑化していた。それゆえ、クランクケースの製造に手間を要していた。
本発明は、このような実状に鑑み、クランクケースの構造を簡素化することを目的とする。
そのため本発明では、エンジンの潤滑装置は、シリンダブロックと、シリンダブロックの下部に上部が取り付けられてシリンダブロックと共にクランク室を形成するクランクケースと、クランクケースの下部に上部が取り付けられて潤滑用のオイルを貯留するオイルパンと、を有する。このエンジンの潤滑装置は、クランク室内が負圧であるときに、オイルパン内のオイルを吸引してクランク室に供給するオイル供給通路を有する。オイル供給通路は、オイルパン内に位置する第1通路と、シリンダブロックに設けられた第2通路と、第1通路と第2通路と接続する第3通路と、を含む。第1通路と第2通路と第3通路とのうち、少なくとも第3通路が、可撓性を有する管状部材によって形成されている。
本発明によれば、オイルパン内のオイルを吸引してクランク室に供給するオイル供給通路のうち、少なくとも第3通路が、可撓性を有する管状部材によって形成されている。それゆえ、例えば特許文献1に開示の技術においてクランクケース自体に孔や溝として形成されていたオイル供給通路の一部を、可撓性を有する管状部材からなる第3通路に置き換えることができるので、クランクケースの構造を簡素化することができる。
本発明の一実施形態におけるエンジンの潤滑装置の概略構成を示す図である。 前記一実施形態におけるエンジンの断面図である。 図2のA−A断面図である。 前記一実施形態におけるエンジンを搭載した刈払機の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるエンジン1の潤滑装置100の概略構成を示す図である。図2は、本実施形態におけるエンジン1の断面図である。図3は、図2のA−A断面図である。
ここで、図1及び図2は、ピストン13が上死点に位置した状態にあるときのエンジン1を示している。尚、本実施形態において、上側とは、エンジン1が最も長く使用される状態(正立状態)における鉛直上側と略一致する。
図1に示す潤滑装置100はエンジン1に搭載されている。図1及び図2に示すエンジン1はOHV(Over Head Valve)形式の4ストロークエンジンであり、空冷式である。エンジン1は、シリンダヘッド3aが一体化されたシリンダブロック3と、クランクケース5と、オイルパン7とを備える。
エンジン1を構成するピストン13は、シリンダブロック3内に設けられたシリンダ3b内に摺動自在に挿入されている。すなわち、ピストン13は、シリンダ3bの内部を上下動する。クランク軸9は、シリンダブロック3とクランクケース5とによって回転自在に支持されている。ピストン13は、コンロッド11を介して、クランク軸9のクランクピン10に連接されている。
シリンダブロック3内に設けられたシリンダ3bの上壁には、吸気ポート14及び排気ポート15が設けられている。吸気ポート14には、吸気ポート14を開閉する吸気バルブ16が設けられている。排気ポート15には、排気ポート15を開閉する排気バルブ17が設けられている。吸気ポート14は、インシュレータ61、及びキャブレタ(気化器)62を介して、エアクリーナ63に連通している。排気ポート15は、排気マフラ18に連通している。
吸気バルブ16及び排気バルブ17を駆動する動弁装置20は、バルブ駆動ギヤ21と、カムギヤ22と、カム23と、一対のカムフォロワ(図示せず)と、一対のロッカーアーム27と、一対のプッシュロッド(図示せず)と、一対の弁ばね29とを有している。バルブ駆動ギヤ21は、クランク軸9に固着されている。カムギヤ22は、バルブ駆動ギヤ21によって駆動される。カム23は、カムギヤ22の一側に連結されている。カムフォロワは、シリンダブロック3に回動自在に支持されており、カム23によって揺動される。一対のロッカーアーム27は、シリンダブロック3の頭部(シリンダヘッド3a)に設けられたロッカー軸(図示せず)に支持されている。一方のロッカーアーム27の一端側は、吸気バルブ16の弁頭に当接している。他方のロッカーアーム27の一端側は、排気バルブ17の弁頭に当接している。プッシュロッドは、ロッカーアーム27の他端側にカムフォロワを連接させる。一対の弁ばね29は、吸気バルブ16と排気バルブ17とをそれぞれ閉弁方向に付勢する。
動弁装置20を構成する部品(動弁系部品)のうち、バルブ駆動ギヤ21、カムギヤ22、及びカム23は、バルブ駆動室52内に収容されている。バルブ駆動室52は、供給通路51の途中に設けられている。供給通路51は、オイル貯留室6と動弁室(ロッカーアーム室)30とを連通させる。ここで、動弁室30は、シリンダブロック3の頭部(シリンダヘッド3a)に形成されている。すなわち、動弁室30は、燃焼室2及びシリンダ3bより上方に配置されている。動弁室30は、一対のロッカーアーム27を収容する。
クランクケース5は、その上部がシリンダブロック3の下部に取り付けられて、シリンダブロック3と共にクランク室4を形成する。ゆえに、クランク室4はシリンダブロック3とクランクケース5とにより形成されている。
オイルパン7は、四方及び下方を囲んだ筺体により形成されている。オイルパン7は、その上部がクランクケース5の下部に取り付けられて、クランクケース5と共にオイル貯留室6を形成する。すなわち、クランクケース5にオイルパン7を装着することで、クランクケース5及びオイルパン7により、オイル貯留室6が形成される。オイル貯留室6、及び、それを構成するオイルパン7には、エンジン1の各駆動部品を潤滑するためのオイル(潤滑用のオイル)が貯留される。
クランクケース5のうち、クランク軸9を回転可能に収容する半円筒状の部分が、クランク室4とオイル貯留室6とを仕切る仕切壁5aとなる。すなわち、クランクケース5は、クランク室4とオイル貯留室6とを仕切る仕切壁5aを有する。
仕切壁5aは、下に凸に湾曲する湾曲部5bを有する。この湾曲部5bは、半筒形状をなしている。すなわち、仕切壁5aは、クランク室4側で、このクランク室4内に収容されたクランクウェブ12を回転可能に収容する役目を果たし、これに伴い、オイル貯留室6側に突出する湾曲部5b(曲面部)ができる。そして、この湾曲部5bの下底部5cが、オイル貯留室6側に最も突出している。
仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cには、クランク室4とオイル貯留室6を連通する連通路59のクランク室4側の開口端部59aが形成されている。
エンジン1の潤滑装置100は、オイル貯留室6内(オイルパン7内)のオイルをクランク室4に供給するオイル供給通路80を有する。オイル供給通路80は、オイル貯留室6内(オイルパン7内)に位置する第1通路81と、シリンダブロック3に設けられた第2通路82と、第1通路81と第2通路82と接続する第3通路83とを含む。
本実施形態では、第2通路82は、シリンダブロック3自体に形成されている。クランクケース5の上壁5dには、第2通路82と第3通路83とを連通するための貫通孔5eが形成されている。本実施形態では、第1通路81と第3通路83とが同一の管状部材85によって一体的に形成されている。ここにおいて、管状部材85のうち、クランクケース5とオイルパン7との合わせ面(境界面)Pより上側(高位側)の部分が、第3通路83に対応している。また、管状部材85のうち、クランクケース5とオイルパン7との合わせ面Pより下側(低位側)の部分が、第1通路81に対応している。
管状部材85は、山部と谷部とを交互に有する蛇腹形状を有しており、可撓性を有する。管状部材85は例えばゴムなどの弾性材料によって形成されている。管状部材85は、オイル貯留室6内に位置している。管状部材85の基端部は、クランクケース5の上壁5dの貫通孔5eに接続されている。管状部材85の先端部には、吸入口86付きの錘87が取り付けられている。錘87は、重力により鉛直下方に移動可能に取り付けられている。それゆえ、オイル貯留室6(オイルパン7)が傾いても、規定量の範囲で貯留されるオイルの油面下に吸入口86を没入させることができる。
仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cにおけるオイル貯留室6側には、管状部材85の中間部分85aを仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに固定する固定部材90が取り付けられている。固定部材90は、連通路59を構成する開口部91aを含む本体部91と、管状部材85の中間部分85aが取り付けられる係止部92とを有する。係止部92は、略C形状である。この係止部92のC形状内に管状部材85の蛇腹形状の谷部が嵌り込むことで、管状部材85の中間部分85aが固定部材90を介して仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに固定される。尚、本実施形態では、固定部材90は、クランクケース5とオイルパン7との合わせ面(境界面)Pと略同等の高さ位置に配置されている。
ここで、固定部材90を介して仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに固定される管状部材85の中間部分85aは、管状部材85のうち第1通路81を構成する部分の上端部(すなわち第1通路81の上端部)81aと、管状部材85のうち第3通路83を構成する部分の下端部(すなわち第3通路83の下端部)83aとに対応している。
本実施形態では、管状部材85のうち第3通路83を構成する部分(すなわち、第3通路83)が、仕切壁5aの湾曲部5bの近傍を通っている。尚、管状部材85のうち第3通路83を構成する部分(すなわち、第3通路83)については、仕切壁5aの湾曲部5bの近傍にて湾曲部5bに沿って延びることが好ましい。また、管状部材85のうち第3通路83を構成する部分(すなわち、第3通路83)については、仕切壁5aの湾曲部5bとの間に空隙を有しつつ(すなわち、仕切壁5aの湾曲部5bに接触しない状態で)、仕切壁5aの湾曲部5bの近傍にて湾曲部5bに沿って延びることで、仕切壁5aの湾曲部5bから管状部材85に熱が伝わることを抑制することができる。
本実施形態では、図2に示すように、オイル貯留室6を側方から見たときに、固定部材90を介して仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに固定される管状部材85の中間部分85a(すなわち、第3通路83の下端部83a及び第1通路81の上端部81a)が、オイル貯留室6の水平方向中央部に位置する。それゆえ、管状部材85のうち第1通路81を構成する部分(すなわち第1通路81)と、それに取り付けられた吸入口86付きの錘87とが、管状部材85の中間部分85aを支点として(換言すれば、回転中心として)、オイル貯留室6内で広範囲にわたって動くことができる。ゆえに、エンジン1の姿勢の変化に追従して、吸入口86付きの錘87がオイル貯留室6内を移動することができる。
オイル供給通路80は、ピストン13の上昇によりクランク室4内が負圧化傾向となったときに、クランク室4とオイル貯留室6とを連通させ、オイル貯留室6(オイルパン7)からオイルを吸い上げてクランク室4内に供給する。換言すれば、オイル供給通路80は、クランク室4内が負圧であるときに、オイル貯留室6内(オイルパン7内)のオイルを吸引してクランク室4に供給する。オイル供給通路80のクランク室4側に開口する開口端部(第1通路81のクランク室4側に開口する開口端部)80aは、シリンダ3bにおいて、ピストン13が上死点近傍位置から上死点に向かって移動する間にピストン13の移動に伴って開口する位置に設けられており、上死点近傍位置に移動したピストン13の下部のスカート部13aの下死点方向側に位置している。従って、オイル供給通路80の開口端部80aは、ピストン13が上死点に達した時点では既に全開している。尚、オイル供給通路80については、例えば、開口端部80aにリード弁を設けることで、クランク室4内の負圧時にオイル供給通路80とクランク室4を連通させるようにしてもよい。
本実施形態では、オイル供給通路80を構成する第2通路82の貫通孔5e側の開口端部に一方向弁57が設けられている。一方向弁57は、クランク室4の圧力変化に応じて開閉する。一方向弁57は、オイル貯留室6内に対しクランク室4内の圧力が低い状態で開いてオイル供給通路80を連通状態にし、クランク室4内の圧力の方が高い状態で閉じるように構成されている。
連通路59は、クランク室4とオイル貯留室6とを連通する。連通路59は、クランク室4内で生成されたオイルミスト(霧状のオイル)及び、このオイルミストが液化したオイルをオイル貯留室6(オイルパン7)に送る機能を有する。連通路59のクランク室4側に開口する開口端部59aにはリード弁60が設けられている。リード弁60は、クランク室4の圧力変化に応じて開閉可能に構成されている。リード弁60は、ピストン13が下死点側に移動するときのクランク室4内の正圧によって開いて連通路59を連通状態にするように構成されている。リード弁60が開いて連通路59が連通状態になると、クランク室4内のオイルミスト及びオイルが連通路59を通ってオイル貯留室6内(オイルパン7内)に送られる。
連通路59のオイルパン7側の開口端部59bは、オイル貯留室6内の略中央部で開口し、オイル貯留室6(オイルパン7)の傾斜状態に拘わらず、規定量以下で貯留されたオイルの油面上となる位置に配置されている。
供給通路51のオイルパン7側の開口端部51aは、オイル貯留室6(オイルパン7)の傾斜状態に拘わらず規定量以下で貯留されたオイルの油面の位置が変化しても油面下に没することがない位置に配置されている。更に、開口端部51aは、開口端部59bよりも上側に配置されている。
供給通路51の動弁室30側の開口端部51bは、動弁室30のシリンダブロック3側にて開口している。それゆえ、供給通路51を流れるオイルミストはバルブ駆動室52内のバルブ駆動ギヤ21やカムギヤ22などを潤滑し、開口端部51bから吐出して動弁室30内に供給されて動弁室30内のロッカーアーム27などを潤滑する。
動弁室30内には、動弁室30内に溜まったオイルを吸引するために吸引管46が複数設けられている。吸引管46の先端開口部46aは、動弁室30内の底面からオイルを吸い上げるために、動弁室30の底面の近傍位置に配置されている。吸引管46は動弁室30の隅部に配置されて、動弁室30が上側方向位置に位置する状態でエンジン1が傾いても、いずれかの吸引管46を介して動弁室30内に溜まるオイルが吸引されるようになっている。
吸引管46の基端開口部には吸引通路45が接続されている。吸引通路45は動弁室30のクランク室4とは反対側に設けられている。吸引通路45には***73が複数設けられている。動弁室30が下側方向位置に位置する反転状態でエンジン1が傾いても、いずれかの***73を介して動弁室30内に溜まるオイルを吸引できる。
吸引通路45には直通通路48が設けられている。クランク室4内の負圧時には、動弁室30とクランク室4とが直通通路48を介して連通する。直通通路48のクランク室4側の開口端部48aの位置は、オイル供給通路80の開口端部80aと同様に、シリンダ3bにおいて、ピストン13が上死点近傍位置から上死点に向かって移動する間にピストン13の移動に伴って開口する位置に設けられており、上死点近傍位置に移動したピストン13の下部のスカート部13aの下死点方向側に位置している。従って、直通通路48の開口端部48aは、ピストン13が上死点に達した時点では既に全開している。
尚、直通通路48には、動弁室30からクランク室4側への流れを許容し、クランク室4から動弁室30側への流れを規制する逆止弁47を設けられている。このようにすることで、クランク室4から動弁室30へオイルやオイルミストが逆流することを確実に防止することができる。
動弁室30の略中央部にはブリーザ通路36の一端部36aが開口し、ブリーザ通路36の他端部がエアクリーナ63に接続されている。ブリーザ通路36は、ブローバイガスを燃焼室2へ排出することを目的として設けられている。動弁室30内のオイルミストやブローバイガスは、ブリーザ通路36を介してエアクリーナ63に送られ、エアクリーナ63に設けられた気液分離装置64にて、気液分離装置64によって液化されたオイルとブローバイガスとに気液分離される。尚、ブリーザ通路36に逆止弁を設けて、この逆止弁によりエアクリーナ63から動弁室30側へのブローバイガスやオイルミストの逆流を防止してもよい。
気液分離されたオイルは、エアクリーナ63とクランク室4を連通する還流通路49を通ってクランク室4に送られる。還流通路49にはクランク室4側への流れのみを許容する逆止弁36bが設けられている。一方、気液分離されたブローバイガスは燃焼室2に送られる。
つまり、潤滑装置100のオイル循環経路は、オイル供給通路80、連通路59、供給通路51、吸引管46、***73、吸引通路45、直通通路48、ブリーザ通路36、及び、還流通路49を有している。
エンジン1が始動されると、ピストン13の昇降運動によりクランク室4に圧力変化が生じ、ピストン13の上昇時にはクランク室4が減圧されて負圧化傾向となり、ピストン13の下降時にはクランク室4が昇圧されて正圧化傾向となる。
クランク室4が負圧化傾向となり、ピストン13の上死点近傍への移動に伴いオイル供給通路80の開口端部80aが開き始め、クランク室4とオイル貯留室6とが連通すると、オイル供給通路80にクランク室4内の負圧が作用する。
エンジン1が傾いてもオイル供給通路80の吸入口86は、オイル貯留室6内(オイルパン7内)のオイルの油面下に没した状態にあり、オイル貯留室6(オイルパン7)からオイルが吸い込まれてクランク室4内に送られる。開口端部80aは、ピストン13が上死点位置に達した時点では既に全開となっているので、クランク室4内の負圧を充分にオイル供給通路80に作用させることができる。ゆえに、油面下より汲み上げられるオイルをクランク室4内に充分に供給することができる。
クランク室4内に送られたオイルは、ピストン13及びクランク軸9などの駆動部品を潤滑し、同時にそれらの駆動部品により飛散されてオイルミストになる。オイルミストの一部はクランク室4の壁面に付着して再度液化される。
ピストン13が上死点から下降するときには、クランク室4が正圧に変わり、リード弁60は開放されて、クランク室4とオイル貯留室6は連通する。そして、クランク室4内で昇圧されたオイルミスト及びオイルが連通路59を通ってオイル貯留室6(オイルパン7)に送られて、オイル貯留室6内の圧力が高まる。尚、クランク室4が正圧になると、一方向弁57の作用によってクランク室4からオイル貯留室6にオイルが逆流しないようオイル供給通路80が遮断され、次いで開口端部80aがピストン13によって閉じられる。
オイル貯留室6内の圧力が高まることで、オイル貯留室6内と動弁室30内の間に圧力勾配ができる。この圧力勾配により、オイル貯留室6内のオイルミストは、供給通路51を介して動弁室30に送られる。
オイル貯留室6から動弁室30にオイルミストを送る過程で、供給通路51に設けられたバルブ駆動室52内のバルブ駆動ギヤ21、カムギヤ22、及びカム23などの部品が潤滑される。この際オイルミストの一部は液化する。
動弁室30に供給されたオイルミストは、動弁室30内のロッカーアーム27などの部品を潤滑し、直通通路48を介してクランク室4に送られる。ここで、動弁室30内に供給されたオイルミストが液化して滞留しても、クランク室4内の強い負圧が作用して、クランク室4内にオイルを送ることができ、ひいては、動弁室30でオイルが滞留することを抑止できる。従って、動弁室30からブリーザ通路36を介してブローバイガスを排出する際のオイルの放出を抑えることができる。
図4は、エンジン1を搭載した携帯型作業機の一例である刈払機150を示す。刈払機150は、操作杆151の後端部に装着されたエンジン1と、操作杆151の前端部に回転自在に取り付けられた円板状の刈刃152と、刈刃152を覆うようにして操作杆151の前端部に装着された安全カバー153と、を有している。
操作杆151の前端部にはギヤヘッド154が取り付けられている。エンジン1の駆動軸(図示せず)とギヤヘッド154とは、操作杆151内に設けられたドライブシャフト(図示せず)を介して連結されている。それゆえ、エンジン1からの動力がギヤヘッド154に伝達可能である。ギヤヘッド154には刈刃152が装着されている。従って、エンジン1の動力がギヤヘッド154を介して刈刃152に伝達されて、刈刃152が回転する。
操作杆151の中間部にはハンドル155が取り付けられている。ハンドル155にはエンジン1の動力を調整するためのコントロールレバー(図示せず)が装着されている。作業者Mはハンドル155を把持して操作することによって、刈払作業を行う。
本実施形態によれば、エンジン1の潤滑装置100は、シリンダブロック3と、シリンダブロック3の下部に上部が取り付けられてシリンダブロック3と共にクランク室4を形成するクランクケース5と、クランクケース5の下部に上部が取り付けられて潤滑用のオイルを貯留するオイルパン7とを有する。エンジン1の潤滑装置100は、クランク室4内が負圧であるときに、オイルパン7内のオイルを吸引してクランク室4に供給するオイル供給通路80を有する。オイル供給通路80は、オイルパン7内に位置する第1通路81と、シリンダブロック3に設けられた第2通路82と、第1通路81と第2通路82と接続する第3通路83とを含む。第1通路81と第2通路82と第3通路83とのうち、少なくとも第3通路83が、可撓性を有する管状部材85によって形成されている。それゆえ、例えば特許文献1に開示の技術においてクランクケース自体に孔や溝として形成されていたオイル供給通路の一部を、可撓性を有する管状部材85からなる第3通路83に置き換えることができるので、クランクケース5の構造を簡素化することができる。
また本実施形態によれば、クランクケース5は、オイルパン7と共にオイル貯留室6を形成する。第3通路83がオイル貯留室6内(換言すれば、オイル貯留室6の内部空間内)に位置する。ゆえに、管状部材85からなる第3通路83をオイル貯留室6内に簡易に設けることができる。
また本実施形態によれば、クランクケース5は、クランク室4とオイル貯留室6とを仕切る仕切壁5aを有する。仕切壁5aは、下に凸に湾曲した湾曲部5bを有する。第3通路83は、仕切壁5aの湾曲部5bの近傍を通る。ゆえに、管状部材85からなる第3通路83がオイル貯留室6内で邪魔になることを抑制でき、ひいては、オイル貯留室6の内部空間を有効に活用することができる。
また本実施形態によれば、エンジン1の潤滑装置100は、第3通路83の下端部(上流側端部)83aと第1通路81の上端部(下流側端部)81aとの少なくとも一方を仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに固定する固定部材90を有する。ゆえに、第3通路83の下端部83aと、それに接続する第1通路81の上端部81aとを、固定部材90を介して、仕切壁5aの湾曲部5bの下底部5cに簡易に固定することができる。
また本実施形態によれば、オイル貯留室6を側方から見たときに(図2参照)、第3通路83の下端部(上流側端部)83a及び第1通路81の上端部(下流側端部)81aがオイル貯留室6の水平方向中央部に位置する。ゆえに、管状部材85からなる第1通路81が、固定部材90によって固定されている箇所を支点として(換言すれば、回転中心として)、オイル貯留室6内で広範囲にわたって動くことができる。
また本実施形態によれば、第1通路81が管状部材85によって形成されている。ゆえに、第1通路81と第3通路83とを同一の管状部材85(すなわち、1本の管状部材85)で一体的に形成することができる。
また本実施形態によれば、管状部材85は蛇腹形状を有する。ゆえに、エンジン1の姿勢の変化に追従して、吸入口86付きの錘87がオイル貯留室6内を移動しても、管状部材85の良好な流路断面積を維持することができる。
また本実施形態によれば、携帯型作業機の一例である刈払機150は、エンジン1の潤滑装置100を備える。ゆえに、刈払機150の駆動源となるエンジン1において、クランクケース5の構造を簡素化することができる。
尚、本実施形態では、シリンダブロック3に設けられた第2通路82の一例として、シリンダブロック3自体に形成された第2通路82を挙げて説明したが、この他、第2通路82は、シリンダブロック3に設けられて可撓性を有する管状部材(すなわち、シリンダブロック3とは別体である部材)によって形成されてもよい。この管状部材は蛇腹形状を有し得る。第2通路82が、可撓性を有する管状部材によって形成される場合には、当該管状部材が、前述の開口端部80aから仕切壁5aの上壁5dの貫通孔5eまで延びるようにシリンダブロック3に設けられ得る。第2通路82が、可撓性を有する管状部材によって形成される場合には、当該管状部材が、前述の管状部材85と一体であってもよい。すなわち、第2通路82と第3通路83とが同一の管状部材85(1本の管状部材85)によって一体的に形成されてもよい。又は、第1通路81と第2通路82と第3通路83とが同一の管状部材85(1本の管状部材85)によって一体的に形成されてもよい。
また、本実施形態では、第1通路81と第3通路83とが同一の管状部材85によって一体的に形成されているが、この他、第1通路81を構成する管状部材85と、第3通路83を構成する管状部材85とが別体であってもよい。
また、本実施形態では、シリンダヘッド3aがシリンダブロック3に一体化されているが、この他、シリンダヘッド3aとシリンダブロック3とが別体であってもよい。
また、本実施形態では、エンジン1の潤滑装置100を備える携帯型作業機の一例として刈払機を用いて説明したが、当該携帯型作業機は刈払機に限らない。例えば、穴掘機、コンクリートカッター、送風作業機、スプレイヤ(噴霧機)などの携帯型作業機であってもよい。
以上からわかるように、前述の実施形態はあくまで本発明を例示するものであり、本発明は、説明した実施形態により直接的に示されるものに加え、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。
1…エンジン、2…燃焼室、3…シリンダブロック、3a…シリンダヘッド、3b…シリンダ、4…クランク室、5…クランクケース、5a…仕切壁、5b…湾曲部、5c…下底部、5d…上壁、5e…貫通孔、6…オイル貯留室、7…オイルパン、9…クランク軸、10…クランクピン、11…コンロッド、12…クランクウェブ、13…ピストン、13a…スカート部、14…吸気ポート、15…排気ポート、16…吸気バルブ、17…排気バルブ、18…排気マフラ、20…動弁装置、21…バルブ駆動ギヤ、22…カムギヤ、23…カム、27…ロッカーアーム、29…弁ばね、30…動弁室、36…ブリーザ通路、36a…一端部、36b…逆止弁、45…吸引通路、46…吸引管、46a…先端開口部、47…逆止弁、48…直通通路、48a…開口端部、49…還流通路、51…供給通路、51a,51b…開口端部、52…バルブ駆動室、57…一方向弁、59…連通路、59a,59b…開口端部、60…リード弁、61…インシュレータ、62…キャブレタ、63…エアクリーナ、64…気液分離装置、73…***、80…オイル供給通路、80a…開口端部、81…第1通路、81a…上端部、82…第2通路、83…第3通路、83a…下端部、85…管状部材、85a…中間部分、86…吸入口、87…錘、90…固定部材、91a…開口部、91…本体部、92…係止部、100…潤滑装置、150…刈払機、151…操作杆、152…刈刃、153…安全カバー、154…ギヤヘッド、155…ハンドル、M…作業者、P…合わせ面

Claims (9)

  1. シリンダブロックと、
    前記シリンダブロックの下部に上部が取り付けられて前記シリンダブロックと共にクランク室を形成するクランクケースと、
    前記クランクケースの下部に上部が取り付けられて潤滑用のオイルを貯留するオイルパンと、
    を有するエンジンの潤滑装置において、
    前記クランク室内が負圧であるときに、前記オイルパン内のオイルを吸引して前記クランク室に供給するオイル供給通路を有し、
    前記オイル供給通路は、
    前記オイルパン内に位置する第1通路と、
    前記シリンダブロックに設けられた第2通路と、
    前記第1通路と前記第2通路と接続する第3通路と、
    を含み、
    前記第1通路と前記第2通路と前記第3通路とのうち、少なくとも前記第3通路が、可撓性を有する管状部材によって形成されている、エンジンの潤滑装置。
  2. 前記クランクケースは、前記オイルパンと共にオイル貯留室を形成し、
    前記第3通路が前記オイル貯留室内に位置する、請求項1に記載のエンジンの潤滑装置。
  3. 前記クランクケースは、前記クランク室と前記オイル貯留室とを仕切る仕切壁を有し、
    前記仕切壁は、下に凸に湾曲した湾曲部を有し、
    前記第3通路は、前記湾曲部の近傍を通る、請求項2に記載のエンジンの潤滑装置。
  4. 前記第3通路の下端部と前記第1通路の上端部との少なくとも一方を前記湾曲部の下底部に固定する固定部材を更に有する、請求項3に記載のエンジンの潤滑装置。
  5. 前記オイル貯留室を側方から見たときに、前記第3通路の下端部及び前記第1通路の上端部が前記オイル貯留室の水平方向中央部に位置する、請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
  6. 前記第1通路が前記管状部材によって形成されている、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
  7. 前記第2通路が前記管状部材によって形成されている、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
  8. 前記管状部材は蛇腹形状を有する、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載のエンジンの潤滑装置を備える、携帯型作業機。
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