JP2019051846A - 補助転舵機能付ハブユニットおよびそれを備えた車両 - Google Patents

補助転舵機能付ハブユニットおよびそれを備えた車両 Download PDF

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Abstract

【課題】走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立で行えて、車両の運動性能を向上させ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善を図ることが可能となり、またハブベアリングの外輪の加工が容易でかつ安価に製作することができる補助転舵機能付ハブユニットおよびそれを備えた車両を提供する。【解決手段】内輪12に車輪が取り付けられるハブベアリング3と、外輪11を上下方向に延びる補助転舵軸心A回りに回転自在なように上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品を介して支持する外輪支持部材とを備える。外輪11は、内周に転動体の軌道溝11aが形成された円筒状の外輪本体61と、この外輪本体61の外周側にあって回転許容支持部品に補助転舵軸心A回りに回転自在に支持される被支持部19A,19Bが設けられた補助転舵部材62とを有する。外輪本体61と補助転舵部材62は別部品であって互いに結合されている。【選択図】図8

Description

この発明は、ステアリング装置による転舵に付加する転舵や、後輪転舵等の補助的な転舵を行う機能を備えた補助転舵機能付ハブユニットおよび車両に関し、走行性の安定と安全性の向上の技術に係る。
一般的な自動車等の車両は、ハンドルとステアリング装置が機械的に接続され、また、ステアリング装置の両端はタイロッドによってそれぞれの左右輪につながっている。そのため、ハンドルの動きによる左右輪の切れ角度は初期の設定によって決まる。
車両のジオメトリには、(1) 左右輪の切れ角度が同じである「パラレルジオメトリ」、(2) 旋回中心を1か所にするために旋回内輪タイヤ角度を旋回外輪タイヤ角度よりも大きく切る「アッカーマンジオメトリ」が知られている。
車両のジオメトリは、走行性の安定と安全性に影響する。
走行状況に応じてステアリングジオメトリを可変とした機構に関しては、例えば特許文献1,2が提案されている。特許文献1では、ナックルアームとジョイント位置を相対的に変化させて、ステアリングジオメトリを変化させる。特許文献2では、モータ2個を使い、トー角とキャンバー角の両方を任意の角度に傾けることを可能にしている。また、4輪独立転舵の機構につき、特許文献3で提案されている。
特開2009−226972号公報 独国特許出願公開第102012206337号明細書 特開2014−061744号公報
アッカーマンジオメトリは、車両に作用する遠心力を無視できるような低速域での旋回において、車輪にスムーズに旋回させるために、各輪が共通の一点を中心として旋回するように左右輪の舵角差を設定している。しかし、遠心力を無視できない高速域の旋回においては、車輪は遠心力とつり合う方向にコーナリングフォースを発生させることが望ましいため、アッカーマンジオメトリよりもパラレルジオメトリとすることが好ましい。
前述したように一般的な車両の操舵装置は機械的に車輪と接続されているため、一般的には固定された単一のステアリングジオメトリしか取ることができず、アッカーマンジオメトリとパラレルジオメトリとの中間的なジオメトリに設定されることが多い。しかし、この場合、低速域では左右輪の舵角差が不足して外輪の舵角が過大となり、高速域では内輪の舵角が過大となる。このように内外輪のタイヤ横力配分に不要な偏りがあると、走行抵抗の悪化による燃費悪化及びタイヤの早期摩耗の原因となり、また内外輪を効率的に利用できないことによって、コーナリングのスムーズさが損なわれるといった課題がある。
特許文献1,2の提案によると、ステアリングジオメトリを変更させることができるが次の課題がある。
特許文献1では、前述のようにナックルアームとジョイント位置を相対的に変化させてステアリングジオメトリを変化させているが、このような部分で車両のジオメトリを変化させるほどの大きな力を得るモータアクチュエータを備えることは、空間の制約上、非常に困難である。また、この位置での変化によるタイヤ角の変化が小さく、大きな効果を得るためには、大きく変化させる、つまり大きく動かす必要がある。
特許文献2では、モータを2個使っているため、モータ個数の増大によるコスト増が生じるうえ、制御が複雑になる。また、トー角とキャンバー角を持たせて車輪を支持するために等速ジョイントを使用したことにより、車輪を支持するハブユニットが径方向に大きくなる。
特許文献3は、4輪独立転舵の車両にしか適用出来ず、また転舵軸に対しハブベアリングを片持ち支持しているため、剛性が低下し、過大な走行Gの発生によってステアリングジオメトリが変化してしまう可能性がある。
また、転舵軸上に減速機を設けた場合、大きな動力が必要となる。このため、モータを大きくするが、モータを大きくすると車輪の内周部に全体を配置することが困難となる。
また、減速比の大きい減速機を設けた場合、応答性が悪化する。
これらの課題を解決するために、本件出願人は、以下の提案をした(特願2007−122994、特願2007−122995、特願2007−122996、特願2007−122997)。すなわち、自動車等の車輪を回転支持するハブユニットにおいて、ハブベアリングを上下方向に延びる補助転舵軸心回りに回転自在に支持し、このハブベアリングを補助転舵用アクチュエータにより前記補助転舵軸心回りに回転させる。これにより、ハブベアリングを補助転舵軸心回りに自由に回転させることができて、1輪の独立転舵が行え、また車両の走行状況に応じて、タイヤのトー角を任意に変更することができる。
各提案の補助転舵機能付ハブユニットは、ハブベアリングを補助転舵軸心回りに回転させる機能を持たせたことにより、ハブベアリング、特に外輪が複雑な形状となった。具体的には、一般的な自動車等の車両のハブベアリング3および外輪11が図14、図15に示す形状であるのに対し、提案のハブベアリング3および外輪11は図16、図17に示す形状である。なお、図14、図16では、転動体の図示が省略されている。
図16、図17において、外輪11は、外周に、共に外径側へ突出する被支持部19、補助転舵力受け部18、およびブレーキキャリパ取付部36を有している。被支持部19は、外輪11の外周の上下2箇所に設けられ、車体に懸架装置を介して設置された外輪支持部材(図示せず)に回転自在に支持される。補助転舵力受け部18は、補助転舵用アクチュエータの力を受ける部位である。ブレーキキャリパ取付部36は、内輪12に設けられたブレーキロータに接触させるブレーキキャリパが取り付けられる。
このようにハブベアリング3の外輪11が複雑な形状であると、外輪11を回転させながら内周に転動体の軌道溝11aを加工する際に回転が不安定となり、軌道溝11aの精度を確保するのが難しい。また、精度が要求される軌道溝11aを有する外輪11の材料としては、SU材やS53C等の比較的高価な材料を使用する必要がある。外輪全体にこのような高価な材料を使用すると、材料費が高くつく。
この発明の目的は、走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立で行えて、車両の運動性能を向上させ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善を図ることが可能となり、またハブベアリングの外輪の加工が容易でかつ安価に製作することができる補助転舵機能付ハブユニットおよびそれを備えた車両を提供することである。
この発明の補助転舵機能付ハブユニットは、回転輪である内輪に車輪が取り付けられるハブベアリングと、車体に懸架装置を介して設置されて前記ハブベアリングの固定輪である外輪を上下方向に延びる補助転舵軸心回りに回転自在に上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品を介して支持する外輪支持部材とを備え、
前記ハブベアリングの外輪は、内周に転動体の軌道溝が形成された円筒状の外輪本体と、この外輪本体の外周側にあって前記回転許容支持部品に前記補助転舵軸心回りに回転自在に支持される被支持部が設けられた補助転舵部材とを有し、これら外輪本体と補助転舵部材は別部品であって互いに結合されていることを特徴とする。
この構成によると、車輪を支持するハブベアリングを補助転舵軸心回りに自由に回転させることができるため、ハブベアリングの外輪に補助転舵軸心回りの回転力を与えることにより、1輪の独立転舵が行えると共に、車両の走行状況に応じてタイヤのトー角を任意に変更することができる。この補助転舵機能付ハブユニットは、前輪等の転舵輪および後輪等の非転舵輪のいずれに用いてもよい。
転舵輪に用いる場合は、ステアリング装置により方向が変化させられる部材に設置されることにより、運転者のハンドル操作による転舵に付加して、左右の車輪個別の、または左右輪連動したタイヤの微小な角度変化を行わせる機構となる。
走行中に、左右輪独立してタイヤ角度を任意に変更することができるため、車両の運動性能を向上させ、安定・安全に走行することが可能となる。例えば高速域の旋回においてはパラレルジオメトリとし、低速域ではアッカーマンジオメトリとするなど、走行中にステアリングジオメトリを変化させることができる。また、適切なタイヤ角度を設定することで燃費を改善することも可能となる。
この補助転舵機能付ハブユニットを非転舵輪となる後輪に用いた場合は、低速走行時における最小回転半径の低減を図ることができる。
また、この補助転舵機能付ハブユニットは、補助転舵軸心回りの回転自在な支持を上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品により行うため、両端支持となって剛性が確保され、構成の簡単である。
このように、走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立して行えて、車両の運動性能を向上させ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善が可能となり、また簡素でかつ堅固な構成となる。
ハブベアリングの外輪が外輪本体と補助転舵部材に分割されているため、ハブベアリングの組立性が良い。また、外輪本体が円筒状であるため、重心が軸心上または軸心付近に位置する。このため、外輪本体を回転させながら内周に軌道溝を加工する際に外輪本体の回転が安定し、軌道溝を精度良く加工することができる。軌道溝の精度が要求される外輪本体についてはSUJ2材やS53C等の比較的高価な材料を使用する必要があるが、外輪本体に比べて精度が要求されない補助転舵部材については比較的安価な材料を使用することができ、それによりコストの削減を図ることができる。
この発明の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記補助転舵軸心は、鉛直方向に延びていてもよい。
補助転舵軸心は、上下方向に延びた軸心であればよく、多少は傾斜していてもよいが、鉛直方向であると、補助転舵によるキャンパー角の変化をより良好に抑え、走行抵抗の増大をさらに抑えることができる。また、鉛直方向であると、限られたタイヤハウスの空間等において、外輪支持部材の配置領域を確保しやすい。
この発明の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記外輪支持部材に設置されて前記ハブベアリングを前記補助転舵軸心回りに回転させる補助転舵用アクチュエータを備える場合、前記補助転舵部材は、外周に前記補助転舵用アクチュエータの力を受ける補助転舵力受け部が一体に設けられていてもよい。
補助転舵部材に補助転舵力受け部が一体に設けられていると、補助転舵力受け部が補助転舵部材と別部品である場合と比べて、部品点数を減らすことができる。
この発明の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記内輪に設けられたブレーキロータと前記外輪に設けられたブレーキキャリパを接触させることで前記内輪の回転を制動するブレーキを備える場合、前記ハブベアリングの外輪は、前記外輪本体および前記補助転舵部材の他に、前記外輪本体の外周側にあって外周に前記ブレーキキャリパが取り付けられるブレーキキャリパ取付部材とを有し、これら外輪本体、補助転舵部材、およびブレーキキャリパ取付部材が互いに結合されていてもよい。
このように、ハブベアリングの外輪が外輪本体と補助転舵部材とブレーキキャリパ取付部材とに分割されていると、外輪本体と補助転舵部材とに分割されている場合よりも、さらに組立性が向上する。また、ブレーキキャリパ取付部材も比較的安価な材料を使用することができため、コストの削減を図ることができる。
この発明の車両は、この発明の前記いずれかの構成の補助転舵機能付ハブユニットを用いて前輪および後輪のいずれか一方または両方が支持される。
そのため、この発明の補助転舵機能付ハブユニットにつき前述した各効果が得られる。前輪は一般的に転舵輪とされるが、転舵輪にこの発明の補助転舵機能付ハブユニットを適用した場合は、走行中におけるトー角調整に効果的である。また、後輪は一般的に非転舵輪とされるが、非転舵輪に適用した場合は、非転舵輪の若干の転舵によって低速走行時における最小回転半径の低減を図ることができる。
この発明の補助転舵機能付ハブユニットは、回転輪である内輪に車輪が取り付けられるハブベアリングと、車体に懸架装置を介して設置されて前記ハブベアリングの固定輪である外輪を上下方向に延びる補助転舵軸心回りに回転自在に上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品を介して支持する外輪支持部材とを備え、前記ハブベアリングの外輪は、内周に転動体の軌道溝が形成された円筒状の外輪本体と、この外輪本体の外周側にあって前記回転許容支持部品に前記補助転舵軸心回りに回転自在に支持される被支持部が設けられた補助転舵部材とを有し、これら外輪本体と補助転舵部材は別部品であって互いに結合されているため、走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立で行えて、車両の運動性能を向上させ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善を図ることが可能となり、またハブベアリングの外輪の加工が容易でかつ安価に製作することができる。
この発明の車両は、補助転舵機能付ハブユニットを用いて前輪および後輪のいずれか一方または両方が支持されたため、走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立で行えて、運動性能に優れ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善が可能で、また補助転舵機能付ハブユニットにつき簡素でかつ堅固な構成となる。
この発明の一実施形態に係る補助転舵機能付ハブユニットおよびその周辺の構成を示す縦断面図である。 同補助転舵機能付ハブユニットおよびその周辺の構成を示す水平断面図である。 同補助転舵機能付ハブユニットの縦断面図である。 同補助転舵機能付ハブユニットの外観斜視図である。 同補助転舵機能付ハブユニットの左側面図である。 同補助転舵機能付ハブユニットのハブベアリングを、転動体を省略して表した斜視図である。 同ハブベアリングの外輪の斜視図である。 同外輪の組立分解図である。 同補助転舵機能付ハブユニットの主転舵中立状態を示す水平断面図である。 同補助転舵機能付ハブユニットの主転舵非中立状態を示す水平断面図である。 補助転舵用アクチュエータの具体例を示す水平断面図である。 補助転舵用アクチュエータの他の例を示す水平断面図である。 補助転舵機能付ハブユニットが適用される車両の一例の模式平面図である。 一般的な車両のステアリングハブを、転動体を省略して表した斜視図である。 同ステアリングハブの外輪の斜視図である。 提案のステアリングハブを、転動体を省略して表した斜視図である。 同ステアリングハブの外輪の斜視図である。
この発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1はこの発明の一実施形態に係る補助転舵機能付ハブユニットおよびその周辺の構成を示す縦断面図、図2は同水平断面図である。図1、図2において、この補助転舵機能付ハブユニット1は、車輪2の支持用のハブベアリング3と、外輪支持部材5と、補助転舵用アクチュエータ6と、ブレーキ14(図2)とを備える。
この補助転舵機能付ハブユニット1は、この実施形態では転舵輪、具体的には図13に示すように、車両10の前輪2のステアリング装置25による転舵に付加して左右輪個別に微小角転舵させる機構としてナックル22に設置される。ステアリング装置25は、ハンドル(図示せず)の操作に応じて前輪2,2を転舵させる装置である。この補助転舵機能付ハブユニット1は、この他に、前輪転舵に対する補助として後輪2の転舵を行う機構として用いてもよい。
図1において、ハブベアリング3は、外輪固定・内輪回転であって、外輪11が外輪支持部材5に支持され、内輪12に車輪2が取り付けられる。車輪2は、ホイール8とタイヤ9とでなる。ハブベアリング3は、上下方向に延びる補助転舵軸心A回りに回転自在なように、上下2箇所で回転許容支持部品7,7を介して外輪支持部材5に支持されている。補助転舵軸心Aは、車輪2の回転軸心Oとは異なる軸心であり、主な転舵を行うキングピン軸Kとも異なっている。
前記補助転舵軸心Aは、上下方向に延びるが、キングピン軸Kとは異なる方向であり、例えば鉛直方向である。この実施形態では、補助転舵軸心Aは、キングピン軸Kの延長線と路面Sとの交点位置Pと、補助転舵軸心Aの延長線と路面Sとの交点位置Pが、共にタイヤ接地面9a内に位置するように設計されている。さらに、これらの交点位置P,Pは、互いに一致していることが、タイヤ9のすべりを最小となるため最適である。なお、前記「タイヤ接地面」は、運転席に1名(55kg相当)が乗車した状態において、タイヤ9が路面Sに接地している場所を言う。
外輪支持部材5は、車体10A(図13参照)に設置された懸架装置21のナックル22に取付けられている。外輪支持部材5は、ナックル22と一体として、つまりナックル22の一部として設けられていてもよい。懸架装置21は、この例ではダブルウイッシュボーン式であり、ショックアブソーバ(図示せず)を介して接続されたアッパーアーム23とロアアーム24とを有し、これらアッパーアーム23とロアアーム24の先端間で傾斜したキングピン軸K回りに回動自在なように前記ナックル22が設置されている。懸架装置21は、この他に独立懸架式など、他の種々の形式が採用できる。ナックル22は、図2に示すようにアーム状に突出したステアリング装置連結部22aが、ステアリング装置25のタイロッド26に回転可能に連結されている。
図3は補助転舵機能付ハブユニットの縦断面図、図4は同補助転舵機能付ハブユニットの外観斜視図、図5は同補助転舵機能付ハブユニットの左側面図である。
図3に示すように、ハブベアリング3は、内輪12と外輪11とこれら内外輪間に介在したボール等の転動体13とで構成されており、車体側の部材と車輪2とを繋ぐ役目をしている。ハブベアリング3は、図示の例では、転動体13が複列とされたアンギュラ玉軸受とされている。
内輪12は、外周に転動体13の軌道溝12aが2列形成され、アウトボード側端にハブフランジ12bを有する。図2のように、ハブフランジ12bに、車輪2のホイール8が、後述するブレーキロータ14aと重なり状態でボルト固定されている。内輪12は、回転軸心O回りに回転する。
ブレーキ14は、内輪12のハブフランジ12bに設けられた前記ブレーキロータ14aにブレーキキャリパ14bを接触させることで、内輪12および車輪2の回転を制動する。ブレーキキャリパ14は、外輪11に設けられた後記ブレーキキャリパ取付部36に取り付けられる。
図6はハブベアリングを、転動体を省略して表した斜視図、図7は同ハブベアリングの外輪の斜視図である。
図3、図6、図7に示すように、外輪11は、前記回転許容支持部品7,7に補助転舵軸心A回りに回転自在に支持される上下2箇所の被支持部19A,19Bを外周に有する。この実施形態の被支持部19A,19Bは、外径側に突出するトラニオン軸状である。上側の被支持部19Aは、先端に雄ねじ部19aが形成されている。下側の被支持部19Bは、先端面に軸方向に沿って延びるねじ孔19b(図3)が形成されている。
図3において、各回転許容支持部品7は、テーパころ軸受からなり、その内輪15が前記被支持部19A(または19B)の外周に嵌合し、外輪16が外輪支持部材5に設けられた嵌合孔38内に嵌合している。上側の回転許容支持部品7については、前記被支持部19Aの雄ねじ部19aに螺合するナット39により、前記内輪15が軸方向に押し付けられている。下側の回転許容支持部品7については、外輪支持部材5の嵌合孔38に押さえ部材41が嵌合し、前記被支持部19Bのねじ孔19bに螺合するボルト42により、外輪16の端面を押し付けている。
前記ナット39およびボルト42による押し付けにより、テーパころ軸受からなる上下の回転許容支持部品7にそれぞれ予圧を与えている。外輪支持部材5は、一つの外輪支持部材主部材5aと、各回転許容支持部品7,7に対して設けられた外輪支持部材分割体5bとに分割され、ボルト44で相互に結合されている。
なお、上下の回転許容支持部品7,7の外輪支持部材5に対する取り付け構造は互いに同じ構成でよい。例えば、図3における上側の回転許容支持部品7の外輪支持部材5およびハブベアリング3の外輪11に対する固定の構造を下側の回転許容支持部品7に対して適用しても、また下側の回転許容支持部品7の固定の構造を上側の回転許容支持部品7の固定に適用してもよい。
また、外輪11は、図2、図6、図7に示すように、前記補助転舵用アクチュエータ6の力を受ける補助転舵力受け部18と、前記ブレーキキャリパ14が取り付けられるブレーキキャリパ取付部36とを、外周に有する。
補助転舵力受け部18は、ハブベアリング3の外輪11に補助転舵力を与える作用点となる部位であり、外輪11の外周の一部に一体に突出したアーム部として設けられている。補助転舵力受け部18は、後に図11と共に説明するようにジョイント57を介して前記補助転舵用アクチュエータ6の直動出力部6aに回転自在に連結されている。これにより、補助転舵用アクチュエータ6の直動出力部6aが進退することで、ハブベアリング3が前記補助軸心A回りに回転、つまり補助転舵させられる。
図2に示すように、補助転舵用アクチュエータ6は、モータ27と、このモータ27の回転を減速する減速機28と、この減速機28の正逆の回転出力を前記直動出力部6aの往復直線動作に変換する直動機構29とで構成される。モータ27は、例えば永久磁石型同期モータとされるが、直流モータであっても、誘導モータであってもよい。
減速機28は、ベルト伝達機構等の巻き掛け式伝達機構またはギヤ列等を用いることができ、図2の例ではベルト伝達機構が用いられている。
直動機構29は、滑りねじまたはボールねじ等の送りねじ機構、またはラック・ピニオン機構等用いることができ、この例では台形ねじの滑りねじを用いた送りねじ機構が用いられている。
モータ27の駆動力を、減速機を介さず直接直動機構29へ伝達する機構も可能である。
前記ハブベアリング3のナックル22に対する補助転舵の角度θ(図9、図10参照)は、ストッパ35により規制される。図9は、主な転舵が直進状態で補助転舵が内側に行われた状態を示し、図10は主な転舵が左側を向き、かつ補助転舵が内側に行われた状態を示す。ストッパ35は、例えば、外輪支持部材5におけるハブベアリング3と軸方向に対向する面、例えば、ハブベアリング3の外輪11の端面に対向する面に設けられ、その外輪11の端面が当接することで、ハブベアリング3の補助転舵の角度θが規制される。ハブベアリング3の補助転舵可能角度の許容範囲は、僅かな角度でよく、ストッパ35による補助転舵可能角度の許容範囲は、例えば±5度以下とされる。
図8の組立分解図に示すように、ハブベアリング3の外輪11は、外輪本体61と、補助転舵部材62と、ブレーキキャリパ取付部材63とで構成される。
外輪本体61は、内周に前記軌道溝11aが形成された部材であり、概略円筒状である。外輪本体61の外周面は、軸方向の大半部分を占める大径外周面部61aと、一方の軸方向端に位置する小径外周面部61bとからなる。そして、大径外周面部61aの複数箇所(例えば4箇所)に、円周方向に等配で結合用突起61cが設けられている。結合用突起61cは、軸方向に貫通するボルト挿通孔61dを有する。
外輪本体61は円筒状であり、また複数の結合用突起61cが等配位置にあるため、重心が軸心上または軸心付近に位置する。このため、外輪本体61を回転させながら内周に軌道溝11aを加工する際に外輪本体61の回転が安定し、軌道溝11aを精度良く加工することができる。外輪本体61は、軌道溝11aの精度が要求されるため、SU材やS53C等の比較的高価な材料が使用される。
補助転舵部材62は、外輪本体61の大径外周面部61aに嵌合する環状の部材であって、外周面の上下2箇所にトラニオン軸状の前記被支持部19A,19Bが設けられ、かつ外周面の片方の側部にアーム状の前記補助転舵力受け部18が一体に設けられている。また、補助転舵部材62の軸方向の一端側には、外輪本体61の前記結合用突起61cが嵌まり込み可能な複数の切欠き部62aが設けられている。この切欠き部62aに対して軸方向に隣接する部分は外径側に突出した凸部62bとされ、この凸部62bには軸方向のねじ孔62cが設けられている。補助転舵部材62は、外輪本体61に比べて精度が要求されないため、比較的安価な材料が使用される。
ブレーキキャリパ取付部材63は、外輪本体61の小径外周面部61bに嵌合する環状の部材であって、外周の一側面に前記ブレーキキャリパ取付部材36を有する。ブレーキキャリパ取付部材63における外輪本体61のボルト挿通孔61dと対応する複数箇所に、軸方向に貫通するボルト挿通孔63aが形成されている。ブレーキキャリパ取付部材63も、補助転舵部材62と同様に、外輪本体61に比べて精度が要求されないため、比較的安価な材料を使用することができる。
ハブベアリング3の外輪11は、次のように組み立てられる。
外輪本体61の大径外周面部61aに補助転舵部材62を嵌合させる。その際、補助転舵部材62の切欠き部62aに外輪本体61の結合用突起61cを嵌め込ませて、外輪本体61と補助転舵部材62とを円周方向に位置決めする。
また、補助転舵部材62に対し軸方向の反対側から、ブレーキキャリパ取付部材63を外輪本体61の小径外周面部61bに嵌合させる。その際、外輪本体61およびブレーキキャリパ取付部材63の各ボルト挿通孔61d,63aの軸心を一致させる。ブレーキキャリパ取付部材63は、外輪本体61の結合用突起61cおよび補助転舵部材62の端面に当接する。
この状態で、結合用ボルト64をブレーキキャリパ取付部材63のボルト挿通孔63a、外輪本体61のボルト挿通孔61dの順に挿入し、そのねじ部64aを補助転舵部材62のねじ孔62cに螺合させる。これにより、外輪本体61、補助転舵部材62、およびブレーキキャリパ取付部材63が結合されて互いに一体化される。
[動作および作用]
上記構成の補助転舵機能付ハブユニット1の動作および作用を説明する。
図1、図2において、この補助転舵機能付ハブユニット1は、ハブベアリング3がナックル22(図1)に設けられた外輪支持部材5に対し補助転舵軸心Aを中心として回転自在であり、作用点となるアーム状の補助転舵力受け部18(図2)に力を与えることで、ハブベアリング3が回転可能である。ハブベアリング3は、外輪支持部材5に設置された補助転舵用アクチュエータ6の直動出力部6a(図2)をモータ27の駆動により進退させることで、直動出力部6aに連結された補助転舵力受け部18を介して回転させられる。
上記ハブベアリング3の回転は、運転者のハンドル操作による転舵に付加して、すなわちステアリング装置25(図13参照)によるキングピン軸K(図1)回りのナックル22の回転に付加して、補助的な転舵として行われ、また1輪の独立転舵が行える。左右の車輪2,2の補助転舵の角度を異ならせることで、左右の車輪2,2間のトー角を任意に変更することができる。
図13において、車両10の走行条件に応じて、走行中に左右輪独立してタイヤ角度を任意に変更することができるため、車両10の運動性能を向上させ、安定・安全に走行することが可能となる。また、適切なタイヤ角度を設定することで燃費を改善することも可能となる。
この補助転舵機能付ハブユニット1を非転舵輪となる後輪2に用いた場合は、低速走行時における最小回転半径の低減を図ることができる。
図1、図2において、この補助転舵機能付ハブユニット1は、補助転舵軸心A回りの回転自在な支持を上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品7,7により行うため、両端支持となって剛性が確保され、かつ構成が簡単である。
このように、剛性を確保したまま、簡単な構造で、走行状況に応じた補助的な転舵が左右輪独立して行えて、車輪2のトー角を任意に変更することができ、ステアリングジオメトリを変更することができるため、車両10の運動性能を向上させ、走行の安定・安全性の向上と燃費の改善が可能となる。
上記の走行速度に応じた左右輪の舵角差の制御例につき説明する。上記のように、一般的な車両の操舵装置は機械的に車輪と接続されているため、固定された単一のステアリングジオメトリしか取ることができず、アッカーマンジオメトリとパラレルジオメトリとの中間的なジオメトリに設定されることが多い。しかし、この場合、低速域では左右輪の舵角差が不足して外輪の舵角が過大となり、高速域では内輪の舵角が過大となる。このような舵角課題等により内外輪のタイヤ横力配分に不要な偏りが生じると、走行抵抗の悪化による燃費悪化及びタイヤの早期摩耗の原因となり、また内外輪を効率的に利用できないことによって、コーナリングのスムーズさが損なわれる。
この実施形態の補助転舵機能付ハブユニット1は、左右の車輪2を個別に制御できるため、車速や旋回Gに応じて車輪2の転舵角、いわゆる切れ角を変更し、低速域ではアッカーマンジオメトリ(各輪が共通の一点を中心として旋回するように左右輪の舵角差を設定)を、高速域ではパラレルジオメトリ(左右輪の転舵角が同じ)を任意に選択することで、走行抵抗を増大させることがなく、また低速でのスムーズな旋回性と高速でのコーナリング性能とを両立させることが可能となる。
前記補助転舵軸心Aは、上下方向に延びた軸心であればよく、多少は傾斜していてもよいが、この実施形態では鉛直方向であり、補助転舵によるキャンパー角の変化をより良好に抑え、走行抵抗の増大をさらに抑えることができる。キングピン軸Kと補助転舵軸心Aとが一致している場合、キングピン軸Kでハブベアリング3を補助転舵させるとキャンパー角が大きく変化し、走行抵抗が増す。しかし、補助転舵軸心Aをキングピン軸Kと別に設定することで、この補助転舵によるキャンパー角の変化を抑え、走行抵抗の増大を抑えることができる。
また、キングピン軸Kと補助転舵軸心Aが一致する場合は、構成要素部品がハブベアリング3の車体側に配置されるために全体のサイズが大きくなり重くなるが、補助転舵軸心Aが懸架装置21のキングピン軸Kと異なる方向であると、装置全体のサイズを抑え、軽量化することができる。
さらに、懸架装置21のキングピン軸Kの延長線と路面Sとの交点位置Pと、補助転舵軸心Aの延長線と路面との交点位置Pが、共にタイヤ接地面9a内に位置するため、主な転舵および補助転舵が共に安定して効率よく行える。
キングピン軸Kと補助転舵軸心Aが異なる場合に、両方の軸の延長上とタイヤ9の接地位置が異なっていると、両方が同時に動く場合に滑りが生じ、非効率であるとともに、車両挙動が乱れる恐れがある。そのため、キングピン軸Kの延長線と路面Sとの交点位置Pと、補助転舵軸心Aの延長線と路面Sとの交点位置Pとが互いに近傍に配置されることが望ましい。理想的には上記2点PA、は一致することが好ましく、これにより、主な転舵と補助転舵とが同時に行われても、滑りが生じず効率的に主な転舵および補助転舵が行え、安定して車両を操作することができる。
補助転舵の角度については、車両の運動性能の向上、走行の安定・安全性向上を図るにつき、僅かな角度で足り、補助転舵可能角度が±5度以下であっても十分に足りる。補助転舵の角度は補助転舵用アクチュエータ6の制御により行うが、ストッパ35を設けて規制しているため、万一、この補助転舵機能付ハブユニット1が電源系の失陥等で故障した場合にも、大きな影響が生じることが防止される。そのため、ハンドル操作によって安全な場所まで車両を寄せることができる。
回転許容支持部品7がテーパころ軸受からなるため、取り付け時の締め付け等によって内輪15と外輪16の間に予圧を付与し、剛性を高めることが可能となる。なお、回転許容支持部品7は、テーパころ軸受に代えてアンギュラ玉軸受または4点接触玉軸受を用いてもよい。また、回転許容支持部品7は、球面ブッシュ、ピボット軸受等の球面滑り軸受であってもよい。その場合も、上記と同様に予圧を与えることができる。
ハブベアリング3の外輪11が外輪本体61と補助転舵部材62とブレーキキャリパ取付部材63とに分割されているため、ハブベアリング3の組立性が良い。また、外輪本体61が円筒状であり、複数の結合用突起61cが等配位置にあるため、外輪本体61を回転させながら内周に軌道溝11aを加工する際に外輪本体61の回転が安定し、軌道溝11aを精度良く加工することができる。
軌道溝11aの精度が要求される外輪本体61についてはSUJ2材やS53C等の比較的高価な材料を使用する必要があるが、外輪本体61に比べて精度が要求されない補助転舵部材62やブレーキキャリパ取付部材63については比較的安価な材料を使用することができ、それによりコストの削減を図ることができる。
この実施形態では、補助転舵力受け部18が補助転舵部材62と一体に設けられているが、補助転舵用アクチュエータ6の力を補助転舵部材62に伝達することが可能であれば、補助転舵力受け部18が補助転舵部材62と別部材であってもよい。また、この実施形態では、外輪11が外輪本体61と補助転舵部材62とブレーキキャリパ取付部材63とに分割されているが、補助転舵部材62とブレーキキャリパ取付部材63とが一体になっていてもよい。
[補助転舵用アクチュエータの例]
図11は補助転舵用アクチュエータ6の具体例を示す。モータ27の駆動力は、モータ軸27aに結合されたドライブプーリ51に伝達され、モータ軸27aと平行に配置されたドリブンプーリ52へベルト53によって伝達される。前記各プーリ51,52とベルト53とで、巻き掛け式の減速機28が構成される。
ドリブンプーリ52の内周のナット55に、送りねじ機構からなる直動機構29におけるねじ軸54が螺合状態に配置されている。これらナット55およびねじ軸54は、滑りねじ、具体的にはセルフロック機能を持つ台形ねじのねじ部58を構成するねじ溝およびねじ山を有している。ドリブンプーリ52と一体に回転するナット55が回転することで、ねじ軸54が回り止め部56で回り止めされているため、ねじ軸54が前後に直動運動する。
ねじ軸54の先端の直動出力部6aには、ハブベアリング3の外輪11に設けられたアーム状の補助転舵力被伝達部18が、ジョイント57を介して連結されている。ジョイント57は、2本のピン57aで、補助転舵力被伝達部18および直動出力部6aにそれぞれ回転自在に連結されている。このため、ねじ軸54の前後移動によって、外輪支持部材5に対して、ハブベアリング3が補助転舵軸心Aを中心に回転することができる。
なお、この実施形態では、ドリブンプーリ52と直動機構29のナット55とは、別体として製作されたものを結合しているが、これらドリブンプーリ52とナット55とは、互いに一体に製作された部品の一部であってもよい。
このように直動機構29にセルフロック機能を備える滑りねじを使用した場合、タイヤからの逆入力が防止され、モータ27が失陥した場合も、セルフロック機能があることでタイヤ9がふらつくことなく、ハンドル操作によって安全な場所まで車両を寄せることができ、安全性が確保される。また、直動機構29にセルフロック機能があると、補助転舵を行わない場合や高速走行時等において、一定の補助転舵の角度を持ち続けることができ、一定角を維持するためのモータ27の駆動が不要で、モータ電力を削減できる。
[補助転舵用アクチュエータの他の例]
図12は、前記補助転舵用アクチュエータ6の他の具体例を示す。モータ27の駆動力は、モータ軸27aに結合されたドライブギヤ59に伝達され、モータ軸27aと平行に配置されたドリブンギヤ60へ伝達される。前記各ドライブギヤ59とドリブンギヤ60とで、前記減速機28となるギヤ列が構成される。
ドリブンギヤ60の中心に設けられたナット55Aに、送りねじ機構からなる直動機構29におけるねじ軸54が螺合状態に配置されている。直動機構29の構成、およびこの直動機構29とハブベアリング3との連結については、図11に示す例と同様である。すなわち、前記ナット55Aおよびねじ軸54のねじ部58は滑りねじであり、具体的にはセルフロック機能を持つ台形ねじとされている。ドリブンプーリ52と一体に回転するナット55Aが回転することで、ねじ軸54が回り止め部56で回り止めされているため、ねじ軸54が前後に直動運動する。
ねじ軸54の先端の直動出力部6aには、ハブベアリング3の外輪11に設けられたアーム状の補助転舵力被伝達部18が、ジョイント57を介して連結されている。ジョイント57は、2本のピン57aで、補助転舵力被伝達部18および直動出力部6aにそれぞれ回転自在に連結されている。このため、ねじ軸54の前後移動によって、外輪支持部材5に対して、ハブベアリング3が補助転舵軸心Aを回りに回転することができる。
なお、この実施形態では、ドリブンギヤ60と直動機構29のナット55Aとは、一体に製作されたものとしているが、これらドリブンギヤ60とナット55Aとは、互いに一体に製作されて相互に結合されたものであってもよい。
この実施形態の場合も、図11の実施形態と同様に、直動機構29にセルフロック機能を備える滑りねじが使用されているため、そのセルフロック機能による前述の各効果が得られる。また、この実施形態の場合、減速機28がギヤ列からなるため、剛性が高く、応答性の高い駆動伝達が可能となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…補助転舵機能付ハブユニット
2…車輪
3…ハブベアリング
5…外輪支持部材
6…補助転舵用アクチュエータ
7…回転許容支持部品
10…車両
10A…車体
11…外輪
11a…軌道溝
12…内輪
13…転動体
14…ブレーキ
14a…ブレーキロータ
14b…ブレーキキャリパ
18…補助転舵力受け部
19A,19B…被支持部
21…懸架装置
36…ブレーキキャリパ取付部
61…外輪本体
62…補助転舵部材
63…ブレーキキャリパ取付部材
A…補助転舵軸心

Claims (5)

  1. 回転輪である内輪に車輪が取り付けられるハブベアリングと、車体に懸架装置を介して設置されて前記ハブベアリングの固定輪である外輪を上下方向に延びる補助転舵軸心回りに回転自在に上下2箇所でそれぞれ回転許容支持部品を介して支持する外輪支持部材とを備え、
    前記ハブベアリングの外輪は、内周に転動体の軌道溝が形成された円筒状の外輪本体と、この外輪本体の外周側にあって前記回転許容支持部品に前記補助転舵軸心回りに回転自在に支持される被支持部が設けられた補助転舵部材とを有し、これら外輪本体と補助転舵部材は別部品であって互いに結合されていることを特徴とする補助転舵機能付ハブユニット。
  2. 請求項1に記載の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記補助転舵軸心が鉛直方向に延びる補助転舵機能付ハブユニット。
  3. 請求項1または請求項2に記載の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記外輪支持部材に設置されて前記ハブベアリングを前記補助転舵軸心回りに回転させる補助転舵用アクチュエータを備え、
    前記補助転舵部材は、外周に前記補助転舵用アクチュエータの力を受ける補助転舵力受け部が一体に設けられた補助転舵部材補助転舵機能付ハブユニット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の補助転舵機能付ハブユニットにおいて、前記内輪に設けられたブレーキロータと前記外輪に設けられたブレーキキャリパを接触させることで前記内輪の回転を制動するブレーキを備え、
    前記ハブベアリングの外輪は、前記外輪本体および前記補助転舵部材の他に、前記外輪本体の外周側にあって外周に前記ブレーキキャリパが取り付けられるブレーキキャリパ取付部材とを有し、これら外輪本体、補助転舵部材、およびブレーキキャリパ取付部材が互いに結合されている補助転舵機能付ハブユニット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の補助転舵機能付ハブユニットを用いて前輪および後輪のいずれか一方または両方が支持された車両。
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