JP2019048920A - 粘着剤組成物及びその製造方法並びに粘着シート及びその製造方法 - Google Patents

粘着剤組成物及びその製造方法並びに粘着シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できる粘着シートの材料として好適な粘着剤組成物を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを含み、(メタ)アクリル樹脂Aは、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1、及び硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2を含み、(メタ)アクリル樹脂Bは、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1、及び硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2を含み、硬化剤Cは、イソシアナト基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有する粘着剤組成物とする。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着剤組成物及びその製造方法並びに粘着シート及びその製造方法に関し、特に、(メタ)アクリル樹脂を含有する粘着剤組成物及びその製造方法並びに並びに粘着シート及びその製造方法に関する。
近年、粘着シートは、様々な製品分野で用いられている。粘着シートが用いられる代表的な製品として、画像表示装置又は入力装置を搭載した電子機器(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)がある。具体的には、タッチパネルモジュールまたはディスプレイパネルモジュールの光学フィルムと、電子機器の表面を保護するカバーパネルとの接着に、粘着シートが用いられている。また、タッチパネルモジュールとディスプレイパネルモジュールとの接着にも、粘着シートが用いられている。
光学フィルムの固定に用いられる粘着テープとしては、特定のモノマー混合物をリビングラジカル重合して得られたアクリルポリマーを含有するポリマー成分と、架橋剤とを含有する粘着剤層を有する粘着テープがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−210892号公報
電子機器では、より一層の小型化、薄型化、及び軽量化が求められている。そのため、電子機器に用いられる粘着シートとして、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られるものが求められている。
また、電子機器に備えられている粘着シートは、電子機器の発熱により高温に曝されることがある。そのため、電子機器に用いられる粘着シートとして、高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できるものが求められている。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できる粘着シートの材料として好適な粘着剤組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、本発明の粘着剤組成物の硬化物を含み、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できる粘着シート及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための本発明の構成は以下の通りである。
〔1〕(メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを含み、前記(メタ)アクリル樹脂Aは、前記(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1を25〜50mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2を0.5〜10mol%含み、前記(メタ)アクリル樹脂Bは、前記(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1を5〜24mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2を0.5〜10mol%含み、前記硬化剤Cは、イソシアナト基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有し、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対する、前記(メタ)アクリル樹脂Aの含有量は30〜80質量%であり、前記硬化剤Cは、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部含有することを特徴とする粘着剤組成物。
〔2〕前記(メタ)アクリル樹脂Aの重量平均分子量は50万〜150万である〔1〕に記載の粘着剤組成物。
〔3〕前記(メタ)アクリル樹脂Bの重量平均分子量は50万〜150万である〔1〕または〔2〕に記載の粘着剤組成物。
〔4〕前記構成単位a1は、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーに由来する構成単位である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔5〕前記構成単位a1はN,N−ジエチルアクリルアミドからなり、前記構成単位b1はN,N−ジメチルアクリルアミドからなる〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔6〕前記硬化剤Cに含まれる官能基が、イソシアナト基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つである〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔7〕前記構成単位a2は、ヒドロキシ基を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位及びアクリル酸由来の構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つである〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の粘着剤組成物。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物を含む粘着シート。
〔9〕(メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを混合する粘着剤組成物の製造方法であって、前記(メタ)アクリル樹脂Aは、前記(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1を25〜50mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2を0.5〜10mol%含み、前記(メタ)アクリル樹脂Bは、前記(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1を5〜24mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2を0.5〜10mol%含み、前記硬化剤Cは、イソシアナト基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有し、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対する、前記(メタ)アクリル樹脂Aの添加量は30〜80質量%であり、前記硬化剤Cは、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部添加されることを特徴とする粘着剤組成物の製造方法。
〔10〕〔9〕に記載の製造方法により得られた粘着剤組成物を硬化させる工程を含む粘着シートの製造方法。
本発明の粘着剤組成物の硬化物を含む粘着シートは、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できる。
本発明の粘着剤組成物の製造方法によれば、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できる粘着シートの材料として好適な粘着剤組成物が得られる。
以下、本発明の粘着剤組成物及びその製造方法並びに粘着シート及びその製造方法の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施形態のみに限定されるものではない。
以下の説明において、「(メタ)アクリル」とは、アクリルまたはメタクリル、あるいはこれらの両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレートまたはメタクリレート、あるいはこれらの両方を意味する。
また「(メタ)アクリル樹脂」とは、(メタ)アクリレートをモノマーの主成分とする重合体であり、重合体の全構成単位中に(メタ)アクリレート由来の構成単位の含有量が50mol%超であることを意味する。なお、「構成単位」とは1個のモノマーに対応する単位を意味する。
<1.粘着剤組成物>
本実施形態の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bとを含む樹脂成分と、硬化剤Cとを含有する。(メタ)アクリル樹脂Aと(メタ)アクリル樹脂Bとでは、重合体の全構成単位中のアミド結合を含む(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位の割合(mol%)が異なる。すなわち、粘着剤組成物におけるアミド結合を含む(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位の割合(mol%)の分布図では24.5mol%を境に2つのピークが存在することになる。(メタ)アクリル樹脂A、(メタ)アクリル樹脂B及び硬化剤Cのそれぞれの構成の詳細については後述する。
(メタ)アクリル樹脂Aの含有量は、(メタ)アクリル樹脂A及び(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対して30〜80質量%である。(メタ)アクリル樹脂Aの上記の含有量が30質量%以上であると、高温下における優れた粘着性を有する粘着剤組成物が得られる。また、(メタ)アクリル樹脂Aの上記の含有量が80質量%以下であると、(メタ)アクリル樹脂Bの含有量を十分に確保できるため、高い耐剥離性を有する粘着剤組成物が得られる。(メタ)アクリル樹脂Aの上記の含有量は、40〜80質量%であることが好ましく、50〜70質量%であることがより好ましい。
(メタ)アクリル樹脂Bの含有量は、(メタ)アクリル樹脂A及び(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対して20〜70質量%である。(メタ)アクリル樹脂Bの上記の含有量が20質量%以上であると、定荷重負荷に対する耐剥離性に優れた粘着剤組成物が得られる。また、(メタ)アクリル樹脂Bの上記の含有量が70質量%以下であると、(メタ)アクリル樹脂Aの含有量を十分に確保できるため、高温下における優れた粘着性を有する粘着剤組成物が得られる。(メタ)アクリル樹脂Bの上記の含有量は、20〜60質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
硬化剤Cの含有量は、(メタ)アクリル樹脂A及び(メタ)アクリル樹脂Bの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部である。それにより、優れた凝集力の粘着剤組成物が得られる。上記硬化剤Cの含有量は、0.2〜8質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
本実施形態の粘着剤組成物は、必要に応じて、(メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cの他に、粘着付与剤、可塑剤、表面潤滑剤、レベリング剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、光安定剤、難燃剤、界面活性剤、帯電防止剤等の各種添加剤を含んでもよい。
以下、本実施形態の粘着剤組成物を構成する(メタ)アクリル樹脂A、(メタ)アクリル樹脂B、硬化剤Cの各成分について説明する。
<1−1.(メタ)アクリル樹脂A>
(メタ)アクリル樹脂Aは、アミド結合を含む(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位a1と、硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2とを含有する。さらに、構成単位a1及びa2以外の(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位a3を含有してもよい。
(メタ)アクリル樹脂Aは、共重合体である。(メタ)アクリル樹脂Aは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。(メタ)アクリル樹脂Aは、分子鎖中に官能基が分散していることが好ましいため、ランダム共重合体または交互共重合体であることが好ましい。製造しやすさを考慮すると、(メタ)アクリル樹脂Aは、ランダム共重合体であることが好ましい。
アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1は、(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に25〜50mol%含まれ、好ましくは30〜45mol%含まれ、より好ましくは30〜40mol%含まれる。全構成単位中の構成単位a1の含有量が上記範囲であることにより、高温下での高い粘着力を得られるという効果が得られる。
構成単位a1となるアミド結合を含む(メタ)アクリレートとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられるが、これらに限られない。これらの中でも、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが、各種光学フィルムへの密着性に優れるため、好適に用いられる。その中でも特に、アルキル基の炭素数が1〜5であるN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが好ましい。
構成単位a1を形成させるモノマーは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2は、(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に0.5〜10mol%含まれ、好ましくは1〜7mol%含まれ、より好ましくは1〜6mol%含まれる。全構成単位中の構成単位a2の含有量が0.5〜10mol%であることにより、硬化剤Cとの反応を容易に進めることができる。
なお、アミド結合を含み、かつ硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位は、構成単位a1及びa2のいずれにも属する。例えば、アミド結合を持つが硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を持たない構成単位a11を23mol%と、アミド結合を持ちかつ硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を持つ構成単位a12を7mol%とを含む場合、構成単位a1は30mol%、構成単位a2は7mol%となるので、本実施形態の(メタ)アクリル樹脂Aの要件を満たす。
また、上記官能基を含む構成単位であっても、硬化剤Cの種類によっては、構成単位に含まれる官能基が硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有さない場合がある。その場合は、その構成単位は構成単位a2ではない。
構成単位a2は、(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位であることが好ましい。硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基として、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基等が挙げられる。
構成単位a2となるヒドロキシ基を含むモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、3−メチルペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
構成単位a2となるカルボキシ基を含むモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。構成単位a2となるエポキシ基を含むモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。構成単位a2を形成させるモノマーは、上に挙げたものに限られない。構成単位a2を形成させるモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上を含んでもよい。
構成単位a2は、例えば、硬化剤Cがイソシアネート系化合物である場合、ヒドロキシ基を含むがカルボキシ基を含まないもの、またはヒドロキシ基とカルボキシ基とを含むものであることが好ましい。特に、硬化剤Cがイソシアネート系化合物である場合、構成単位a2を形成させるモノマーとして、ヒドロキシ基を含むがカルボキシ基を含まない(メタ)アクリレート、及びヒドロキシ基とカルボキシ基とを含む(メタ)アクリレートのいずれか一方または両方を用いることが好ましい。
構成単位a3を形成させる(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、アルキル(メタ)アクリレート、環状アルキル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート、スルホ基を含む(メタ)アクリレート、フッ化アルキル(メタ)アクリレート、ジメチルシロキサン基含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
環状アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルナニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
スルホン酸基を含む(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−スルホエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フッ化アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ジメチルシロキサン基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、α−ブチル−ω−(3−(メタ)アクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
構成単位a3を形成させるためのモノマーは、上に挙げたものに限られない。また、構成単位a3を形成させるモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上を含んでもよい。
なお、構成単位a3を形成させるモノマーの具体例として挙げられたモノマーであっても、硬化剤Cの選び方によっては、硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基が含まれる場合がある。その場合、そのモノマーに由来する構成単位は構成単位a2とする。
(メタ)アクリル樹脂Aは、重合性を損なわない範囲で、共重合成分として構成単位a1、a2、a3以外の重合性モノマー由来の構成単位を含むことができる。そのような重合性モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アルキルビニルエーテル、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、イタコン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、アリルアルコール、アクリルクロライド、メチルビニルケトン、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂Aは、重量平均分子量が50〜150万であることが好ましく、より好ましくは60〜130万であり、さらに好ましくは70〜100万である。(メタ)アクリル樹脂Aの重量平均分子量が50万以上であると、より大きな凝集力を有する粘着剤組成物となる。また、粘着シートの粘着剤層が、重量平均分子量50万以上の(メタ)アクリル樹脂Aを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、剥離後の糊残りが抑制された粘着シートとなり、好ましい。粘着シートの粘着剤層が、重量平均分子量150万以下の(メタ)アクリル樹脂Aを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、より大きな粘着力を有する粘着シートとなる。
(メタ)アクリル樹脂Aの重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)等によって測定することができる。
(メタ)アクリル樹脂Aのガラス転移温度Tgは、−40〜−10℃であることが好ましく、より好ましくは−30〜−10℃であり、さらに好ましくは−30〜−15℃である。(メタ)アクリル樹脂AのTgが−40℃以上であると、より大きな凝集力を有する粘着剤組成物となる。また、粘着シートの粘着剤層が、Tgが−40℃以上の(メタ)アクリル樹脂Aを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、より高い耐剥離性が得られる粘着シートとなる。また、粘着シートの粘着剤層が、Tgが−10℃以下の(メタ)アクリル樹脂Aを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、剥離時のジッピングが抑制された粘着シートとなる。(メタ)アクリル樹脂AのTgは、(メタ)アクリル樹脂Aを構成するモノマーの種類、組成比を適宜変更することにより調整できる。
(メタ)アクリル樹脂Aのガラス転移温度Tgは、例えば、示唆走査熱量計(DSC)等により測定できる。
<1−2.(メタ)アクリル樹脂B>
(メタ)アクリル樹脂Bは、アミド結合を含む(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位b1と、硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2とを含有する。さらに、構成単位b1及びb2以外の(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位b3を含有してもよい。
(メタ)アクリル樹脂Bは、共重合体である。(メタ)アクリル樹脂Bは、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよい。(メタ)アクリル樹脂Bは、分子鎖中に官能基が分散していることが好ましいため、ランダム共重合体または交互共重合体であることが好ましい。製造しやすさを考慮すると、(メタ)アクリル樹脂Bは、ランダム共重合体であることが好ましい。
アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1は、(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に5〜24mol%含まれ、好ましくは8〜20mol%含まれ、より好ましくは10〜20mol%含まれる。全構成単位中の構成単位b1の含有量が上記範囲であることにより、被着体への密着性に優れるという効果が得られる。
構成単位b1となるアミド結合を含む(メタ)アクリレートとしては、上述した構成単位a1となるアミド結合を含む(メタ)アクリレートとして用いられるものが挙げられる。構成単位b1となるアミド結合を含む(メタ)アクリレートとしては、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドが各種光学フィルムへの密着性に優れるため、好適に用いられる。
構成単位b1を形成させるモノマーは、1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。構成単位b1と構成単位a1とは、同じであってもよいし、異なっていてもよいし、一部のみ同じであってもよい。
硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2は、(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に0.5〜10mol%含まれ、好ましくは1〜7mol%含まれ、より好ましくは1〜6mol%含まれる。全構成単位中の構成単位b2の含有量が0.5〜10mol%であることにより、硬化剤Cとの反応を容易に進めることができる。
なお、アミド結合を含み、かつ硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位は、構成単位b1及びb2のいずれにも属する。また、上記官能基を含む構成単位であっても、硬化剤Cの種類によっては、構成単位に含まれる官能基が硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有さない場合がある。その場合は、その構成単位は構成単位b2ではない。
構成単位b2は、(メタ)アクリレートモノマー由来の構成単位であることが好ましい。硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基として、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基等が挙げられる。
構成単位b2となる硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含むモノマーとしては、上述した構成単位a2となるモノマーとして用いられるものが挙げられる。構成単位b2と構成単位a2とは、同じであってもよいし、異なっていてもよいし、一部のみ同じであってもよい。構成単位b2を形成させるモノマーは、上に挙げたものに限られない。構成単位b2を形成させるモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上を含んでもよい。
構成単位b2は、例えば、硬化剤Cがイソシアネート系化合物である場合、ヒドロキシ基を含むがカルボキシ基を含まないもの、またはヒドロキシ基とカルボキシ基とを含むものであることが好ましい。特に、硬化剤Cがイソシアネート系化合物である場合、構成単位b2を形成させるモノマーとして、ヒドロキシ基を含むがカルボキシ基を含まない(メタ)アクリレート、及びヒドロキシ基とカルボキシ基とを含む(メタ)アクリレートのいずれか一方または両方を用いることが好ましい。
構成単位b3を形成させるモノマーとしては、上述した構成単位a3を形成させるモノマーとして用いられるものが挙げられる。構成単位b3と構成単位a3とは、同じであってもよいし、異なっていてもよいし、一部のみ同じであってもよい。
構成単位b3を形成させるためのモノマーは、上に挙げたものに限られない。また、構成単位b3を形成させるモノマーは、1種類であってもよく、2種類以上を含んでもよい。
なお、構成単位b3を形成させるモノマーの具体例として挙げられたモノマーであっても、硬化剤Cの選び方によっては、硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基が含まれる場合がある。この場合、そのモノマーに由来する構成単位は構成単位b2とする。
(メタ)アクリル樹脂Bは、重合性を損なわない範囲で、共重合成分として構成単位b1、b2、b3以外の重合性モノマー由来の構成単位を含むことができる。そのような重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル樹脂Aにおいて用いられる構成単位a1、a2、a3以外の重合性モノマーが挙げられる。(メタ)アクリル樹脂Bにおいて用いる重合性モノマーと、(メタ)アクリル樹脂Aにおいて用いる重合性モノマーとは、同じであってもよいし、異なっていてもよいし、一部のみ同じであってもよい。
(メタ)アクリル樹脂Bは、重量平均分子量が50〜150万であることが好ましく、より好ましくは60〜130万であり、さらに好ましくは70〜100万である。(メタ)アクリル樹脂Bの重量平均分子量が50万以上であると、より大きな凝集力を有する粘着剤組成物となる。また、粘着シートの粘着剤層が、重量平均分子量50万以上の(メタ)アクリル樹脂Bを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、剥離後の糊残りが抑制された粘着シートとなり、好ましい。粘着シートの粘着剤層が、重量平均分子量150万以下の(メタ)アクリル樹脂Bを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、より大きな粘着力を有する粘着シートとなる。
(メタ)アクリル樹脂Bの重量平均分子量は、例えば、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)等によって測定することができる。
(メタ)アクリル樹脂Bのガラス転移温度Tgは、−40〜−10℃であることが好ましく、より好ましくは−30〜−10℃であり、さらに好ましくは−30〜−15℃である。(メタ)アクリル樹脂BのTgが−40℃以上であると、より大きな凝集力を有する粘着剤組成物となる。また、粘着シートの粘着剤層が、Tgが−40℃以上の(メタ)アクリル樹脂Bを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、より高い耐剥離性が得られる粘着シートとなる。また、粘着シートの粘着剤層が、Tgが−10℃以下の(メタ)アクリル樹脂Bを含む粘着剤組成物の硬化物で形成されている場合、剥離時のジッピングが抑制された粘着シートとなる。(メタ)アクリル樹脂BのTgは、(メタ)アクリル樹脂Bを構成するモノマーの種類、組成比を適宜変更することにより調整できる。
(メタ)アクリル樹脂Bのガラス転移温度Tgは、例えば、示唆走査熱量計(DSC)等により測定できる。
<1−3.硬化剤C>
硬化剤Cは、(メタ)アクリル樹脂Aの構成単位a2に含まれる官能基及び(メタ)アクリル樹脂Bの構成単位b2に含まれる官能基との反応性を有する官能基として、イソシアナト基(ビウレット体、イソシアヌレート体を含む)、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有する。これらの複数個の官能基は1種類からなるものでもよく、複数の種類からなるものでもよい。なお、好ましい官能基は反応性の観点から、イソシアナト基、エポキシ基である。硬化剤Cとしては、例えば、イソシアネート系化合物、エポキシ樹脂、エポキシ系化合物、アジリジン系化合物、メラミン系化合物等が挙げられる。硬化剤Cは、1種類の化合物のみであってもよいし、2種類以上の化合物を含んでいてもよい。
イソシアネート系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネート付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタン)トリイソシアネート等が挙げられる。この中でも、耐熱性の点で、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ系化合物としては、例えば、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエリスリトール、ジグリセロールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。この中でも、耐熱性の点で1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンが好ましい。
アジリジン系化合物としては、例えば、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N′−ジフェニルメタン−4,4′−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)等が挙げられる。
メラミン系化合物としては、例えば、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサプトキシメチルメラミン、ヘキサペンチルオキシメチルメラミン、ヘキサヘキシルオキシメチルメラミン等が挙げられる。
<2.粘着剤組成物の製造方法>
<2−1.(メタ)アクリル樹脂A及び(メタ)アクリル樹脂Bの合成>
本実施形態において、(メタ)アクリル樹脂Aの合成方法と、(メタ)アクリル樹脂Bの合成方法とは、特に区別して説明する必要性がない。このため、以下、(メタ)アクリル樹脂Aの合成方法及び(メタ)アクリル樹脂Bの合成方法をまとめて、(メタ)アクリル樹脂の合成方法として説明する。(メタ)アクリル樹脂A及び(メタ)アクリル樹脂Bは、同じ方法を用いて合成してもよいし、異なる方法を用いて合成してもよい。
(メタ)アクリル樹脂Aを合成する際には、モノマーとして、(メタ)アクリル樹脂Aの構成単位a1を形成させるアミド結合を含む(メタ)アクリレートと、構成単位a2を形成させるモノマーと、必要に応じて構成単位a3を形成させる(メタ)アクリレートモノマーとを用いる。
(メタ)アクリル樹脂Bを合成する際には、モノマーとして、(メタ)アクリル樹脂Bの構成単位b1を形成させるアミド結合を含む(メタ)アクリレートと、構成単位b2を形成させるモノマーと、必要に応じて構成単位b3を形成させる(メタ)アクリレートモノマーとを用いる。
(メタ)アクリル樹脂の合成方法は、制限されるものではないが、上記のモノマーをイオン重合またはラジカル重合することにより合成することが好ましい。イオン重合を用いる場合、微量の不純物であっても重合が停止する等の理由により、大がかりな設備が必要となる。このため、大量生産する場合などには、ラジカル重合により(メタ)アクリル樹脂を合成することがより好ましい。
ラジカル重合により(メタ)アクリル樹脂を合成する場合に用いられる重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アゾ系重合開始剤、過酸化物系重合開始剤等の油溶性重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤は、1種類のみ用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が挙げられる。
過酸化物系重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン等が挙げられる。
重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル樹脂の合成に用いられる全モノマー100質量部に対して0.01〜5質量部とすることが好ましく、0.02〜4質量部であることがより好ましく、0.03〜3質量部であることがさらに好ましい。重合開始剤の使用量を調節することによって、合成される(メタ)アクリル樹脂の分子量を調整できる。重合開始剤の使用量を多くすると、(メタ)アクリル樹脂の分子量が小さくなる傾向にある。重合開始剤の使用量を少なくすると、(メタ)アクリル樹脂の分子量が大きくなる傾向にある。
(メタ)アクリル樹脂の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合などの方法を用いることができる。これらの重合方法の中でも特に、乳化剤等の不純物を含まない(メタ)アクリル樹脂が得られるため、溶液重合を用いることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の合成を溶液重合により行う場合に用いられる溶媒は、モノマーの種類等に応じて、適宜選択できる。例えば、溶媒として、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル等のエステル、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトンなどの有機溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
<2−2.各成分の混合方法>
本実施形態の粘着剤組成物は、(メタ)アクリル樹脂Aと(メタ)アクリル樹脂Bとを含む樹脂成分と、硬化剤Cと、必要に応じて含有される添加剤とを混合する方法により得られる。
粘着剤組成物の材料を混合する際には、各成分が均一に混合された粘着剤組成物が得られやすいため、溶媒または分散媒中で行うことが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル樹脂Aの溶液重合後に得られた樹脂溶液、及び/または(メタ)アクリル樹脂Bの溶液重合後に得られた樹脂溶液を含む溶液中で、各成分の混合を行うことが好ましい。
粘着剤組成物の状態、コスト、製造設備等の条件によって、溶液中で混合することが好ましくない場合には、他の混合方法を適宜選択できる。
以下、本実施形態の粘着剤組成物の製造方法として、(メタ)アクリル樹脂Aと(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを溶液中で混合する場合を例に挙げて説明する。本実施形態の粘着剤組成物となる各成分の混合方法は、以下に挙げる方法に限られない。
(メタ)アクリル樹脂Aを溶液重合により合成すると、重合後に(メタ)アクリル樹脂Aを含む樹脂溶液が得られる。同様に、(メタ)アクリル樹脂Bを溶液重合により合成すると、重合後に(メタ)アクリル樹脂Bを含む樹脂溶液が得られる。
本実施形態では、重合後に得られた(メタ)アクリル樹脂Aを含む樹脂溶液と、(メタ)アクリル樹脂Bを含む樹脂溶液と、硬化剤Cとを混合することにより、粘着剤組成物を製造することが好ましい。
重合後に得られた(メタ)アクリル樹脂Aを含む樹脂溶液及び/または重合後に得られた(メタ)アクリル樹脂Bを含む樹脂溶液は、そのまま粘着剤組成物の材料として用いてもよいし、粘着剤組成物となる各成分と混合する前に、必要に応じて溶媒を揮散させて濃縮または溶媒を追加して希釈してもよい。
硬化剤Cを粘着剤組成物となる各成分と混合する際には、予め硬化剤Cを溶媒中に溶解または分散媒に分散させた溶液の状態としてから、混合してもよい。
粘着剤組成物となる各成分を混合する際には、全ての成分を同時に加えて混合してもよいし、各成分の性質や反応性等を考慮して成分ごとに加えるタイミングを適宜決定してもよい。
粘着剤組成物となる各成分と混合する際には、必要に応じて撹拌してもよい。
本実施形態では、粘着剤組成物となる各成分を混合することにより得られた粘着剤組成物を、必要に応じて濃縮または希釈してもよい。
<3.粘着シート>
本実施形態の粘着シートは、本実施形態の粘着剤組成物の硬化物を含む粘着剤層を有する。本実施形態の粘着シートは、基材の片面または両面に粘着剤層を有するものであってもよいし、基材を有さない粘着剤層のみからなるものであってもよい。
以下、本実施形態の粘着シートとして、基材を有する粘着シートと、基材を有さない粘着シートのそれぞれについて例を挙げて説明する。なお、以下に説明する基材を有する粘着シートおよび基材を有さない粘着シートの製造方法は、一例に過ぎず、同様の粘着シートが得られるのであれば、他の製造方法を用いてもよい。
<3−1.基材を有する粘着シート>
基材を有する粘着シートは、基材と、基材の片面または両面に形成された粘着剤層とを有する。粘着剤層は、本実施形態の粘着剤組成物の硬化物を含む。
粘着剤層の厚みは、粘着シートの使用目的、使用環境等に応じて適宜調整できる。粘着剤層の厚みは3〜100μmであることが好ましい。粘着剤層の厚みが3μm以上であると、被着体に対して十分に高い粘着力が得られるとともに、定荷重負荷に対する耐剥離性が良好となるため、好ましい。粘着剤層の厚みが100μm以下であると、電子機器に用いられる粘着シートの粘着剤層として好ましい厚みとなる。粘着剤層の厚みは5〜50μmであることがより好ましく、10〜30μmであることがさらに好ましい。
粘着シートに用いられる基材の厚みは、基材の材質及び粘着シートの用途などによって適宜設定できる。例えば、基材として樹脂フィルムを用いる場合、基材の強度、及び柔軟性が適当であるため、基材の厚みは5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。
粘着シートに用いられる基材の材質は特に限定されないが、例えば、樹脂フィルム、樹脂発泡体、紙、不織布等が挙げられる。
基材として用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィン系樹脂フィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸エステル共重合体等の変性オレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー樹脂フィルム等が挙げられる。
基材に用いられる樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、アクリルフォーム、ウレタンフォーム、エチレンプロピレンゴムフォーム等が挙げられる。
粘着剤層の形成される基材の表面には、必要に応じて、防汚処理、酸処理、アルカリ処理、プライマー処理、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理、オゾン処理等、粘着剤層を基材の表面に定着させるための表面処理を施してもよい。
粘着シートが、ディスプレイモジュールの組み立てに用いられる両面テープである場合、基材として、例えば、光透過防止のために黒色印刷されたフィルム、光反射性向上のために白色印刷されたフィルム、金属蒸着されたフィルム等を用いることができる。
本実施形態において、基材の片面または両面に形成された粘着剤層における基材と反対側の面(粘着面)には、セパレータが貼付されていることが好ましい。セパレータを貼付することにより、粘着剤層の粘着面を水分や埃等から保護できる。
セパレータの材質としては、例えば、上述した基材として用いられる樹脂フィルムなどが挙げられる。セパレータとして用いられる樹脂フィルムの粘着面との対向面は、易剥離処理されていることが好ましい。剥離処理としては、例えば、樹脂フィルムの粘着面との対向面に、シリコーン化合物、フッ素化合物等を塗布する処理等が挙げられる。セパレータは、粘着シートの使用時に粘着剤層から剥離される。
<3−2.基材を有する粘着シートの製造方法>
基材を有する粘着シートを製造する方法としては、例えば、基材の片面または両面に、粘着剤組成物を塗布して乾燥して溶媒を除去し、さらに加熱等により粘着剤組成物を硬化させて、粘着剤組成物の硬化物からなる粘着剤層を形成する方法が挙げられる。加熱乾燥後に得られた粘着剤層は、必要に応じてさらに、20〜60℃で24〜100時間のエージングを行ってもよい。エージングを行うことにより硬化剤による架橋がより進むという効果が得られる。
基材に粘着剤組成物を塗布する方法は、特に限定されず、適宜選択可能である。例えば、基材に粘着剤組成物を塗布する方法として、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター、コンマコーター、ダイレクトコーター等の各種コーターを用いた方法、スクリーン印刷法等が挙げられる。
基材に塗布する粘着剤組成物は、塗布方法や塗布条件などに応じて、粘度調整を目的として有機溶媒を用いて希釈してもよい。希釈に用いる有機溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノン、n−へキサン、トルエン、キシレン、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸n−プロピル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。希釈に用いた有機溶媒は、粘着剤組成物を基材に塗布した後、乾燥させることにより除去される。
本実施形態においては、基材の片面または両面に粘着剤層を形成した後、粘着剤層の基材と反対側の面(粘着面)に、セパレータを貼付してもよい。
<3−3.基材を有する粘着シートの製造方法の変形例>
基材を有する粘着シートを製造する別の方法としては、例えば、粘着剤組成物を第1基材上に塗布して乾燥して溶媒を除去し、さらに加熱等により粘着剤組成物を硬化させて粘着剤層を形成した後、得られた粘着剤層を第1基材から第2基材に転着させる方法がある。粘着剤層は、第2基材の片面にのみ転着させてもよいし、第2基材の両面に転着させてもよい。
第1基材の材質としては、上述した基材および上述したセパレータと同様のものを用いることができ、上述した基材として用いられる樹脂フィルムを用いることが好ましい。
第1基材の粘着剤組成物の塗布される面は、上述したセパレータにおける粘着面との対向面と同様に、易剥離処理されていることが好ましい。第1基材の粘着剤組成物の塗布される面が剥離処理されていると、粘着剤層を第2基材に転着させる際に、粘着剤層を第1基材から効率よく剥離できる。
粘着剤組成物を第1基材に塗布する方法の例は、上述した基材を有する粘着シートの製造方法で例示した通りである。粘着剤組成物は、第1基材に塗布する前に、例えば、上記で例示した希釈に用いる有機溶媒を用いて適宜希釈してもよい。
第2基材の材質としては、上述した基材と同様のものを用いることができる。
第2基材の粘着剤層が転着される面は、上述した基材の粘着剤層の形成される表面と同様に、基材の表面に粘着剤層を定着させるための表面処理が施されていてもよい。第2基材における粘着剤層の転着される面が表面処理されていると、粘着剤層を第2基材に、より確実に転着できる。表面処理の例は、上述した基材を有する粘着シートの製造方法において述べた基材の表面処理のとおりである。
第1基材の材質は、第2基材の材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
本実施形態においては、粘着剤層を第2基材に転着した後、第1基材を粘着剤層から剥離して粘着剤層を露出させる。その後、露出された粘着剤層における第2基材と反対側の面(粘着面)に、セパレータを貼付してもよい。
この製造方法では、第1基材上に形成された粘着剤層を第2基材に貼り付けた後、第1基材を粘着剤層から剥離せず、そのまま第1基材をセパレータとして用いてもよい。
<3−4.基材を有さない粘着シート>
基材を有さない粘着シートは、粘着剤組成物の硬化物を含む粘着剤層である。粘着剤層の厚みは、基材を有する粘着シートの粘着剤層と同じである。
<3−5.基材を有さない粘着シートの製造方法>
基材を有さない粘着シートを製造する方法としては、例えば、基材上に粘着剤組成物を塗布して乾燥して溶媒を除去し、さらに加熱等により粘着剤組成物を硬化させて、粘着剤組成物の硬化物からなる粘着剤層を形成し、これを基材から剥離する方法が挙げられる。
製造した基材を有さない粘着シート(粘着剤層)には、基材からの剥離前または剥離後に、必要に応じて20〜60℃で24〜100時間のエージングを行ってもよい。
基材を有さない粘着シート(粘着剤層)の表面には、セパレータを貼付してもよい。セパレータとして、粘着剤層を形成する際に使用した基材を、粘着剤層から剥離せずに用いてもよい。
粘着剤層からなる粘着シートの両面にセパレータを設ける場合、粘着剤層の一方の面側のセパレータとして、粘着剤層を形成する際に使用した基材を剥離せずに用い、粘着剤層の他方の面側のセパレータとして、基材とは別に準備したセパレータを貼付してもよい。また、粘着剤層からなる粘着シートの両面にセパレータを設ける場合、基材から剥離した粘着剤層の両面に、基材とは別に準備したセパレータをそれぞれ貼付してもよい。
セパレータは、粘着シートの使用時に剥離される。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は、本発明の代表例であり、本発明はこれらの実施例に限られない。
<1.(メタ)アクリル樹脂の合成>
表1に示すモノマーを表1に示す割合で用い、以下に示す合成方法により、A1〜A4、AC、B1、BCの(メタ)アクリル樹脂を合成した。合成した(メタ)アクリル樹脂A1〜A4、AC、B1、BCの重量平均分子量及びガラス転移温度を、以下に示す方法により測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2019048920
[(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量の測定]
重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(昭和電工株式会社製、ショウデックス(登録商標)GPC−101)を用いて、下記条件にて測定し、ポリスチレン換算にて算出した。
カラム:昭和電工株式会社製、ショウデックス(登録商標)LF−804
カラム温度:40℃
試料:(メタ)アクリル樹脂の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1ml/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI検出器(示差屈折率検出器)
[(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度の測定]
(メタ)アクリル樹脂の試料10mgを、アルミニウム製のサンプルパンに詰めて、サンプルを作製した。このサンプルを、示差走査熱量計(DSC)を用いて、10℃/分の昇温速度で−60℃から150℃まで温度を変化させて示差走査熱量測定を行い、ガラス転移による吸熱開始温度Tgを測定した。なお、Tgが2つ観察された場合には、2つのTgの単純平均値をガラス転移温度とした。
[(メタ)アクリル樹脂A1]
攪拌機、温度調節器、還流冷却器、滴下ロート、温度計を付した反応装置に、モノマーとして、N,N−ジメチルアクリルアミド39mol%、2−ヒドロキシエチルアクリレート1mol%、アクリル酸1mol%、n−ブチルアクリレート59mol%を仕込み、溶媒として、モノマー100質量部に対して酢酸エチルを100質量部仕込んだ。
反応装置内の溶液を加熱して還流を開始させた後、重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを、モノマー100質量部に対して0.07質量部加えた。その後、酢酸エチル還流温度で8時間かけてモノマーを重合させ、(メタ)アクリル樹脂A1を得た。
合成された(メタ)アクリル樹脂A1は、重量平均分子量65万であり、ガラス転移温度−14℃であった。なお、(メタ)アクリル樹脂A1の各モノマー由来の構成単位の含有量(mol%)は、仕込んだモノマーの割合(mol%)と見なす。このことは以下に述べる(メタ)アクリル樹脂A2〜A4、AC、B1、BCについても同様である。
[(メタ)アクリル樹脂A2〜A4、AC、B1、BC]
(メタ)アクリル樹脂A2〜A4、AC、B1、BCについては、表1に示す通りモノマーを仕込んだこと以外は、(メタ)アクリル樹脂A1と同様に合成した。得られた(メタ)アクリル樹脂A2〜A4、AC、B1、BCの重量平均分子量及びガラス転移温度は表1に示すとおりである。
<2.粘着剤組成物の作製>
表2に示す割合で、(メタ)アクリル樹脂A1〜A4及びACのうちいずれかと、(メタ)アクリル樹脂B1またはBCと、硬化剤としてコロネートHX(東ソー株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとしたポリイソシアヌレートタイプ)またはテトラッドC(三菱ガス化学株式会社製、エポキシ化合物(1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン))を混合し、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチルで希釈し、25℃でディスパーを用いて撹拌した。このことにより、実施例1〜5及び比較例1〜4の粘着剤組成物の酢酸エチル溶液(以下「組成物溶液」と言うこともある。)を得た。
Figure 2019048920
実施例1〜5及び比較例1〜4においては、(メタ)アクリル樹脂A1〜A4、AC、B1、BCの合成に用いたモノマー及び溶媒の量から、合成された(メタ)アクリル樹脂を含む樹脂溶液の固形分濃度を算出した。さらに、(メタ)アクリル樹脂を含む樹脂溶液の固形分濃度と、硬化剤の量から、固形分30質量%の組成物溶液とするために必要な酢酸エチルの量を算出した。なお、(メタ)アクリル樹脂を含む樹脂溶液は、いずれも固形分濃度50質量%である。また、表2に示す2種類の(メタ)アクリル樹脂を含む樹脂溶液の合計100質量部に対して加えた硬化剤の量は、実施例1〜5及び比較例1〜4のいずれも0.5質量部である。
したがって、固形分濃度が30質量%である実施例1〜5及び比較例1〜4の組成物溶液を得る際には、2種類の(メタ)アクリル樹脂を含む樹脂溶液の合計100質量部に対して、68質量部の酢酸エチルを加えた。
<3.粘着剤組成物の評価>
実施例1〜5及び比較例1〜4の組成物溶液を用いて、以下に示す方法により、粘着シートを作製し、以下に示す方法により評価した。その結果を表2に示す。
[粘着シートの作製方法]
厚さ50μmのPETフィルムの片面に、組成物溶液を塗布層の厚みが35μmとなるように流延塗布し、80℃で5分間加熱乾燥させることにより、粘着剤組成物の硬化物からなる厚さ10μmの粘着剤層を形成した。その後、粘着剤層の表面に、セパレータの剥離処理された面を対向させて貼り合わせ、40℃で72時間エージングを行った。セパレータとしては、シリコーン化合物を塗布する剥離処理を片面に施した厚さ25μmのPETフィルムを用いた。
以上の工程により、基材上に粘着剤層が設けられ、粘着剤層の表面にセパレータが貼付された粘着シートを得た。
[粘着力の測定]
粘着シートを25mm×150mmの大きさに切り取り、セパレータを剥がした。その後、露出した粘着剤層(測定面)の全面を、ガラス製の試験板に貼付して、質量2kg(荷重19.6N)のゴムローラー(直径:85mm、幅:50mm)を1往復させて、測定用サンプルを作製した。
得られた測定用サンプルを、温度23℃及び相対湿度50%の環境下に30分間放置した。その後、JIS K 6854−2に準じて、剥離速度0.3m/分で180°方向の引張試験を行って、粘着剤層のガラス板に対する粘着力(N/25mm)を測定した。
測定後、剥離開始点(0mm)から25mm〜125mmの100mmの剥離長さにわたって、粘着力−剥離距離を示す曲線における粘着力の平均値を算出し、これを粘着剤層のガラス板に対する粘着力(N/25mm)とした。
[高温下で長時間の定荷重負荷に対する耐剥離性の評価]
幅20mm×50mmの大きさの粘着シートからセパレータを剥がし、粘着剤層を露出させた。次いで、粘着剤層の露出面をガラス板に貼り、温度23℃、湿度50%の条件下で24時間放置した。その後、ガラス板および粘着シートの温度を60℃とし、30分間90°の方向に0.49Nの荷重をかけ、剥離距離(粘着シートの剥離したガラス板の長さ)を測定した。測定結果を以下の基準により評価した。
◎:剥離距離が5mm以下
○:剥離距離が5mmを超10mm以下
△:剥離距離が10mm超15mm以下
×:剥離距離が15mmを超える
<4.粘着剤組成物の評価結果>
表2に示すように、実施例1〜5の粘着シートは、厚みが薄くても十分に高い粘着力が得られ、かつ高温下で長期間使用しても高い耐剥離性を維持できることが確認できた。
一方、比較例1の粘着剤組成物は、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1の割合が低い(メタ)アクリル樹脂BCを含む。比較例1の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、高温下で長時間の定荷重負荷に対する耐剥離性が十分ではなかった。
また、比較例2の粘着剤組成物は、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1の割合が高い(メタ)アクリル樹脂ACを含む。比較例2の粘着剤組成物を用いた粘着シートも、高温下で長時間の定荷重負荷に対する耐剥離性が十分ではなかった。
比較例3の粘着剤組成物は、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位の割合が高い(メタ)アクリル樹脂A1を過剰に含む。比較例3の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、高温下で長時間の定荷重負荷に対する耐剥離性が不十分であった。
比較例4の粘着剤組成物は、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位の割合が低い(メタ)アクリル樹脂B1を過剰に含む。比較例4の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、高温下で長時間の定荷重負荷に対する耐剥離性が不十分であった。また、比較例4の粘着剤組成物を用いた粘着シートは、粘着力も不十分であった。

Claims (10)

  1. (メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを含み、
    前記(メタ)アクリル樹脂Aは、前記(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1を25〜50mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2を0.5〜10mol%含み、
    前記(メタ)アクリル樹脂Bは、前記(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1を5〜24mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2を0.5〜10mol%含み、
    前記硬化剤Cは、イソシアナト基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有し、
    前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対する、前記(メタ)アクリル樹脂Aの含有量は30〜80質量%であり、
    前記硬化剤Cは、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部含有することを特徴とする粘着剤組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル樹脂Aの重量平均分子量は50万〜150万である請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル樹脂Bの重量平均分子量は50万〜150万である請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記構成単位a1は、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミドモノマーに由来する構成単位である請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記構成単位a1はN,N−ジエチルアクリルアミドからなり、
    前記構成単位b1はN,N−ジメチルアクリルアミドからなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記硬化剤Cに含まれる官能基が、イソシアナト基、エポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記構成単位a2は、ヒドロキシ基を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位及びアクリル酸由来の構成単位からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着剤組成物の硬化物を含む粘着シート。
  9. (メタ)アクリル樹脂Aと、(メタ)アクリル樹脂Bと、硬化剤Cとを混合する粘着剤組成物の製造方法であって、
    前記(メタ)アクリル樹脂Aは、前記(メタ)アクリル樹脂Aを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位a1を25〜50mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位a2を0.5〜10mol%含み、
    前記(メタ)アクリル樹脂Bは、前記(メタ)アクリル樹脂Bを構成する全構成単位中に、アミド結合を含む(メタ)アクリレート由来の構成単位b1を5〜24mol%、及び前記硬化剤Cに含まれる官能基に対して反応性を有する官能基を含む構成単位b2を0.5〜10mol%含み、
    前記硬化剤Cは、イソシアナト基、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、アジリジン基からなる群から選ばれる官能基を複数個有し、
    前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量に対する、前記(メタ)アクリル樹脂Aの添加量は30〜80質量%であり、
    前記硬化剤Cは、前記(メタ)アクリル樹脂A及び前記(メタ)アクリル樹脂Bの合計量100質量部に対して、0.1〜10質量部添加されることを特徴とする粘着剤組成物の製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により得られた粘着剤組成物を硬化させる工程を含む粘着シートの製造方法。
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